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特開2021-5281演算装置、プラント、演算方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-5281(P2021-5281A)
(43)【公開日】2021年1月14日
(54)【発明の名称】演算装置、プラント、演算方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20201211BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20201211BHJP
【FI】
   G06Q50/06
   G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-119584(P2019-119584)
(22)【出願日】2019年6月27日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】永坂 亘
(72)【発明者】
【氏名】村上 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 格
(72)【発明者】
【氏名】永渕 尚之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】新たな部品を導入したときのプラントの性能が新たな部品を導入する前に比べてどの程度向上するかを定量的に容易に知ることのできる演算装置を提供する。
【解決手段】演算装置は、プラントにおける複数の負荷と、前記プラントの周辺における複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、部品を導入する前の前記プラントの性能と前記部品を導入した後の前記プラントの性能とを算出する性能算出部と、前記組み合わせのそれぞれについての前記プラントの稼働時間の割合を示すデータテーブルを記憶する記憶部と、前記性能算出部による算出結果と、前記データテーブルとに基づいて、前記部品を導入し、前記データテーブルが示す割合で前記プラントを稼働した場合に、前記部品を導入する前に比べてどの程度プラントの性能が向上するかを算出する性能向上算出部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントにおける複数の負荷と、前記プラントの周辺における複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、部品を導入する前の前記プラントの性能と前記部品を導入した後の前記プラントの性能とを算出する性能算出部と、
前記組み合わせのそれぞれについての前記プラントの稼働時間の割合を示すデータテーブルを記憶する記憶部と、
前記性能算出部による算出結果と、前記データテーブルとに基づいて、前記部品を導入し、前記データテーブルが示す割合で前記プラントを稼働した場合に、前記部品を導入する前に比べてどの程度プラントの性能が向上するかを算出する性能向上算出部と、
を備える演算装置。
【請求項2】
前記性能向上算出部による算出結果を出力する性能向上結果出力部、
を備える請求項1に記載の演算装置。
【請求項3】
前記プラントの性能は、
前記プラントの燃費、前記プラントの余寿命及び前記プラントが排出する気体の低減量のうちの少なくとの1つを含む、
請求項1または請求項2に記載の演算装置。
【請求項4】
前記性能算出部は、
前記部品を複数導入する場合に、部品どうしの組み合わせによる前記プラントの性能への影響の度合いを示す係数を用いて、前記プラントの性能を算出する、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の演算装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の演算装置と、
前記負荷に応じた電力を供給する発電装置と、
を備えるプラント。
【請求項6】
プラントにおける複数の負荷と、前記プラントの周辺における複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、部品を導入する前の前記プラントの性能と前記部品を導入した後の前記プラントの性能とを算出することと、
前記組み合わせのそれぞれについての前記プラントの稼働時間の割合を示すデータテーブルを記憶することと、
前記プラントの性能の算出結果と、前記データテーブルとに基づいて、前記部品を導入し、前記データテーブルが示す割合で前記プラントを稼働した場合に、前記部品を導入する前に比べてどの程度プラントの性能が向上するかを算出することと、
を含む演算方法。
【請求項7】
コンピュータに、
プラントにおける複数の負荷と、前記プラントの周辺における複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、部品を導入する前の前記プラントの性能と前記部品を導入した後の前記プラントの性能とを算出することと、
前記組み合わせのそれぞれについての前記プラントの稼働時間の割合を示すデータテーブルを記憶することと、
前記プラントの性能の算出結果と、前記データテーブルとに基づいて、前記部品を導入し、前記データテーブルが示す割合で前記プラントを稼働した場合に、前記部品を導入する前に比べてどの程度プラントの性能が向上するかを算出することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演算装置、プラント、演算方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電を行うプラント(以下、「発電プラント」と記載)などでは、部品(装置を含む)の交換や追加が行われる場合がある。
特許文献1には、関連する技術として、プラントのアップグレードに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−106627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発電プラントにおいて交換や追加が行われる部品としては、同一の機能を有する場合であっても性能や価格が異なる複数の種類が存在することが多い。そのため、新たな部品を導入したときのプラントの性能が新たな部品を導入する前に比べてどの程度向上するかを定量的に容易に知ることのできる技術が求められている。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決することのできる演算装置、プラント、演算方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、演算装置は、プラントにおける複数の負荷と、前記プラントの周辺における複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、部品を導入する前の前記プラントの性能と前記部品を導入した後の前記プラントの性能とを算出する性能算出部と、前記組み合わせのそれぞれについての前記プラントの稼働時間の割合を示すデータテーブルを記憶する記憶部と、前記性能算出部による算出結果と、前記データテーブルとに基づいて、前記部品を導入し、前記データテーブルが示す割合で前記プラントを稼働した場合に、前記部品を導入する前に比べてどの程度プラントの性能が向上するかを算出する性能向上算出部と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による演算装置は、前記性能向上算出部による算出結果を出力する性能向上結果出力部、を備えるものであってもよい。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様または第2の態様による演算装置において、前記プラントの性能は、前記プラントの燃費、前記プラントの余寿命及び前記プラントが排出する気体の低減量のうちの少なくとの1つを含むものであってもよい。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様から第3の態様の何れか1つの演算装置において、前記性能算出部は、前記部品を複数導入する場合に、部品どうしの組み合わせによる前記プラントの性能への影響の度合いを示す係数を用いて、前記プラントの性能を算出するものであってもよい。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、プラントは、第1の態様から第4の態様の何れか1つの演算装置と、前記負荷に応じた電力を供給する発電装置と、を備える。
【0011】
本発明の第6の態様によれば、演算方法は、プラントにおける複数の負荷と、前記プラントの周辺における複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、部品を導入する前の前記プラントの性能と前記部品を導入した後の前記プラントの性能とを算出することと、前記組み合わせのそれぞれについての前記プラントの稼働時間の割合を示すデータテーブルを記憶することと、前記プラントの性能の算出結果と、前記データテーブルとに基づいて、前記部品を導入し、前記データテーブルが示す割合で前記プラントを稼働した場合に、前記部品を導入する前に比べてどの程度プラントの性能が向上するかを算出することと、を含む。
【0012】
本発明の第7の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、プラントにおける複数の負荷と、前記プラントの周辺における複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、部品を導入する前の前記プラントの性能と前記部品を導入した後の前記プラントの性能とを算出することと、前記組み合わせのそれぞれについての前記プラントの稼働時間の割合を示すデータテーブルを記憶することと、前記プラントの性能の算出結果と、前記データテーブルとに基づいて、前記部品を導入し、前記データテーブルが示す割合で前記プラントを稼働した場合に、前記部品を導入する前に比べてどの程度プラントの性能が向上するかを算出することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態による演算装置、プラント、演算方法及びプログラムによれば、新たな部品を導入したときのプラントの性能が新たな部品を導入する前に比べてどの程度向上するかを定量的に容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態によるプラントの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による演算装置の構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態におけるデータテーブルTBL1の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態におけるデータテーブルTBL2の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態によるプラントの処理フローを示す図である。
図6】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本発明の一実施形態によるプラント1の構成について説明する。
プラント1は、発電を行うプラントである。プラント1は、例えば、GTCC(Gas Turbine Combined Cycle)で発電を行う、すなわち、天然ガスなどを原料としてガスタービンで一回目の発電を行い、その排熱を利用して蒸気を作り出し、その蒸気を利用して蒸気タービンで二回目の発電を行う発電プラントである。
【0016】
プラント1は、図1に示すように、発電装置10、温度センサ20、演算装置30を備える。
【0017】
発電装置10は、ガスタービン及び蒸気タービンで発電を行う。
温度センサ20は、プラント1の周辺に設けられ、プラント1の周辺の温度を検出する。
【0018】
演算装置30は、プラント1をアップグレードする場合、すなわち、プラント1に新たな部品(装置を含む)を導入した場合(部品を交換した場合、新たな部品を追加した場合など)に、新たな部品を導入する前に比べてどの程度プラント1の性能が向上するかを演算する装置である。なお、導入する部品の数は、1つであっても、複数であってもよい。
演算装置30は、図2に示すように、記憶部301、性能算出部302、性能向上算出部303、性能向上結果出力部304を備える。
【0019】
記憶部301は、演算装置30が行う処理に必要な種々の情報を記憶する。
例えば、記憶部301は、図3に示すデータテーブルTBL1を記憶する。データテーブルTBL1は、所定の期間(例えば、過去1年間、今後1か月間の運転予定など)における稼働時の、プラント1における代表的な複数の負荷と、プラント1の周辺における代表的な複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、プラント1の稼働時間の割合を示すデータテーブルである。
例えば、記憶部301は、図4に示すデータテーブルTBL2を記憶する。データテーブルTBL2の詳細については、後述する。
【0020】
例えば、図3に示すデータテーブルTBL1は、プラント1の過去1年間の稼働実績を示すデータテーブルである。このデータテーブルTBL1は、過去1年間の全稼働時間のうち、大気温度が5℃以上10℃未満で負荷が最大負荷の50%以上60%未満の条件でプラント1が運転された時間の割合が5%、大気温度が5℃以上10℃未満で負荷が最大負荷の90%以上100%未満の条件でプラント1が運転された時間の割合が12%、大気温度が5℃以上10℃未満で負荷が最大負荷100%の条件でプラント1が運転された時間の割合が20%、大気温度が10℃以上15℃未満で負荷が最大負荷の50%以上60%未満の条件でプラント1が運転された時間の割合が13%、大気温度が10℃以上15℃未満で負荷が最大負荷100%の条件でプラント1が運転された時間の割合が15%、35℃以上40℃以下で負荷が最大負荷の50%以上60%未満の条件でプラント1が運転された時間の割合が15%、大気温度が35℃以上40℃以下で負荷が最大負荷100%の条件でプラント1が運転された時間の割合が20%であったことを示している。
なお、上記の大気温度及び負荷のそれぞれは、代表値を用いるものであってもよい。例えば、大気温度が0℃以上5℃未満である場合には2.5℃、5℃以上10℃未満である場合には7.5℃、10℃以上15℃未満である場合には12.5℃、35℃以上40℃以下である場合には37.5℃を代表値として用いるものであってもよい。また、負荷が最大負荷の40%以上50%未満の場合には45%、最大負荷の50%以上60%未満の場合には55%、最大負荷の60%以上70%未満の場合には65%、最大負荷の70%以上80%未満の場合には75%、最大負荷の80%以上90%未満の場合には85%、最大負荷の90%以上100%未満の場合には95%を代表値として用いるものであってもよい。
【0021】
性能算出部302は、図3に示すデータテーブルTBL1における代表的な複数の負荷と代表的な複数の大気温度との組み合わせのそれぞれと同一の組み合わせについて、部品を導入する前のプラント1の性能と部品を導入した後のプラント1の性能とを算出する。ここでのプラント1の性能とは、プラント1の燃費(出力電力量、発電効率を含む)、プラント1の余寿命、プラント1が排出するNOxなどの気体の低減量等である。
【0022】
例えば、性能算出部302は、プラント1を構成する部品ごとにモデルパラメータを用意する。性能算出部302は、データテーブルTBL1における負荷と大気温度との組み合わせと同一の組み合わせについて、新たに部品を導入する前のそれぞれの部品についてのパラメータを用いて、プラント1の性能についてのシミュレーションを実行する。また、性能算出部302は、データテーブルTBL1における負荷と大気温度との組み合わせと同一の組み合わせについて、新たに部品を導入した後のそれぞれの部品についてのパラメータを用いて、プラント1の性能についてのシミュレーションを実行する。
性能算出部302は、例えば、プラント1の性能についてのシミュレーションを行うアプリケーション(例えば、各種発電所の性能評価が可能なEBSILON(登録商標))を用いて、プラント1の性能についてのシミュレーションを実行する。
【0023】
性能向上算出部303は、性能算出部302のシミュレーション結果を取得する。性能向上算出部303は、新たに部品を導入する前のそれぞれの部品についてのパラメータを用いたプラント1の性能についてのシミュレーション結果を100%として、新たに部品を導入した後のそれぞれの部品についてのパラメータを用いたプラント1の性能についてのシミュレーション結果が何パーセントであるかを算出する。そして、性能向上算出部303は、算出した結果を、例えば、図4に示すデータテーブルTBL2として記憶部301に記録する。データテーブルTBL2は、データテーブルであり、所定の期間(例えば、過去1年間、今後1か月間の運転予定など)における稼働時の、プラント1における代表的な複数の負荷と、プラント1の周辺における代表的な複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、プラント1に新たに部品を導入した場合に、その部品を導入する前に比べてプラント1の性能がどの程度向上するかを示すデータテーブルである。
【0024】
例えば、図4に示すデータテーブルTBL2は、新たに部品を導入し、大気温度が5℃以上10℃未満で負荷が最大負荷の50%以上60%未満の条件でプラント1を運転した場合、部品を導入する前に比べてプラント1の性能が1パーセント向上し、大気温度が5℃以上10℃未満で負荷が最大負荷の90%以上100%未満の条件でプラント1を運転した場合、部品を導入する前とプラント1の性能が同一であり、大気温度が5℃以上10℃未満で負荷が最大負荷100%の条件でプラント1を運転した場合、部品を導入する前に比べてプラント1の性能が3パーセント向上し、大気温度が10℃以上15℃未満で負荷が最大負荷の50%以上60%未満の条件でプラント1を運転した場合、部品を導入する前に比べてプラント1の性能が1パーセント向上し、大気温度が10℃以上15℃未満で負荷が最大負荷100%の条件でプラント1を運転した場合、部品を導入する前に比べてプラント1の性能が1パーセント向上し、35℃以上40℃以下で負荷が最大負荷の50%以上60%未満の条件でプラント1を運転した場合、部品を導入する前に比べてプラント1の性能が1パーセント低下し、大気温度が35℃以上40℃以下で負荷が最大負荷100%の条件でプラント1を運転した場合、部品を導入する前とプラント1の性能が同一であることを示している。
【0025】
性能向上算出部303は、負荷と大気温度とのそれぞれの組み合わせについて、データテーブルTBL1における値とデータテーブルTBL2における値とを乗算する。そして、性能向上算出部303は、乗算結果の総和を算出する。
【0026】
例えば、図3に示すデータテーブルTBL1と図4に示すデータテーブルTBL2の場合、性能向上算出部303は、大気温度が5℃以上10℃未満で負荷が最大負荷の50%以上60%未満の条件について、0.05×1.01=0.0505と算出する。また、性能向上算出部303は、大気温度が5℃以上10℃未満で負荷が最大負荷の90%以上100%未満の条件について、0.12×1.00=0.12と算出する。また、性能向上算出部303は、大気温度が5℃以上10℃未満で負荷が最大負荷100%の条件について、0.20×1.03=0.2060と算出する。また、性能向上算出部303は、大気温度が10℃以上15℃未満で負荷が最大負荷の50%以上60%未満の条件について、0.13×1.01=0.1313と算出する。また、性能向上算出部303は、大気温度が10℃以上15℃未満で負荷が最大負荷100%の条件について、0.15×1.01=0.1515と算出する。また、性能向上算出部303は、35℃以上40℃以下で負荷が最大負荷の50%以上60%未満の条件について、0.15×0.99=0.1485と算出する。また、性能向上算出部303は、大気温度が35℃以上40℃以下で負荷が最大負荷100%の条件について、0.20×1.00=0.20と算出する。そして、性能向上算出部303は、乗算の総和を、0.0505+0.12+0.2060+0.1313+0.1515+0.1485+0.20=1.0078と算出する。つまり、性能向上算出部303は、データテーブルTBL1とデータテーブルTBL2から、新たに部品を導入し、過去1年間と同一の運転を行った場合、プラント1の性能が0.78%向上することが期待できるという結果を算出したことになる。
【0027】
性能向上結果出力部304は、性能向上算出部303の算出結果を出力する。
例えば、性能向上結果出力部304は、性能向上算出部303の算出結果を表示装置に表示する。
なお、性能向上結果出力部304が行う性能向上算出部303の算出結果の出力は、その算出結果を表示装置に表示することに限定するものではない。例えば、性能向上結果出力部304は、性能向上算出部303の算出結果を印刷物としてプリンタからプリントアウトするものであってもよい。また、例えば、性能向上結果出力部304は、性能向上算出部303の算出結果をスピーカから音声で出力するものであってもよい。
このように、性能向上結果出力部304は、性能向上算出部303の算出結果を顧客に報知する。こうすることで、顧客は、性能向上算出部303の算出結果から、例えば、プラント1の性能の向上分によって得られる利益が、新たな部品を導入する場合と新たな部品を導入する前と同じ部品を導入する場合との差額よりも大きい場合、新たな部品を導入した方が利益が大きいと判断するなど、新たな部品を導入する判断材料として、性能向上算出部303の算出結果を用いることができる。
【0028】
次に、図5を参照して、プラント1の処理について説明する。
なお、記憶部301は、データテーブルTBL1を記憶しているものとする。
【0029】
性能算出部302は、データテーブルTBL1における代表的な複数の負荷と代表的な複数の大気温度との組み合わせのそれぞれと同一の組み合わせについて、部品を導入する前のプラント1の性能と部品を導入した後のプラント1の性能とを算出する(ステップS1)。
例えば、性能算出部302は、プラント1を構成する部品ごとにモデルパラメータを用意する。性能算出部302は、データテーブルTBL1における負荷と大気温度との組み合わせと同一の組み合わせについて、新たに部品を導入する前のそれぞれの部品についてのパラメータを用いて、プラント1の性能についてのシミュレーションを実行する。また、性能算出部302は、データテーブルTBL1における負荷と大気温度との組み合わせと同一の組み合わせについて、新たに部品を導入した後のそれぞれの部品についてのパラメータを用いて、プラント1の性能についてのシミュレーションを実行する。
性能算出部302は、例えば、プラント1の性能についてのシミュレーションを行うアプリケーションを用いて、プラント1の性能についてのシミュレーションを実行する。
【0030】
性能向上算出部303は、性能算出部302のシミュレーション結果を取得する。性能向上算出部303は、新たに部品を導入する前のそれぞれの部品についてのパラメータを用いたプラント1の性能についてのシミュレーション結果を100%として、新たに部品を導入した後のそれぞれの部品についてのパラメータを用いたプラント1の性能についてのシミュレーション結果が何パーセントであるかを算出する(ステップS2)。そして、性能向上算出部303は、算出した結果を、データテーブルTBL2として記憶部301に記録する(ステップS3)。
【0031】
性能向上算出部303は、負荷と大気温度とのそれぞれの組み合わせについて、データテーブルTBL1における値とデータテーブルTBL2における値とを乗算する(ステップS4)。そして、性能向上算出部303は、乗算結果の総和を算出する(ステップS5)。
【0032】
性能向上結果出力部304は、性能向上算出部303の算出結果を出力する(ステップS6)。
例えば、性能向上結果出力部304は、性能向上算出部303の算出結果を表示装置に表示する。
【0033】
以上、本発明の一実施形態によるプラント1について説明した。
プラント1の演算装置30において、性能算出部302は、プラント1における複数の負荷と、プラント1における複数の大気温度との組み合わせのそれぞれについて、部品を導入する前のプラント1の性能と部品を導入した後のプラント1の性能とを算出する。記憶部301は、前記組み合わせのそれぞれについてのプラント1の稼働の割合を示すデータテーブルを記憶する。性能向上算出部303は、性能算出部302による算出結果と、前記データテーブルとに基づいて、部品を導入し、前記データテーブルが示す割合でプラント1を稼働した場合に、部品を導入する前に比べてどの程度プラント1の性能が向上するかを算出する。
一般的に、新たな部品を導入する場合の性能の向上は、時々刻々と変化するプラントの実際の条件をシミュレーションにおいて詳細に設定し、過渡解析のシミュレーションを行うことによって得られる。そのため、シミュレーションに時間が掛かり、規模の大きいプラントの場合、シミュレーションが収束しないなどの困難が伴うことが多い。
しかしながら、本発明の一実施形態に示すプラント1は、演算装置30により、負荷と大気温度との複数の組み合わせについてシミュレーションを行うことで、新たな部品を導入したときのプラントの性能が新たな部品を導入する前に比べてどの程度向上するかを定量的に容易に知ることができる。
【0034】
なお、本発明の一実施形態によるプラント1は、温度センサ20を備え、温度センサ20がプラント1の周辺の温度を検出し、演算装置30は、温度センサ20が検出した温度を取得するものとして説明した。しかしながら、本発明の別の実施形態によるプラント1は、温度センサ20を備えず、演算装置30は、例えば、天気予報のWEBサイトなどインターネットを介してプラント1の周辺の温度の情報を取得するものであってもよい。
【0035】
なお、本発明の一実施形態によるプラント1では、データテーブルTBL1及びデータテーブルTBL2において、大気温度は5℃の幅を持たせ、負荷は最大負荷の10%の幅を持たせるものとして説明した。しかしながら、データテーブルTBL1及びデータテーブルTBL2における幅は、それらに限定するものではない。
【0036】
なお、本発明の一実施形態によるプラント1では、新たな部品は、1つであっても複数であってもよく、演算装置30は、新たな部品のすべてについてパラメータを変更しプラント1の性能を算出するものとして説明した。
【0037】
なお、本発明の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0038】
本発明の実施形態における記憶部301、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部301、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0039】
本発明の実施形態について説明したが、上述の演算装置30、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図6は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図6に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の演算装置30、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0040】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0041】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、発明の範囲を限定しない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【符号の説明】
【0043】
1・・・プラント
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・発電装置
20・・・温度センサ
30・・・演算装置
301・・・記憶部
302・・・性能算出部
303・・・性能向上算出部
304・・・性能向上結果出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6