【解決手段】車載装置100は、発車方向を判定する発車方向判定部152と、駐車区画に隣接する車路を特定する車路特定部153と、特定した車路の通行方向及び発車方向に基づき、自車両5Aの運転者が安全を確認する確認動作が必要な確認方向を判定する確認方向判定部154と、運転者の視線の情報を取得する方向情報取得部155と、確認方向判定部154が判定した確認方向に基づいて視線の検出範囲を設定し、方向情報取得部155が取得した運転者の向きが検出範囲内にあるか否かを判定して、確認動作の有無を判定する確認有無判定部156と、確認有無判定部156により確認動作が行われていないと判定された場合に、表示部50、スピーカ60又はバイブレータ70に報知動作を実行させる報知制御部157と、を備える。
前記傾向検出部は、前記確認有無判定部により確認動作有りと判定された場合、前記確認方向判定部が判定した確認方向と同一の確認方向を登録したレコードを、前記記憶部から取得し、
取得した前記レコードに基づき、前記確認方向に対する確認動作が複数回連続して有りと判定される場合、取得した前記レコードのうち、前記有無情報が有りのレコードの前記有無情報を無しに変更する、ことを特徴とする請求項2記載の車載装置。
前記傾向検出ステップは、前記確認有無判定ステップにより確認動作有りと判定された場合、前記確認方向判定ステップにより判定された確認方向と同一の確認方向を登録したレコードを、前記記憶部から取得し、
取得した前記レコードに基づき、前記確認方向に対する確認動作が複数回連続して有りと判定される場合、取得した前記レコードのうち、前記有無情報が有りのレコードの前記有無情報を無しに変更する、ことを特徴とする請求項6記載の車載装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用された安全運転支援装置1の構成を示す構成図である。
図1を参照しながら安全運転支援装置1の構成について説明する。
安全運転支援装置1は、車両5に搭載され、車両5を運転する運転者の視線の方向を検出する。安全運転支援装置1は、検出した視線の方向に基づいて、運転者の安全確認が必要な確認方向に対する安全確認の有無を判定する。そして、安全運転支援装置1は、確認方向に対する安全確認を運転者が怠った場合、安全確認を怠ったことを運転者に報知する装置である。安全運転支援装置1が搭載された車両を「自車両5A」と表記し、自車両5A以外の車両を他車両5Bと表記する。
【0018】
安全運転支援装置1は、車内カメラ10、画像処理部20、GPS(Global Positioning System)受信部30、記憶部40、表示部50、スピーカ60、バイブレータ70及び車載装置100を備える。表示部50、スピーカ60及びバイブレータ70は、本発明の「報知部」に相当する。
【0019】
車内カメラ10は、可視光カメラ等によって構成される。車内カメラ10は、自車両5Aの運転席に着座した運転者の顔を正面から撮像できるように配置される。車内カメラ10の撮像範囲は、運転者が運転席に着座した場合に、運転者の顔が位置する空間領域である。車内カメラ10は、運転席に着座した運転者を撮像し、運転者の顔を含む撮像画像を画像処理部20に出力する。なお、車内カメラ10は、赤外線カメラ及び赤外線LEDにより構成してもよい。
【0020】
画像処理部20には、車内カメラ10の撮像画像が入力される。
画像処理部20は、入力された撮像画像を処理して運転者の視線を検出する。画像処理部20は、まず、入力された撮像画像から運転者の顔が撮像された領域である顔領域を抽出する。例えば、画像処理部20は、肌色抽出等の一般的に知られた方法により顔領域を抽出する。
【0021】
次に、画像処理部20は、抽出した顔領域から目頭や目尻、口角等の特徴点を検出し、検出した特徴点の位置に基づいて運転者の顔の向きを検出する。また、画像処理部20は、撮像画像から運転者の耳を検出し、検出した耳の位置や向き等に基づいて運転者の顔の向きを検出する。耳の位置や向きに等に基づいて運転者の顔の向きを検出することで、運転者が頭を自車両5Aの後方に向けている場合も運転者の顔の向きを検出することができる。顔の向きの検出方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0022】
次に、画像処理部20は、顔領域から目頭や虹彩の位置を特定し、特定した目頭や虹彩の位置に基づいて運転者の視線の方向を特定する。視線の方向を特定する特定方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。画像処理部20は、検出した運転者の顔の向きや視線の方向を示す情報を車載装置100に出力する。
【0023】
なお、車内カメラ10は、運転席に着座した運転者の顔を正面から撮像できるように配置されている。このため、運転者が右後方や左後方を向いている場合、車内カメラ10の撮像画像から視線を検出することはできない。この場合、画像処理部20は、顔の向きだけを検出し、検出した顔の向きを示す情報を車載装置100に出力する。
【0024】
画像処理部20は、メモリ及びプロセッサを備え、プロセッサがメモリに記憶された制御プログラムを実行することで上述の処理を実現する構成であってもよい。このプロセッサは、後述する車載装置100が備えるプロセッサ150により構成してもよいし、プロセッサ150とは別のプロセッサにより構成してもよい。また、画像処理部20は、専用のハードウェア回路により構成してもよい。
また、本実施形態では、可視光カメラの撮像画像から運転者の顔の向きや視線の方向を特定したが、赤外線LEDにより運転者の顔に赤外線を照射し、照射された赤外線を赤外線カメラで撮像して、運転者の視線の方向を検出してもよい。
【0025】
GPS受信部30は、GPS衛星から送信される測位信号を受信し、受信した測位信号に基づいて自車両5Aの絶対位置(緯度及び経度)を算出する。GPS受信部30は、算出した自車両5Aの絶対位置を示す位置情報を車載装置100に出力する。
【0026】
記憶部40は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)等の記憶装置であり、後述するプロセッサ150が実行する制御プログラムや各種データを記憶する。
【0027】
また、記憶部40は、駐車場内の地図である駐車場地図データ(駐車場地図情報に相当する)41を記憶する。駐車場地図データ41には、駐車場の駐車区画を示す情報や、駐車場内の車路の通行方向を示す情報が含まれる。駐車区画は、車両が駐車可能な領域であって、白線等によって区画された領域である。車路は、車両を駐車区画に駐車させるための通行路や、切り替えしを行なうスペースである。また、通行方向とは、車路において車両5が通行可能な方向を意味する。通行方向には、一方通行と、双方向通行とがある。
【0028】
また、記憶部40は、入出庫記録データベース43、運転者データベース45及び確認方向テーブル47を記憶する。以下、データベースを「DB」と略記する。
【0029】
図2は、入出庫記録DB43の構成を示す図である。
入出庫記録DB43の1レコードは、識別情報である識別番号と、日時情報と、位置情報と、通行方向と、駐車方向と、確認方向とを含む。各レコードは、運転者の識別情報である運転者IDに対応づけられて入出庫記録DB43に登録される。
【0030】
日時情報は、自車両5Aが駐車した日時と、イグニションスイッチがオンされ、自車両5Aが発車した日時とを含む。
位置情報は、自車両5Aが駐車した駐車位置を示す情報である。この位置情報は、GPS受信部30により算出された位置情報である。
通行方向は、後述する車路特定部125が特定した車路の通行方向を示す情報である。
駐車方向は、自車両5Aを駐車区画に駐車させたときの自車両5Aの方向を示す情報である。駐車方向には、前向き駐車と後ろ向き駐車とがある。前向き駐車は、自車両5Aの前輪を駐車区画に先に進入させる駐車方法である。後ろ向き駐車は、自車両5Aの後輪を駐車区画に先に進入させる駐車方法である。
確認方向は、自車両5Aを発車させる前に、運転者が安全確認を行う必要がある方向である。
【0031】
図3は、運転者DB45の構成を示す図である。
運転者DB45の1レコードは、識別情報である識別番号と、視線の方向及び頭の向きと、確認方向と、報知動作と、報知フラグと、累積値とを含む。各レコードは、運転者を識別する運転者IDに対応づけられて運転者DB45に登録される。また、運転者DB45には、運転者の顔画像が、当該運転者の運転者IDに対応づけて登録される。
【0032】
視線の方向は、画像処理部20により検出された運転者の視線の方向を示す情報である。
頭の向きは、画像処理部20により検出された運転者の頭の向きを示す情報である。視線の方向は、運転者が自車両5Aの後方を向いている場合、運転者の視線を検出できない。従って、運転者が後方を向いている場合、頭の向きを示す情報が運転者DB45に登録される。視線の方向及び頭の向きを総称して方向情報という。また、
図3において、θaは、視線の方向を示す角度を示し、θbは、運転者の頭の方向を示す角度を示す。
確認方向は、入出庫記録DB43に登録された確認方向と同一の情報である。
報知動作は、安全運転支援装置1が運転者に対して行った報知動作の内容を示す情報である。
報知フラグは、安全運転支援装置1が報知動作を行った場合には「1」が記録され、報知動作を行っていない場合に「0」が記録される。
累積値は、視線の方向及び確認方向が同一であって、報知フラグに「1」が記録されたレコードの数、つまり、運転者に対して報知動作を行った回数を示す。
【0033】
図4は、確認方向テーブル47の構成を示す図である。
確認方向テーブル47は、発車方向、車路の通行方向、確認方向及び検出範囲を対応づけて登録したテーブルである。発車方向は、車両5が発車する方向を示す情報である。検出範囲は、確認方向を運転者が確認したか否かを判定するために、運転者の視線又は頭の向きを検出する範囲の情報である。
【0034】
確認方向テーブル47には、車両5Aの発車方向が前方であり、車路の通行方向が左から右である場合、確認方向として左方向が登録される。また、確認方向が左方向である場合の検出範囲としてθ4≦θ≦θ5が登録される。
また、確認方向テーブル47には、車両5Aの発車方向が前方であり、車路の通行方向が右から左である場合、確認方向として右方向が登録される。また、確認方向が右方向でる場合の検出範囲としてθ1≦θ≦θ2が登録される。
また、確認方向テーブル47には、車両5Aの発車方向が前方であり、車路の通行方向が双方向である場合、確認方向として左方向及び右方向が登録される。また、確認方向が左方向及び右方向である場合の検出範囲としてθ4≦θ≦θ5及びθ1≦θ≦θ2が登録される。
【0035】
また、確認方向テーブル47には、車両5Aの発車方向が後方であり、車路の通行方向が左から右である場合、確認方向として左後方が登録される。また、確認方向が左後方である場合の検出範囲としてθ5<θ≦θ6が登録される。
また、確認方向テーブル47には、車両5Aの発車方向が後方であり、車路の通行方向が右から左である場合、確認方向として右後方が登録される。また、確認方向が右後方である場合の検出範囲としてθ2<θ≦θ3が登録される。
また、確認方向テーブル47には、車両5Aの発車方向が後方であり、車路の通行方向が双方向である場合、確認方向として左後方及び右後方が登録される。また、確認方向が左後方及び右後方である場合の検出範囲としてθ5<θ≦θ6及びθ2<θ≦θ3が登録される。
【0036】
ここで検出範囲について
図5を参照しながら説明する。
図5は、検出範囲を示す図である。
図5には、水平軸A1と、前方軸AS2とを示す。水平軸A1は、運転席に着座した運転者を基準として設定された軸であり、運転者の水平方向(左右方向)に平行な軸である。前方軸A2も運転席に着座した運転者を基準として設定された軸であり、水平軸A1に直交する方向に設定される。
【0037】
例えば、確認方向が左方向である場合、前方軸A2を基準にして、左方向にθ4≦θ≦θ5の範囲が検出範囲に設定される。
また、確認方向が右方向である場合、前方軸A2を基準にして、右方向にθ1≦θ≦θ2の範囲が検出範囲に設定される。
また、確認方向が左後方である場合、前方軸A2を基準にして、左後方にθ5<θ≦θ6の範囲が検出範囲に設定される。
また、確認方向が右後方である場合、前方軸A2を基準にして、右後方にθ2<θ≦θ3の範囲が検出範囲に設定される。
【0038】
表示部50は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescent)パネル等のディスプレイを備え、後述する制御部120の制御に従ってディスプレイに画像を表示させる。
【0039】
スピーカ60は、制御部120から入力される音声信号を音声に変換して出力する。スピーカ60は、例えば、音声アナウンスや警告音を発する。
【0040】
バイブレータ70は、例えば、自車両5Aの運転席等に設置される。バイブレータ70には、車載装置100から駆動信号が入力される。バイブレータ70は、入力された駆動信号により振動して、運転席に着座した運転者に警告を出力する。バイブレータ70は、偏心モータや、リニアバイブレータ、ピエゾ素子等のバイブレータとして一般的に知られた構成のものが用いられる。
【0041】
次に、車載装置100の構成について説明する。車載装置100は、CAN(Controller Area Network)インターフェイス回路110と、制御部120とを備える。CANインターフェイス回路110を、以下では「CANI/F回路110」と略記する。
【0042】
CANI/F回路110は、CANバス115に接続された他のECU(Electronic Control Unit)やセンサとの間で、CANプロトコルに従ってデータ通信を行う。
【0043】
制御部120は、メモリ130及びプロセッサ150を備える。
メモリ130は、揮発性記憶装置と不揮発性記憶装置とを備える。揮発性記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成される。不揮発性記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)や、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Rom)により構成される。また、メモリ130は、不揮発性記憶装置だけを備える構成としてもよい。メモリ130は、プロセッサ150が実行する制御プログラム135を記憶する。
【0044】
プロセッサ150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)により構成される演算処理装置である。プロセッサ150は、制御プログラム135を実行して安全運転支援装置1を制御する。プロセッサ150は、単一のプロセッサにより構成してもよいし、複数のプロセッサにより構成することも可能である。また、プロセッサ150は、メモリ130の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoC(System on Chip)により構成してもよい。また、プロセッサ150は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)との組み合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサ150の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0045】
制御部120は、機能ブロックとして、車両情報取得部151と、発車方向判定部152と、車路特定部153と、確認方向判定部154と、方向情報取得部155と、確認有無判定部156と、報知制御部157と、傾向検出部158とを備える。これらの機能ブロックは、プロセッサ150が制御プログラム135に記述された命令セットを実行してデータの演算や制御を行うことにより実現される機能をブロックにより示したものである。
【0046】
車両情報取得部151は、CANI/F回路110を介して、CANバス115に接続された他のECU(Electric Control Unit)やセンサから車両情報を取得する。車両情報取得部151が取得する車両情報には、シフトレバーの操作位置を示す操作位置情報や、イグニッションスイッチのオン、オフ情報、自車両5Aの車速情報、フットブレーキの踏み込み量を示す情報、サイドブレーキのオン、オフ情報、ステアリングの操舵角の情報が含まれる。
【0047】
発車方向判定部152は、駐車区画に駐車した自車両5Aが、駐車区画から発車するときの発車方向を判定する。例えば、発車方向判定部152は、自車両5Aが駐車区画に駐車したときの駐車方向に基づいて発車方向を判定する。
【0048】
また、発車方向判定部152は、自車両5Aが駐車区画に駐車するまでの移動経路や、車両情報取得部151が取得した車両情報に含まれるステアリングの操舵角やシフトレバーの操作位置情報に基づいて駐車方向を判定してもよい。発車方向判定部152は、記憶部40から読み出した駐車場地図データと、GPS受信部30が算出した位置情報とに基づいて駐車場内の移動経路を算出する。
【0049】
また、発車方向判定部152は、シフトレバーの操作位置情報に基づいて自車両5Aの発車方向を判定してもよい。すなわち、発車方向判定部152は、エンジンの始動後、シフトレバーの操作位置がパーキングからドライブに変更された場合、自車両5Aの発車方向を前方と判定する。また、発車方向判定部152は、エンジンの始動後、シフトレバーの操作位置がパーキングからリバースに変更された場合、自車両5Aの発車方向を後方と判定する。
【0050】
車路特定部153には、GPS受信部30により算出された位置情報や、発車方向判定部152により判定された自車両5Aの発車方向を示す情報が入力される。車路特定部153は、入力された位置情報に基づき自車両5Aの周囲の駐車場地図データ41を記憶部40から読み出す。車路特定部153は、読み出した駐車場地図データ41、及び発車方向判定部152が判定した発車方向に基づき、自車両5Aが駐車した駐車区画に隣接し、発車方向に位置する車路を特定する。すなわち、車路特定部153は、駐車区画から出庫した自車両5Aが最初に走行する車路を特定する。車路特定部153は、本発明の「取得部及び車路特定部」に相当する。
【0051】
また、車路特定部153は、GPS受信部30により算出された位置情報に基づいて発進部の位置を算出し、算出した位置に基づいて車路を特定してもよい。
GPS受信部30により算出される位置情報の位置は、測位信号を受信したGPS受信部30の位置である。車路特定部153は、自車両5Aの発車方向が前方である場合、位置情報に基づいてフロントバンパーの予め決められた位置の位置情報を算出する。フロントバンパーの予め決められた位置が発進部である。GPS受信部30を基準とする発進部の方位及び距離は、予め算出され、メモリ130に記憶されている。
また、車路特定部153は、自車両5Aの発車方向が後退方向である場合、位置情報に基づいてリアバンパーの予め決められた位置の位置情報を算出する。リアバンパーの予め決められた位置が発進部である。車路特定部153は、自車両5Aの発車方向に位置し、発進部との距離が最も近い車路を特定する。
【0052】
確認方向判定部154は、本発明の方向判定部に相当し、車路特定部153が特定した車路の通行方向を駐車場地図データ41から取得する。また、確認方向判定部154は、発車方向判定部152が判定した自車両5Aの発車方向と、取得した車路の通行方向とに基づいて確認方向テーブル47を参照し、運転者による確認動作が必要な確認方向、及び検出範囲の情報を取得する。確認動作は、運転者が目視により安全を確認する動作である。
【0053】
図6は、運転席に着座した運転者から見て車路200の通行方向が左方向から右方向である場合を示す。また、
図6は、自車両5Aの駐車方向が後ろ向き駐車であって、自車両5Aの発車方向が前方である場合を示す。この場合、確認方向判定部154は、確認方向テーブル47を参照し、確認方向として「左方向」を取得し、検出範囲としてθ4≦θ≦θ5を取得する。確認方向に右方向が含まれないのは、自車両5Aの進行方向である右方向の安全確認は、当然に行うことが想定されるからである。
【0054】
図7は、運転席に着座した運転者から見て車路200の通行方向が右方向から左方向である場合を示す。また、
図7は、自車両5Aの駐車方向が後ろ向き駐車であって、自車両5Aの発車方向が前方である場合を示す。この場合、確認方向判定部154は、確認方向テーブル47を参照し、確認方向として「右方向」を取得し、検出範囲としてθ1≦θ≦θ2を取得する。
【0055】
図8は、運転席に着座した運転者から見て車路200の通行方向が双方向である場合を示す。また、
図8は、自車両5Aの駐車方向が後ろ向き駐車であって、自車両5Aの発車方向が前方である場合を示す。車路200の通行方向が双方向である場合、左右の両方から他車両5Bが接近する可能性があるため、「右方向及び左方向」が確認方向に設定される。確認方向判定部154は、確認方向テーブル47を参照し、確認方向として「左方向及び右方向」を取得し、検出範囲としてθ4≦θ≦θ5及びθ1≦θ≦θ2を取得する。
【0056】
図9は、運転席に着座した運転者から見て車路200の通行方向が右方向から左方向である場合を示す。また、
図9は、自車両5Aの駐車方向が前向き駐車であって、自車両5Aの発車方向が後方である場合を示す。この場合、運転者は、
図10に示すように、自車両5Aを右後方に一旦移動させてから、通行方向である左方向への走行を開始する。確認方向判定部154は、確認方向テーブル47を参照し、確認方向として「右後方」を取得し、検出範囲としてθ2<θ≦θ3を取得する。
【0057】
図11は、運転席に着座した運転者から見て車路200の通行方向が左方向から右方向である場合を示す。また、
図11は、自車両5Aの駐車方向が前向き駐車であって、自車両5Aの発車方向が後方である場合を示す。この場合、運転者は、
図12に示すように、自車両5Aを左後方に一旦移動させてから、通行方向である右方向に進行する。確認方向判定部154は、確認方向テーブル47を参照し、確認方向として「左後方」を取得し、検出範囲としてθ5<θ≦θ6を取得する。
【0058】
図13は、運転席に着座した運転者から見て車路200の通行方向が左右双方向である場合を示す。また、
図13は、自車両5Aの駐車方向が前向き駐車であって、自車両5Aの発車方向が後方である場合を示す。この場合、運転者は、自車両5Aを左後方又は右後方に一旦移動させてから、通行方向である右方向又は左方向に進行する。確認方向判定部154は、確認方向テーブル47を参照し、確認方向として「左後方及び右方向」を取得し、検出範囲としてθ5<θ≦θ6及びθ2<θ≦θ3を取得する。
【0059】
方向情報取得部155は、運転者の顔の向き及び視線の方向の少なくとも一方を示す情報を方向情報として画像処理部20から取得する。方向情報取得部155は、画像処理部20から取得した方向情報を確認有無判定部156に出力する。
【0060】
確認有無判定部156は、方向情報取得部155から入力される方向情報に基づき、運転者の顔の向き又は視線の方向が設定した検出範囲にあるか否かを判定し、確認方向の安全確認を運転者が行ったか否かを判定する。
確認有無判定部156は、方向情報取得部155から方向情報として運転者の顔の向き及び視線の方向を示す情報が入力された場合、視線の方向が検出範囲内にあるか否かを判定する。確認有無判定部156は、運転者の視線の方向が、所定時間以上連続して検出範囲内にある場合、運転者が確認方向の安全確認を行っていると判定する。
また、確認有無判定部156は、方向情報取得部155から方向情報として運転者の顔の向きが検出範囲内にあるか否かを判定する。確認有無判定部156は、運転者の視線の方向が、所定時間以上連続して検出範囲内にある場合、運転者が確認方向の安全確認を行っていると判定する。本実施形態では、視線の方向を判定する場合と、顔の向きを判定する場合の検出範囲が同一の範囲である場合を説明するが、視線の方向を判定する場合の検出範囲と、顔の向きを判定する場合の検出範囲とが一致しなくてもよい。
【0061】
報知制御部157は、確認有無判定部156により運転者が確認方向への安全確認を行っていないと判定された場合、表示部50や、スピーカ60、バイブレータ70を制御して報知動作を実行する。報知制御部157は、例えば、安全確認を行っていない方向を示す案内を表示部60に表示させたり、スピーカ60やバイブレータ70を駆動させて安全確認が行われていない方向があることを報知したりする。
【0062】
傾向検出部158は、入出庫記録DB43や運転者DB45にデータを登録して、運転者が安全確認を怠る傾向のある方向を検出する。傾向検出部158は、運転者が安全確認を怠る傾向のある方向を検出すると、報知制御部157に報知動作を実行させる。
【0063】
例えば、傾向検出部158は、方向情報取得部155が取得した方向情報と、確認方向判定部154が判定した確認方向とを運転者DB45に登録してレコードを生成する。また、傾向検出部158は、報知制御部157が報知動作を実行させた場合には、報知フラグに「1」を記録し、報知制御部157が報知動作を実行させていない場合には、報知フラグに「0」を記録する。さらに、傾向検出部158は、報知制御部157が報知動作を実行させた場合、実行させた報知動作の内容を運転者DB45に登録する。
【0064】
さらに、傾向検出部158は、方向情報取得部155が取得した方向情報と、確認方向判定部154が判定した確認方向とが同一であって、報知フラグに「1」が記録されたレコードが複数運転者DB45に登録されている場合、当該レコードの累積値を更新する。累積値は、方向情報及び確認方向が一致し、報知フラグに「1」が記録されたレコードの数に対応する値に更新される。
【0065】
傾向検出部158は、累積値が設定値以上になると、確認方向に対する安全確認を怠る傾向にあると判定する。本実施形態では、傾向検出部158は、累積値が「2」になると、確認方向に対する安全確認を怠る傾向にあると判定する。
そして、傾向検出部158は、累積値が設定値以上のレコードに登録された方向情報と同一の方向を方向情報取得部155が取得し、さらに、レコードに登録された確認方向と同一の方向を確認方向判定部154が判定した場合、報知制御部157に報知動作を実行させる。
【0066】
また、傾向検出部158は、確認有無判定部156により確認方向への安全確認が行われたと判定された場合、運転者DB45を参照して、この確認方向と同一の方向を登録したレコードを取得する。
傾向検出部158は、取得したレコードのうち、運転者DB45に直近に登録された連続する複数回のレコードの報知フラグに「0」が記録されているか否かを判定する。傾向検出部158は、直近に登録された複数回のレコードの報知フラグが「0」である場合、運転者は、この確認方向への安全確認を怠る傾向にはないと判定する。本実施形態では、傾向検出部158は、直近に登録された2つのレコードの報知フラグが「0」である場合、運転者は、この確認方向への安全確認を怠る傾向にはないと判定する。この場合、傾向検出部158は、同一の確認方向を登録したレコードであって、報知フラグに「1」が記録されたレコードの報知フラグを「0」に変更する。また、傾向検出部158は、このレコードの累積値を「0」に更新する。
【0067】
図14は、安全運転支援装置1の動作を示すフローチャートである。
図14に示すフローチャートを参照しながら安全運転支援装置1の動作を説明する。
制御部120は、まず、イグニッションスイッチがオンされたか否かを判定する(ステッップS1)。制御部120は、CANI/F回路110から入力される車両情報に基づいてイグニッションスイッチがオンされたか否かを判定する。制御部120は、イグニッションスイッチがオンされていない場合(ステップS1/NO)、イグニッションスイッチがオンされるまで待機する。
【0068】
制御部120は、イグニッションスイッチがオンされた場合(ステップS1/YES)、運転者の顔画像を取得する。制御部120は、車内カメラ10に撮像の実行を指示する。車内カメラ10は、運転席に着座した運転者を撮像して撮像画像を生成し、生成した撮像画像を画像処理部20に出力する。画像処理部20は、入力された撮像画像から顔領域を抽出し、抽出した顔領域の画像を顔画像として制御部120に出力する。顔画像は、制御部120のメモリ130に一時的に記憶される。
【0069】
制御部120は、顔画像をメモリ130から取得し(ステップS2)、取得した顔画像が運転者DB45に登録されているか否かを判定する(ステップS3)。制御部120は、顔画像が運転者DB45に登録されていない場合(ステップS3/NO)、運転者の顔画像を運転者DB45に登録する(ステップS4)。このとき、制御部120は、運転者の名前や、性別、年齢等の情報の入力をタッチパネル55により受け付け、受け付けた情報を運転者DB45に登録する。
【0070】
次に、顔画像が運転者DB45に登録されている場合(ステップS3/YES)、又はステップS4において運転者の顔画像の登録が終了すると、制御部120は、GPS受信部30が出力した位置情報をメモリ130から取得する(ステップS5)。制御部120は、位置情報を取得すると、取得した位置情報が示す位置を含む駐車場地図データ41を記憶部40から取得する(ステップS6)。ステップS6は、本発明の「取得ステップ」に相当する。
【0071】
次に、制御部120は、自車両5Aの発車方向を判定する(ステップS7)。制御部120は、車両情報として入力されるシフトレバーの操作位置を示す操作位置情報に基づいて発車方向を判定する。また、制御部120は、入出庫記録DB43に登録された駐車方向の情報を取得し、取得した情報に基づいて発車方向を判定してもよい。ステップS7は、本発明の「発車方向判定ステップ」に相当する。
【0072】
次に、制御部120は、ステップS6で取得した駐車場地図データ41と、ステップS7で判定した発車方向とに基づき、駐車区画から出庫した自車両5Aが最初に走行する車路を特定する(ステップS8)。ステップS8は、本発明の「車路特定ステップ」に相当する。制御部120は、車路を特定すると、特定した車路の通行方向を駐車場地図データ41から取得する(ステップS9)。
【0073】
制御部120は、特定した車路の通行方向を取得すると、取得した通行方向と、ステップS7で判定した発車方向とに基づいて確認方向テーブル47を参照し、発車方向及び通行方向に対応する確認方向の情報を取得する(ステップS10)。ステップS10は、本発明の「確認方向判定ステップ」に相当する。
【0074】
次に、制御部120は、車両情報として入力される車速情報により自車両5Aの車速が1km/h以上であるか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、制御部120は、自車両5Aが走行を開始したか否かを判定する。制御部120は、自車両5Aの車速が1km/h以上ではない場合(ステップS11/NO)、車速が1km/hとなるまで待機する。
【0075】
次に、制御部120は、自車両5Aの車速が1km/h以上である場合(ステップS11/YES)、ステップS10で取得した確認方向に基づいて検出範囲を設定する(ステップS12)。制御部120は、確認方向が右方向である場合、前方軸A2を基準として、右方向にθ1≦θ≦θ2の範囲を検出範囲に設定する。また、制御部120は、確認方向が左方向である場合、前方軸A2を基準として、左方向にθ4≦θ≦θ5の範囲を検出範囲に設定する。また、制御部120は、確認方向が左後方である場合、前方軸A2を基準として、左方向にθ5<θ≦θ6の範囲を検出範囲に設定する。また、制御部120は、確認方向が右後方である場合、前方軸A2を基準として、右方向にθ2<θ≦θ3の範囲を検出範囲に設定する。
【0076】
次に、制御部120は、画像処理部20が検出した運転者の方向情報を取得する(ステップS13)。ステップS13は、本発明の「方向情報取得ステップ」に相当する。方向情報には、運転者の視線の方向及び顔の向きとの少なくとも一方が含まれる。制御部120は、取得した方向情報に基づき、運転者の視線又は頭の向きが検出範囲にあるか否かを判定する(ステップS14)。例えば、制御部120は、所定時間以上連続して検出範囲内に運転者の視線が検出された場合に、運転者の視線が検出範囲内にあると判定する(ステップS14)。また、制御部120は、運転者の顔の向きが検出範囲の方向を向いていると所定時間以上連続して判定された場合に、運転者の顔の向きが検出範囲にあると判定する(ステップS14)。制御部120は、運転者の視線又は頭の向きが検出範囲内にあると判定した場合(ステップS14/YES)、ステップS19の処理に移行する。ステップS14は、本発明の「確認有無判定ステップ」に相当する。
【0077】
また、制御部120は、運転者の視線又は頭の向きが検出範囲内にないと判定した場合(ステップS14/NO)、予め設定された設定時間を経過したか否かを判定する(ステップS15)。設定時間は、例えば、ステップS11で車速が1km/h以上と判定してからの時間であってもよいし、ステップS13で最初に顔の向き及び視線を検出してからの時間であってもよい。
【0078】
制御部120は、設定時間を経過していない場合(ステップS15/NO)、ステップS13に戻って方向情報を取得する(ステップS13)。また、制御部120は、設定時間を経過しても、運転者の視線又は頭の向きが検出範囲内にあると判定できなかった場合(ステップS14/NO、かつS15/YES)、報知動作を実行させる(ステップS16)。例えば、制御部120は、スピーカ60から報知音を出力させ、不注意運転を検出した旨を運転者に報知する。ステップS16は、本発明の「報知ステップ」に相当する。
【0079】
次に、制御部120は、運転者の今回の運転状況と同一の運転状況であって、累積値が「2」の登録データが運転者DB45に登録されているか否かを判定する(ステップS17)。具体的には、制御部120は、確認方向が、ステップS10で取得した確認方向と同一の方向であって、方向情報が、ステップS13で取得した方向情報と同一の方向であり、累積値として「2」が登録されたレコードがあるか否かを判定する。制御部120は、累積値が「2」のレコードがない場合(ステップS17/NO)、ステップS19の処理に移行する。
【0080】
また、制御部120は、累積値が「2」のレコードが運転者DB45に登録されている場合(ステップS17/YES)、運転傾向に基づく報知動作を実行する(ステップS18)。例えば、制御部120は、表示部50に、運転者の運転傾向や、運転者が安全確認を怠った方向を表示させる。
【0081】
その後、制御部120は、運転者DB45にデータを登録する登録処理を行う(ステップS19)。
【0082】
図15は、ステップS16において報知動作を実行した場合の運転者DB45へのデータの登録処理を示すフローチャートである。この処理フローの全体が、本発明の「傾向検出ステップ」に相当する。
まず、制御部120は、新規の識別番号を発行し、発行した識別番号を運転者DB45に記録してレコードを生成する(ステップS31)。次に、制御部120は、ステップS31で発行した識別番号を登録したレコードに、方向情報、確認方向、及びステップS16で行った報知動作を登録する(ステップS32)。また、制御部120は、このレコードに、値が「1」の報知フラグを記録する(ステップS33)。
【0083】
次に、制御部120は、運転者DB45を検索し、方向情報が、ステップS32で登録した方向情報と同一であって、確認方向が、ステップS32で登録した確認方向と同一のレコードが登録されているか否かを判定する(ステップS34)。
【0084】
制御部120は、方向情報及び確認方向が同一のレコードが検出された場合(ステップS34/YES)、ステップS31で発行した識別番号のレコードの累積値に、「検出したレコード数+1」を登録する(ステップS35)。「+1」は、今回、運転者DB45に登録したレコードの分である。例えば、方向情報及び確認方向が同一のレコードが運転者DB45から1つ検出された場合、検出されたレコードと、今回、登録したレコードの累積値に「2」を記録する。
【0085】
また、制御部120は、方向情報及び確認方向が同一のレコードが検出されなかった場合(ステップS34/NO)、ステップS31で発行した識別番号のレコードの累積値として、「1」を記録する(ステップS36)。
【0086】
図16は、ステップS16において報知動作を行わなかった場合の運転者DB45の更新処理を示すフローチャートである。この処理フローの全体が、本発明の「傾向検出ステップ」に相当する。
【0087】
まず、制御部120は、新規の識別番号を発行し、発行した識別番号を運転者DB45に記録する(ステップS41)。次に、制御部120は、ステップS41で発行した識別番号を登録したレコードに、方向情報及び確認方向を登録する(ステップS42)。また、制御部120は、このレコードに、値が「0」の報知フラグを記録し(ステップS43)、値が「0」の累積値を記録する(ステップS44)。
【0088】
次に、制御部120は、運転者DB45を検索して、ステップS42で登録した確認方向と同一の方向が確認方向として登録されたレコードがあるか否かを判定する(ステップS45)。制御部120は、同一の確認方向が登録されたレコードがない場合(ステップS45/NO)、この処理フローを終了させる。
【0089】
また、制御部120は、同一の確認方向が登録されたレコードがある場合(ステップS45/YES)、同一の確認方向を登録したレコードのうち、運転者DB45に直近に登録した2つのレコードの報知フラグが「0」であるか否かを判定する(ステップS46)。すなわち、制御部120は、同一の確認方向を確認する動作において、運転手が確認方向の安全確認を行い、安全運転支援装置1が報知動作を実行しなかったか否かを判定する。制御部120は、直近に登録した2つのレコードの報知フラグが「0」ではない場合(ステップS46/NO)、この処理フローを終了させる。
【0090】
また、制御部120は、直近に登録した2つのレコードの報知フラグが「0」である場合(ステップS46/YES)、ステップS45で検出した確認方向が同一のレコードであって、報知フラグが「1」のレコードの報知フラグを「0」に更新する(ステップS47)。また、制御部120は、ステップS45で検出した確認方向が同一のレコードであって、報知フラグが「1」のデータの該当の累積値を「0」に更新する(ステップS48)。
【0091】
図17は、運転者DB45の更新処理の手順を示すフローチャートである。特に、
図17は、予め設定されたタイミングで運転者DB45の更新処理を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0092】
制御部120は、まず、登録済みの運転手IDの1つを選択し(ステップS51)、選択した運転手IDに対応づけて登録されたレコードを読み込む(ステップS52)。次に、制御部120は、読み込んだ各レコードに含まれる識別番号の数をカウントして取得する(ステップS53)。
【0093】
次に、制御部120は、ステップS52で読み込んだレコードに含まれる識別番号の1つを選択し(ステップS54)、選択した識別番号に対応づけられた報知フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS55)。制御部120は、報知フラグが「1」ではない場合(ステップS555/NO)、ステップS57の判定に移行する。
【0094】
また、制御部120は、報知フラグが「1」である場合(ステップS55/YES)、この識別番号をメモリ130に記録する(ステップS56)。次に、制御部120は、すべての識別番号を選択したか否かを判定する(ステップS57)。制御部120は、すべての識別番号を選択していない場合(ステップS57/NO)、ステップS54に戻り次の識別番号を選択する。
【0095】
また、制御部120は、すべての識別番号を選択した場合(ステップS57/YES)、ステップS56でメモリ130に記録した識別番号のレコードに、方向情報及び確認方向が同一のレコードがあるか否かを判定する(ステップS58)。制御部120は、方向情報及び確認方向が同一のレコードがない場合(ステップS58/NO)、ステップS60の判定に移行する。
【0096】
また、制御部120は、方向情報及び確認方向が同一のレコードがある場合(ステップS58/YES)、これらのレコードの累積値を、検出したレコード数に対応した数に変更する(ステップS59)。
【0097】
次に、制御部120は、ステップS51で選択した運転手IDのレコードを検索して、確認方向として同一の方向が登録された複数のレコードがあるか否かを判定する(ステップS60)。ステップS60で検索する対象のレコードは、ステップS56で識別番号をメモリ130に登録したレコードではなく、ステップS52で読み込んだすべてのレコードが対象となる。
【0098】
制御部120は、同一の確認方向が登録されたレコードが複数ない場合(ステップS60/NO)、ステップS64の判定に移行する。また、制御部120は、同一の確認方向が登録されたレコードが複数ある場合(ステップS60/YES)、これらのレコードのうち、運転者DB45に直近に登録されたレコードの報知フラグの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS61)。制御部120は、直近の2つのレコードの報知フラグの値が「0」ではない場合(ステップS61/NO)、ステップS64の判定に移行する。
【0099】
また、制御部120は、直近の2つのレコードの報知フラグが「0」である場合(ステップS61/YES)、ステップS60で検出した確認方向が同一のレコードであって、報知フラグが「1」のレコードの報知フラグを「0」に更新する(ステップS62)。また、制御部120は、ステップS60で検出した確認方向が同一のレコードであって、報知フラグが「1」のレコードの該当の累積値を「0」に更新する(ステップS63)。
【0100】
次に、制御部120は、すべての運転手IDを選択したか否かを判定する(ステップS64)。制御部120は、すべての運転手IDを選択した場合(ステップS64/YES)、この処理フローを終了させる。また、制御部120は、すべての運転手IDを選択していない場合(ステップS64/NO)、ステップS51の処理に戻る。
【0101】
図18は、自車両5Aが駐車区画に駐車したか否かを判定する処理フローである。
制御部120は、まず、CANI/F回路110を介して車両情報を取得する(ステップS71)。ステップS71は、本発明の「車両情報取得ステップ」に相当する。
【0102】
まず、制御部120は、車両情報に含まれる車速が「0km/h」であるか否かを判定する(ステップS72)。制御部120は、車速が「0km/h」ではない場合(ステップS72/NO)、この処理フローを終了させる。また、制御部120は、車速が「0km/h」である場合(ステップS72/YES)、車両情報に含まれるシフトレバーのシフト位置がパーキングであるか否かを判定する(ステップS73)。制御部120は、シフト位置がパーキングではない場合(ステップS73/NO)、この処理フローを終了させる。
【0103】
また、制御部120は、シフト位置がパーキングである場合(ステップS73/YES)、車両情報に含まれるサイドブレーキがオンであるか否かを判定する(ステップS74)。制御部120は、サイドブレーキがオンではない場合(ステップS74/NO)、この処理フローを終了させる。また、制御部120は、サイドブレーキがオンである場合(ステップS74/YES)、車両情報に含まれるパーキングの直前のシフト位置がリバースであるか否かを判定する(ステップS75)。
【0104】
制御部120は、直前のシフト位置がリバースである場合(ステップS75/YES)、自車両5Aの駐車方向を後ろ向き駐車と判定する(ステップS76)。制御部120は、判定した駐車方向を入出庫記録DB43の駐車方向に記録する(ステップS78)。また、制御部120は、直前のシフト位置がドライブである場合(ステップS75/NO)、自車両5Aの駐車方向を前向き駐車と判定する(ステップS77)。制御部120は、判定した駐車方向を入出庫記録DB43の駐車方向に記録する(ステップS78)。
【0105】
以上説明したように本実施形態の車載装置100は、発車方向判定部152、車路特定部153、確認方向判定部154、方向情報取得部155、確認有無判定部156及び報知制御部157を備える。
発車方向判定部152は、自車両5Aの発車方向を判定する。
車路特定部153は、GPS受信部30が受信した位置情報に基づき、駐車場内の車路の通行方向の情報を含む駐車場地図データを取得する。また、車路特定部153は、取得した駐車場地図データと、位置情報と、発車方向とに基づき、自車両5Aが駐車した駐車区画に隣接する車路を特定する。
確認方向判定部154は、車路特定部153が特定した車路の通行方向と、発車方向とに基づき、自車両5Aが車路に進入する前に、自車両5Aの運転者が安全を確認する確認動作が必要な確認方向を判定する。
方向情報取得部155は、運転者の頭の向き及び視線の少なくとも一方の情報を取得する。
確認有無判定部156は、確認方向判定部154が判定した確認方向に基づいて検出範囲を設定し、方向情報取得部155が取得した運転者の頭の向き又は視線が検出範囲内にあるか否かを判定して、安全確認の有無を判定する。
報知制御部157は、確認有無判定部156が確認動作を行っていないと判定した場合に、表示部50、スピーカ60又はバイブレータ70による報知動作を実行させる。
【0106】
従って、安全確認が必要な方向に対する安全確認を運転者が怠った場合に、表示部50、スピーカ60又はバイブレータ70による報知動作が実行されるため、駐車場に駐車させた車両を発車させるときの安全性を高めることができる。
また、自車両5Aが駐車した駐車区画に隣接する車路を特定し、特定した車路の通行方向に基づいて運転者が安全を確認する確認動作が必要な確認方向を判定する。従って、安全確認が必要な方向を精度よく判定することができる。
【0107】
また、車載装置100は、運転者の運転傾向を検出する傾向検出部158を備える。
傾向検出部158は、確認方向判定部154が判定した確認方向と、方向情報取得部155が取得した方向情報と、報知動作の有無を示す有無情報とを対応づけたレコードを運転者DB45に登録する。
そして、傾向検出部158は、有無情報が有りを示し、確認方向判定部154が判定した確認方向と、方向情報取得部155が取得した方向情報とが一致するレコード数の累積値を計数する。傾向検出部158は、計数した累積値が設定数以上である場合に、報知制御部157に報知動作の実行を指示する。
従って、確認方向と、確認方向に対応する方向情報とが同一であって、報知動作を行った回数が設定回数以上である場合に、運転者は確認方向に対する安全確認を怠る傾向にあると判定して報知動作を実行させることができる。
【0108】
また、傾向検出部158は、確認有無判定部156が確認動作有りと判定した場合、確認方向判定部156が判定した確認方向と同一の確認方向が登録されたレコードを、運転者DB45から取得する。
そして、傾向検出部158は、取得したレコードに基づき、確認方向に対する確認動作が複数回連続して有りと判定される場合、取得したレコードのうち、有無情報が有りのレコードの有無情報を無しに変更する。
従って、運転者が確認方向に対する確認動作を複数回連続して実行した場合、運転者は安全確認を怠る傾向にないと判定して、報知制御部157に報知動作を実行させないようにすることができる。
【0109】
また、車載装置100は、自車両5Aの車両情報を取得する車両情報取得部151を備える。
発車方向判定部152は、車両情報に含まれる車速と、シフトレバーの操作位置情報とに基づき自車両5Aの駐車方向を判定する。また、発車方向判定部152は、判定した駐車方向に基づき発車方向を判定する。
従って、駐車方向に基づいて自車両5Aの発車方向を判定するため、自車両5Aの発車方向の判定精度を高めることができる。このため、駐車区画に隣接する車路の特定精度を高め、確認方向の判定精度を高めることができる。
【0110】
上述した実施形態は、本発明の好適な実施の形態である。但し、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、駐車場の駐車区間に駐車させた自車両5Aが、当該駐車区画から出庫する場合を例にして説明したが、駐車区画から出庫した自車両5Aが、車路を走行する場合にも本発明の処理を適用可能である。また、駐車場内に進入した自車両5Aを所定の駐車区画に駐車させるために車路を走行させる場合も本発明の処理を適用可能である。また、上述した実施形態は、自車両5Aを縦列駐車させた場合にも適用可能である。
【0111】
また、
図1は、本願発明を理解容易にするために、安全運転支援装置1の機能構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、安全運転支援装置1の構成は、処理内容に応じてさらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0112】
また、
図1に示した制御部120において、プロセッサ150により実行されるプログラムは、例えば、通信ネットワークを介して外部サーバーからダウンロードされ、メモリ130にロードされてプロセッサ150により実行されるようにしてもよい。また、通信ネットワークを介して、外部サーバーからメモリ130に直接ロードされ、プロセッサ150により実行されるようにしてもよい。或いは、制御部120に接続された記憶媒体から、メモリ130にロードされるようにしてもよい。
【0113】
また、
図14〜
図18に示したフローチャートの処理単位は、制御部120による処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。制御部120の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、同様の処理結果が得られるのであれば、上記各フローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0114】
また、本発明の車載装置の制御方法を、コンピュータを用いて実現する場合、このコンピュータに実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu−ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、車載装置100が備えるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。