【解決手段】車室の車幅方向の外側縁に沿って前後方向に延びる一対のサイドシル3と、サイドシル3よりも車幅方向の内側に設けられて前後方向に延びるフレーム部材5と、車幅方向に延びて前記フレーム部材5と前記サイドシル3とを連結するクロスメンバ6と、前記クロスメンバ6の前方と後方の少なくとも一方において、車幅方向に延びて前記フレーム部材5と前記サイドシル3とを連結する連結部材100とを設け、連結部材100に、前記フレーム部材5と前記サイドシル3との間で水平に延びる平面部111aと、車両に設けられる補機を保持する保持部111aを設ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構造では、前記のように前後方向についての車体の剛性が高められることで車両の前突時の安全性は向上すると考えられる。しかし、この構造では、前記のように、車幅方向の外側の車室フロアが低くなっていることで、車室の車幅方向の外側縁に沿って前後方向に延びるサイドシルに対して車室フロアがより低い位置で接合されることになる。そのため、車体の車幅方向の剛性が低くなって車両の側突時にサイドシルが内倒れしやすくなり、これを抑制するためにサイドシルの材質の剛性の高い材質への変更やサイドシルの板厚の増加等が必要となり、コストがかかるあるいは重量が増加するという問題が生じる。
【0007】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、コストや重量の増加を抑えつつ車体の車幅方向の剛性を高めることのできる車両の下部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、車室の車幅方向の外側縁に沿って前後方向に延びる一対のサイドシルと、前記サイドシルよりも車幅方向の内側に設けられて前後方向に延びるフレーム部材と、車幅方向に延びて前記フレーム部材と前記サイドシルとを連結するクロスメンバと、前記クロスメンバの前方と後方の少なくとも一方において、車幅方向に延びて前記フレーム部材と前記サイドシルとを連結する連結部材とを備え、前記連結部材は、前記フレーム部材と前記サイドシルとの間で水平に延びる平面部と、車両に設けられる補機を保持する保持部とを備える、ことを特徴とするものである(請求項1)。
【0009】
この構造では、前後方向に延びるフレーム部材とサイドシルとが、クロスメンバに加えて連結部材によって連結されている。そのため、サイドシルの材質や板厚変更等に伴うコストや重量の増大を回避しつつあるいはこの増大量を小さく抑えつつ、車体の車幅方向についての剛性を高めることができる。特に、クロスメンバと連結部材とがサイドシルに連結されていることで、車両の側突時等にサイドシルに加えられた荷重をこれらを介してフレーム部材に逃がすことができる。また、この構造では、連結部材に、フレーム部材とサイドシルとの間で水平に延びる平面部が設けられている。そのため、サイドシルから連結部材に加えられた荷重を平面部を介して確実にフレーム部材に伝達できる。従って、サイドシルの内倒れを確実に抑制できる。
【0010】
しかも、この構造では、連結部材に補機を保持する保持部が設けられている。そのため、補機を保持するための部材を別途設ける必要がない。
【0011】
前記構成において、好ましくは、前記フレーム部材よりも車幅方向の内側の車室フロアを構成する第1フロア部と、前記フレーム部材と前記サイドシルとの間の車室フロアを構成する第2フロア部とを備え、前記第2フロア部は前記第1フロア部よりも低い位置に設けられている、(請求項2)。
【0012】
この構成によれば、第2フロア部の下面が低くされることでこの下面をアンダーカバーとして利用でき、アンダーカバーの省略が可能になる。ここで、前述のように、車室フロアのうちの車幅方向の外側の部分を低くすると、サイドシルに対して車室フロアがより低い位置で接合されることで車両の側突時にサイドシルが内倒れしやすくなる。しかし、本発明では、前記のようにクロスメンバと連結部材とによってサイドシルの内倒れが抑制される。そのため、この構成によれば、サイドシルの内倒れを抑制しつつ、アンダーカバーの省略が可能になる。
【0013】
また、前記のように、本発明では、クロスメンバとサイドシルとを連結する連結部材によって補機が保持されるため、第2フロア部が低くなることに伴って第2フロア部の上方に形成された広い空間を補機の保持スペースとして有効に利用できる。
【0014】
前記構成において、好ましくは、前記保持部は、前記第2フロア部の上方で且つ前記フレーム部材の上端と前記サイドシルの上端のうち高い方の上端の高さ位置よりも下方となる空間に前記補機が配設されるように当該補機を保持する(請求項3)。
【0015】
この構成によれば、第2フロア部の上方で且つフレーム部材の上端とサイドシルの上端のうちの高い方の上端の高さ位置から下方の空間を補機の配設スペースとして有効に利用できる。
【0016】
前記構成において、好ましくは、前記フレーム部材は、前後方向に延びる閉断面を有する(請求項4)。
【0017】
この構成によれば、フレーム部材の剛性が高められることで、このフレーム部材によってサイドシルの内倒れがより確実に抑制される。
【0018】
前記構成において、好ましくは、前記連結部材は、前記平面部の前後方向の少なくとも一方の縁から上下方向に延びるフランジ部を備える(請求項5)。
【0019】
この構成によれば、平面部ひいては連結部材の剛性が高められて、連結部材によってサイドシルの内倒れがより確実に抑制される。
【0020】
前記構成において、好ましくは、前記サイドシルの車幅方向の内側の側面には、下方に向かうほど車幅方向の内側に位置するように傾斜する傾斜部が形成されており、前記傾斜部には、前記連結部材が固定されている(請求項6)。
【0021】
この構成によれば、傾斜部とこれに固定される連結部材とによって、サイドシルが内倒れするのが効果的に抑制される。
【0022】
前記構成において、好ましくは、前記連結部材は、上下方向に互いに離間した位置に配置された2つの前記平面部を有する(請求項7)。
【0023】
この構成によれば、上下2つの平面部を介してサイドシルからフレーム部材へ荷重が伝達されることで、サイドシルに加えられた荷重をより確実にフレーム部材に逃がすことができる。そのため、サイドシルの内倒れがより一層確実に抑制される。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明の車両の下部車体構造によれば、コストや重量の増加を抑えつつ車体の車幅方向の剛性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る車両の下部車体構造について説明する。なお、以下の説明では、前後方向(車両の前後方向)において、車両の前進走行時の進行方向を「前」とし、図面においてもこの進行方向を「前」と表す。また、適宜、車幅方向について内側を「内側」という。また、図面において、車幅方向の外側を「外」と表す。また、適宜、車幅方向のことを左右方向といい、車両の前進走行時の進行方向(前)を向いた状態での右を右とする。
【0027】
<全体構成>
図1は、車両1の車体構造の一部を示した概略平面図である。
図2は、
図1の一部であって後述する第1連結ユニット100周辺を拡大して示した図である。
図3は、
図2のIII−III線断面図である。
図4は、
図2のIV−IV線断面図である。
図5は、
図1のV−V線断面の一部を示した図である。
【0028】
車両1は、車幅方向に延びてエンジンルームR1と車室R2とを区画するダッシュパネル2、車室R2の車幅方向の両外側縁に沿って前後方向に延びる左右一対のサイドシル3を備える。車室R2内には、左右一対のフロアパネル4、左右一対のフロアフレーム5、複数のクロスメンバ6が設けられている。前記のフロアフレーム5は請求項の「フレーム部材」に相当する。
【0029】
図3等に示すように、各サイドシル3は、車幅方向の外側に開放した断面ハット状のサイドシルインナ3aと、車幅方向の内側に開放した断面ハット状のサイドシルアウタ3bとを備える。サイドシルインナ3aとサイドシルアウタ3bとは、前後方向に連続する閉断面を形成するように互いに接合されている。
【0030】
具体的には、サイドシルインナ3aは、略水平に延びる上面部11と、上面部11の車幅方向の外側縁から上方に延びる第1立壁部12と、上面部11の車幅方向の内側縁から下方に延びる第2立壁部13と、第2立壁部13の下縁から車幅方向の外側に延びる底面部14と、底面部14から下方に延びる第3立壁部15とを有する。サイドシルアウタ3bは、第1立壁部12と対向するアウタ側第1立壁部16と、第3立壁部15と対向するアウタ側第3立壁部17を有している。第1立壁部12とアウタ側第1立壁部16とが溶接等により接合され、第3立壁部15とアウタ側第3立壁部17とが溶接等により接合されることで、サイドシル3の内側に閉断面が形成されている。
【0031】
各フロアパネル4は、車室フロアを構成する板状部材であり、各サイドシル3から車幅方向の内側に向かって略水平に延びている。
【0032】
本実施形態では、車室R2の車幅方向の中央にトンネル部7aが設けられている。各フロアパネル4は、サイドシル3からトンネル部7aの車幅方向の両縁付近まで延びている。具体的には、車室R2の車幅方向の中央には、上方に膨出するハット状の断面を有してトンネル部7aを構成するトンネルパネル7が設けられている。トンネルパネル7の車幅方向の両端部は、トンネル部7aの車幅方向の両縁から車幅方向の外側に延びている。各フロアパネル4は、このトンネルパネル7の車幅方向の各端部に溶接等により接合されており、各フロアパネル4は、トンネルパネル7の車幅方向の各端部とサイドシル3(サイドシルインナ3a)とにわたって略水平に延びている。なお、トンネル部7aには、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)式あるいは4WD式の車両に設けられて車両前部に設けられたエンジンルームR1内のエンジンの駆動力を後輪(不図示)に伝達するためのプロペラシャフトが収容されている。
【0033】
2つのフロアパネル4の構造は、左右対称であり、以下では、一のフロアパネル4について説明を行う。
【0034】
図3に示すように、フロアパネル4には、車幅方向の外側の部分の方が車幅方向の内側の部分よりも低くなるような段部が形成されている。つまり、フロアパネル4は、トンネル部7aの車幅方向の端部付近から延びる第1フロア部4aと、サイドシル3から車幅方向の内側に延びる第2フロア部4bであって第1フロア部4aよりも低い第2フロア部4bと、これらをつなぐ中間部分4dとを有する。車幅方向について、中間部分4dは第1フロア部4aの外側縁から第2フロア部4bの内側縁に向かって外斜め下方に傾斜している。フロアパネル4には、第2フロア部4bの車幅方向の外側縁から上方に延びる立壁部4cが設けられている。この立壁部4cはサイドシルインナ3aの第2立壁部13の下端に溶接等により接合されている。
【0035】
各フロアフレーム5は、前後方向に延びている。各フロアフレーム5は、サイドシル3の上端よりも低い位置に配設されており、サイドシル3の上端の高さ位置の方がフロアフレーム5の上端の高さ位置よりも高くなっている。本実施形態では、各フロアフレーム5は、その上端の高さ位置がサイドシル3の上下方向の中央の高さ位置よりもわずかに低くなっている。各フロアフレーム5は、車室R2の前端部付近から後述する後側クロスメンバ6bの前後方向の中間位置まで延びている。本実施形態では、トンネル部7aと各サイドシル3との間の位置にそれぞれ1つずつフロアフレーム5が設けられている。2つのフロアフレーム5は、左右対称の構造を有しており、以下では、一のフロアフレーム5の構造について説明する。
【0036】
図3等に示すように、フロアフレーム5は、フロアパネル4の上方に設けられるフロアアッパフレーム5aと、フロアパネル4の下方に設けられてフロアアッパフレーム5aと対向するフロアロアフレーム5bとを備える。フロアアッパフレーム5aとフロアロアフレーム5bとは、前後方向に延びる閉断面を形成するように互いに接合されている。
【0037】
具体的には、フロアアッパフレーム5aは、略水平に延びる上面部21と、上面部21の車幅方向の外側縁から下方に延びる第1立壁部22と、第1立壁部22の車幅方向の外側縁から車幅方向の外側に延びる第1横壁部23と、上面部21の車幅方向の内側縁から下方に延びる第2立壁部24と、第2立壁部24の下縁から車幅方向の内側に延びる第2横壁部25とを備える。フロアロアフレーム5bは、略水平に延びる底面部31と、底面部31の車幅方向の外側縁から上方に延びる第1立壁部32と、第1立壁部32の車幅方向の外側縁から車幅方向の外側に延びる第1横壁部33と、底面部31の車幅方向の内側縁から上方に延びる第2立壁部34と、第2立壁部34の上縁から車幅方向の内側に延びる第2横壁部35とを備える。
【0038】
フロアアッパフレーム5aは、その第1横壁部23と第2横壁部25がフロアパネル4の上面と当接する状態で、全体として上方に膨出するようにフロアパネル4の上方に配設されている。フロアロアフレーム5bは、その第1横壁部33と第2横壁部35がフロアパネル4の下面と当接する状態で、全体として下方に膨出するようにフロアパネル4の下方に配設されている。フロアアッパフレーム5aの第1横壁部23とフロアロアフレーム5bの第1横壁部33とは上下方向に互いに対向している。これら第1横壁部23、33はこれらの間に介在するフロアパネル4とともに互いに溶接等により接合されている。また、フロアアッパフレーム5aの第2横壁部25とフロアロアフレーム5bの第2横壁部35とは上下方向に互いに対向している。これら第2横壁部25、35はこれらの間に介在するフロアパネル4とともに互いに溶接等により接合されている。
【0039】
このように、本実施形態では、フロアアッパフレーム5aとフロアロアフレーム5bとによって、これらの間にフロアパネル4が挟み込まれた状態で、前後方向に延びる閉断面が形成されている。
【0040】
ここで、フロアフレーム5は、フロアパネル4の前記の段部が形成された部分に設けられており、フロアアッパフレーム5aとフロアロアフレーム5bとの間の空間にはフロアパネル4の中間部分4dが収容されている。そして、フロアフレーム5から車幅方向の内側に第1フロア部4aが延びており、フロアフレーム5から車幅方向の外側に第2フロア部4bが延びている。
【0041】
各クロスメンバ6は、フロアパネル4の上方においてサイドシル3(サイドシルインナ3a)とトンネル部7aとにわたって車幅方向に延びている。各クロスメンバ6の車幅方向の両端部には、これらをそれぞれ上方から覆うシートブラケット8が接合されている。シートブラケット8は、乗員が着座するシートを支持するためのものである。
【0042】
車両1には、クロスメンバ6として、トンネル部7aを挟んで互いに対向する左右一対の前側クロスメンバ6aと、これよりも後方に設けられてトンネル部7aを挟んで互いに対向する左右一対の後側クロスメンバ6bとが設けられている。前側クロスメンバ6aは、フロアアッパフレーム5aを跨いで車幅方向に延びている。
【0043】
図5に示すように、各クロスメンバ6は、略水平に延びる上面部41と、上面部41の前側縁から下方に延びる前壁部42と、前壁部42の下縁から前方に延びる前縁部43と、上面部41の後側縁から下方に延びる後壁部44と、後壁部44の下縁から後方に延びる後縁部45とを有する。各クロスメンバ6は、フロアパネル4およびフロアアッパフレーム5aの車室R2内に露出している面に沿って延びている。前側クロスメンバ6aの前壁部42および後壁部44の車幅方向の中間部分は、第2フロア部4bから上方に延びるフロアアッパフレーム5aの第1立壁部22に沿っており、この部分からは前後方向に(前壁部42からは前方に、後壁部44からは後方に)それぞれフロアアッパフレーム5aの第1立壁部22に沿う被接合部46が延びている。後側クロスメンバ6bの前壁部42の車幅方向の中間部分も、フロアアッパフレーム5aの第1立壁部22に沿っており、この部分にはフロアアッパフレーム5aの第1立壁部22に沿って前方に延びる被接合部47が設けられている。一方、後側クロスメンバ6bの後壁部44の車幅方向の中間部分は、フロアパネル4の前記の中間部分4dに沿っており、後側クロスメンバ6bの後壁部44の車幅方向の中間部分にはフロアパネル4の中間部分4dに沿って後方に延びる被接合部48が設けられている。
【0044】
各クロスメンバ6の前縁部43および後縁部45の各下面とフロアパネル4の上面とは、溶接等により接合されている。これら前縁部43および後縁部45の一部とフロアアッパフレーム5aの上面とは溶接等により接合されている。前側クロスメンバ6aの各被接合部46および後側クロスメンバ6bの前側の被接合部47と、フロアアッパフレーム5aの第1立壁部22とは溶接等により接合されている。後側クロスメンバ6bの後側の被接合部48と、フロアパネル4の中間部分4dとは溶接等により接合されている。また、各クロスメンバ6の車幅方向の外側の端部は、サイドシルインナ3aに溶接等により接合されており、各クロスメンバ6の車幅方向の内側の端部はトンネルパネル7に溶接等により接合されている。
【0045】
これらの接合により、車室R2内には、各クロスメンバ6とフロアパネル4およびフロアアッパフレーム5aとによって車幅方向に延びる閉断面が形成されている。また、各クロスメンバ6によって、サイドシルインナ3a(サイドシル3)とフロアアッパフレーム5a(フロアフレーム5)とが連結されている。なお、各クロスメンバ6の上端の高さ位置つまり上面部41の高さ位置は車幅方向についてほぼ一定である。
【0046】
<連結ユニット>
車両1には、前後方向についてクロスメンバ6に近い位置でフロアフレーム5とサイドシル3とを連結する3つの連結ユニットが設けられている。具体的には、車両1は、トンネル部7aよりも左側且つ前側クロスメンバ6aの後方で且つ後側クロスメンバ6bの前方に設けられる第1連結ユニット100、トンネル部7aよりも左側且つ前側クロスメンバ6aの前方に設けられる第2連結ユニット200、および、トンネル部7aよりも右側且つ前側クロスメンバ6aの後方で且つ後側クロスメンバ6bの前方に設けられる第3連結ユニット300を有する。これら連結ユニット100、200、300は、請求項の「連結部材」に相当する。
【0047】
<第1連結ユニット>
図6は、第1連結ユニット100を分解して示した概略斜視図である。第1連結ユニット100は、DCU用ブラケット110と、第1カバー部120と、を備える。
【0048】
(DCU用ブラケット110)
DCU用ブラケット110は、サイドシルインナ3aとフロアアッパフレーム5aとの間で左右に延びる横壁部111と、横壁部111の右側縁から右斜め上方に延びる立壁部112と、立壁部112の右側縁から右側に延びる第1取付部113と、横壁部111の左側縁から上方に延びる第2取付部114とを有する。DCU用ブラケット110は、例えば板状部材が折り曲げられること等によって形成されている。
【0049】
第1取付部113は、フロアアッパフレーム5aの上面に載置された状態でフロアアッパフレーム5aの上面部21にボルトで固定されている。第1取付部113は、フロアアッパフレーム5aの上面に沿って水平に延びている。
【0050】
第2取付部114は、サイドシル3の車幅方向の内側を向く面つまりサイドシルインナ3aの第2立壁部13の右側面に沿って上下方向に延びており、これにボルトで固定されている。
【0051】
具体的には、
図4に示すように、サイドシルインナ3aの第2立壁部13の右側面の上部には、第2立壁部13の上端から下方に向かって右側に傾斜するつまり車幅方向の内側に傾斜する(下側の部分ほど右側に位置するように傾斜する)第1被固定部13aが形成されている。第2取付部114は、サイドシルインナ3aの第2立壁部13の上端まで延びているとともに、前記の第1被固定部13aに沿うように左斜め上方に傾斜している。第2取付部114は、その上部であって第1被固定部13aと当接する位置で第1被固定部13aにボルトで固定されている。なお、第2取付部114の上端には左側に延びる折れ板部114aが形成されており、折れ板部114aの下面とサイドシルインナ3aの上面部11の上面とは当接している。前記の第1被固定部13aは請求項の「傾斜部」に相当する。
【0052】
第2取付部114は、第1被固定部13aの上下中央付近の位置でこれに固定されており、第2取付部114がサイドシルインナ3aに固定される位置は、サイドシルインナ3a(サイドシル3)の上下方向の中央よりも上側となっている。また、この位置は、フロアフレーム5の上端の位置よりも上側となっている。
【0053】
このように、第1取付部113がフロアアッパフレーム5aの上面部21に固定され、第2取付部114がサイドシルインナ3aの第2立壁部13に固定されることで、DCU用ブラケット110によってフロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとは連結されている。
【0054】
横壁部111は、左右に延びる略板状を有する。横壁部111には、その左右の中央部分が下側となるように段部が形成されており、横壁部111は、その左右の外側部分を構成する左右一対のDCU保持部111aと、DCU保持部111aよりも低い位置に設けられてDCU保持部111aどうしを左右につなぐ連絡部111bとで構成されている。DCU保持部111aおよび連絡部111bはそれぞれ水平に延びている。なお、本明細書でいう「水平」は完全に水平であることに限らずわずかに傾斜しているものも含む。
【0055】
DCU保持部111aは、車両1に設けられる補機の1つであるDCU(Domain Control Unit)150を第2フロア部4bの上方であって車幅方向についてサイドシル3とフロアフレーム5との間となる空間に保持している。DCU150は略直方体の箱状の外形を有する本体部151と、本体部151の底部の左右両端部からそれぞれ左右外側に延びる被取付部152とを有する。DCU150は、両DCU保持部111aにわたって左右に延びる姿勢でこれらの上面に載置されている。DCU150の各被取付部152とこれに当接する各DCU保持部111aとはボルトによって締結されており、これにより、DCU150は、各DCU保持部111aに保持されている。
【0056】
DCU保持部111aおよび横壁部111は、フロアアッパフレーム5aの上面よりも低い位置に配設されている。これに伴い、上下方向についてDCU150の下部はフロアアッパフレーム5aの上面よりも下方に位置し、DCU150は、その一部が上下方向についてフロアフレーム5の上端とフロアパネル4との間に配設された状態で、DCU保持部111aに保持されている。また、DCU150は、上下方向について、その全体がサイドシルインナ3a(サイドシル3)の上端よりも下方となる位置に配設されている
【0057】
(第1カバー部120)
第1カバー部120は、サイドシルインナ3aとフロアアッパフレーム5aとの間で左右に延びる横壁部121を有する。第1カバー部120も、板状部材が折り曲げられること等によって形成されている。横壁部121は、平面視で左右に延びる略長方形状を呈している。横壁部121は、板状を有し、フロアアッパフレーム5aの上面よりも高い位置で水平に延びている。横壁部121は、DCU150およびDCU用ブラケット110の横壁部111全体を上方から覆っている。
【0058】
また、
図5に示すように、第1カバー部120は、横壁部121の前側縁から下方に延びる前側フランジ部122と、横壁部121の後側縁から下方に延びる後側フランジ部123とを有している。
【0059】
また、
図3等に示すように、第1カバー部120は、横壁部121の右側縁から右斜め下方に傾斜する立壁部124を有する。立壁部124は、横壁部121の右側縁全体から右斜め下方に延びている。第1カバー部120は、さらに、立壁部124の右側縁の前後両端部からそれぞれ右方に延びる前後一対の第1取付部125と、横壁部121の左側縁の前端部から上方に延びる第2取付部126と、横壁部121の左側縁の後端部から上方に延びる第3取付部127とを有する。
【0060】
第1カバー部120の各第1取付部125は、それぞれフロアアッパフレーム5aの上面に載置された状態でフロアアッパフレーム5aの上面部21にボルトで固定されている。各第1取付部125は、フロアアッパフレーム5aの上面に沿って水平に延びている。これら第1取付部125は、DCU用ブラケット110の前記の第1取付部113を前後に挟むように配設されている。
【0061】
第1カバー部120の第2取付部126および第3取付部127は、サイドシルインナ3aの第2立壁部13の車幅方向の内側面に沿って上下方向に延びており、これにボルトで固定されている。
【0062】
具体的には、第1カバー部120の第2取付部126および第3取付部127は、前記のサイドシルインナ3aの第1被固定部13aに沿うように上斜め左側に傾斜している。第1カバー部120の第2取付部126および第3取付部127は、それぞれ第1被固定部13aと当接しており、これにボルトで固定されている。第1カバー部120の第2取付部126および第3取付部127は、DCU用ブラケット110の前記の第2取付部114を前後に挟むように配設されている。これら取付部126、127、114は、ほぼ同じ高さ位置でサイドシルインナ3aの第1被固定部13aに固定されており、第1カバー部120の第2取付部126および第3取付部127は、サイドシルインナ3a(サイドシル3)の上下方向の中央の位置よりも上側およびフロアアッパフレーム5a(フロアフレーム5)の上端の位置よりも上側の位置で、サイドシルインナ3aに固定されている。なお、第1カバー部120の第3取付部127の上端には左側に延びる折れ板部127aが形成されており、折れ板部127aの下面とサイドシルインナ3aの上面部11の上面とは当接している。
【0063】
このように、各第1取付部125がフロアアッパフレーム5aの上面部21に固定され、第2取付部126および第3取付部127がサイドシルインナ3aの第2立壁部13に固定されることで、第1カバー部120によってフロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとは連結されている。
【0064】
前記のように、フロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとはDCU用ブラケット110によっても連結されており、第1連結ユニット100では、DCU用ブラケット110と第1カバー部120とがそれぞれ個別にフロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとを連結している。
【0065】
ここで、前記のDCU保持部111aは、第1連結ユニット100を請求項の「連結部材」としたときの請求項の「保持部」に相当する。また、DCU用ブラケット110のDCU保持部111aと前記の連絡部111b、および、第1カバー部120の前記の横壁部121は、それぞれ第1連結ユニット100を請求項の「連結部材」としたときの請求項の「平面部」に相当する。なお、第1連結ユニット100では、DCU保持部111aが請求項の「保持部」および「平面部」として機能する。また、前記の前側フランジ部122および後側フランジ部123は、請求項の「フランジ部」に相当する。
【0066】
<第2連結ユニット>
第2連結ユニット200は、モニタ用ブラケット210と、第2カバー部230と、を備える。
図7は、
図1の第2連結ユニット200周辺を拡大して示した概略平面図である。
図8は、
図7に示す状態から第2カバー部230を取り外した状態を示した分解斜視図である。
図9は、モニタ用ブラケット210の概略斜視図である。
図10は、
図7のX−X線断面図である。
【0067】
(モニタ用ブラケット210)
モニタ用ブラケット210は、サイドシルインナ3aとフロアアッパフレーム5aとの間で左右に延びる横壁部211と、横壁部211の右側縁から下方に延びる第1立壁部212と、第1立壁部212の下縁から右方に延びる第1取付部213と、横壁部211の左側縁から下方に延びるとともに横壁部211よりも前方の位置と第2横壁部211よりも後方の位置との間にわたって前後方向に延びる第2立壁部214と、第2立壁部214の前端部および後端部からそれぞれ上方に延びる前後一対の第2取付部215とを有する。モニタ用ブラケット210は、例えば板状部材が折り曲げられること等によって形成されている。
【0068】
第1取付部213は、フロアアッパフレーム5aの上面に載置された状態でフロアアッパフレーム5aの上面部21にボルトで固定されている。第1取付部213は、フロアアッパフレーム5aの上面に沿って水平に延びている。
【0069】
第2立壁部214および各第2取付部215は、サイドシルインナ3aの第2立壁部13の右側面に沿って上下方向に延びている。各第2取付部215は、サイドシルインナ3aの第2立壁部13にボルトで固定されている。
【0070】
このように、第1取付部213がフロアアッパフレーム5aの上面部21に固定され、各第2取付部215がサイドシルインナ3aの第2立壁部13に固定されることで、モニタ用ブラケット210によってフロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとは連結されている。
【0071】
横壁部211は、左右に延びる略板状を有する。横壁部211は、フロアアッパフレーム5aの上面よりも高い位置で水平に延びている。横壁部211には、360度モニタを制御するためのコントロールユニットであって車両1に設けられる補機の1つであるモニタユニット250が保持されている。モニタユニット250は、それぞれ箱状の外形を有する第1モニタユニット251と第2モニタユニット252とで構成されている。横壁部211は、その下面に第1モニタユニット251を吊り下げることでこれを保持している。具体的には、第1モニタユニット251は、その上面が横壁部211の下面に沿う姿勢で配設されており、横壁部211に対して上方から挿通されるボルトによって、横壁部211に固定されている。
【0072】
モニタ用ブラケット210には、さらに、第2モニタユニット252を吊り下げて保持するための第1吊下げ部216、第2吊下げ部217、第3吊下げ部218、第4吊下げ部219が設けられている。
【0073】
第1吊下げ部216は、第2立壁部214の後端部から右側に延びている。第2吊下げ部217は、第2立壁部214の前端部から右側に延びている。モニタ用ブラケット210には、横壁部211の後縁の右端部付近から下方に延びる第3立壁部221が設けられている。第3吊下げ部218は、この第3立壁部221の下縁から後方に延びている。モニタ用ブラケット210には、横壁部211の前縁の左右中央付近から下方に延びる第4立壁部222が設けられている。第4吊下げ部219は、この第4立壁部222の下端部から後方に延びている。なお、第4立壁部222は、横壁部211の前縁から下方に延びた後、前方に折れ曲がり、さらに、下方に延びる形状を有している。
【0074】
第2モニタユニット252は、その上面が前記の第1〜第4吊下げ部216〜219の各下面に沿う姿勢でこれら第1〜第4吊下げ部216〜219の下方に配設されており、ボルトによって第1〜第4吊下げ部216〜219に固定されている。
【0075】
このようにモニタ用ブラケット210に保持されることで、モニタユニット250は、第2フロア部4bの上方の空間であって車幅方向についてフロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとの間の空間に配設される。また、モニタユニット250は、サイドシルインナ3a(サイドシル3)の上端の高さ位置よりも下方の空間に配設される。本実施形態では、
図10に示すように、上下方向について、モニタユニット250の下部は、フロアアッパフレーム5aの上端よりも下方に位置しており、モニタユニット250の一部は、フロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとの間の空間のうち、第2フロア部4bの上方で且つフロアアッパフレーム5aの上端よりも下方となる空間に収容される。
【0076】
(第2カバー部230)
第2カバー部230は、サイドシルインナ3aとフロアアッパフレーム5aとの間で左右に延びる横壁部231を有する。第2カバー部230も、板状部材が折り曲げられること等によって形成されている。
【0077】
横壁部231は、板状を有し、平面視で左右に延びる略長方形状を呈している。横壁部231は、フロアアッパフレーム5aの上面よりも高い位置で水平に延びている。横壁部231は、モニタ用ブラケット210の上方に位置して、これのほぼ全体を上方から覆っている。
【0078】
第2カバー部230は、さらに、横壁部231の右縁から右斜め下方に傾斜する第1立壁部232と、第1立壁部232の前端部および後端部からそれぞれ右側に延びる前後一対の第1取付部233と、横壁部231の後縁から下方に延びる第2立壁部234と、第2立壁部234の左端部の下縁から後側に延びる第2取付部235と、横壁部231の右側部分の前縁から下方に延びる第3立壁部236とを有する。
【0079】
各第1取付部233は、それぞれフロアアッパフレーム5aの上面に載置された状態でフロアアッパフレーム5aの上面部21にボルトで固定されている。各第1取付部233は、フロアアッパフレーム5aの上面に沿って水平に延びている。これら第1取付部233は、モニタ用ブラケット210の前記の第1取付部213を前後に挟むように配設されている。
【0080】
第2取付部235は、モニタ用ブラケット210の第1吊下げ部216の上面に載置された状態でこれにボルトで固定されている。前記のように、第1吊下げ部216には、第2モニタユニット252も固定されており、第1吊下げ部216には第2モニタユニット252と第2カバー部230とが固定されている。
【0081】
前記の各第1取付部233とフロアアッパフレーム5aとの固定と、第2取付部235とモニタ用ブラケット210の第1吊下げ部216との固定により、第2カバー部230は、フロアアッパフレーム5aとモニタ用ブラケット210とに連結されている。本実施形態では、第2吊下げ部217に、これから上方に延びるスペーサ部材225が設けられており、このスペーサ部材225によっても第2カバー部230は下方から支持されている。
【0082】
このように、第2連結ユニット200では、モニタ用ブラケット210がフロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとを直接連結し、第2カバー部230がモニタ用ブラケット210を介してフロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとを連結している。
【0083】
ここで、前記のモニタ用ブラケット210の横壁部111および第1〜第4吊下げ部216〜219は、第2連結ユニット200を請求項の「連結部材」としたときの請求項の「保持部」に相当する。また、モニタ用ブラケット210の横壁部211および第2カバー部230の前記の横壁部231は、それぞれ第2連結ユニット200を請求項の「連結部材」としたときの請求項の「平面部」に相当する。なお、第2連結ユニット200でも、モニタ用ブラケット210の横壁部211は請求項の「保持部」および「平面部」として機能する。また、前記のモニタ用ブラケット210の第3立壁部221および第4立壁部222は、請求項の「フランジ部」に相当する。また、前記の第2カバー部230の第2立壁部234および第3立壁部236は、請求項の「フランジ部」に相当する。
【0084】
<第3連結ユニット>
図11は、
図1の第3連結ユニット300周辺を拡大して示した概略平面図である。
図12は、
図11のXII−XII線断面図である。
【0085】
第3連結ユニット300は、サイドシルインナ3aとフロアアッパフレーム5aとの間で左右に延びる横壁部301と、横壁部301の左側縁から左方に延びる第1取付部302と、横壁部301の右側縁から右斜め上方に延びる第2取付部303とを有する。
【0086】
第1取付部302は、フロアアッパフレーム5aの上面に載置された状態でフロアアッパフレーム5aの上面部21にボルトで固定されている。第1取付部302は、フロアアッパフレーム5aの上面に沿って水平に延びている。第1取付部302は、横壁部301と同じ高さ位置でこれと連続して水平に延びている。
【0087】
第2取付部303は、サイドシルインナ3aの第2立壁部13の左側面に沿って上下方向に延びており、これにボルトで固定されている。
【0088】
具体的には、サイドシルインナ3aの第2立壁部13の左側面の上部には、第2立壁部13の上端から下方に向かって左側に傾斜するつまり車幅方向の内側(中央側)に傾斜する(下側の部分ほど左側に位置するように傾斜する)第2被固定部13bが形成されている。第2取付部303は、サイドシルインナ3aの第2立壁部13の上端まで延びているとともに、前記の第2被固定部13bに沿うように右斜め上方に傾斜している。第2取付部303は、その上部であって第2被固定部13bと当接する位置で第2被固定部13bにボルトで固定されている。前記の第2被固定部13bは請求項の「傾斜部」に相当する。
【0089】
第2取付部303がサイドシルインナ3aに固定される位置は、サイドシルインナ3a(サイドシル3)の上下方向の中央の位置よりも上側となっている。また、この位置は、フロアフレーム5の上端の位置よりも上側となっている。
【0090】
このように、第1取付部302がフロアアッパフレーム5aの上面部21に固定され、第2取付部303がサイドシルインナ3aの第2立壁部13に固定されることで、第3連結ユニット300によってフロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとは連結されている。
【0091】
横壁部301は、車両1に設けられる補機の1つであるオーディオアンプ350をサイドシル3とフロアフレーム5との間の空間に保持している。オーディオアンプ350は略直方体の箱状の外形を有する本体部351と、本体部351から外側に延びる3つの被取付部352とを有する。オーディオアンプ350は、横壁部301の上面に載置されている。各被取付部352と横壁部301の上面とは当接しており、各被取付部352が横壁部301の当接部分にボルトで締結されることで、オーディオアンプ350は、横壁部301の上面に当接した状態でこれに固定されている。
【0092】
このように横壁部301に固定・保持されることで、オーディオアンプ350は、第2フロア部4bの上方の空間であって車幅方向についてフロアアッパフレーム5aとサイドシルインナ3aとの間の空間に配設される。また、オーディオアンプ350は、サイドシルインナ3a(サイドシル3)の上端の高さ位置よりも下方の空間に配設される。本実施形態では、横壁部301の上面に載置されることで、オーディオアンプ350は、上下方向について、フロアアッパフレーム5aの上端の高さ位置からサイドシルインナ3aの上端の高さ位置までの空間に配設される。
【0093】
ここで、前記の横壁部301は、第3連結ユニット300を請求項の連結部材としたときの請求項の「保持部」に相当する。また、横壁部301は、第3連結ユニット300を請求項の連結部材としたときの請求項の「平面部」にも相当し、「保持部」および「平面部」として機能する。
【0094】
<作用等>
以上のように、本実施形態では、左側の前側クロスメンバ6aと左側の後側クロスメンバ6bとの間に、フロアフレーム5とサイドシル3とを連結する第1連結ユニット100が設けられている。
【0095】
これより、サイドシル3とフロアフレーム5とをクロスメンバ6に加えて第1連結ユニット100によって強固に連結することできる。そのため、サイドシル3の材質を剛性の高い材質に変更したりサイドシル3の板厚を増大させることなく、あるいは、この変更・増大を小幅にとどめて、コストおよびサイドシル3の重量の増加を回避、あるいは、小さく抑えながら、車体の車幅方向についての剛性を高めることができる。特に、車両の側突時等にサイドシル3に加えられた荷重をクロスメンバ6と第1連結ユニット100を介してフロアフレーム5に逃がすことができ、サイドシル3の内倒れを(サイドシル3が、その上端が車幅方向の内側に変位するように倒れるのを)を確実に抑制できる。また、第1連結ユニット100に、それぞれ水平に延びるDCU保持部111a、連絡部111b、横壁部121が設けられている。そのため、サイドシル3から第1連結ユニット100に加えられた荷重をより確実にフロアフレーム5に伝達できる。
【0096】
しかも、第1連結ユニット100に設けられたDCU保持部111aによってDCU150が保持されるようになっている。そのため、第1連結ユニット100をDCUの保持部材として有効に利用できる。そして、車体の剛性を高めるための部材と、DCU150を保持するための部材を個別に設ける必要がなく、これらを個別に設ける場合に比べて部品点数を削減できる。
【0097】
また、本実施形態では、左側の前側クロスメンバ6aの前方に、フロアフレーム5とサイドシル3とを連結する第2連結ユニット200が設けられている。そして、第2連結ユニット200に、それぞれ水平に延びる横壁部211と横壁部231が設けられるとともに、横壁部211によって360度モニタ250が保持される。そのため、第2連結ユニット200によっても車体の剛性向上とサイドシル3の内倒れ抑制とを実現しながら部品点数の増大を抑制できる。
【0098】
さらに、本実施形態では、右側の前側クロスメンバ6aと右側の後側クロスメンバ6bとの間に、フロアフレーム5とサイドシル3とを連結する第3連結ユニット300が設けられている。そして、第3連結ユニット300に、水平に延びる横壁部301が設けられるとともに、横壁部301によってオーディオアンプ350が保持される。そのため、第3連結ユニット300によっても車体の剛性向上とサイドシル3の内倒れ抑制とを実現しながら部品点数の増大を抑制できる。
【0099】
特に、第1連結ユニット100では、それぞれ水平に延びるDCU保持部111aおよび連絡部111bと、横壁部121とが上下方向に離間して設けられるとともに、これら(DCU保持部111aおよび連絡部111bが設けられたDCU用ブラケット110と、横壁部121が設けられた第1カバー部120)が個別にサイドシル3とフロアフレーム5とを連結する。そのため、サイドシル3に加えられた荷重を第1連結ユニット100において異なる2つの経路でフロアフレーム5に伝達することができ、荷重をより一層確実にフロアフレーム5に伝達できる。
【0100】
また、第2連結ユニット200においても、それぞれ水平に延びる横壁部211と横壁部231とが上下に離間した位置に配設されていることで、サイドシル3に加えられた荷重を異なる2つの経路でフロアフレーム5に伝達することができ、荷重をより一層確実にフロアフレーム5に伝達できる。
【0101】
さらに、本実施形態では、第1連結ユニット100の第1カバー部120に、前記のように水平に延びる横壁部121の前縁および後縁からそれぞれ下方に延びる前側フランジ部122および後側フランジ部123が設けられて、横壁部121の剛性自体が高められている。同様に、第2連結ユニット200のモニタ用ブラケット210に、前記のように水平に延びる横壁部211の前縁および後縁からそれぞれ下方に延びる第3立壁部221および第4立壁部222が設けられて、横壁部211の剛性自体が高められている。また、第2連結ユニット200の第2カバー部230に、前記のように水平に延びる横壁部231の前縁および後縁からそれぞれ下方に延び第2立壁部234および第3立壁部236が設けられて、横壁部231の剛性自体が高められている。従って、これら横壁部121、211、231を介してサイドシル3からフロアフレーム5により確実に荷重を伝達でき、サイドシル3の内倒れを確実に抑制できる。
【0102】
また、本実施形態では、左側のサイドシルインナ3aの第2立壁部13の右側面の上部に、下方に向かって右側(車幅方向の内側)に傾斜する第1被固定部13aが形成されている。そして、DCU用ブラケット110の第2取付部114、第1カバー部120の第2取付部126および第1カバー部120の第3取付部127が、第1被固定部13aに固定されている。また、右側のサイドシルインナ3aの第2立壁部13の左側面の上部に、下方に向かって左側(車幅方向の内側)に傾斜する第2被固定部13bが形成されている。そして、第2被固定部13bに第3連結ユニット300の第2取付部303が固定されている。これより、第1連結ユニット100と第3連結ユニット300とによって、サイドシルインナ3a(サイドシル3)の上部が車幅方向の内側に変位するのを効果的に抑制できる。また、第1被固定部13aと第2被固定部13bとが設けられたことで、これらを設けずに左側の第2立壁部13の右側面および右側の第2立壁部13の左側面を平面とした場合に比べて、サイドシル3の断面積および剛性が大きくなっている。そのため、この剛性の増大によってもサイドシル3の内倒れを抑制することができる。
【0103】
また、本実施形態では、フロアフレーム5よりも車幅方向の外側の車室フロアを構成する第2フロア部4bの方が、車幅方向の内側の車室フロアを構成する第1フロア部4aよりも低い位置に設けられている。
【0104】
これより、第2フロア部4bの下面を、空気抵抗を低減するためのアンダーカバーとして利用でき、アンダーカバーの省略が可能になる。ここで、車室フロアのうちの車幅方向の外側の部分を低くすると、サイドシル3に対して車室フロアがより低い位置で接合されることで車両の側突時にサイドシル3が内倒れしやすくなる。しかし、本実施形態では、前記のようにクロスメンバ6と連結ユニット100、200、300とによってサイドシル3の内倒れが抑制されるので、サイドシル3の内倒れを抑制しつつアンダーカバーの省略が可能になる。
【0105】
また、第2フロア部4bが低くなることに伴って第2フロア部4bの上方に比較的広い空間が形成されることになる。これに対して、本実施形態では、第1連結ユニット100(DCU用ブラケット110)によってDCU150が第2フロア部4bの上方に形成された空間内に保持される。具体的には、DCU150の全体が第2フロア部4bの上方で且つサイドシルインナ3a(サイドシル3)の上端の高さ位置よりも下方となる空間に配設される。特に、本実施形態では、DCU150の下部がフロアフレーム5の上端の高さ位置よりも下方となる空間に収容された状態でDCU150が第1連結ユニット100(DCU用ブラケット110)によって保持される。そのため、第2フロア部4bの上方の空間をDCU150の配設スペースとして有効に利用できる。
【0106】
同様に、360度モニタ230およびオーディオアンプ350も第2フロア部4bの上方で且つサイドシルインナ3a(サイドシル3)の上端の高さ位置よりも下方となる空間に配設される。また、360度モニタ230も、その下部がフロアフレーム5の上端の高さ位置よりも下方となる空間に収容された状態で第2連結ユニット200に保持されている。そのため、第2フロア部4bの上方の空間を360度モニタ230およびオーディオアンプ350の配設スペースとしても有効に利用できる。
【0107】
<変形例>
各連結ユニット100、200、300が連結される部材は車体フロア上で前後方向に延びる部材であればよく、この部材はフロアフレーム5に限らない。ただし、フロアフレーム5は、前後方向に延びる閉断面を有することで剛性が高い。そのため、各連結ユニット100、200、300によってフロアフレーム5とサイドシル3とをすれば、車体の剛性がより確実に高められる。
【0108】
前記実施形態では、3つの連結ユニット100、200、300によってフロアフレーム5とサイドシル3とを連結した場合について説明したが、これら3つの連結ユニット100、200、300のうちの1つ、あるいは、2つのみを車両1に設けるようにしてもよい。また、4つ以上の連結ユニットを設けるようにしてもよい。
【0109】
各連結ユニット100、200、300が保持する補機は前記に限らない。