【課題】シートにおける印刷画像に対する加工位置を容易に把握できて、加工ジョブを容易に生成できる加工ジョブ生成装置、および、この加工ジョブ生成装置を備えたシート加工システムを提供すること。
【解決手段】加工ジョブ生成装置10が、印刷画像の情報を取得する取得部101と、印刷画像とシートに施される加工処理の加工位置を示す加工マークとを表示装置14に同時に表示させ、表示装置14に表示された印刷画像と加工マークとに基づいて加工位置の設定を行う加工位置設定部102とを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記画像形成装置では、後処理が行われる対象位置が、画像が存在する画像領域に重なるか否かを判断する重畳判断処理を行い、対象位置が画像領域に重なると判断したとき、入力画像データに基づく印刷を保留させ、対象位置に後処理を行った場合に得られる出力物のプレビュー画像を第1プレビュー画像として生成するように構成されている。このように、出力物に対して後処理を行う場合、画像と対象位置との関係を正確に把握することが重要となる。
【0005】
ところで、一般に、シート加工装置では、加工が施されるシートの端を基準として加工位置が指定される。このため、シートに印刷された印刷画像に対する加工位置の設定が困難で、容易に加工ジョブを生成することができない場合がある。
【0006】
本発明は、シートにおける印刷画像に対する加工位置を容易に把握できて、加工ジョブを容易に生成できる加工ジョブ生成装置、および、この加工ジョブ生成装置を備えたシート加工システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の加工ジョブ生成装置は、
印刷画像が印刷されたシートを加工ジョブに従って加工処理可能なシート加工装置の前記加工ジョブを、表示装置を用いて作成する加工ジョブ生成装置であって、
前記印刷画像の情報を取得する取得部と、
前記印刷画像と、前記シートに施される加工処理の加工位置を示す加工マークとを前記表示装置に同時に表示させ、前記表示装置に表示された前記印刷画像に基づいて前記加工位置の設定を行う加工位置設定部と
を備え、
前記印刷画像の情報と設定された前記加工位置とに基づいて前記加工ジョブを生成する。
【0008】
前記態様の加工ジョブ生成装置は、さらに次のような構成を採用することができる。
【0009】
(1)前記加工位置設定部が、
前記印刷画像と前記加工マークとを重ねた状態で前記表示装置に表示させる。
【0010】
(2)前記加工位置設定部が、
前記加工マークと、前記印刷画像に設定された画像マークとの間の距離が所定値以下になった場合、前記加工マークを自動的に移動させて、前記加工マークと前記画像マークとを一致させる。
【0011】
(3)前記取得部が、サイズを含む前記シートの情報を取得し、
前記加工位置設定部が、
少なくとも1つの前記加工マークを含む少なくとも1つの加工マークセットと、前記シートの外形を表すシート画像とを重ねた状態で前記表示装置に表示させる。
【0012】
(4)前記取得部が、サイズを含む前記シートの情報を取得し、
前記加工位置設定部が、
前記少なくとも1つの加工マークセットと、前記少なくとも1つの加工マークセットに対応する少なくとも1つの前記印刷画像と、前記シート画像とを重ねた状態で前記表示装置に表示させる。
【0013】
(5)前記取得部が、サイズを含む前記シートの情報を取得し、
前記加工位置設定部が、
少なくとも1つの前記加工マークを含む加工マークセットと、前記シートの情報に関連付けられた前記印刷画像とを重ねた状態で前記表示装置に表示させる。
【0014】
(6)前記加工位置設定部は、
前記取得部で取得された前記シートのサイズに応じて、前記表示装置に表示させる前記シートのサイズを変更する。
【0015】
(7)前記印刷画像が、少なくとも1つの成果物の画像を含み、
前記取得部が、前記成果物の画像のサイズを含む前記成果物の情報を取得し、
前記加工位置設定部が、
前記成果物の情報に関連付けられた少なくとも1つの前記加工マークを含む加工マークセットと、前記印刷画像とを重ねた状態で前記表示装置に表示させる。
【0016】
(8)前記成果物の情報は、前記成果物の画像のサイズと前記成果物の画像の位置とを含む。
【0017】
(9)前記取得部が、面付設定 を含む成果物の情報を取得し、
前記加工位置設定部が、
前記面付設定に応じた前記加工マークを含む加工マークセットと、前記印刷画像とを重ねた状態で前記表示装置に表示させる。
【0018】
(10)前記成果物の情報は、前記面付設定と前記成果物の画像のサイズとを含む。
【0019】
(11)前記成果物の情報は、前記面付設定と前記成果物の画像の位置とを含む。
【0020】
(12)前記成果物の情報は、前記面付設定と前記成果物の画像のサイズと前記成果物の画像の位置とを含む。
【0021】
(13)前記取得部が、前記成果物の情報から、前記成果物の画像が配置されていない前記印刷画像の余白領域の情報を取得し、
前記加工位置設定部が、
前記余白領域の情報に関連付けられた前記加工マークセットと、前記印刷画像とを重ねた状態で前記表示装置に表示させる。
【0022】
(14)前記印刷画像は、少なくとも1つの成果物の画像を含み、
前記取得部が、前記成果物の画像が配置されていない前記印刷画像の余白領域の情報を取得し、
前記余白領域の情報は、前記シートの外形線と前記成果物の画像の外形線との間の距離を含み、
前記加工位置設定部が、
前記余白領域の情報に関連付けられた少なくとも1つの前記加工マークを含み加工マークセットと、前記印刷画像とを重ねた状態で前記表示装置に表示させる。
【0023】
(15)前記印刷画像が複数の前記成果物の画像を含み、
前記余白領域の情報は、隣接する前記成果物の画像の外形線間の距離を含む。
【0024】
(16)前記加工位置設定部が、
入力された数値に基づいて前記加工マークの位置を設定可能に構成されている。
【0025】
(17)前記加工ジョブを外部に出力する出力部をさらに備え、
前記出力部により出力される前記加工ジョブには、前記加工位置のみ、または、前記加工位置および加工種類、または、前記加工位置および前記印刷画像の情報、または、前記加工位置、前記加工種類および前記印刷画像の情報のいずれかが含まれる。
【0026】
本発明の一態様のシート加工システムは、
前記態様の加工ジョブ生成装置と、
前記シート加工装置と
を備え、
前記シート加工装置が、前記加工ジョブ生成装置で生成された前記加工ジョブに基づいて前記シートを加工する。
【0027】
前記態様のシート加工システムは、さらに次のような構成を採用することができる。
【0028】
(18)前記加工ジョブに基づいて前記印刷画像を前記シートに印刷して、印刷済シートを生成する印刷装置をさらに備え、
前記シート加工装置が、前記加工ジョブに基づいて、前記印刷装置によって生成された前記印刷済シートを加工する。
【0029】
(19)前記加工ジョブ生成装置で生成された前記加工ジョブに基づいて面付を行う印刷画像編集装置をさらに備える。
【発明の効果】
【0030】
前記態様の加工ジョブ生成装置によれば、印刷画像と、シートに施される加工処理の加工位置を示す加工マークとを表示装置に同時に表示させ、表示装置に表示された印刷画像に基づいて加工位置の設定を行い、印刷画像の情報と設定された加工位置とに基づいて加工ジョブを生成する。このような構成により、シートにおける印刷画像に対する加工位置を直感的に容易に把握できるので、加工ジョブを容易に作成できる加工ジョブ生成装置を実現できる。
【0031】
前記構成(1)によれば、シートにおける印刷画像に対する加工位置をより容易に把握できるので、加工ジョブを容易に作成できる加工ジョブ生成装置を実現できる。
【0032】
前記構成(2)によれば、加工マークと画像マークとを容易に一致させることができるので、加工ジョブをより容易に作成することができる。
【0033】
前記構成(3)によれば、シートに対する加工マークの位置を直感的に容易に把握できる。
【0034】
前記構成(4)によれば、シートに対する印刷画像および加工マークのセットの位置を直感的に容易に把握できる。
【0035】
前記構成(5)によれば、シートおよび印刷画像に対する加工マークの位置を直感的に容易に把握できる。
【0036】
前記構成(6)によれば、印刷画像のサイズに応じてシートのサイズを変更する必要がなくなるので、加工ジョブをより容易に作成することができる。
【0037】
前記構成(7)〜(15)によれば、シートにおける印刷画像に対する「成果物の画像および加工マーク」のセットの位置が直感的に容易に把握できる。
【0038】
前記構成(16)によれば、数値入力により、ポインティングディバイスなどでは難しい微調整を容易に行える。その結果、加工マークの位置をより正確に設定できる。
【0039】
前記構成(17)によれば、生成した加工ジョブを出力できる。
【0040】
前記態様のシート加工システムによれば、加工ジョブ生成装置により、シートを容易に加工できるシート加工システムを実現できる。
【0041】
前記構成(18)および(19)によれば、シートを容易かつ高精度で加工できる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0044】
本発明の一実施形態の加工ジョブ生成装置10は、
図1に示すように、一例として、印刷装置20およびシート加工装置30と共に、シート加工システム1を構成している。このシート加工システム1では、加工ジョブ生成装置10、印刷装置20およびシート加工装置30は、相互にネットワークを介して通信可能に接続されている。印刷装置20は、加工ジョブ生成装置10で生成された加工ジョブに基づいて、シートを印刷して、印刷済シートを生成可能に構成されている。また、シート加工装置30は、加工ジョブ生成装置10で生成された加工ジョブに基づいて、印刷装置20で印刷された印刷済シートを加工処理可能に構成されている。
【0045】
加工ジョブ生成装置10は、演算等を行うCPU11と、記憶部12と、出力部13とを備え、表示装置14を用いて、加工ジョブを生成する。この実施形態では、表示装置14は、加工ジョブ生成装置10の一部を構成している。なお、加工ジョブ生成装置10は表示装置14を備えていなくてもよく、この場合、例えば、外部ディスプレイを用いてもよいし、シート加工装置30の表示装置(図示せず)を用いてもよい。加工ジョブには、シートの大きさおよび種類、印刷画像の大きさおよび配置、シートに施す加工の位置、種類、数および寸法等の情報が含まれる。すなわち、加工ジョブに含まれる情報としては、加工位置の情報のみでもよいし、加工位置および加工種類の組み合わせでもよいし、加工位置および印刷画像の組み合わせでもよいし、加工位置、加工種類および印刷画像の組み合わせ情報でもよい。記憶部12は、例えば、ROMおよびRAMで構成され、加工ジョブの生成等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶する。出力部13は、生成した加工ジョブを外部(例えば、印刷装置20およびシート加工装置30)に出力する。
【0046】
また、加工ジョブ生成装置10は、取得部101と、加工位置設定部102と、加工ジョブ生成部103とを有している。取得部101、加工位置設定部102および加工ジョブ生成部103の各々は、例えば、CPU11が所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0047】
取得部101は、シートに印刷される印刷画像の情報を取得する。シートに印刷される印刷画像の情報は、例えば、記憶部12あるいは外部装置(図示せず)に記憶されている。外部装置は、例えば、パソコン、スマートフォンまたはタブレットPCであり、ネットワークを介して取得部101に接続される。
【0048】
加工位置設定部102は、シートに印刷される印刷画像と、シートに施される加工処理(例えば、縦裁断加工、横裁断加工、ミシン目加工、縦折り型加工、横折り型加工、丸め加工、エンボス加工、疑似接着、接着または製本)の加工位置を示す加工マークとを表示装置14に同時に表示させ、表示装置14に表示された印刷画像に基づいて加工位置の設定を行う。加工位置設定部102による加工位置の設定は、例えば、
図2〜
図16に示すように行われる。なお、加工位置の設定は、一例として、ポインティングディバイス(例えば、マウス、トラックボール、タッチパネル、タッチパッド、スタイラスペン)、キーボードまたはカーソルキーを用いて行われる。
【0049】
図2および
図3に示すように、加工位置設定部102は、取得部101で取得された印刷画像50の情報から、または、操作者により入力された情報からシート40のサイズを取得し、取得したシート40のサイズ(例えば、A4サイズ)に応じて、表示装置14のディスプレイ141にシート40の外形を表すシート画像を表示させる。
【0050】
図2は、印刷画像50を表示させる前のディスプレイ141を示し、
図3は、印刷画像50を表示させた後のディスプレイ141を示している。印刷画像50には、複数の成果物の画像51が含まれている。この実施形態では、印刷画像50には、5行2列の状態で配置された10個の成果物の画像51が含まれている。印刷画像50および成果物の画像51共に矩形状を有している。また、
図2には、シート40の外形線42と、成果物領域43と、シート40の搬送方向を示す矢印Aが示されている。基準位置41は、シート40の外形線42の右上の角に配置されている。成果物領域43は、成果物の範囲を設定するための領域であり、成果物の画像51に応じて形状が決定される。この実施形態では、成果物領域43は矩形状を有している。なお、成果物は、シート加工装置30がシート40を加工処理した結果、成果として得られる物であり、例えば、半券付チケットおよび半券付きチラシが含まれる。
【0051】
取得された印刷画像50は、シート40または成果物のいずれかを基準として、シート40の外形線42内に配置される。シート40または成果物のいずれに基づいて印刷画像50を配置するかは、操作者により選択されるか、または、印刷画像50サイズから自動的に選択される。
【0052】
例えば、シート40を基準として印刷画像50を配置する場合、
図3に示すように、印刷画像50は、その基準位置52とシート40の基準位置41とが一致する位置に配置される。なお、
図3では、印刷画像50の基準位置52は、印刷画像50の外形線53の右上の角に配置されている。また、成果物を基準とする場合、印刷画像50は、印刷画像50に含まれる1つの成果物に対応する成果物領域43の基準位置(例えば、成果物領域43の右上の角)と、印刷画像50の基準位置(例えば、成果物の画像51の外形線511の右上の角)とが一致する位置に配置される。成果物領域43は、シート40に対する位置が予め設定される。
【0053】
加工位置設定部102は、印刷画像50とシート40の外形とを重なった状態でディスプレイ141に表示されるように、シート40に対する印刷画像50の配置を行う。シート40に対する印刷画像50の配置は、例えば、成果物領域43の配置と合わせて次のように行われる。
【0054】
シート40を基準として印刷画像50を配置する場合、まず、基準位置41に最も近くに配置されている成果物の成果物領域43(
図2に示す)の位置を設定する。成果物領域43の位置の設定は、一例として、シート40の外形線42の左右方向および上下方向に沿って設けられているバー61を用いて行われる。例えば、
図4〜
図7に示すように、シート40の外形線42の外側に配置されているバー61を移動させて、成果物領域43の外形線431の右辺432および上辺433を成果物の画像51の外形線511のうちの2辺(この実施形態では、成果物の画像51の外形線511の右辺512および上辺513)に一致させる。そして、続いて、
図8および
図9に示すように、シート40の外形線42の外側に配置されているバー61を移動させて、成果物領域43の外形線431の下辺434および左辺435を成果物の画像51の外形線511のうちの残りの2辺(この実施形態では、外形線511の下辺514および左辺515)に一致させる。成果物領域43の全ての外形線431が成果物の画像51の外形線511に一致すると、シート40に対する印刷画像50の配置が完了する。このように、設定された成果物領域43の位置は、バー61を介して視覚により認識できる。設定された成果物領域43の外形線431は、裁断加工が施される加工位置として設定される。
【0055】
なお、
図4は、成果物領域43の外形線431の右辺432を成果物の画像51の外形線511の右辺512に一致させる前の状態を示し、
図5は、左右方向のバー61を移動させて、成果物領域43の外形線431の右辺432を成果物の画像51の外形線511の右辺512に一致させた後の状態を示す。また、
図6は、成果物領域43の外形線431の上辺433を成果物の画像51の外形線511の上辺513に一致させる前の状態を示し、
図7は、上下方向のバー61を移動させて、成果物領域43の外形線431の上辺433を成果物51の外形線511の上辺513に一致させた後の状態を示す。また、
図8は、成果物領域43の外形線431の下辺434を成果物の画像51の外形線511の下辺514に一致させる前後の状態を示し、
図9は、成果物領域43の外形線431の左辺435を成果物の画像51の外形線511の左辺515に一致させる前後の状態を示す。
【0056】
基準位置41に最も近くに配置されている成果物領域43の位置が設定されると、加工位置設定部102は、
図10〜
図12に示すように、面付設定を行う。シート40を基準として印刷画像50を配置した場合、面付設定は、例えば、操作者が手動で、または、自動的に、
図4〜
図9で設定した成果物領域43を複製し、全ての成果物の画像51について、複製した成果物領域43の位置を設定することで行われる。面付設定を自動で行う場合、例えば、印刷画像50に含まれる成果物の画像51の配置(この実施形態では、5行2列)を入力することで行われる。
【0057】
面付設定が行われた後のシート40に対する印刷画像50の配置は、
図10に示すように、印刷画像50とシート40の外形とが重なった状態でディスプレイ141に表示される。このとき、ディスプレイ141に表示されている印刷画像50の成果物の画像51に、設定された成果物領域43の位置(すなわち、外形線431)と一致していない成果物の画像51がある場合、ディスプレイ141に表示されている成果物の画像51と、成果物領域43の外形線431とが一致するようにバー61を移動させる。例えば、
図11に示すように、ディスプレイ141に表示されている右列の上から2番目の成果物の画像51の外形線511の上辺513が、成果物領域43の外形線431の上辺433と一致していなかったとする。この場合、右列の上から2番目の成果物領域43の外形線431の上辺433に対応する上下方向のバー61を移動させて、
図12に示すように、成果物領域43の外形線431の上辺433を成果物の画像51の外形線511の上辺513に一致させる。
【0058】
ディスプレイ141に表示されている全ての成果物の画像51と、設定された成果物領域43の外形線431とが一致していることが確認されると、シート40に対する印刷画像50の配置と、成果物領域43の配置とが完了する。
【0059】
また、成果物を基準とする場合、シート40を基準として印刷画像50を配置する場合と同様に、成果物領域43の外形線431と成果物の画像51の外形線511とが一致するように、バー61を移動させた後、面付設定を行う。面付設定は、例えば、成果物領域43の外形線431と成果物の画像51とを1つのセットとして複製することで行われる。ディスプレイ141に表示されている全ての成果物の画像51と、設定された成果物領域43の外形線431とが一致していることが確認されると、シート40に対する印刷画像50の配置と、成果物領域43の配置とが完了する。
【0060】
次に、加工位置設定部102は、配置が完了した印刷画像50の各成果物の画像51に対して加工位置を設定する。各成果物の画像51に対する加工位置の設定は、例えば、次のように行う。
【0061】
まず、
図13および
図14に示すように、加工位置設定部102は、印刷画像50の各成果物の画像51と、シート40に施される加工処理の加工位置を示す加工マーク71を少なくとも1つ含む加工マークセットとを同時に表示装置14のディスプレイ141に表示する。この実施形態では、加工位置設定部102は、印刷画像50の各成果物の画像51と、施される加工の加工位置P1〜P5を含む加工マークセットとを重ねた状態でディスプレイ141に表示させる。
【0062】
次に、ディスプレイ141に表示されている加工マークを所望の位置に移動させる。
図13および
図14には、一例として、ミシン目加工の加工位置P5と、加工位置P5に対応する加工マーク71とを示す。加工位置P5の設定は、加工マーク71を所望の位置(例えば、各成果物51の左右方向のグラデーションの境界54)に移動させることで行われる。なお、
図13および
図14では、加工位置P1〜P4については、実線で、加工位置P5および加工位置P5に対応する加工マーク71ついては、点線で示されている。なお、加工位置P1〜P4は、前述のとおり、成果物領域43の位置の設定時に、裁断加工が施される加工位置としてそれぞれ設定されるので、ここで改めて設定する必要はない。
【0063】
この実施形態では、加工位置の設定と共に、加工種類も設定される。全ての成果物の画像51に対して、加工位置および加工種類が設定されると、設定された加工位置および加工種類に基づいて、加工ジョブが作成される。
【0064】
なお、加工マーク71の一端には、加工マーク71と共に移動する略円形状のマーク72が設けられている。このマーク72により、加工マーク71を認識し易くしている。また、マーク72は、加工の種類により変化するように構成され、マーク72の位置に加え、加工の種類も認識し易くしている。なお、
図13および
図14には、ミシン目加工に対応するマーク72を示している。また、印刷画像50の各成果物の画像51の右上角には、上下方向および左右方向に延びるトンボマーク63(画像マークの一例)が設けられている。加工マーク71とトンボマーク63との間の距離が所定値以下(例えば、1.0mm以下)になった場合、加工位置設定部102は、加工マーク71を自動的に移動させて、加工マーク71とトンボマーク63とを一致させる。
【0065】
また、加工ジョブ生成装置10では、少なくとも1つの加工マーク71を含む少なくとも1つの加工マークセットと、少なくとも1つの加工マークセットに対応する少なくとも1つの印刷画像50と、シート40の外形を表すシート画像とを重ねた状態で表示装置14に表示させているが、印刷画像50およびシート画像については、表示装置14に表示させないようにすることもできる。例えば、少なくとも1つの加工マーク71を含む少なくとも1つの加工マークセットと、シート40の外形を表示するシート画像とを重ねた状態で表示装置14に表示させてもよい。この場合、例えば、印刷画像50の透明度を変更可能にして、印刷画像50の透明度を100%にすることで、印刷画像50を表示しないようにしてもよい。また、少なくとも1つの加工マーク71を含む加工マークセットと、シート40の情報に関連付けられた印刷画像50とを重ねた状態で表示装置14に表示させてもよい。この場合、例えば、シート画像の透明度を変更可能にして、シート画像の透明度を100%にすることで、シート40を表示しないようにしてもよい。シート画像を表示装置14に表示させて加工位置の設定を行う場合、加工マーク71の位置は、シート40の基準位置41から距離を数値入力することで設定することもできる。
【0066】
加工ジョブ生成部103は、加工位置設定部102で設定された加工位置に基づいて、加工ジョブを生成する。生成された加工ジョブは、例えば、
図15に示すように、シート40に対する印刷画像50の配置の情報と、加工処理が行われる加工位置および加工種類の情報とを含み、ディスプレイ141に重ねた状態で表示することができる。
図15に示す加工ジョブには、前述のとおり、縦裁断加工の加工位置P1、P3と、横裁断加工の加工位置P2、P4と、ミシン目加工の加工位置P5とが含まれている。
【0067】
本実施形態の加工ジョブ生成装置10によれば、次のような効果を発揮できる。
【0068】
加工ジョブ生成装置10によれば、印刷画像50と、シート40に施される加工処理の加工位置を示す加工マーク71とを表示装置14に同時に表示させ、表示装置14に表示された印刷画像50に基づいて加工位置P1〜P5の設定を行い、印刷画像50の情報と設定された加工位置P1〜P5とに基づいて加工ジョブを生成する。このような構成により、シート40における印刷画像50に対する加工位置P1〜P5を直感的に容易に把握できるので、加工ジョブを容易に作成できる加工ジョブ生成装置10を実現できる。
【0069】
加工位置設定部102が、印刷画像50と加工マーク71とを重ねた状態で表示装置14に表示させる。このような構成により、シート40における印刷画像50に対する加工位置P1〜P5をより容易に把握できるので、加工ジョブを容易に作成できる加工ジョブ生成装置10を実現できる。
【0070】
加工位置設定部102が、加工マーク71と、印刷画像50に設定されたトンボマーク63との間の距離が所定値以下になった場合、加工マーク71を自動的に移動させて、加工マーク71とトンボマーク63とを一致させる。このような構成により、加工ジョブをより容易に作成することができる。
【0071】
取得部101が、サイズを含むシート40の情報を取得し、加工位置設定部102が、少なくとも1つの加工マーク71を含む少なくとも1つの加工マークセットと、シート40の外形を表示するシート画像とを重ねた状態で表示装置14に表示させる。このような構成により、シート40に対する加工マーク71の位置を直感的に容易に把握できる。
【0072】
取得部101が、サイズを含むシート40の情報を取得し、加工位置設定部102が、少なくとも1つの加工マーク71を含む少なくとも1つの加工マークセットと、少なくとも1つの加工マークセットに対応する少なくとも1つの印刷画像50と、シート40の外形を表すシート画像とを重ねた状態で表示装置14に表示させる。このような構成により、シート40に対する印刷画像50および加工マーク71のセットの位置を直感的に容易に把握できる。
【0073】
取得部101が、サイズを含むシート40の情報を取得し、加工位置設定部102が、少なくとも1つの加工マーク71を含む加工マークセットと、シート40の情報に関連付けられた印刷画像50とを重ねた状態で表示装置14に表示させる。このような構成により、シート40および印刷画像50に対する加工マーク71の位置を直感的に容易に把握できる。
【0074】
加工位置設定部102は、取得部101で取得されたシート40のサイズに応じて、表示装置14に表示させるシート40のサイズを変更する。このような構成により、印刷画像50のサイズに応じてシート40のサイズを変更する必要がなくなるので、加工ジョブをより容易に作成することができる。
【0075】
加工ジョブを外部に出力する出力部13をさらに備え、出力部13により出力される加工ジョブには、加工位置P1〜P5のみ、または、加工位置P1〜P5および加工種類、または、加工位置P1〜P5および印刷画像の情報、または、加工位置P1〜P5、加工種類および印刷画像の情報のいずれかが含まれる。このような構成により、生成した加工ジョブを出力できる。
【0076】
本実施形態のシート加工システム1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0077】
シート加工システム1によれば、加工ジョブ生成装置10と、シート加工装置30と
を備え、シート加工装置30が、加工ジョブ生成装置10で生成された加工ジョブに基づいてシート40を加工する。このような構成により、シート40を容易に加工できるシート加工システムを実現できる。
【0078】
加工ジョブに基づいて印刷画像50をシート40に印刷して、印刷済シートを生成する印刷装置20をさらに備え、シート加工装置30が、加工ジョブに基づいて、印刷装置20によって生成された印刷済シートを加工する。このような構成により、シート40を容易かつ高精度で加工できる。
【0079】
なお、加工ジョブ生成装置10では、加工位置設定部102が面付設定を行っているが、これに限らず、加工位置設定部102が面付設定を行わなくてもよい。この場合、シート加工システム1は、加工ジョブ生成装置10で生成された加工ジョブに基づいて面付を行う印刷画像編集装置(図示せず)を備えてもよい。このような構成により、シート40を容易かつ高精度で加工できる。
【0080】
本実施形態のシート加工システム1は、次のように構成することもできる。
【0081】
加工位置設定部102は、印刷画像50と加工マーク71とを表示装置14に同時に表示させればよく、印刷画像50と加工マーク71とを重ねた状態で表示装置14に表示させる場合に限らない。
【0082】
表示装置は、シート加工装置30の表示装置14に限らず、パソコン、スマートフォンまたはタブレットPC等の外部装置のディスプレイであってもよい。
【0083】
加工マーク71と、印刷画像50に設定されたトンボマーク63との間の距離が所定値以下になった場合に、加工マーク71を自動的に移動させて、加工マーク71とトンボマーク63とを一致させる機能は、省略することができる。
【0084】
画像マークは、トンボマーク63に限らず、任意に設定できる。例えば、印刷画像50の色の変化量が所定値以上の部分を画像マークとしてもよい。
【0085】
出力部13は、例えば、加工ジョブ生成装置10をシート加工装置30と一体に形成することで、省略することができる。
【0086】
シート加工システム1は、加工ジョブ生成装置10とシート加工装置30とを少なくとも備えていればよく、印刷装置20については、省略することができる。
【0087】
取得部101は、シート40の情報に限らず、成果物の情報を取得するように構成してもよい。成果物の情報は、例えば、成果物の画像51のサイズ、成果物の画像51の位置および面付設定の少なくともいずれかを含む。この場合、加工位置設定部102は、成果物の情報に関連付けられた少なくとも1つの加工マークを含む加工マークセットと、印刷画像50とを重ねた状態で表示装置14に表示させることができる。
【0088】
例えば、取得部101が、成果物の画像51のサイズを含む成果物の情報を取得した場合、加工位置設定部102は、
図16に示すように、加工マークセットを表示装置14に表示させることができる。
図16の加工マークセットは、成果物の画像51と同じサイズで、成果物の画像51の位置情報に関連付けされていない加工マーク71(言い換えると、成果物の画像51の外形線511に一致していない加工マーク71)を含んでいる。
【0089】
例えば、取得部101が、成果物の画像51のサイズと成果物の画像51の位置とを含む成果物の情報を取得した場合、加工位置設定部102は、
図17に示すように、加工マークセットを表示装置14に表示させることができる。
図17の加工マークセットは、成果物の画像51と同じサイズで、成果物の画像51の位置情報に関連付けされた加工マーク71(言い換えると、成果物の画像51の外形線511に一致している加工マーク71)を含んでいる。
【0090】
例えば、取得部101が、面付設定を含む成果物の情報を取得した場合、加工位置設定部102は、
図18に示すように、加工マークセットを表示装置14に表示させることができる。
図18のマークセットは、成果物の画像51よりも小さいサイズで、成果物の画像51の位置情報に関連付けされていない、面付数と同じ数の加工マーク71を含んでいる。
【0091】
例えば、取得部101が、面付設定と成果物の画像51のサイズとを含む成果物の情報を取得した場合、加工位置設定部102は、
図19に示すように、加工マークセットを表示装置14に表示させることができる。
図19のマークセットは、成果物の画像51と同じサイズで、成果物の画像51の位置情報に関連付けされていない、面付数と同じ数の加工マーク71を含んでいる。
【0092】
例えば、取得部101が、面付設定と成果物の画像51の位置とを含む成果物の情報を取得した場合、加工位置設定部102は、
図20に示すように、加工マークセットを表示装置14に表示させることができる。
図20のマークセットは、成果物の画像51よりも小さいサイズで、成果物の画像51の位置情報に関連付けされた、面付数と同じ数の加工マーク71を含んでいる。
図20では、各加工マーク71の右上の角と、成果物の画像51の外形線511における右上の角とが一致している。
【0093】
例えば、取得部101が、面付設定と成果物の画像51のサイズと成果物の画像51の位置とを含む成果物の情報を取得した場合、加工位置設定部102は、
図21に示すように、加工マークセットを表示装置14に表示させることができる。
図21のマークセットは、成果物の画像51と同じサイズで、成果物の画像51の位置情報に関連付けされた、面付数と同じ数の加工マーク71を含んでいる。
【0094】
取得部101は、成果物の情報から、成果物の画像51が配置されていない印刷画像50の余白領域55(
図15に示す)の情報を取得するように構成してもよい。余白領域55の情報は、例えば、シート40の外形線53と成果物の画像51の外形線511との間の距離L1(
図15に示す)、および/または、隣接する成果物の画像51の外形線511間の距離L2(
図15に示す)を含むことができる。
【0095】
以上のような構成により、シート40における印刷画像50に対する「成果物の画像51および加工マーク71」のセットの位置が直感的に容易に把握できる。
【0096】
加工位置設定部102は、例えば、操作者により入力された数値に基づいて加工マークの位置を設定可能に構成されていてもよい。数値入力により、ポインティングディバイスなどでは難しい微調整を容易に行えるので、加工マークの位置をより正確に設定できる。
【0097】
なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。