【解決手段】対象における少なくとも1つの炎症性病態を緩和又は予防する薬剤を製造するためのNKT−2アクチベーターの用途であって、前記薬剤は、前記対象のII型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーターを含み、前記NKT−2アクチベーターはミルテホシンで、前記炎症性病態は、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型及びその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、及び筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択される、用途である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の一部の実施形態によれば、対象における少なくとも1つの炎症性病態を緩和または予防する方法が提供される。本方法は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーターを対象に投与することを含み得る。
【0007】
本明細書の一部の実施形態によれば、対象における少なくとも1つの炎症性病態を緩和または予防する方法が提供される。本方法は、ある量のNKT−2アクチベーターおよびある量のスルファチドを対象に投与することを含み得、NKT−2アクチベーターの量およびスルファチドの量は、全体として、対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分である。
【0008】
本明細書の一部の実施形態によれば、対象におけるI型NKT細胞媒介組織損傷を阻害する方法が提供される。本方法は、有効量のNKT−2アクチベーターを対象に投与することを含み得、I型NKT細胞の活性化が低減される。
【0009】
本明細書の一部の実施形態によれば、対象における少なくとも1つの炎症性病態の緩和または予防において使用される組成物が提供される。本組成物は、対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーターを含み得る。
【0010】
本明細書の一部の実施形態によれば、対象における少なくとも1つの炎症性病態を緩和または予防において使用される組成物が提供される。本組成物は、ある量のNKT−2アクチベーターおよびある量のスルファチドを含み得、NKT−2アクチベーターの量およびスルファチドの量は、全体として、対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分である。
【0011】
多数の代替形態も本明細書において提供される。
【0012】
代替形態1は、対象における少なくとも1つの炎症性病態を緩和または予防する方法を含み、それが提供される。本方法は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーターを対象に投与することを含み得る。
【0013】
代替形態2は、炎症性病態が、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)からなる群から選択される、代替形態1の方法を含む。
【0014】
代替形態3は、対象に、対象へのI型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニストを投与することをさらに含む、代替形態1〜2のいずれか1つの方法を含む。
【0015】
代替形態4は、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストが同時投与される、代替形態3の方法を含む。
【0016】
代替形態5は、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストが別個に投与される、代替形態3の方法を含む。
【0017】
代替形態6は、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストが逐次投与される、代替形態3の方法を含む。
【0018】
代替形態7は、NKT−2アクチベーターが経口投与される、代替形態1〜6のいずれか1つの方法を含む。
【0019】
代替形態8は、NKT−2アクチベーターがミルテホシン、ミルテホシンアナログ、またはリン脂質の少なくとも1つを含む、代替形態1〜7のいずれか1つの方法を含む。
【0020】
代替形態9は、リン脂質がリゾホスファチジルコリン(LPC)、LPCのアナログ、リゾ血小板活性化因子(LPAF)、リゾスフィンゴミエリン(LSM)、またはLSMのアナログを含む、代替形態8の方法を含む。
【0021】
代替形態10は、LPCがLPC(C18:0)、LPC(C16:0)、LPC(C18:1(9Z))、LPC(C18:1(1オレイル))、またはLignA(LPC)(C24:0)の1つを含む、代替形態9の方法を含む。
【0022】
代替形態11は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンまたはミルテホシンアナログの少なくとも1つを含む、代替形態1〜7のいずれか1つの方法を含む。
【0023】
代替形態12は、ミルテホシンアナログが表2.1または表2.2からの化合物を含む、代替形態8〜11のいずれか1つの方法を含む。
【0024】
代替形態13は、ミルテホシンアナログが表2.1からの化合物を含む、代替形態8〜11のいずれか1つの方法を含む。
【0025】
代替形態14は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンを含む、代替形態1〜7のいずれか1つの方法を含む。
【0026】
代替形態15は、RARアゴニストがATRAまたはイソトレチノインを含む、代替形態3〜14のいずれか1つの方法を含む。
【0027】
代替形態16は、RARアゴニストがタザロテンを含む、代替形態3〜14のいずれか1つの方法を含む。
【0028】
代替形態17は、RARアゴニストがレチノールまたはレチノールのエステルを含む、代替形態3〜14を含む。
【0029】
代替形態18は、II型NKT細胞の活性化がII型NKT細胞によるIL−2の産生、II型NKT細胞の増殖、またはII型NKT細胞の表面上のCD69の発現の少なくとも1つを含む、代替形態1〜17のいずれか1つの方法を含む。
【0030】
代替形態19は、I型NKT細胞の活性化の阻害がアルファ−GalCer/CD1d−テトラマー
+TCR−ベータ
+細胞の蓄積の阻害を含む、代替形態3〜18のいずれか1つの方法を含む。
【0031】
代替形態20は、対象における少なくとも1つの炎症性病態を緩和または予防する方法であって、ある量のNKT−2アクチベーターおよびある量のスルファチドを対象に投与することを含み、NKT−2アクチベーターの量およびスルファチドの量は、全体として、対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分である、方法を含む。
【0032】
代替形態21は、炎症性病態が、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)からなる群から選択される、代替形態20の方法を含む。
【0033】
代替形態22は、スルファチドおよびNKT−2アクチベーターが同時投与される、代替形態20または代替形態21の方法を含む。
【0034】
代替形態23は、スルファチドおよびNKT−2アクチベーターが別個に投与される、代替形態20または代替形態21の方法を含む。
【0035】
代替形態24は、NKT−2アクチベーターが経口投与される、代替形態20〜23のいずれか1つの方法を含む。
【0036】
代替形態25は、NKT−2アクチベーターの量が対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分であり、およびスルファチドの量が対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分である、代替形態20〜24のいずれか1つの方法を含む。
【0037】
代替形態26は、対象に対するI型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニストを対象に投与することをさらに含む、代替形態20〜25のいずれか1つの方法を含む。
【0038】
代替形態27は、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストが同時投与される、代替形態26の方法を含む。
【0039】
代替形態28は、スルファチドおよびNKT−2アクチベーターが別個に投与される、代替形態26の方法を含む。
【0040】
代替形態29は、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストが逐次投与される、代替形態26の方法を含む。
【0041】
代替形態30は、NKT−2アクチベーターがミルテホシン、ミルテホシンアナログ、またはリン脂質の少なくとも1つを含む、代替形態20〜29のいずれか1つの方法を含む。
【0042】
代替形態31は、リン脂質がリゾホスファチジルコリン(LPC)、LPCのアナログ、リゾ血小板活性化因子(LPAF)、リゾスフィンゴミエリン(LSM)、LSMのアナログを含む、代替形態30の方法を含む。
【0043】
代替形態32は、LPCがLPC(C18:0)、LPC(C16:0)、LPC(C18:1(9Z))、LPC(C18:1(1オレイル))、またはLignA(LPC)(C24:0)の1つを含む、代替形態31の方法を含む。
【0044】
代替形態33は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンまたはミルテホシンアナログの少なくとも1つを含む、代替形態20〜29のいずれか1つの方法を含む。
【0045】
代替形態34は、ミルテホシンアナログが表2.1または表2.2からの化合物を含む、代替形態30〜32のいずれか1つの方法を含む。
【0046】
代替形態35は、ミルテホシンアナログが表2.1からの化合物を含む、代替形態30〜32のいずれか1つの方法を含む。
【0047】
代替形態36は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンを含む、代替形態20〜29のいずれか1つの方法を含む。
【0048】
代替形態37は、スルファチドが以下の化学構造:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1は、原子の手、水素、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30置換アルキル、C
1〜C
30アルケニル、C
1〜C
30置換アルケニルおよびC
5〜C
12糖からなる群から選択され;R
2は、水素、ヒドロキシ基、メトキシ基、およびアルコキシ基からなる群から選択され;R
3は、水素、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、およびアルコキシ基からなる群から選択され;R
4は、水素、ヒドロキシ基およびアルコキシ基からなる群から選択され;R
5は、水素、ヒドロキシル、カルボニル、アルコキシおよび原子の手からなる群から選択され;R
6は、C
1〜C
40アルキル、C
1〜C
40置換アルキル、C
1〜C
40アルケニル、C
1〜C
40置換アルケニルおよびC
1〜C
40アルキンル(alkynl)からなる群から選択され;R
7は、C
1〜C
40アルキル、C
1〜C
40置換アルキル、C
1〜C
40アルケニル、C
1〜C
40置換アルケニルおよびC
1〜C
40アルキンルからなる群から選択され;およびR
8は、水素、ヒドロキシル基、カルボニル、アルコキシ基および原子の手からなる群から選択される)を有する、代替形態20〜36のいずれか1つの方法を含む。
【0049】
代替形態38は、スルファチドが以下の化学構造:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
を有する、代替形態20〜36のいずれか1つの方法を含む。
【0050】
代替形態39は、RARアゴニストがATRAまたはイソトレチノインを含む、代替形態20〜35のいずれか1つの方法を含む。
【0051】
代替形態40は、RARアゴニストがタザロテンを含む、代替形態20〜38のいずれか1つの方法を含む。
【0052】
代替形態41は、RARアゴニストがレチノールまたはレチノールのエステルを含む、代替形態20〜38のいずれか1つの方法を含む。
【0053】
代替形態42は、対象におけるI型NKT細胞媒介組織損傷を阻害する方法であって、有効量のリン脂質を対象に投与することを含み、I型NKT細胞の活性化が低減される、方法を含む。
【0054】
代替形態43は、炎症性病態が、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)からなる群から選択される、代替形態42を含む。
【0055】
代替形態44は、リン脂質がミルテホシン、ミルテホシンアナログ、またはリン脂質の少なくとも1つを含む、代替形態42〜43のいずれか1つの方法を含む。
【0056】
代替形態45は、リン脂質がリゾホスファチジルコリン(LPC)、LPCのアナログ、リゾ血小板活性化因子(LPAF)、リゾスフィンゴミエリン(LSM)、LSMのアナログを含む、代替形態44の方法を含む。
【0057】
代替形態46は、LPCがLPC(C18:0)、LPC(C16:0)、LPC(C18:1(9Z))、LPC(C18:1(1オレイル))、またはLignA(LPC)(C24:0)の1つを含む、代替形態45の方法を含む。
【0058】
代替形態47は、リン脂質がミルテホシンまたはミルテホシンアナログの少なくとも1つを含む、代替形態42〜43のいずれか1つの方法を含む。
【0059】
代替形態48は、ミルテホシンアナログが表2.1または表2.2からの化合物を含む、代替形態44〜47のいずれか1つの方法を含む。
【0060】
代替形態49は、ミルテホシンアナログが表2.1からの化合物を含む、代替形態44〜47のいずれか1つの方法を含む。
【0061】
代替形態50は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンを含む、代替形態42〜43のいずれか1つの方法を含む。
【0062】
代替形態51は、対象における少なくとも1つの炎症性病態の緩和または予防において使用される組成物であって、対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーターを含む組成物を含む。
【0063】
代替形態52は、対象に対するI型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニストをさらに含む、代替形態51の組成物を含む。
【0064】
代替形態53は、炎症性病態が、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、肝硬変、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、自己免疫性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)からなる群から選択される、代替形態48〜49のいずれか1つの組成物を含む。
【0065】
代替形態54は、NKT−2アクチベーターがミルテホシン、ミルテホシンアナログ、またはリン脂質の少なくとも1つを含む、代替形態51〜53のいずれか1つの組成物を含む。
【0066】
代替形態55は、リン脂質がリゾホスファチジルコリン(LPC)、LPCのアナログ、リゾ血小板活性化因子(LPAF)、リゾスフィンゴミエリン(LSM)、またはLSMのアナログを含む、代替形態54の組成物を含む。
【0067】
代替形態56は、LPCがLPC(C18:0)、LPC(C16:0)、LPC(C18:1(9Z))、LPC(C18:1(1オレイル))、またはLignA(LPC)(C24:0)の1つを含む、代替形態55の組成物を含む。
【0068】
代替形態57は、リン脂質がミルテホシンまたはミルテホシンアナログの少なくとも1つを含む、代替形態51〜53のいずれか1つの組成物を含む。
【0069】
代替形態58は、ミルテホシンアナログが表2.1または表2.2からの化合物を含む、代替形態54〜57のいずれか1つの組成物を含む。
【0070】
代替形態59は、ミルテホシンアナログが表2.1からの化合物を含む、代替形態51〜57のいずれか1つの組成物を含む。
【0071】
代替形態60は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンを含む、代替形態51〜53のいずれか1つの組成物を含む。
【0072】
代替形態61は、RARアゴニストがATRAまたはイソトレチノインを含む、代替形態52〜60のいずれか1つの組成物を含む。
【0073】
代替形態62は、RARアゴニストがタザロテンを含む、代替形態52〜60のいずれか1つの組成物を含む。
【0074】
代替形態63は、RARアゴニストがレチノールまたはレチノールのエステルを含む、代替形態52〜60のいずれか1つの組成物を含む。
【0075】
代替形態64は、経口投与のために配合される、代替形態51〜63のいずれか1つの組成物を含む。
【0076】
代替形態65は、対象における少なくとも1つの炎症性病態の緩和または予防において使用される組成物であって、ある量のNKT−2アクチベーターおよびある量のスルファチドを含み、NKT−2アクチベーターの量およびスルファチドの量は、全体として、対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分である、組成物を含む。
【0077】
代替形態66は、炎症性病態が、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、自己免疫性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)からなる群から選択される、代替形態61の組成物を含む。
【0078】
代替形態67は、NKT−2アクチベーターの量が対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分であり、およびスルファチドの量が対象におけるII型NKT細胞を活性化させるために十分である、代替形態65〜66のいずれか1つの組成物を含む。
【0079】
代替形態68は、NKT−2アクチベーターがミルテホシン、ミルテホシンアナログ、またはリン脂質の少なくとも1つを含む、代替形態653〜67のいずれか1つの組成物を含む。
【0080】
代替形態69は、リン脂質がリゾホスファチジルコリン(LPC)、LPCのアナログ、リゾ血小板活性化因子(LPAF)、リゾスフィンゴミエリン(LSM)、またはLSMのアナログを含む、代替形態68の組成物を含む。
【0081】
代替形態70は、LPCがLPC(C18:0)、LPC(C16:0)、LPC(C18:1(9Z))、LPC(C18:1(1オレイル))、またはLignA(LPC)(C24:0)の1つを含む、代替形態69の組成物を含む。
【0082】
代替形態71は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンまたはミルテホシンアナログの少なくとも1つを含む、代替形態65〜67のいずれか1つの組成物を含む。
【0083】
代替形態72は、ミルテホシンアナログが表2.1または表2.2からの化合物を含む、代替形態68〜71のいずれか1つの組成物を含む。
【0084】
代替形態73は、ミルテホシンアナログが表2.1からの化合物を含む、代替形態68〜71のいずれか1つの組成物を含む。
【0085】
代替形態74は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンを含む、代替形態65〜67のいずれか1つの組成物を含む。
【0086】
代替形態75は、スルファチドが以下の化学構造:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1は、原子の手、水素、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30置換アルキル、C
1〜C
30アルケニル、C
1〜C
30置換アルケニルおよびC
5〜C
12糖からなる群から選択され;R
2は、水素、ヒドロキシ基、メトキシ基、およびアルコキシ基からなる群から選択され;R
3は、水素、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、およびアルコキシ基からなる群から選択され;R
4は、水素、ヒドロキシ基およびアルコキシ基からなる群から選択され;R
5は、水素、ヒドロキシル、カルボニル、アルコキシおよび原子の手からなる群から選択され;R
6は、C
1〜C
40アルキル、C
1〜C
40置換アルキル、C
1〜C
40アルケニル、C
1〜C
40置換アルケニルおよびC
1〜C
40アルキンルからなる群から選択され;R
7は、C
1〜C
40アルキル、C
1〜C
40置換アルキル、C
1〜C
40アルケニル、C
1〜C
40置換アルケニルおよびC
1〜C
40アルキンルからなる群から選択され;およびR
8は、水素、ヒドロキシル基、カルボニル、アルコキシ基および原子の手からなる群から選択される)を有する、代替形態65〜74のいずれか1つの組成物を含む。
【0087】
代替形態76は、スルファチドが以下の化学構造:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
を有する、代替形態65〜74のいずれか1つの組成物を含む。
【0088】
代替形態77は、対象におけるI型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニストをさらに含む、代替形態65〜76のいずれか1つの組成物を含む。
【0089】
代替形態78は、RARアゴニストがATRAまたはイソトレチノインを含む、代替形態77の組成物を含む。
【0090】
代替形態79は、RARアゴニストがタザロテンを含む、代替形態77の組成物を含む。
【0091】
代替形態80は、RARアゴニストがレチノールまたはレチノールのエステルを含む、代替形態77の組成物を含む。
【0092】
代替形態81は、炎症性病態が、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)からなる群から選択される、代替形態1〜50のいずれか1つの方法を含む。
【0093】
代替形態82は、NKT−2アクチベーターの量が対象の肝臓中のCD8αα
+T細胞を活性化させるために十分である、代替形態1〜50または81のいずれか1つの方法を含む。
【0094】
代替形態83は、単離CD8αα
+、TCRαβ
+T細胞を対象に投与することをさらに含む、代替形態1〜50または81〜82のいずれか1つの方法を含む。
【0095】
代替形態84は、単離CD8αα
+、TCRαβ
+T細胞がNKT−2アクチベーターよりも前に対象に投与される、代替形態82〜83の1つの方法を含む。
【0096】
代替形態85は、単離CD8αα
+、TCRαβ
+T細胞がNKT−2アクチベーターと同時に対象に投与される、代替形態82〜83の1つの方法を含む。
【0097】
代替形態86は、単離CD8αα
+、TCRαβ
+T細胞がNKT−2アクチベーターに続いて対象に投与される、代替形態82〜83の1つの方法を含む。
【0098】
代替形態87は、哺乳動物から細胞試料を得ること、細胞試料からCD8αα
+、TCRαβ
+T細胞を単離すること、および単離T細胞を拡大させることをさらに含む、代替形態82〜87のいずれか1つの方法を含む。
【0099】
代替形態88は、哺乳動物が対象である、代替形態87の方法を含む。
【0100】
代替形態89は、哺乳動物が対象以外の生物である、代替形態87の方法を含む。
【0101】
代替形態90は、単離T細胞がCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+である、代替形態82〜89のいずれか1つの方法を含む。
【0102】
代替形態91は、単離T細胞がCD8αα
+、TCRαβ
+、CD122
+である、代替形態82〜89のいずれか1つの方法を含む。
【0103】
代替形態92は、単離T細胞がCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+、CD122
+である、代替形態82〜89のいずれか1つの方法を含む。
【0104】
代替形態93は、単離T細胞がCD8αα
+TCRαβ
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD200
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD122
+T細胞、およびCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+CD122
+T細胞の2つ以上の混合物である、代替形態82〜92のいずれか1つの方法を含む。
【0105】
代替形態94は、対象における少なくとも1つの炎症性病態を緩和または予防する方法であって、単離CD8αα+、TCRαβ+T細胞を対象に投与すること、およびII型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーターを対象に投与することを含む方法を含む。
【0106】
代替形態95は、炎症性病態が、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)からなる群から選択される、代替形態94の方法を含む。
【0107】
代替形態96は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンまたはミルテホシンアナログの少なくとも1つを含む、代替形態94〜95のいずれか1つの方法を含む。
【0108】
代替形態97は、NKT−2アクチベーターがミルテホシンを含む、代替形態94〜95のいずれか1つの方法を含む。
【0109】
代替形態98は、NKT−2アクチベーターの量が対象の肝臓中のCD8αα
+T細胞を活性化させるために十分である、代替形態94〜97のいずれか1つの方法を含む。
【0110】
代替形態99は、単離CD8αα
+、TCRαβ
+T細胞がNKT−2アクチベーターよりも前に対象に投与される、代替形態94〜98のいずれか1つの方法を含む。
【0111】
代替形態100は、単離CD8αα
+、TCRαβ
+T細胞がNKT−2アクチベーターと同時に対象に投与される、代替形態94〜98のいずれか1つの方法を含む。
【0112】
代替形態101は、単離CD8αα
+、TCRαβ
+T細胞がNKT−2アクチベーターに続いて対象に投与される、代替形態94〜98のいずれか1つの方法を含む。
【0113】
代替形態102は、哺乳動物から細胞試料を得ること、細胞試料からCD8αα
+、TCRαβ
+T細胞を単離すること、および単離T細胞を拡大させることをさらに含む、代替形態94〜101のいずれか1つの方法を含む。
【0114】
代替形態103は、哺乳動物が対象である、代替形態102の方法を含む。
【0115】
代替形態104は、哺乳動物が対象以外の生物である、代替形態102の方法を含む。
【0116】
代替形態105は、単離T細胞がCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+である、代替形態94〜104のいずれか1つの方法を含む。
【0117】
代替形態106は、単離T細胞がCD8αα
+、TCRαβ
+、CD122
+である、代替形態94〜104のいずれか1つの方法を含む。
【0118】
代替形態107は、単離T細胞がCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+、CD122
+である、代替形態94〜104のいずれか1つの方法を含む。
【0119】
代替形態108は、単離T細胞がCD8αα
+TCRαβ
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD200
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD122
+T細胞、およびCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+CD122
+T細胞の2つ以上の混合物を含む、代替形態94〜104のいずれか1つの方法を含む。
【0120】
代替形態109は、炎症性病態が、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)からなる群から選択される、代替形態51〜80のいずれか1つの組成物を含む。
【0121】
代替形態110は、NKT−2アクチベーターの量が対象の肝臓中のCD8αα+T細胞を活性化させるために十分である、代替形態51〜80または109のいずれか1つの組成物を含む。
【0122】
代替形態111は、対象への投与において使用される単離CD8αα+、TCRαβ+T細胞をさらに含む、代替形態51〜80または109もしくは110のいずれか1つの組成物を含む。
【0123】
代替形態112は、単離T細胞がCD8αα+、TCRαβ+、CD200+である、代替形態111の組成物を含む。
【0124】
代替形態113は、単離T細胞がCD8αα+、TCRαβ+、CD122+である、代替形態111の組成物を含む。代替形態114は、単離T細胞がCD8αα+、TCRαβ+、CD200+、CD122+である、代替形態111の組成物を含む。
【0125】
代替形態115は、単離T細胞がCD8αα
+TCRαβ
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD200
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD122
+T細胞、およびCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+CD122
+T細胞の2つ以上の混合物を含む、代替形態111の組成物を含む。
【発明を実施するための形態】
【0127】
本明細書の一部の実施形態によれば、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーターを含む組成物は、多数の炎症性病態のいずれかの緩和または予防において有用であり得る。いかなる理論によっても限定されるものではないが、本明細書において、II型NKT細胞は活性化時、I型NKT細胞の活性化を阻害し得、したがって、炎症と関連するI型NKT細胞媒介損傷を緩和または予防し得ることが企図される。したがって、一部の実施形態において、炎症性病態を緩和または予防する方法は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター、例えば、ミルテホシンまたはミルテホシンのアナログを含む組成物を投与することを含む。任意選択
的に、組成物は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のスルファチドを含み得る。任意選択的に、組成物は、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニストを含み得る。
【0128】
(NKT細胞)
肝臓は、自然免疫系の多数の特殊化した細胞、例として、クップファー細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞および樹状細胞を保有する。NKT細胞は、それらがNK細胞の細胞表面受容体(例えば、NK1.1)を共有し、さらにT細胞受容体(TCR)を発現し、それらが脂質抗原をCD1d分子に関連して認識し、自然免疫応答を適応免疫に橋渡しすることを可能にするという点で独特である。NKT細胞は、組織の炎症および関連する細胞損傷に寄与する他の細胞の活性を調節する能力を有する。NKT細胞は、活性化時、大量のIFN−ガンマ、IL−4、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子、ならびに複数の他のサイトカインおよびケモカインを急速に分泌する。NKT細胞はTh1およびTh2サイトカインの両方を分泌し得るため、インビボでのNKT細胞活性化の結果を予測することは困難であり得る。状況に応じて、NKT細胞活性化は、異なる免疫応答を促進または抑制するイベントのカスケードの引き金となる。一部の状況において、NKT細胞の活性化は、NK細胞、樹状細胞(DC)およびB細胞の活性化をもたらす。NKT細胞の態様は、参照により全体として本明細書に組み込まれるKumar,“NKT−cell subsets:Promoters and protectors in inflammatory liver disease”Journal of Hepatology,2013,59:618−620において考察されている。
【0129】
NKT細胞は、単形性MHCクラスI様分子CD1dと関連して提示される脂質抗原を認識する。CD1d拘束性NKT細胞は、I型(「I型NKT細胞」または「NKT−1」細胞とも称される)およびII型(「II型NKT細胞」または「NKT−2」細胞とも称される)に分類され、それらは、CD1d分子により提示される異なる脂質抗原を認識する。両方のNKT細胞サブセットは主にNK1.1+(マウス)またはCD161+/CD56+(ヒト)である一方、それらの相対数はマウスおよびヒトにおいて異なり、すなわち、マウスではI型NKT細胞が優勢である一方、ヒトではII型NKT細胞サブセットが優勢である。
【0130】
インバリアントNKT細胞としても公知のI型は、マウスではVα14−Jα18およびVβ8.2、Vβ7、もしくはVβ2、またはヒトではVα24−JαQおよびVβ11により特徴付けられる、半不変T細胞受容体(TCR)を発現し、海洋海綿由来の糖脂質アルファ−ガラクトシルセラミド(「アルファ−GalCer」または「αGalCer」)と強反応性であり、フローサイトメトリーにおいてアルファ−GalCer/CD1d−テトラマーにより識別される。I型NKT細胞はまた、脂質ベースの抗原、例えば、細菌由来の脂質および自己糖脂質イソグロボトリヘキソシルセラミド(iGb3)を認識する。I型NKT細胞は、記憶マーカーをディスプレイし、サイトカインについての予備形成されたmRNAを貯蔵する点で独特である。Jα18遺伝子を欠くマウス(Jα18マウス)は、I型NKT細胞のみを欠損する。
【0131】
II型NKT細胞は、I型NKT細胞と異なり、いくつかの他の細胞サブセット、例として、I型NKT細胞の活性をモジュレートし得る制御性細胞である。II型NKT細胞は、マウスおよびヒトの両方において、自己糖脂質スルファチド(3’−スルホガラクトシルセラミド)を認識する。フローサイトメトリーにおいてスルファチド/CD1d−テトラマーを使用して識別することができるII型NKT細胞の主要なサブセットは、Vβ8.1/Vβ3.1−Jβ2.7およびVα1/Vα3−Jα7遺伝子セグメントを主に利用し、スルファチドと反応性である。II型NKT細胞の活性化は、候補薬剤に対するII型NKT細胞のインビトロ増殖応答を評価することにより、ならびにC69発現を評価することおよびIFN−ガンマ、IL−4またはIL−13についての細胞内サイトカイン染色またはリアルタイムPCRによりサイトカイン分泌プロファイルを評価することにより評価することができる。さらに、I型NKT細胞をアネルギー化する活性化II型NKT細胞の能力は、CF8E希釈分析およびアルファ−GalCer/CO1d−テトラマー細胞の細胞内サイトカイン染色を使用してアルファ−GalCer(I型NKT細胞の強力なアクチベーター)に対するI型NKT細胞の増殖応答を評価することにより評価することができる。本明細書の一部の実施形態によるNKT細胞(I型またはII型)の活性化は、チミジン取り込みに基づく刺激指数として定量することができる(例えば、
図2A参照)。
【0132】
本明細書において使用される「NKT−2アクチベーター」は、この元となる用語のバリエーションを含め、II型NKT細胞との接触時、II型NKT細胞によるIL−2の分泌、II型NKT細胞の増殖、またはII型NKT細胞の表面上のCD69発現の上昇の少なくとも1つを誘導する化合物を指す。本明細書の方法、キットおよび組成物による好適な例示的なNKT−2アクチベーターとしては、限定されるものではないが、ミルテホシン、ミルテホシンアナログ(例えば、表2.1および表2.2に列記される化合物)、リン脂質、例えば、リゾホスファチジルコリン(LPC)(例えば、LPC(C18:0)、LPC(C16:0)、LPC(C18:1(9Z))、LPC(C18:1(1オレイル))、および/またはLignA(LPC)(C24:0))、LPCのアナログ、リゾ血小板活性化因子(LPAF)、リゾスフィンゴミエリン(LSM)、および/またはLSMのアナログが挙げられる。いかなる理論によっても限定されるものではないが、本明細書の一部の実施形態によるNKT−2アクチベーターは、II型NKT細胞を活性化し得、次いでそれがI型NKT細胞の活性化を阻害し得ることが企図される。
【0133】
一部の実施形態において、II型NKT細胞の活性化は、II型NKT細胞によるIL−2の分泌、II型NKT細胞の増殖、II型NKT細胞の表面上のCD69発現の上昇、それらの任意の2つ、それらの任意の3つ、またはそれらの4つ全てを含む。
【0134】
一部の実施形態において、I型NKT細胞の活性化の阻害は、I型NKT細胞の増殖の阻害、I型NKT細胞の蓄積の低減、I型NKT細胞の表面上のCD69発現の減少、それらの任意の2つ、またはそれらの3つ全てを含む。
【0135】
(虚血再灌流傷害後のNKT−2アクチベーターならびにI型およびII型NKT細胞)
再灌流傷害は、虚血期間後に臓器または組織に対して血液供給が回復される時に生じる。肝再灌流傷害は、一般に、手術または外傷に関連して生じ、肝臓移植後の移植組織の質および機能において主要な役割を果たす。虚血再灌流傷害(IRI)の発症は、クップファー細胞活性化、反応性酸素種の放出、CD4
+細胞動員および炎症促進性サイトカインの分泌により特色付けられる(約1〜約6時間の再灌流に続く)初期期間と、好中球蓄積および壊死の誘導により特徴付けられる(約6〜約48時間の再灌流の初期段階に続く)後期期間との、少なくとも2段階で生じる。典型的には、I型NKT細胞も、虚血再灌流後に活性化され、IFN−ガンマを分泌する。NKT−2アクチベーター、例えば、ミルテホシンの投与が、II型NKT細胞を刺激し(
図1参照)、I型NKT細胞拡大を阻害し得る(
図2Aおよび
図2B参照)ことが示されたため、本明細書の一部の実施形態によるNKT−2アクチベーター、例えば、ミルテホシンおよびミルテホシンのアナログならびにリン脂質は、虚血再灌流と関連するI型NKT活性化の阻害に有用であり得ることが企図される。
【0136】
したがって、一部の実施形態において、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター、例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログ、またはリン脂質を含む組成物が、虚血再灌流傷害の治療、改善、予防、またはその発症リスク低減における使用のために提供される。任意選択的に、組成物は、I型NKT細胞を阻害するために十分な量のRARアゴニスト、例えば、タザロテンをさらに含む。任意選択的に、組成物は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のスルファチドをさらに含む。一部の実施形態において、組成物は、虚血再灌流傷害を罹患し、または発症するリスクのある対象に投与する。
【0137】
一部の実施形態において、全体として、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンのアナログまたはリン脂質)および十分な量のスルファチドを含む組成物が、虚血再灌流傷害の治療、改善、予防、その発症リスク低減における使用のために提供される。任意選択的に、組成物は、I型NKT細胞を阻害するために十分な量のRARアゴニスト(例えば、タザロテン)をさらに含む。一部の実施形態において、組成物は、虚血再灌流傷害を罹患し、またはその発症リスクのある対象に投与する。任意選択的に、組成物は、経口投与用である。
【0138】
一部の実施形態において、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)は、IRIを罹患し、またはそのリスクのある対象に投与する。任意選択的に、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト(例えば、タザロテン)を対象に投与する。任意選択的に、投与は、経口である。任意選択的に、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のスルファチドを対象にさらに投与する。一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストを同時投与する。一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストを別個に投与する。一部の実施形態において、最初にNKT−2アクチベーターを投与し、続いてRARアゴニストを投与する。一部の実施形態において、最初にRARアゴニストを投与し、続いてNKT−2アクチベーターを投与する。一部の実施形態において、RARアゴニストおよびNKT−2アクチベーターの交互投与を実施する。
【0139】
(肝疾患におけるNKT−2アクチベーターならびに活性化I型およびII型NKT細胞)
それぞれが参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第8,044,029号明細書および米国特許出願公開第2011/0118197号明細書、および米国特許出願公開第2014/0187504号明細書に記載のとおり、自己糖脂質リガンドであるスルファチド、および合成スルファチドアナログの投与は、I型およびII型NKT細胞の活性をモジュレートし得る。いかなる理論によっても限定されるものではないが、スルファチドのCD1d依存性認識は、II型NKT細胞および主に形質細胞様樹状細胞(pDC)を活性化させるが、通常型樹状細胞(cDC)集団(通常、1型NKT細胞により活性化される)を活性化せず、IL−12およびMIP2依存的に肝臓中へのI型NKT細胞の急速な動員をもたらす。しかしながら、動員されたI型NKT細胞は、活性化されず、サイトカインを分泌せず、アネルギーの状態になる。スルファチドのインビボ投与は、a)アルファ−GalCerによる刺激に応答してI型NKT細胞のインビトロ増殖を抑制し、b)細胞質内IFN−ガンマ染色によるスルファチド/CD1d−テトラマー+細胞の割合を増加させることが示されている。
【0140】
虚血再灌流傷害の初期段階中の肝臓I型NKT細胞によるIFN−ガンマの分泌は、スルファチドを受けたマウスにおいて、非処理動物に比べて顕著に減少することが観察されている。さらに、Jα18
−/−マウスにおけるI型NKT細胞の不存在の場合と同様に、虚血/再灌流後の肝傷害は、スルファチドにより処理されたマウスにおいて著しく減少する。この観察は、肝虚血および再灌流傷害の媒介におけるI型NKT細胞についての病因的役割を示す。いかなる理論によっても限定されるものではないが、I型NKT細胞によるIFN−ガンマ分泌の役割は、虚血臓器傷害の一般的な特性であり得る。なぜなら、腎臓の虚血再灌流傷害も1型NKTを欠くJα18
−/−マウスにおいて減衰されるためである。
【0141】
IRIと同様に、スルファチドまたはNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)の投与は、肝細胞壊死の低減、ならびに肝細胞損傷のマーカーであるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の血清レベルの低減により示されるとおり、コンカナバリンA(ConA)誘発性肝炎から保護し得る。さらに、ConAの12時間前のミルテホシンの投与は、24時間後のALTの血清レベルを低減させ(
図3A)、肝切片のH&E染色により決定されたとおり細胞の壊死を低減させた(
図3B)。いかなる理論によっても拘束されるものではないが、これらの観察は、ConA誘発性肝炎におけるI型NKT細胞についての病因的役割、ならびにスルファチドおよび/またはリン脂質(例えば、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログ)の保護的役割を示す。
【0142】
いかなる理論によっても限定されるものではないが、肝損傷、IRIおよびConA誘発性肝炎の両方のモデルからのデータは、多様な原因から生じる肝炎症においてI型NKT細胞が有害な役割を担い、スルファチド/NKT−2アクチベーター反応性II型NKT細胞がる保護的役割を担う免疫調節経路と一致する。このような保護は、I型NKT細胞によるサイトカイン分泌の阻害(表現型阻害)、未熟骨髄細胞(CD11b+Gr−1+)CD11b+Gr−1−およびNK細胞の肝臓動員の著しい低減と関連する。I型NKT細胞の阻害はまた、通常型樹状細胞(cDC)の寛容化または調節とも関連し、それらは、阻害されたI型NKT細胞と一緒になって、適応性Th1/Th17CD4+/CD8+T細胞の活性化/拡大を阻害する。これは、スルファチドおよび/またはNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンのアナログまたはリン脂質)の投与がII型NKT細胞の活性を刺激し、続いてそれがI型NKT細胞活性およびI型NKT細胞媒介炎症により引き起こされる肝損傷を阻害するモデルをもたらす。
【0143】
したがって、一部の実施形態において、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)を含む組成物が、肝傷害または肝疾患の治療における使用のために提供される。任意選択的に、組成物は、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト(例えば、タザロテン)をさらに含む。任意選択的に、組成物は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のスルファチドをさらに含む。一部の実施形態において、組成物は、肝傷害を罹患し、または肝傷害もしくは肝疾患、例えば、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、肝硬変、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎の発症リスクのある対象に投与する。
【0144】
一部の実施形態において、全体として、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)および十分な量のスルファチドを含む組成物が、肝傷害または肝疾患の治療、改善、予防、または発症リスク低減における使用のために提供される。任意選択的に、組成物は、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト(例えば、タザロテン)をさらに含む。一部の実施形態において、組成物は、肝傷害または肝疾患、例えば、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、肝硬変、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎を罹患し、またはその発症リスクのある対象に投与する。
【0145】
一部の実施形態において、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)を、肝傷害または肝疾患を罹患し、またはそのリスクのある対象に投与する。任意選択的に、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト(例えば、タザロテン)を対象に投与する。任意選択的に、投与は、経口である。任意選択的に、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のスルファチドを対象にさらに投与する。一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストを同時投与する。一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストを別個に投与する。一部の実施形態において、最初にNKT−2アクチベーターを投与し、続いてRARアゴニストを投与する。一部の実施形態において、最初にRARアゴニストを投与し、続いてNKT−2アクチベーターを投与する。一部の実施形態において、RARアゴニストおよびNKT−2アクチベーターの交互投与を実施する。一部の実施形態において、対象は、肝傷害または肝疾患、例えば、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、肝硬変、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎を罹患し、またはその発症リスクがある。
【0146】
(アルコール性肝疾患におけるNKT細胞)
アルコール性肝疾患(ALD)は、過剰のアルコール消費により引き起こされる肝細胞の損傷の結果として発症する。複数の損傷が、ALDの臨床兆候が観察される前に要求され得る。しかしながら、慢性的アルコール消費に続いて、肝臓において、著しく増加した数のI型NKT細胞(アルファ−GalCer/CD1d−テトラマー+細胞)、CD4+細胞、およびCD11b+Gr−1+骨髄細胞が観察されているが、II型NKT細胞もCD11b+Gr−1−細胞も観察されていない。CD69マーカーの発現の向上は、I型NKT細胞が少なくとも部分的に活性化されることをさらに示す。したがって、疾患のいかなる臨床徴候の不存在下(前臨床期)でも、炎症応答を媒介する細胞が、過剰のアルコール消費に続いて肝臓中に蓄積する。I型NKT細胞の不存在下(Jα18−/−マウス)において、慢性的アルコール消費後の肝臓中のCD11b+Gr−1+骨髄細胞の蓄積は、著しく低減する。いかなる理論によっても限定されるものではないが、これらのデータは、I型NKT細胞が、ALDの前臨床期の媒介に関与することを示唆する。
【0147】
ALDの前臨床期におけるI型NKT細胞についての役割を示唆するデータと一致して、過剰アルコール消費後の肝損傷の臨床兆候は、例えば、組織学および肝酵素分析により計測される場合、I型NKT細胞欠損(Jα18−/−)マウスにおいて著しく低減する。いかなる理論によっても限定されるものではないが、これらのデータは、I型NKT細胞が、肝臓のアルコール性損傷において重要な役割を果たすことを示唆する。
【0148】
NKT細胞は、それが脂質抗原をCD1d分子に関連して認識することを可能にするT細胞受容体を発現する。特定の理論により拘束されるものではないが、I型NKT細胞は、エタノール消費に続いて、CD1dを発現する抗原提示細胞(APC)による酸化された自己脂質の局所的提示により、肝臓において活性化される。次いで、活性化されたI型NKT細胞は、クップファー細胞活性化、顆粒球の動員/活性化、それに続く肝細胞の炎症性損傷をもたらす多段階プロセスを開始する。
【0149】
図4Aおよび
図4Bに示されるとおり、アルコール性肝疾患のネズミモデルにおけるエタノールと同時のミルテホシンの投与は、エタノール単独投与と比較してI型NKT細胞の蓄積を阻害した。さらに、
図4Cに示されるとおり、エタノールと同時のミルテホシンの投与は、エタノール単独投与と比較して活性化(CD69
+)NKT細胞のレベルも低減させた。さらに、
図4Dに示されるとおり、エタノールと同時のミルテホシンの投与は、エタノール単独投与と比較して好中球のレベルも低減させた。
【0150】
アルコール消費後のNKT細胞サブタイプ間の相互作用により肝損傷についての段階が定まり、重度の場合、アルコール性肝疾患(ALD)になる。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、アルコール消費後の肝臓の傷害を治療、緩和または予防するために、I型NKT細胞およびII型NKT細胞の相対する役割ならびに他の肝細胞とのそれらの相互作用を操作するための方法および組成物に関する。
【0151】
スルファチド処理は、過剰のアルコール消費後の肝損傷からのほぼ完全な保護をもたらす。特定の理論により拘束されるものではないが、スルファチドの保護効果は、I型NKT細胞およびcDCに対する阻害効果を発揮するII型NKT細胞の直接的な活性化を通じて媒介され得る。
【0152】
したがって、本明細書の一部の実施形態は、肝臓のアルコール誘発性傷害を治療、改善、および/または予防するためにNKT細胞サブタイプの活性をモジュレートすることに関する。本明細書に記載のとおり、NKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシン)、スルファチドまたはレチノイン酸受容体(RAR)アゴニストの投与は、アルコール誘発性肝損傷を阻害する。例えば、ミルテホシンの経口投与は、エタノールにより誘発されるI型NKT細胞蓄積および活性化、ならびに好中球蓄積を低減させる(
図4A、4B、C、および4D参照)。
【0153】
いくつかの実施形態は、スルファチドに反応性のII型NKT細胞の主要なサブセットについてのアルコール誘発性肝傷害における保護的な役割に関する。スルファチドによるこのNKT細胞サブセットの活性化は、過剰のアルコール消費後のI型NKT細胞媒介傷害を阻害する。スルファチド媒介保護は、II型NKT細胞の活性化ならびに肝臓I型NKT細胞によるIFN−ガンマ分泌の阻害ならびに肝臓中への骨髄細胞、例えば、CD11b
+Gr−1
intおよびGr−1
−サブセットおよびNK細胞のI型NKT細胞媒介動員の抑制と関連する。
【0154】
したがって、一部の実施形態において、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログ)を含む組成物が、アルコール性肝疾患の治療、改善、または予防における使用のために提供される。任意選択的に、化合物は、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト(例えば、タザロテン)をさらに含む。任意選択的に、組成物は、経口投与用である。
【0155】
一部の実施形態において、全体として、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログ)および十分な量のスルファチドを含む組成物が、アルコール性肝疾患の治療、改善、予防、またはそのリスク低減における使用のために提供される。任意選択的に、化合物は、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト(例えば、タザロテン)をさらに含む。任意選択的に、組成物は、経口投与用である。
【0156】
一部の実施形態において、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログ)は、アルコール性肝疾患を罹患し、またはその発症リスクのある対象に投与する。任意選択的に、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト(例えば、タザロテン)を対象に投与する。任意選択的に、投与は、経口である。任意選択的に、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のスルファチドを対象にさらに投与する。一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストを同時投与する。一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターおよびRARアゴニストを別個に投与する。一部の実施形態において、最初にNKT−2アクチベーターを投与し、続いてRARアゴニストを投与する。一部の実施形態において、最初にRARアゴニストを投与し、続いてNKT−2アクチベーターを投与する。一部の実施形態において、RARアゴニストおよびNKT−2アクチベーターの交互投与を実施する。
【0157】
(スルファチド)
一部の実施形態において、スルファチドは、例えば、Sigma Inc.(Chicago,IL,USA)から入手される約20種の異なる種類の混合物であるウシ脳由来スルファチドを含む。他の実施形態において、スルファチドは半合成であり、単一種のスルファチド、例えば、Maitreya Inc(Pleasant Gap,PA,USA)から入手されるシス−テトラコセノイルスルファチドまたはリゾスルファチドを含む。さらに他の実施形態において、スルファチドは、完全に合成のスルファチドであり得る。
【0158】
ウシ脳ミエリン由来のスルファチドは、飽和/不飽和主アシル鎖(C
24)の2:1混合物からなり、不飽和はC
19に存在する。いくつかの実施形態は、合成スルファチドアナログ、例えば、飽和アシル鎖(C
24)および不飽和鎖(C
24:1)を有するアナログ、ならびに脂肪酸またはスフィンゴシン部分において異なる長さのアシル鎖(より短いおよびより長い、例えば、C
18、C
32)からなるアナログ、およびガラクトース部分上に3’と4’−の硫酸化基(3’−803と4’−803)を有する位置異性体の使用に関する。
【0159】
一部の実施形態において、スルファチドは、以下の化学式I:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1は、原子の手、水素、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30置換アルキル、C
1〜C
30アルケニル、C
1〜C
30置換アルケニルまたはC
5〜C
12糖であり得;R
2は、水素、ヒドロキシ基、メトキシ基、またはアルコキシ基であり得;R
3は、水素、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、またはアルコキシ基であり得;R
4は、水素、ヒドロキシ基またはアルコキシ基であり得;R
5は、水素、ヒドロキシ基、カルボニル、アルコキシ基または原子の手であり得;R
6は、C
1〜C
40アルキル、C
1〜C
40置換アルキル、C
1〜C
40アルケニル、C
1〜C
40置換アルケニル、またはC
1〜C
40アルキンルであり得;R
7は、C
1〜C
40アルキル、C1〜C40置換アルキル、C
1〜C
40アルケニル、C
1〜C
40置換アルケニル、またはC
1〜C
40アルキンルであり得;およびR
8は、水素、ヒドロキシ基、カルボニル、アルコキシ基または原子の手であり得る)
を有する。
【0160】
他の実施形態において、スルファチドは、以下の化学式II:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1は、C
1〜C
40アルキル、C
1〜C
40置換アルキル、C
1〜C
40アルケニル、C
1〜C
40置換アルケニルおよびC
1〜C
40アルキンルからなる群から選択され;およびR
2は、水素、ヒドロキシル基、カルボニル、アルコキシ基および原子の手からなる群から選択される)
を有する。
【0161】
別の実施形態において、スルファチドは、以下の化学構造:
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
を有する。
【0162】
本明細書において使用される用語「アルキル」は、任意の非分枝または分枝の飽和炭化水素を意味する。用語「置換アルキル」は、任意の非分枝または分枝の置換飽和炭化水素を意味する。環式化合物、すなわち、環式炭化水素およびヘテロ原子を有する環式化合物の両方は、「アルキル」の意味の範囲内である。
【0163】
本明細書において使用される用語「置換」は、官能基による水素原子の任意の置換を意味する。
【0164】
本明細書において使用される用語「官能基」は、その一般的な定義を有し、ハロゲン原子、C
1〜C
20アルキル、置換C
1〜C
20アルキル、過ハロゲン化アルキル、シロアルキル(cyloalkyl)、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シアノ、およびニトロからなる群から好ましくは選択される化学部分を指す。
【0165】
本明細書において使用される用語「ハロゲン」および「ハロゲン原子」は、元素の周期表の第17列の放射安定性原子の任意の1つ、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指し、フッ素および塩素が特に好ましい。
【0166】
本明細書において使用される用語「アルケニル」は、任意の非分枝または分枝の、置換または非置換の不飽和炭化水素を意味する。用語「置換アルケニル」は、1つ以上の官能基により置換されている、任意の非分枝または分枝の、置換不飽和炭化水素を意味し、非分枝C
2〜C
6アルケニル第2級アミン、置換C
2〜C
6第2級アルケニルアミン、および非分枝C
2〜C
6アルケニル第3級アミンは、「置換アルキル」の定義の範囲内である。環式化合物、すなわち、不飽和環式炭化水素およびヘテロ原子を有する環式化合物の両方は、「アルケニル」の意味の範囲内である。
【0167】
本明細書において使用される用語「アルコキシ」は、任意の非分枝または分枝の、置換または非置換の、飽和または不飽和のエーテルを指す。
【0168】
本明細書において使用される用語「スルファチド」は、その一般的な慣例の意味を保持し、分子の糖部分中に1つ以上のスルフェート基を含有するセレブロシド硫酸エステルを指す。
【0169】
本明細書において使用される用語「セレブロシド」は、糖を含有し、一般に、脳および神経組織中で通常見出されるタイプの任意の脂質化合物を指す。
【0170】
式(I)、(II)および(III)の化合物は、薬学的に許容可能な非毒性のその塩の形態であり得る。式(I)、(II)および(III)の塩としては、酸付加塩、例えば、無機酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸または有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、オレイン酸、パルミチン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、グルタミン酸、パントテン酸、ラウリルスルホン酸、メタンスルホン酸およびフタル酸との塩が挙げられる。
【0171】
式(I)、(II)および(III)の化合物は、その溶媒和物(例えば、水和物)の形態であり得る。
【0172】
式(I)、(II)および(III)の化合物は、スルファチドを合成する目的の任意の方法により生成することができる。
【0173】
式(I)、(II)および(III)の化合物はまた、天然物(例えば、生物有機体)から単離し、カラムクロマトグラフィーなどにより精製することができる。
【0174】
一実施形態において、スルファチドは、化学式:(2S,3R,4E)−N−ネルボニック(nervonic)−1−[−D−(3−スルフェート)−ガラクトピラノシル]−2−アミノ−オクタデセン−3−オールを有する。この化学式はまた、シス−テトラコセノイルスルファチドとも称される。
【0175】
一部の実施形態において、患者に投与されるスルファチドの具体的な量は、治療される疾患または病態、ならびに治療される患者の年齢、体重および性別に応じて変動する。一般に、そのような最終濃度を例えば腸または血液中で達成するため、本実施形態の単回投与量組成物中のスルファチド分子の量は、一般に、約0.1ミリグラム〜約100ミリグラム、好ましくは、約2.0ミリグラム〜約60ミリグラム、より好ましくは、約20ミリグラム〜約50ミリグラムである。同様に、本実施形態の単回経口投与量組成物中の第2の治療化合物の量は、一般に、約0.01ミリグラム〜約1000ミリグラム、より好ましくは、約0.1ミリグラム〜約100ミリグラムの範囲内である。当然、正確な投与量は、治療される疾患または障害により変動するが、好ましい範囲は容易に決定可能である。一部の実施形態において、患者はヒトである。
【0176】
一部の実施形態において、0.1〜10mg/kg体重のスルファチド、例えば、約0.1mg/kg体重、0.2mg/kg体重、0.3mg/kg体重、0.5mg/kg体重、1mg/kg体重、2mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重、9mg/kg体重、または0.2〜0.5mg/kg体重、0.2〜1mg/kg体重、0.2〜5mg/kg体重、0.2〜10mg/kg体重、0.5〜1mg/kg体重、0.5〜5mg/kg体重、0.5〜10mg/kg体重、1〜5mg/kg体重、1〜10mg/kg体重、2〜5mg/kg体重、2〜10mg/kg体重、または5〜10mg/kg体重などの範囲のスルファチドを対象に投与する。好ましくは、この投与量を必要に応じて反復する。任意選択的に、投与量を反復することができる。任意選択的に、投与量は、1日5回、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、またはそれよりも低頻度で、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20日ごとに1回反復することができ、それには列記される値の任意の2つの間の範囲、例えば、1〜2日ごと、1〜3日ごと、1〜5日ごと、1〜10日ごと、1〜20日ごと、2〜3日ごと、3〜5日ごと、3〜10日ごと、3〜20日ごと、5〜10日ごと、または5〜20日ごとが含まれる。
【0177】
(レチノイン酸受容体(RAR)アゴニスト)
本明細書に記載のとおり、レチノイン酸受容体(RAR)アゴニストであるオールトランス型レチノイン酸(ATRA)の投与は、アルコール消費により引き起こされる肝損傷を顕著に阻害する。エタノール摂取は、肝臓レチニルエステルを枯渇させ、多くの生物学的機能を支持し、FoxP3
+T
regへのナイーブCD4
+T細胞分化の発生、安定性および機能をIL−6の存在下においても向上させ得るビタミンAの生物学的に活性な形態であるオールトランス型レチノイン酸(ATRA)の生理学的レベルを変更する。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、ATRAがI型NKT細胞のエフェクター機能を阻害する、例として、それらの細胞によるサイトカイン分泌を抑制するという知見に関する。さらに、ATRAは、I型NKT細胞活性に対する直接的な阻害効果を有し、抗原提示細胞の不存在下でその阻害効果を発揮する。さらに、ATRAは、タンパク質抗原、例えば、ミエリン塩基性タンパク質またはMBPAc1−9を認識する通常型MHC拘束性CD4+T細胞の活性を直接的には阻害しない。特定の理論により拘束されるものではないが、これらのデータは、ATRAが、I型NKT細胞を阻害することにより過剰アルコール消費により引き起こされる肝損傷を防ぐことを示す。
【0178】
本明細書に記載のとおり、RARアゴニストは、I型NKT細胞の阻害を誘導する。さらに、過剰のアルコール消費から生じるI型NKT細胞媒介炎症により引き起こされる肝損傷をRARアゴニストの投与により予防、低減または軽減することができる。肝臓は、種々の異なる理由から炎症状態になり得る。例えば、肝炎症は、細菌またはウイルス感染、傷害、または自己の免疫系からの攻撃により引き起こされ得る。炎症は、通常、保護的な応答であり、治癒プロセスの必須段階である一方、長期のまたは慢性的な炎症は傷害を引き起こし得る。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、炎症に続き、それに関連し、またはそれにより引き起こされる肝傷害をもたらす自然免疫機序のRARアゴニスト媒介モジュレーションに関する。一部の実施形態は、I型NKT細胞活性のRARアゴニスト媒介阻害のための方法および組成物であって、非自己識別される病原体に対する自然免疫応答に影響を与えることなくまたはほとんど影響を与えずに、消化管由来または代謝産物由来の抗原に対する寛容を提供するように自然免疫系構成成分間の相互作用をモジュレートする方法および組成物に関する。
【0179】
RARアゴニストはI型NKT細胞を直接アネルギー化し得るため、RARアゴニストは、I型NKT細胞が病因的役割を果たす任意の適応症を治療するために使用することができる。本開示の実施形態により治療することができる疾患の一部の例としては、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)が挙げられる。
【0180】
一部の実施形態において、自己免疫または免疫関連の疾患または障害の種々の適応症が、I型NKT細胞活性のRARアゴニスト媒介阻害により治療、予防または軽減される。特に、本実施形態の一態様は、自己免疫または免疫関連の疾患または障害、例えば、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、AIDS、アルツハイマー病、関節リウマチ、インスリン依存性真性糖尿病、自己免疫性肝炎、喘息、セリアック病、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症などの症状を罹患する患者を有効量のRARアゴニストにより治療する方法に関する。一部の実施形態において、I型NKT細胞活性のRARアゴニスト媒介阻害は、喘息症状を治療、予防または軽減する。一部の実施形態において、患者はヒトである。
【0181】
一部の実施形態は、RARアゴニストを投与することにより虚血再灌流後のI型NKT細胞媒介炎症を阻害または予防する方法に関する。I型NKT細胞は、虚血再灌流傷害などの病態において病因的役割を果たす。再灌流傷害は、種々の組織において、虚血期間後に血液供給が回復される場合に生じ得る。例としては、圧挫後の骨格筋組織、心筋梗塞もしくは心臓手術または虚血性心疾患に関連する心筋、脳卒中または脳外傷に関連する神経組織、ならびに手術または外傷に関連する肝組織および腎組織が挙げられる。虚血再灌流傷害はまた、臓器移植における移植組織の質および機能において主要な役割を果たす。虚血再灌流傷害は、入院期間の延長および長期移植片生着の減少の主な原因である。一部の実施形態において、I型NKT細胞活性のRARアゴニスト媒介阻害は、手術または外傷に関連する肝虚血再灌流傷害を阻害または予防する。
【0182】
本明細書に記載の実施形態は、1つ以上のレチノイン酸受容体(RAR)アゴニストによるI型NKT細胞活性の阻害に関する。レチノイン酸受容体は、3つの主要なサブタイプ:RARα、RARβ、およびRARγを含む。一部の実施形態は、1つ以上の汎活性RARアゴニスト、そのような汎活性RARアゴニストの前駆体およびそれらの混合物によるI型NKT細胞活性の阻害に関する。本明細書において使用される用語「汎活性RARアゴニスト」は、RARα、RARβ、およびRARγに実質的に等しくまたは非選択的に影響を与える、例えば、活性化させるRARアゴニストを指す。一部の実施形態は、RARαに比べてRARβおよびRARγの少なくとも一方、好ましくは両方に、選択的にまたはさらには特異的に影響を与える、例えば、活性化させるために有効な、1つ以上の活性RARアゴニスト、そのような活性RARアゴニストの前駆体およびそれらの混合物によるI型NKT細胞活性の阻害に関する。この文脈において使用される用語「選択的に」は、RARアゴニストの前駆体およびそれらの混合物が、RARαに比べてRARβおよびRARγの少なくとも一方、好ましくは両方に影響を与えるためにより有効、好ましくは少なくとも約10倍または約100倍〜約1000倍またはそれを超えて有効であることを意味する。一部の実施形態は、1つ以上のサブタイプ選択的RARアゴニスト、そのようなサブタイプ選択的RARアゴニストの前駆体およびそれらの混合物によるI型NKT細胞活性の阻害に関する。本明細書において使用される用語「サブタイプ選択的RARアゴニスト」は、1つのRARサブタイプに選択的に影響を与える、例えば、活性化させるRARアゴニストを指す。RARα、RARβ、およびRARγ選択性を有するレチノイド化合物は、当技術分野において公知であり、例えば、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,534,544号明細書および同第6,025,388号明細書に開示されている。
【0183】
いくつかの実施形態は、1つ以上のレチノイン酸受容体(RAR)アゴニストを投与することにより炎症促進性I型NKT細胞活性を阻害する方法に関する。RARアゴニストの例としては、限定されるものではないが、表1に列記されるRARアゴニストが挙げられる。
【0184】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
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【0185】
一部の実施形態において、炎症促進性I型NKT細胞活性は、ATRA、レチノール、9−シス−RAもしくは13−シス−RA、トレチノイン、AM580、AC55649、CD1530またはタザロテンからなる群から選択される1つ以上のRARアゴニストにより阻害される。一部の実施形態において、炎症促進性I型NKT細胞活性は、1つ以上のポリオレフィン性レチノイド、例えば、イソレチノインおよびアシトレチンにより阻害される。一部の実施形態において、炎症促進性I型NKT細胞活性は、エトレチナート、アシトレチンおよびイソトレチノインからなる群から選択される1つ以上のRARアゴニストにより阻害される。
【0186】
いくつかの実施形態は、タザロテン、タザロテン酸またはそれらの混合物による炎症促進性I型NKT細胞活性の阻害に関する。タザロテンは、対応する遊離酸であるタザロテン酸に代謝されるエチルエステルプロドラッグである。タザロテンは、レチノイン酸受容体(RAR)の天然リガンドであるオールトランス型レチノイン酸と比較して限られた立体構造的柔軟性を提供する、柔軟性のない環固定構造を有する。この構造変化が、RARについての特異性ならびにRARβおよびRARγについての選択性を有するタザロテン酸を付与する。
【0187】
RARアゴニストの例としてはさらに、シス−およびトランス−レチノイン酸のエステル、例えば、アルキルエステル、例えば、第1級、第2級または第3級アルコール、例として、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルへキシル、オクチル、ノニル、ラウリル、オレイル、ステアリル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ベンジル、アルファ−メチルベンジル、アルファ−プロピルフェニル、アミル、イソ−アミル、アニシル、セチル、メンチル、シンナミル、ピナコール、フリル、またはミリスチルが挙げられる。
【0188】
RARアゴニストの薬学的に許容可能な塩もI型NKT細胞活性を阻害するために使用することができる。十分に酸性、十分に塩基性、またはその両方の官能基を保有し、したがって、多数の有機または無機塩基、ならびに無機および有機酸のいずれかと反応して塩を形成し得る本明細書に開示される化合物である。
【0189】
塩基性基を有するRARアゴニストから酸付加塩を形成するために使用することができる酸の例としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などおよび有機酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニル−スルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などが挙げられる。このような塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ガンマ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩などが挙げられる。
【0190】
酸性基を有するRARアゴニストからの塩基付加塩を形成するために使用することができる塩基の例としては、限定されるものではないが、アルカリ金属、例えば、ナトリウム、カリウム、およびリチウムの水酸化物;アルカリ土類金属、例えば、カルシウムおよびマグネシウムの水酸化物;他の金属、例えば、アルミニウムおよび亜鉛の水酸化物;アンモニア、および有機アミン、例えば、非置換またはヒドロキシ置換のモノ−、ジ−、またはトリアルキルアミン;ジシクロへキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル、N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−、もしくはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)、例えば、モノ−、ビス−、もしくはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン、例えば、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン;N−メチル−D−グルカミン;ならびにアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)などが挙げられる。
【0191】
本明細書において使用される用語「患者」または「対象」は、治療法上の治療のレシピエントを指し、動物界内の全ての生物体を含む。好ましい実施形態において、動物は、哺乳動物、例えば、ヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネコ、バッファロー、イヌ、ヤギ、ウマ、ロバ、シカおよび霊長類の科の範囲内にある。一部の実施形態において、動物は、非ヒト哺乳動物を含む。最も好ましい動物は、ヒトである。したがって、一部の実施形態において、患者または対象はヒトである。
【0192】
本明細書において使用される用語「治療する」、「治療すること」および「治療」は、それぞれ「予防する」、「予防すること」および「予防」を含む。
【0193】
本明細書において使用される薬剤の「有効量」という用語は、炎症促進性I型NKT細胞活性から生じる肝損傷を治療、阻害、または予防するのに十分な量である。
【0194】
一部の実施形態は、ALDの臨床兆候よりも前のスルファチドおよび/またはRARアゴニストによる患者の前治療に関する。いくつかの実施形態において、患者は、大量アルコール消費よりも前の有効量のスルファチドおよび/またはRARアゴニストにより治療される。一部の他の実施形態において、患者は、大量アルコール消費の約0.5時間〜約18時間前に、有効量のスルファチドおよび/またはRARアゴニストにより治療される。一部の他の実施形態において、患者は、慢性的なアルコール消費の期間中、有効量のスルファチドおよび/またはRARアゴニストにより治療される。一部の実施形態において、患者はヒトである。
【0195】
一部の実施形態において、患者に投与されるRARアゴニストの具体的な量は、治療される疾患または病態、ならびに治療される患者の年齢、体重および性別に応じて変動する。一般に、そのような最終濃度を例えば腸または血液中で達成するため、本実施形態の単回投与量組成物中のRARアゴニストの量は、一般に、約0.1ミリグラム〜約100ミリグラム、好ましくは、約2.0ミリグラム〜約60ミリグラム、より好ましくは、約20ミリグラム〜約50ミリグラムである。好適な用量の例としては、約0.1〜約10mg/日;約0.5〜約2mg/日;約0.01〜100mg/日;約1〜約50mg/日;約0.1mg/日〜約1.0mg/日;約1.0mg/日〜約5.0mg/日;約5.0mg/日〜約10.0mg/日;約10.0mg/日〜約15mg/日;約15.0mg/日〜約20.0mg/日;約20.0mg/日〜約25.0mg/日;約30.0mg/日〜約35.0mg/日;約35.0mg/日〜約40.0mg/日;約40.0mg/日〜約45.0mg/日;約45.0mg/日〜約50.0mg/日;約50.0mg/日〜約55.0mg/日;約55.0〜約60.0mg/日;約60.0mg/日〜約65.0mg/日;約65.0mg/日〜約70.0mg/日;約70.0mg/日〜約75.0mg/日;約75.0mg/日〜約80.0mg/日;約80.0mg/日〜約85.0mg/日;約85.0〜約90.0mg/日;約85.0mg/日〜約90.0mg/日;約90.0mg/日〜約95.0mg/日;および約95.0mg/日〜約100.0mg/日を含む。当然、正確な投与量は、治療される疾患または障害により変動するが、好ましい範囲は容易に決定可能である。一部の実施形態において、患者はヒトである。
【0196】
タザロテンを経口投与してI型NKT細胞活性の低減をもたらす場合、タザロテンの1日投与量は、好ましくは、約0.3mg/日〜約7mg/日または約8mg/日の範囲内、より好ましくは、約0.6mg/日〜約6.5mg/日または約7mg/日の範囲内にある。一部の実施形態において、経口投与されるタザロテンは、0.4mg/日、0.75mg/日、1.5mg/日、2.8mg/日、3mg/日、4.5mg/日、6mg/日および6.3mg/日を含むタザロテンの1日投与量で投与される。
【0197】
実施形態によれば、患者の症状を緩和するために投与することができ、または障害機序自体を中和するためにRARアゴニストを投与することができる。ある実施形態において、RARアゴニストは、予防的措置として投与することができる。一部の実施形態において、複数回用量のRARアゴニストを投与する。これらの治療目的が関連することが多いこと、および治療が種々の因子に基づき特定の患者について調整し得ることが当業者により認識される。これらの因子としては、患者の年齢、性別、または健康状態、および自己免疫または免疫関連の疾患または障害の進行を挙げることができる。患者のための治療方法は、それに応じて、投与量、投与のタイミング、投与経路について調整することができ、他の治療物の同時または逐次投与により調整することができる。一部の実施形態において、患者はヒトである。
【0198】
一部の実施形態において、1つ以上のRARアゴニスト化合物は、単独でまたは別の治療化合物との組合せで投与することができる。例えば、1つ以上のRARアゴニスト化合物は、スルファチドとの組合せで投与することができる。アルコール性肝疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患または再灌流傷害の治療において使用される任意の現在公知の治療化合物を使用することができる。一部の実施形態において、RARアゴニストは、硫化水素(H2S)との組合せで投与することができる。一部の実施形態において、RARアゴニストは、酸化防止剤との組合せで投与することができる。一部の実施形態において、RARアゴニストは、例えば、コルチコステロイド、生物学的製剤、例えば、抗TNF−アルファおよび抗IL−6)、免疫調節薬(例えば、RU−486)、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD、例えば、レフルノミド)、COX−2インヒビター(セレコキシブ)、非ステロイド抗炎症薬(NSAID、例えば、ナプロキセン)、経口抗糖尿病薬(OAD、例えば、メトホルミンまたはシタグリプテン(sitaglipten)、GLP−1アゴニスト、インスリン、PPARアゴニスト/アンタゴニスト、EGFメディエーター(抗癌剤)、肝癌を治療するために有効な他の薬剤、肝癌のための細胞ベースの治療物;C型肝炎、多発性硬化症またはエリテマトーデスのためのインターフェロン(IFN);およびLFA−1アンタゴニストとの組合せで投与することができる。
【0199】
本明細書に記載のRARアゴニスト化合物およびスルファチド化合物は、医薬組成物中に組み込まれる活性成分として使用することができる。一部の実施形態において、医薬組成物は、単一の活性成分を含み得る。一部の実施形態において、医薬組成物は、2、3、4、5つまたはそれを超える活性成分を含み得る。全ての投与方式、例えば、経口投与、直腸投与、非経口投与、局所投与、または静脈内、筋肉内、胸骨内もしくは皮下注射による、もしくは吸入による好適な形態での投与が企図される。配合物は、適切な場合、区別される投与量単位で簡便に提供することができ、薬学の技術分野において周知の方法のいずれかにより調製することができる。活性成分は、通常、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに、公知の慣行に従って配合される。したがって、医薬組成物は、液剤、散剤、エリキシル剤、注射液剤、懸濁液、坐剤などとして配合することができる。
【0200】
一部の実施形態において、炎症促進性I型NKT細胞活性は、ATRA、レチノール、9−シス−RAもしくは13−シス−RA、トレチノイン、AM580、AC55649、CD1530またはタザロテンからなる群から選択される1つ以上のRARアゴニストにより阻害される。一部の実施形態において、炎症促進性I型NKT細胞活性は、1つ以上のポリオレフィン性レチノイド、例えば、イソレチノインおよびアシトレチンにより阻害される。一部の実施形態において、炎症促進性I型NKT細胞活性は、エトレチナート、アシトレチンおよびイソトレチノインからなる群から選択される1つ以上のRARアゴニストにより阻害される。
【0201】
いくつかの実施形態は、タザロテン、タザロテン酸またはそれらの混合物による炎症促進性I型NKT細胞活性の阻害に関する。タザロテンは、対応する遊離酸であるタザロテン酸に代謝されるエチルエステルプロドラッグである。タザロテンは、レチノイン酸受容体(RAR)の天然リガンドであるオールトランス型レチノイン酸と比較して限られた立体構造的柔軟性を提供する、柔軟性のない環固定構造を有する。この構造変化が、RARについての特異性ならびにRARβおよびRARγについての選択性を有するタザロテン酸を付与する。
【0202】
RARアゴニストの例としてはさらに、シス−およびトランス−レチノイン酸のエステル、例えば、アルキルエステル、例えば、第1級、第2級または第3級アルコール、例として、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルへキシル、オクチル、ノニル、ラウリル、オレイル、ステアリル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ベンジル、アルファ−メチルベンジル、アルファ−プロピルフェニル、アミル、イソ−アミル、アニシル、セチル、メンチル、シンナミル、ピナコール、フリル、またはミリスチルが挙げられる。
【0203】
RARアゴニストの薬学的に許容可能な塩もI型NKT細胞活性を阻害するために使用することができる。十分に酸性、十分に塩基性、またはその両方の官能基を保有し、したがって、多数の有機または無機塩基、ならびに無機および有機酸のいずれかと反応して塩を形成し得る本明細書に開示される化合物である。
【0204】
塩基性基を有するRARアゴニストから酸付加塩を形成するために使用することができる酸の例としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などおよび有機酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニル−スルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などが挙げられる。このような塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ガンマ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩などが挙げられる。
【0205】
酸性基を有するRARアゴニストからの塩基付加塩を形成するために使用することができる塩基の例としては、限定されるものではないが、アルカリ金属、例えば、ナトリウム、カリウム、およびリチウムの水酸化物;アルカリ土類金属、例えば、カルシウムおよびマグネシウムの水酸化物;他の金属、例えば、アルミニウムおよび亜鉛の水酸化物;アンモニア、および有機アミン、例えば、非置換またはヒドロキシ置換のモノ−、ジ−、またはトリアルキルアミン;ジシクロへキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル、N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−、もしくはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)、例えば、モノ−、ビス−、もしくはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン、例えば、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン;N−メチル−D−グルカミン;ならびにアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)などが挙げられる。
【0206】
一部の実施形態において、患者に投与されるRARアゴニストの具体的な量は、処置される疾患または病態、ならびに治療される患者の年齢、体重および性別に応じて変動する。一般に、そのような最終濃度を例えば腸または血液中で達成するため、本実施形態の単回投与量組成物中のRARアゴニストの量は、一般に、約0.1ミリグラム〜約100ミリグラム、好ましくは、約2.0ミリグラム〜約60ミリグラム、より好ましくは、約20ミリグラム〜約50ミリグラムである。好適な用量の例としては、約0.1〜約10mg/日;約0.5〜約2mg/日;約0.01〜100mg/日;約1〜約50mg/日;約0.1mg/日〜約1.0mg/日;約1.0mg/日〜約5.0mg/日;約5.0mg/日〜約10.0mg/日;約10.0mg/日〜約15mg/日;約15.0mg/日〜約20.0mg/日;約20.0mg/日〜約25.0mg/日;約30.0mg/日〜約35.0mg/日;約35.0mg/日〜約40.0mg/日;約40.0mg/日〜約45.0mg/日;約45.0mg/日〜約50.0mg/日;約50.0mg/日〜約55.0mg/日;約55.0〜約60.0mg/日;約60.0mg/日〜約65.0mg/日;約65.0mg/日〜約70.0mg/日;約70.0mg/日〜約75.0mg/日;約75.0mg/日〜約80.0mg/日;約80.0mg/日〜約85.0mg/日;約85.0〜約90.0mg/日;約85.0mg/日〜約90.0mg/日;約90.0mg/日〜約95.0mg/日;および約95.0mg/日〜約100.0mg/日を含む。当然、正確な投与量は、治療される疾患または障害により変動するが、好ましい範囲は容易に決定可能である。一部の実施形態において、患者はヒトである。
【0207】
タザロテンを経口投与してI型NKT細胞活性の低減をもたらす場合、タザロテンの1日投与量は、好ましくは、約0.3mg/日〜約7mg/日または約8mg/日の範囲内、より好ましくは、約0.6mg/日〜約6.5mg/日または約7mg/日の範囲内にある。一部の実施形態において、経口投与されるタザロテンは、0.4mg/日、0.75mg/日、1.5mg/日、2.8mg/日、3mg/日、4.5mg/日、6mg/日および6.3mg/日を含むタザロテンの1日投与量で投与される。
【0208】
実施形態によれば、患者の症状を緩和するために投与することができ、または障害機序自体を中和するためにRARアゴニストを投与することができる。ある実施形態において、RARアゴニストは、予防的措置として投与することができる。一部の実施形態において、複数回用量のRARアゴニストを投与する。これらの治療目的が関連することが多いこと、および処置が種々の因子に基づき特定の患者について調整し得ることが当業者により認識される。これらの因子としては、患者の年齢、性別、または健康状態、および自己免疫または免疫関連の疾患または障害の進行を挙げることができる。患者のための治療方法は、それに応じて、投与量、投与のタイミング、投与経路について調整することができ、他の治療物の同時または逐次投与により調整することができる。一部の実施形態において、患者はヒトである。
【0209】
一部の実施形態において、1つ以上のRARアゴニスト化合物は、単独でまたは別の治療化合物との組合せで投与することができる。例えば、1つ以上のRARアゴニスト化合物は、NKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)、スルファチド、またはNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)およびスルファチドとの組合せで投与することができる。
【0210】
(NKT−2アクチベーター)
多数のNKT−2アクチベーターを本明細書の一部の実施形態により使用することができる。一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターは、リン脂質、例えば、リゾリン脂質、例えば、リゾホスファチジルコリン(LPC)、ミルテホシン、またはミルテホシンアナログを含む。II型NKT細胞に対する一部のLPC化合物の効果は、参照により全体として本明細書に組み込まれるMaricic et al.,“Recognition of Lysophosphatidylcholine by Type II NKT Cells and Protection from an Inflammatory Liver Disease”J.Immunology,published online September 26 2014,1400699により記載されている。
【0211】
一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターは、式IVの式:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、C
1〜C
40アルキル、C
1〜C
40置換アルキル、C
1〜C
40アルケニル、C
1〜C
40置換アルケニルおよびC
1〜C
40アルキンルからなる群から選択される)
を有するLPCを含む。例示的なLPCとしては、構造が以下に示されるLPC(C18:0)
【化9】
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、構造が以下に示されるLPC(C16:0)
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
、構造が以下に示されるLPC(C18:1(9Z))
【化11】
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、構造が以下に示されるLPC(C18:1(1オレイル))
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
および構造が以下に示されるLignA(LPC(C24:0))
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる。好適なNKT−2アクチベーターとして企図される追加の例示的リン脂質としては、限定されるものではないが、リゾ血小板活性化因子(LPAF)、例えば、構造が以下に示されるLPAF(C18:0)
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
および構造が以下に示されるリゾスフィンゴミエリン(LSM)
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる。
【0212】
一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターは、ミルテホシンを含む。ミルテホシンの構造を以下に示す。
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0213】
一部の実施形態において、NKT−2アクチベーターは、ミルテホシンアナログを含む。本明細書において使用される「ミルテホシンアナログ」は、ミルテホシンの構造アナログおよびミルテホシンの機能アナログを広く指す。本明細書の一部の実施形態による一部のミルテホシンアナログは、式Vの化合物:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Rは、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30置換アルキル、C
1〜C
30アルケニル、C
1〜C
30置換アルケニルおよびC
1〜C
30アルキンルからなる群から選択される)
を含む。
【0214】
本明細書の一部の実施形態により使用することができる例示的なミルテホシンアナログとしては、限定されるものではないが、以下の表2.1および2.2に列記される化合物が挙げられる。
【0215】
【表2】
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【0216】
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【0217】
一部の実施形態において、ミルテホシンアナログは、表2.1に示される化合物のいずれかを含み、それからなり、または本質的にそれからなる。一部の実施形態において、ミルテホシンアナログは、表2.1から選択される化合物を含み、それからなり、または本質的にそれからなる。一部の実施形態において、ミルテホシンアナログは、表2.1または表2.2に示される化合物のいずれかを含み、それからなり、または本質的にそれからなる。一部の実施形態において、ミルテホシンアナログは、表2.1または表2.2から選択される化合物を含み、それからなり、または本質的にそれからなる。一部の実施形態において、ミルテホシンアナログは、表2.2に示される化合物のいずれかを含み、それからなり、または本質的にそれからなる。一部の実施形態において、ミルテホシンアナログは、表2.2から選択される化合物を含み、それからなり、または本質的にそれからなる。一部の実施形態において、ミルテホシンアナログは、式Vの化合物を含み、それからなり、または本質的にそれからなる。
【0218】
ミルホテシンおよびミルテホシンアナログの全ての投与方式、例えば、経口投与、直腸投与、非経口投与、局所投与、または静脈内、筋肉内、胸骨内もしくは皮下注射による、もしくは吸入による好適な形態での投与が企図される。配合物は、適切な場合、区別される投与量単位で簡便に提供することができ、薬学の技術分野において周知の方法のいずれかにより調製することができる。活性成分は、通常、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに、公知の慣行に従って配合される。したがって、医薬組成物は、液剤、散剤、エリキシル剤、注射液剤、懸濁液、坐剤などとして配合することができる。
【0219】
ミルテホシンは、経口または局所投与に好適であり得る。したがって、一部の実施形態において、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログを経口投与する。一部の実施形態において、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログを局所投与する。一部の実施形態において、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログを静脈内、筋肉内、胸骨内もしくは皮下注射または吸入による好適な形態で投与する。
【0220】
本明細書の一部の実施形態によれば、患者に投与されるミルテホシンまたはミルテホシンアナログの具体的な量は、治療される疾患または病態、ならびに治療される患者の年齢、体重および性別に応じて変動する。一部の実施形態において、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログは、約0.1〜10mg/kg体重の投与量で投与する。一部の実施形態において、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログは、約0.1mg/kg体重、0.2mg/kg体重、0.3mg/kg体重、0.5mg/kg体重、1mg/kg体重、2mg/kg体重、3mg/kg体重、4mg/kg体重、5mg/kg体重、6mg/kg体重、7mg/kg体重、8mg/kg体重、9mg/kg体重の投与量で、列記される値の任意の2つの間の範囲、例えば、約0.2〜0.5mg/kg体重、0.2〜1mg/kg体重、0.2〜5mg/kg体重、0.2〜10mg/kg体重、0.5〜1mg/kg体重、0.5〜3mg/kg体重、0.5〜5mg/kg体重、0.5〜10mg/kg体重、1〜3mg/kg体重、1〜5mg/kg体重、1〜10mg/kg体重、2〜3mg/kg体重、2〜5mg/kg体重、2〜10mg/kg体重、または5〜10mg/kg体重を含め、投与する。好ましくは、この投与量を必要に応じて反復する。任意選択的に、投与量は、1日5回、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、またはそれよりも低頻度で、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20日ごとに1回反復することができ、列記される値の任意の2つの間の範囲、例えば、1〜2日ごと、1〜3日ごと、1〜5日ごと、1〜10日ごと、1〜20日ごと、2〜3日ごと、3〜5日ごと、3〜10日ごと、3〜20日ごと、5〜10日ごと、または5〜20日ごとを含む。一部の実施形態において、少なくとも2つの投与量、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、または100投与量を列記される値の任意の2つの間の範囲、例えば、2〜10、2〜20、2〜50、2〜100、5〜10、5〜50、5〜100、10〜20、10〜50、10〜100、20〜50、または20〜100投与量を含め、投与する。一部の実施形態において、患者はヒトである。
【0221】
一部の実施形態において、ミルテホシンまたはミルテホシンアナログが投与される対象は、炎症性病態、例えば、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、自己免疫性肝炎、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)を有する。
【0222】
(医薬組成物)
本明細書に記載のNKT−2アクチベーター、例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質、RARアゴニスト化合物、およびスルファチド化合物は、医薬組成物中に取り込まれる活性成分として使用することができる。一部の実施形態において、医薬組成物は、単一の活性成分を含み得る。一部の実施形態において、医薬組成物は、2、3、4、5つ以上の活性成分を含み得る。以下のNKT−2アクチベーターの組成物のいずれも、炎症性病態、例えば、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)の治療、改善、または予防における使用のためのものであり得る。
【0223】
一部の実施形態において、医薬組成物は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)を含む。任意選択的に、医薬組成物は、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト、例えば、レチノイド、例えば、タザロテンをさらに含む。
【0224】
一部の実施形態において、医薬組成物は、全体として、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)および十分な量のスルファチドを含む。
【0225】
一部の実施形態において、医薬組成物は、全体として、II型NK細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)および十分な量のスルファチドを含み、I型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト、例えば、レチノイド(例えば、タザロテン)をさらに含む。
【0226】
一部の実施形態において、医薬組成物は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)、およびII型NKT細胞を活性化させるために十分な量のスルファチドを含む。
【0227】
一部の実施形態において、医薬組成物は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のNKT−2アクチベーター(例えば、ミルテホシンもしくはミルテホシンアナログまたはリン脂質)、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のスルファチド、およびI型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のRARアゴニスト、例えば、レチノイド(例えば、タザロテン)を含む。
【0228】
一部の実施形態において、医薬組成物は、II型NKT細胞を活性化させるために十分な量のミルテホシンまたはミルテホシンアナログおよびI型NKT細胞の活性化を阻害するために十分な量のタザロテンを含む。
【0229】
全ての投与方式、例えば、経口投与、直腸投与、非経口投与、局所投与、または静脈内、筋肉内、胸骨内もしくは皮下注射による、もしくは吸入による好適な形態での投与が企図される。配合物は、適切な場合、区別される投与量単位で簡便に提供することができ、薬学の技術分野において周知の方法のいずれかにより調製することができる。活性成分は、通常、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに、公知の慣行に従って配合される。したがって、医薬組成物は、液剤、散剤、エリキシル剤、注射液剤、懸濁液、坐剤などとして配合することができる。医薬配合物についてのアプローチは、参照により全体として本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences,18
th Edition,A.R.Gennaro,ed.,Mack Publishing Company(1995)に詳述されている。
【0230】
一部の実施形態による活性成分は、経口投与について、散剤、賦形剤とのブレンド、液体または溶液、懸濁剤、固溶体の形態で活性物質を含む錠剤、硬ゼラチンカプセル、軟ゼラチンカプセルとして、投与用に配合することができる。一部の実施形態による活性成分は、口腔内投与(舌下またはバッカル)について、急速に溶解する固体剤形もしくは発泡錠、薄型フィルム、バッカルカシェ剤として、または液体もしくは半固体の形態、例えば、ゲル剤、液剤、乳剤、懸濁剤として、投与用に配合することができる。一部の実施形態による活性成分は、注射について、水性もしくは非水性の液剤、懸濁剤または乳剤として、投与用に配合することができる。油ベースの液剤および懸濁剤は、天然およびまたは合成の油、例えば、ダイズ油、綿実油、鉱油、ゴマ油、ヒマシ油、硬化植物油、蜜蝋の混合物を含む。一部の実施形態による活性成分は、経皮投与について、クリーム剤、ゲル剤、乳剤、水性ベースの液剤、油ベースの液剤、懸濁剤、フィルム剤、貼付剤、フォーム剤として、投与用に製剤化することができる。一部の実施形態による活性成分は、経鼻投与について、散剤、懸濁剤、液剤、乳剤として、投与用に配合することができる。一部の実施形態による活性成分は、肺送達について、微粉化散剤として、投与用に配合することができる。経口投与は、初回通過代謝および代謝酵素の誘導と関連する。したがって、経口投与されるレチノイン酸の投与量強度および投与計画は、最適効果について調整することができる。代替的な送達経路、例えば、舌下、バッカル、注射、肺および経皮が経口投与と比べて好ましいことがある。代替的な投与経路、例えば、記載される投与経路は、初回通過代謝およびGI吸収を回避し、より少ない酵素誘導を示し、安定な反復用量薬物動態を提供する。
【0231】
本実施形態による医薬配合物は、即時放出性または調節放出性(例えば、持続放出性、拍動放出性、制御放出性、遅延放出性、徐放性)であり得る。薬理学的量の経口投与されるレチノイド異性体は即時活性であるため、副作用を有し得る。この副作用は、治療法における経口レチノイドの使用の深刻な制約であった。局所適用されるレチノイドは催奇形の易罹病性をほとんど有さないが、それらの使用を制限するこの投与経路と関連する他の毒性、例として、皮膚刺激が存在する。経口および局所毒性の両方についての主な理由は、レチノイドが投与時に完全に即時に利用可能であることである。インビボでより緩慢に、より継続的にレチノイドを利用可能にし得るプロセスは、レチノイドの利用可能性のピークと谷を回避し、それにより、より長い期間にわたりインビボ有効レベルの化合物を提供し、さらに過剰量の物質の突発的な利用可能性から生じることが多い毒性を回避し、または大幅に低減させる。レチノール、レチノールのエステル、特にレチノールの脂肪エステル、レチノイン酸またはレチノイン酸エステルの油ベースの注射配合物は、筋肉内に週単位で投与することができ、そのような原理による徐放性全身送達を提供し得る。
【0232】
一部の実施形態は、本明細書に記載の本実施形態の1つ以上の活性成分の経口剤形の配合に関する。10gのレチノイン酸を蜜蝋、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸二ナトリウム、硬化ダイズ油フレーク、硬化植物油およびダイズ油アルコールの混合物中でわずかに昇温させて、高剪断混合により溶解させる。この混合物を、経口投与のために、2mg、5mgおよび10mgの投与量強度において軟ゼラチンカプセル中に密封する。
【0233】
一部の実施形態は、本実施形態の1つ以上の活性成分を含有する生体接着性バッカル錠の配合に関する。24%の活性成分、21%のHPMC、18%のコーンスターチ、24%のラクトース、1%のシリカ、2.5%のPolycarbophil(Noveon)、7.5%のカルボマー974P、1.2%のタルクおよび0.7%のステアリン酸マグネシウムを含有する賦形剤のブレンドを調製する。このブレンドを直径約1cmの錠剤に圧縮した。
【0234】
一部の実施形態は、本実施形態の1つ以上の活性成分を含有する舌下フィルムの配合に関する。以下のものを50gの水中で混合する:3gのMethocel E5、5gのMethocel E50、1gのKlucel、1gのマルトデキストリン、1gのクエン酸、3gのスクラロース、5gのオレンジ香味料、0.2gのパラベン、0.1のエデト酸ナトリウムおよび5gのソルビトール。1gのレチノイン酸を添加し、混合物を撹拌しながら脱ガスする。この組成物をポリエステルフィルム支持体全体にわたって薄く広げ、分解を回避するために直射光の不存在下において空気中で乾燥させる。次いで、このフィルムを2〜10mgの用量を生成するためのサイズに切断する。
【0235】
一部の実施形態は、1つ以上のスルファチド、RARアゴニストまたはそれらの任意の組合せを好ましくは医薬組成物として含み得るキットに関する。一部の実施形態において、シス−テトラコセノイルが、薬学的に許容可能な担体中で提供される。一部の実施形態において、ATRAが、薬学的に許容可能な担体中で提供される。一部の実施形態において、タザロテンが、薬学的に許容可能な担体中で提供される。いくつかの実施形態において、硫化水素(H2S)を任意選択的に提供することができる。いくつかの実施形態において、1つ以上の酸化防止剤を任意選択的に提供することができる。いくつかの実施形態において、キットは、好適な包装および/または使用説明書をさらに含み得る。キットはまた、1つ以上のスルファチド、RARアゴニストまたはそれらの任意の組合せの送達のための手段、例えば、吸入器、スプレーディスペンサー(例えば、鼻腔用スプレー)、注射用注射器、注射針、IVバッグ、またはカプセル剤、錠剤、坐剤のための圧力パックを含み得る。1つ以上のスルファチド、RARアゴニストまたはそれらの任意の組合せは、乾燥もしくは凍結乾燥形態であり得、または溶液、特に滅菌溶液中に存在し得る。乾燥形態である場合、キットは、液体配合物を調製するための薬学的に許容可能な希釈剤を含み得る。キットは、投与のためまたは組成物を分注するためのデバイス、例として、限定されるものではないが、注射器、ピペット、経皮貼付剤、または吸入剤を含有し得る。一部の実施形態は、長期、例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、または8週間以上にわたり有効な治療を個体に提供するために十分な投与量の化合物または組成物を含有するキットに関する。
【0236】
(CD8制御性T細胞)
本明細書の一部の実施形態によるCD8T
reg細胞の投与およびNKT−2アクチベーターの投与の組合せが、炎症性病態、例えば、自己免疫疾患の治療または予防に有用であり得ることが企図される。一部の実施形態において、CD8T
reg細胞は、炎症性病態を有し、またはその発症リスクのある対象に投与する。NKT−2インヒビターを対象に投与することもできる。任意選択的に、NKT−2インヒビターは、ミルテホシンを含む。任意選択的に、炎症性病態は、脂肪肝疾患、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、肝硬変、非アルコール性脂肪肝疾患、線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性硬化症、劇症肝硬変、特発性肝炎、ウイルス誘発性肝炎(A型、B型、C型およびその他)、肝胆道癌と関連する炎症性肝炎、多発性硬化症、1型糖尿病、虚血再灌流傷害、実質臓器移植、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および炎症性腸疾患(クローン病および大腸炎)の少なくとも1つ、またはそれらの列記される項目の2つ以上の組合せを含む。
【0237】
免疫系は平衡状態を維持する一方、外来抗原および自己抗原に応答する。外来抗原に対する免疫応答後の恒常性を維持するため、または自己抗原に対する有害応答を予防もしくは停止させるための制御機序としては、CTLA−4媒介T細胞阻害、活性化誘導細胞死(AICD)、IL−2媒介調節、および制御性T細胞(T
reg)(
1Abbas,A.K.,Lohr,J.,Knoechel,B.&Nagabhushanam,V.T cell tolerance and autoimmunity.Autoimmun Rev 3,471−5(2004))が挙げられる。CD8T
reg細胞の誘導は、PCT国際公開第2007/136518号パンフレットおよび米国特許出願公開第2007/0286849号明細書にも記載されており、そのそれぞれは参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0238】
枯渇抗体または特異的遺伝子ノックアウトを有する動物を使用する実験は、自己免疫疾患(Koh,D.R.et al.Less mortality but more relapses in experimental allergic encephalomyelitis in CD8−/−mice.Science 256,1210−3(1992))、移植寛容(Seydel,K.et al.Anti−CD8 abrogates effect of anti−CD4−mediated islet allograft survival in rat model.Diabetes 40,1430−4(1991))、新生児寛容(Field,A.C.,Caccavelli,L.,Bloch,M.F.&Bellon,B.Regulatory CD8
+T cells control neonatal tolerance to a Th2−mediated autoimmunity.J Immunol 170,2508−15(2003))、ならびに正常細胞性および体液性免疫応答の恒常性(Nanda,N.K.&Sercarz,E.A truncated T cell receptor repertoire reveals underlying immunogenicity of an antigenic determinant.J Exp Med 184,1037−43(1996))におけるCD8+リンパ球についての重要な調節的役割を示した。
【0239】
多発性硬化症において、例えば、免疫系は、ミエリン膜からの一部の自己抗原を外来物として病理学的に認識し、それらに対する免疫応答を開始する。これは脱髄、神経細胞(ニューロン)を覆う絶縁および保護性脂肪タンパク質であるミエリンの破壊的除去をもたらす。多発性硬化症における脱髄は、CNS中の抗原提示イベントから開始され、または全身分子模倣応答による末梢活性化後に誘導されるT細胞ガイド免疫応答により媒介される。
【0240】
いかなる理論によっても限定されるものではないが、CD8αα
+、TCRαβ
+T
reg細胞は、自己免疫および免疫関連の疾患および障害の適応症を治療および/または予防するために有用であり得る。NKT−2アクチベーター、例えば、ミルテホシンは、対象の肝臓中のCD8T
reg細胞を誘導し得る(例えば、
図8A〜B参照)。したがって、一部の実施形態において、CD8T
reg細胞は、本明細書に記載の炎症性病態を有し、または有するリスクのある対象に投与する。任意選択的に、NKT−2インヒビターを対象にさらに投与する。一部の実施形態において、NKT−2インヒビターは、ミルテホシンを含む。任意選択的に、投与されるCD8T
reg細胞は、対象からのものである(すなわち、「自家移植」CD8T
reg細胞)。任意選択的に、投与されるCD8T
reg細胞は、別の個体からのものである(すなわち、「同種異系」CD8T
reg細胞)。任意選択的に、投与されるCD8T
reg細胞は、対象に投与する前に拡大し、例えば、細胞は、インビトロで拡大することができる。炎症性病態、例えば、自己免疫疾患または障害の原因である病原性自己反応性免疫応答を治療および低減または排除し得ることが企図される。
【0241】
一般に、例えば、腸または血液中の有効な最終濃度を達成するため、本明細書の実施形態による単回投与量組成物中の拡大されるT
reg細胞集団の量は、一般に、約10,000〜約1兆個の細胞、好ましくは、約100,000〜約1億個の細胞、より好ましくは、約100万〜約5000万個の細胞、いっそうより好ましくは、約1000万〜約3000万個の細胞、いっそうより好ましくは、約1500万〜約2500万個の細胞、いっそうより好ましくは、約2000万個の細胞である。同様に、本実施形態の単回経口投与量組成物中の二次治療化合物の量は、一般に、約0.01ミリグラム〜約1000ミリグラム、より好ましくは、約0.1ミリグラム〜約100ミリグラムの範囲内である。任意選択的に、正確な投与量は、治療される疾患または障害により変動し、好ましい範囲は容易に決定可能である。
【0242】
一部の実施形態において、拡大されるT
reg細胞集団は、薬学的に許容可能なビヒクルと組み合わせることができる。好適な薬学的に許容可能なビヒクルとしては、例えば、リン酸緩衝生理食塩水が挙げられる。一実施形態において、約1,000〜約3,000,000個の細胞/kg体重のT
reg細胞を患者に投与する。好ましくは、約100,000〜約100万個の細胞/kg体重のT
reg細胞を投与する。この投与量は、毎時間、毎日、毎週、毎月または不定期に必要に応じて反復することができる。例示的な投与量および投与計画を以下に考察する。
【0243】
一部の実施形態において、投与されるT
reg細胞は、CD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+細胞を含む。一部の実施形態において、投与されるT
reg細胞は、CD8αα
+、TCRαβ
+、IL−2Rβ
+(CD122
+)を含む。一部の実施形態において、投与されるT
reg細胞は、CD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+、CD122
+を含む。いかなる理論によっても限定されるものではないが、CD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+T
reg細胞、CD8αα
+、TCRαβ
+、CD122
+T
reg細胞およびCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+、CD122
+T
reg細胞のそれぞれもインビボで活性化されるVβ8.2
+CD4T細胞の集団を制御し、本明細書に記載のCD8αα
+、TCRαβ
+T
reg細胞と類似の手法で利用し得ることが企図される。
【0244】
一部の実施形態において、制御性T細胞は、それが得られた同一の対象に投与する。他の実施形態において、制御性T細胞は、それが得られた対象以外の対象に投与することができる。さらに他の実施形態において、制御性T細胞は、対象でない哺乳動物から得ることができる。一部の実施形態において、投与される制御性T細胞は、制御性T細胞を投与する対象、制御性T細胞を投与する対象以外の対象および非対象哺乳動物の少なくとも2つから得られる細胞の混合物を含む。
【0245】
一部の実施形態において、成長因子、例えば、IL−2、IL−7およびIL−15を有する抗CD3コートプレートを使用してT細胞集団を拡大させる。一部の実施形態において、T
regは、組換えTCRタンパク質またはペプチド、例えば、TCRVβ8.2鎖に由来するp42−50を使用してインビトロで拡大することができる。任意選択的に、疾患特異的病原性T細胞により利用されるTCRVβまたはVα鎖遺伝子を決定することができる。次いで、それらのTCRVβまたはVα鎖遺伝子に対応するタンパク質を体内に導入して適切なT
reg細胞集団を活性化させることができる。
【0246】
治療T
reg細胞集団の多数の異なる投与方式および方法が、本明細書に記載の実施形態により好適である。一部の実施形態において、送達経路としては、例えば、静脈内、腹腔内、吸入、筋肉内、皮下、鼻腔および経口投与または当技術分野において利用可能な任意の他の送達経路が挙げられる。特定の投与経路に応じて、剤形は、例えば、固体、半固体、液体、蒸気またはエアロゾル製剤であり得る。剤形としては、例えば、医薬組成物の技術分野において利用可能な添加剤、滑沢剤、安定剤、緩衝剤、コーティング剤、および賦形剤を挙げることができる。
【0247】
多数の異なる医薬配合物が本明細書に記載の実施形態により企図される。一部の実施形態において、医薬配合物は、CD8T
reg細胞および本明細書に記載のNKT−2アクチベーターを含む。一部の実施形態において、医薬配合物は、CD8T
reg細胞およびミルテホシンを含む。一部の実施形態において、医薬配合物は、以下のタイプのCD8Treg細胞:CD8αα
+TCRαβ
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD200
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD122
+T細胞、およびCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+CD122
+T細胞の少なくとも1つを含み、本明細書に記載のNKT−2アクチベーターをさらに含む。一部の実施形態において、医薬配合物は、以下のタイプのCD8T
reg細胞:CD8αα
+TCRαβ
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD200
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD122
+T細胞、およびCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+CD122
+T細胞の少なくとも1つを含み、ミルテホシンをさらに含む。一部の実施形態において、第1の医薬配合物は、CD8T
reg細胞を含み、第2の医薬配合物は、本明細書に記載のNKT−2アクチベーターを含む。
【0248】
一部の実施形態において、第1の医薬配合物は、CD8T
reg細胞を含み、第2の医薬配合物は、ミルテホシンを含む。一部の実施形態において、第1の医薬配合物は、以下のタイプのCD8T
reg細胞:CD8αα
+TCRαβ
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD200
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD122
+T細胞、およびCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+CD122
+T細胞の少なくとも1つを含み、第2の医薬配合物は、NKT−2アクチベーターを含む。一部の実施形態において、第1の医薬配合物は、以下のタイプのCD8T
reg細胞:CD8αα
+TCRαβ
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD200
+T細胞、CD8αα
+TCRαβ
+CD122
+T細胞、およびCD8αα
+、TCRαβ
+、CD200
+CD122
+T細胞の少なくとも1つを含み、第2の医薬配合物は、ミルテホシンを含む。一部の実施形態において、第1および第2の医薬配合物は、同時に投与する。一部の実施形態において、第1および第2の医薬配合物は、異なる時間において投与する。一部の実施形態において、第1の医薬配合物は、第2の医薬配合物よりも前に投与する。一部の実施形態において、第2の医薬配合物は、第1の医薬配合物よりも前に投与する。任意選択的に、本明細書に記載の医薬配合物のいずれも、以下の薬学的に許容可能なビヒクルなど:賦形剤、例えば、溶媒(例えば、水、生理食塩水)、増量剤および充填剤(例えば、ラクトース、デンプン、結晶性セルロース、マンニトール、マルトース、リン酸水素カルシウム、軟質無水ケイ酸および炭酸カルシウム);助剤、例えば、可溶化剤(例えば、エタノールおよびポリソルベート)、結合剤(例えば、デンプン、ポリビニルピロリジン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびアラビアゴム)、崩壊剤(例えば、デンプンおよびカルボキシメチルセルロースカルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクおよび硬化油)、安定剤(例えば、ラクトース、マンニトール、マルトース、ポリソルベート、マクロゴール、およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)、等張剤、湿潤剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤および可溶化剤;ならびに添加剤、例えば、酸化防止剤、保存剤、着香剤および芳香剤、鎮痛剤、安定剤、着色剤および甘味剤を使用する慣用の方法により調製することができる。
【0249】
以下の実施例は、説明目的のために提供されるにすぎず、決して本明細書に記載の実施形態を限定するものではない。
【実施例1】
【0250】
プレート結合CD1dアッセイにおいて、ミルホテシンは、II型NKT細胞ハイブリドーマ、Hy19.3を刺激し得る。CD1dタンパク質コート96ウェルプレートを、示される脂質と6時間インキュベートし、洗浄し、II型NKT細胞Hy19.3を添加し(50,000個の細胞/ウェル)、16時間後に上清中のIL−2を計測した。LSF、リゾスルフタチド(lysosulftatide);LPC、リゾホスファチジルコリン。
【0251】
これらのデータは、リゾホスファチジルコリン(LPC)のアナログのミルテホシンがCD1d分子に結合し、II型NKT細胞を刺激し得ることを示す。
【実施例2】
【0252】
ナイーブB6マウスを、DMSO(対照)またはミルテホシン1mg(DMSO中で溶解させ、PBS中に希釈した)により経口強制摂取を使用して7日間毎日処理した。脾細胞は、アルファ−GalCerの存在または不存在下においてインビトロで90時間培養した。10ng/mlのアルファ−GalCer濃度におけるI型NKT細胞の刺激(刺激指数として)および拡大(アルファ−GalCer/CD1d
−テトラマー
+細胞によるFACS染色として)を
図2Aおよび
図2Bの両方に示す。
【0253】
図2Aおよび
図2Bのデータは、ミルテホシン処理動物において、I型NKT細胞増殖および拡大の有意な阻害が、その認識リガンドアルファ−GalCerの存在下で存在することを示す。
【0254】
これらのデータは、他の脂質、例えば、スルファチド(糖脂質)またはリゾホスファチジルコリン(LPC、リン脂質)がII型NKT細胞を活性化させ、I型NKT細胞の不活性化または阻害をもたらす観察と一致する。
【実施例3】
【0255】
BL/6マウスの群に、DMSO/PBSまたはミルテホシンのいずれかを投与し、12時間後にConAを投与し、肝切片のH&E染色により肝傷害を判定し、24時間後に血清中の肝酵素、例えば、ALTを試験した(
図3Aおよび
図3B)。示されるデータは、2つの独立実験の代表値である。
【0256】
図3Bに示されるとおり、壊死を示す染色(赤色のH&E染色)1がconAにより処理された肝切片において観察されたが、壊死の減少を示す染色(低減した赤色のH&E染色)2がconAおよびミルテホシンにより処理された肝切片において観察された。
【0257】
したがって、ConA誘発性肝炎の阻害が、ミルテホシンによる処理後に観察された。これらのデータは、スルファチドまたはLPCと同様、ミルテホシンによるマウスの処理が、以下のConA注射後の肝傷害の有意な阻害をもたらすことを示す。
【実施例4】
【0258】
C57BL/6マウスの群に、ミルテホシン(1日当たり約500マイクログラム)またはDMSO/PBSのいずれかを含有する液体アルコール(EtOh)食餌または等カロリー対照(対照)食餌を10日間給餌した。11日目、大量摂取(長期的大量摂取給餌)の9時間後、I型NKT細胞(アルファ−GalCer/CD1d
−テトラマー
+細胞)または好中球(Ly
−6G
+CD11b
+)の蓄積および活性化を肝臓中で試験した。
図4Aおよび
図4Bに示されるとおり、対照食餌群と比較して、I型NKT細胞は、液体長期的大量摂取EtOh食餌を給餌されたマウスの肝臓中に蓄積する。
図4Cおよび
図4Dにも示されるとおり、I型NKT細胞は、肝臓中への好中球(Ly
−6G
+CD11b
+細胞)の蓄積を伴い活性化される(アルファ−GalCer/CD1d
−テトラマー
+細胞におけるCD69細胞表面発現の発現により試験)。活性化I型NKT細胞および好中球の蓄積は、ALD中に肝細胞傷害をもたらす炎症カスケードをもたらす。特に、ミルテホシンにより処理されたマウスにおいて、それらの細胞は両方とも蓄積せず、肝傷害からの保護をもたらす。
【0259】
これらのデータは、ミルテホシンにより処理されたマウスにおけるアルコール性肝疾患(ALD)中の活性化I型NKT細胞および好中球の蓄積の阻害を示す。したがって、ミルテホシンは炎症性肝疾患、例として、ALD、NASH、PBC、PSC、ウイルス性肝炎などの治療において使用し得ることが企図される。
【実施例5】
【0260】
スルファチドによる処理が、SJLマウスにおける慢性および再発EAEの有意な阻害をもたらすことが観察されている。しかしながら、
図6に示されるとおり、スルファチドによる経口処理は経口的に与えた場合、最初に疾患を阻害するが、それほど効率的でない。いかなる理論によっても限定されるものではないが、スルファチドが消化管中でそれほど安定的でないことが企図され、それは観察された低い効率と一致する。
図6を参照すると、B6マウスの群をスルファチド(PBS中200マイクロリットル中200マイクログラム)により、疾患誘発1日前から開始して7日間経口処理した。臨床的麻痺を毎日モニタリングし、1〜5までスコアリングした。最初に4〜5日間の保護が存在するが、次いで両方の群のマウスが類似の重症度の疾患を罹患する。いかなる理論によっても限定されるものではないが、両方の群の観察された類似性は、消化管中のスルファチドの不安定性と一致する。
【0261】
図5に示されるとおり、相対的に安定的であるはずのミルテホシンによる経口処理が、多発性硬化症のプロトタイプの慢性および再発EAEを阻害し得るか否かを試験した。SJLマウスの群に、ミルテホシン(200マイクロリットルの10%のDMSO/PBS中1mg)または対照(DMSO/PBS)を、1週間に2回、矢印により示されるとおり経口強制摂取させた。疾患の臨床的重症度をマウスの両方の群において麻痺としてスケール1〜5で毎日モニタリングし、示した。
【0262】
図5のデータは、多発性硬化症のプロトタイプの慢性および再発実験的自己免疫脳脊髄炎(EAE)のミルテホシンによる処理についての結果をまとめる。これらの実験は、T細胞媒介自己免疫疾患、例として、MS、TIDD、RA、ループスおよびIBDなどをミルテホシンにより治療し得ることを示す。
【実施例6】
【0263】
PBMC(1×10
6個/ウェル)を100ng/mlのαGalCer、100ng/mlのαGalCer+5μg/mlのミルテホシンによりインビトロで刺激し、または刺激しなかった。12日後、細胞をハーベストし、I型NKT細胞の割合をフローサイトメトリーにより評価した。BD FACS Cantoを使用して染色された細胞を回収した。FlowJoソフトウェアを使用してデータを分析した。ヒトI型NKT細胞をCD3+/Vα24Jα18TCR+細胞(CD1d拘束性I型NKT細胞)として識別し、
図7のゲート区域中の%NKT細胞として示す。フレッシュPBMC(培養なし)およびインビトロ拡大後のPBMCからのI型NKT細胞の割合をそれぞれのプロット内に示す。
図7に示されるデータは、6つ以上の独立実験の代表値である。
【0264】
したがって、本明細書の一部の実施形態によれば、ミルテホシン処理がヒトI型NKT細胞の拡大をもたらし得ることが示される。
【0265】
本出願において、単数形の使用は、特に具体的な記載のない限り、または本開示に照らして当業者により理解されるとおり単数形が唯一の機能的実施形態でない限り、複数形を含み得る。したがって、例えば、「1つの(a)」は、2つ以上を意味し得、「一実施形態」は、その記載が複数の実施形態に当てはまることを意味し得る。
【0266】
上記の詳細な説明および実施例は、ある実施形態を詳述する。しかしながら、上記のものが本文中でどのように詳述され得ようとも、本発明は、多くの手法で実施することができ、本発明を添付の特許請求の範囲およびその任意の均等物に従って解釈すべきことが認識される。
【実施例7】
【0267】
雌SJL/Jマウスの群に、疾患過程の前およびその間に、
図2に示されるとおり1mgのミルテホシンを経口投与した。マウスを59日目に安楽死させた。CD4、CD8αおよびCD8βmAbにより染色された肝単核細胞のフローサイトメトリープロファイルを
図8A〜Bに示す。興味深いことに、制御性CD8αα+T細胞が肝臓中で有意に増加する一方、他のCD4+およびCD8αβ+T細胞は対照と処理群で異なることはなかった。
【0268】
したがって、本明細書の一部の実施形態によるNKT−2アクチベーター、例えば、ミルテホシンの投与は、肝臓中のCD8αα+T細胞の誘導を増加させ得る。
【実施例8】
【0269】
CD8T
regのインビボ制御性潜在性を決定するため、2D11細胞を同種マウス中に静脈内で養子移植した。24時間後、EAE誘発のためにレシピエントをMBPAc1−9/CFA/PTにより免疫化し、臨床的症状を毎日モニタリングし、1〜5のスケールで35〜45日間スコアリングした:1が尾部麻痺であり;2が後肢麻痺であり;3が後方身体麻痺であり;4が後肢および部分身体麻痺であり;5が全身麻痺または瀕死である。
図8Aに示されるとおり、100万個の2D11細胞を注射されたマウスは、対照群におけるものよりも軽度の疾患から急速に回復する。疾患を制御する能力が特定のクローンの長期培養のアーティファクトである見込みを除外するため、短期p42−50反応性T細胞系を生成し、類似の養子移植実験において使用した。
図8Bに示されるとおり、p42−50反応性T細胞系の500万個の細胞を受けるマウスは、MBP誘発EAEから完全に保護され、100万個の細胞のみの移植は軽度の麻痺からのより急速な回復を可能とする。2つの無関連TCRペプチドに対して生じた短期T細胞系の養子移植は、EAEに対する効果を有さなかった(データ示さず)。
図8A〜B参照。
【0270】
したがって、本明細書の一部の実施形態によるCD8T
reg系およびクローンの養子移植は、EAEからの急速な回復および保護をもたらす。したがって、本明細書の一部の実施形態によるCD8T
reg細胞系およびクローンの養子移植が、少なくとも1つの炎症性病態を緩和および/または予防し得ることが企図される。
【実施例9】
【0271】
CD8T
regによるTCRVβ6鎖の主な使用法を、抗Vβ6mAbによるマウスの処理がCD8T
regレパートリーおよびMBPAc1−9誘発EAEの過程に対する任意の影響を有したか否かの試験により示す。抗TCRVβ6mAb(RR4−7、300μg/マウス)の単回静脈内注射後、脾細胞を異なる時間においてVβ6
+細胞の存在下でインビボ試験した。予測されるとおり、抗TCRVβ6mAb注射は、早期活性化マーカーCD69の発現(
図9A、第2列)と、それに続く細胞表面Vβ6発現の下方調節(
図9A、第1列)により決定されたとおり、インビボでTCRVβ6
+T細胞の早期活性化をもたらした。抗TCRVβ6mAbの効果は、TCR特異的であった。なぜなら、Vβ8
+T細胞は同一実験条件下で影響されなかったためである(
図9A、第3および第4列)。抗TCRVβ6処理マウスからの脾細胞におけるTCRVβ6mRNA発現のリアルタイムRT−PCR分析は、大部分であるが全てでないTCRVβ6
+T細胞が連続処理後に枯渇したことを明らかにした(
図9Bおよびデータ示さず)。
【0272】
腸中の上皮内リンパ球(IEL)中に主に存在するCD8ααT細胞は、自己アゴニストによる枯渇に相対的に耐性であり、T細胞受容体を介する活性化に対するそれらの応答がCD8αβT細胞と異なり得る。TL−テトラマーによる染色を使用して抗TCRVβ6mAb投与が末梢中のCD8ααT細胞の枯渇または活性化をもたらすか否かを試験した。
図9Cのデータは、TL−テトラマー
+CD8
+細胞が抗体投与後に枯渇しないことを示す。実際、p42−50に対するインビトロリコール応答のわずかな増加が、抗体処理マウスにおいて見出された(データ示さず)。CD8αα
+Vβ6
+T細胞の活性化後の調節機能をさらに試験するため、EAE誘発のためにマウスの群をMBPAc1−9/CFA/PTにより免疫化した。1日および1週間後、低用量の抗TCRVβ6mAb(100μg/マウス)、アイソタイプ対照mAb(100μg/マウス)、またはPBSのいずれかを静脈内注射した。2回目の注射後に臨床的症状を毎日モニタリングした。
図9Dおよび表4のデータは、抗TCRVβ6mAbによるVβ6
+T細胞のインビボ活性化が、B10.PLマウスにおいてEAEからの保護をもたらしたことを示す。対照的に、アイソタイプ対照mAbまたは無関連mAbを注射された群の動物は、疾患から保護されなかった(データ示さず)。
【0273】
抗TCRVβ6mAb(300μg/マウス)による単回静脈内注射後、Vβ6
+細胞の活性化(CD69発現)とそれに続く下方調節/枯渇が見られたが、Vβ8
+T細胞では見られなかった。0、1、および3日目、脾細胞をTCRVβ6−FITC/CD8α−PE/CD69−PerCP(第1および第2列)またはTCRVβ8−FITC/CD8α−PE/CD69−PerCP(第3および第4列)により染色した。細胞をTCRVβ6/CD8α
+T細胞(第2列)またはTCRVβ8/CD8α
+T細胞(第4列)のいずれかに対してゲーティングして早期活性化マーカーCD69の発現を分析した。データは、2つの独立実験の代表値である。(b)リアルタイムPCRにより決定された抗Vβ6注射後のVβ6
+T細胞の有意な枯渇。mRNAの発現は、2つの内部対照遺伝子(L32およびシクロフィリン)に対する正規化後の相対量として提示される。データは、2つの独立実験の代表値である。(c)TL−テトラマー
+CD8T細胞は、抗TCRVβ6注射後に枯渇しなかった。抗体注射後に示される日数で脾細胞をCD8α−FITC/TL−テトラマー−PEにより染色した。データは、2つの独立実験の代表値である。(d)抗TCRVβ6mAbを注射されたマウスは、EAEから保護される。MBPAc1−9/CFA/PTによるEAEの誘発1および7日後、マウスの群に抗TCRVβ6mAb(100μg/マウス)またはIgGアイソタイプ対照またはPBSを注射した。麻痺疾患を方法に記載のとおりモニタリングした。データは、3つの独立実験から合わせた。
【0274】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0276】
したがって、本明細書の一部の実施形態によるインビボのTCRVβ6
+T細胞の活性化は、EAEからの保護をもたらす。