特開2021-54354(P2021-54354A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-54354船舶用電気推進システム、船舶および船舶用電気推進方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-54354(P2021-54354A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】船舶用電気推進システム、船舶および船舶用電気推進方法
(51)【国際特許分類】
   B63H 21/17 20060101AFI20210312BHJP
   B63J 99/00 20090101ALI20210312BHJP
   H02P 29/00 20160101ALI20210312BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210312BHJP
【FI】
   B63H21/17
   B63J99/00 A
   H02P29/00
   H02J7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-181568(P2019-181568)
(22)【出願日】2019年10月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592250540
【氏名又は名称】株式会社大島造船所
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西田 英幸
(72)【発明者】
【氏名】白水 照二
(72)【発明者】
【氏名】林田 和也
(72)【発明者】
【氏名】高比良 栄治
【テーマコード(参考)】
5G503
5H501
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB01
5G503DA06
5G503DA08
5G503DA17
5G503GB06
5H501AA30
5H501BB20
5H501CC04
5H501CC06
5H501CC07
5H501DD10
5H501HA03
5H501HA05
(57)【要約】
【課題】電気推進船においては、交流電源の所在にかかわらず、当該交流電源の交流電力を直流電力に変換した当該直流電力を、電気推進船に備えられた蓄電池に供給できることが好ましい。
【解決手段】船舶を推進させる一または複数の推進用電動機と、推進用電動機に電力を供給する一または複数の二次電池と、直流電力により二次電池を充電する一または複数の電力変換部と、を備え、二次電池は、推進用電動機への主要な電力供給源である、船舶用電気推進システムを提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶を推進させる一または複数の推進用電動機と、
前記推進用電動機に電力を供給する一または複数の二次電池と、
直流電力により前記二次電池を充電する一または複数の電力変換部と、
を備え、
前記二次電池は、前記推進用電動機への主要な電力供給源である、
船舶用電気推進システム。
【請求項2】
前記一または複数の電力変換部は、交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換し、前記直流電力により前記二次電池を充電する、請求項1に記載の船舶用電気推進システム。
【請求項3】
前記交流電源は、可搬型電源設備である、請求項2に記載の船舶用電気推進システム。
【請求項4】
前記交流電源は、陸上に備えられた電源設備である、請求項2に記載の船舶用電気推進システム。
【請求項5】
前記船舶は、車両が搭載される車両搭載部を有し、
前記可搬型電源設備は電源車であり、
前記電源車は、前記車両搭載部に搭載され、
前記交流電源は、前記電源車に搭載されている、
請求項3に記載の船舶用電気推進システム。
【請求項6】
前記二次電池は、前記推進用電動機への唯一の電力供給源である、請求項1から5のいずれか一項に記載の船舶用電気推進システム。
【請求項7】
一の前記二次電池と他の前記推進用電動機との電気的接続を制御し、且つ、他の前記二次電池と一の前記推進用電動機との電気的接続を制御するスイッチをさらに備え、
前記二次電池を充電する場合、前記スイッチをオンにすることにより、
一の前記電力変換部および他の前記電力変換部が、一の前記二次電池を充電し、
一の前記電力変換部および他の前記電力変換部が、他の前記二次電池を充電し、
前記二次電池が放電する場合、前記スイッチをオフにすることにより、
前記一の前記二次電池は、一の前記推進用電動機に電力を供給し、他の前記推進用電動機に電力を供給せず、
前記他の前記二次電池は、他の前記推進用電動機に電力を供給し、一の前記推進用電動機に電力を供給しない、
請求項1から6のいずれか一項に記載の船舶用電気推進システム。
【請求項8】
前記船舶が、前記一または複数の二次電池の総容量を消費した場合の電力よりも多くの電力を消費する試験を連続して実施する、請求項1から7のいずれか一項に記載の船舶用電気推進システム。
【請求項9】
前記電力変換部は、前記船舶が前記試験を実施している場合に、前記二次電池への充電を実施する、請求項8に記載の船舶用電気推進システム。
【請求項10】
前記電力変換部は、前記船舶が前記試験を実施している場合に、前記二次電池への充電を停止する、請求項8に記載の船舶用電気推進システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の船舶用電気推進システムが搭載された船舶。
【請求項12】
船舶に備えられた電力変換部が、交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換するステップと、
前記直流電力により、前記船舶に備えられた二次電池を充電するステップと、
を備え、
前記二次電池は、前記船舶を推進させる推進用電動機に電力を供給し、
前記二次電池は、前記推進用電動機への主要な電力供給源である、
船舶用電気推進方法。
【請求項13】
前記二次電池は、前記推進用電動機への唯一の電力供給源である、請求項12に記載の船舶用電気推進方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用電気推進システム、船舶および船舶用電気推進方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、陸上電源からの交流電力を直流電力に変換後、当該直流電力を、電気推進船に備えられた蓄電池に供給する電気推進船が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1 特開2016−43715号公報
特許文献2 特許第5164048号
特許文献3 特許第5584809号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電気推進船においては、交流電源の所在にかかわらず、当該交流電源の交流電力を直流電力に変換した当該直流電力を、電気推進船に備えられた蓄電池に供給できることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、船舶用電気推進システムを提供する。船舶用電気推進システムは、船舶を推進させる一または複数の推進用電動機と、推進用電動機に電力を供給する一または複数の二次電池と、直流電力により二次電池を充電する一または複数の電力変換部と、を備える。二次電池は、推進用電動機への主要な電力供給源である。
【0005】
一または複数の電力変換部は、交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換し、直流電力により二次電池を充電してもよい。
【0006】
交流電源は、可搬型電源設備であってよい。
【0007】
交流電源は、陸上に備えられた電源設備であってもよい。
【0008】
船舶は、車両が搭載される車両搭載部を有してよい。可搬型電源設備は、電源車であってよい。電源車は、車両搭載部に搭載されてよい。交流電源は、電源車に搭載されていてよい。
【0009】
二次電池は、推進用電動機への唯一の電力供給源であってもよい。
【0010】
船舶用電気推進システムは、スイッチをさらに備えてよい、スイッチは、一の二次電池と他の推進用電動機との電気的接続を制御し、且つ、他の二次電池と一の推進用電動機との電気的接続を制御してよい。二次電池を充電する場合、スイッチをオンにすることにより、一の電力変換部および他の電力変換部が、一の二次電池を充電してよく、一の電力変換部および他の電力変換部が、他の二次電池を充電してよい。二次電池が放電する場合、スイッチをオフにすることにより、一の二次電池は、一の推進用電動機に電力を供給してよく、他の推進用電動機に電力を供給しなくてよい。二次電池が放電する場合、スイッチをオフにすることにより、他の二次電池は、他の推進用電動機に電力を供給してよく、一の推進用電動機に電力を供給しなくてよい。
【0011】
船舶は、一または複数の二次電池の総容量を消費した場合の電力よりも多くの電力を消費する試験を連続して実施してよい。
【0012】
電力変換部は、船舶が試験を実施している場合に、二次電池への充電を実施してよい。
【0013】
電力変換部は、船舶が試験を実施している場合に、二次電池への充電を停止してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、船舶を提供する。船舶は、船舶用電気推進システムが搭載されていてよい。
【0015】
本発明の第3の態様においては、船舶用電気推進方法を提供する。船舶用電気推進方法は、船舶に備えられた電力変換部が、交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換するステップと、直流電力により、船舶に備えられた二次電池を充電するステップと、を備える。船舶用電気推進方法において、二次電池は船舶を推進させる推進用電動機に電力を供給する。船舶用電気推進方法において、二次電池は推進用電動機への主要な電力供給源である。
【0016】
船舶用電気推進方法において、二次電池は推進用電動機への唯一の電力供給源であってもよい。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一つの実施形態に係る船舶200の一例を示す図である。
図2】本発明の一つの実施形態に係る船舶用電気推進システム100の一例を示すシステム構成図である。
図3】本発明の一つの実施形態に係る船舶200の他の一例を示す図である。
図4】本発明の一つの実施形態に係る船舶用電気推進システム100の他の一例を示すシステム構成図である。
図5】本発明の一つの実施形態に係る船舶用電気推進方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る船舶200の一例を示す図である。船舶200は、船体210、一または複数のスクリュー220、および、船舶用電気推進システム100を備える。スクリュー220は、船体210に設けられる。船舶200の航海中において、スクリュー220は海洋中に配置される。スクリュー220は、例えばプロペラである。
【0021】
本例の船舶200は、2つのスクリュー220を備える。図1において、船舶200の進行方向が太い矢印にて示されている。船舶200が、船体210の前後にスクリュー220を備えたいわゆる両頭船である場合、スクリュー220−1およびスクリュー220−2は、船舶200の進行方向を基準に、それぞれ船舶200の前方および後方に配置されるスクリュー220である。船舶200が1つのスクリュー220を備える場合、当該スクリュー220は船舶200の進行方向を基準に、船舶200の後方に配置されてよい。
【0022】
船舶用電気推進システム100は、一または複数の推進用電動機10を備える。スクリュー220の数と推進用電動機10の数とは、等しくてよく、異なっていてもよい。1つの推進用電動機10が1つのスクリュー220を回転させてよく、複数の推進用電動機10が1つのスクリュー220を回転させてもよい。船舶200が複数のスクリュー220を備え、且つ、船舶用電気推進システム100が複数の推進用電動機10を備える場合、スクリュー220の数と推進用電動機10の数とは、等しくてよく、異なっていてもよい。スクリュー220の数と推進用電動機10の数とが等しい場合、推進用電動機10は、スクリュー220ごとに設けられてよい。推進用電動機10は、スクリュー220を回転させる。推進用電動機10は、スクリュー220を回転させることにより、船舶200を推進させる。
【0023】
本例の船舶用電気推進システム100は、2つの推進用電動機10を備える。本例において、推進用電動機10−1および推進用電動機10−2は、それぞれスクリュー220−1およびスクリュー220−2を回転させる。
【0024】
図2は、本発明の一つの実施形態に係る船舶用電気推進システム100の一例を示すシステム構成図である。図2において、船舶用電気推進システム100の範囲が粗い破線部にて示されている。
【0025】
船舶用電気推進システム100は、一または複数の推進用電動機10と、一または複数の二次電池30と、一または複数の電力変換部24と、を備える。推進用電動機10は、船舶200を推進させる。二次電池30は、推進用電動機10に電力を供給する。電力変換部24は、直流電力により二次電池30を充電する。電力変換部24は、直流電源により二次電池30を充電してよい。本例においては、電力変換部24は交流電源40から供給された交流電力を直流電力に変換する。本例においては、電力変換部24は当該直流電力により二次電池30を充電する。なお、1つの二次電池30は、複数の電池セルを含んでいてよい。当該複数の電池セルは、直列に接続されていてよく、並列に接続されていてもよい。
【0026】
船舶用電気推進システム100は、変圧器16をさらに備えてよい。電力変換部24には、変圧器16によって二次電池30向けに変圧された交流電力が供給されてよい。
【0027】
本例の船舶用電気推進システム100は、2つの推進用電動機10と、2つの二次電池30と、2つの電力変換部20とを備える。二次電池30−1および二次電池30−2は、推進用電動機10−1に電力を供給する。二次電池30−1および二次電池30−2は、推進用電動機10−2に電力を供給する。電力変換部20−1は、二次電池30−1および二次電池30−2から供給された直流電力を交流電力に変換する。電力変換部20−1は、当該交流電力を推進用電動機10−1に供給する。電力変換部20−2は、二次電池30−1および二次電池30−2からの直流電力を交流電力に変換する。電力変換部20−2は、当該交流電力を推進用電動機10−2に供給する。
【0028】
二次電池30は、推進用電動機10への主要な動力供給源である。二次電池30が推進用電動機10への主要な動力供給源であるとは、二次電池30が、推進用電動機10への供給電力の50%より大きく100%未満の電力を供給している状態を指してよく、推進用電動機10への供給電力の70%以上100%未満の電力を供給している状態を指してもよく、推進用電動機10への供給電力の90%以上100%未満の電力を供給している状態を指してもよい。二次電池30は、推進用電動機10への唯一の電力供給源であってもよい。即ち、推進用電動機10への供給電力の100%が、二次電池30から供給されていてもよい。
【0029】
船舶用電気推進システム100は、電力変換部22、変圧器14および船内負荷12をさらに備えてよい。電力変換部22は、二次電池30から供給された直流電力を交流電力に変換する。電力変換部22は、船内負荷12に当該交流電力を供給する。船内負荷12には、変圧器14によって船内負荷12向けに変圧された交流電力が供給されてよい。船内負荷12は、例えば船体210に設けられた空調設備等である。船舶用電気推進システム100は、複数の船内負荷12を備えてもよい。
【0030】
本例においては、船舶200が船舶用電気推進システム100を備え、且つ、船舶用電気推進システム100が電力変換部24を備える。このため、本例の船舶200においては、交流電源40により充電した二次電池30が、推進用電動機10に電力を供給できる。
【0031】
交流電源40は、可搬型電源設備であってよい。可搬型電源設備とは、船体210への搬入および船体210からの搬出が、自在に可能である電源設備を指す。即ち、当該可搬型電源設備は、船体210に常設されていない。
【0032】
可搬型電源設備が供給可能な電力量を、電力量Pcとする。船舶用電気推進システム100が備える二次電池30の総容量を、電力量Psとする。電力量Psは、当該二次電池30が収容可能な総電力量である。船舶用電気推進システム100が複数の二次電池30を備える場合、電力量Psは複数の二次電池30の各容量の総和である。
【0033】
交流電源40が可搬型電源設備である場合、電力量Pcは電力量Psよりも大きくてよい。電力量Pcが電力量Psよりも大きい場合、当該可搬型電源設備は、二次電池30を満充電の状態まで充電できる。電力量Pcは、電力量Psの2倍以上であってよく、5倍以上であってもよく、10倍以上であってもよい。
【0034】
交流電源40は、陸上に備えられた電源設備であってもよい。交流電源40は、船舶200が停泊する港に備えられた電源設備であってもよい。交流電源40が陸上に備えられた電源設備である場合、船舶200は、陸上に備えられた電源設備により二次電池30を充電してよい。船舶200は、当該二次電池30から推進用電動機10に電力を供給することにより、海洋を航行できる。
【0035】
船舶200は、二次電池30から推進用電動機10に電力を供給することにより、海洋において試験を実施してよい。船舶200が実施する試験とは、船舶200が実用に供される前に、船舶200が、実用に供し得る各種の性能を備えているかを確認する試験を指す。当該試験は、海洋において実施される。当該試験は、速力試験、前後進試験、旋回試験、停止惰力試験、低速舵効き試験および続行試験の少なくとも1つであってよい。なお、続行試験は、1時間以上実施されてよい。船舶200が実施する試験には、試験の実施に伴う、二次電池30の蓄電量の減少度合いの調査が含まれてよい。
【0036】
図3は、本発明の一つの実施形態に係る船舶200の他の一例を示す図である。本例の船舶200は、車両搭載部230を有する点で、図1に示される船舶200と異なる。また、本例において可搬型電源設備は電源車50である。電源車とは、発電機が搭載された自動車である。本例においては、電源車50には交流電源40が搭載されている。本例において、電源車50は車両搭載部230に搭載されている。電源車50は、船舶200が港に停泊中に搭載されてよい。
【0037】
船舶200は、四輪自動車、二輪車等を積載するように設計された、いわゆるフェリーであってよい。車両搭載部230は、当該フェリーにおける車両甲板の少なくとも一部であってよい。
【0038】
可搬型電源設備は、コンテナであってもよい。可搬型電源設備がコンテナである場合、交流電源40は当該コンテナに搭載されていてよい。当該コンテナは、船舶200が港に停泊中に、所定の運搬手段により港から船体210に搬入されてよい。
【0039】
本例においては、船舶200の車両搭載部230に電源車50が搭載され、且つ、電源車50に搭載された交流電源40により二次電池30を充電する。船舶用電気推進システム100は、当該交流電源40から供給された交流電力を、電力変換部24により直流電力に変換する。このため、船舶用電気推進システム100は、当該直流電力で二次電池30を充電しつつ、当該二次電池30から推進用電動機10に電力を供給できる。このため、船舶200が海洋において試験を実施する場合、船舶200は、電源車50が搭載されない場合よりも長時間にわたり試験を実施できる。
【0040】
船舶200は、一または複数の二次電池30の総容量を消費した場合の電力よりも多くの電力を消費する試験を、連続して実施してよい。船舶200が試験を連続して実施するとは、船舶200が二次電池30を充電するために一旦港へ戻るというステップを経ずに、海洋において所定の試験を纏めて実施することを指す。船舶200が試験を連続して実施するとは、海洋において二次電池30から推進用電動機10への電力の供給を一度も停止せずに、連続して試験を実施することを指さない。言い換えると、船舶200は、海洋において一の試験を実施した後、他の試験を実施する前までの間においては、二次電池30から推進用電動機10への電力の供給を停止してもよい。
【0041】
本例においては、船舶用電気推進システム100は、電源車50に搭載された交流電源40から供給された交流電力を変換した直流電力で二次電池30を充電しつつ、当該二次電池30から推進用電動機10に電力を供給できる。このため、船舶200は、二次電池30の総容量を消費した場合の電力よりも多くの電力を消費する試験を、連続して実施しやすくなる。
【0042】
電力変換部24は、船舶200が試験を実施している場合に、二次電池30への充電を実施してよい。言い換えると、電力変換部24は、船舶200が一の試験を実施している期間において、並行して二次電池30への充電を実施してよい。これにより、当該一の試験を実施した後において、船舶用電気推進システム100は、電力変換部24が並行して二次電池30への充電を実施しない場合と比較して、二次電池30の蓄電量を増加させることができる。これにより、船舶200は複数の種類の試験を連続して実施しやすくなる。
【0043】
電力変換部24は、船舶200が試験を実施している場合に、二次電池30への充電を停止してもよい。言い換えると、電力変換部24は、船舶200が一の試験を実施している期間において、並行して二次電池30への充電を実施しなくてもよい。これにより、船舶200が当該一の試験を実施している期間において、船舶用電気推進システム100は、二次電池30から推進用電動機10への電力の供給を安定化させることができる。電力変換部24は、船舶200が一の試験を実施した後、他の試験を実施する前までの間において、二次電池30への充電を実施してもよい。
【0044】
上述したとおり、船舶200が行う試験には複数の種類が存在する。船舶200が海洋において複数の試験を実施する場合、1種類の試験を実施する場合よりも、二次電池30から供給される電力が減少しやすい。このため、二次電池30の電力は推進用電動機10を駆動不可能な充電量になりやすい。
【0045】
本例においては、船舶200の車両搭載部230に電源車50が搭載され、且つ、電源車50に搭載された交流電源40により二次電池30を充電するので、上述したとおり、船舶200は、電源車50が搭載されない場合よりも長時間にわたり試験を実施しやすくなる。また、本例の船舶用電気推進システム100は電力変換部24を備えているので、船舶200に電源車50が搭載されるだけで、船舶200は試験を実施できる。このため、船舶200が試験を実施するための準備が簡略化される。このため、船舶200が試験を実施するための準備に要する時間が短縮化される。
【0046】
図4は、本発明の一つの実施形態に係る船舶用電気推進システム100の他の一例を示すシステム構成図である。図4において、船舶用電気推進システム100の範囲が粗い破線部にて示されている。
【0047】
船舶用電気推進システム100は、一または複数の推進用電動機10と、一または複数の一の二次電池32と、一または複数の他の二次電池34と、一または複数の電力変換部26と、を備える。一の二次電池32は、推進用電動機10に電力を供給する。他の二次電池34は、推進用電動機10に電力を供給する。電力変換部26は、交流電源40からの交流電力を直流電力に変換する。電力変換部26は、当該直流電力により一の二次電池32および他の二次電池34の少なくとも一方を充電する。
【0048】
本例の船舶用電気推進システム100は、2つの推進用電動機10と、2つの一の二次電池32と、2つの他の二次電池34と、2つの電力変換部20とを備える。本例において、2つの推進用電動機10の一方および他方を、それぞれ一の推進用電動機10−1および他の推進用電動機10−2とする。
【0049】
船舶用電気推進システム100は、変圧器18およびスイッチ60をさらに備えてよい。電力変換部26には、変圧器18によって一の二次電池32および他の二次電池34向けに変圧された交流電力が供給されてよい。
【0050】
本例の船舶用電気推進システム100は、2つの電力変換部26を備える。本例において、2つの電力変換部26の一方および他方を、それぞれ一の電力変換部26−1および他の電力変換部26−2とする。スイッチ60は、一の二次電池32と他の推進用電動機10−2との電気的接続を制御し、且つ、他の二次電池34と一の推進用電動機10−1との電気的接続を制御する。
【0051】
一の二次電池32および他の二次電池34を充電する場合、スイッチ60をオンにすることにより、一の電力変換部26−1および他の電力変換部26−2が、一の二次電池32を充電してよく、且つ、他の二次電池34を充電してよい。一の二次電池32を充電する場合、スイッチ60をオフにすることにより、一の電力変換部26−1が一の二次電池32を充電してよく、且つ、他の電力変換部26−2が一の二次電池32を充電しなくてもよい。他の二次電池34を充電する場合、スイッチ60をオフにすることにより、他の電力変換部26−2が他の二次電池34を充電してよく、且つ、一の電力変換部26−1が他の二次電池34を充電しなくてもよい。
【0052】
一の二次電池32および他の二次電池34が放電する場合、スイッチ60をオフにすることにより、一の二次電池32は一の推進用電動機10−1に電力を供給してよく、且つ、他の推進用電動機10−2に電力を供給しなくてよい。一の二次電池32および他の二次電池34が放電する場合、スイッチ60をオフにすることにより、他の二次電池34は他の推進用電動機10−2に電力を供給してよく、且つ、一の推進用電動機10−1に電力を供給しなくてよい。この場合、一の二次電池32が放電することによる一の推進用電動機10−1への電力の供給と、他の二次電池34が放電することによる他の推進用電動機10−2への電力の供給は、同じタイミングで実施されてよく、異なるタイミングで実施されてもよい。
【0053】
船舶用電気推進システム100は、複数の電力変換部22、複数の変圧器14および複数の船内負荷12をさらに備えてよい。本例の船舶用電気推進システム100は、2つの電力変換部22(電力変換部22−1および電力変換部22−2)、2つの変圧器14(変圧器14−1および変圧器14−2)および2つの船内負荷12(船内負荷12−1および船内負荷12−2)を備える。
【0054】
スイッチ60がオフである場合、電力変換部22−1は、一の二次電池32の直流電力を交流電力に変換する。電力変換部22−1は、船内負荷12−1に当該交流電力を供給する。船内負荷12−1には、変圧器14−1によって船内負荷12−1向けに変圧された交流電力が供給されてよい。
【0055】
スイッチ60がオフである場合、電力変換部22−2は、他の二次電池34の直流電力を交流電力に変換する。電力変換部22−2は、船内負荷12−2に当該交流電力を供給する。船内負荷12−2には、変圧器14−2によって船内負荷12−2向けに変圧された交流電力が供給されてよい。
【0056】
本例の船舶用電気推進システム100は、一の二次電池32と他の推進用電動機10−2との電気的接続を制御し、且つ、他の二次電池34と一の推進用電動機10−1との電気的接続を制御するスイッチ60をさらに備える。このため、一の二次電池32および他の二次電池34が放電する場合、船舶用電気推進システム100は、スイッチ60をオフにすることにより、一の二次電池32から一の推進用電動機10−1および船内負荷12−1への電力の供給と、他の二次電池34から他の推進用電動機10−2および船内負荷12−2への電力の供給とを、独立して制御できる。
【0057】
図5は、本発明の一つの実施形態に係る船舶用電気推進方法の一例を示すフローチャートである。以下、本発明の一つの実施形態に係る船舶用電気推進方法を、図2に示される船舶用電気推進システム100を例に説明する。
【0058】
交流電源40から供給された交流電力を、交流電力Paとする。交流電力Paが、電力変換部24により変換された直流電力を、直流電力Pdとする。船舶用電気推進方法は、船舶200に備えられた電力変換部24が、交流電力Paを直流電力Pdに変換するステップS100と、船舶200に備えられた二次電池30を直流電力Pdにより充電するステップS110と、を備える。
【0059】
本例の船舶用電気推進方法において、二次電池30は、船舶200を推進させる推進用電動機10に電力を供給する。本例の船舶用電気推進方法において、二次電池30は、推進用電動機10への主要な電力供給源である。二次電池30は、推進用電動機10への唯一の電力供給源であってもよい。
【0060】
本例の船舶用電気推進方法は、船舶200に備えられた電力変換部24が交流電力Paを直流電力Pdに変換するステップS100を備えている。このため、本例の船舶用電気推進方法においては、交流電源40が船舶200に搭載されている場合においても、電力変換部24は、船舶200に備えられた二次電池30を直流電力Pdにより充電できる。
【0061】
船舶用電気推進方法は、ステップS100の前に、交流電源40が搭載された電源車50を船舶200に搭載するステップをさらに備えてもよい。当該ステップにおいて、電源車50は車両搭載部230に搭載されてよい。当該ステップは、船舶200が港に停泊中に実施されてよい。当該ステップは、交流電源40が搭載されたコンテナを、船舶200に搭載するステップであってもよい。
【0062】
船舶用電気推進方法は、ステップS110の後に、二次電池30から推進用電動機10に電力を供給することにより、船舶200が試験を実施するステップをさらに備えてもよい。当該ステップは、ステップS110と並行して実施されてもよい。即ち、船舶200は、二次電池30を直流電力Pdにより充電しながら試験を実施してもよい。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0064】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0065】
10・・・推進用電動機、12・・・船内負荷、14・・・変圧器、16・・・変圧器、18・・・変圧器、20・・・電力変換部、22・・・電力変換部、24・・・電力変換部、26・・・電力変換部、30・・・二次電池、32・・・二次電池、34・・・二次電池、40・・・交流電源、50・・・電源車、60・・・スイッチ、100・・・船舶用電気推進システム、200・・・船舶、210・・・船体、220・・・スクリュー、230・・・車両搭載部
図1
図2
図3
図4
図5