(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-53462(P2021-53462A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】骨拡張デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/88 20060101AFI20210312BHJP
【FI】
A61B17/88
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-218187(P2020-218187)
(22)【出願日】2020年12月28日
(62)【分割の表示】特願2018-501263(P2018-501263)の分割
【原出願日】2016年4月13日
(31)【優先権主張番号】62/192,847
(32)【優先日】2015年7月15日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】501083115
【氏名又は名称】メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルメス,デヴィッド エフ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
4C160LL70
(57)【要約】
【課題】治療目的のために身体構造内に空間を作り出すためのデバイス及び方法を提供する。
【解決手段】治療目的のために身体構造内に空間を作り出すためのデバイス及び方法が、カテーテルの遠位端部分上に配置された拡張可能部材を含む。そのようなデバイス及び方法は、例えば、骨内に空間を作り出すために、また、セメントなどの充填材料を空間内に注入して骨構造を補強、修復、又は他の方法で強化するために、使用され得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カニューレハブ、
前記カニューレハブから遠位に延在するカニューレ管部分であって、内部を貫通する内腔を画定するカニューレ管部分、及び
前記カニューレ管部分に結合された拡張可能部材であって、直径方向に収縮された形態と直径方向に拡張された形態との間で形態変更可能である拡張可能部材
を含む、カニューレと、
前記カニューレと係合可能なスタイレットであって、
スタイレットハブ、及び
前記スタイレットハブから遠位に延在するスタイレット針であって、前記カニューレ管部分の前記内腔内に摺動自在に配置可能であり、前記スタイレットが前記カニューレと完全に係合されたときに、前記スタイレット針の鋭い遠位先端部分が前記カニューレ管部分を越えて遠位に延在するスタイレット針
を含む、スタイレットと
を備える、針設置型バルーンシステム。
【請求項2】
前記カニューレに結合され且つ前記拡張可能部材と流体連通する膨張管をさらに備える、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項3】
前記膨張管が、前記カニューレハブに結合される、請求項2に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項4】
前記カニューレ管部分が、膨張内腔を画定し、前記膨張内腔が、前記拡張可能部材及び前記膨張管と流体連通する、請求項2に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項5】
前記拡張可能部材が、前記スタイレットが前記カニューレと係合されたときにだけ拡張することができる、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項6】
前記拡張可能部材が、前記スタイレットが前記カニューレと係合されたとき、及び前記スタイレットが前記カニューレから係脱されたときに拡張することができる、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項7】
前記カニューレハブに結合され且つ前記内腔と流体連通する接続部材をさらに備える、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項8】
前記拡張可能部材が、バルーンデバイスである、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項9】
前記バルーンデバイスが、直径方向に対称である、請求項8に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項10】
前記バルーンデバイスが、直径方向に非対称である、請求項8に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項11】
前記カニューレ管部分に結合された第2の拡張可能部材をさらに備える、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項12】
前記カニューレ管部分の最遠位部分が、前記拡張可能部材が前記直径方向に収縮された形態にある間は、前記拡張可能部材の外径よりも大きい外径を有する、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項13】
身体構造内に空間を作り出して前記空間内に充填材料を注入するための方法であって、 前記身体構造内に針設置型バルーンシステムの遠位端部分を挿入するステップであって、前記針設置型バルーンシステムが、
カニューレハブ、
前記カニューレハブから遠位に延在するカニューレ管部分であって、内部を貫通する内腔を画定するカニューレ管部分、及び
前記カニューレ管部分に結合された拡張可能部材であって、直径方向に収縮された形態と直径方向に拡張された形態との間で形態変更可能である拡張可能部材
を含む、カニューレと、
前記カニューレと係合可能なスタイレットであって、
スタイレットハブ、及び
前記スタイレットハブから遠位に延在するスタイレット針であって、前記カニューレ管部分の前記内腔内に摺動自在に配置可能であり、前記スタイレットが前記カニューレと完全に係合されたときに、前記スタイレット針の鋭い遠位先端部分が前記カニューレ管部分を越えて遠位に延在するスタイレット針
を含む、スタイレットと
を備える、ステップと、
前記拡張可能部材が前記身体構造内にある間に、前記拡張可能部材を前記直径方向に収縮された形態から前記直径方向に拡張された形態に形態変更するステップと、
前記身体構造内に開けた空間が残存するように、前記拡張可能部材を前記直径方向に拡張された形態から前記直径方向に収縮された形態に形態変更するステップと、
前記開けた空間内に充填材料を注入するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記充填材料を注入するステップの前に、前記スタイレットを前記カニューレとの係合から取り外すステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記身体構造が、骨である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記充填材料が、骨セメントである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記拡張可能部材を前記直径方向に収縮された形態から前記直径方向に拡張された形態に形態変更するステップの後に、前記スタイレットを前記カニューレとの係合から取り外すステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記拡張可能部材を前記直径方向に収縮された形態から前記直径方向に拡張された形態に形態変更するステップが、前記スタイレットが前記カニューレと係合していることを必要とする、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年7月15日に出願された米国仮出願第62/192,847号の利益を主張するものである。先行出願の開示は、本出願の開示の一部と見なされ、且つ、参照により本出願の開示に組み込まれる。
【0002】
本文書は、治療目的のために身体構造内に空間を作り出すためのデバイス及び方法に関する。例えば、本文書は、骨内に空間を作り出すための、また、セメントなどの充填材料を空間内に注入して骨構造を補強、修復、又は他の方法で強化するための、整形外科用のデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
骨セメント療法は、椎体形成術、椎骨形成術、骨形成術、及び仙骨形成術を含む経皮的処置につきものである。一般に、セメントによる骨充填は、脊椎の及び脊椎外の病理学的骨折を治療又は防止すること、並びに、骨粗鬆症及び骨転移などの状態がみられる患者の苦痛を和らげることを目標とする。
【0004】
椎体形成術及び椎骨形成術は、脊柱を構成する椎体に関与する骨折である、痛みを伴う脊椎圧迫骨折の治療のための、低侵襲的処置である。椎体形成術では、医師は、中空針を通して骨折骨内にセメント混合物を注入するために、画像ガイダンスを使用する。椎骨形成術では、バルーンが、最初に中空針を通して骨折骨内に挿入され、次いで空洞又は空間を作り出すために膨張される。セメントは、バルーンが取り出された時点で空洞内に注入される。
【0005】
経皮的骨形成術、つまり、従来の治療法(例えば、放射線療法、化学療法、及び麻酔薬による鎮痛)では効果がない骨病変内への骨セメントの注入は、即時の骨構造硬化をもたらすため、病理学的骨折の危険性を低下させるため、痛みを軽減するため、及び、移動性を向上させるために、行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本文書は、治療目的のために身体構造内に空間を作り出すためのデバイス及び方法を提供する。例えば、本文書は、骨内に空間を作り出すための、また、セメントなどの充填材料を空間内に注入して骨構造を補強、修復、又は他の方法で強化するための、整形外科用のデバイス及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの実装形態では、針設置型バルーンシステム(needle-mounted balloon system)が、カニューレ、及び、カニューレと係合可能なスタイレットを含む。カニューレは、カニューレハブ、カニューレハブから遠位に延在し且つ内部を貫通する内腔を画定するカニューレ管部分、及びカニューレ管部分に結合された拡張可能部材を含む。拡張可能部材は、直径方向に収縮された形態と直径方向に拡張された形態との間で形態変更可能(reconfigurable)である。スタイレットは、スタイレットハブ、及びスタイレットハブから遠位に延在するスタイレット針を含む。スタイレット針は、カニューレ管部分の内腔内に摺動自在に配置可能である。スタイレットがカニューレと完全に係合されると、スタイレット針の鋭い遠位先端部分が、カニューレ管部分を越えて遠位に延在する。
【0008】
そのような針設置型バルーンシステムは、以下の特徴のうちの一つ以上を任意選択で含み得る。針設置型バルーンシステムはまた、カニューレに結合され且つ拡張可能部材と流体連通する膨張管を含み得る。膨張管は、カニューレハブに結合され得る。カニューレ管部分は、拡張可能部材及び膨張管と流体連通する膨張内腔を画定し得る。幾つかの実施形態では、拡張可能部材は、スタイレットがカニューレと係合されたときにだけ拡張することができる。幾つかの実施形態では、拡張可能部材は、スタイレットがカニューレと係合されたとき、及びスタイレットがカニューレから係脱されたときに拡張することができる。針設置型バルーンシステムはまた、カニューレハブに結合され且つ内腔と流体連通する接続部材を含み得る。拡張可能部材は、種々の実施形態ではバルーンデバイスである。バルーンデバイスは、直径方向に対称であってもよい。バルーンデバイスは、直径方向に非対称であってもよい。針設置型バルーンシステムはまた、カニューレ管部分に結合された第2の拡張可能部材を含み得る。幾つかの実施形態では、カニューレ管部分の最遠位部分が、拡張可能部材が直径方向に収縮された形態にある間は、拡張可能部材の外径よりも大きい外径を有する。
【0009】
別の実装形態では、身体構造内に空間を作り出して空間内に充填材料を注入するための方法が、(i)身体構造内に針設置型バルーンシステムの遠位端部分を挿入するステップと、(ii)拡張可能部材が身体構造内にある間に、針設置型バルーンシステムの拡張可能部材を直径方向に収縮された形態から直径方向に拡張された形態に形態変更するステップと、(iii)身体構造内に開けた空間が作り出されるように、拡張可能部材を直径方向に拡張された形態から直径方向に収縮された形態に形態変更するステップと、(iv)開けた空間内に充填材料を注入するステップと、を含む。
【0010】
身体構造内に空間を作り出して空間内に充填材料を注入するためのそのような方法は、以下の特徴のうちの一つ以上を任意選択で含み得る。方法はまた、充填材料を注入するステップの前に、スタイレットをカニューレとの係合から取り外すステップを含み得る。幾つかの実施形態では、身体構造は、骨である。幾つかの実施形態では、充填材料は、骨セメントである。
【0011】
本文書で説明される主題の特定の実施形態は、以下の利点のうちの一つ以上を実現するように実装され得る。幾つかの実施形態では、本明細書において説明されるデバイス及び方法は、身体構造内に空間を作り出すために現在利用可能なデバイス及び方法と比較して、向上された使い勝手の良さを提供する。例えば、本明細書において説明されるデバイス及び方法は、必要とするステップ及び物理的構成要素がより少数であり得る。使い勝手の良さに加えて、本明細書において説明されるデバイス及び方法は、処置を行うのに必要とされる時間を減少させ得る。さらに、より少数の構成要素、及び処置時間の減少により、本明細書において提供されるデバイス及び方法を使用して、コスト節減が達成され得る。使用に際して、本明細書において提供されるデバイスのバルーンデバイスは、有利には、充填材料の注入中に完全に又は部分的に膨張され得る。したがって、バルーンデバイスは、身体空洞内での充填材料の望ましい配置の達成を支援するように使用され得る。幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるデバイス及び方法を使用して、低侵襲的な方法で様々な状態が治療され得る。そのような低侵襲の技法は、回復期間、患者の苦痛、及び治療費を減少させ得る。
【0012】
別段の定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術上及び科学上の用語は、本発明が関係する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において説明されるものに類似した又は同等の方法及び材料が、本発明を実践するために使用され得るが、適切な方法及び材料が、本明細書において説明される。本明細書において言及される全ての公報、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照によって組み込まれる。矛盾がある場合、定義を含む本明細書を優先する。さらに、材料、方法、及び例は、単に例示的なものであり、限定的には意図されていない。
【0013】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面、及び本明細書における説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本明細書において提供される幾つかの実施形態による例示的な骨拡張のための針設置型バルーンシステムの側面図である。針設置型バルーンシステムは、そのバルーンが収縮された/しぼませられた形態で示されている。
図1Aは、
図1の針設置型バルーンシステムの例示的なカニューレの断面図である。カニューレは、膨張内腔及びスタイレットのための内腔を含む。
図1Bは、
図1の針設置型バルーンシステムの遠位端部分の拡大図である。
【
図2】
図1の例示的な骨拡張のための針設置型バルーンシステムの側面図である。針設置型バルーンシステムは、そのバルーンが拡張された/膨張された形態で示されている。
【
図3】
図1の例示的な骨拡張のための針設置型バルーンシステムの側面図である。針設置型バルーンシステムは、そのスタイレットが取り外されて示されている。
【
図4】本明細書において提供される幾つかの実施形態による別の例示的な骨拡張のための針設置型バルーンシステムの側面図である。針設置型バルーンシステムは、そのバルーンが収縮された形態で示されている。
【
図5】
図5の例示的な骨拡張のための針設置型バルーンシステムの側面図である。針設置型バルーンシステムは、そのバルーンが拡張された形態で示されている。
【
図6】本明細書において提供される幾つかの実施形態による別の例示的な骨拡張のための針設置型バルーンシステムの側面図である。針設置型バルーンシステムは、そのバルーンが収縮された形態で示されている。
【
図7】
図6の針設置型バルーンシステムに使用され得るスタイレットの側面図である。
【
図8】幾つかの実施形態による、本明細書において提供される骨拡張のための針設置型バルーンシステムを使用して、身体内に空間を作り出してその空間内に充填材料を注入するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
全体にわたり、同様の参照番号は、対応する部品を表す。
【0016】
本文書は、治療目的のために身体構造内に空間を作り出すためのデバイス及び方法を提供する。例えば、本文書は、骨内に空間を作り出すための、また、セメントなどの充填材料を空間内に注入して骨構造を補強、修復、又は他の方法で強化するための、整形外科用のデバイス及び方法を提供する。
【0017】
骨内に空間を作り出すための従来のシステムは、カニューレと、カニューレを介して挿入され得る別体のバルーンデバイスとを含む。最初に、カニューレの遠位先端が目標領域に配置されるように、カニューレが挿入される。次いで、カニューレの内腔を通してバルーンデバイスが導入される。バルーンデバイスを膨張させることにより空間を作り出すか又は拡大させた後、バルーンデバイスが取り出される。続いて、骨セメントなどの充填材料が、カニューレを介して空間内に注入される。
【0018】
本明細書において提供されるデバイス及び方法は、カニューレとバルーンデバイスとを組み合わせて単一の構成要素にすることにより、(骨などの)身体内に空間を作り出すための従来のシステム及び方法を大幅に改良する。したがって、以下でさらに説明されるように、デバイスは、臨床医が使用するのにより容易且つ時間のかからないものになる。本明細書において提供されるデバイスは「針設置型バルーンシステム」と呼ばれる場合があるが、デバイスは「カニューレ設置型バルーンシステム」とも見なされ得ることが、理解されるべきである。
【0019】
図1を参照すると、例示的な骨拡張のための針設置型バルーンシステム100が、カニューレ110、及びスタイレット150を含む。スタイレット150は、カニューレ110の内腔内に摺動自在に受け入れられる。スタイレット150がカニューレ100と完全に係合されると、スタイレット150の鋭い遠位先端部分156が、カニューレ110の遠位カニューレ管部分114dを越えて遠位に突出する。
【0020】
示された実施形態では、カニューレ110は、カニューレハブ112、近位カニューレ管部分114p、中間体(mid-body)カニューレ管部分114m、拡張可能部材120、遠位カニューレ管部分114d、膨張管116、及び接続部材118(
図3参照)を含む。カニューレハブ112は、カニューレ110の近位端部に又はその近くに配置される。近位カニューレ管部分114pは、カニューレハブ112と結合されて、カニューレハブ112から遠位に延在する。
【0021】
図1Aも参照すると、近位カニューレ管部分114pは、スタイレット150が摺動自在に受け入れられる主内腔122を画定する。さらに、幾つかの実施形態では、近位カニューレ管部分114pは、拡張可能部材120を膨張させるために使用される膨張媒体が流れることができる、一つ以上の膨張内腔124を(例えば、近位カニューレ管部分114pの壁内に)画定する。本開示の範囲から逸脱することなく、多くの異なる多内腔設計のいずれもが、近位カニューレ管部分114pに使用され得ることが、理解されるべきである。別法として、又はさらに、幾つかの実施形態では、そのような膨張内腔は、別体の管によって提供され得る。
【0022】
幾つかの実施形態では、膨張管116はまた、カニューレハブ112と結合される。別法として、膨張管116は、カニューレハブ112を迂回して、近位カニューレ管部分114p、上述の膨張内腔、又は拡張可能部材120に直接接続され得る。示された実施形態では、膨張管116は、カニューレハブ112及び/又は上述の膨張内腔を介して、拡張可能部材120と流体連通している。
【0023】
膨張流体(例えば、生理食塩水、X線造影剤、又はそれらの組合せ)の供給源が膨張管116と(例えば、接続部117を介して)結合されると、拡張可能部材120は、膨張流体の供給源を加圧又は減圧することによって、膨張又は収縮され得る。場合によっては(限定することなしに)、シリンジが、膨張流体の供給源として使用される。幾つかの実施形態では、止め栓弁、又は他のタイプの流体制御デバイスが、接続部117と併せて又は接続部117に代わる手段として使用され得る。幾つかの実施形態では、接続部117は、ルアー継手又はルアーロック継手である。
【0024】
近位カニューレ管部分114pは、カニューレハブ112から遠位に延在する。幾つかの実施形態では、近位カニューレ管部分114pは、金属製(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、等)である。幾つかの実施形態では、近位カニューレ管部分114pは、適切な生体適合性高分子材料で作られる。近位カニューレ管部分114pは、任意の適切な長さ及び直径に寸法取りされ得る。例えば、幾つかの実施形態では、近位カニューレ管部分114pの外径は(限定することなしに)、約2.4mmから約4.0mmまで、又は約2.0mmから約3.0mmまで、又は約1.5mmから約3.5mmまで、又は約1.0mmから約2.5mmまで、又は任意の他の適切な寸法である。幾つかの実施形態では、近位カニューレ管部分114pの長さは(限定することなしに)、約2.0cmから約4.0cmまで、又は約3.0cmから約5.0cmまで、又は約4.0cmから約6.0cmまで、又は約5.0cmから約7.0cmまで、又は約6.0cmから約8.0cmまで、又は約7.0cmから約9.0cmまで、又は約8.0cmから約10.0cmまで、約10.0cmから約15.0cmまで、約15.0cmから約20.0cmまで、又は20cmを超える長さ、又は任意の他の適切な長さである。
【0025】
中間体カニューレ管部分114mは、近位カニューレ管部分114pから遠位に延在する。幾つかの実施形態では、拡張可能部材120は、中間体カニューレ管部分114m上に又はその周りに取り付けられる。中間体カニューレ管部分114mは、幾つかの実施形態では、近位カニューレ管部分114pよりも小さい外径を有し得る。幾つかのそのような実施形態では、中間体カニューレ管部分114m上の拡張可能部材120の(図示のようなその収縮された形態における)組み合わせられた外径は、近位カニューレ管部分114pの外径とほぼ同じ直径であるか、又はそれよりも僅かに小さい。幾つかのそのような実施形態では、中間体カニューレ管部分114m上の拡張可能部材120の(図示のようなその収縮された形態における)組み合わせられた外径は、近位カニューレ管部分114pの外径よりも大きい。
【0026】
示された実施形態では、遠位カニューレ管部分114dは、中間体カニューレ管部分114mから遠位に延在する。遠位カニューレ管部分114dは、任意選択のものである。幾つかの実施形態では、遠位カニューレ管部分114dは、針設置型バルーンシステム100の一部として含まれない。その代わりに、拡張可能部材120及び/又は中間体カニューレ管部分114mが、針設置型バルーンシステム100の最も遠位の部分とされ得る。遠位カニューレ管部分114dを含む、示された実施形態のような幾つかの実施形態では、遠位カニューレ管部分114dは、約1.0mmから約6.0mmまで、又は約4.0mmから約9.0mmまで、又は約7.0mmから約12.0mmまで、又は約10.0mmから約15.0mmまで、又は約13.0mmから約18.0mmまで、又は約16.0mmから約21.0mmまで、又は約19.0mmから約24.0mmまで、又は約22.0mmから約25.0mmまで、又は25.0mmを超える(例えば、約3cm、約4cm、約5cm、等)の長さを有し得る。幾つかの実施形態では、遠位カニューレ管部分114dの外径は(限定することなしに)、約2.4mmから約4.0mmまで、又は約2.0mmから約3.0mmまで、又は約1.5mmから約3.5mmまで、又は約1.0mmから約2.5mmまで、又は任意の他の適切な寸法である。幾つかの実施形態では、遠位カニューレ管部分114dの外径は、近位カニューレ管部分114pの外径と同じであるが、幾つかの実施形態では、遠位カニューレ管部分114d及び近位カニューレ管部分114pの外径は、異なる。
【0027】
図1Bも参照すると、(示された実施形態などの)幾つかの実施形態では、遠位カニューレ管部分114dの外径は、拡張可能部材120の(図示のようなその収縮された形態における)外径よりも大きい。さらに、幾つかの実施形態では、遠位カニューレ管部分114dの外径は、近位カニューレ管部分114pの外径よりも大きい。したがって、拡張可能部材120の外径よりも大きい遠位カニューレ管部分114dの外径により、遠位カニューレ管部分114dは、身体への挿入中に拡張可能部材120を保護することができる。つまり、遠位カニューレ管部分114dは、身体構造(例えば、骨、軟骨、他の組織、等)内へのトンネリングに関連する応力を吸収することができ、その結果、拡張可能部材120は、そのような応力を受けない。さらに、遠位カニューレ管部分114dの遠位先行端部115は、図示のようにテーパ付け又は面取りされ得る。そのようなテーパは(スタイレット150の尖った先端とともに)、必要とされる力をより少なくして、また、誘発される心的外傷をより少なくして、針設置型バルーンシステム100の挿入を容易にするのに役立つことができる。
【0028】
幾つかの実施形態では、一つ以上の放射線不透過性マーカが、近位カニューレ管部分114p、中間体カニューレ管部分114m、及び/又は遠位カニューレ管部分114d上の一つ以上の箇所に含まれる。
【0029】
例示的な針設置型バルーンシステム100はまた、拡張可能部材120を含む。示された実施形態では、拡張可能部材120は、カニューレ110に固定されたバルーンデバイスである。拡張可能部材120は、膨張流体を使用して拡張可能部材120を加圧することにより、収縮された形態と直径方向に拡張された形態との間で形態変更可能である。幾つかの実施形態では、拡張可能部材120の長さは(制限することなしに)、約10.0mmから約12.0mmまで、又は約11.0mmから約13.0mmまで、又は約12.0mmから約14.0mmまで、又は約13.0mmから約15.0mmまで、又は約14.0mmから約16.0mmまで、又は約15.0mmから約17.0mmまで、又は約16.0mmから約18.0mmまで、約17.0mmから約19.0mmまで、約18.0mmから約20.0mmまで、約19.0mmから約22.0mmまで、約20.0mmから約24.0mmまで、約22.0mmから約26.0mmまで、約24.0mmから約30.0mmまで、又は30mmを超える長さ、又は任意の他の適切な長さである。
【0030】
幾つかの実施形態では、拡張可能部材120は、或る材料で作られて、高い破裂圧力(例えば、約20気圧、約30気圧、約40気圧、又はそれ以上)を有するように構成される。拡張可能部材120は、限定されるのではないが、柔軟なポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル(PET)、Nylon、Pebax、ポリウレタン、ポリウレタン混合物等、及びそれらの組合せなどの材料で作られ得る。拡張可能部材120は、材料の単一の層、二重の層、又は三つ以上の層を有して作られ得る。
【0031】
幾つかの実施形態では、拡張可能部材120を(その収縮された形態において)取り囲む、任意選択の保護スリーブ又はシェル(図示せず)が含まれる。スリーブは、カニューレ110の挿入中に拡張可能部材120を保護する働きをすることができる。そして、幾つかの実施形態では、拡張可能部材120がその拡張された形態まで膨張することができるように、拡張可能部材120が膨張することにより、スリーブが破壊され得る。或いは、幾つかの実施形態では、臨床医-使用者は、拡張可能部材120の膨張の前に、保護スリーブを撤収することができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、拡張可能部材120の一つ以上の箇所上に、一つ以上の放射線不透過性マーカが含まれる。
【0033】
例示的な針設置型バルーンシステム100はまた、スタイレット150を含む。スタイレット150は、スタイレットハブ152、及び、スタイレットハブ152から遠位に延在するニードル154を含む。示された実施形態では、スタイレット150は、ハブ152がカニューレハブ112から近位に延在するように、カニューレ110内に摺動自在に配置される。スタイレットハブ152は、臨床医によって使い勝手良く把持されるように構成され得る。
【0034】
スタイレット150がカニューレ110内に完全に係合されると、鋭い遠位先端部分156が、カニューレ110の最遠位端部を越えて遠位に延在する。鋭い遠位先端部分156は、円錐、斜角、二重ゲージ等のような、しかしそれらに限定されない、様々な先端の様式を有して構成され得る。
【0035】
スタイレット150は、カニューレ110の挿入をより安全且つ効率的にする働きをする。例えば、スタイレット150は、針設置型バルーンシステム100が挿入されるときに組織に穴を開けるのに適した、鋭い遠位先端部分156を含む。さらに、スタイレット150は、カニューレ110が患者の生体構造のうちの目標領域に挿入され得るように、針設置型バルーンシステム100のコラム強度(column strength)を提供するか又は補う。幾つかの実施形態では、スタイレット150は、望まれるのであれば臨床医がスタイレット150を湾曲した形状に整形することができるように、打ち延ばすことができる。
【0036】
幾つかの実施形態では、スタイレット150は、ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、ニチノール、チタン、チタン合金等のような、しかしそれらに限定されない、金属材料で作られる。幾つかの実施形態では、スタイレット150は、高分子材料で作られる。
【0037】
図2も参照すると、例示的な針設置型バルーンシステム100の拡張可能部材120は、
図2に示されるような拡張された形態に構成され得る。示された実施形態では、拡張可能部材120は、上述の膨張流体を使用して拡張可能部材120を加圧することにより、直径方向に対称的に拡張された形態に膨張され得る。
【0038】
幾つかの実施形態では、拡張された拡張可能部材120の外径は(限定されることなしに)、約8mmから約10mmまで、約9mmから約11mmまで、約10mmから約12mmまで、約11mmから約13mmまで、約12mmから約14mmまで、約13mmから約15mmまで、約14mmから約16mmまで、約15mmから約17mmまで、約16mmから約18mmまで、約17mmから約19mmまで、約18mmから約20mmまで、約19mmから約21mmまで、又は21mmを超える大きさである。
【0039】
幾つかの実施形態では、放射線不透過性溶液が、拡張可能部材120のための膨張媒体として使用される。幾つかの実施形態では、別のタイプの流体(例えば、生理食塩水)が、膨張媒体として使用される。
【0040】
拡張可能部材120を拡張された形態に膨張させた後、幾つかの実施形態では、拡張可能部材120は、
図1に示されるような収縮された形態に又はほぼその形態に戻るように、しぼませられ得る。
【0041】
図3も参照すると、スタイレット150は、カニューレ110との係合から摺動自在に取り外され得る。スタイレット150が(
図3に示されるように)カニューレ110から取り外されると、接続部材118がアクセス可能となる。幾つかの実施形態では、接続部材118は、ルアー継手又はルアーロック継手である。幾つかの実施形態では、接続部材118は、弁、隔壁、又は別のタイプの継手を含む。
【0042】
接続部材118は、カニューレ110の内腔(即ち、それまでスタイレット150によって占められていた内腔)と流体連通する。したがって、充填材料供給源を接続部材118に接続して充填材料を加圧することにより、充填材料(例えば、骨セメント、又は別のタイプの流動性材料)が、カニューレ110を介して注入され得る。その結果、充填材料は、遠位カニューレ管部分114dから流れ出ることになる。幾つかの実装形態では、
図8に関連して以下でさらに説明されるように、カニューレ110を介して注入される充填材料は、拡張可能部材120の拡張によって前もって作り出された又は拡大された空間を満たす。
【0043】
図4及び5を参照すると、例示的な針設置型バルーンシステム400が、直径方向に非対称的な拡張可能部材420を含むこと以外は、針設置型バルーンシステム100と同様に構成される。非対称的な拡張可能部材420は、
図4ではその収縮された形態で示されており、
図5ではその拡張された形態で示されている。
【0044】
本明細書において提供される針設置型バルーンシステムの拡張可能部材は、任意の所望の形状、寸法、構成、材料、及び他の特性を有するように選択され得ることが、理解されるべきである。
【0045】
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される針設置型バルーンシステムは、単独で又は集合的に膨張可能とされ得る、二つ以上の拡張可能部材を含み得る。幾つかのそのような実施形態では、拡張可能部材のうちの一つ以上が、注入された充填材料を、充填される空間内に収容するために、封止を提供するように構成され得る。一つのそのような例では、針設置型バルーンシステムのカニューレが、個別に膨張されること及びしぼませられることができる、二つのバルーンを含む。二つのバルーンは、第1のバルーンを遠位バルーンとし、第2のバルーンを近位バルーン(第1のバルーンの近位に配置される)として、互いに全体的に隣接して配置され得る。バルーンを目標身体構造内に挿入した後、両方のバルーンが膨張され得る。次いで、近位バルーンが膨張されたままで、遠位バルーンがしぼませられ得る。次いで、拡張された遠位バルーンによってそれまで占められていた空間を満たすために、充填材料が注入され得る。充填材料が空間を満たしている間、膨張された近位バルーンは、拡張された遠位バルーンによってそれまで占められていた空間内にだけ充填材料が収容されることを確実にするのを支援するための封止又はダムとして機能する。
【0046】
図6及び7を参照すると、例示的な針設置型バルーンシステム600が、中間体部分654を有するスタイレット650を含むことができ、中間体部分654は、膨張流体がカニューレ610の内腔内をカニューレハブ612から拡張可能部材620まで流れるための空間を提供するように構成される。スタイレット650の遠位端部分656は、カニューレ610の内腔とともに摺動自在に封止するように、より大きくされ得る。したがって、膨張流体(例えば、生理食塩水)の供給源が膨張管616に(例えば、接続部617を介して)結合されると、拡張可能部材620は、膨張流体の供給源を加圧又は減圧することにより、膨張されるか又はしぼませられ得る。
【0047】
中間体部分654は、カニューレ610の内腔と拡張可能部材620の内部との間での膨張流体の移動を可能にする、一つ以上の開口部を画定する。この構成では、拡張可能部材620は、スタイレット650がカニューレ610と係合されたときにだけ拡張することができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、一つ以上の柔軟な封止部材657(例えば、Oリング)が、遠位カニューレ管部分614dの内径とスタイレット650の遠位端部分656の外径との間に配置される。そのような柔軟な封止部材657は、加圧された膨張流体が拡張可能部材620内だけに向けられることを確実にするのを支援することができ、且つ、拡張可能部材620が膨張されている間に拡張可能部材620内の膨張流体の圧力を維持するのを支援することができる。
【0049】
例示的な針設置型バルーンシステム600の構成は、カニューレハブ612と拡張可能部材620との間の膨張内腔の必要性を排除し、それにより、全体的な設計を簡素化する。したがって、針設置型バルーンシステム600は、特に、製造するのに費用効率が良くなり、且つ/又は、操作するのに便利になり得る。
【0050】
図8を参照すると、本明細書において提供される骨拡張のための針設置型バルーンシステムを使用して空間を作り出して充填材料を注入する(例えば、骨セメント療法)ための方法800が、フローチャートで示されている。
【0051】
ステップ810において、(例えば、上述のような)針設置型バルーンシステムの少なくとも遠位端部分が、目標部位に挿入される。幾つかの実施形態では、このステップは、蛍光透視法、又は別のタイプの画像診断法を使用して行われる。場合により、ステップ810の完了後、針設置型バルーンシステムのスタイレットは、針設置型バルーンシステムのカニューレから取り外され得る。
【0052】
ステップ820において、針設置型バルーンシステムのバルーンデバイスが、その直径を大きくするように膨張される。例えば、膨張流体の供給源が針設置型バルーンシステムに接続されて、バルーンデバイスを加圧するように作動され得る。その結果、拡張されたバルーンデバイスは、所望されるように目標部位に空間を作り出すことができる。場合により、ステップ820の完了後、針設置型バルーンシステムのスタイレットは、針設置型バルーンシステムのカニューレから取り外され得る。
【0053】
ステップ830において、針設置型バルーンシステムのバルーンデバイスは、その直径を小さくするようにしぼませられる。例えば、膨張流体の供給源は、バルーンデバイスを減圧するように作動され得る。その結果、バルーンデバイスがしぼませられたときに、目標部位においてそれまでバルーンデバイスによって占められていた空間は、少なくとも部分的に残存し得る。
【0054】
ステップ840において、針設置型バルーンシステムのスタイレットは、針設置型バルーンシステムのカニューレから取り外される(それが前もって取り外されていた場合を除く)。得られるカニューレの構成は、例えば
図3に示されている。例示的な針設置型バルーンシステム600の場合、スタイレットはステップ840まで取り外され得ないことが、理解されるべきである。しかし、針設置型バルーンシステムの他の実施形態の場合、スタイレットは、ステップ810の完了後及びステップ850の前に、任意選択でいつでも取り外され得る。
【0055】
ステップ850において、充填材料(例えば、骨セメント又は他の流動性材料)が、針設置型バルーンシステムのカニューレを介して空間に注入される。例えば、
図3に関連して上述されたように、充填材料の供給源がカニューレの接続部材に接続されて、充填材料が、カニューレの遠位部分から出て空間に流入するように、加圧され得る。空間は、充填材料によって部分的に又は実質的に完全に満たされ得る。
【0056】
ステップ860において、針設置型バルーンシステムは、目標部位から引っ込められる。幾つかの実施形態では、過程800は、目標部位に近い、又は目標部位に隣接した、別の部位において繰り返され得る。針設置型バルーンシステムが引っ込められると、充填材料は、目標部位における空間内に残る。例えば、幾つかの実装形態では、骨セメントが、骨構造内の拡張されたバルーンデバイスによって作り出された空間内に残る。
【0057】
本明細書は、多くの特定の実装形態の詳細を含むが、それらは任意の発明の範囲又は特許請求され得るものの範囲に対する制限として解釈されるべきではなく、特定の発明の特定の実施形態に固有のものであり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実施形態の文脈で本明細書において説明される幾つかの特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装され得る。反対に、単一の実施形態の文脈で説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別々に又は任意の適切な部分的組合せで実装され得る。さらに、特徴は、特定の組合せで作用するように本明細書において説明されている場合があり、さらにはそのように当初は特許請求されている場合があるが、特許請求された組合せからの一つ以上の特徴は、場合によっては組合せから削除されてもよく、また、特許請求された組合せは、部分的組合せ、又は部分的組合せの変形形態を対象にしてもよい。
【0058】
同様に、図面では特定の順番で操作が示されているが、これは、図示された特定の順番で若しくは逐次的な順番でそのような操作が実行されること、又は所望の結果を得るために示された全ての操作が実行されることが必要であるとして、理解されるべきではない。幾つかの状況では、マルチタスキング及び並列処理が有益であり得る。さらに、本明細書において説明された実施形態における種々のシステムモジュール及び構成要素の分離は、全ての実施形態においてそのような分離が必要であると理解されるべきではなく、また、説明されたプログラム構成要素及びシステムは、通常、単一の製品に一体化するか又は複数の製品にパッケージ化することができることが、理解されるべきである。
【0059】
主題の特定の実施形態が説明された。他の実施形態が、以下の特許請求の範囲に記載の範囲に含まれる。例えば、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順番で実行されることができ尚且つ所望の結果を得ることができるものである。一つの例として、添付の図面に示された過程は、所望の結果を得るために、必ずしも図示された特定の順番又は逐次的な順番を必要とするものではない。幾つかの実装形態では、マルチタスキング及び並列処理が有益であり得る。
【手続補正書】
【提出日】2021年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カニューレハブ、
前記カニューレハブから遠位に延在するカニューレ管部分であって、前記カニューレ部分は内部を貫通する内腔を画定し、前記カニューレハブから遠位に配置される近位カニューレ管部分と、前記近位カニューレ管部分から遠位に配置されるカニューレ管部分の中間体部分と、カニューレ管部分の前記中間体部分の遠位に配置される遠位カニューレ管部分と、を有するカニューレ管部分、及び
前記カニューレ管部分に結合される拡張可能部材であって、直径方向に収縮された形態と直径方向に拡張された形態の間で形態変更可能である拡張可能部材
を含む、カニューレと、
前記カニューレと係合可能であるスタイレットであって、
スタイレットハブ、及び
前記カニューレ管部分を越えて遠位に延在する鋭い遠位先端部分を含むスタイレット針、を含むスタイレットと、
を備える、針設置型バルーンシステム。
【請求項2】
前記カニューレ管部分の最遠位部分は、前記拡張可能部材が直径方向に収縮された形態である間は、前記拡張可能部材の外径よりも大きな外径を有する、
請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項3】
前記スタイレット針は、前記カニューレ管部分の前記内腔内に摺動自在に配置可能である、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項4】
前記カニューレに結合され且つ前記拡張可能部材と流体連通される膨張管をさらに備え、前記膨張管は前記カニューレハブに結合される、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項5】
前記カニューレ管部分が膨張内腔を画定し、前記膨張内腔が、前記拡張可能部材及び前記膨張管と流体連通し、前記拡張部材が、前記スタイレットが前記カニューレに係合されたとき、及び前記拡張可能部材が前記膨張内腔を通して流体を受け入れたときに拡張することができる、請求項4に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項6】
前記拡張可能部材が、前記スタイレットが前記カニューレと係合されたとき、及び前記スタイレットが前記カニューレから係脱されたときに拡張することができる、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項7】
前記カニューレハブに結合され且つ前記内腔と流体連通される接続部材をさらに備える、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項8】
前記拡張可能部材が、バルーンデバイスである、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項9】
前記バルーンデバイスが、直径方向に対称である、請求項8に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項10】
前記バルーンデバイスが、直径方向に非対称である、請求項8に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項11】
前記カニューレ管部分に結合された第2の拡張部材をさらに備える、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。
【請求項12】
前記遠位カニューレ管部分は、前記拡張可能部材の前記鋭い遠位先端部分と前記拡張可能部材との間に配置される、請求項1に記載の針設置型バルーンシステム。