【実施例】
【0029】
以下に示す実施例により、本発明を詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例の記載について「部」及び「%」は質量基準に基づくものである。
【0030】
<1.2液型ウレタン塗料組成物の主剤及び硬化剤の調製>
≪実施例1〜17及び比較例1〜15≫
表1〜6に記載の各成分を混合し、実施例1〜17、比較例1〜15の2液型ウレタン塗料組成物の主剤及び硬化剤を調製した。2液型ウレタン塗料組成物の原料を以下に示す。
【0031】
[(A):水酸基含有樹脂]
・水酸基含有樹脂A1(商品名:アクリディックWFU−289、DIC(株)社製、樹脂固形分50%、樹脂の水酸基価:40mgKOH/g、Tg:70℃)
・水酸基含有樹脂A2(商品名:アクリディック52−668−BA、DIC(株)社製、樹脂固形分45%、樹脂の水酸基価:56mgKOH/g、Tg:65℃)
・水酸基含有樹脂A3(商品名:アクリディック47−538−BA、DIC(株)社製、樹脂固形分45%、樹脂の水酸基価:58mgKOH/g、Tg:95℃)
・水酸基含有樹脂A4(商品名:アクリディックA−827、DIC(株)社製、樹脂固形分65%、樹脂の水酸基価:69mgKOH/g、Tg:45℃)
・水酸基含有樹脂A5(商品名:アクリディックFU−355−BA、DIC(株)社製、樹脂固形分50%、樹脂の水酸基価:90mgKOH/g、Tg:85℃)
【0032】
[(B):(A)よりも水酸基価が小さくかつTgが低い水酸基含有樹脂]
・水酸基含有樹脂B1(商品名:アクリディックA−811、DIC(株)社製、樹脂固形分50%、樹脂の水酸基価:34mgKOH/g、Tg:20℃)
・水酸基含有樹脂B2(商品名:アクリディックA−870、DIC(株)社製、樹脂固形分55%、樹脂の水酸基価:44mgKOH/g、Tg:30℃)
・水酸基含有樹脂B3(商品名:アクリディックA−871、DIC(株)社製、樹脂固形分55%、樹脂の水酸基価:53mgKOH/g、Tg:30℃)
・水酸基含有樹脂B4(商品名:アクリディックA−809−BA、DIC(株)社製、樹脂固形分50%、樹脂の水酸基価:40mgKOH/g、Tg:40℃)
・水酸基含有樹脂B5(商品名:アクリディックWAU−137−BA、DIC(株)社製、樹脂固形分62%、樹脂の水酸基価:56mgKOH/g、Tg:35℃)
水酸基含有樹脂B6(商品名:ダイヤナールLR−2637、三菱ケミカル(株)社製、樹脂固形分50%、樹脂の水酸基価:22mgKOH/g、Tg:46℃)
・水酸基含有樹脂B7(商品名:コータックスLH−591、東レファインケミカル(株)社製、樹脂固形分55%、樹脂の水酸基価:31mgKOH/g、Tg:50℃)
【0033】
[(C):アミノ基含有シランカップリング剤]
N−2―(アミノエチル)―3―アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−603、信越化学社製)
[(D):硬化剤]
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系ビウレット型ポリイソシアネート(商品名:スミジュールN3200、住化バイエルウレタン社製、樹脂固形分100%)
【0034】
[(E):メルカプト基含有シランカップリング剤]
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−803、信越化学社製)
[顔料]
酸化チタン(商品名:タイペークCR−95、石原産業社製)
【0035】
<2.塗料作製及び試験板作製>
調製した主剤と硬化剤を混合し、十分撹拌して得られた塗料を、150×70×0.8mmの脱脂したダル鋼板(SPCC−SD)、アルミ(A5052P)、ステンレス(SUS304)に乾燥膜厚が80μmになるようにスプレー塗装し、23℃で1週間養生し、試験板を作製した。
【0036】
<3.評価>
特性の評価は以下の通り行った。なお測定は、特に断りの無い限り23℃55%RHの雰囲気下で行った。
(評価法)
・水酸基価:JIS K0070−1992に準じた。樹脂固形分1g中の遊離水酸基を無水酢酸で完全にアセチル化した後、それを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を定量した。
・Tg(℃):JIS K7121−1987[熱流束示差走査熱量測定]に準じて測定した。
・重量平均分子量:JIS K7252−3:2016に準じ、標準ポリスチレンを使用して求めた。
・鉛筆硬度
JIS K 5600−5−4:1999(ISO/DIS 15184:1996)に準拠して、塗膜の鉛筆硬度を引っかき硬度試験用鉛筆(Uni MITSUBISHI、三菱鉛筆社製)で判定した。
評価基準は以下の通りとした。
2H以上:◎
HB〜H:○
3B〜B:△
4B以下:×
【0037】
≪金属基材に対する付着性評価≫
塗膜にカッターナイフにて2mm幅のマスを100個作製し、その後セロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、指で圧着した後、セロハンテープを一気に引き剥がし、残存する塗膜のマス目を数えた。
【0038】
≪耐塩水噴霧性試験(防錆性及び耐候性評価)≫
試験板に予めカッターナイフにて素地に達する、30°の角度で交わるよう長さ10cmの2本のキズを付ける。その試験板を槽内温度35℃、5%塩化ナトリウム水を連続で噴霧する塩水噴霧試験機にて240時間試験を行った。取出した後、1時間の乾燥後にキズの部分にセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、指で圧着した後、一気に引き剥がし、キズからの剥離幅を観察した。剥離幅が小さいほど、良好である。
評価基準は以下の通りとした。
塩水噴霧(240h)後の剥離幅
2mm以下:◎
2〜3mm:○
3〜5mm:△
5mm以上:×
【0039】
結果を以下の表に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
表に示すように、本発明では多種の金属に対して良好な防錆性及び耐候性を有することが分かる。