特開2021-53296(P2021-53296A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2021053296-理美容用毛梳き具 図000003
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  • 特開2021053296-理美容用毛梳き具 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-53296(P2021-53296A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】理美容用毛梳き具
(51)【国際特許分類】
   A45D 24/36 20060101AFI20210312BHJP
   A45D 24/00 20060101ALI20210312BHJP
   A46B 5/00 20060101ALI20210312BHJP
【FI】
   A45D24/36 B
   A45D24/00 Z
   A46B5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-182003(P2019-182003)
(22)【出願日】2019年10月2日
(71)【出願人】
【識別番号】593087916
【氏名又は名称】八光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109472
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 直之
(72)【発明者】
【氏名】川上 大輔
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA11
3B202AB15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】手持ちしたときの微妙な重量バランスを容易に調整することができる理美容用毛梳き具を提供する。
【解決手段】長手方向Xに沿って設けられた毛梳き部10と、長手方向Xに沿って設けられた把持部20とを有し、把持部20に、スライド移動可能にウエイト31を取り付けるウエイト取付部30が設けられ、ウエイト取付部31は、長手方向Xに沿ってウエイト31がスライド移動可能となるように設けられている。ウエイト31を上記長手方向Xに対してスライドさせることにより、理美容用毛梳き具を手持ちしたときの微妙な重量バランスを容易に調整することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って設けられた毛梳き部と、
上記長手方向に沿って設けられた把持部とを有し、
上記把持部に、スライド移動可能にウエイトを取り付けるウエイト取付部が設けられ、
上記ウエイト取付部は、上記長手方向に沿って上記ウエイトがスライド移動可能となるように設けられている
ことを特徴とする理美容用毛梳き具。
【請求項2】
長手方向に沿って設けられた毛梳き部と、
上記長手方向に沿って設けられた把持部とを有し、
上記把持部に、着脱可能にウエイトを取り付けるウエイト取付部が設けられ、
上記把持部には、上記ウエイト取付部が上記長手方向に沿って複数設けられている
ことを特徴とする理美容用毛梳き具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ちしたときの重量バランスを整えることができる理美容用毛梳き具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、理美容ではブラシや櫛等が用いられる。これらは、手持ちの手動器具であり、微妙な重量バランスが使い勝手に大きく影響する。
このような櫛やブラシに関する先行技術文献として、本出願人は下記の特許文献1を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−101943号公報
【0004】
上記特許文献1は、毛染用ブラシを開示するもので、つぎの記載がある。
〔0020〕
また、本発明は、前記ブラシ本体の前記テールに、バランス用のウェイトが設けられていることを特徴としている。このような構成によれば、ブラシ本体を反転させてテールにより頭髪を取り分けたり、逆に頭髪を取り分けた後にコーミング或いはブラシ部により染毛剤を塗布する際に、ブラシ本体を反転させ易くなる。このとき、テール全体或いはその一部を金属により形成することで、簡単にウェイトを設けることができる。
〔0021〕
更に、テールのウェイトとバランスするように、ブラシ台の先端側の重みを調整しておくことにより、ブラシ部により染毛剤を塗布する際の筆圧を、最適状態に調節することができ、頭髪に染毛剤を均一に塗布することができる。
〔0026〕
このとき、テール11Cには金属から成るバランス用のウェイト14を被せるようにして取り付けるとよく、このようなウェイト14に代えてテール11C自体を金属により形成して把持部11Bを接合するようにしてもよい。このテール11Cは、主として頭髪を取り分ける際に使用され、取り分けを容易にするために、従来と同様、その先端が先細に形成されている。
〔0040〕
このとき、テール11Cにより頭髪Hを取り分けるために、ブラシ本体11を反転させて際、バランス用のウェイト14の重みによってブラシ本体11を反転させ易くなる。尚、テール11Cのウェイト14とバランスするように、ブラシ台11Aの先端側(テール11Cと反対側)のみをブラシ台11Aの他の部分より少し重めに調整しておくと、ブラシ部12により染毛剤を塗布する際の筆圧を最適状態に調節することができ、頭髪に染毛剤をより均一に塗布することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、ブラシのテール11Cにウエイトを取り付けるか、テール11Cの全体またはその一部を金属で形成することを開示するに留まる。
したがって、上記特許文献1の技術では、個人個人で異なるバランス感覚に対応してブラシのバランスを調整しようとすれば、異なる重さのウエイトを数多く準備しなければならない。ブラシや櫛のような手動器具のバランスは、特にプロの職人にとって極めて微妙な調整が要求され、微妙に異なる重さの交換用のウエイトをたくさん準備しなければならない。テール11Cの全体や一部を金属で形成してしまうと、ウエイトを交換して対応できず、金属自体を削るなどの方法によって重量を微妙に調整しなければならなくなる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、下記の目的をもってなされたものである。
手持ちしたときの微妙な重量バランスを容易に調整することができる理美容用毛梳き具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の理美容用毛梳き具は、上記目的を達成するため、下記の構成を採用した。
長手方向に沿って設けられた毛梳き部と、
上記長手方向に沿って設けられた把持部とを有し、
上記把持部に、スライド移動可能にウエイトを取り付けるウエイト取付部が設けられ、
上記ウエイト取付部は、上記長手方向に沿って上記ウエイトがスライド移動可能となるように設けられている。
【0008】
請求項2記載の理美容用毛梳き具は、上記目的を達成するため、下記の構成を採用した。
長手方向に沿って設けられた毛梳き部と、
上記長手方向に沿って設けられた把持部とを有し、
上記把持部に、着脱可能にウエイトを取り付けるウエイト取付部が設けられ、
上記把持部には、上記ウエイト取付部が上記長手方向に沿って複数設けられている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の理美容用毛梳き具は、上記把持部において、上記長手方向に沿って上記ウエイトがスライド移動可能となっている。
このため、上記ウエイトを上記長手方向に対してスライドさせることにより、理美容用毛梳き具を手持ちしたときの微妙な重量バランスを容易に調整することができる。
【0010】
請求項2記載の理美容用毛梳き具は、上記把持部において、上記長手方向に沿って複数設けられた上記ウエイト取付部に対して、ウエイトを着脱可能に取り付けるようになっている。
このため、上記ウエイトを上記長手方向において位置を変更して取付けることにより、理美容用毛梳き具を手持ちしたときの微妙な重量バランスを容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の理美容用毛梳き具の第1実施形態を示す図である。
図2】本発明の理美容用毛梳き具の第2実施形態を示す図である。
図3】本発明の理美容用毛梳き具の第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
【0013】
◆第1実施形態
図1は、第1実施形態を示す図である。(A)は正面図、(B)は断面図である。
この例は、本発明の理美容用毛梳き具を櫛に適用した例である。
【0014】
上記第1実施形態は、毛梳き部10と把持部20を有している。
【0015】
上記毛梳き部10は、長手方向(図示の矢印X方向である)に沿って設けられた櫛部である。上記毛梳き部10は、上記長手方向Xに沿って延びる根元部11と、上記長手方向Xに沿って上記根元部11に一定ピッチで設けられた多数の櫛歯12とを備えている。
【0016】
上記把持部20は、上記長手方向Xに沿って設けられる。上記把持部20は、上記毛梳き部10の根元部11の一端から上記長手方向Xに沿って延びている。上記把持部20は、先端にいくほど少しずつ細くなるよう形成されている。
【0017】
上記第1実施形態は、上記把持部20に、スライド移動可能にウエイト31を取り付けるウエイト取付部30が設けられている。この例では、上記ウエイト取付部30は、上記把持部20から、この把持部20に連続する上記根元部11にわたって設けられている。上記ウエイト取付部30は、上記長手方向Xに沿って上記ウエイト31がスライド移動可能となるように設けられている。
【0018】
この例では、上記ウエイト取付部30は、上記把持部20および上記根元部11の背側(上記櫛歯12の設けられていない側である)にわたって、上記長手方向Xに沿うように設けられた溝部である。また上記ウエイト31は、上記溝部にスライド可能に嵌入することができる円柱体である。上記ウエイト31は金属やセラミックス等から形成することができる。上記ウエイト31は、その軸方向が長手方向Xに沿うように、上記ウエイト取付部30に嵌入される。
【0019】
重量バランスを変更するときは、上記ウエイト取付部30において上記ウエイト30をスライドさせてその位置を変更する。図示した例では、ウエイト取付部30に1つのウエイト30を取り付けている。これに限定するものではなく、上記ウエイト取付部30に対して複数のウエイト30を取り付けるようにしてもよい。
【0020】
〔第1実施形態の効果〕
上記第1実施形態では、上記把持部20において、上記長手方向Xに沿って上記ウエイト31がスライド移動可能となっている。
このため、上記ウエイト31を上記長手方向Xに対してスライドさせることにより、理美容用毛梳き具を手持ちしたときの微妙な重量バランスを容易に調整することができる。
【0021】
◆第2実施形態
図2は、第2実施形態を示す図である。(A)は正面図、(B)は断面図である。
この例は、本発明の理美容用毛梳き具を櫛に適用した例である。
【0022】
上記第2実施形態は、毛梳き部10と把持部20を有している。
【0023】
上記毛梳き部10は、長手方向(図示の矢印X方向である)に沿って設けられた櫛部である。
【0024】
上記毛梳き部10は、上記長手方向Xに沿って延び、上記把持部20として機能する根元部と、上記長手方向Xに沿って上記把持部20に一定ピッチで設けられた多数の櫛歯12とを備えている。
【0025】
上記第1実施形態は、上記把持部20に、着脱可能にウエイト31を取り付けるウエイト取付部30が設けられている。上記把持部20には、上記ウエイト取付部30が上記長手方向Xに沿って複数(図示した例では7つである)設けられている。
【0026】
この例では、上記ウエイト取付部30は、上記把持部20の厚み方向に貫通する貫通穴である。また、上記ウエイト31は、上記貫通穴に嵌入することができる柱状体である。上記ウエイト31は金属やセラミックス等から形成することができる。上記ウエイト31は、その軸方向が上記把持部20の厚み方向に沿うように、上記ウエイト取付部30に対して着脱可能に嵌入される。
【0027】
重量バランスを変更するときは、上記ウエイト30を取り付けるウエイト取付部30の位置を変更する。図示した例では、複数(この例では7つ)のウエイト取付部30のうちの一か所に上記ウエイト30を取り付けている。これに限定するものではなく、複数個所のウエイト取付部30に対してそれぞれ上記ウエイト30を取り付けるようにしてもよい。
【0028】
〔第2実施形態の効果〕
上記第2実施形態では、上記把持部20において、上記長手方向Xに沿って複数設けられた上記ウエイト取付部30に対して、ウエイト31を着脱可能に取り付けるようになっている。
このため、上記ウエイト31を上記長手方向Xにおいて位置を変更して取付けることにより、理美容用毛梳き具を手持ちしたときの微妙な重量バランスを容易に調整することができる。
【0029】
◆第3実施形態
図3は、第3実施形態を示す図である。(A)は正面図、(B)は断面図である。
この例は、本発明の理美容用毛梳き具を櫛に適用した例である。
【0030】
上記第1実施形態は、毛梳き部10と把持部20を有している。
【0031】
上記毛梳き部10は、長手方向(図示の矢印X方向である)に沿って設けられた櫛部である。上記毛梳き部10は、上記長手方向Xに沿って延びる根元部11と、上記長手方向Xに沿って上記根元部11に一定ピッチで設けられた多数の櫛歯12とを備えている。
【0032】
上記把持部20は、上記長手方向Xに沿って設けられる。上記把持部20は、上記毛梳き部10の根元部11の一端から上記長手方向Xに沿って延びている。上記把持部20は、根元から先端までおなじ太さである。
【0033】
上記第1実施形態は、上記把持部20がウエイト取付け部(30)として機能するようになっている。したがって、この例では、上記ウエイト31は、把持部20にスライド可能に外嵌する環状ウエイトである。上記ウエイト31は金属やセラミックス等から形成することができる。上記ウエイト31は、上記把持部20に対して上記長手方向Xに沿ってスライド移動可能となっている。
【0034】
重量バランスを変更するときは、上記把持部20(ウエイト取付部30)において上記ウエイト30をスライドさせてその位置を変更する。図示した例では、ウエイト取付部30に1つのウエイト30を取り付けている。これに限定するものではなく、上記ウエイト取付部30に対して複数のウエイト30を取り付けるようにしてもよい。
【0035】
〔第3実施形態の効果〕
上記第3実施形態では、上記把持部20において、上記長手方向Xに沿って上記ウエイト31がスライド移動可能となっている。
このため、上記ウエイト31を上記長手方向Xに対してスライドさせることにより、理美容用毛梳き具を手持ちしたときの微妙な重量バランスを容易に調整することができる。
【0036】
◆変形例
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
【0037】
上記各実施形態では、本発明の理美容用毛梳き具を櫛に適用した例を示したが、これに限定するものではなく、たとえばブラシに適用することもできる。
【符号の説明】
【0038】
10:毛梳き部
11:根元部
12:櫛歯
20:把持部
30:ウエイト取付部
31:ウエイト
図1
図2
図3