(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-53744(P2021-53744A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】工作機械の制御装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/155 20060101AFI20210312BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20210312BHJP
G05B 19/18 20060101ALI20210312BHJP
【FI】
B23Q3/155 F
B23Q17/00 A
G05B19/18 W
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-179222(P2019-179222)
(22)【出願日】2019年9月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】小佐野 信一
(72)【発明者】
【氏名】勝又 健次
(72)【発明者】
【氏名】前田 淳一
【テーマコード(参考)】
3C002
3C029
3C269
【Fターム(参考)】
3C002DD03
3C002FF03
3C002HH01
3C002HH06
3C002KK04
3C002LL01
3C029EE01
3C269AB31
3C269BB05
3C269EF15
3C269EF39
3C269JJ10
3C269JJ14
3C269JJ19
3C269MN07
3C269MN14
3C269MN16
(57)【要約】
【課題】工具交換後の主軸工具の回転振れの測定に要する時間を実質短縮する工作機械の制御装置を提供する。
【解決手段】工作機械の制御装置であって、加工プログラムの指令コードに応じて、工具交換装置、工具回転振れ測定装置、および主軸モータを制御する処理部と、指令コードの動作シーケンス、工具の回転振れを予め測定して求めた回転振れ基準値、および工具回転振れ測定装置による測定値と回転振れ基準値との偏差のしきい値を記憶する記憶部と、工具回転振れ測定装置の測定値と工具の回転振れ基準値との偏差がしきい値を超えたか否かを判定する工具回転振れ判定部と、を具備し、処理部は、工具の回転振れ測定と、回転振れ判定と、判定結果が良のときに主軸モータの加工回転速度への変速との一連の動作、および工作機械の加工開始位置への送り位置決めの動作を並行して実施する工作機械の制御装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の工具交換後、主軸に装着された工具の回転振れ測定を行う工作機械の制御装置において、
加工プログラムの指令コードに応じて、少なくとも工具交換装置、工具回転振れ測定装置、および主軸モータを制御する処理部と、
少なくとも加工プログラムの指令コードの動作シーケンス、前記工作機械の主軸に装着された工具の回転振れを予め測定して求めた振れ基準値、および前記工具回転振れ測定装置による測定値と前記振れ基準値との偏差のしきい値を記憶する記憶部と、
前記工具回転振れ測定装置の測定値と前記工具の回転振れ基準値との偏差が前記しきい値を超えたか否かを判定する工具回転振れ判定部と、
を具備し、
前記処理部は、工具交換後の工具の回転振れ測定と、回転振れ判定と、判定結果が良のときに主軸モータの加工回転速度への変速との一連の動作、および前記工作機械の加工開始位置への送り位置決めの動作を並行して実施することを特徴とした工作機械の制御装置。
【請求項2】
前記記憶部は、更に、各工具に対する回転振れ測定および判定の要否を示すマークを記憶する、請求項1に記載の工作機械の制御装置。
【請求項3】
前記加工プログラムは予め定めた指令コードを含んでおり、前記予め定めた指令コードの動作シーケンスは、主軸を工具の回転振れ測定用の回転速度で起動し、工具の回転振れ測定と判定とを行い、判定結果が良のとき、加工プログラムの同一ブロックに記載の加工回転速度まで主軸を変速する一連の動作と並行して、加工プログラムの次ブロックに記載の加工開始位置まで主軸を送って位置決めする動作とを実行する、請求項1または2に記載の工作機械の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械の制御装置に関するものであり、特に、回転工具の振れの測定機能を有する工作機械の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工具マガジンおよび自動工具交換装置を有するマシニングセンタ等の工作機械において、工具交換は、加工プログラムからの指令により自動工具交換装置によって自動的に行われる。工具と一体の工具ホルダが主軸に装着されるとき、工具ホルダと主軸との間の嵌合面に切りくず等の異物が挟まると、工具の回転軸線が傾斜するので、工具に回転振れが生じて加工不良が引き起こされる。そのため、工具交換の度に、異物の除去のために嵌合面に対する高圧エアー等の吹き付けが従来行われている。さらに、加工開始前に工具の回転振れを検出するために、工作機械が、例えば特許文献1に記載されているチャックミス検出装置を備えることもある。この装置は、主軸に装着された工具ホルダの回転振れを渦電流式センサによって測定することによって、チャックミスの有無を判定する。また従来、回転振れの測定は、主軸頭が工具交換位置で静止しているときに行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4081596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているようなチャックミス検出装置によってチャックミスは確実に検出されている。ただし、工具交換から加工開始に至る時間を短縮するために、検出に要する時間を短縮することも望まれていた。また、チャックミス検出を行う場合の加工プログラムの簡素化も求められていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、工具交換後の主軸工具の回転振れの測定に要する時間を実質短縮する工作機械の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
さらに、本発明は、回転振れの測定も実施する簡素化された加工プログラムを提供することもその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、工作機械の工具交換後、主軸に装着された工具の回転振れ測定を行う工作機械の制御装置において、加工プログラムの指令コードに応じて、少なくとも工具交換装置、工具回転振れ測定装置、および主軸モータを制御する処理部と、少なくとも加工プログラムの指令コードの動作シーケンス、前記工作機械の主軸に装着された工具の回転振れを予め測定して求めた回転振れ基準値、および前記工具回転振れ測定装置による測定値と前記回転振れ基準値との偏差のしきい値を記憶する記憶部と、前記工具回転振れ測定装置の測定値と前記工具の回転振れ基準値との偏差が前記しきい値を超えたか否かを判定する工具回転振れ判定部と、を具備し、前記処理部は、工具交換後の工具の回転振れ測定と、回転振れ判定と、判定結果が良のときに主軸モータの加工回転速度への変速との一連の動作、および前記工作機械の加工開始位置への送り位置決めの動作を並行して実施する工作機械の制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
従来は、工作機械の主軸頭が工具交換位置で静止した状態で回転振れ測定に関する一連の動作が実施され、測定後に主軸頭は加工プログラムで指定された加工開始位置への移動を開始していた。これに対して、本発明によると、工作機械の主軸頭の移動中に並行して、工具の回転振れ測定に関する一連の動作が実施されるので、前記一連の動作に要する時間の全てまたは一部を考慮する必要がなく、したがって工具交換から加工開始に至る時間が短縮される。
【0009】
本発明による制御装置は、工具の回転振れ測定に関する動作シーケンスを特定の指令コードの実行によって記憶部から呼び出す簡素化された加工プログラムを使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】工作機械の主軸に装着された工具および工具ポットに把持された工具を模式的に示す正面図である。
【
図2】本発明の実施形態による工作機械の制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態による工作機械の制御装置によって実行される、工具交換から加工開始までの動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、
図1〜
図3を参照して、本発明の実施形態による工作機械の制御装置10について説明する。本発明の実施形態による制御装置10を含む工作機械装置100は、立形マシニングセンタとして構成され、制御装置10の他に、工作機械50、工具マガジン(図示せず)、工具キャリア(図示せず)等を具備するが、
図1では、工作機械装置100の一部だけが模式的に示される。工作機械50は、自動工具交換装置(以下、「ATC」と呼ぶ)60を具備する。
【0012】
図1では、工具交換位置に配置された工作機械50の主軸51に装着された工具40、および工具キャリアのグリッパ81によって把持された工具ポット82により保持された同じ工具40が、ATC60の工具交換アーム61を挟んで模式的に示されている。
図1の工作機械50は、工具40の回転振れを測定する振れ測定装置70も具備しており、振れ測定装置70の渦電流式変位センサ71が、工具ホルダ42のフランジ42bの外周面に隣接するように、工作機械50の主軸頭52の端面から延びるブラケット72の先端に固定されている。なお、本明細書における用語の「回転振れ」は、主軸51の回転軸線をデータム軸直線としたときの、JISB0021「製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示方式」に記載された半径方向の「円周振れ」と同義で用いられており、また、以下の説明では単に「振れ」と略称される。
【0013】
本明細書では、工具40は、切れ刃を有する工具本体41と、それを一体的に保持する工具ホルダ42とから構成されている。
図1の工具ホルダ42は、主軸51に嵌合するテーパ部分42aと、フランジ42bと、工具本体固定部42cとを備える公知のタイプのものである。また、工具40の振れは、工具本体41ではなく、工具ホルダ42のフランジ42bの外周面を測定することにより得ている。
【0014】
次に、本発明の実施形態による制御装置10の基本構成について
図2を参照して説明する。制御装置10は、工作機械50の送り軸モータ53を制御する数値制御部20と、主軸モータ54、ATC60、および振れ測定装置70等を制御する機械制御部30とを具備する。数値制御部20は、加工プログラム(NCプログラム)に対する読取り解釈部21、補間部22、およびサーボ制御部23を具備する。
【0015】
機械制御部30は、処理部31、主軸モータ制御部32、振れ判定部33、記憶部34、および表示入力部35を具備する。記憶部34には、工具データベース34a、振れ偏差のしきい値34b、指令コードの処理シーケンス34c等が格納されている。工具データベース34aには、各工具40の寸法や許容回転数等の他に、振れ測定の要否を示す振れ検知マーク(例えば○印)、および振れの基準値が含まれる。記憶部34には表示入力部35を介してデータが入力される。表示入力部35は、データの入力の他に振れの判定結果等の表示も行う。
【0016】
処理部31は、読取り解釈部21からの指令コードと記憶部34から呼び出された動作シーケンスに基づいて主軸モータ制御部32、振れ測定装置70、およびATC60に指令する。例えば、処理部31は、対象の工具40に振れ検知マークが有りとの情報を記憶部34の工具データベース34aから受けた場合、工作機械50の主軸モータ54の回転速度を振れ測定に適した比較的低速の回転速度で起動する指令を出す一方で、振れ測定装置70に対して工具40の振れの測定を指令し、さらに工作機械50の主軸頭52を加工開始位置へ移動させる指令を数値制御部20に引き渡す。処理部31は、振れの判定結果が良であるとの情報を振れ判定部33より受けた場合、主軸モータ54の回転速度を通常の加工回転速度まで増速する指令を出す。一方、処理部31は、判定結果が不良であるとの情報を振れ判定部33より受けた場合、工具交換位置へ戻るよう数値制御部20に指令する。
【0017】
振れ判定部33は、振れ測定装置70から受けた測定値と、記憶部34に記憶されている工具40の振れ基準値との偏差が、やはり記憶部34に記憶されている振れ偏差のしきい値34bを超えたか否かを判定して、判定結果を処理部31に送る。
【0018】
次に、工具40の振れの測定に関連する制御部の動作について
図3のフロー図を参照して以下に説明する。
最初に、ステップS10において、工具交換の指令コードM6が実行され、ATC60が工具交換を行う。このとき、工作機械50の主軸頭52は工具交換アーム61に近い所定の工具交換位置に配置されている。また、工具40が工作機械50の主軸51に装着される前に、工具40と主軸51との嵌合面から切りくず等の異物を除去するために、嵌合面に高圧エアーが吹き付けられる。
【0019】
ステップS11において加工用主軸回転速度指令コードS6000が実行され、次いでステップS12において主軸起動指令コードM303が実行される。そうすると、ステップS13へ移行し、指令コードG90に従って主軸頭52が工具交換位置から加工開始位置へ向けて移動し始める。このステップS13へ移行するフローと並行して振れ測定に関するステップS14からステップS20までのフローが実行される。また、これら振れ測定に関するステップの処理シーケンスは、指令コードM303に対応する処理シーケンスとして記憶部34に格納されている。本実施形態では、指令コードS6000に続いてM303が実行されると、記憶部34に格納されていた処理シーケンス34cが呼び出されて実行される。
【0020】
ステップS14において、対象の工具40の振れ検知マークの有無が判定される。記憶部34の工具データベース34aには振れ検知マークの有無についての情報が含まれているので、その情報に基づいて処理部31が判定する。そして、振れ検知マークが無い場合は、振れ測定の必要性がないので、ステップS15に進み加工用回転速度を指定回転速度として主軸51を起動する。本実施形態では、正面フライスのような荒加工用工具が、振れ検知を行わない工具とされ、したがって工具データベース34aに振れ検知マークを有しない。その他の、仕上げ加工用工具や精密加工用工具は振れ検知が必要であるので、振れ検知マークを有する。
【0021】
振れ検知マークが有りの場合は、ステップS16に進み、測定に適した低速の測定用回転速度で主軸51を起動し、次いでステップS17に進み、振れ測定を行う。測定は、工作機械50の振れ測定装置70によって行われ、測定値データは振れ測定装置70から振れ判定部33に送られる。そして、ステップS18において、測定結果の良否が振れ判定部33によって判定される。より詳しくは、振れ判定部33は、測定値と工具40の振れ基準値との偏差が振れ偏差のしきい値34bを超えているか否かを判定する。
【0022】
ステップS18における良否の判定の結果が否である場合、ステップS19に進み、主軸頭52は工具交換位置へ戻り、そしてエアーによる異物の除去のためにステップS10に進む。一方、ステップS18における良否の判定の結果が良である場合、ステップS20に進み主軸51の回転速度を加工用回転速度に変速する。
【0023】
次に、ステップS21に進み、指令コードM302にしたがって、主軸51の回転速度が加工用回転速度に到達したか否かを判定する。判定の結果が否である場合は、加工用回転速度に到達するまでステップS21を繰り返す。加工用回転速度に到達したなら、ステップS22に進み、ステップS13によって加工開始位置(例えば座標X100、Y200、Z−150の位置)に既に送り位置決めされている工具40によって加工を開始する。
【0024】
なお、ステップS18の測定結果良否の判定は、ステップS21の後段へ移動することもできる。こうすれば主軸頭52が加工開始位置に位置決めされた後にステップS19の工具交換位置へ戻る動作が開始され、工具交換位置へ戻る動作の起点が確定されることになる。工具交換位置へ戻る動作の起点と終点が確定されることにより、戻り動作のプログラムを生成しやすくなるという効果がある。
【0025】
本実施形態の制御装置10によると、ステップS12でM303の指令を受けると、工作機械50の主軸頭52が工具交換位置から加工開始位置を目指して移動を開始する(ステップS13)のと同時に、振れ測定のためのステップS14〜S20のフローも実行される。つまり、主軸頭52の移動中に振れ測定も並行して実施され、したがって、振れ測定が主軸頭52の静止中に実施される従来のやり方に比べると、工具交換から加工開始に至るまでの時間を、振れ測定を実施しなかった場合とほぼ同等の時間へ短縮することが可能である。なお、工具交換位置から加工開始位置までの距離が短い場合には、振れ測定のための一連のステップが主軸頭52の移動中に完了しない場合もあり得るが、そのような場合でも時間短縮の効果が得られることは明らかであろう。また、1回の工具交換で短縮される時間は、ほとんどの場合1秒未満であるとはいえ、工具交換が多くかつ大量生産される例えば自動車のエンジンブロックのような被加工物に対しては、本発明の効果が大きいことが理解されよう。
【0026】
また、本発明におけるように、主軸頭52の移動中に振れ測定を実施した場合でも、従来のように静止時に測定した場合と同等の測定精度が得られることが本発明の発明者によって確認されている。
【0027】
本実施形態の制御装置10によると、振れ測定に関する処理シーケンス34cは、記憶部34にあらかじめ格納されていて、加工プログラムで指令コードS6000およびM303が実行されると呼び出されて実行される。そのため、加工プログラム作成者は、振れ測定に関しては指令コードS6000およびM303を加工プログラムに記述しておきさえすればよい。以下に、本実施形態の制御装置10で用いられる加工プログラムの振れ測定に関連する部分の一例を以下に示す。
M6;(工具交換)
S6000 M303;(加工時の主軸指令回転速度)
G90 G00 Xxx. Yxxx. Zxxxx. M302;(主軸到達速度の確認)
【0028】
上記加工プログラムは指令コードM303を含んでおり、指令コードM303の動作シーケンスは、主軸51を工具40の振れ測定用の回転速度で起動し、工具40の振れ測定と判定とを行い、判定結果が良のとき、加工プログラムの同一ブロックに記載の加工回転速度まで主軸51を変速する一連の動作と並行して、加工プログラムの次ブロックに記載の加工開始位置まで主軸51を送って位置決めする動作とを実行するものである。なお、
図3および例示した加工プログラムにおける丸括弧内の文字は説明用に付加したものであって、実際の加工プログラムには含まれていない。本実施形態の指令コードM303は、工作機械の使用者によって予め定めることができるMコードである。本実施形態ではMの次に303という数字を当てたが、JISB6315−2で規定されたMコードの数字以外の別の数字を当てることができる。
【0029】
これに対し、主軸頭52が静止した状態で振れ測定を行う従来の加工プログラムの振れ測定に関連する部分を以下に示す。上記本発明による制御装置10に用いられる加工プログラムの倍のブロックを要することが分かる。
M6;(工具交換)
S600;(振れ検知時の主軸指令回転速度)
M3;(主軸起動)
M460;(振れ検知)
G90 G00 Xxx. Yxxx. Zxxxx. S6000 M303;(位置決めと同時に加工時の主軸指令回転速度)
…M302;(主軸速度の到達を確認)
【符号の説明】
【0030】
10 制御装置
20 数値制御部
30 機械制御部
31 処理部
32 主軸モータ制御部
33 振れ判定部
34 記憶部
40 工具
50 工作機械
60 ATC
70 振れ測定装置
【手続補正書】
【提出日】2020年12月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、工作機械の工具交換後、主軸に装着された工具の回転振れ測定を行う工作機械の制御装置において、加工プログラムの指令コードに応じて、少なくとも工具交換装置、工具回転振れ測定装置、および主軸モータを制御する処理部と、少なくとも加工プログラムの指令コードの動作シーケンス、前記工作機械の主軸に装着された工具の回転振れを予め測定して求めた回転振れ基準値、および前記工具回転振れ測定装置による測定値と前記回転振れ基準値との偏差のしきい値を記憶する記憶部と、前記工具回転振れ測定装置の測定値と前記工具の回転振れ基準値との偏差が前記しきい値を超えたか否かを判定する工具回転振れ判定部と、を具備し、
前記加工プログラムは、工具交換指令に続けて、加工用主軸回転速度指令、予め定めた指令コード、前記工作機械の加工開始位置への送り指令、および主軸回転速度の指令値への到達確認指令コードを含んでおり、前記予め定めた指令コードの動作シーケンスは、主軸を工具の回転振れ測定用の回転速度で起動し、工具の回転振れ測定と判定とを行い、判定結果が良のとき、加工用主軸回転速度まで主軸を変速する一連の動作と並行して、加工プログラムに記載の加工開始位置まで主軸を送って位置決めする動作を実施する工作機械の制御装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の工具交換後、主軸に装着された工具の回転振れ測定を行う工作機械の制御装置において、
加工プログラムの指令コードに応じて、少なくとも工具交換装置、工具回転振れ測定装置、および主軸モータを制御する処理部と、
少なくとも加工プログラムの指令コードの動作シーケンス、前記工作機械の主軸に装着された工具の回転振れを予め測定して求めた振れ基準値、および前記工具回転振れ測定装置による測定値と前記振れ基準値との偏差のしきい値を記憶する記憶部と、
前記工具回転振れ測定装置の測定値と前記工具の回転振れ基準値との偏差が前記しきい値を超えたか否かを判定する工具回転振れ判定部と、
を具備し、
前記加工プログラムは、工具交換指令に続けて、加工用主軸回転速度指令、予め定めた指令コード、前記工作機械の加工開始位置への送り指令、および主軸回転速度の指令値への到達確認指令コードを含んでおり、
前記予め定めた指令コードの動作シーケンスは、主軸を工具の回転振れ測定用の回転速度で起動し、工具の回転振れ測定と判定とを行い、判定結果が良のとき、加工用主軸回転速度まで主軸を変速する一連の動作と並行して、加工プログラムに記載の加工開始位置まで主軸を送って位置決めする動作を実施することを特徴とした工作機械の制御装置。
【請求項2】
前記記憶部は、更に、各工具に対する回転振れ測定および判定の要否を示すマークを記憶する、請求項1に記載の工作機械の制御装置。