【解決手段】LTE通信方式に従う通信システムであって、基地局装置は、コアネットワーク装置と各端末との間でベアラを確立するための属性情報として、ベアラのコアネットワーク装置側外部のネットワークを識別する第1の情報と、ベアラの端末のIPアドレスを示す第2の情報とを保持し、基地局装置は、第1の端末から受信したIPパケットがベアラのコアネットワーク装置側外部のネットワークを識別する情報と基地局装置が保持する第1の情報、及び、IPパケットに含まれるIPアドレスと基地局装置が保持する第2の情報、とが一致するか判定し、第1及び第2の情報が一致した場合、第1及び第2の情報で特定されるベアラを用いて第1の端末から第2の端末へIPパケットを送信する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
(本開示の一形態を得るに至った経緯)
LTE(Long Term Evoluation)ネットワークでは、基地局装置としてのeNB(eNodeB)に接続された無線端末としてのUE(User Equipment)と、EPC(Evolved Packet Core)装置のPGW(Packet Data Network Gateway)と、の間に、基地局装置を経由する通信路(ベアラ)が設置される。PGWは、LTEネットワークと外部ネットワークとのゲートウェイとなっている。LTEネットワークにおいて、同一の基地局装置配下での第1端末から第2端末へ通信しようとすると、IPパケットは、第1端末、基地局装置、EPC装置のPGW、基地局装置、第2端末、の順に中継される。よって、同じ基地局装置とPGWとの間をIPパケットが往復することとなり、通信の効率が低くなる(
図5参照)。
【0011】
特許文献1に示したように、LGWが配置されると、LGWが、基地局装置に接続される(
図5参照)。LGWは、基地局装置に接続された無線端末とLGWとの間で基地局装置を経由するベアラを確立し(
図5参照)、同一の基地局装置配下での端末間の通信を管理する。つまり、通常は、PGW(Packet Data Network Gateway)が行うLTE(Long Term Evoluation)ネットワークの管理を、LGWが行う。一方、LGWは、同一の基地局装置配下での端末間以外の通信を管理する機能を有しない。そのため、LGWが配置された通信システムは、同一の基地局装置配下での端末間の通信に限定して通信を行うこととなり、同一の基地局装置配下での端末間以外の通信を、PGWを用いて集約することが困難となる。よって、LGWを用いると、外部ネットワークとの間で通信することが困難となり、同一の基地局装置配下での内線通信のような使用となる。つまり、LGWでは、同一の基地局装置配下での端末間通信と外部ネットワークの装置との通信の双方を両立することはできない。
【0012】
以下、同一ベアラで発生する端末間以外の通信を阻害することを抑制しつつ、同一ベアラで発生する端末間の通信効率を向上できる通信システム及び通信制御方法を提供する。
【0013】
図1は、実施形態における通信システム5の構成例を示す図である。通信システム5は、UE10(10A,10B,・・・)と、eNB30と、EPC装置50と、を有する。EPC装置50は、PGW51、SGW53、MME(Mobility Management Entity)54、及びHSS(Home Subscriber Server)55を備える。通信システム5における各装置は、LTEネットワークN1(3GPPネットワークの一例)で接続される。
【0014】
UE10は、LTE端末(3GPP端末の一例)であり、LTEネットワークN1を介して他の通信装置(例えばeNB30、同じeNB30配下の他のUE10、他のeNB30配下の他のUE10、外部ネットワークN2に存在する通信装置)と通信する端末でよい。UE10は、ユーザによって所持される。UE10は、複数存在する。UE10は、一般的なLTE端末と同様の構成を有し、処理部、通信部、表示部、操作部、記憶部、等を有してよい。UE10は、eNB30を介して、PGW51との間でベアラが確立される。
【0015】
eNB30は、配下に1つ以上のUE10が通信可能に接続される。eNB30は、1つでも、複数存在してもよい。eNB30は、一般的なeNBと同様の構成及び機能を有し、処理部、通信部、表示部、操作部、記憶部、等を有してよい。eNB30の記憶部は、後述するテーブルT1を保持する。eNB30の記憶部は、後述するテーブルT2を保持してもよい。eNB30は、通信システム5において複数存在してよい。
【0016】
eNB30の処理部は、プロセッサ(例えばCPU)がメモリに保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。eNB30の記憶部は、例えばROMやRAMや各種ストレージ(例えばHDD、SSD)を有してよく、各種情報、データ、プログラムを保持する。eNB30の通信部は、UE10やEPC装置50との間で通信(有線通信又は無線通信)する。eNB30による通信は、LTE通信を含む。LTE通信は、VoLTE通信を含んでよい。
【0017】
EPC装置50は、LTEのコアネットワークに配置される装置であり、LTEプロトコルに従って、eNB30Bと通信する。EPC装置50のPGW51、SGW53、MME54、及びHSS55の各ノードは、論理ノードでもよいし、物理ノードでもよい。つまり、1つの装置(サーバ)に機能が集約されてもよいし、複数の個別の装置(サーバ)に機能が分散されてもよい。また、EPC装置50は、PCRF(不図示)のノードを備えてよい。なお、EPC装置50は、この構成には限定されず、他の付随的な要素を含むことができる。EPC装置50は、通信システム5において複数存在してよい。
【0018】
MME54とHSS55とは、PCRFとともに、制御データであるCプレーンデータを処理する。SGW53及びPGW51は、ユーザデータであるUプレーンデータを処理する。したがって、例えば、外部ネットワークN2(EPC装置50よりも上流側)からUE10AへのUプレーンデータつまりUプレーンのトラフィックは、外部ネットワークN2からEPC装置50に到達すると、PGW51、SGW53、及びeNB30を介して、UE10へ伝送される。
【0019】
MME54は、eNB30に接続され、移動制御などを提供するノードであり、位置登録、ページング、ハンドオーバー等の移動制御、及びベアラ(データの通信経路)の確立又は削除を行う。ベアラは、PGW51とUE10との間で確立される(
図1参照)。また、各EPC装置50、各eNB30、及び各UE10の接続関係は任意であり、様々な組み合わせでベアラが確立されてよい。
【0020】
HSS55は、例えばLTE(3GPP通信の一例)における加入者管理データベースを有するノードであり、加入者の契約情報、端末情報、認証情報、位置情報等の管理を行う。この加入者には、UE10のユーザを含んでよい。
【0021】
SGW53は、eNB30に接続され、3GPPアクセスを収容し、UE10やPGW51へデータ(ユーザデータ)を伝送するゲートウェイである。
【0022】
PGW51は、外部ネットワークN2(PDN)との接続点において、UE10へのIPアドレスの割り当てやパケット転送等を行うゲートウェイである。PGW51は、PCRFと連携することで、PCRFが有するポリシ(ポリシ制御情報)に従って、動作してよい。PGW51は、PCRFが有するポリシに従って、各ベアラを介した通信を制御してよい。
【0023】
EPC装置50は、処理部、記憶部、通信部、を有する。EPC装置50の各ノードが論理ノードである場合には、1つの装置に処理部、記憶部、及び通信部が設けられてよい。EPC装置50の各ノードが物理ノードである場合、各ノードに処理部、記憶部、及び通信部が設けられてよい。
【0024】
EPC装置50の処理部は、プロセッサ(例えばCPU)がメモリに保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。EPC装置50の記憶部は、例えばROMやRAMや各種ストレージ(例えばHDD、SSD)を有してよく、各種情報、データ、プログラムを保持する。EPC装置50の通信部は、eNB30や外部ネットワークN2における各種装置との間で通信(有線通信又は無線通信)する。EPC装置50による通信は、LTE通信を含む。LTE通信は、VoLTE通信を含んでよい。
【0025】
図2は、eNB30が保持するテーブルT1の一例を示す図である。テーブルT1は、PGW51とUE10との間に確立されるベアラに関する属性情報を保持する。この属性情報は、例えば、ベアラID、APN(Access Point Name)、IPアドレス、を含む。各eNB30によって、テーブルT1に登録されるベアラの情報は異なり得る。
【0026】
ベアラIDは、ベアラの識別情報の一例であり、E−RAB_ID(無線区間向けのID)、TE_ID(EPC装置50側のID)、等でよい。ベアラIDは、ベアラの終端となるUE10及びPGW51にも保持されてもよい。ベアラIDは、テーブルT1への登録順に番号が付与されてよい。
【0027】
APNは、ベアラが接続される外部ネットワークN2を識別する識別情報として用いられ得る。例えば、同一の外部ネットワークN2に接続される各ベアラは、同一のAPNを有する。なお、PGW51は、通信システム5内に複数存在してよい。なお、APNは、IPパケット内に存在しない情報であり、予めベアラに関連付けて登録されてよい。
【0028】
IPアドレスは、eNB30がIPパケットを送信する送信先(例えばUE10)のIPアドレスでよい。このIPアドレスは、例えば、ベアラ確立後にUE10又はEPC装置50により登録されてもよいし、UE10とEPC装置50間におけるベアラ確立のためのネゴシエーションの途中で決定されて登録されてもよい。
【0029】
例えば、eNB30を介してPGW51によりベアラが確立されると、eNB30は、確立されたベアラに関する属性情報をテーブルT1に登録する。登録されたベアラの終端となるUE10について、通信システム5への接続が切断されたり、ハンドオーバー等により他のeNB30の配下に移動したりすると、eNB30は、テーブルT1からこのUE10が終端となるベアラの情報を削除する。なお、eNB30は、LGWのような、ベアラを終端する機能を有していない。よって、eNB30は、配下のUE10間で通信するための折り返し機能と、UE10及びPGW51間の通信機能と、の双方を有する。
【0030】
図3は、通信システム5の動作例を示すシーケンス図である。
【0031】
まず、EPC装置50のPGW51は、通信システム5に含まれる各UE10とPGW51との間を接続するベアラを確立する(S11)。なお、通信システム5では、複数のEPC装置50が存在してよく、複数のEPC装置50配下に複数のeNB30が存在してよく、複数のeNB30配下に複数のUE10が存在してよい。よって、ベアラは、複数存在する。ベアラの確立では、端末認証やユーザ認証等の認証処理も行われてよい。
【0032】
eNB30の処理部は、確立される各ベアラのAPN、IPアドレスの情報、等をテーブルT1に格納し、記憶部にテーブルT1を保持させる(S12)。この場合、各ベアラのAPN、IPアドレスは、UE10側からeNB30へ通知されてもよいし、EPC装置50側(PGW51側)からeNB30へ通知されてもよい。なお、S12におけるテーブルT1への各情報の保持は、S11の後ではなく、S11の前にテーブルT1が予め保持されていてもよい。
【0033】
UE10Aの通信部は、IPパケットを送出する(S13)。例えば、UE10Aが他の端末との間で電話することが想定される。IPパケットには、送信元のIPアドレス、送信先(宛先)のIPアドレス、等の情報が含まれる。
【0034】
eNB30の通信部は、UE10AからのIPパケットを受信する。eNB30の処理部は、テーブルT1を参照し、IPパケットが伝送されたベアラのAPNと同一のAPNのベアラが存在するか否かを判定する(S14)。同一のAPNのベアラが存在しない場合、eNB30の処理部は、他のeNB30配下のUE10又は外部ネットワークN2へのIPパケットであると判断し、通信部を介してEPC装置50へIPパケットを送出する(S15)。
【0035】
S14において同一のAPNのベアラが存在する場合、eNB30の処理部は、テーブルT1を参照し、このAPNのベアラであり、IPパケットの宛先のIPアドレスと一致するIPアドレスが存在するか否かを判定する(S16)。一致するIPアドレスが存在しない場合、eNB30の処理部は、他のeNB30配下のUE10又は外部ネットワークN2へのIPパケットであると判定し、通信部を介してEPC装置50へIPパケットを送出する(S17)。
【0036】
S16において一致するIPアドレスが存在する場合、eNB30の処理部は、同一のeNB30配下のUE10(ここではUE10B)へのIPパケットであると判断し、通信部を介して、UE10AからのIPパケットを折り返して、UE10Bへ送信(折り返し通信)する(S18)。なお、折り返し通信とは、例えば、同一のeNB30配下におけるUE10間で通信し、eNB30より上位のEPC装置50を経由することなく、eNB30を含めたeNB30の下位側で完結する通信を指す。
【0037】
このように、通信システム5は、UE10とPGW51との間でベアラ確立時に、eNB30は、各ベアラのAPNやIPアドレスの情報を収集し、登録し、保持してよい。UE10が各ベアラを用いてIPパケットを送出した際に、eNB30は、使用されたベアラのAPNと同一のAPNのベアラが存在するか否かを判定してよい。同一のAPNのベアラが存在する場合に、IPパケットの宛先のIPアドレスが一致するベアラが存在するか否かを判定してよい。IPアドレスが一致するベアラが存在した場合、eNB30は、当該ベアラに対してIPパケットを転送してよい。
【0038】
このような通信システム5の動作によれば、外部ネットワークN2に接続されるベアラを利用しつつ、eNB30における折返し通信を実施できる。よって、eNB30配下のUE10間の通信(折り返し通信)と、eNB30配下のUE10及び外部ネットワークN2間の通信が混在して利用される場合でも、eNB30は、eNB30での折り返し通信により、通信を効率化できる。このようにして、従来にはEPC装置側にあるSGW及びPGWの機能の一部を、eNB側に分散して配置できる。
【0039】
なお、
図3のS13以降では、IPパケットの送出毎に、S14〜S18の処理が行われる。S14,S16では、テーブルT1が参照されて処理される。また、eNB30の配下に多数(例えば100台)のUE10が接続されると、
図3のS13以降の処理の数が多数となり、テーブルT1の参照回数も多数回となる。これに対し、テーブルT1は、複数のテーブルに分割されて設けられてもよい。例えば、テーブルT1は、例えばAPNをキーとして、複数のテーブルに分割されてもよい。これにより、テーブルT1を用いた処理が高速化され得る。
【0040】
(変形例)
PGW51は、通信システム5内の通信をモニタリングし、通信システム5内の全通信の証跡(通信ログ)を取得することがある。この場合、PGW51よりも下位側のeNB30によって折り返し通信されると、PGW51における全通信の監視が困難となる。通信ログとは、例えば、通信内容を記録・保管することで通信システムの仕様の用途や品質が適正であることを確認できるものである。
【0041】
これに対し、eNB30は、記憶部に、テーブルT1とともに、テーブルT2を保持してよい。
図4は、eNB30が保持するテーブルT2の一例を示す図である。テーブルT2は、APN毎に、折り返しの許否の情報を保持する。具体例として、テーブルT2は、APNの情報と、折り返し通信の許否の情報と、を保持する。
【0042】
eNB30は、テーブルT1を参照した段階では、取得したIPパケットを折り返し通信の対象と判断した場合でも、テーブルT2を参照した段階で、取得したIPパケットが伝送されたベアラに対応するAPNが折り返し通信が許可されていない場合、折り返し通信を行わない。そして、eNB30は、このIPパケットをEPC装置50へ転送する。一方、eNB30は、テーブルT1を参照した段階では、取得したIPパケットを折り返し通信の対象と判断した場合に、テーブルT2を参照した段階で、取得したIPパケットが伝送されたベアラに対応するAPNが折り返し通信が許可されている場合、折り返し通信する。
【0043】
eNB30は、テーブルT2におけるAPNでの折り返しの許否の情報を、動的に書き換えてもよい。例えば、eNB30は、PGW51がログを取得するタイミングで、テーブルT2におけるAPNでの折り返しの許否の情報を書き換えてもよい。PGW51のログの取得が定期的に行われる場合には、eNB30は、ログ取得タイミングの情報を保持しておき、ログ取得タイミングとなった際に、例えばテーブルT2におけるAPNでの折り返しの許否の情報を、折り返しを許可しない情報に変更して設定してよい。また、不定期に行われる場合には、eNB30は、ログ取得タイミングを示す情報をPGW51(又はMME54)から受信し、ログ取得タイミングの受信に応じて、例えばテーブルT2におけるAPNでの折り返しの許否の情報を、折り返しを許可しない情報に変更して設定してよい。
【0044】
このように、eNB30がテーブルT2を保持することで、通信システム5は、ベアラの属性情報では接続が許可されるような場合であっても、例えばUE10又はPGW51の状態(例えばPGW51による所定の動作時、UE10の位置)に応じて、折り返し通信を許可しないことができる。
【0045】
以上のように、本実施形態の通信システム5は、LTE通信方式に従って通信し、基地局装置(例えばeNB30)とコアネットワーク装置(例えばEPC装置50)とを備えてよい。基地局装置は、コアネットワーク装置と基地局装置に接続される各端末(例えばUE10)との間でベアラを確立するための属性情報を保持してよい。属性情報は、ベアラにおけるコアネットワーク装置側の外部ネットワークN2を識別する第1の情報(例えばAPN)と、ベアラにおける端末のIPアドレスを示す第2の情報と、を含んでよい。コアネットワーク装置は、基地局装置に接続された端末との間でベアラを確立してよい。基地局装置は、第1の端末(例えばUE10A)からIPパケットを受信してよい。基地局装置は、IPパケットが伝送されたベアラのコアネットワーク装置側の外部ネットワークN2を識別する情報と、基地局装置が保持する第1の情報と、が一致するか否かを判定してよい。基地局装置は、IPパケットに含まれるIPアドレスと、基地局装置が保持する第2の情報と、が一致するか否かを判定してよい。基地局装置は、第1の情報が一致し、且つ、第2の情報が一致した場合、第1の情報及び第2の情報で特定されるベアラを用いて、第1の端末からベアラの端末側の終端の装置である第2の端末(例えばUE10B)へIPパケットを送信する、折り返し通信を行ってよい。
【0046】
これにより、基地局装置は、第1の情報と第2の情報とに基づいて折り返し通信を行うか否かを決定するので、折り返し通信を行うタイミングを限定しており、折り返し通信と折り返しいない通信とを両立できる。よって、LGWのような折り返し通信のみを行うような排他的な制御を解消でき、同一ベアラ間の通信も異なるベアラ間の通信も実施できる。また、コアネットワーク装置側の外部ネットワークN2で終端されるベアラを利用しつつ、eNB30における折り返し通信を実施できる。よって、通信システム5は、同一ベアラで発生する端末間以外の通信を阻害することを抑制しつつ、同一ベアラで発生する端末間の通信効率を向上できる。
【0047】
また、上記の第1の情報が一致せず、又は、上記の第2の情報が一致しない場合、基地局装置は、第1の端末からのIPパケットをコアネットワーク装置へ送信してよい。
【0048】
これにより、基地局装置は、第1の端末からのIPパケットを折り返さずにコアネットワーク装置へ送ることができる。よって、基地局装置は、折り返し通信を実施可能であるとともに、例えば他の基地局装置配下の端末や外部ネットワーク上の装置との間で通信できる。
【0049】
また、第1の情報は、アクセスポイントネームの情報を含んでよい。これにより、基地局装置は、PGW51を識別するためのAPNを用いて、折り返し通信の判断を実施できる。
【0050】
また、基地局装置は、上記の第1の情報毎に、折り返し通信の許否を示す第3の情報を保持してよい。基地局装置は、上記の第1の情報が一致し、上記の第2の情報が一致し、且つ、第3の情報が折り返し通信の許可を示す場合、折り返し通信を行ってよい。基地局装置は、第3の情報が折り返し通信の不許可を示す場合、折り返し通信を行わなくてよい。
【0051】
これにより、基地局装置は、取得されたIPパケットについて、第1の情報や第2の情報等のベアラの属性情報が一致する場合であっても、一律に折り返し通信を許可することを抑制できる。例えば、タイミングによって折り返し通信を許可しない場合、場所によっては折り返し通信を許可しない場合等であっても、基地局装置は、折り返し通信の実施の有無を的確に判別できる。
【0052】
また、上記の第3の情報は、折り返し通信の許可と不許可とを変更可能である、例えば、基地局装置は、ベアラに係る端末やコアネットワーク装置の状態を加味して、折り返し通信の許可又は不許可を決定でき、状況の変化に応じて、許可又は不許可を変更できる。
【0053】
また、基地局装置は、コアネットワーク装置が通信ログを取得するタイミングでは、第3の情報として折り返し通信を不許可とする情報を設定してよい。
【0054】
これにより、基地局装置は、例えば、コアネットワーク装置により通信システム5内の通信をモニタリングし、通信システム5内の全通信のログを取得する場合に、コアネットワーク装置よりも下位側の基地局装置によって折り返し通信されることを抑制でき、PGW51における全通信の監視を実施し易くできる。
【0055】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。