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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-59351(P2021-59351A)
(43)【公開日】2021年4月15日
(54)【発明の名称】串付き食品の収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20210319BHJP
【FI】
   B65D85/50 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-183658(P2019-183658)
(22)【出願日】2019年10月4日
(71)【出願人】
【識別番号】511279737
【氏名又は名称】株式会社ノンピ
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 寛之
(72)【発明者】
【氏名】光山 徹圭
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 航也
【テーマコード(参考)】
3E035
【Fターム(参考)】
3E035AA04
3E035BA02
3E035BB01
3E035BB06
3E035BC02
3E035BD04
3E035CA02
(57)【要約】
【課題】串を摘まみやすく串付き食品を容易に容器から取り出すことができ、食品どうしの接触を抑えて食品の品質を維持できる串付き食品の収納容器を提供すること。
【解決手段】複数の串付き食品2が載置される食品載置部12を有する容器本体9と、容器本体9に被せられる蓋体40と、を備え、食品載置部12は、略直線状に延在する頂部300と、頂部300の少なくとも片側に設けられ、複数の串付き食品が載置される傾斜面100,200と、傾斜面100,200に載置される複数の串付き食品を、串付き食品の一端側が頂部300の方向に向いて並列した状態に保持する食品保持部110,210と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の串付き食品が載置される食品載置部を有する容器本体と、
前記食品載置部に載置された複数の串付き食品を覆って前記容器本体に着脱可能に被せられる蓋体と、を備える串付き食品の収納容器であって、
前記食品載置部は、
略直線状に延在する頂部と、
前記頂部の少なくとも片側に設けられ、複数の串付き食品が載置される傾斜面と、
前記傾斜面に載置される複数の串付き食品を、該串付き食品の一端側が前記頂部の方向に向いて並列した状態に保持する食品保持部と、を有する串付き食品の収納容器。
【請求項2】
前記食品保持部は、
前記傾斜面に設けられ、隣接する串付き食品を仕切る複数の仕切り部と、
前記頂部に設けられ、串付き食品の串の一部が嵌合される複数の溝部と、を有する請求項1に記載の串付き食品の収納容器。
【請求項3】
前記食品保持部は、前記傾斜面に載置される串付き食品を、前記頂部の一端の側に指向する方向に延在する斜めの状態に保持する請求項1または2に記載の串付き食品の収納容器。
【請求項4】
前記傾斜面は、前記頂部の両側に左右一対の状態で設けられる第1の傾斜面および第2の傾斜面を含み、
前記食品保持部は、前記第1の傾斜面に対応する第1の食品保持部と、前記第2の傾斜面に対応する第2の食品保持部と、を含み、
前記第1の食品保持部の前記仕切り部と、前記第2の食品保持部の前記仕切り部とは、前記頂部の延在方向に互いにずれて配設されるとともに、前記第1の食品保持部の前記溝部と、前記第2の食品保持部の前記溝部とは、前記頂部の延在方向に交互に設けられる請求項1〜3のいずれかに記載の串付き食品の収納容器。
【請求項5】
前記蓋体は、
前記容器本体に被せられた状態で、前記傾斜面に対向し、該傾斜面に載置される串付き食品を押さえることが可能な傾斜部を有する請求項1〜4のいずれかに記載の串付き食品の収納容器。
【請求項6】
前記蓋体は、前記容器本体に被せられた状態において、前記溝部に近接し、かつ、前記頂部の前記一端の側にあたる箇所に設けられ、該一端の側への串付き食品の移動を規制する凸部を有する請求項2〜5のいずれかに記載の串付き食品の収納容器。
【請求項7】
前記容器本体は、前記食品載置部と、前記食品載置部を着脱可能に受ける受け皿と、を備え、
前記食品載置部は、前記傾斜面の下端部に連続する底部を有するとともに、該底部に形成された貫通孔を有する請求項2〜6のいずれかに記載の串付き食品の収納容器。
【請求項8】
前記受け皿は、前記底部に対向する底面を有し、該底面には、前記貫通孔に対向する部分を有する溝が形成されている請求項7に記載の串付き食品の収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、串付き食品の収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、串焼きや串揚げ等の串付き食品を容器に収納して持ち運ぶことが行われている。串付き食品の収納容器としては、山部と谷部とが交互に連続的に形成されたコルゲート状の保持部を容器内に有し、この保持部の谷部に、露出する串の根元側の端部(露出しており指で摘まむ部分)を嵌め込むとともに、食品の部分を容器の内壁と保持部との間に収めるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平1−78556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来の食品容器では、串の根元側の端部が隣接した状態で保持部の谷部に嵌合しているため、串を摘まみにくく、串付き食品を容器から取り出しにくいという問題があった。また、串は保持部で保持されるものの食品を動かないように十分に保持することができず、食品どうしが運搬中に接触し、食品の品質の維持が困難になることが懸念された。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、串を摘まみやすく串付き食品を容易に容器から取り出すことができるとともに、食品どうしの接触を抑えて食品の品質を維持することができる串付き食品の収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の串付き食品が載置される食品載置部を有する容器本体と、前記食品載置部に載置された複数の串付き食品を覆って前記容器本体に着脱可能に被せられる蓋体と、を備える串付き食品の収納容器であって、前記食品載置部は、略直線状に延在する頂部と、前記頂部の少なくとも片側に設けられ、複数の串付き食品が載置される傾斜面と、前記傾斜面に載置される複数の串付き食品を、該串付き食品の一端側が前記頂部の方向に向いて並列した状態に保持する食品保持部と、を有する串付き食品の収納容器である。
【0007】
前記食品保持部は、前記傾斜面に設けられ、隣接する串付き食品を仕切る複数の仕切り部と、前記頂部に設けられ、串付き食品の串の一部が嵌合される複数の溝部と、を有すると好ましい。
【0008】
前記食品保持部は、前記傾斜面に載置される串付き食品を、前記頂部の一端の側に指向する方向に延在する斜めの状態に保持すると好ましい。
【0009】
前記傾斜面は、前記頂部の両側に左右一対の状態で設けられる第1の傾斜面および第2の傾斜面を含み、前記食品保持部は、前記第1の傾斜面に対応する第1の食品保持部と、前記第2の傾斜面に対応する第2の食品保持部と、を含み、前記第1の食品保持部の前記仕切り部と、前記第2の食品保持部の前記仕切り部とは、前記頂部の延在方向に互いにずれて配設されるとともに、前記第1の食品保持部の前記溝部と、前記第2の食品保持部の前記溝部とは、前記頂部の延在方向に交互に設けられると好ましい。
【0010】
前記蓋体は、前記容器本体に被せられた状態で、前記傾斜面に対向し、該傾斜面に載置される串付き食品を押さえることが可能な傾斜部を有すると好ましい。
【0011】
前記蓋体は、前記容器本体に被せられた状態において、前記溝部に近接し、かつ、前記頂部の前記一端の側にあたる箇所に設けられ、該一端の側への串付き食品の移動を規制する凸部を有すると好ましい。
【0012】
前記容器本体は、前記食品載置部と、前記食品載置部を着脱可能に受ける受け皿と、を備え、前記食品載置部は、前記傾斜面の下端部に連続する底部を有するとともに、該底部に形成された貫通孔を有すると好ましい。
【0013】
前記受け皿は、前記底部に対向する底面を有し、該底面には、前記貫通孔に対向する部分を有する溝が形成されていると好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、串を摘まみやすく串付き食品を容易に容器から取り出すことができるとともに、食品どうしの接触を抑えて食品の品質を維持することができる串付き食品の収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る串付き食品の収納容器を示す分解斜視図である。
図2】一実施形態の収納容器の平面図である。
図3図2のIII−III矢視断面図である。
図4】一実施形態のトレーの平面図である。
図5】一実施形態のトレーの側面図である。
図6】一実施形態のトレーの正面図である。
図7】一実施形態の蓋体の正面図である。
図8】一実施形態のトレー上に串付き食品を載置した状態を示す平面図である。
図9】一実施形態の収納容器に串付き食品を収納した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
<実施形態>
本実施形態の食品の収納容器1は、ピンチョス、焼き鳥、串揚げ等の串付き食品を収容して輸送する場合等に用いられる。
図1図3は、本実施形態に係る串付き食品の収納容器1を示している。図1に示すように、収納容器1は、トレー10および受け皿50を備える容器本体9と、容器本体9に着脱可能に被せられる蓋体40と、を備える。図2および図3は、容器本体9と蓋体40とを組み合わせた使用状態を示している。
【0017】
容器本体9のトレー10、受け皿50、および蓋体40は、いずれも透明または半透明の薄肉樹脂フィルムを立体的に成形したもので、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂材料から形成されたフィルムを真空成形するなどの方法により、それぞれ一体成形される。
【0018】
[容器本体]
上述のように、容器本体9は、トレー10と、受け皿50と、を備える。
図4に示すように、トレー10は平面視が矩形状に形成されたものであって、外周部を構成する周壁部11と、周壁部11の内側に設けられ、複数の串付き食品2(図8参照)が載置される同一構成の2つの食品載置部12と、を備える。
【0019】
周壁部11は、長手方向に延びる一対の側壁部11aと、短手方向に延びる一対の端壁部11bと、を有する。
【0020】
2つの食品載置部12は、トレー10の中央部分に設けられた仕切り壁部13の両側に概ね左右対称の状態で形成され、仕切り壁部13を介して一体的に連設されている。
【0021】
図4に示すように、食品載置部12は、略直線状に延在する頂部300と、頂部300の両側に左右一対の状態で設けられる第1の傾斜面100および第2の傾斜面200と、第1の傾斜面100側に設けられる第1の食品保持部110と、第2の傾斜面200側に設けられる第2の食品保持部210と、第1の傾斜面100側に設けられる第1の底部120と、第2の傾斜面200側に設けられる第2の底部220と、を有する。
【0022】
頂部300は、所定長さを有する凸条で構成される。頂部300は、一端300aと、他端300bと、を有する。図3図5に示すように、頂部300の上面には、左右方向すなわち幅方向の両側に開放する5つの第1の溝部114と5つの第2の溝部214とが、頂部300の延在方向に等間隔をおいて交互に形成されている。後述するように、第1の溝部114は第1の食品保持部110を構成し、第2の溝部214は第2の食品保持部210を構成する。
【0023】
図4および図6に示すように、第1の傾斜面100は、頂部300から第1の底部120に向かって下向きに傾斜する面であって、頂部300に沿う方向が長手方向とされる略平行四辺形状の面で構成される。第2の傾斜面200は、頂部300から第2の底部220に向かって下向きに傾斜する面であって、頂部300に沿う方向が長手方向とされる略平行四辺形状の面で構成される。後述するように、第1の傾斜面100および第2の傾斜面200には、それぞれ5つの串付き食品が、指で摘まむ部分である串の根元側の端部を頂部300側に配置し、互いに並列した状態で載置されるようになっている。図6に示すように、第1の傾斜面100および第2の傾斜面200の傾斜角度θ1、θ2は同一であって、串付き食品が適宜な角度で載置可能な角度(例えば、20〜60°程度)とされる。
【0024】
図4に示すように、第1の食品保持部110は、第1の傾斜面100に等間隔をおいて互いに平行に設けられた4つの第1の仕切り部111と、第1の傾斜面100の長手方向両端側にそれぞれ設けられた内壁部112、113と、前述した5つの第1の溝部114と、を有する。
【0025】
第1の仕切り部111は、頂部300の一端300aの側に指向する方向に斜めに延在する凸条で構成される。内壁部112、113は、第1の傾斜面100に略垂直であって、第1の仕切り部111の延在方向と略平行な面に形成されている。
【0026】
第1の傾斜面100には、内壁部112、113と、内壁部112、113間に設けられた4つの第1の仕切り部111とによって、頂部300の一端300a側に指向して傾斜する5つの第1の食品載置面115が仕切られている。これら5つの第1の食品載置面115上に、串付き食品が1つずつ載置される。
【0027】
頂部300に設けられた5つの第1の溝部114は、それぞれ、図4に示すように各第1の食品載置面115の幅方向の略中心を通る線(隣り合う2つの第1の仕切り部111の間の略中央を通る線)L1の延長上に形成されている。これにより、各第1の食品載置面115に載置される串付き食品の串の根元側の端部が、各第1の溝部114に嵌合可能となっている。
【0028】
第2の食品保持部210は、第1の食品保持部110と同様の構成を有する。すなわち第2の食品保持部210は、第2の傾斜面200に等間隔をおいて設けられた凸条からなる4つの第2の仕切り部211と、第2の傾斜面200の長手方向両端側にそれぞれ設けられた内壁部212、213と、前述した5つの第2の溝部214と、を有する。
【0029】
第2の仕切り部211は、頂部300の一端300aの側に指向する方向に斜めに延在している。内壁部212は、第1の傾斜面200に略垂直であって、第2の仕切り部211の延在方向と略平行な面に形成されている。内壁部213は、第2の傾斜面200に略垂直であって、側壁部11aと略平行な面に形成されている。
【0030】
第2の傾斜面200には、内壁部212、213と、内壁部212、213間に設けられた4つの第1の仕切り部211とによって、頂部300の一端300a側に指向して傾斜する5つの第2の食品載置面215が仕切られている。これら5つの第2の食品載置面215上に、串付き食品が1つずつ載置される。
【0031】
頂部300に設けられた5つの第2の溝部214は、それぞれ、図4に示すように各第2の食品載置面215の幅方向の略中心を通る線(隣り合う2つの第2の仕切り部211の間の略中央を通る線)L2の延長上に形成されている。これにより、各第2の食品載置面215に載置された串付き食品の串の根元側の端部が、各第2の溝部214に嵌合可能となっている。
【0032】
図4に示すように、第1の食品保持部110の各第1の仕切り部111と、第2の食品保持部210の各第2の仕切り部211とは、頂部300の延在方向に互いにずれて配設されている。また、第1の食品保持部110の内壁部112、113と、第2の食品保持部210の内壁部212、213も、同様に頂部300の延在方向に互いにずれて配設されている。したがって各第1の溝部114と各第2の溝部214とは、前述したように頂部300の延在方向に交互に設けられている。
【0033】
第1の食品保持部110は、各第1の食品載置面115に載置され、串の根元側の端部が各第1の溝部114に嵌合される5つの串付き食品を、第1の仕切り部111と概ね平行な状態に保持する。第2の食品保持部210は、各第2の食品載置面215に載置され、串の根元側の端部が各第2の溝部214に嵌合される5つの串付き食品を、第2の仕切り部211と概ね平行な状態に保持する。
【0034】
第1の底部120は、第1の傾斜面100の下端部に連続する状態で頂部300と略平行に形成された溝状の凹部で構成される。第1の底部120には、第1の底部120の延在方向に沿った複数(この場合、3つ)のスリット状の貫通孔121が形成されている。
【0035】
第2の底部220は、第2の傾斜面200の下端部に連続する状態で頂部300と略平行に形成された溝状の凹部で構成される。第2の底部220には、第2の底部220の延在方向に沿った複数(この場合、3つ)のスリット状の貫通孔221が形成されている。
【0036】
図1に示すように、受け皿50は、平坦な矩形状の底部51と、底部51の周縁から立ち上がる内壁部52と、を備える。受け皿50は、トレー10を着脱可能に受ける皿状容器であって、トレー10を受けた状態においては、内壁部52はトレー10の周壁部11で囲まれる。内壁部52は、周壁部11の各側壁部11aに対応する一対の側壁部52aと、周壁部11の各端壁部11bに対応する一対の端壁部52bと、を有する。
【0037】
底部51の上面は、トレー10の裏面に対向する底面51aを構成する。底面51aは、トレー10の第1の底部120および第2の底部220に対向する。図1および図3に示すように、底面51aのほぼ全面に、格子状の溝53が形成されている。格子状の溝53は、側壁部52aと平行な多数の直線状の横溝53aと、端壁部52bと平行な多数の直線状の縦溝53bと、を有する。横溝53aと縦溝53bとは同一の深さを有し、互いの交差部分で連通している。格子状の溝53は、トレー10の各貫通孔121、221に対向する部分を有する。
【0038】
[蓋体]
図1に示すように、蓋体40は、外壁部41と、外壁部41の内側に設けられた天板部49と、を備える。
【0039】
外壁部41は、トレー10の周壁部11を囲む部分であり、トレー10の周壁部11の外面に近接する矩形状に形成される。外壁部41は、周壁部11の各側壁部11aに対応する一対の側壁部41aと、周壁部11の各端壁部11bに対応する一対の端壁部41bと、を有する。
【0040】
天板部49は、トレー10の上面を覆う部分であって、トレー10の上面に概ね沿った立体形状を有する。天板部49は、トレー10の2つの食品載置部12に対応する2つの食品カバー部42と、2つの食品カバー部42の間の平坦な境界部43と、2つの食品カバー部42の両側の平坦な端縁部44、44と、を有する。
【0041】
食品カバー部42は、略直線状に延在する頂部400と、頂部400の両側に一対の状態で設けられる第1の傾斜部410および第2の傾斜部420と、を有する。
【0042】
頂部400は、トレー10の頂部300に対応する部分である。図2および図3に示すように、頂部400には、トレー10に対向する裏側に突出する4つの第1の凸部430および4つの第2の凸部440が形成されている。これら凸部430、440は、蓋体40の表面から裏側に向かって略円錐状にへこむ窪みで構成されている。
【0043】
図2に示すように、第1の凸部430は、頂部400の幅方向の中心から第1の傾斜部410側に若干寄った位置に形成され、第2の凸部440は、頂部400の幅方向の中心から第2の傾斜部420側に若干寄った位置に形成される。また、第1の凸部430と第2の凸部440は、頂部400の延在方向にそれぞれ等間隔をおいて交互に形成されており、全体として千鳥状に配置されている。
【0044】
図2に示すように、蓋体40がトレー10に被せられた状態で、各第1の凸部430は、第1の溝部114に近接する位置であってその第1の溝部114よりも頂部300の一端300a側(図2で上側)に配設される。また、各第2の凸部440も同様に、第2の溝部214に近接する位置であってその第2の溝部214よりも頂部300の一端300a側に配設される。各凸部430、440は、各食品載置面115、215に載置される串付き食品の串の根元側の端部が当接することにより、串付き食品がそれ以上一端300aの側へ移動する(さらに傾く)ことを規制する。
【0045】
本実施形態では、第1の凸部430および第2の凸部440は、それぞれ4つずつ設けられており、最も一端300a側(図2上側)に位置する第1の溝114および第2の溝部115に対応する位置には設けられていない。これら最も一端300a側に位置する第1の溝114および第2の溝部115に串の根元側の端部が嵌合される串付き食品は、それぞれ内壁部112、212によって、一端300aの側へ傾くことが規制される。
【0046】
第1の傾斜部410は、トレー10の第1の傾斜面100に対応して第1の傾斜面100をカバーする部分であり、第2の傾斜部420はトレー10の第2の傾斜面200に対応して第2の傾斜面200をカバーする部分である。
【0047】
図7に示すように、第1の傾斜部410は、頂部400から一方の側方(図7で左側)に下向きに傾斜する状態に形成され、第2の傾斜部420は、頂部400から他方の側方(図7で右側)に下向きに傾斜する状態に形成されている。
【0048】
蓋体40がトレー10に被せられた状態で、第1の傾斜部410は、第1の傾斜面100に対し串付き食品が載置されるスペースをあけて略平行に対向し、第2の傾斜部420は、第2の傾斜面200に対し串付き食品が載置されるスペースをあけて略平行に対向する。これにより、第1の傾斜部410は、第1の傾斜面100に載置される串付き食品を押さえることが可能であり、第2の傾斜部420は、第2の傾斜面200に載置される串付き食品を押さえることが可能である。
【0049】
以下、上記構成の収納容器1の使用方法を説明する。
受け皿50の上に、2つの食品載置部12を上に向けたトレー10を重ねて装着して容器本体9を構成し、次いで、トレー10の各食品載置部12に、図8に示すように複数の串付き食品2を載置する。図3に示すように、トレー10は、周壁部11の内側に受け皿50の内壁部52を嵌め込むことにより、受け皿50に受けられた状態に装着される。串付き食品2は、小片状の複数の食品2aに串2bを刺したもので、食品2aの部分を各第1の載置面115および各第2の載置面215に載せ、露出する串2bの根元側の端部を、それら載置面115、215に対応する各溝114、214に入れて嵌合させる。
【0050】
次いで、図9に示すように、2つの食品カバー部42を上に向けた蓋体40をトレー10の上に被せて装着し、串付き食品2を蓋体40で覆う。蓋体40は、2つの食品カバー部42をトレー10の2つの食品載置部12にそれぞれ対応させ、図3に示すように、外壁部41の内側に周壁部11を嵌め込むことにより、容器本体9を覆う状態に装着される。この状態で、複数の串付き食品2を収納容器1ごと持ち運ぶことができる。蓋体40をあけ、第1の溝114や第2の溝部214に嵌合する串2bを摘まんで串付き食品2をトレー10から取り出し、食品2aを食することができる。
【0051】
以上説明した実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の収納容器1は、容器本体9を構成するトレー10が、複数の串付き食品2が載置される食品載置部12を有し、その食品載置部12は、略直線状に延在する頂部300と、頂部300の両側に左右一対の状態で設けられ、複数の串付き食品2がそれぞれ並列して載置される第1の傾斜面100および第2の傾斜面200と、これら傾斜面100、200に載置される複数の串付き食品2を、頂部300の一端300aの側に指向する方向に延在する斜めの状態に保持する第1の食品保持部110および第2の食品保持部210を有する。
【0052】
これにより、串付き食品2は傾斜した状態でトレー10に載置され、串2bの根元側の端部が斜め上方に向いた状態となるため、串2bを、串2bの延長方向側から摘まむことができ、隣りの串2bが邪魔になることなく串2bを摘まみやすい。このため、串付き食品2をトレー10から容器に取り出すことができる。また、各傾斜面100、200に載置される串付き食品2の串2bは、頂部300に交差して頂部300の両側に突出するため、その両側から串付き食品2を取ることができ、串付き食品2を取りやすい。
【0053】
第1の食品保持部110および第2の食品保持部210により、串付き食品2の載置された位置を保持できるため、持ち運び中に、隣り合う串付き食品2の食品2aどうしが接触することが抑えられ、食品2aの品質を維持することができる。
【0054】
具体的には、第1の食品保持部110は、隣接する串付き食品2を仕切る複数の第1の仕切り部111と、頂部300に設けられ、串付き食品2の串2bの一部(根元側の端部)が嵌合される複数の第1の溝部114と、を有する。また、第2の食品保持部210は、隣接する串付き食品2を仕切る複数の第2の仕切り部211と、頂部300に設けられ、串付き食品2の串2bの一部(根元側の端部)が嵌合される複数の第2の溝部214と、を有する。第1の仕切り部111と第2の仕切り部211とは、頂部300の延在方向に互いにずれて配設されるとともに、第1の溝部114と第2の溝部214とは、頂部300の延在方向に交互に設けられる。
【0055】
これにより、串付き食品2は、各仕切り部111、211によって食品2aの部分が隣りの食品2aの方向に移動することが規制される。また、串2bの根元側の端部が互いに干渉することなく各溝部114、214に嵌合することで、移動が規制される。これらの結果、持ち運び中に、隣り合う串付き食品2の食品2aどうしが接触することが抑えられ、食品2aの品質を維持することができる。
【0056】
串付き食品2は、頂部300の一端300aの側に指向する方向に延在する斜めの状態に載置される。このため、単に一方向に揃えて並列させた場合よりも意匠性に富み、見栄えの点で使用者に興趣を与えることができる。また、容器の高さが抑えられ、かさばらず持ち運びやすい。
【0057】
蓋体40は、トレー10に被せられた状態で、第1の傾斜面100および第2の傾斜面200にそれぞれ対向し、各傾斜面100、200に載置される串付き食品2を上から押さえることが可能な第1の傾斜部410および第2の傾斜部420を有する。
【0058】
これにより、持ち運び中に、串付き食品2が上下に動くことが抑えられ、食品2aが蓋体40やトレー10に当たって損傷することが抑えられる。
【0059】
蓋体40は、トレー10に被せられた状態において、第1の溝部114および第2の溝部214にそれぞれ近接し、かつ、頂部300の一端300a側にあたる箇所に設けられ、一端300aの側への串付き食品2の傾きを規制する第1の凸部430および第2の凸部440を有する。
【0060】
これにより、以下の効果が奏される。串2bが第1の溝部114および第2の溝部214から外れ、串付き食品2が、傾斜している側、すなわち頂部300の一端300aの側に倒れようとした場合、串2bが第1の凸部430および第2の凸部440に当接することにより、その倒れの動きが阻止される。このため、串2bが第1の溝部114や第2の溝部214から外れても、串付き食品2は、各第1の載置面115および各第2の載置面215に載置された状態が保持される。
【0061】
トレー10の食品載置部12は、第1の傾斜面100の下端部に連続する第1の底部120と、第2の傾斜面200の下端部に連続する第2の底部220と、を有するとともに、第1の底部120および第2の底部220に、それぞれ貫通孔121、221が形成されている。
【0062】
串付き食品2が冷凍食品である場合、解凍した際に生じる水分は各傾斜面100、200を流下する。各傾斜面100、200を流下する水分は、第1の溝部120および第2の溝部220に達し、さらに貫通孔121、221を通過して受け皿50の底面51aに落下する。このように水分が受け皿50に排水されるため、解凍した串付き食品2の食品2aは余分な水分を含まず、味が損なわれない適切な状態で食品2aを食すことができる。
【0063】
トレー10の貫通孔121、221を通過して受け皿50の底面51aに落下する水分(液体)は、格子状の溝53の横溝53aや縦溝53bを伝って広がり、横溝53aや縦溝53bに溜る。このため、受け皿50に排水された水分は、底面51a上に不規則な異形の状態で溜ることなく、格子状の溝53に整然とした状態に溜る。その結果、受け皿50に溜る水分によって見栄えを損なうことが抑えられる。
【0064】
本実施形態では、2つの食品載置部12を有するトレー10と受け皿50とは、別部材であり、これら別部材のトレー10と受け皿50とにより、容器本体9が構成されているが、トレー10と受け皿50とを一体とし、容器本体9を1つの部材で構成してもよい。
【0065】
本実施形態のトレー10は2つの食品載置部12を有するが、食品載置部12の数は任意であり、1つであってもよく、3つ以上を有していてもよい。また、本実施形態では、食品載置部12の各傾斜面100、200には、それぞれ食品載置面115、215が5つずつ設けられているが、この数は一例であって、必要に応じてその数は任意に設定される。
【0066】
本実施形態の各食品保持部110、210は、各傾斜面100、200に載置される複数の串付き食品2を、頂部300の一端300aの側に指向する方向に延在する斜めの状態に保持するが、串付き食品2の一端側が頂部300の方向に向いて並列した状態に保持すればよく、例えば、複数の串付き食品2を、頂部300に直交して延在するまっすぐな状態に保持する構成であってもよい。
【0067】
本実施形態の食品載置部12は、頂部300の両側に2つの傾斜面(第1の傾斜面100、第2の傾斜面200)を有するが、食品載置部12としては、頂部300の片側に1つの傾斜面を有する形態であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 収納容器
2 串付き食品
9 容器本体
10 トレー
12 食品載置部
40 蓋体
50 受け皿
51a 底面
53 溝
100 第1の傾斜面
110 第1の食品保持部
111 第1の仕切り部
114 第1の溝部
120 第1の底部
121、221 貫通孔
200 第2の傾斜面
210 第2の食品保持部
211 第2の仕切り部
214 第2の溝部
220 第2の底部
300 頂部
300a 頂部の一端
410 第1の傾斜部
420 第2の傾斜部
430 第1の凸部(凸部)
440 第2の凸部(凸部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9