【解決手段】誘電体層111及び第1内部電極121及び第2内部電極122を含み、互いに向かい合う第1面及び第2面、第1面及び第2面と連結され、互いに向かい合う第3面及び第4面並びに第1面〜第4面と連結され、互いに向かい合う第5面及び第6面を有するセラミック本体と、セラミック本体の外側に配置され、第1内部電極と電気的に連結される第1外部電極及び第2内部電極と電気的に連結される第2外部電極と、を含む積層セラミック電子部品であって、第1及び第2内部電極は、容量の形成に寄与する本体部と、本体部の幅よりも小さい幅を有し、上第5面(第6面)に一端が露出するリード部と、を含む。第1及び第2内部電極の本体部の幅w1に対するリード部の幅w2の割合w2/w1が0.3≦w2/w1≦0.5を満たす。
誘電体層、及び前記誘電体層を間に挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、互いに向かい合う第1面および第2面、前記第1面および第2面と連結され、互いに向かい合う第3面及び第4面、前記第1面〜第4面と連結され、互いに向かい合う第5面及び第6面を有するセラミック本体と、
前記セラミック本体の外側に配置されており、前記第1内部電極と電気的に連結される第1外部電極及び前記第2内部電極と電気的に連結される第2外部電極と、を含む積層セラミック電子部品であって、
前記セラミック本体は、前記誘電体層を間に挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、容量が形成される部分である活性部と、前記活性部の上部及び下部に形成されたカバー部と、を含み、
前記第1内部電極は、容量の形成に寄与する本体部と、前記本体部の幅よりも小さい幅を有し、前記第5面に一端が露出するリード部と、を含み、
前記第2内部電極は、容量の形成に寄与する本体部と、前記本体部の幅よりも小さい幅を有し、前記第6面に一端が露出するリード部と、を含み、
前記第1及び第2内部電極の本体部の幅(w1)に対する前記リード部の幅(w2)の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たす、積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の長さは、前記第3面と第4面との間の距離であり、前記セラミック本体の幅は、前記第5面と第6面との間の距離であって、前記第1内部電極及び第2内部電極は、前記第5面及び第6面に交互に露出している、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1外部電極及び第2外部電極は、前記セラミック本体の第5面及び第6面にそれぞれ配置されるとともに、第1面及び第2面に延びて配置され、前記セラミック本体の第1面及び第2面に配置された第1外部電極及び第2外部電極の面積は、前記セラミック本体の第1面及び第2面のそれぞれの面積の50%以上を占める、請求項1から6のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0014】
また、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対される趣旨の説明がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0015】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す斜視図である。
【0018】
図2は本発明の一実施形態によるセラミック本体を示した模式図である。
【0020】
図4は第1内部電極と第2内部電極がそれぞれ1つずつ積層された平面模式図である。
【0021】
図1から
図4を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品は、誘電体層111、及び上記誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含み、互いに向かい合う第1面及び第2面S1、S2、上記第1面及び第2面S1、S2と連結され、互いに向かい合う第3面及び第4面S3、S4、ならびに上記第1面〜第4面と連結され、互いに向かい合う第5面及び第6面S5、S6を有するセラミック本体110と、上記セラミック本体110の外側に配置されており、上記第1内部電極121と電気的に連結される第1外部電極131、及び上記第2内部電極122と電気的に連結される第2外部電極132と、を含む積層セラミック電子部品であって、上記セラミック本体110は、上記誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含み、容量が形成される部分である活性部Aと、上記活性部Aの上部及び下部に形成されたカバー部C1、C2と、を含む。
【0022】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を説明するにあたり、特に、積層セラミックキャパシタを挙げて説明するが、これに制限されるものではない。
【0023】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタにおいて、「長さ方向」は
図1の「L」方向、「幅方向」は「W」方向、「厚さ方向」は「T」方向と定義する。ここで、「厚さ方向」は、誘電体層を積み上げる方向、すなわち、「積層方向」と同一の概念で用いることができる。
【0024】
本発明の一実施形態において、セラミック本体110の形状は特に制限されないが、図面に示すように、六面体形状であることができる。
【0025】
上記セラミック本体110は、互いに向かい合う第1面S1及び第2面S2、上記第1面及び第2面を連結する第3面S3及び第4面S4、上記第1面〜第4面と連結され、互いに向かい合う第5面S5及び第6面S6を有することができる。
【0026】
上記第1面S1及び第2面S2はセラミック本体110の厚さ方向において向かい合う面、上記第3面S3及び第4面S4は長さ方向において向かい合う面、上記第5面S5及び第6面S6は幅方向において向かい合う面と定義されることができる。
【0027】
上記セラミック本体110の形状は特に制限されないが、図面に示すように、直方体形状であることができる。
【0028】
上記セラミック本体110の内部に形成された複数個の内部電極121、122は、セラミック本体の第5面S5または第6面S6に一端が露出する。
【0029】
上記内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する第1内部電極121及び第2内部電極122を一対とすることができる。
【0030】
上記第1内部電極121の一端は第5面S5に露出し、第2内部電極122の一端は第6面S6に露出することができる。
【0031】
上記第1内部電極121の他端は、第6面S6から一定の間隔を置いて形成される。
【0032】
上記第2内部電極122の他端は、第5面S5から一定の間隔を置いて形成される。これについてのより具体的な事項は後述する。
【0033】
上記セラミック本体の第5面S5には第1外部電極131が形成され、上記第1内部電極121と電気的に連結されることができる。上記セラミック本体の第6面S6には第2外部電極132が形成され、上記第2内部電極122と電気的に連結されることができる。
【0034】
上記第1内部電極121及び第2内部電極122の厚さは、0.4μm以下であることができる。
【0035】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量を得ることができる限り特に制限されず、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)粉末であることができる。
【0036】
上記誘電体層111を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などの粉末に、本発明の目的に応じて、種々のセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0037】
このようなセラミック本体110は、キャパシタの容量の形成に寄与する部分としての活性部Aと、上部マージン部として活性部Aの上下部にそれぞれ形成される上部カバー部C1及び下部カバー部C2と、で構成されることができる。
【0038】
上記活性部Aは、誘電体層111を間に挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層することで形成されることができる。
【0039】
上記上部及び下部カバー部C1、C2は、内部電極を含まないことを除き、誘電体層111と同一の材料及び構成を有することができる。
【0040】
すなわち、上記上部及び下部カバー部C1、C2はセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系セラミック材料を含むことができる。
【0041】
上記上部カバー部C1及び下部カバー部C2は、単一の誘電体層または2つ以上の誘電体層を活性部Aの上下面にそれぞれ上下方向に積層して形成されることができ、基本的には物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0042】
上記第1及び第2内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、例えば、銀(Ag)、鉛(Pb)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)のうち1つ以上の物質を含む導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0043】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、上記第1内部電極121と電気的に連結される第1外部電極131と、上記第2内部電極122と電気的に連結される第2外部電極132と、を含むことができる。
【0044】
上記第1及び第2外部電極131、132は、静電容量の形成のために上記第1及び第2内部電極121、122と電気的に連結されることができ、上記第2外部電極132は、上記第1外部電極131と異なる電位に連結されることができる。
【0045】
上記第1内部電極及び第2内部電極121、122は、上記誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように配置され、上記セラミック本体110の幅方向の第5面S5または第6面S6に交互に露出することができる。
【0046】
上記第1内部電極及び第2内部電極121、122が、上記セラミック本体110の幅方向の第5面S5または第6面S6に交互に露出することにより、RGC(Reverse Geometry Capacitor)またはLICC(Low Inductance Chip Capacitor)を実現することができる。
【0047】
すなわち、上記セラミック本体110の長さは、上記第3面S3と第4面S4との間の距離であり、上記セラミック本体110の幅は、上記第5面S5と第6面S6との間の距離であって、上記第1内部電極121及び第2内部電極122は、上記第5面S5及び第6面S6に交互に露出する。
【0048】
通常の積層セラミック電子部品は、セラミック本体の長さ方向に互いに向かい合う端面に外部電極が配置されることができる。
【0049】
この場合、外部電極に交流が印加される時に、電流の経路が長いため、電流ループがさらに大きく形成されることがある。これにより、誘導磁場の大きさが大きくなり、インダクタンスが増加するおそれがある。
【0050】
上記の問題を解決すべく、本発明の一実施形態によると、電流の経路を減少させるために、セラミック本体110の幅方向に互いに向かい合う第5面および第6面S5、S6に、それぞれ第1及び第2外部電極131、132が配置されることができる。
【0051】
この場合、第1及び第2外部電極131、132の間の間隔が小さいため、電流経路が短くなる。これにより、電流ループが減少し、インダクタンスが減少することができる。
【0052】
図3及び
図4を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタにおいて、上記第1内部電極121は、容量の形成に寄与する本体部121aと、上記本体部121aの幅よりも小さい幅を有し、上記第5面S5に一端が露出するリード部121bと、を含む。上記第2内部電極122は、容量の形成に寄与する本体部122aと、上記本体部122aの幅よりも小さい幅を有し、上記第6面S6に一端が露出するリード部122bと、を含む。この際、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たす。
【0053】
通常、耐湿信頼性の低下を防ぐために、内部電極がセラミック本体の外部に露出する領域であるリード部の幅を、容量の形成に寄与する本体部の幅に比べてより小さくするパターンを適用していた。
【0054】
しかし、耐湿信頼性の低下を防ぐために、内部電極がセラミック本体の外部に露出する領域であるリード部の幅を、容量の形成に寄与する本体部の幅に比べてより小さくする場合、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance、ESR)及び等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)が上昇するという副効果がある。
【0055】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たすように調節することで、低い等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)を実現することができるとともに、信頼性に優れた積層セラミック電子部品を得ることができる。
【0056】
すなわち、本発明の一実施形態によると、耐湿信頼性の低下を防ぐために、第1及び第2内部電極121、122がセラミック本体110の外部に露出する領域であるリード部121b、122bの幅を、容量の形成に寄与する本体部121a、122aの幅に比べてより小さくするパターンを適用しているが、これにより発生し得る等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance、ESR)及び等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)が上昇するという副効果を防ぐために、第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)を調節する。
【0057】
上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3未満である場合には、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance、ESR)及び等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)が高すぎるという問題がある。
【0058】
一方、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.5を超える場合には、耐湿信頼性が低下するという問題がある。
【0059】
特に、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たす場合、低い等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)を実現し、且つ信頼性を向上させることができるとともに、2つ以上のチップを1つのチップで代替可能である。
【0060】
すなわち、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100の長さ及び幅は、それぞれ1.0±0.1mm及び0.5±0.1mm(1005サイズ)であることができる。
【0061】
通常の積層セラミックキャパシタのうち、その長さと幅がそれぞれ0.6mm及び0.3mmである0603サイズの場合、等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)値が160pH程度であり、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance、ESR)値が20mΩ程度である。
【0062】
上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たす場合、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100の長さと幅がそれぞれ1.0±0.1mm及び0.5±0.1mmであっても、等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)値が80pH以下であり、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance、ESR)値が10mΩ以下で実現されることができる。
【0063】
すなわち、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たす場合、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100は、従来の0603サイズの積層セラミックキャパシタ2つに代替する電気的特性を得ることができる。
【0064】
したがって、本発明の一実施形態によると、従来の積層セラミックキャパシタ2つを1つで代替可能であるため、基板の実装面積を減少させることができる効果がある。
【0065】
図5は本発明の一実施形態による
図1のI−I'に沿った断面図である。
【0066】
図5を参照すると、上記第1及び第2外部電極131、132は、上記セラミック本体110の幅方向の第5面S5及び第6面S6にそれぞれ配置されるとともに、上記セラミック本体110の厚さ方向の第1面S1及び第2面S2に延びて配置されることができる。
【0067】
上記第1及び第2外部電極131、132は、上記セラミック本体110の外側に配置され、第1導電性金属を含む第1電極層131a、132aと、上記第1電極層131a、132a上に配置され、第2導電性金属を含むめっき層131b、132bと、を含むことができる。
【0068】
図5を参照すると、上記めっき層131b、132bが1つの層で構成されたことを示しているが、これに制限されるものではなく、例えば、上記めっき層は少なくとも2層以上配置されることができる。
【0069】
上記第1電極層131a、132aは、第1導電性金属及びガラスを含むことができる。
【0070】
静電容量の形成のために、上記第1及び第2外部電極131、132が上記セラミック本体110の幅方向の第5面S5及び第6面S6にそれぞれ形成されることができ、上記第1及び第2外部電極131、132に含まれる上記第1電極層131a、132aが、上記第1及び第2内部電極121、122と電気的に連結されることができる。
【0071】
上記第1電極層131a、132aは、上記第1及び第2内部電極121、122と同一の材質の導電性物質で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択される1つ以上の第1導電性金属を含むことができる。
【0072】
上記第1電極層131a、132aは、上記第1導電性金属粉末にガラスフリットを添加して準備された導電性ペーストを塗布した後、焼成することで形成されることができる。
【0073】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2外部電極131、132は、上記第1電極層131a、132a上に配置され、第2導電性金属を含むめっき層131b、132bを含むことができる。
【0074】
上記第2導電性金属は、特に制限されるものではないが、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、及びこれらの合金からなる群から選択される1つ以上であることができる。
【0075】
一方、本発明の一実施形態によると、上記積層セラミックキャパシタ100は、厚さTが100μm以下であることができる。
【0076】
近年、基板の実装密度が高密度化しており、厚さが100μm以下の薄い積層セラミックキャパシタの需要が増加しているが、耐湿信頼性が低いという問題がある。
【0077】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たすように調節することで、耐湿信頼性の低下を防止することができる。
【0078】
これにより、厚さが100μm以下の薄い積層セラミックキャパシタに厚さが薄いカバー部を配置する場合にも、信頼性の低下を防止することができる。
【0079】
図5を参照すると、上記カバー部C1、C2の厚さt
cは、上記積層セラミック電子部品の長さLの1/40以下を満たし、上記積層セラミック電子部品の厚さTの1/5以下を満たすことができる。
【0080】
上記カバー部C1、C2の厚さt
cが、上記積層セラミック電子部品の長さLの1/40以下、または上記積層セラミック電子部品の厚さTの1/5以下を満たす場合、信頼性が低下するおそれがある。
【0081】
しかし、本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たすように調節することで、上記カバー部C1、C2の厚さt
cが、上記積層セラミック電子部品の長さLの1/40以下、及び上記積層セラミック電子部品の厚さTの1/5以下を満たす際にも、信頼性の低下を防止することができる。
【0082】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111の厚さは0.4μm以下であり、上記第1及び第2内部電極121、122の厚さは0.4μm以下である、超小型及び高容量の積層セラミックキャパシタを特徴とする。
【0083】
本発明の一実施形態のように、上記誘電体層111の厚さが0.4μm以下であり、上記第1及び第2内部電極121、122の厚さが0.4μm以下である薄膜の誘電体層と内部電極が適用された場合、信頼性に劣るおそれがある。
【0084】
しかし、本発明の一実施形態では、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たすように調節することで、信頼性を向上させることができる。
【0085】
但し、上記薄膜の意味が、誘電体層111と第1及び第2内部電極121、122の厚さが0.4μm以下であることを意味するのではなく、従来の製品に比べて薄い厚さの誘電体層と内部電極を含む概念で理解されることができる。
【0086】
図6は
図1のB方向から見た上部平面図である。
【0087】
図6を参照すると、上記セラミック本体110の厚さ方向の第1面S1及び第2面S2に配置された第1及び第2外部電極131、132の面積が、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2のそれぞれの面積の50%以上を占めることができる。
【0088】
上記セラミック本体110の厚さ方向の第1面S1及び第2面S2に配置された第1及び第2外部電極131、132の面積が、上記セラミック本体110の第1面S1及び第2面S2のそれぞれの面積の50%以上を占める場合、低い等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)を実現することができる。
【0089】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法について説明するが、これに制限されるものではない。
【0090】
本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法は、先ず、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などの粉末を含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(Carrier film)上に塗布及び乾燥することで複数個のセラミックグリーンシートを準備し、これにより、誘電体層を形成することができる。
【0091】
上記セラミックグリーンシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーを、ドクターブレード法により数μmの厚さを有するシート(sheet)状に製作することができる。
【0092】
次に、ニッケル粒子の平均サイズが0.1〜0.2μmであり、40〜50重量部のニッケル粉末を含む内部電極用導電性ペーストを準備することができる。
【0093】
上記グリーンシート上に上記内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷法により塗布して内部電極を形成した後、内部電極パターンが配置されたグリーンシートを積層することで、セラミック本体110を製作する。
【0094】
上記内部電極パターンは、本発明の一実施形態に従って焼成した後、第1及び第2内部電極121、122において、本体部121a、122aの幅w1に対するリード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たすように製作した。
【0095】
次に、上記セラミック本体の外側に、第1導電性金属及びガラスを含む第1電極層を形成することができる。
【0096】
上記第1導電性金属は、特に制限されるものではないが、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択される1つ以上であることができる。
【0097】
上記ガラスとしては、特に制限されるものではなく、通常の積層セラミックキャパシタの外部電極の製作に用いられるガラスと同一の組成を有する物質を用いることができる。
【0098】
上記第1電極層は、上記セラミック本体の上下面及び端部に形成されることで、上記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に連結されることができる。
【0099】
上記第1電極層は、第1導電性金属に対してガラスを5体積%以上含むことができる。
【0100】
次に、上記第1電極層上に、第2導電性金属を含むめっき層を形成することができる。
【0101】
上記第2導電性金属は、特に制限されるものではないが、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、及びこれらの合金からなる群から選択される1つ以上であることができる。
【0102】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たすように、その割合を調節する。
【0103】
以下、表1のように、第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対するリード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)を多様に製作した後、カバー部の厚さによるクラックの発生頻度を測定した。
【0105】
上記表1において、比較例であるサンプル1〜5は、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.5を超える場合であり、耐湿信頼性が低下するという問題がある。
【0106】
一方、比較例であるサンプル9と10は、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3未満である場合であり、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance、ESR)及び等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)値が高すぎるという問題がある。
【0107】
これに対し、本発明の実施例であるサンプル6〜8は、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たすように調節した場合であり、低い等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)を実現することができるとともに、信頼性に優れた積層セラミック電子部品を得ることができる。
【0108】
特に、本発明の実施例であるサンプル6〜8は、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たす場合であり、低い等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)を実現し、且つ信頼性を向上させることができるとともに、2つ以上のチップを1つのチップで代替可能である。
【0109】
すなわち、従来の通常の積層セラミックキャパシタのうち、その長さと幅がそれぞれ0.6mm及び0.3mmである0603サイズの場合、等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)値が160pH程度であり、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance、ESR)値が20mΩ程度である。
【0110】
しかし、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たすサンプル6〜8は、等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance、ESL)値が80pH以下であり、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance、ESR)値が10mΩ以下で実現されることができる。
【0111】
すなわち、上記第1及び第2内部電極121、122の本体部121a、122aの幅w1に対する上記リード部121b、122bの幅w2の割合(w2/w1)が0.3≦w2/w1≦0.5を満たす場合、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100は、従来の0603サイズの積層セラミックキャパシタ2つに代替する電気的特性を得ることができる。
【0112】
したがって、本発明の一実施形態によると、従来の積層セラミックキャパシタ2つを1つで代替可能であるため、基板の実装面積を減少させることができる効果がある。
【0113】
本発明は、上述の実施形態及び添付図面によって限定されず、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。