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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-51925(P2021-51925A)
(43)【公開日】2021年4月1日
(54)【発明の名称】シールド線用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/38 20110101AFI20210305BHJP
【FI】
   H01R24/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-174460(P2019-174460)
(22)【出願日】2019年9月25日
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】松本 博幸
(72)【発明者】
【氏名】正田 進也
(72)【発明者】
【氏名】勝本 早紀
(72)【発明者】
【氏名】角野 愛
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AB31
5E223AC21
5E223BA12
5E223BA17
5E223CA13
5E223GA06
(57)【要約】
【課題】フロントキャップをメタルシェルに確実に係止できるシールド線用コネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10は、メタルシェル1と骨組したフロントキャップ3を備える。メタルシェル1は、相手側コネクタの開口部に導入自在なヘッダー1hを前部に有する。フロントキャップ3は、ヘッダー1hを着脱自在に囲っている。フロントキャップ3は、前面から後面に向かって延出し、ヘッダーの両側面に沿って移動自在に対向配置した一対のロックアーム3r・3rを有する。ヘッダー1hは、ロックアーム3rの先端部に形成した第1鉤部3hと係合自在な第1台部1eを両側面に有する。第1鉤部3hは、穴部111を通過して、第1台部1eの後端縁に係止できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタの開口部に導入自在なヘッダーを前部に有するメタルシェルと、
前記メタルシェルのヘッダーを着脱自在に囲う骨組したフロントキャップと、を備え、
前記フロントキャップは、前面から後面に向かって延出し、前記ヘッダーの側面に沿って移動自在に配置した一つ以上の帯板状のロックアームを有し、
前記ヘッダーは、前記ロックアームの先端部に形成した爪片と係合自在な係合部を側面に有している、シールド線用同軸コネクタ。
【請求項2】
前記フロントキャップは、前面から後面に向かって延出した位置決めピンを中央部に有し、
前記ヘッダーは、前記位置決めピンを圧入できる位置決め穴を前面の中央部に穿設している、請求項1記載のシールド線用コネクタ。
【請求項3】
前記ロックアームは、鉤状の第1鉤部を先端部に有し、
前記係合部は、前記ヘッダーの側面から隆起した矩形の第1台部からなり、
前記第1台部は、前記第1鉤部を導入でき、前記ヘッダーの前面から後面に向かって貫通した穴部を有し、
前記第1鉤部は、前記第1台部の後端縁に係止できる、請求項1又は2記載のシールド線用コネクタ。
【請求項4】
前記ロックアームは、先端面から切り欠いたスリットを中央部に有すると共に、相反する向きに向かう一対の鉤状の第2鉤部及び第3鉤部を先端部に有し、
前記係合部は、前記ヘッダーの側面から隆起した矩形の第2台部からなり、
前記第2台部は、前記第2鉤部及び前記第3鉤部を導入でき、前記ヘッダーの前面から後面に向かって貫通した穴部を有し、
前記第2鉤部及び前記第3鉤部は、前記第2台部の後端縁に係止できる、請求項1又は2記載のシールド線用コネクタ。
【請求項5】
前記ロックアームは、先端面から切り欠いたスリットを中央部に有すると共に、相反する向きに向かう一対の鉤状の第2鉤部及び第3鉤部を先端部に有し、
前記係合部は、前記ヘッダーの側面から隆起し、離隔した状態で配置された一組の矩形の第2台部及び第3台部からなり、
前記ロックアームは、前記第2鉤部及び前記第3鉤部を互いに近づけて、前記第2台部と前記第3台部の間を通過でき、
前記第2鉤部及び前記第3鉤部を復帰して、前記第2鉤部及び前記第3鉤部の後端縁に係止できる、請求項1又は2記載のシールド線用コネクタ。
【請求項6】
異なる色相を有する複数種類のフロントキャップを用意できる、請求項1から5のいずれかに記載のシールド線用コネクタ。
【請求項7】
前記フロントキャップは、前面板と後枠を結合した複数のアームを有し、
これらのアームは、相手側コネクタとの誤挿入を防止する誤挿入防止キーを構成している、請求項1から6のいずれかに記載のシールド線用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド線用コネクタに関する。特に、プリント基板に実装できると共に、相手側コネクタを導入できるヘッダーを着脱自在に囲うフロントキャップを備えるシールド線用コネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、シールド線用コネクタの一種である同軸コネクタであって、プリント基板に実装できると共に、複数の同軸ケーブルの端末に接続した相手側コネクタと電気的に接続できる角形の多芯同軸コネクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1による多芯同軸コネクタは、複数の部品で構成していたメタルシェルをダイカストで一体成形することにより、部品点数を削減でき、かつ、組立工程を簡素化できる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−150082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図9は、従来技術による多芯同軸コネクタの構成を示す図であり、図9(A)は、多芯同軸コネクタの斜視分解組立図、図9(B)は、多芯同軸コネクタに備わるメタルシェルの斜視図である。なお、本願の図9は、特許文献1の図4に相当している。
【0006】
図9を参照すると、従来技術による多芯同軸コネクタ(以下、コネクタと略称する)9は、角形のメタルシェル91、長尺のL形の中心コンタクト9a、及び、短尺のL形の中心コンタクト9bを備えている。又、コネクタ9は、第1グラウンドプレート91gと第2グラウンドプレート92gを備えている。更に、コネクタ9は、内部に空洞を有する箱状のフロントキャップ93を備えている。
【0007】
図9を参照すると、メタルシェル91は、四角体状のヘッダー91hを前部に突出している。又、メタルシェル91は、三列二段に配列した六個のコンタクトキャビティ91cを背面側から前面に向けて貫通している。
【0008】
図9(A)を参照すると、中心コンタクト9aは、円柱状の絶縁体91iを一端部側の中央部に一体モールドしている。又、中心コンタクト9aは、帯板状の絶縁体92iを他端部側の中央部に一体モールドしている。
【0009】
同様に、図9(A)を参照すると、中心コンタクト9bは、円柱状の絶縁体93iを一端部側の中央部に一体モールドしている。又、中心コンタクト9bは、四角体状の絶縁体94iを他端部側の中央部に一体モールドしている。
【0010】
図9(A)を参照すると、中心コンタクト9aは、その一端部側を上段側のコンタクトキャビティ91cに挿入している。そして、絶縁体91iの端面がコンタクトキャビティ91cの段差に当接することで、中心コンタクト9aの挿入深さを規定できる。
【0011】
同様に、図9(A)を参照すると、中心コンタクト9bは、その一端部側を下段側のコンタクトキャビティ91cに挿入している。そして、絶縁体93iの端面がコンタクトキャビティ91cの段差に当接することで、中心コンタクト9bの挿入深さを規定できる。
【0012】
又、図9(A)を参照すると、中心コンタクト9a及び中心コンタクト9bは、それらの他端部側の先端部にリード部9rを形成している。これらのリード部9rは、図示しないプリント基板の信号用のスルーホールに挿入できる。そして、リード部9rを図示しないスルーホールにはんだ接合することで、中心コンタクト9a及び中心コンタクト9bとプリント基板を電気的に接続でき、コネクタ9をプリント基板に実装できる。
【0013】
図9(A)を参照すると、第1グラウンドプレート91gは、絶縁体92iを介して、メタルシェル91の背面を覆っている。第2グラウンドプレート92gは、メタルシェル91の底面から挿入できる。第2グラウンドプレート92gは、絶縁体92iと絶縁体94iの間に介在した状態で配置されている。又、第2グラウンドプレート92gは、絶縁体92iを外周方向から導入できる切り欠きを上部に切り欠いている。
【0014】
又、図9(A)を参照すると、第1グラウンドプレート91g及び第2グラウンドプレート92gは、それらの下部にリード部9grを形成している。これらのリード部9grは、図示しないプリント基板のグラウンド用のスルーホールに挿入できる。そして、リード部9grを図示しないスルーホールにはんだ接合することで、第1グラウンドプレート91g及び第2グラウンドプレート92gとプリント基板を電気的に接続でき、コネクタ9をプリント基板に実装できる。
【0015】
図9を参照すると、フロントキャップ93は、ヘッダー91hを導入可能に、後面を開口している。又、フロントキャップ93は、その前面を閉塞しているが、図示しない相手側コンタクトを導入できる複数の穴を前面に開口している。
【0016】
図9(A)を参照すると、フロントキャップ93は、片持ち支持されたランス93rを一方の面に形成している。ランス93rは、フロントキャップ93の内部に向かって突出した凸部(図示せず)を先端部に形成している。一方、図9を参照すると、ヘッダー91hは、一対の凹部91d・91dを一方の面に穿設している。
【0017】
図9を参照して、特許文献1によるコネクタ9は、フロントキャップ93をヘッダー91hに挿入すると、ランス93rの先端部に形成した凸部(図示せず)がヘッダー91hの凹部91dに係合することで、フロントキャップ93がヘッダー91hから離脱することを防止できる、としている。
【0018】
ところで、自動車などは、形状が同じの複数のコネクタ9を内部に配置している。フロントキャップ93を合成樹脂で成形することで、異なる色相を有する複数種類のフロントキャップ93を用意できる。そして、異なる色相を有する複数種類のフロントキャップ93をヘッダー91hに取り付けることで、接続される相手側コネクタを識別できる。
【0019】
しかしながら、図9を参照すると、特許文献1によるコネクタ9は、フロントキャップ93の一方の面に形成したランス93rがヘッダー91hの凹部91dに係合しているだけなので、フロントキャップ93を介して、相手側コネクタをヘッダー91hに挿抜すると、フロントキャップ93がヘッダー91hから離脱する心配がある。ヘッダー91hに対して、フロントキャップ93がガタツキ、相手側コネクタをヘッダー91hに確実に嵌合できない心配がある。
【0020】
異なる色相を有する複数種類のフロントキャップのいずれか一つをメタルシェルのヘッダーに着脱自在なシールド線用コネクタであって、フロントキャップをメタルシェルのヘッダーに確実に係止できるシールド線用コネクタが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0021】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、フロントキャップをメタルシェルのヘッダーに確実に係止できるシールド線用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明者らは、メタルシェルのヘッダーを着脱自在に囲うフロントキャップを骨組した籠状に形成し、フロントキャップには、前面から後面に向かって延出した一つ以上の帯板状のロックアームをヘッダーの側面に沿って移動自在に配置し、ヘッダーには、ロックアームの先端部に形成した爪片と係合自在な係合部を側面に形成することで、フロントキャップをメタルシェルのヘッダーに確実に係止できると考え、これに基づいて、以下のような新たなシールド線用コネクタを発明するに至った。
【0023】
(1)本発明によるシールド線用コネクタは、相手側コネクタの開口部に導入自在なヘッダーを前部に有するメタルシェルと、前記メタルシェルのヘッダーを着脱自在に囲う骨組したフロントキャップと、を備え、前記フロントキャップは、前面から後面に向かって延出し、前記ヘッダーの側面に沿って移動自在に配置した一つ以上の帯板状のロックアームを有し、前記ヘッダーは、前記ロックアームの先端部に形成した爪片と係合自在な係合部を側面に有している。
【0024】
(2)前記フロントキャップは、前面から後面に向かって延出した位置決めピンを中央部に有し、前記ヘッダーは、前記位置決めピンを圧入できる位置決め穴を前面の中央部に穿設していることが好ましい。
【0025】
(3)前記ロックアームは、鉤状の第1鉤部を先端部に有し、前記係合部は、前記ヘッダーの両側面から隆起した矩形の第1台部からなり、前記第1台部は、前記第1鉤部を導入でき、前記ヘッダーの前面から後面に向かって貫通した穴部を有し、前記第1鉤部は、前記第1台部の後端縁に係止できてもよい。
【0026】
(4)前記ロックアームは、先端面から切り欠いたスリットを中央部に有すると共に、相反する向きに向かう一対の鉤状の第2鉤部及び第3鉤部を先端部に有し、前記係合部は、前記ヘッダーの両側面から隆起した矩形の第2台部からなり、前記第2台部は、前記第2鉤部及び前記第3鉤部を導入でき、前記ヘッダーの前面から後面に向かって貫通した穴部を有し、前記第2鉤部及び前記第3鉤部は、前記第2台部の後端縁に係止できてもよい。
【0027】
(5)前記ロックアームは、先端面から切り欠いたスリットを中央部に有すると共に、相反する向きに向かう一対の鉤状の第2鉤部及び第3鉤部を先端部に有し、前記係合部は、前記ヘッダーの両側面から隆起し、離隔した状態で配置された一組の矩形の第2台部及び第3台部からなり、前記ロックアームは、前記第2鉤部及び前記第3鉤部を互いに近づけて、前記第2台部と前記第3台部の間を通過でき、前記第2鉤部及び前記第3鉤部を復帰して、前記第2鉤部及び前記第3鉤部の後端縁に係止できてもよい。
【0028】
(6)本発明によるシールド線用コネクタは、異なる色相を有する複数種類のフロントキャップを用意できることが好ましい。
【0029】
(7)前記フロントキャップは、前面板と後枠を結合した複数のアームを有し、これらのアームは、相手側コネクタとの誤挿入を防止する誤挿入防止キーを構成していることが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によるシールド線用コネクタは、メタルシェルのヘッダーを着脱自在に囲うフロントキャップを骨組した籠状に形成し、フロントキャップには、前面から後面に向かって延出した一対の帯板状のロックアームをヘッダーの両側面に沿って移動自在に対向配置し、ヘッダーには、ロックアームの先端部に形成した爪片と係合自在な係合部を両側面に形成しているので、フロントキャップをメタルシェルのヘッダーに確実に係止できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施形態によるシールド線用コネクタの構成を示す斜視図であり、図1(A)は、シールド線用コネクタに備わるメタルヘッドのヘッダーにフロントキャップを装着した状態図、図1(B)は、メタルヘッドのヘッダーからフロントキャップを取り外した状態図である。
図2】第1実施形態によるシールド線用コネクタの構成を示す斜視図であり、メタルヘッドとフロントキャップを対向配置した状態図である。
図3】第1実施形態によるシールド線用コネクタの構成を示す斜視図であり、メタルヘッドとフロントキャップを対向配置した状態を下面側から観ている。
図4】第1実施形態によるシールド線用コネクタの構成を示す斜視図であり、シールド線用コネクタを下面側から観た状態図である。
図5】第1実施形態によるシールド線用コネクタの構成を示す図であり、図5(A)は正面図、図5(B)は右側面図、図5(C)は左側面図、図5(D)は背面図、図5(E)は平面図、図5(F)は下面図、図5(G)は斜視図、図5(H)は、図5(A)のA−A矢視断面図、図5(J)は、図5(A)のB−B矢視断面図、図5(K)は、図5(H)の要部を拡大した図、図5(L)は、図5(J)の要部を拡大した図である。
図6】本発明の第2実施形態によるシールド線用コネクタの構成を示す斜視図であり、図6(A)は、シールド線用コネクタに備わるメタルヘッドのヘッダーにフロントキャップを装着した状態図、図6(B)は、フロントキャップの斜視図、図6(C)は、メタルヘッドのヘッダーからフロントキャップを取り外した状態図である。
図7】本発明の第3実施形態によるシールド線用コネクタの構成を示す斜視図であり、図7(A)は、シールド線用コネクタに備わるメタルヘッドのヘッダーにフロントキャップを装着した状態図、図7(B)は、フロントキャップの斜視図、図7(C)は、メタルヘッドのヘッダーからフロントキャップを取り外した状態図である。
図8】本発明の第1実施形態によるフロントキャップの構成を示す図であり、図8(A)は、第1実施形態によるフロントキャップの図、図8(B)は、第1実施形態の第1の変形例によるフロントキャップの図、図8(C)は、第1実施形態の第2の変形例によるフロントキャップの図であり、図8の上段は、フロントキャップの正面図を示し、図8の下段は、フロントキャップの斜視図を示している。
図9】従来技術による多芯同軸コネクタの構成を示す図であり、図9(A)は、多芯同軸コネクタの斜視分解組立図、図9(B)は、多芯同軸コネクタに備わるメタルシェルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0033】
[第1実施形態]
(シールド線用コネクタの構成)
最初に、本発明の第1実施形態によるシールド線用コネクタの構成を説明する。
【0034】
図1から図5を参照すると、本発明の第1実施形態によるシールド線用コネクタ(以下、コネクタと略称する)10は、角形のメタルシェル1、長尺のL形の中心コンタクト2a、及び、短尺のL形の中心コンタクト2bを備えている。又、コネクタ10は、第1グラウンドプレート21gと第2グラウンドプレート22gを備えている。更に、コネクタ9は、内部に空洞を有する骨組したフロントキャップ3を備えている。
【0035】
図1から図5を参照すると、メタルシェル1は、四角体状のヘッダー1hを前部に突出している。又、メタルシェル1は、二列二段に配列した四個のコンタクトキャビティ1cを背面側から前面に向けて貫通している(図1又は図2参照)。
【0036】
図4を参照すると、中心コンタクト2a・2bは、ピン状の接触端子2pを先端部に形成している。中心コンタクト2a・2bをコンタクトキャビティ1cに組み込んだ状態では、接触端子2pは、ヘッダー1hの前面に開口したコンタクトキャビティ1cに臨んで配置されている(図1(B)又は図4参照)。
【0037】
図1(A)を参照して、フロントキャップ93を介して、図示しない相手側コネクタをヘッダー1hに挿入すると、図示しない相手側コンタクトと接触端子2pを電気的に接続できる(図1(B)参照)。
【0038】
図4を参照すると、中心コンタクト2a及び中心コンタクト2bは、それらの他端部側の先端部にリード部2rを形成している。これらのリード部2rは、図示しないプリント基板の信号用のスルーホールに挿入できる。そして、リード部2rを図示しないスルーホールにはんだ接合することで、中心コンタクト2a及び中心コンタクト2bとプリント基板を電気的に接続でき、コネクタ10をプリント基板に実装できる。
【0039】
図4を参照すると、第1グラウンドプレート21gは、メタルシェル1の底面から圧入されている。第1グラウンドプレート21gは、絶縁体23iを介して、メタルシェル91の背面を閉鎖している。第2グラウンドプレート22gは、メタルシェル1の底面から圧入されている第2グラウンドプレート22gは、絶縁体23iと絶縁体24iの間に介在した状態で配置されている。
【0040】
図4を参照すると、第2グラウンドプレート22gは、その下部にリード部を形成している。リード部は、図示しないプリント基板のグラウンド用のスルーホールに挿入できる。そして、リード部を図示しないスルーホールにはんだ接合することで、第2グラウンドプレート22gとプリント基板を電気的に接続でき、コネクタ10をプリント基板に実装できる。なお、第1グラウンドプレート21gは、その底面を図示しないプリント基板のグラウンドパターンにはんだ接合することもできる。
【0041】
(メタルシェルの構成)
次に、第1実施形態によるメタルシェル1の構成を説明する。図1から図5を参照すると、メタルシェル1は、四つの円柱状の支持脚1fを底面から突出している。これらの支持脚1fは、図示しないプリント基板のグラウンド用のスルーホールに挿入できる。そして、支持脚1fを図示しないスルーホールにはんだ接合することで、メタルシェル1とプリント基板を電気的に接続でき、コネクタ10をプリント基板に実装できる。
【0042】
図1又は図2を参照すると、メタルシェル1は、台形台状のラッチ片1rをヘッダー1hの上面から突出している。フロントキャップ3を介して、ヘッダー1hを相手側コネクタの開口部(図示せず)に導入すると、相手側コネクタの開口部に形成したロックアームがラッチ片1rに係合することで、図示しない相手側コネクタをコネクタ10にロックできる。
【0043】
又、図1から図5を参照すると、メタルシェル1は、係合部となる一対の矩形の第1台部1e・1eをヘッダー1hの両側面に形成している。これらの第1台部1e・1eは、ヘッダー1hの両側面から相反する向きに隆起している。これらの第1台部1e・1eには、後述する一対のロックアーム3r・3rを係合できる(図2又は図3参照)。
【0044】
図1(B)又は図2及び図4を参照すると、メタルシェル1は、円形の位置決め穴11hをヘッダー1hの前面の中央部に穿設している。位置決め穴11hには、後述するフロントキャップ3に形成した位置決めピン3pを圧入できる(図3参照)。
【0045】
(フロントキャップの構成)
次に、第1実施形態によるフロントキャップ3の構成を説明する。図1(A)又は図2及び図3を参照すると、フロントキャップ3は、合成樹脂からなり、合成樹脂を成形して所望の形状の骨組したフロントキャップ3を得ることができる。
【0046】
図1(A)又は図2及び図3を参照すると、フロントキャップ3は、ヘッダー1hを導入可能に、後面を開口している。又、フロントキャップ3は、その前面を閉塞しているが、図示しない相手側コンタクトを導入できる複数の穴3cを前面に開口している。
【0047】
図2及び図3を参照すると、フロントキャップ3は、一対の帯板状のロックアーム3r・3rと位置決めピン3pを有している。一対のロックアーム3r・3rは、フロントキャップ3の前面から後面に向かって延出している。又、一対のロックアーム3r・3rは、ヘッダー1hの両側面に沿って移動自在に対向配置している。
【0048】
図2及び図3を参照すると、ロックアーム3rは、爪片となる鉤状の第1鉤部3hを先端部に有している。一方、第1台部1eは、ヘッダー1hの前面から後面に向かって貫通した穴部111を有している。
【0049】
図2及び図3を参照して、ヘッダー1hに向かって、フロントキャップ3を移動すると、穴部111には、第1鉤部3hを導入できる。フロントキャップ3を更に移動すると、第1鉤部3hは、第1台部1eの後端縁に係止できる。そして、フロントキャップ3をヘッダー1hにロックできる。
【0050】
図1から図5を参照すると、第1実施形態によるコネクタ10は、メタルシェル1のヘッダー1hを着脱自在に囲うフロントキャップ3を籠状に形成し、フロントキャップ3には、前面から後面に向かって延出した一対の帯板状のロックアーム3r・3rをヘッダー1hの両側面に沿って移動自在に対向配置し、ヘッダー1hには、ロックアーム3rの先端部に形成した第1鉤部3hと係合自在な第1台部1eを両側面に形成しているので、フロントキャップ3をメタルシェル1のヘッダー1hに確実に係止できる。
【0051】
又、図3を参照すると、位置決めピン3pは、フロントキャップ3の前面から後面に向かって延出している。位置決めピン3pは、フロントキャップ3の中央部に配置されている。なお、位置決めピン3pは、つぶしリブと呼ばれるリブ片31rを基端部に形成している。
【0052】
図2及び図3を参照して、ヘッダー1hに向かって、フロントキャップ3を移動すると、位置決めピン3pを位置決め穴11hに圧入できる。これにより、コネクタ10は、ヘッダー1hに対して、フロントキャップ3のがたつきを抑制でき、ヘッダー1hに対して、フロントキャップ3の位置ずれを抑制できる。
【0053】
又、図2及び図3を参照すると、フロントキャップ3は、ラッチ片1rを逃げる逃げ部31eを有している。逃げ部31eは、フロントキャップ3の後面から前面に向かって切り欠かれている。これにより、フロントキャップ3をヘッダー1hに装着した状態で、図示しない相手側コネクタをコネクタ10にロックできる。
【0054】
(シールド線用コネクタの作用)
次に、第1実施形態によるコネクタ10の作用及び効果を説明する。図1から図5を参照すると、第1実施形態によるコネクタ10は、メタルシェル1のヘッダー1hを着脱自在に囲うフロントキャップ3を籠状に形成し、フロントキャップ3には、前面から後面に向かって延出した一対の帯板状のロックアーム3r・3rをヘッダー1hの両側面に沿って移動自在に対向配置し、ヘッダー1hには、ロックアーム3rの先端部に形成した第1鉤部3hと係合自在な第1台部1eを両側面に形成しているので、フロントキャップ3をメタルシェル1のヘッダー1hに確実に係止できる。
【0055】
第1実施形態によるフロントキャップ3は、一対の帯板状のロックアーム3r・3rを対向配置しているが、ロックアーム3rは、フロントキャップ3の片側のみに形成してよい。この場合、ヘッダー1hには、第1台部1eを一方の側面のみに形成することが好ましい。
【0056】
図2又は図3を参照すると、コネクタ10は、フロントキャップ3の前面から後面に向かって延出した位置決めピン3pを中央部に有している。又、コネクタ10は、位置決めピン3pを圧入できる位置決め穴11hをヘッダー1hの前面の中央部に穿設している。これにより、コネクタ10は、ヘッダー1hに対して、フロントキャップ3のがたつきを抑制でき、ヘッダー1hに対して、フロントキャップ3に位置ずれを抑制できる。
【0057】
第1実施形態によるフロントキャップ3は、位置決めピン3pを中央部に配置しているが、位置決めピン3pの位置は、フロントキャップ3の中央部に限定されない。
【0058】
[第2実施形態]
(シールド線用コネクタの構成)
次に、本発明の第2実施形態によるシールド線用コネクタの構成を説明する。
【0059】
図6を参照すると、本発明の第2実施形態によるシールド線用コネクタ(以下、コネクタと略称する)20は、角形のメタルシェル4と骨組したフロントキャップ5を備えている。メタルシェル4は、四角体状のヘッダー4hを前部に突出している(図6(C)参照)。フロントキャップ5は、内部に空洞を有している(図6(B)参照)。
【0060】
なお、第2実施形態によるメタルシェル4の内部構成は、第1実施形態によるメタルシェル1の内部構成と同じであるので、以下、説明を省略する。
【0061】
(メタルシェルの構成)
次に、第2実施形態によるメタルシェル4の構成を説明する。図6(A)又は図6(B)を参照すると、メタルシェル4は、四つの円柱状の支持脚4fを底面から突出している。これらの支持脚4fは、図示しないプリント基板のグラウンド用のスルーホールに挿入できる。そして、支持脚4fを図示しないスルーホールにはんだ接合することで、メタルシェル4とプリント基板を電気的に接続でき、コネクタ20をプリント基板に実装できる。
【0062】
図6(A)又は図6(B)を参照すると、メタルシェル4は、台形台状のラッチ片4rをヘッダー4hの上面から突出している。フロントキャップ5を介して、ヘッダー4hを相手側コネクタの開口部(図示せず)に導入すると、相手側コネクタの開口部に形成したロックアームがラッチ片4rに係合することで、図示しない相手側コネクタをコネクタ20にロックできる。
【0063】
又、図6(A)又は図6(B)を参照すると、メタルシェル4は、係合部となる一対の矩形の第2台部4e・4eをヘッダー4hの両側面に形成している。これらの第2台部4e・4eは、ヘッダー4hの両側面から相反する向きに隆起している。これらの第2台部4e・4eには、後述する一対のロックアーム5r・5rを係合できる(図6(B)参照)。
【0064】
図6(C)を参照すると、メタルシェル4は、円形の位置決め穴41hをヘッダー4hの前面の中央部に穿設している。位置決め穴41hには、後述するフロントキャップ5に形成した位置決めピン5pを圧入できる。
【0065】
(フロントキャップの構成)
次に、第2実施形態によるフロントキャップ5の構成を説明する。図6(B)を参照すると、フロントキャップ5は、合成樹脂からなり、合成樹脂を成形して所望の形状の骨組したフロントキャップ5を得ることができる。
【0066】
図6(B)を参照すると、フロントキャップ5は、ヘッダー4hを導入可能に、後面を開口している。又、フロントキャップ5は、その前面を閉塞しているが、図示しない相手側コンタクトを導入できる複数の穴5cを前面に開口している。
【0067】
図6(A)又は図6(B)を参照すると、フロントキャップ5は、一対の帯板状のロックアーム5r・5rと位置決めピン5pを有している。一対のロックアーム5r・5rは、フロントキャップ5の前面から後面に向かって延出している。又、一対のロックアーム5r・5rは、ヘッダー4hの両側面に沿って移動自在に対向配置している。
【0068】
図6(B)を参照すると、ロックアーム5rは、先端面から切り欠いたスリット5sを中央部に有している。又、ロックアーム5rは、爪片となる相反する向きに向かう一対の鉤状の第2鉤部52h及び第3鉤部53hを先端部に有している。一方、第2台部4eは、ヘッダー4hの前面から後面に向かって貫通した穴部411を有している(図6(C)参照)。
【0069】
図6(B)又は図6(C)を参照して、ヘッダー4hに向かって、フロントキャップ5を移動すると、穴部411には、第2鉤部52h及び第3鉤部53hを導入できる。フロントキャップ5を更に移動すると、第2鉤部52h及び第3鉤部53hは、第2台部4eの後端縁に係止できる。そして、フロントキャップ5をヘッダー4hにロックできる。
【0070】
図6を参照すると、第2実施形態によるコネクタ20は、メタルシェル4のヘッダー4hを着脱自在に囲うフロントキャップ5を籠状に形成し、フロントキャップ5には、前面から後面に向かって延出した一対の帯板状のロックアーム5r・5rをヘッダー4hの両側面に沿って移動自在に対向配置し、ヘッダー4hには、ロックアーム5rの先端部に形成した第2鉤部52h及び第3鉤部53hと係合自在な第2台部4eを両側面に形成しているので、フロントキャップ5をメタルシェル4のヘッダー4hに確実に係止できる。
【0071】
第2実施形態によるフロントキャップ5は、一対の帯板状のロックアーム5r・5rを対向配置しているが、ロックアーム5rは、フロントキャップ5の片側のみに形成してよい。この場合、ヘッダー1hには、第2台部4eを一方の側面のみに形成することが好ましい。
【0072】
又、図6(B)を参照すると、位置決めピン5pは、フロントキャップ5の前面から後面に向かって延出している。位置決めピン5pは、フロントキャップ5の中央部に配置されている。なお、位置決めピン5pは、つぶしリブと呼ばれるリブ片を基端部に形成している。
【0073】
図6(B)又は図6(C)を参照して、ヘッダー4hに向かって、フロントキャップ5を移動すると、位置決めピン5pを位置決め穴41hに圧入できる。これにより、コネクタ20は、ヘッダー4hに対して、フロントキャップ5のがたつきを抑制でき、ヘッダー4hに対して、フロントキャップ5の位置ずれを抑制できる。
【0074】
第2実施形態によるフロントキャップ5は、位置決めピン5pを中央部に配置しているが、位置決めピン5pの位置は、フロントキャップ5の中央部に限定されない。
【0075】
[第3実施形態]
(シールド線用コネクタの構成)
次に、本発明の第3実施形態によるシールド線用コネクタの構成を説明する。
【0076】
図7を参照すると、本発明の第3実施形態によるシールド線用コネクタ(以下、コネクタと略称する)30は、角形のメタルシェル6と骨組したフロントキャップ5を備えている。メタルシェル6は、四角体状のヘッダー6hを前部に突出している(図7(C)参照)。フロントキャップ5は、内部に空洞を有している(図7(B)参照)。
【0077】
なお、第3実施形態によるメタルシェル6の内部構成は、第1実施形態によるメタルシェル1の内部構成と同じであるので、以下、説明を省略する。
【0078】
(メタルシェルの構成)
次に、第3実施形態によるメタルシェル6の構成を説明する。図7(A)又は図7(B)を参照すると、メタルシェル6は、四つの円柱状の支持脚6fを底面から突出している。これらの支持脚6fは、図示しないプリント基板のグラウンド用のスルーホールに挿入できる。そして、支持脚6fを図示しないスルーホールにはんだ接合することで、メタルシェル6とプリント基板を電気的に接続でき、コネクタ30をプリント基板に実装できる。
【0079】
図7(A)又は図7(B)を参照すると、メタルシェル6は、台形台状のラッチ片6rをヘッダー6hの上面から突出している。フロントキャップ5を介して、ヘッダー6hを相手側コネクタの開口部(図示せず)に導入すると、相手側コネクタの開口部に形成したロックアームがラッチ片6rに係合することで、図示しない相手側コネクタをコネクタ30にロックできる。
【0080】
又、図7(C)を参照すると、メタルシェル4は、係合部となる一対の矩形の第2台部62e及び第3台部63eをヘッダー6hの両側面に形成している。これらの第2台部62e及び第3台部63eは、ヘッダー6hの両側面から相反する向きに隆起している。又、これらの第2台部62e及び第3台部63eは、離隔した状態で配置されている。これらの第2台部62e及び第3台部63eには、後述する一対のロックアーム5r・5rを係合できる(図7(B)参照)。
【0081】
図7(C)を参照すると、メタルシェル6は、円形の位置決め穴61hをヘッダー4hの前面の中央部に穿設している。位置決め穴61hには、後述するフロントキャップ5に形成した位置決めピン5pを圧入できる。
【0082】
(フロントキャップの構成)
次に、第3実施形態によるフロントキャップ5の構成を説明する。図7(B)を参照すると、フロントキャップ5は、合成樹脂からなり、合成樹脂を成形して所望の形状の骨組したフロントキャップ5を得ることができる。
【0083】
図7(B)を参照すると、フロントキャップ5は、ヘッダー6hを導入可能に、後面を開口している。又、フロントキャップ5は、その前面を閉塞しているが、図示しない相手側コンタクトを導入できる複数の穴5cを前面に開口している。
【0084】
図7(A)又は図7(B)を参照すると、フロントキャップ5は、一対の帯板状のロックアーム5r・5rと位置決めピン5pを有している。一対のロックアーム5r・5rは、フロントキャップ5の前面から後面に向かって延出している。又、一対のロックアーム5r・5rは、ヘッダー6hの両側面に沿って移動自在に対向配置している。
【0085】
図7(B)を参照すると、ロックアーム5rは、先端面から切り欠いたスリット5sを中央部に有している。又、ロックアーム5rは、相反する向きに向かう爪片となる一対の鉤状の第2鉤部52h及び第3鉤部53hを先端部に有している。
【0086】
図7(B)又は図7(C)を参照して、ヘッダー6hに向かって、フロントキャップ5を移動すると、ロックアーム5rは、第2鉤部52h及び第3鉤部53hを互いに近づけて、第2台部62eと第3台部63eの間を通過できる。フロントキャップ5を更に移動すると、第2鉤部52h及び第3鉤部53hは、復帰して第2台部62eと第3台部63eの後端縁に係止できる。そして、フロントキャップ5をヘッダー6hにロックできる。
【0087】
図7を参照すると、第3実施形態によるコネクタ30は、メタルシェル6のヘッダー6hを着脱自在に囲うフロントキャップ5を籠状に形成し、フロントキャップ5には、前面から後面に向かって延出した一対の帯板状のロックアーム5r・5rをヘッダー6hの両側面に沿って移動自在に対向配置し、ヘッダー6hには、ロックアーム5rの先端部に形成した第2鉤部52h及び第3鉤部53hと係合自在な第2台部62e及び第3台部63eを両側面に形成しているので、フロントキャップ5をメタルシェル6のヘッダー6hに確実に係止できる。
【0088】
第3実施形態によるフロントキャップ5は、一対の帯板状のロックアーム5r・5rを対向配置しているが、ロックアーム5rは、フロントキャップ5の片側のみに形成してよい。この場合、ヘッダー1hには、第2台部4eを一方の側面のみに形成することが好ましい。
【0089】
又、図7(B)を参照すると、位置決めピン5pは、フロントキャップ5の前面から後面に向かって延出している。位置決めピン5pは、フロントキャップ5の中央部に配置されている。なお、位置決めピン5pは、つぶしリブと呼ばれるリブ片を基端部に形成している。
【0090】
図7(B)又は図7(C)を参照して、ヘッダー6hに向かって、フロントキャップ5を移動すると、位置決めピン5pを位置決め穴61hに圧入できる。これにより、コネクタ30は、ヘッダー6hに対して、フロントキャップ5のがたつきを抑制でき、ヘッダー6hに対して、フロントキャップ5の位置ずれを抑制できる。
【0091】
第2実施形態によるフロントキャップ5は、位置決めピン5pを中央部に配置しているが、位置決めピン5pの位置は、フロントキャップ5の中央部に限定されない。
【0092】
次に、本発明の第1実施形態によるフロントキャップの構成を説明する。図8(A)を参照すると、第1実施形態によるフロントキャップ3は、前面板fpと後枠beを六本のアーム3aで結合している。
【0093】
図8(B)を参照すると、第1実施形態の第1の変形例によるフロントキャップ3Bは、前面板fpと後枠beを五本のアーム3aで結合している。図8(C)を参照すると、第1実施形態の第2の変形例によるフロントキャップ3Cは、前面板fpと後枠beを四本のアーム3aで結合している。このように、本発明によるフロントキャップは、複数の骨組みを構成できる。
【0094】
図8を参照すると、フロントキャップ3・3B・3Cは、一対のロックアームを除く、全てのアーム3a又は一部のアーム3aを利用して、相手側コネクタとの誤挿入を防止する誤挿入防止キーとすることができる。
【0095】
図1から図8を参照すると、本発明によるシールド線用コネクタは、異なる色相を有する複数種類のフロントキャップを用意していることが好ましい。異なる色相を有する複数種類のフロントキャップをヘッダーに取り付けることで、接続される相手側コネクタを識別できる。
【0096】
第1から第3の実施形態によるシールド線用コネクタは、多芯同軸コネクタを開示したが、本発明によるシールド線用コネクタは、単芯の同軸コネクタに流用可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 メタルシェル
1e 第1台部(係合部)
1h ヘッダー
3 フロントキャップ
3r ロックアーム
3h 第1鉤部(爪片)
10 コネクタ(シールド線用コネクタ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9