(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-53544(P2021-53544A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】測定装置および水処理システム
(51)【国際特許分類】
C02F 1/52 20060101AFI20210312BHJP
B01D 21/30 20060101ALI20210312BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20210312BHJP
【FI】
C02F1/52 Z
B01D21/30 A
G01N21/27 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-176726(P2019-176726)
(22)【出願日】2019年9月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】福水 圭一郎
【テーマコード(参考)】
2G059
4D015
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB06
2G059DD05
2G059DD13
2G059EE13
2G059FF01
2G059FF04
2G059FF12
2G059KK04
2G059MM01
4D015BA21
4D015EA03
4D015EA08
4D015EA32
4D015EA33
(57)【要約】 (修正有)
【課題】流れのある原水に対して正確な凝集状態を取得することができる測定装置および水処理システムを提供する。
【解決手段】被処理水が流入する反応槽100と、前記反応槽100に貯留された水に凝集剤を添加する添加装置200と、前記反応槽100に貯留され、前記添加装置200から前記凝集剤が添加された水の凝集状態を取得するセンサ300と、前記センサ300が取得した凝集状態に基づいて、前記添加装置200からの前記凝集剤の添加を制御する制御装置400とを有し、前記反応槽100は、該反応槽100内の水を整流する整流部材110を有し、前記センサは、前記反応槽100に貯留され、前記添加装置200から前記凝集剤が添加された水のうち、前記整流部材110によって整流された水の凝集状態を取得する水処理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応槽に貯留された水の凝集状態を取得するセンサと、
前記反応槽内の水を整流する整流部材とを有し、
前記センサは、前記反応槽に貯留された水のうち、前記整流部材によって整流された水の凝集状態を取得する測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置において、
前記整流部材は、両端が開放された筒状であり、開放された断面が前記水の水面と略平行になるように設置され、
前記センサは、前記筒状の整流部材に囲まれた領域の前記水の凝集状態を取得する測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の測定装置において、
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端が、前記水面よりも高い位置に設置される測定装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の測定装置において、
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端よりも下端に近い位置に、複数の孔部が設けられている測定装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端に所定の高さの切り欠きが設けられている測定装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記センサは、前記水の画像をあらかじめ設定された時間間隔以下で撮像する画像センサである測定装置。
【請求項7】
被処理水が流入する反応槽と、
前記反応槽に貯留された水に凝集剤を添加する添加装置と、
前記反応槽に貯留され、前記添加装置から前記凝集剤が添加された水の凝集状態を取得するセンサと、
前記センサが取得した凝集状態に基づいて、前記添加装置からの前記凝集剤の添加を制御する制御装置とを有し、
前記反応槽は、該反応槽内の水を整流する整流部材を有し、
前記センサは、前記反応槽に貯留され、前記添加装置から前記凝集剤が添加された水のうち、前記整流部材によって整流された水の凝集状態を取得する水処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の水処理システムにおいて、
前記整流部材は、両端が開放された筒状であり、開放された断面が前記水の水面と略平行になるように設置され、
前記センサは、前記筒状の整流部材に囲まれた領域の前記水の凝集状態を取得する水処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の水処理システムにおいて、
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端が、前記水面よりも高い位置に設置される水処理システム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の水処理システムにおいて、
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端よりも下端に近い位置に、複数の孔部が設けられている水処理システム。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか1項に記載の水処理システムにおいて、
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端に所定の高さの切り欠きが設けられている水処理システム。
【請求項12】
請求項7から11のいずれか1項に記載の水処理システムにおいて、
前記センサは、前記水の画像をあらかじめ設定された時間間隔以下で撮像する画像センサである水処理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の水処理システムにおいて、
前記制御装置は、前記画像センサが撮像した画像に基づいて、画像中のフロックのエッジピクセル数を検出し、該検出したエッジピクセル数に基づいて、前記添加装置からの前記凝集剤の添加を制御する水処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置および水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
浄水場や下水処理場、その他の排水処理設備においては、被処理水に凝集剤を添加し、被処理水中の懸濁物質(SS)を凝集させてフロックを形成させ、フロックを沈殿分離や浮上分離等で分離する処理が行われている。その際、例えば、被処理水である原水に凝集剤を添加して攪拌し、攪拌された原水に光を照射して得た光学的測定値に基づいて、凝集剤の添加量を決定する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−121601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような技術においては、流れのある原水に対して測定を行うため、その測定値が不安定な値になってしまう。そのため、正確な凝集状態を取得することが困難であるという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、正確な凝集状態を取得することができる測定装置および水処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、反応槽に貯留された水の凝集状態を取得するセンサと、
前記反応槽内の水を整流する整流部材とを有し、
前記センサは、前記反応槽に貯留された水のうち、前記整流部材によって整流された水の凝集状態を取得する測定装置である。
【0007】
前記整流部材は、両端が開放された筒状であり、開放された断面が前記水の水面と略平行になるように設置され、
前記センサは、前記筒状の整流部材に囲まれた領域の前記水の凝集状態を取得することが好ましい。
【0008】
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端が、前記水面よりも高い位置に設置されることが好ましい。
【0009】
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端よりも下端に近い位置に、複数の孔部が設けられていることが好ましい。
【0010】
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端に所定の高さの切り欠きが設けられていることが好ましい。
【0011】
前記センサは、前記水の画像をあらかじめ設定された時間間隔以下で撮像する画像センサであることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、被処理水が流入する反応槽と、
前記反応槽に貯留された水に凝集剤を添加する添加装置と、
前記反応槽に貯留され、前記添加装置から前記凝集剤が添加された水の凝集状態を取得するセンサと、
前記センサが取得した凝集状態に基づいて、前記添加装置からの前記凝集剤の添加を制御する制御装置とを有し、
前記反応槽は、該反応槽内の水を整流する整流部材を有し、
前記センサは、前記反応槽に貯留され、前記添加装置から前記凝集剤が添加された水のうち、前記整流部材によって整流された水の凝集状態を取得する水処理システムである。
【0013】
前記整流部材は、両端が開放された筒状であり、開放された断面が前記水の水面と略平行になるように設置され、
前記センサは、前記筒状の整流部材に囲まれた領域の前記水の凝集状態を取得することが好ましい。
【0014】
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端が、前記水面よりも高い位置に設置されることが好ましい。
【0015】
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端よりも下端に近い位置に、複数の孔部が設けられていることが好ましい。
【0016】
前記整流部材は、前記開放された両端のうちの上端に所定の高さの切り欠きが設けられていることが好ましい。
【0017】
前記センサは、前記水の画像をあらかじめ設定された時間間隔以下で撮像する画像センサであることが好ましい。
【0018】
前記制御装置は、前記画像センサが撮像した画像に基づいて、画像中のフロックのエッジピクセル数を検出し、該検出したエッジピクセル数に基づいて、前記添加装置からの前記凝集剤の添加を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、正確な凝集状態を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の水処理システムの実施の一形態を示す図である。
【
図2】凝集剤の添加量が一定であり、原水SSが変動した場合のエッジピクセル数および色面積の変化の様子の一例を示す図である。
【
図3】原水SSが一定であり、凝集剤の添加量が変動した場合のエッジピクセル数および色面積の変化の様子の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示した整流部材の設置位置の一例を示す図である。
【
図5】
図1に示したセンサが画像センサである場合の設置位置の一例を示す図である。
【
図6】
図1に示した整流部材の構造の一例を示す図である。
【
図7】
図1に示した整流部材の構造の他の例を示す図である。
【
図8】
図1に示した水処理システムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の水処理システムの実施の一形態を示す図である。本形態における水処理システムは
図1に示すように、反応槽100と、添加装置200と、センサ300と、制御装置400とを有する。また、反応槽100には、整流部材110が設けられている。
【0023】
反応槽100は、原水である被処理水が流入し、流入された被処理水を貯留する貯留槽である。添加装置200は、反応槽100に貯留された水に凝集剤210を添加する。添加装置200は、制御装置400からの指示に基づいた量の凝集剤210を水に添加する。センサ300は、反応槽100に貯留された水に添加装置200から凝集剤210が添加された水の凝集状態を取得する。整流部材110は、反応槽100に貯留され、添加装置200から凝集剤210が添加された水を整流する。具体的には、整流部材110は、反応槽100内の水の流れを堰き止める。反応槽100内では、被処理水が外部から流入され、流入された被処理水に対して添加装置200から凝集剤210が添加されるため、処理後の水には流れが生じる。流れが生じている水の凝集状態をセンサ300が取得すると、その結果が安定しない。そこで、整流部材110がその流れを堰き止める。センサ300は、反応槽100に貯留され、添加装置200から凝集剤210が添加された水のうち、整流部材110によって整流された(流れが堰き止められた)水の凝集状態を取得する。センサ300は、例えば、水の画像を撮像する画像センサ(カメラ)であっても良い。センサ300が、画像センサである場合、センサ300は、反応槽100内の水の画像をあらかじめ設定された時間間隔以下の時間間隔で撮像するカメラ(例えば、動画撮像用カメラ)であっても良い。制御装置400は、センサ300が取得した凝集状態に基づいて、添加装置200が添加する凝集剤210の添加量を制御する。制御装置400における凝集剤210の添加量の制御の詳細については、後述する。なお、反応槽100に、水を攪拌する攪拌部材が設けられていても良い。また、センサ300と整流部材110とで、測定装置を構成する。
【0024】
以下に、被処理水に対して凝集剤を添加したときの水中のエッジピクセル数および色面積の変化の様子について説明する。ここで、エッジピクセル数とは、画像センサが撮像した画像中の互いに隣接する画素の色差(例えば、RGBの値の差)があらかじめ設定された閾値以上である画素の数である。また、色面積とは、画像センサが撮像した画像中、あらかじめ設定された閾値以上の色調を有する画素が占める面積である。
【0025】
図2は、凝集剤の添加量が一定であり、原水SSが変動した場合のエッジピクセル数および色面積の変化の様子の一例を示す図である。
図2に示すように、反応槽における凝集状態が良好である状態におけるエッジピクセル数を1.0とし、色面積を1.0とする。その良好な状態から、水の浮遊物質量を示す原水SSが減少すると、エッジピクセル数は0.5となり、色面積は0.5となり、エッジピクセル数と色面積とがともに減少する。また、良好な状態から、原水SSが増加すると、エッジピクセル数は1.5となり、色面積は1.5となり、エッジピクセル数と色面積とがともに増加する。
【0026】
図3は、原水SSが一定であり、凝集剤の添加量が変動した場合のエッジピクセル数および色面積の変化の様子の一例を示す図である。
図3に示すように、反応槽における凝集状態が良好である状態におけるエッジピクセル数を1.0とし、色面積を1.0とする。その良好な状態から、添加する凝集剤の添加量が減少すると、エッジピクセル数は1.5となり、色面積は1.0となり、エッジピクセル数が増加する。また、良好な状態から、添加する凝集剤の添加量が増加すると、エッジピクセル数は0.5となり、色面積は1.0となり、エッジピクセル数が減少する。
【0027】
図4は、
図1に示した整流部材110の設置位置の一例を示す図である。
図4は、整流部材110が設置された反応槽100の、反応槽100の底面に直交する方向の断面を示す図である。
図4に示すように、整流部材110は、原水(被処理水)が流入され、凝集剤が添加され、凝集水(処理水)が排出される反応槽100の内部に設置される。整流部材110は、両端が開放された筒状であり、開放された断面が水の水面とほぼ平行になるように設置される。また、整流部材110は、開放された両端のうちの上端が、水の水面よりも高い位置に設置される。整流部材110の設置(固定)方法は、例えば、反応槽100の上部に整流部材110を固定するための部材を取り付け、その部材と整流部材110とをネジ等で固定する方法が挙げられる。
【0028】
図5は、
図1に示したセンサ300が画像センサである場合の設置位置の一例を示す図である。センサ300は、
図4に示すような筒状の整流部材110に囲まれた領域の水の凝集状態を取得できる位置に設置される。また、センサ300は、水の水面または水面から1cm程度の深さまでの撮像可能範囲の直径D1が、整流部材110の直径D2よりも小さくなる位置に設置されることが好ましい。例えば、直径D2が直径D1の1.5倍以上であることがより好ましい。これは、画像センサであるセンサ300が、水の凝集状態の取得には必要のない整流部材110の壁面の画像を撮像して、撮像した画像を検知結果として制御装置400へ通知しないようにするためである。直径D1は、センサ300である画像センサの画角や焦点距離等の性能に依存するため、固定される値ではない。
【0029】
図6は、
図1に示した整流部材110の構造の一例を示す図である。
図1に示した整流部材110には
図6に示すように、筒状であって、開放された両端のうちの上端よりも下端に近い位置に、複数の孔部120が設けられている。孔部120が設けられている位置が、水中の位置であることは言うまでもない。整流部材110の好ましい長さは、反応槽100の高さや水の水深にもよるが、200mm以上であり、例えば450mmの長さが特に好ましい。また、孔部120の総面積は、整流部材110の外側の表面積(側面積)のうち、3〜6%の面積が好ましい。また、孔部120の数は2〜16個程度が好ましく、整流部材110の1か所に偏らないように設けられる。
【0030】
図7は、
図1に示した整流部材110の構造の他の例を示す図である。
図1に示した整流部材110には
図7に示すように、筒状であって、開放された両端のうちの上端よりも下端に近い位置に、複数の孔部120が設けられている。孔部120が設けられている位置が、水中の位置であることは言うまでもない。整流部材110の好ましい長さは、反応槽100の高さや水の水深にもよるが、200mm以上であり、例えば450mmの長さが特に好ましい。また、孔部120の総面積は、整流部材110の外側の表面積(側面積)のうち、3〜6%の面積が好ましい。また、孔部120の数は2〜16個程度が好ましく、整流部材110の1か所に偏らないように設けられる。また、
図7に示すように、整流部材110には、開放された両端のうちの上端に所定の高さの切り欠き130が設けられている。切り欠き130は、整流部材110の上端に設けられたV字型の溝であって、整流部材110の内部の水と外部の水との入れ替わりを促すために設けられる。切り欠き130は、
図7に示したようなV字型に限らず、方形や半円形、ほかの形であっても良い。
【0031】
以下に、
図1に示した水処理システムにおける処理について説明する。
図8は、
図1に示した水処理システムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。ここでは、
図1に示したセンサ300が画像センサである場合の処理について説明する。
【0032】
センサ300が、反応槽100に貯留された被処理水に添加装置200から凝集剤210が添加された水の画像を撮像する(ステップS1)。センサ300は撮像した画像を示す画像データを制御装置400へ出力する。すると、制御装置400は、センサ300から出力されてきた画像データが示す画像からエッジピクセルを検出する(ステップS2)。ここで検出されるエッジピクセルは上述したように、画像センサが撮像した画像中の互いに隣接する画素の色差(例えば、RGBの値の差)があらかじめ設定された閾値以上である画素を示す。続いて、制御装置400は、エッジピクセルとして検出した画素の数をエッジピクセル数として算出する(ステップS3)。このエッジピクセル数は、画像中に含まれるフロックのエッジピクセル数である。以下、エッジピクセル数をエッジ数と称する。また、制御装置400は、センサ300から出力されてきた画像データが示す画像から色面積を算出する(ステップS4)。ここで算出される色面積は上述したように、画像センサが撮像した画像中、あらかじめ設定された閾値以上の色調を有する画素が占める面積を示す。続いて、制御装置400は、算出したエッジ数と色面積とに基づいて、出力値を算出する(ステップS5)。この出力値は、以下に示す(式1)を用いて算出される。
出力値A=a×エッジ数+b×色面積 (式1)
ここで、aおよびbそれぞれは定数であり、測定条件に応じて乗ずる補正係数である。また、(a×エッジ数)は補正エッジ数Eであり、(b×色面積)は補正色面積Cである。そして、制御装置400は、算出した出力値Aを添加装置200へ出力する。すると、添加装置200は、制御装置400から出力されてきた出力値Aに基づいて、反応槽100へ添加する凝集剤210の添加量を制御する(ステップS6)。添加装置200は、出力値Aに応じて、凝集剤210を添加するポンプまたはモータを用いて凝集剤の添加量を制御する。
【0033】
なお、この制御装置400における添加装置200からの凝集剤210の添加量の制御は、例えば、
図2および
図3の中央に示した凝集状態の画像を最適なフロック(または、沈澱槽内ペレット)の状態であるマスター画像として、あらかじめ制御装置400に記録させておき、センサ300が撮像した画像とマスター画像との相対値を示す情報を制御装置400が添加装置200への出力信号に含めて出力する。また、制御装置400における添加装置200からの凝集剤210の添加量の制御は、エッジ数と色面積との比を用いて、PID(Proportional Integral Differential)制御を用いることが望ましい。
【0034】
このように、整流部材110を用いて反応槽100内の水の流れを堰き止めた箇所に貯留された水の凝集状態をセンサ300が取得する。そのため、正確な凝集状態を取得することができる。
【0035】
なお、センサ300が画像センサではない場合は、
図1に示した整流部材110に囲まれ、流れが堰き止められている位置に貯留されている水の凝集状態を取得できる位置にセンサ300を設置する。センサ300が取得した水の凝集状態を示す凝集状態情報を制御装置400へ出力する。制御装置400は、センサ300から出力されてきた凝集状態情報が示す凝集状態に基づいて、反応槽100へ添加する凝集剤210の添加量を制御する。この凝集状態に基づいた添加量の制御方法は、一般的なもので良い。
【符号の説明】
【0036】
100 反応槽
110 整流部材
120 孔部
130 切り欠き
200 添加装置
210 凝集剤
300 センサ
400 制御装置