特開2021-54503(P2021-54503A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-54503(P2021-54503A)
(43)【公開日】2021年4月8日
(54)【発明の名称】液注入装置及び液注入方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/04 20060101AFI20210312BHJP
   B65B 39/00 20060101ALI20210312BHJP
【FI】
   B65B3/04
   B65B39/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-180728(P2019-180728)
(22)【出願日】2019年9月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】東洋自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】安平 正則
(72)【発明者】
【氏名】高杉 和成
【テーマコード(参考)】
3E055
3E118
【Fターム(参考)】
3E055AA01
3E055BA10
3E055CA01
3E055DA04
3E055DA19
3E055EA08
3E055EB03
3E055FA04
3E118AA02
3E118AB14
3E118BA04
3E118BB04
3E118CA01
3E118DA02
3E118EA01
3E118FA03
(57)【要約】
【課題】簡素な装置構成によって、液体の吐出速度の上昇を抑えつつ、信頼性の高い液体吐出を行うのに有利な液注入装置及び液注入方法を提供する。
【解決手段】容器90内に液体50を注入する液注入装置10は、ノズル本体部11、ノズル本体部11の外側に配置される弁体保持部12、弁体保持部12によって支持される弁体13、及び開閉駆動部を備える。ノズル本体部11は、上下方向Dvに延びる液流路21と、液流路21に接続され且つ下向きに開口する液吐出口22とを有する。開閉駆動部は、ノズル本体部11及び弁体保持部12のうちの少なくともいずれか一方を上下方向Dvに移動させて、液吐出口22及び弁体13の相対位置を、弁体13が液吐出口22を塞ぐようにノズル本体部11に密着する閉口位置と、弁体13が液吐出口22を塞がないようにノズル本体部11から離れている開口位置との間で変える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に液体を注入する液注入装置であって、
上下方向に延びる液流路と、前記液流路に接続され且つ下向きに開口する液吐出口と、を有するノズル本体部と、
前記ノズル本体部の外側に配置される弁体保持部と、
前記弁体保持部によって支持される弁体と、
前記ノズル本体部及び前記弁体保持部のうちの少なくともいずれか一方を上下方向に移動させて、前記液吐出口及び前記弁体の相対位置を、前記弁体が前記液吐出口を塞ぐように前記ノズル本体部に密着する閉口位置と、前記弁体が前記液吐出口を塞がないように前記ノズル本体部から離れている開口位置との間で変える開閉駆動部と、を備える液注入装置。
【請求項2】
前記弁体保持部は、前記ノズル本体部に隣り合う位置で上下方向に延在する垂直延在部を有し、
前記垂直延在部は、上下方向に延在する切欠部を有し、
前記切欠部において、前記ノズル本体部の一部が前記垂直延在部よりも水平方向に突出している請求項1に記載の液注入装置。
【請求項3】
前記容器の開かれた口部は、相互に直角を成す方向に関し、第1の開口径と、前記第1の開口径よりも小さい第2の開口径と、を有し、
前記弁体は、前記弁体保持部の下方先端部側に取り付けられており、
前記弁体保持部のうちの少なくとも下方先端部側の部分は、第1水平方向に関し、前記第1の開口径よりも小さく且つ前記第2の開口径よりも大きく、
前記ノズル本体部のうちの少なくとも下方先端部側の部分は、前記第1水平方向と直角を成す第2水平方向に関し、前記第2の開口径よりも小さい径を有する請求項1又は2に記載の液注入装置。
【請求項4】
上下方向に延びる液流路と、前記液流路に接続され且つ下向きに開口する液吐出口と、を有するノズル本体部と、前記ノズル本体部の外側に配置される弁体保持部と、前記弁体保持部によって支持される弁体と、前記ノズル本体部及び前記弁体保持部のうちの少なくともいずれか一方を上下方向に移動させて、前記液吐出口及び前記弁体の相対位置を、前記弁体が前記液吐出口を塞ぐように前記ノズル本体部に密着する閉口位置と、前記弁体が前記液吐出口を塞がないように前記ノズル本体部から離れている開口位置との間で変える開閉駆動部と、を備える液注入装置であって、前記弁体保持部は、前記ノズル本体部に隣り合う位置で上下方向に延在する垂直延在部を有し、前記垂直延在部は、上下方向に延在する切欠部を有し、前記切欠部において、前記ノズル本体部の一部が前記垂直延在部よりも水平方向に突出している液注入装置によって、袋内に液体を注入する液注入方法であって、
前記袋の両側縁部のそれぞれをグリッパーで保持しつつ、前記垂直延在部のうちの少なくとも下方先端部側の部分及び前記ノズル本体部のうちの少なくとも下方先端部側の部分を前記袋の内側に挿入し、前記閉口位置に置かれている前記液吐出口及び前記弁体を前記袋内に配置する工程と、
前記袋内に前記液吐出口及び前記弁体が配置されている状態で、前記開閉駆動部によって前記液吐出口及び前記弁体の相対位置を前記閉口位置から前記開口位置に変える工程と、を含み、
前記袋内において前記垂直延在部が前記グリッパーに対向し且つ前記切欠部が前記袋の表側壁部及び裏側壁部のうちの少なくともいずれか一方と対向するように、前記ノズル本体部のうちの下方先端部側の部分及び前記垂直延在部の下方先端部側の部分が前記袋の内側に挿入される液注入方法。
【請求項5】
前記弁体は前記開口位置において前記液吐出口の直下に位置し、前記液流路から前記液吐出口を介して前記弁体に向けて吐出された前記液体が、前記弁体の傾斜面により前記袋の内壁面に向けて誘導される請求項4に記載の液注入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液注入装置及び液注入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、容器に液状物を充填するための液状物充填ノズルを開示する。この液状物充填ノズルにおいて、充填筒の吐出口は弁本体によって開閉される。この弁本体は、充填筒内に延在する弁ロッドの先端部に取り付けられており、弁ロッドによって上下方向に移動させられる。
【0003】
特許文献2が開示する液体充填ノズルでは、左右のゲートが開かれることによってノズル本体の開口部から容器内に液体が注入される。
【0004】
特許文献3及び特許文献4が開示する装置では、筒状体の側壁に吐出口が形成されており、当該吐出口から吐出された液体が容器内に注入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−58615号公報
【特許文献2】実公昭62−44958号公報
【特許文献3】特開平9−2402号公報
【特許文献4】実開平5−51707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の液状物充填ノズルでは、充填筒の内部の液流路に弁ロッドが設置されている。したがって液流路の実質的な断面積は、液流路の名目上の断面積から弁ロッドの断面積が減じられた値となり、液流路の本来の断面積(すなわち名目上の断面積)よりも小さい。液流路の断面積が小さいと、液流路内における液体の速度が増大し、液体が吐出口から勢いよく吐出されやすくなる。容器に対して液体が勢いよく衝突すると、液体が容器外に飛散したり、容器内で液体が泡立ったりするなど、不具合が生じうる。
【0007】
特許文献2の液体充填ノズルでは、左右のゲートが開かれることによって液体が容器の底部に向けて落下するが、構造上、容器の底部までの液体の落下距離が大きくなる傾向がある。そのため、液体が容器の底部に対して勢いよく衝突し、容器外への液体の飛散や容器内における液体の泡立ちなどの不具合が生じる懸念がある。
【0008】
特許文献3及び特許文献4の装置では、吐出口を有する筒状体(すなわち内筒)を取り囲むように外筒が設けられており、吐出口から液体を吐出させない間は、内筒と外筒との間に密閉空間が形成される。すなわち、水平方向に開口する吐出口を、上下方向に移動する外筒によって開閉するため、外筒の上下動に応じて内筒と外筒との間の空間が密閉及び開放される。このように内筒と外筒との間の空間を介して液体の吐出をコントロールする場合、比較的大がかりな装置が必要とされ、また信頼性の高い吐出コントロールを行うことが簡単ではない。
【0009】
例えば、特許文献3及び特許文献4の各々の装置では、液体を吐出しない間、内筒と外筒との間の密閉空間に液体が流入する。内筒と外筒との間の密閉空間に流入する液体の量は内筒内の液体の量によって変わり、当該密閉空間に大量の液体が流入すると、密閉空間内の液圧が高まって、密閉空間から液体が漏れ出してしまう懸念がある。また特許文献4の装置では、コイルばねの付勢力によって内筒が上方に移動して外筒内に格納され、内筒の下端側に取り付けられたシール部材が内筒と外筒との間の空間を密閉することによって吐出孔からの液体の吐出が停止される。したがって特許文献4の装置では、シール部材が外筒との接触によって徐々に摩耗し、内筒と外筒との間の空間の密閉性が時間の経過とともに悪化しやすい。
【0010】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、簡素な装置構成によって、液体の吐出速度の上昇を抑えつつ、信頼性の高い液体吐出を行うのに有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、容器内に液体を注入する液注入装置であって、上下方向に延びる液流路と、液流路に接続され且つ下向きに開口する液吐出口と、を有するノズル本体部と、ノズル本体部の外側に配置される弁体保持部と、弁体保持部によって支持される弁体と、ノズル本体部及び弁体保持部のうちの少なくともいずれか一方を上下方向に移動させて、液吐出口及び弁体の相対位置を、弁体が液吐出口を塞ぐようにノズル本体部に密着する閉口位置と、弁体が液吐出口を塞がないようにノズル本体部から離れている開口位置との間で変える開閉駆動部と、を備える液注入装置に関する。
【0012】
弁体保持部は、ノズル本体部に隣り合う位置で上下方向に延在する垂直延在部を有し、垂直延在部は、上下方向に延在する切欠部を有し、切欠部において、ノズル本体部の一部が垂直延在部よりも水平方向に突出していてもよい。
【0013】
容器の開かれた口部は、相互に直角を成す方向に関し、第1の開口径と、第1の開口径よりも小さい第2の開口径と、を有し、弁体は、弁体保持部の下方先端部側に取り付けられており、弁体保持部のうちの少なくとも下方先端部側の部分は、第1水平方向に関し、第1の開口径よりも小さく且つ第2の開口径よりも大きく、ノズル本体部のうちの少なくとも下方先端部側の部分は、第1水平方向と直角を成す第2水平方向に関し、第2の開口径よりも小さい外径を有してもよい。
【0014】
本発明の他の態様は、上下方向に延びる液流路と、液流路に接続され且つ下向きに開口する液吐出口と、を有するノズル本体部と、ノズル本体部の外側に配置される弁体保持部と、弁体保持部によって支持される弁体と、ノズル本体部及び弁体保持部のうちの少なくともいずれか一方を上下方向に移動させて、液吐出口及び弁体の相対位置を、弁体が液吐出口を塞ぐようにノズル本体部に密着する閉口位置と、弁体が液吐出口を塞がないようにノズル本体部から離れている開口位置との間で変える開閉駆動部と、を備える液注入装置であって、弁体保持部は、ノズル本体部に隣り合う位置で上下方向に延在する垂直延在部を有し、垂直延在部は、上下方向に延在する切欠部を有し、切欠部において、ノズル本体部の一部が垂直延在部よりも水平方向に突出している液注入装置によって、袋内に液体を注入する液注入方法であって、袋の両側縁部のそれぞれをグリッパーで保持しつつ、垂直延在部のうちの少なくとも下方先端部側の部分及びノズル本体部のうちの少なくとも下方先端部側の部分を袋の内側に挿入し、閉口位置に置かれている液吐出口及び弁体を袋内に配置する工程と、袋内に液吐出口及び弁体が配置されている状態で、開閉駆動部によって液吐出口及び弁体の相対位置を閉口位置から開口位置に変える工程と、を含み、袋内において垂直延在部がグリッパーに対向し且つ切欠部が袋の表側壁部及び裏側壁部のうちの少なくともいずれか一方と対向するように、ノズル本体部のうちの下方先端部側の部分及び垂直延在部の下方先端部側の部分が袋の内側に挿入される液注入方法に関する。
【0015】
弁体は開口位置において液吐出口の直下に位置し、液流路から液吐出口を介して弁体に向けて吐出された液体が、弁体の傾斜面により袋の内壁面に向けて誘導されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡素な装置構成によって、液体の吐出速度の上昇を抑えつつ、信頼性の高い液体吐出を行うのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、第1実施形態に係る液注入装置の一例を示す図である。
図2図2は、図1に示す断面線II−IIに沿った液注入装置の断面を上方から見た図である。
図3図3は、図1に示す液注入装置の外観を示す図である。
図4図4は、液吐出口及び弁体が閉口位置に配置されている状態の液注入装置を示す。
図5図5は、図1に示す液注入装置を用いた液注入方法の一例を説明するための図であり、液注入装置及び袋を側方から見た状態を示す。
図6図6は、図1に示す液注入装置の一部が袋内に配置されている状態を上方から見た図である。
図7図7は、図1に示す液注入装置を用いた液注入方法の一例を説明するための図であり、液注入装置及び袋を側方から見た状態を示す。
図8図8は、図1に示す液注入装置を用いた液注入方法の一例を説明するための図であり、液注入装置及び袋を側方から見た状態を示す。
図9図9は、図1に示す液注入装置を用いた液注入方法の一例を説明するための図であり、液注入装置及び袋を側方から見た状態を示す。
図10図10は、第2実施形態に係る液注入装置の一例の外観を示す図である。
図11図11は、図10に示す液注入装置の一部が袋内に配置されている状態を上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明において、「上下方向」は重力が作用する鉛直方向と平行な方向を指し、「水平方向」は上下方向と直角を成す方向を指す。また「径」は、特にことわりがない限り、水平方向に関する長さを基準とする。
【0019】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る液注入装置10の一例を示す図である。図1において、開閉駆動部14及び支持ベース19は外観が示されており、他の部材は断面(斜線部参照)が示されている。図2は、図1に示す断面線II−IIに沿った液注入装置10の断面を上方から見た図である。図3は、図1に示す液注入装置10の外観を示す図である。図3において、点線で示されている要素は外側から見えない。
【0020】
液注入装置10は、袋等の容器内に液体を注入するための装置であり、ノズル本体部11、弁体保持部12、弁体13及び開閉駆動部14を備える。
【0021】
ノズル本体部11は、上下方向Dvに直線状に延びる液流路21と、液流路21に接続され且つ下向きに開口する液吐出口22とを有する。液流路21及び液吐出口22は、円筒状の本体壁部20によって区画されている。本体壁部20の下方端部は、弁体13(特に後述の傾斜面27)に対して密着及び離間が可能な開口テーパー部25を構成し、当該開口テーパー部25によって液吐出口22が形成されている。
【0022】
開口テーパー部25の内壁面はテーパー状の滑らかな斜面を成し、下方端部に向かうに従って開口テーパー部25の内径(すなわち液吐出口22の開口径)が徐々に大きくなる。開口テーパー部25の内壁面の傾斜の程度は限定されない。液吐出口22の密閉性の観点からは、開口テーパー部25の内壁面の傾斜の程度が、後述の弁体13の傾斜面27の傾斜の程度と合致することが好ましい。すなわち開口テーパー部25の内壁面の傾斜角と弁体13の傾斜面27の傾斜角とが一致し、開口テーパー部25及び傾斜面27がお互いに広い範囲で密着可能であることが好ましい。
【0023】
水平方向Dhに関し、開口テーパー部25の最大内径(すなわち開口テーパー部25の最下端部の内径:本体壁部20の最下端部の内壁面の径)は、弁体13の上面13aの径よりも大きく、弁体13の下面13bの径よりも小さい。また水平方向Dhに関し、開口テーパー部25の最小内径(すなわち開口テーパー部25の最上端部の内径:本体壁部20の内壁面の径)は、弁体13の上面13a及び下面13bの各々の径よりも小さい。
【0024】
ノズル本体部11は、更に液供給部23を有する。液供給部23は、液流路21に連通する供給流路24を有する。図示しない液体供給源が液供給部23に接続され、液体供給源からの液体が供給流路24を介して液流路21に供給される。
【0025】
液流路21には、液体供給源から液体が継続的に供給されてもよいし、供給流路24から液体が断続的に供給されてもよい。例えば、液流路21内の液体が液吐出口22から吐出されていない間だけではなく、液流路21内の液体が液吐出口22から吐出されている間も、供給流路24を介して液体供給源から液流路21に液体が供給され続けてもよい。また液流路21内の液体が液吐出口22から吐出されている間は、液体供給源から液流路21への液体の供給が止められていてもよい。液体供給源から液流路21への液体の供給を間欠的に行う場合、例えば、1つの容器に注入されるべき液体量に相当する量の液体を液流路21に貯留しておき、液流路21内のすべての液体を容器に吐出した後に、次の容器に注入されることになる液体が液体供給源から液流路21に供給されてもよい。
【0026】
弁体保持部12は、ノズル本体部11の外側に配置されており、弁体13を支持する。図示の弁体保持部12は、ノズル本体部11に隣り合う位置で上下方向Dvに延在する円筒状の垂直延在部31と、垂直延在部31の下方端部の内壁面に固定され水平方向Dhに延在する水平延在部32と、垂直延在部31の内側において上下方向Dvに延びる貫通孔33と、を有する。水平延在部32に隣り合う位置には吐出穴34が形成される。吐出穴34は、垂直延在部31及び水平延在部32によって区画され、貫通孔33の一部(特に貫通孔33の下端部)によって構成される。水平方向Dhに関し、貫通孔33の水平方向Dhの径(すなわち垂直延在部31の内径)は、本体壁部20の外径よりも大きい。本体壁部20(特に下方側部分)は貫通孔33内に配置され、垂直延在部31は本体壁部20を囲む。
【0027】
図示の垂直延在部31の下方端部の内壁面は、テーパー状の斜面を成し、下方に向かうに従って径が大きくなっている。垂直延在部31の下方端部の内壁面(図示の例ではテーパー面)には、水平方向に延在する水平延在部32が固定されている。水平延在部32は、垂直延在部31と同一部材によって一体的に構成されていてもよいし、任意の固定手段を介して垂直延在部31に取り付けられていてもよい。図示の水平延在部32は、垂直延在部31から水平方向Dhに延びる十字形状部材によって構成されており、水平延在部32の中心軸線(すなわち十字形状部材の中心軸線)が貫通孔33の円形断面の中心軸線と一致する。
【0028】
水平延在部32上には弁体13が固定されている。図示の例では、水平延在部32の中心(すなわち十字形状部材の交差部分)上に弁体13が固定されている。このように弁体13は、水平延在部32を介し、垂直延在部31の下方先端部側に取り付けられている。
【0029】
図示の弁体13は円錐台形状を有する。すなわち弁体13は、相対的に小さい径を有する上面13a、相対的に大きな径を有する下面13b、及び上面13aと下面13bとの間で延びる傾斜面27を有する。図示の傾斜面27は、線形テーパー形状を有し、下方向に向かうほど水平方向Dhに関する径が大きくなる。弁体13の最大径(本例では下面13bの径)は、開口テーパー部25の最小内径よりも大きく、図示の例では開口テーパー部25の最大内径(すなわち開口テーパー部25の下方端部の内径)よりも大きい。
【0030】
垂直延在部31は支持ベース19に固定されている。弁体13は、水平延在部32及び垂直延在部31を介し、支持ベース19に固定されている。支持ベース19には開閉駆動部14(特に駆動本体部14a)が固定されている。駆動本体部14aには、駆動ロッド14bを介して本体壁部20が取り付けられている。駆動ロッド14bは、駆動本体部14aから下方向に突出し、駆動本体部14aにより駆動されて突出量が変えられる。典型的には、開閉駆動部14はエアシリンダによって構成可能であるが、モーター等の他の駆動手段(例えばボールねじ機構等)を用いて開閉駆動部14が構成されていてもよい。
【0031】
このように図示の液注入装置10では、開閉駆動部14によってノズル本体部11の本体壁部20を上下方向Dvに移動させることで、液吐出口22及び弁体13の上下方向Dvに関する相対位置を変えることができる。また図示しない移動駆動装置によって支持ベース19を移動させることで、液注入装置10の全体を上下方向Dv及び水平方向Dhに移動させることができる。
【0032】
図4は、液吐出口22及び弁体13が閉口位置に配置されている状態の液注入装置10を示す。図4において、開閉駆動部14及び支持ベース19は外観が示されており、他の部材は断面(斜線部参照)が示されている。なお液吐出口22及び弁体13が開口位置に配置されている状態の液注入装置10は、図1に示されている。
【0033】
図1に示すように駆動本体部14aからの駆動ロッド14bの下方への突出量が相対的に小さく調整され、弁体13が液吐出口22を塞がないようにノズル本体部11(特に本体壁部20)から離れることによって、液吐出口22及び弁体13は開口位置に置かれる。一方、図4に示すように駆動本体部14aからの駆動ロッド14bの下方への突出量が相対的に大きく調整され、弁体13が液吐出口22を塞ぐように、弁体13(特に傾斜面27)がノズル本体部11(特に本体壁部20の開口テーパー部25)に隙間無く密着することによって、液吐出口22及び弁体13は閉口位置に置かれる。
【0034】
このようにノズル本体部11の本体壁部20を上下方向Dvに移動させることで、液吐出口22及び弁体13の上下方向Dvに関する相対位置が変えられる。ただし、図示は省略するが、開閉駆動部14は、弁体保持部12(例えば垂直延在部31)を上下方向Dvに移動させることで、液吐出口22及び弁体13の上下方向Dvに関する相対位置を変えてもよい。開閉駆動部14は、ノズル本体部11及び弁体保持部12のうちの少なくともいずれか一方を上下方向Dvに移動させることで、液吐出口22及び弁体13の相対位置を開口位置と閉口位置との間で変えてもよい。
【0035】
次に、液注入装置10によって容器内に液体を注入する液注入方法の一例を説明する。以下に例示される液注入方法では、容器として袋が用いられ、袋内に液体が注入される。ただし、袋以外の容器に液体を注入する場合にも、下記の液注入方法を応用することが可能である。
【0036】
図5及び図7図9は、図1に示す液注入装置10を用いた液注入方法の一例を説明するための図であり、液注入装置10及び袋90を側方から見た状態を示す。図6は、図1に示す液注入装置10の一部が袋90内に配置されている状態を上方から見た図である。図5及び図7図9において、点線で示されている要素は外側から見えない。図6において、液注入装置10の垂直延在部31及び本体壁部20は断面状態が示されている。
【0037】
まず図5に示すように、閉口位置に置かれている液吐出口22及び弁体13が袋90内に配置される。具体的には、袋90の両側縁部91のそれぞれがグリッパー80で保持されつつ、弁体保持部12(特に垂直延在部31)のうちの少なくとも下方先端部側の部分及びノズル本体部11(特に本体壁部20)のうちの少なくとも下方先端部側の部分が袋90の内側に挿入される。
【0038】
図示の袋90は、柔軟部材(例えば樹脂フィルム及び/又はメタルフィルム)によって構成される表側壁部92及び裏側壁部93を含む。表側壁部92及び裏側壁部93は、お互いに対向して位置し、且つ、両側縁部(すなわち左右端部)及び底部(すなわち下方端部)においてお互いに接合(例えば溶着)されている。一方、表側壁部92及び裏側壁部93は、上方端部において、お互いに接合されておらず、お互いに対して密着及び離間するように移動可能に構成されている。袋90の両側縁部91は、表側壁部92及び裏側壁部93のうちの両側縁部(すなわち接合部分)により構成されている。また袋90の口部94は、表側壁部92及び裏側壁部93のうちの上方端部によって構成されている。
【0039】
袋90の口部94は、両側縁部91間の距離に応じて開閉可能である。両側縁部91間の距離が相対的に大きく、表側壁部92及び裏側壁部93の上方端部が緊張させられることによって、口部94は閉じられる。一方、両側縁部91間の距離が相対的に小さく、表側壁部92及び裏側壁部93の上方端部が弛緩させられることによって、口部94は開かれる。
【0040】
本例の袋90の口部94は、図6に示すように開かれる。すなわち袋90の開かれた口部94は、相互に直角を成す水平方向Dhに関し、第1の開口径(第1水平方向Dh1)と、第1の開口径よりも小さい第2の開口径(第2水平方向Dh2)と、を有する。図6に示す口部94において、第1の開口径の基準となる第1水平方向Dh1は、グリッパー80が並べられる方向(すなわち袋90の両側縁部91が並べられる方向)と一致しており、第2の開口径の基準となる第2水平方向Dh2は、第1水平方向Dh1と直角を成す。
【0041】
ノズル本体部11、弁体保持部12及び弁体13は、図6に示すように開かれた状態の口部94を介して、袋90の内側に挿入される。本例では、液注入装置10のうち袋90内に挿入される部分(すなわち垂直延在部31、水平延在部32、本体壁部20及び弁体13)の径は、口部94の径(第1の開口径及び第2の開口径を含む)よりも小さい。したがってノズル本体部11、弁体保持部12及び弁体13は、袋90の内側にスムーズに挿入される。
【0042】
そして袋90内に液吐出口22及び弁体13が配置されている状態で、開閉駆動部14(図1参照)によって液吐出口22及び弁体13の相対位置が閉口位置(図5参照)から開口位置(図7参照)に変えられる。これにより、重力の影響下で、液流路21内の液体50が液吐出口22から袋90内に吐出される。
【0043】
弁体13は、開口位置において液吐出口22の直下に配置され、上下方向Dvに関して液吐出口22の全体と向かい合う。そのため液体50は、液流路21から液吐出口22を介して弁体13に向けて吐出される。弁体13上に着地した液体50は、傾斜面27に沿って放射方向に流れ、吐出穴34から吐出される。このように液吐出口22から吐出された液体50は、弁体13の傾斜面27によって袋90の内壁面(すなわち表側壁部92及び裏側壁部93の内面)に向けて誘導され、袋90の内壁面を介して袋90の底部に貯留される。
【0044】
そして袋90内に十分量の液体50が吐出されて貯留された後、開閉駆動部14(図1参照)により、袋90の内側において液吐出口22及び弁体13の相対位置が開口位置(図7参照)から閉口位置(図8参照)に変えられる。そして液吐出口22及び弁体13が閉口位置を維持した状態で、移動駆動装置(図示省略)によって支持ベース19とともに液注入装置10が上方向に移動させられ、液注入装置10の全体が袋90の外側に配置される(図9参照)。
【0045】
その後、十分量の液体50を貯留している袋90は、図示しない搬送装置によって後段に送られ、後段において各種処理を受ける。
【0046】
以上説明したように本実施形態の液注入装置10及び液注入方法によれば、簡素な装置構成によって、液体の吐出速度の上昇を抑えつつ、信頼性の高い液体吐出を行うことができる。特に、弁体13はノズル本体部11の外側に設けられる弁体保持部12によって保持されるので、ノズル本体部11の液流路21の断面積を大きくすることが容易である。
【0047】
弁体13を保持する保持構造体が液流路21内に設けられる場合、この保持構造体の存在によって液流路21の断面積は必然的に狭くなる。液流路21の断面積が小さい場合、液流路21における液体50の流速が速くなったり、液流路21における液体50の流量が少なくなったりする。液流路21における液体50の流速が速いと、液吐出口22から吐出される液体50の速度も速くなり、袋(容器)90に対して液体50が勢いよく衝突して、液体50の不要な泡立ちや飛散が生じやすくなる。また液流路21における液体50の流量が少ないと、袋90への液体50の注入に要する時間が長くなる。
【0048】
一方、本実施形態によれば、保持構造体(すなわち弁体保持部12)によって液流路21の断面積が狭くなることがないため、限られた領域において大きな断面積の液流路21を確保することが容易である。これにより、液流路21における液体50の流速を抑えつつ、液流路21における液体50の流量を多くすることが可能であり、液体50の不要な泡立ちや飛散を防いで、袋90への液体50の注入に要する時間を短くすることができる。
【0049】
また本実施形態によれば、液吐出口22から吐出された液体50は、弁体13を経て袋90の底部に向けて落下し、特に、弁体13の傾斜面27によって袋90の内壁面に向けて誘導されつつ落下する。このように液体50が液吐出口22から袋90の底部に直接的に落下して着地するのを防ぎ、液吐出口22から吐出される液体50の勢いを弁体13及び袋90の内壁面により抑えることで、液体50の泡立ちや飛散を効果的に低減することができる。
【0050】
また本実施形態によれば、下方に向けて開口する液吐出口22を弁体13によって直接的に塞ぐことで、液吐出口22からの液体50の吐出が止められる。このように、簡素に構成可能な弁体13と液吐出口22との間の相対位置を調整することによって、液吐出口22を確実に開閉することができる。
【0051】
また液吐出口22の開口方向(すなわち下向き方向)は、液吐出口22と弁体13との間の相対的な移動方向(特に上向き方向及び下向き方向)と一致し、平行の関係を有する。そのため、液吐出口22及び弁体13を上下方向Dvに相対的に移動させるだけで、弁体13によって液吐出口22を直接的に閉じたり開いたりすることができる。したがって本体壁部20と垂直延在部31との間の空間を密閉するためのOリング等の摩耗品を設置する必要がない。このように本実施形態によれば、液体50を貯留可能な密閉空間を本体壁部(すなわち内筒)20と垂直延在部(すなわち外筒)31との間に設けることなく、省スペース且つ少ない部品数によって、液体50の吐出の有無をコントロールすることができる。
【0052】
また図示の液注入装置10では、本体壁部20の開口テーパー部25に対して弁体13の傾斜面27を密着させることで、液吐出口22が閉じられる。このようにテーパー面同士の密着及び離間によって液吐出口22の開閉をコントロールすることにより、液吐出口22を高い信頼性で確実に閉じることができるとともに、液吐出口22を簡単且つ確実に開くことができる。
【0053】
また液流路21を上下方向Dvに直線状に設けるとともに液吐出口22を下方に向けて開口させることによって、液流路21及び液吐出口22を直線上に設置することができる。そのため液流路21及び液吐出口22の洗浄作業を簡単且つ便利に行うことができ、洗浄性に優れた液注入装置10を実現することができる。
【0054】
[第2実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は類似の構成には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0055】
図10は、第2実施形態に係る液注入装置10の一例の外観を示す図である。図10において、点線で示されている要素は外側から見えない。図11は、図10に示す液注入装置10の一部が袋90内に配置されている状態を上方から見た図である。図11において、液注入装置10の垂直延在部31及び本体壁部20は断面状態が示されている。
【0056】
本実施形態の垂直延在部31は、上下方向Dvに延在する2つの切欠部35を有する。各切欠部35は垂直延在部31の最下端部まで延びており、各切欠部35の下端部は、垂直延在部31及び水平延在部32によって区画される吐出穴34を構成する。
【0057】
図示の2つの切欠部35はお互いに対向する位置に設けられており、各切欠部35は、お互いに対向する位置に設けられる垂直延在部31の2つの部分によって区画されている。各切欠部35は、垂直延在部31のうち袋90内に挿入されることが予定される部分(本例では垂直延在部31のうち上下方向Dvに延びる2つの部分)に隣り合って設けられる。
【0058】
各切欠部35において、ノズル本体部11の本体壁部20の一部が垂直延在部31よりも水平方向Dhに突出している。
【0059】
弁体13が固定される水平延在部32は、垂直延在部31の下方端部の内壁面に固定され且つ水平方向に直線状に延びる。
【0060】
本実施形態の袋90の口部94も、上述の第1実施形態の口部94と同様にして開かれる。すなわち図11に示すように、口部94は、相互に直角を成す水平方向Dhに関し、第1の開口径(第1水平方向Dh1)と、第1の開口径よりも小さい第2の開口径(第2水平方向Dh2)と、を有する。図11に示す口部94において、第1の開口径の基準となる第1水平方向Dh1は、グリッパー80が並べられる方向(すなわち袋90の両側縁部91が並べられる方向)と一致しており、第2の開口径の基準となる第2水平方向Dh2は、第1水平方向Dh1と直角を成す。
【0061】
弁体保持部12の垂直延在部31のうちの少なくとも下方先端部側の部分は、第1水平方向Dh1に関し、開かれた口部94の第1の開口径よりも小さく且つ第2の開口径よりも大きい。またノズル本体部11の本体壁部20のうちの少なくとも下方先端部側の部分は、第1水平方向Dh1と直角を成す第2水平方向Dh2に関し、第2の開口径よりも小さい径を有する。また弁体13の最大径(本例では下面13bの径)は、第1水平方向Dh1及び第2水平方向Dh2の各々に関し、第2の開口径よりも小さく、開かれた口部94の最小開口径よりも小さい。
【0062】
本実施形態の液注入装置10の他の構成は、上述の第1実施形態の液注入装置10の構成と同様に構成されている。
【0063】
本実施形態の液注入方法は、基本的には、上述の第1実施形態の液注入方法と同様にして行われる。ただし本実施形態では、図11に示すように、袋90内において垂直延在部31がグリッパー80に対向し且つ切欠部35が袋90の表側壁部92及び裏側壁部93と対向するように、ノズル本体部11の本体壁部20うちの下方先端部側の部分及び垂直延在部31のうちの下方先端部側の部分が、袋90の内側に挿入される。すなわち袋90の両側縁部91を把持するグリッパー80同士を結ぶ直線(本例では第1水平方向Dh1と平行に延びる直線)上に、切欠部35と隣り合うようにして設けられる垂直延在部31の2つの部分が配置される。一方、各切欠部35は、グリッパー80同士を結ぶ直線上には配置されず、開かれた口部94が最小径を有する第2水平方向Dh2に向けられている。したがって本体壁部20及び弁体13は、第2水平方向Dh2に関して垂直延在部31から露出する。
【0064】
このように、液注入装置10のうちの相対的に大きな径を持つ部分が、袋90の口部94のうち相対的に大きな径を持つ方向に向けられ、液注入装置10のうち相対的に小さな径を持つ部分が、口部94のうちの相対的に小さな径を持つ方向に向けられる。これにより、口部94の全体の開口の程度を抑えつつ、ノズル本体部11(本体壁部20)、弁体保持部12(垂直延在部31)及び弁体13を袋90内にスムーズに挿入することができる。
【0065】
また垂直延在部31に切欠部35が形成されることによって、垂直延在部31及び水平延在部32によって区画される吐出穴34の水平方向Dhに関する面積を大きくすることができる。したがって液吐出口22から吐出された液体50の流れが垂直延在部31によって阻害されることを低減し、吐出穴34から液体50を所望方向に精度良く吐出することができる。
【0066】
[変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また上述の実施形態及び変形例の構成が、全体的に又は部分的に組み合わせられてもよい。
【0067】
例えば、切欠部35(図10及び図11参照)の数は限定されず、切欠部35が1つのみ設けられていてもよいし、3以上の切欠部35が設けられていてもよい。ノズル本体部11及び垂直延在部31が袋90の内側に挿入される際、各切欠部35は、袋90内において、袋90の表側壁部92及び裏側壁部93のうちの少なくともいずれか一方と対向することが好ましい。この場合、袋90の口部94の開口の程度が小さくても、ノズル本体部11、垂直延在部31及び弁体13を、口部94を介して袋90の内側にスムーズに挿入することが可能である。
【0068】
また弁体保持部12が弁体13を保持する具体的な方法は限定されない。水平延在部32が水平方向Dhに占める面積が小さいほど、吐出穴34の水平方向Dhの面積を大きくすることができる。したがって液吐出口22から吐出された液体50の流れの阻害の程度を低減する観点からは、水平延在部32の水平方向Dhの面積が小さい方が好ましく、例えば水平延在部32は垂直延在部31の1箇所に対してのみ固定されていてもよい。
【0069】
また開口テーパー部25の内壁面及び弁体13の傾斜面27の各々の径は、上下方向Dvに関し、図示の例のように比例的に変化していてもよいし、非比例的に変化していてもよい。
【0070】
また例えば、ノズル本体部11の本体壁部20を支持ベース19に固定し、且つ、弁体保持部12の垂直延在部31を開閉駆動部14の駆動ロッド14bに取り付けてもよい。この場合、弁体13を上下方向Dvに移動させて、固定的に設けられている液吐出口22に対して弁体13を近づけたり遠ざけたりすることで、液吐出口22を弁体13によって閉じたり開いたりすることができる。
【0071】
また袋(容器)90内に対して液注入装置10を進行及び退避させる際、袋90を移動させてもよい。
【0072】
また液注入装置10によって液体が注入される容器は、袋90には限定されず、ペットボトル等の非柔軟部材によって構成される容器であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 液注入装置
11 ノズル本体部
12 弁体保持部
13 弁体
13a 上面
13b 下面
14 開閉駆動部
14a 駆動本体部
14b 駆動ロッド
19 支持ベース
20 本体壁部
21 液流路
22 液吐出口
23 液供給部
24 供給流路
25 開口テーパー部
27 傾斜面
31 垂直延在部
32 水平延在部
33 貫通孔
34 吐出穴
35 切欠部
50 液体
80 グリッパー
90 袋
91 側縁部
92 表側壁部
93 裏側壁部
94 口部
Dh 水平方向
Dh1 第1水平方向
Dh2 第2水平方向
Dv 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11