【解決手段】ステビオール配糖体、カンゾウ抽出物、羅漢果抽出物、ソーマチン、及びエリスリトールから選択される一種以上の高甘味度甘味料を含有させる、非発酵ビール様発泡性飲料に飲み応えを付与する方法。高甘味度甘味料の含有量は、ショ糖換算した含有量で1〜15g/Lとなる量であることが好ましい。
前記非発酵ビール様発泡性飲料のイソα酸の含有量に対するイソコフムロンの含有量の割合が26質量%以上であり、イソα酸の含有量に対するイソノルマルフムロンの含有量の割合が63質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非発酵ビール様発泡性飲料に飲み応えを付与する方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、天然の高甘味度甘味料を用いて糖質含有量を抑えつつ、飲みごたえと後味のしまりの両方が良好な非発酵ビール様発泡性飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、天然の高甘味度甘味料としてステビア抽出物やその酵素処理物を用い、かつイソα酸の含有量を特定の範囲内に調整することにより、糖質含有量を抑えつつ、ビールらしい飲みごたえと良好な後味のしまりを備える非発酵ビール様発泡性飲料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料、及び非発酵ビール様発泡性飲料の製造方法は、下記[1]〜[13]である。
[1] ステビオール配糖体と、0.01〜0.03g/Lのイソα酸とを含有することを特徴とする、非発酵ビール様発泡性飲料。
[2] 糖質含有量が2.0g/100mL未満である、前記[1]の非発酵ビール様発泡性飲料。
[3] 糖質含有量が0.9g/100mL未満である、前記[1]の非発酵ビール様発泡性飲料。
[4]糖質含有量が0.5g/100mL未満である、前記[1]の非発酵ビール様発泡性飲料。
[5]ステビオール配糖体の含有量が0.01〜0.08g/Lである、前記[1]〜[4]の非発酵ビール様発泡性飲料。
[6] ステビオール配糖体の含有量が、ショ糖換算した含有量で1〜15g/Lとなる量である、前記[1]〜[4]の非発酵ビール様発泡性飲料。
[7] イソα酸の含有量に対するイソコフムロンの含有量の割合が26%以上であり、イソα酸の含有量に対するイソノルマルフムロンの含有量の割合が63%以下である、前記[1]〜[6]のいずれかの非発酵ビール様発泡性飲料。
[8] 前記ステビオール配糖体が、ステビオサイド、レバウディオサイドA、及びこれらの糖転移酵素処理物からなる群より選択される1種以上である、前記[1]〜[7]のいずれかの非発酵ビール様発泡性飲料。
[9] アルコールを含まない、前記[1]〜[8]のいずれかの非発酵ビール様発泡性飲料。
[10] 水溶性食物繊維を含有する、前記[1]〜[9]のいずれかの非発酵ビール様発泡性飲料。
[11] プリン体濃度が、0.2mg/100mL以下である、前記[1]〜[10]のいずれかの非発酵ビール様発泡性飲料。
[12] ステビオール配糖体を原料とし、飲料中のイソα酸含有量を0.01〜0.03g/Lに調整することを特徴とする、非発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
[13] 飲料中のイソα酸の含有量に対するイソコフムロンの含有量の割合が26%以上、イソα酸の含有量に対するイソノルマルフムロンの含有量の割合が63%以下となるように調整する、前記[12]の非発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、糖質含有量を抑えつつ、飲みごたえと後味のしまりの両方が良好な非発酵ビール様発泡性飲料を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明及び本願明細書における非発酵ビール様発泡性飲料とは、発酵工程を経ずに製造された、ビールらしさ(香味上ビールを想起させる呈味)を有する発泡性飲料を意味する。本発明における非発酵ビール様発泡性飲料のアルコール濃度は限定されず、0.5容量%以上のアルコール飲料であってもよく、0.5容量%未満のいわゆるノンアルコール飲料であってもよい。非発酵ビール様発泡性飲料としては、具体的には、発泡酒、ノンアルコールビール等が挙げられる。
【0012】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、甘味料として、ステビオール配糖体を含有し、かつ0.01〜0.03g/Lのイソα酸を含有することを特徴とする。ステビオール配糖体(ステビオール骨格を備える配糖体)は、ステビア(Stevia rebaudiana BERTONI)の葉に由来する天然の高甘味度甘味料である。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、主たる甘味料として天然の高甘味度甘味料を用いることにより、人工甘味料を忌避する消費者の嗜好に沿うものである。また、本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、天然の高甘味度甘味料の中でも特にステビオール配糖体を用い、さらにイソα酸の含有量を特定の範囲内に調整したため、後味のしまりが良好であり、ビールらしいバランスの良い止渇飲料である。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料において、後味のしまりが良好である理由は明らかではないが、ステビオール配糖体自体の後味は、甘味と特有の収斂味を含む厚みのある味わいであり、この厚みのある後味に、イソα酸を最適なバランスで配合することにより、ステビオール配糖体の厚みのある後味、特にステビオール配糖体特有の収斂味とイソα酸がもたらす苦味とのバランスが最適化される結果、ビールらしい飲みごたえと後味のしまりがもたらされると推察される。ステビオール配糖体の後味に残る収斂味は、ショ糖の代替品としての甘味料としては忌避されるものであるが、この収斂味を含む厚みのある後味が、ビールらしい飲みごたえとしまりのある後味に効果的である。
【0013】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料が含有するステビオール配糖体としては、ステビオール骨格を有する甘味成分であれば特に限定されるものではなく、ステビアの葉に含有されている天然のステビオール配糖体自体であってもよく、糖転移酵素により天然のステビオール配糖体に対してグルコースやフルクトースを糖転移させたステビオール配糖体であってもよい。ステビオール配糖体としては、例えば、ステビオサイド、レバウディオサイドA、レバウディオサイドC、及びズルコサイドAが挙げられる。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料が含有するステビオール配糖体は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
【0014】
ステビオール配糖体を含有する非発酵ビール様発泡性飲料は、例えば、ステビオール配糖体を含有するステビア抽出物、ステビア粉末、又はこれらから精製されたステビオール配糖体を原料とすることにより製造できる。ステビア抽出物には、ステビアの葉から適切な抽出溶媒により抽出された抽出物自体に加えて、当該抽出物の粗精製物や生成物をも含まれる。また、ステビア抽出物、ステビア粉末、又はこれらから精製されたステビオール配糖体を糖転移酵素処理したもの(以降、「酵素処理ステビア」ということがある。)を原料とすることによっても、本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料を製造できる。
【0015】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料が含有するステビオール配糖体としては、ステビオサイド、レバウディオサイドA、及びこれらの糖転移酵素処理物からなる群より選択される1種以上を含有することが好ましく、特に、ステビオサイドを含有していることがより好ましい。
【0016】
飲料中のステビオール配糖体の含有量は、例えば、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)分析により得られたクロマトグラフのピーク面積から求めることができる。ピーク面積からの定量方法は、面積百分率法によってもよく、濃度既知の標準品のピーク面積との比から求めてもよい。
【0017】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料のステビオール配糖体の含有量としては、充分な飲みごたえが付与でき、かつ後味のしまりも良好になる量であれば特に限定されるものではなく、イソα酸の含有量や目的の製品品質等を考慮して適宜決定することができる。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料のステビオール配糖体の含有量としては、0.01〜0.08g/Lが好ましく、0.02〜0.08g/Lがより好ましく、0.02〜0.05g/Lがさらに好ましく、0.02〜0.04g/Lがよりさらに好ましい。
【0018】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料のステビオール配糖体の含有量は、ショ糖換算した含有量に基づいて決定することもできる。例えば、ステビオール配糖体の含有量は、飲料のショ糖換算した含有量が1〜15g/Lとなる量であることが好ましく、2.5〜12g/Lとなる量であることがより好ましく、3〜7g/Lとなる量であることがさらに好ましい。
【0019】
なお、「高甘味度甘味料のショ糖換算した含有量」とは、高甘味度甘味料の含有量に甘味度を乗じた量を意味する。例えば、甘味度180の酵素処理ステビアが0.028g/Lである場合、ショ糖換算した量は5g/Lとなる。
【0020】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、苦味成分としてイソα酸を含有する。本発明及び本願明細書において、イソα酸とは、イソコフムロン、イソノルマルフムロン、及びイソアドフムロンの総称であり、飲料中のイソα酸含有量とは、飲料中のイソコフムロン、イソノルマルフムロン、及びイソアドフムロンの含有量の総量である。
【0021】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料のイソα酸の含有量は、0.01〜0.03g/Lである。イソα酸の含有量を前記範囲内とすることにより、ビールらしい苦味としまりのある後味を達成できる。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料のイソα酸の含有量としては、0.010〜0.025g/Lであることが好ましく、0.015〜0.025g/Lであることがより好ましく、0.02〜0.025g/Lであることがさらに好ましい。
【0022】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料のイソα酸の含有量に対するイソコフムロンの含有量の割合が高いほど、ステビオール配糖体と併用して得られる後味のしまりがより良好になる。また、本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料のイソα酸の含有量に対するイソノルマルフムロンの含有量の割合が低いほど、ステビオール配糖体と併用して得られる後味のしまりがより良好になる。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料中のイソα酸として、各イソα酸の精製品を使用する場合には、本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料中のイソα酸としては、イソコフムロンを使用することが好ましい。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料中のイソα酸として、ホップやホップエキス等の3種のイソα酸の混合物を用いる場合には、本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料中のイソα酸として、イソα酸の含有量に対するイソコフムロンの含有量の割合(以下、「イソコフムロン比率」ということがある。)が26%以上であり、イソα酸の含有量に対するイソノルマルフムロンの含有量の割合(以下、「イソノルマルフムロン比率」ということがある。)が63%以下であることが好ましく、イソコフムロン比率が26〜50%であり、イソノルマルフムロン比率が57%以下であることがより好ましく、イソコフムロン比率が26〜50%であり、40〜57%であることがさらに好ましく、イソコフムロン比率が26〜38%であり、イソノルマルフムロン比率が50〜57%であることがよりさらに好ましい。
【0023】
0.01〜0.03g/Lのイソα酸を含有する非発酵ビール様発泡性飲料は、例えば、ホップやホップエキス、ホップペレットのようなα酸を含む原料を用い、煮沸処理を行うことにより製造できる。煮沸処理により、ホップ等に由来するα酸がイソ化されてイソα酸を含む飲料が製造できる。その他、精製されたイソα酸自体や、ホップエキスを予めイソ化処理したイソ化ホップエキスを原料とすることによっても、イソα酸を含有する非発酵ビール様発泡性飲料を製造できる。
【0024】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料の製造にあたって原料として使用できるホップとしては、ザーツ種、スパルトセレクト種、ペルレ種、ノーザンブリュワー種、ヘルスブルッカー種、ハラタウミッテルフリュワー種、ハラタウトラディション種、テットナング種、ナゲット種、ガリーナ種、ウィラメット種、カスケード種、ヘラクレス種、モツウエカ種、サミット種、パシフィックジェム種、ブリオン種、ブリューワーズゴールド種、チヌーク種、クラスター種、イーストケントゴールディング種、ファグルス種、ハレトウ種、マウントフッド種、スティリアン種、サフィア種、スティリアンゴールディング種、ハラタウタウルス種、マグナム種、ゼウス種等を挙げることができる。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料において、これらのホップを使用するに当たっては、ホップの種類を適宜選択し、必要に応じて複数種のホップを組み合わせて使用することが好ましい。
【0025】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料の製造にあたって原料として使用できるホップエキスは、水、エタノール、二酸化炭素等を抽出溶媒としたホップエキスが挙げられる。これらのホップエキスは常法により製造できる。
【0026】
本発明において、イソα酸の総量に占めるコイソフムロンの割合を調整する具体的手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホップの種ごとに、コイソフムロン及びそれ以外のイソα酸の含有量を測定して、イソα酸の総量に占めるコイソフムロンの割合が上記の割合となるように各種ホップを選択し、組み合わせて使用する方法であってもよく、非発酵ビール様発泡性飲料に、慣用のホップ、ホップペレット、又はホップエキスに加えて、コイソフムロン、ノルマルイソフムロン、又はアドイソフムロンを精製又は粗精製した製剤を添加して、イソα酸の総量に対するコイソフムロンの割合を調整してもよい。
【0027】
飲料中のイソα酸の含有量は、例えば、C18カラム等の逆相カラムを用いたHPLC分析により得られたクロマトグラフのピーク面積から求めることができる。ピーク面積からの定量方法は、面積百分率法によってもよく、濃度既知の標準品のピーク面積との比から求めてもよい。
【0028】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、甘味料としてステビオール配糖体を用いることにより、ショ糖を用いずともビールらしい飲みごたえを達成することができる。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料の糖質濃度としては、2.0g/100mL未満であることが好ましく、0.9g/100mL未満であることがより好ましく、0.5g/100mL未満であることがさらに好ましい。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料の糖質濃度は、例えば、糖質含有量が比較的低いもののみを原料として用いることにより製造できる。
【0029】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料としては、消費者の健康志向に沿うことから、プリン体濃度が低い方が好ましい。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料のプリン体濃度は、0.2mg/100mL未満が好ましく、0.1mg/100mL以下がより好ましく、0.08mg/100mL未満がさらに好ましい。
【0030】
なお、本発明及び本願明細書において、プリン体とは、アデニン、キサンチン、グアニン、ヒポキサンチンのプリン体塩基4種の総量を指す。非発酵ビール様発泡性飲料や原料中のプリン体含有量は、例えば、過塩素酸による加水分解後にLC−MS/MSを用いて検出する方法(「酒類のプリン体の微量分析のご案内」、財団法人日本食品分析センター、インターネット<URL: http://www.jfrl.or.jp/item/nutrition/post-31.html>、平成25年1月検索)により測定することができる。
【0031】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、さらに、酸味料を含有することが好ましい。酸味料を含有することにより、香味のバランスに優れ、よりビールらしさの強い非発酵ビール様発泡性飲料が得られる。酸味料としては、飲食品に配合可能な酸味料であれば特に限定されるものではなく、最終製品に求められる品質特性に応じて、その配合量と共に適宜決定される。酸味料としては、一般的に飲食品の製造に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、乳酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、リン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。これらの酸味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用して用いてもよい。
【0032】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料が酸を含有する場合には、飲料のpHが3.0〜4.0になるように、酸の添加量を調整することが好ましい。飲料に添加する酸の量が多すぎると、酸味が強調されてしまい、飲み辛くなる。酸の量を、飲料のpHが3.0〜4.0程度になるように調節して添加することにより、製造される非発酵ビール様発泡性飲料において、香味のバランスをより改善させることができる。
【0033】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、さらに、水溶性食物繊維を含有することが好ましい。水溶性食物繊維とは、水に溶解し、かつヒトの消化酵素により消化されない又は消化され難い炭水化物を意味する。水溶性食物繊維を含有することにより、より飲みごたえの良好な非発酵ビール様発泡性飲料となる。本発明において用いられる水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、大豆食物繊維、ガラクトマンナン、イヌリン、グアーガム分解物、ペクチン、アラビアゴム等が挙げられる。これらの水溶性食物繊維は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。中でも、生理的機能性が高い上に、呈味も良好であることから、特に難消化性デキストリン、ポリデキストロース、大豆食物繊維を含有することが好ましい。
【0034】
多くのビールは、薄い黄色〜濃い褐色や黒色の透明な溶液である。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料に、さらに、色素を含有させることにより、ビールと同様の色を付与することができる。当該色素としては、ビールらしい色を付与可能であり、かつ飲食可能な色素であれば特に限定されるものではないが、カラメル化反応物(カラメル色素)が特に好ましい。
【0035】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料が色素を含有する場合、当該色素の含有量は、用いる色素の種類や最終製品に求められる品質特性等に応じて適宜調整される。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料としては、色素が、飲料の色度が2°EBC以上となるように添加されていることが好ましく、5°EBC以上となるように添加されていることがより好ましく、7°EBC以上となるように添加されていることがさらに好ましく、7〜16°EBCとなるように添加されていることがよりさらに好ましい。なお、色度は、EBC(European Brewery Convention)のAnalytica−EBC標準法、又はこれに準じた方法により測定できる。EBCとは、ビールの分析での色度の単位で、ビールの色の濃淡を数値(EBC色度の9つのガラスディスクを持ったコンパレーターにより目視で測定する、若しくは波長430nmでの吸光度を基に算出する。)であらわしたものである。
【0036】
ビールの外観上の最大の特徴は、容器に注いだ際に白い綺麗な泡が立つことである。このため、本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、さらに、起泡剤を含有することが好ましい。当該起泡剤としては、例えば、大豆食物繊維、大豆ペプチド、大豆サポニン、アルギン酸エステル、キラヤサポニン等が挙げられる。これらの起泡剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用して用いてもよい。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料としては、大豆ペプチド、大豆食物繊維、アルギン酸エステル、及びキラヤサポニンからなる群より選択される1種以上を含有することが好ましく、大豆食物繊維、及びキラヤサポニンからなる群より選択される1種以上を含有することがより好ましい。
【0037】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料が起泡剤を含有する場合、当該起泡剤の含有量は、用いる起泡剤の種類や組合せ、最終製品に求められる品質特性等に応じて適宜調整される。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料としては、起泡剤が、飲料のNIBEM値が80以上となるように添加されていることが好ましく、100以上となるように添加されていることがより好ましく、150以上となるように添加されていることがさらに好ましい。なお、NIBEM値は、注がれた泡の崩壊速度を電気伝導度で測定したものであり、ビール等の泡持ち評価に一般的に用いられているものである。非発酵ビール様発泡性飲料のNIBEM値は、EBC(European Brewery Convention)のAnalytica−EBC標準法、又はこれに準じた方法により測定できる。
【0038】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料としては、エタノールを含有するアルコール飲料であってもよく、エタノールを含有しないノンアルコール飲料であってもよい。本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料がエタノールを含有する場合、飲料中のエタノール濃度は1〜9容量%が好ましく、1〜8容量%がより好ましく、1〜7容量%がさらに好ましい。なお、エタノールを含有する非発酵ビール様発泡性飲料は、アルコール含有蒸留液を原料とすることにより製造できる。アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、一般に蒸留酒に分類されるものを用いることができる。例えば、酒類の製造において一般的に用いられている原料用アルコール、スピリッツ、ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン、焼酎等を用いることができる。
【0039】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに、その他の成分を含有することができる。当該他の成分としては、ステビオール配糖体以外の甘味料、イソα酸以外の苦味料、酵母由来や小麦等の穀物由来の蛋白質分解物、麦芽糖化液、果汁、香草、香料等が挙げられる。
【0040】
ステビオール配糖体以外の甘味料としては、砂糖であってもよく、比較的甘味度の低いものであってもよく、高甘味度甘味料であってもよい。比較的甘味度の低い甘味料としては、具体的には、多糖類、甘味系アミノ酸が挙げられる。多糖類とは、3以上の単糖が重合した糖質を意味する。多糖類は、主にその大きさによって、でんぷん、デキストリン、及びオリゴ糖に大別される。オリゴ糖は、3〜10個程度の単糖が重合した糖質であり、デキストリンは、でんぷんを加水分解して得られる糖質であって、オリゴ糖よりも大きなものを指す。甘味系アミノ酸としては、アラニンやグリシンが挙げられ、アラニンが好ましい。高甘味度甘味料としては、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アスパルテーム、スクラロース等が挙げられる。これらの甘味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0041】
イソα酸以外の苦味料としては、製品である非発酵ビール様発泡性飲料において、ビールと同質若しくは近似する苦味を呈するものであれば特に限定されるものではなく、ホップ中に含まれている苦味成分であってもよく、ホップには含まれていない苦味成分であってもよい。当該苦味料としては、具体的には、マグネシウム塩、カルシウム塩、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、ナリンジン、クワシン、テトライソα酸、β酸の酸化物、キニーネ、モモルデシン、クエルシトリン、テオブロミン、カフェイン等の苦味付与成分、及びゴーヤ、センブリ茶、苦丁茶、ニガヨモギ抽出物、ゲンチアナ抽出物、キナ抽出物等の苦味付与素材が代表的に挙げられる。これらの苦味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0042】
香料としては、例えば、ビールフレーバー、ビール香料、ホップ香料、モルト香料、炭酸エンハンサー等が挙げられる。
【0043】
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料は、ステビオール配糖体を原料とし、飲料中のイソα酸含有量を0.01〜0.03g/Lに調整する以外は、一般的な非発酵ビール様発泡性飲料の製造と同様にして製造することができる。例えば、ステビオール配糖体を含む原料と、イソα酸を含む原料とを含む原料を混合して調合液を調製する調製工程と、前記調製工程により得られた調合液に炭酸ガスを加えるガス導入工程や炭酸水を加える加水工程を有する製造方法により製造することができる。イソα酸を含む原料に代えて、ホップやホップエキス等のようなα酸を含む原料を用いる場合には、原料を混合して調合液を調製する調製工程と、前記調製工程により得られた調合液を煮沸処理してα酸をイソ化するイソ化工程と、前記イソ化工程後、イソ化した調合液に炭酸ガスを加えるガス導入工程や炭酸水を加える加水工程を有する製造方法により製造することができる。煮沸方法及びその条件は、適宜決定することができる。また、香料や色素の混合タイミングは、他の原料と同時でもよく、ガス導入工程や加水工程の後でもよい。
【0044】
まず、調製工程において、原料を混合することにより、調合液を調製する。調製工程においては、炭酸ガス、香料、及び色素以外の全ての原料を混合した調合液を調製することが好ましい。各原料を混合する順番は特に限定されるものではない。原料水に、全ての原料を同時に添加してもよく、先に添加した原料を溶解させた後に残る原料を添加する等、順次原料を添加してもよい。また、例えば、原料水に、固形(例えば粉末状や顆粒状)の原料及びアルコールを混合してもよく、固形原料を予め水溶液としておき、これらの水溶液、及びアルコール、必要に応じて原料水を混合してもよい。
【0045】
調製工程において調製された調合液に、不溶物が生じた場合には、いずれかの工程において当該調合液に対して濾過等の不溶物を除去する処理を行うことが好ましい。特に、イソ化工程を行う場合には、イソ化処理後の調合液から不溶物を除去することが好ましい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、濾過法、遠心分離法等の当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。本発明においては、不溶物は濾過除去することが好ましく、珪藻土濾過により除去することがより好ましい。
【0046】
次いで、ガス導入工程として、調製工程により得られた調合液に炭酸ガスを加える。これにより、非発酵ビール様発泡性飲料を得る。炭酸を加えることによって、ビールと同様の爽快感が付与される。なお、炭酸ガスの添加は、常法により行うことができる。例えば、調製工程により得られた調合液、及び炭酸水を混合してよく、調製工程により得られた調合液に炭酸ガスを直接加えて溶け込ませてもよい。
【0047】
炭酸ガスを添加した後、得られた非発酵ビール様発泡性飲料に対して、さらに濾過等の不溶物を除去する処理を行ってもよい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。
【0048】
得られた非発酵ビール様発泡性飲料は、通常、充填工程により缶、瓶、ペットボトル等の容器に充填されて、製品として出荷される。
【実施例】
【0049】
次に実施例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
【0050】
<イソα酸の測定>
以降の実施例において、飲料中のイソα酸の濃度は、EBC(European Brewery Convention)のAnalytica−EBC標準法に従い、苦味価(B.U.)を測定することにより求めた。
【0051】
<イソノルマルフムロン・イソコフムロン・イソアドフムロンの測定>
以降の実施例において、飲料中のイソノルマルフムロン、イソコフムロン、及びイソアドフムロンの濃度は、飲料のイソオクタン抽出物を、C18カラムを用いたHPLCにより分画して測定した。HPLCは下記の条件で行った。
【0052】
HPLC条件:
カラム:XBridge C18 Prep Column(250m×10mm(ID))(Waters社製)
移動相A:1% ギ酸水
移動相B:1% ギ酸含有メタノール溶液
流速:1.5mL/分
グラジエント条件: 移動相B濃度68%(0分)→移動相B濃度72%(1分)→移動相B濃度72%(18分)→移動相B濃度100%(18.1分)→移動相B濃度100%(23分)→移動相B濃度68%(23.1分)→移動相B濃度68%(30分)
検出波長:275nm
【0053】
[実施例1]
イソα酸を含む非発酵ビール様発泡性飲料に、各種甘味物質を配合し、その飲みごたえと後味のしまりを評価した。
【0054】
<非発酵ビール様発泡性飲料の製造>
原料水に、難消化性デキストリン、大豆食物繊維、カラメル色素、酸味料(リン酸、クエン酸ナトリウム)、ビール香料を、飲料中の最終配合量が表1の配合量となるベース飲料に対して、イソα酸と各種甘味物質を配合した非発酵ビール様発泡性飲料を製造した。
【0055】
【表1】
【0056】
甘味物質としては、酵素処理ステビア(商品名:「SKスィートFZ」、主成分:ステビオサイド及びその酵素処理物(85%以上)、日本製紙ケミカル社製)、カンゾウ抽出物(商品名:「カンゾウ抽出物純グリチミン」、丸善製薬社製)、羅漢果抽出物(商品名:「FD羅漢果濃縮パウダー」、小川香料社製)、ソーマチン(商品名:「サンスイート」、三栄源社製)、ブドウ糖(商品名:「液状ぶどう糖」、日本食品化工社製)、麦芽糖(商品名:「MR70」、昭和産業社製)、果糖ブドウ糖(商品名:「NF55」、昭和産業社製)をそれぞれ、飲料のショ糖換算含有量が5g/L程度となるように調節して配合した。
【0057】
また、原料としてヘラクレス(Herkules)種ホップのホップエキス(製品名:「CO
2 Hop Extract」、Barth−Haas Group社製)を、煮沸処理後に飲料のイソα酸含有量が0.02g/Lとなるように配合した。
【0058】
具体的には、全ての原料を原料水に配合して1Lに調整した調合液(一次原料液)を調製し、これを1時間煮沸した。一次原料液を冷却後、蒸発分の水を追加し、清澄化のため珪藻土濾過及びフィルター濾過を実施した。次いで、清澄化した一次原料液の液中に炭酸ガスを吹き込んで炭酸ガスを2.9ガスボリュームとなるように溶解させることにより、非発酵ビール様発泡性飲料を得た。
【0059】
<官能評価>
製造した非発酵ビール様発泡性飲料の官能評価は、ビール類専門パネル3名により、飲みごたえ、後味のしまり、総合評価について1〜4点評価を行った。全パネルによる評価の平均値が、1.5点未満を×、1.5点以上2.5点未満を△、2.5点以上3.5点未満を○、3.5点以上を◎、と評価した。
【0060】
各非発酵ビール様発泡性飲料の甘味物質の種類と配合量(g/L)、イソα酸の含有量(g/L)、及び官能評価の結果を、糖質含有量(g/100mL)とプリン体濃度(mg/100mL)と共に表2及び3に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
甘味物質を含有していないベース飲料は、ビールらしい飲みごたえが弱く、後味のしまりも悪く、バランスの悪い飲料であった。これに対して、甘味物質をショ糖換算含有量が5g/Lとなるように配合したサンプル1−1〜1−8の飲料は、いずれも飲みごたえが改善しており、特に、酵素処理ステビア、ブドウ糖、麦芽糖、果糖ブドウ糖を配合したサンプル1−1、1−5、1−6、及び1−7は、飲みごたえが非常に良好であり、後味のしまりも良好であり、味のバランスもビールらしく良好であった。特に、酵素処理ステビアを配合したサンプル1−1の飲料は、糖質含有量も低く、好ましかった。
【0064】
[実施例2]
酵素処理ステビアの配合量をふった非発酵ビール様発泡性飲料を製造し、その飲みごたえと後味のしまりを評価した。
【0065】
具体的には、実施例1と同じベース飲料に、飲料の最終濃度が表4及び5になるように酵素処理ステビアとイソα酸を配合して非発酵ビール様発泡性飲料を製造し、実施例1と同様にして官能評価を行った。酵素処理ステビアやホップエキス等の原料は、全て実施例1と同様のものを用いた。各非発酵ビール様発泡性飲料の酵素処理ステビアの含有量(g/L)、イソα酸の含有量(g/L)、及び官能評価の結果を、糖質含有量(g/100mL)と共に表4及び5に示す。
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
この結果、酵素処理ステビアの配合量依存的に飲みごたえが改善された。また、飲料の後味のしまりは、酵素処理ステビアの配合量が0.01〜0.08g/L(ショ糖換算で1.8〜14.4g/L)であるサンプル2−2〜2−5の飲料において良好であり、特に0.02〜0.04g/L(ショ糖換算で3.6〜7.2g/L)であるサンプル2−3及び2−4の飲料では、非常に後味のしまりと飲みごたえの両方が非常に良好であった。
【0069】
[実施例3]
イソα酸の配合量をふった非発酵ビール様発泡性飲料を製造し、その飲みごたえと後味のしまりを評価した。
【0070】
具体的には、実施例1と同じベース飲料に、飲料の最終濃度が表6及び7になるように酵素処理ステビアとイソα酸を配合して非発酵ビール様発泡性飲料を製造し、実施例1と同様にして官能評価を行った。酵素処理ステビアやホップエキス等の原料は、全て実施例1と同様のものを用いた。各非発酵ビール様発泡性飲料の酵素処理ステビアの含有量(g/L)、イソα酸の含有量(g/L)、及び官能評価の結果を、糖質含有量(g/100mL)と共に表6及び7に示す。
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
この結果、イソα酸の配合量依存的に飲みごたえが改善された。また、飲料の後味のしまりは、イソα酸の配合量が0.005〜0.03g/Lであるサンプル3−2〜3−7の飲料において改善効果がみられ、特にイソα酸の配合量が0.01〜0.03g/Lであるサンプル3−3〜3−5の飲料は、ビールらしい嗜好性の高い飲料であった。
【0074】
[実施例4]
イソα酸を含有する原料として様々な種類のホップ等を用いて非発酵ビール様発泡性飲料を製造し、その飲みごたえと後味のしまりを評価した。イソα酸を含有する原料としては、実施例1等で使用したヘラクレス(Herkules)種ホップのホップエキス(製品名:「CO
2 Hop Extract」、Barth−Haas Group社製)(表中、「ホップA」)、ナゲット(Nugget)種ホップのホップエキス(製品名:「CO
2 Hop Extract」)(表中、「ホップB」)、ヘラクレス種ホップのホップペレット(表中、「ホップC」)、ナゲット種ホップのホップペレット(表中、「ホップD」)、サフィア(Saphir)種ホップのホップペレット(表中、「ホップE」)、ザーツ(Saaz)種ホップのホップペレット(表中、「ホップF」)、スティリアンゴールディング(Styrian Golding)種ホップのホップペレット(表中、「ホップG」)、ペルレ(Pelre)種ホップのホップペレット(表中、「ホップH」)、及びイソ化ホップエキス(表中、「ホップI」)を用いた。
【0075】
具体的には、実施例1と同じベース飲料に、飲料の最終濃度が表8及び9になるように酵素処理ステビアとイソα酸を含有する原料を配合して非発酵ビール様発泡性飲料を製造し、実施例1と同様にして官能評価を行った。酵素処理ステビアやホップエキス等の原料は、全て実施例1と同様のものを用いた。各非発酵ビール様発泡性飲料の酵素処理ステビアの含有量(g/L)、イソα酸の含有量(g/L)、糖質含有量(g/100mL)、及び官能評価の結果を、各イソα酸を含有する原料のイソコフムロン比率、イソノルマルフムロン比率、イソα酸の含有量に対するイソアドフムロンの含有量の割合(以下、「イソアドフムロン比率」)と共に表8及び9に示す。表中、評点の後ろの括弧内の数値は、パネルの評価の平均点である。
【0076】
【表8】
【0077】
【表9】
【0078】
この結果、イソα酸を含有する原料の種類(ホップペレット、ホップエキス、イソ化ホップエキス)や原料ホップの品種にかかわらず、イソα酸と酵素処理ステビアを含有させることにより、飲みごたえと後味のしまりの良好な非発酵ビール様発泡性飲料が製造できた。なかでも、後味のしまりと総合評価については、添加したイソコフムロン比率と0.93と極めて高い正の相関を示し、イソノルマルフムロン比率と−0.92と極めて高い負の相関を示した。イソアドフムロン比率とは、0.00と相関関係は見られなかった。特に、イソコフムロン比率が26%以上であり、イソノルマルフムロン比率が57%以下であったサンプル4−1、4−3、4−7〜4−9は、後味のしまりと総合評価が非常に高かった。これらの官能総合評価が高かったサンプルは、ステビアの収斂味と苦味質のバランスがとれており、後味にしっかりとしたしまりがあり、その後に口の中に残る後味(甘味や苦味や収斂味など)が目立たなかった。
【0079】
[実施例5]
更に複数のホップを用いて非発酵ビール様発泡性飲料を製造し、その飲みごたえと後味のしまりを評価した。イソα酸を含有する原料としては、ヘラクレス種ホップのホップペレットとサフィア種ホップのホップペレットの組み合わせを用いた。
【0080】
具体的には、実施例1と同じベース飲料に、飲料の最終濃度が表10、11になるように酵素処理ステビアとイソα酸を含有する原料を配合して非発酵ビール様発泡性飲料を製造し、実施例1と同様にして官能評価を行った。酵素処理ステビアやホップエキス等の原料は、全て実施例1と同様のものを用いた。各非発酵ビール様発泡性飲料の酵素処理ステビアの含有量(g/L)、イソα酸の含有量(g/L)、糖質含有量(g/100mL)、及び官能評価の結果を、各イソα酸を含有する原料のイソコフムロン比率、イソノルマルフムロン比率、イソα酸の含有量に対するイソアドフムロンの含有量の割合(以下、「イソアドフムロン比率」)と共に表10、11に示す。表中、評点の後ろの括弧内の数値は、パネルの評価の平均点である。
【0081】
【表10】
【0082】
【表11】
【0083】
この結果、特に、イソコフムロン比率が26%以上であり、イソノルマルフムロン比率が63%以下であったサンプル5−4〜5−7は、後味のしまりと総合評価が非常に高かった。これらの官能総合評価が高かったサンプルは、ステビアの収斂味と苦味質のバランスがとれており、後味にしっかりとしたしまりがあり、その後に口の中に残る後味(甘味や苦味や収斂味など)が目立たなかった。