【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、人の手足に対して、その手足の周りを包んだ場合に、圧縮力を加えるための手足圧縮衣類が提供されて、手足圧縮衣類は:実質的に互いに平行に、第一の方向で、材料の平面内に配列された、第一の複数の実質的に弾性の繊維(第一の複数の実質的に弾性の繊維は、それらの未延伸の長さの少なくとも15%の弾性限度まで伸縮可能である);および、材料の平面内に配列された、第一の複数の実質的に非弾性の繊維(第一の複数の実質的に非弾性の繊維は、互いに織り合わせられて織物の構成要素を形成し、織物の構成要素は、第一の方向に、弾性限度よりも少ない最大伸長まで伸長可能であるように構成される)を含む、平面織物材料を含み;ここで、第一の複数の実質的に弾性の繊維および第一の複数の実質的に非弾性の繊維は、互いに織り合わせられて単一層の織物材料を形成する。
【0004】
このように、織物材料は、「短伸縮」材料を形成するように構成される。用語「短伸縮」は、当該分野において、伸縮の末端(end−of−stretch)が材料の未延伸の長さのおよそ100%未満で不意に到達される材料を意味することが十分に理解される。
【0005】
圧縮衣類が、伸縮の末端に近い伸長で手足の周りに付けられる場合、その結果、起こり得る任意のさらなる腫れは、衣類の著しい伸縮をもたらさない。すなわち、圧縮衣類が適用されるときに存在する最初の腫れと等しいまたはそれよりも大きな腫れでは、衣類は、完全に非弾性の圧縮衣類と同様の様式で作用する;しかしながら、最初の腫れよりも少ない腫れでは、衣類内の材料は、自由に接触して、それにより、手足に対して実質的に一定の治療的圧縮を提供する。
【0006】
本発明では、第一の複数の実質的に弾性の繊維は、衣類が、第一の方向に実質的に弾性の様式で伸縮するのを可能にするが;第一の複数の実質的に非弾性の繊維は、最大伸長を超える弾性の伸縮を不意に防ぐ。
【0007】
織物材料は、織り合わせた繊維で作られた任意の材料を意味してよい。平面織物材料は、生地または布地であってよく、天然または人工/合成の紡績糸、糸および/または他の繊維を含んでよい。材料は、織布、編み物、かぎ針編み、結び目、フエルト、または任意の他の適切な方法によって形成され得る。
【0008】
実質的に弾性の繊維は、ゴム、合成ゴムおよび/または任意の他の弾性の材料を含んでよい。それぞれの実質的に弾性の繊維は、実質的に弾性の繊維の長さの少なくとも50%まで、実質的に弾性の繊維の長さの少なくとも100%まで、または、実質的に弾性の繊維の長さの少なくとも200%まで、伸長の範囲にわたってフックの法則に従い得る。それぞれの実質的に弾性の繊維は、歪曲圧に抵抗し得て、その圧力が除去されると、その弾性の限度までその元のサイズに戻る。弾性の限度は、未延伸の長さの少なくとも20%、50%または70%、具体的には未延伸の長さの少なくとも100%、より具体的には未延伸の長さの少なくとも150%であってよい。
【0009】
それぞれの実質的に非弾性の繊維は、実質的に弾性の繊維の長さの最大で15%まで、実質的に弾性の繊維の長さの最大で10%まで、または、実質的に弾性の繊維の長さの最大で5%まで、伸長の範囲にわたってフックの法則に従い得るだけである。
【0010】
織物の構成要素は、それぞれの繊維が、巻きが解け、巻き戻され、および/または、真っ直ぐにされた長さが、巻かれ、巻き付けられ、および/または、引っ張られる前の元の長さよりも長いように引っ張られた場合に、巻きが解けて、巻き戻されて、および/または、真っ直ぐにされ得るという点で、伸長可能であり得る。それぞれの繊維の最大伸長は、実質的に完全に巻きが解け、巻き戻され、または、真っ直ぐにされる場合に到達され得る。最大伸長は、伸長されていない長さと比較して、15%〜100%の伸長、具体的には20%〜90%の伸長、より具体的には30%〜70%の伸長であってよい。
【0011】
第一の複数の実質的に非弾性の繊維は、たて編パターンで互いに織り合わせられ得て、第一の複数の実質的に非弾性の繊維のそれぞれ1つは、布地の長さに沿ってジグザグであり;すなわち、隣接するカラム/うねに続く。特に、第一の複数の実質的に非弾性の繊維は、トリコットパターンで互いに織り合わせられ得るが;他のパターンも想定される。
【0012】
平面織物材料は、最大伸長で手足の周りを包んだ場合に、少なくとも1kPa、1.3kPa、2kPa、2.7kPa、3.3kPa、4kPa、5.3kPa、6.7kPa、8kPa、または11.4kPaの圧縮を加えるように構成され得る。
【0013】
平面織物材料は、第二の方向で材料の平面内に配列された第二の複数の実質的に非弾性の繊維をさらに含んでよく、それは、第一の方向に対して実質的に直角であってよく、互いに実質的に平行であってよい。第一の複数の実質的に弾性の繊維、第一の複数の実質的に非弾性の繊維、および、第二の複数の実質的に非弾性の繊維は、互いに織り合わせられて単一層の織物材料を形成し得る。
【0014】
このように、任意の交差伸縮(cross−stretch)は制限され得て、したがって、手足に対して、より支持を提供する。第一の方向は、織物材料の長さおよび/またはマシーン方向と呼ばれ得る。第一の複数の実質的に弾性の繊維は、たて糸であってよい。第二の方向は、材料の幅と呼ばれ得る。第二の複数の実質的に非弾性の繊維は、横糸であってよい。あるいは、長さおよび幅、および/または、たて糸および横糸は、交換されてよく、および/または、織物は、たて糸および/または横糸がなくてよい。
【0015】
本明細書の文脈において、実質的に平行とは、例えば、50%、30%または10%以内までの、実質的に一定の距離で空間があけられていること意味し得る。
【0016】
本特許明細書の文脈において、直角とは、75〜105度、具体的には80〜100度、より具体的には85〜95度を意味し得る。
【0017】
第一の複数の実質的に弾性の繊維および/または第二の複数の実質的に非弾性の繊維は互いの上に置かれてよく、一緒に織られなくてよい。
【0018】
織物の構成要素は、織物材料を形成するために用いられる繊維の単なるサブユニットであってよく、第一の複数の実質的に弾性の繊維および/または第二の複数の実質的に非弾性の繊維と別個または独立に存在しなくてよい。
【0019】
平面織物材料は、第一の複数の実質的に弾性の繊維および/または第一および/または第二の複数の実質的に非弾性の繊維と緩く織り合せられた第三の複数の実質的に非弾性の繊維をさらに含んで、単一層の織物材料を形成してよい。第三の複数の実質的に非弾性の繊維は、平面織物材料の第一のサイドを実質的にカバーし得る。
【0020】
このようにして、(第一の複数の実質的に弾性の繊維および第一および第二の複数の実質的に非弾性の繊維と比較して)相対的に柔らかいテクスチャがユーザーに提供されて快適性を増すことができる。
【0021】
用語「緩く」は、材料の伸長されていない状態、および/または、材料の伸長されている状態のいずれかで、張力がかけられていない繊維の織り合せを指し得る。
【0022】
第三の複数の実質的に非弾性の繊維は、第一の方向、または任意の他の所望の方向で配向され得て、互いに実質的に平行であってよい(しかし、他の配列も想定される)。
【0023】
平面織物材料は、単一層の織物材料内で緩く織り合わされた第四の複数の実質的に非弾性の繊維をさらに含んでよい。第四の複数の実質的に非弾性の繊維は、第一のサイドとは反対の平面織物材料の第二のサイドを実質的にカバーし得る。
【0024】
このようにして、対応するフックを受け入れるように構成されたループが形成され得て、それにより、フックおよびループの締め付け配列を形成する。対応するフックは、材料の一部に、自己による締め付けでそれに固定され得る。
【0025】
第四の複数の実質的に非弾性の繊維は、第一の方向、または任意の他の所望の方向に配向されてよく、互いに実質的に平行であってよい(しかし、他の配列も想定される)。
【0026】
第四の複数の実質的に非弾性の繊維は、第三の複数の実質的に非弾性の繊維よりも実質的に強くてよい。
【0027】
平面織物材料は、患者の手足の周りを包むためのバンドの形態で提供され得る。例えば、衣類は、包帯であってよい。
【0028】
バンドは、その一方の末端に、バンドの外部表面に連結してバンドを所定の位置に固定するためのファスナーを備えてよい。ファスナーは、フック、ピンまたはクリップであってよく、好ましくは、フックおよびループの締め付けの従来のフック部分である。
【0029】
例えば、それらは互いに実質的に平行に一緒に連結され得る。手足圧縮衣類は、一緒に連結された複数の前記バンドを備えてよい。特に、前記の複数の前記バンドのそれぞれは、ユーザーの手足の異なる部分の周りを包むように(from wrapping)配列され得る。例えば、一方のバンドは、ユーザーの膝の上の足の部分の周りを包んでよく、他方のバンドは、ユーザーの膝の下の足の部分の周りを包んでよい。あるいは、一方のバンドは、隣接バンドが包み得る付近の腕の部分にすぐ隣接する腕の部分の周りを包んでよい。さらなる代替として、一方のバンドは、隣接バンドと少なくとも部分的に重複してよい。
【0030】
手足圧縮衣類は、患者の手足の周りを包むための、上記に述べたバンドとは異なる構造の安定化バンドをさらに含んでよい。そのような安定化バンドは、従来のバンド、例えば、不織布の積層されたネオプレン、または同様の材料であってよい。
【0031】
安定化バンドは、足、膝または肘関節のような体の部分に適合する形状であってよい。安定化バンドは、公知の関節サポーターにおけるものと同様の形状を有してよい。安定化バンドは、ユーザーの関節上への配置のためのそれを通るホールを有してよい。安定化バンドは、例えばホール外周の周りに、例えばバンドに縫い込まれた泡状物質を含んでよい。
【0032】
衣類は、安定化バンドに隣接する少なくとも1つのバンドを備えてよい。衣類は、少なくとも2つのバンドを備えてよく、一方は、安定化バンドのいずれか側の上に置かれて、ユーザーの関節の反対側の周りを包む。さらなるバンドは、バンドの一方に隣接して、安定化バンドから遠位に提供され得る。
【0033】
バンドは、実質的に長方形の形状であってよく、または、手足を快適にするのを補助するためにそこから除去された刻み目を有するものを含む他の形状を有してよい。
【0034】
本発明の第二の態様によれば、人の手足に対して、その手足の周りを包んだ場合に圧縮力を加える方法が提供されて、第一の態様に係る手足圧縮衣類を提供するステップ;織物材料を、その最大伸長まで伸縮させるステップ;人の手足の周りに織物材料を包むステップ;および、織物材料を所定の位置に固定するステップ、を含む。
【0035】
本発明の上記および他の特徴、特性および利点は、例として本発明の原理を説明する付随する図面とともに得られる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。この説明は、例示のみのために与えられて、本発明の範囲を限定しない。以下に引用される参照図面は、添付の図面に対して言及する。