【解決手段】 本開示は、強力なCYP3A4阻害剤との併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物により患者を処置する方法を提供し、患者はまずポサコナゾールの複数回用量により処置され、ポサコナゾール処置を中止し、その後、CYP3A4基質薬物により処置される。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物による処置を、ポサコナゾール投与中止から約2〜21日間延期する。一部の実施形態において、ポサコナゾールの投与中止から約2〜21日間、患者に対してCYP3A4基質薬物の用量を減らして処置をする、あるいは処方する。
前記患者に対して、前記CYP3A4基質薬物による処置を行わない、あるいは、前記患者に対して、ポサコナゾール処置を中止してから2〜21日が経過するまで前記CYP3A4基質薬物による最初の処置を延期するように処方する、請求項1に記載の方法。
前記患者は、成人及び青少年(13〜17歳)の統合失調症、成人のI型双極性障害(双極性うつ病)に伴ううつ病エピソード(単剤療法、あるいはリチウム又はバルプロ酸による補助療法として)、慢性狭心症、CFTR遺伝子におけるF508del突然変異とホモ接合型である6歳以上の患者の嚢胞性線維症、少なくとも1種の前処置を受けている、17番染色体短腕欠失を有する患者の慢性リンパ性白血病、事前にアントラサイクリンを含む養生療法を受けている患者の切除不能又は転移性の脂肪肉腫又は平滑筋肉腫、ホルモン受容体(HR)陽性の閉経後の女性における進行性又は転移性乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行性又は転移性乳癌、陰性の進行性又は転移性乳癌(閉経後の女性に対するアロマターゼ阻害剤との併用)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、慢性腎臓疾患(CKD)を患う透析中の患者における二次性副甲状腺機能亢進症(HPT)、血清カルシウムレベルに基づいて副甲状腺切除が勧められたが、副甲状腺切除を受けることのできない原発性副甲状腺機能亢進症患者又は副甲状腺癌患者の高カルシウム血症、パーキンソン病精神障害による幻覚及び妄想、統合失調症、I型双極性障害に伴う急性躁病エピソード又は混合エピソード、慢性C型肝炎(CHC)感染(代償性肝疾患を患うHCV遺伝子1型感染被験体に対する、ペグインターフェロンα及びリバビリンを用いる併用抗ウイルス処置レジメンの構成要素として)、進行性のホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌(進行性HR+BC)を患う閉経後の女性(例えば、レトロゾール又はアナストロゾールによる処置失敗後、エキセメスタンと併用して)、膵臓起源の進行性神経内分泌腫瘍(PNET)、切除不能、且つ局所進行性又は転移性の胃腸(GI)又は肺起源の進行性の高分化型非機能性神経内分泌腫瘍(NET)、進行性腎細胞癌(RCC)(例えば、スニチニブ又はソラフェニブによる処置に失敗した後)、即時の手術を必要としない腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症(TSC)、処置介入の必要はあるが外科切除の対象ではない上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)を有する患者のTSC、成人のII型糖尿病(血糖コントロール改善のための食事及び運動療法の補助として)、大うつ病性障害(MDD)、急性冠症候群(ACS)患者の血栓性心血管イベント(例えば心血管死、心筋梗塞、脳卒中)、非弁膜症性心房細動を有する患者の脳卒中及び全身塞栓症、股関節又は膝関節置換手術を受けた患者の肺塞栓症(PE)を誘発する可能性がある深部静脈血栓症(DVT)、DVT、PE、初期処置に伴う再発性DVT及びPE、メトトレキサートに対して不十分な反応又は耐性を示した患者における中度〜重度の活動性関節リウマチ、前兆を伴う又は伴わない急性片頭痛、新たに診断を受けた患者又はイマチニブを含む前処置に耐性もしくは不耐性を示す患者における、慢性期及び加速期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)、発作性又は持続性の心房細動又は心房粗動(AFK)の既往歴があり、洞調律の状態であるか除細動される患者の心房細動(AF)、4歳以上の患者における喘息、慢性閉塞性肺疾患を有する患者の閉塞性肺及び増悪減少、勃起不全(ED)、前立腺肥大症(BPH)、肺動脈高血圧(PAH)(WHO分類第1群)(運動能力の改善を目的として)、痛風発赤、家族性地中海熱、抗レトロウイルス療法、不安障害、パニック障害、発作、不眠症、高血圧、心血管疾患、高脂血症、原発性腎癌、進行性原発性肝癌、放射性ヨウ素耐性進行性甲状腺癌、腎細胞癌などの癌、イマチニブ耐性消化管間質腫瘍、少なくとも1回の前処置を受けた患者のマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、17番染色体短腕欠失を伴う慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、全身処置を必要とし、少なくとも1回抗CD20系処置された患者の辺縁帯リンパ腫、BRAF V600E又はV600K突然変異を伴う慢性又は転移性黒色腫、アレルギーならびに移植からなる群から選択される疾患又は症状に対して、前記CYP3A4基質薬物により処置される、あるいは前記CYP3A4基質薬物が処方される、請求項1に記載の方法。
前記CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ及びコルヒチンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
前記患者は、成人及び青少年(13〜17歳)の統合失調症、及び、成人のI型双極性障害(双極性うつ病)に伴ううつ病エピソード(単剤療法、あるいはリチウム又はバルプロ酸による補助療法として)からなる群から選択される疾患又は症状に対して、ルラシドンにより処置されるか、ルラシドンが処方される、請求項10に記載の方法。
前記患者は、勃起不全(ED)、前立腺肥大症(BPH)、肺動脈高血圧(PAH)(WHO分類第1群)(運動能力の改善を目的として)からなる群から選択される疾患又は症状に対して、タダラフィルにより処置されるか、タダラフィルが処方される、請求項20に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0011] 本明細書が引用する特許、出願、非特許刊行物を含むすべての文献は、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる
【0012】
[0012] 本明細書において、「約(about)」とは、指定された指標値よりある程度多いか少ない量を指すものであり、例えば、「約」が修飾する指示語の±5〜10%、あるいは、当業者が文脈から推定できる範囲を示す(例えば、中間値の約50%)。「約」はまた、基準となる値を含む。例えば、BMIが約40である場合、40前後の値を含むことになる。
【0013】
[0013] 本明細書において、「患者」とは、ヒト被験体を指す。一部の実施形態において、患者は男性又は女性である。一部の実施形態において、患者は成人であってもよく、小児であってもよい。
【0014】
[0014] 本明細書において、「処置」又は「処方」は、ポサコナゾール処置中止の後2〜21日の期間中のCYP3A4基質薬物に共に使用される場合、CYP3A4基質薬物の全体的な処置レジメンを指す。例えば、患者はこの期間中、減らした用量(例えば、CYP3A4基質薬物の基準用量の約50%以下)のCYP3A4基質薬物を処方又は投与(自己投与を含む)されることになる。一部の実施形態において、患者は、2〜21日間CYP3A4基質薬物を投与されない、あるいは医者が処方した用量レジメンにおいて、CYP3A4基質薬物を服用しないことを勧められ、その後、例えば基準量のCYP3A4基質薬物の服用を再開することができる(あるいはそのように処方される)。
【0015】
[0015] 本明細書において、「処置」及び「処置する」は、(i)特定の疾患又は疾病の素因を持ち得るが、その疾患又は疾病を有するとはまだ診断されていない被験体に対して疾患又は疾病の発生を防止する行為、(ii)疾患を治癒、処置、又は抑制する行為、つまりその発症を阻止する行為、あるいは、(iii)症候や症状の軽減又は除去、及び/又は疾患の退縮により疾患を改善する行為を指す。一部の実施形態において、「処置」及び「処置する」は、本明細書に定義された通り、治療的に有効なレジメンにより投与する行為を含む。
【0016】
[0016] 本明細書において、「治療的に有効なレジメン」とは、薬物が処方された疾患又は症状を処置するのに十分な期間又は用量の治療的に有効なレジメンを指す。
【0017】
[0017] 本明細書において、「患者」とは、ポサコナゾール処置により改善できる兆候を有し、またCYP3A4基質薬物により処置される必要があるヒト被験体を指す。例えば、ポサコナゾールの処置や処方を受ける前に、患者は、ポサコナゾール処置により改善できる第1の兆候と、CYP3A4基質薬物処置により改善できる第2の兆候とを同時に持つ。一部の実施形態において、患者はまずポサコナゾール処置され、その後ポサコナゾール養生療法を中止し、CYP3A4基質薬物による本明細書に記載の処置に切り替える。他の実施形態において、患者は、ポサコナゾール処置される途中に、CYP3A4基質薬物処置により改善できる兆候を発症する。一部の実施形態において、患者はポサコナゾール養生療法を中止し、CYP3A4基質薬物による本明細書に記載の処置に切り替える。本明細書において、「患者」には、ポサコナゾール処置を中止した後のある時点で、CYP3A4基質薬物処置により改善できる兆候を発症した被験体は含まれない。
【0018】
[0018] 本明細書において、「ポサコナゾール処置された患者」又は「事前にポサコナゾールを服用した患者」は、ポサコナゾール処置により改善できた兆候を有する患者を指す。
【0019】
[0019] 本明細書において、「通常ベースラインC
max」とは、他の条件は同じであるが、強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)による処置を事前に受けていない患者に同じ用量を投与したときに測定される薬物の平均C
maxを指す。例えば、CYP3A4基質薬物がラノラジンである場合、ラノラジンの「通常ベースラインC
max」は、他の条件は同じであるが、強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)による処置を事前に受けていない患者に同じ用量のラノラジンを投与したときに測定されるラノラジンの平均C
maxである。他の例として、CYP3A4基質薬物がルラシドンである場合、ルラシドンの「通常ベースラインC
max」は、他の条件は同じであるが、強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)による処置を事前に受けていない患者に同じ用量のルラシドンを投与したときに測定されるルラシドンの平均C
maxである。更に他の例として、CYP3A4基質薬物がタダラフィルである場合、タダラフィルの「通常ベースラインC
max」は、他の条件は同じであるが、強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)による処置を事前に受けていない患者に同じ用量のタダラフィルを投与したときに測定されるタダラフィルの平均C
maxである。
【0020】
[0020] 本明細書において、「通常ベースラインAUC」とは、他の条件は同じであるが、強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)による処置を事前に受けていない患者に同じ用量を投与したときに測定される薬物の平均AUCを指す。例えば、CYP3A4基質薬物がラノラジンである場合、ラノラジンの「通常ベースラインAUC」は、他の条件は同じであるが、強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)による処置を事前に受けていない患者に同じ用量のラノラジンを投与したときに測定されるラノラジンの平均AUCである。他の例として、CYP3A4基質薬物がルラシドンである場合、ルラシドンの「通常ベースラインAUC」は、他の条件は同じであるが、強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)による処置を事前に受けていない患者に同じ用量のルラシドンを投与したときに測定されるルラシドンの平均AUCである。更に他の例として、CYP3A4基質薬物がタダラフィルである場合、タダラフィルの「通常ベースラインAUC」は、他の条件は同じであるが、強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)による処置を事前に受けていない患者に同じ用量のタダラフィルを投与したときに測定されるタダラフィルの平均AUCである。
【0021】
[0021] 本明細書において、「正常」、「基準」、その派生やバリエーションは、BMIが約35未満、理想体重比(%IBW)が約150%未満、ウェストサイズが約42インチ未満、体脂肪率が約40%未満、アンドロイド型体脂肪率が約40%未満、ジノイド型体脂肪率が約40%未満、総体脂肪が約40kg未満という特性のうち少なくとも1つを有するヒトにおける、肥満でない状態を指す。別途に定義されない限り、「正常代謝者」は更に、CYP3A4正常代謝者を意味する。
【0022】
[0022] 本明細書において、「基準用量」とは、FDA認可を受けた製造者のラベルに記載され、他の条件は同じであるが、強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)による処置を事前に受けていない患者に処方される、特定のCYP3A4基質薬物の用量を指す。
【0023】
[0023] 本明細書は、ポサコナゾール処置を事前に受けている患者に対して、特に本明細書に記載の生理的特性を1つ以上有する患者がその後CYP3A4基質薬物により処置される場合に、強力なCYP3A4阻害剤との併用投与を禁じられているCYP3A4基質薬物により患者の処置を行う、あるいは処置を処方する方法を開示する。つまり、本開示は、異なる患者集団(例えば「正常」な患者、肥満患者、及び/又はCYP3A4中活性型代謝者又はそれ以下の代謝者(例えば、低活性型))に対して、患者に対するポサコナゾール処置を中止した後、強力なCYP3A4阻害剤との併用投与を禁じられているCYP3A4基質薬物により処置を行う方法を提供している。本明細書は更に、事前にポサコナゾール処置されている患者の様々な症状や疾病の処置を目的としてCYP3A4基質薬物による処置を開始する方法についても記載している。本開示はまた、正常な患者、肥満患者、及び/又はCYP3A4機能障害を有する患者(例えば、CYP3A4低活性型代謝者又はCYP3A4中活性型代謝者)であり、CYP3A4基質薬物の処置又は処方の前にポサコナゾール養生療法を受けている患者に対する、CYP3A4基質薬物の過剰曝露に伴う副作用のリスクを予防又は低減する方法(本明細書に記載の症状の処置方法を含む)を提供する。
【0024】
[0024] 様々な実施形態において、本開示は、ポサコナゾールを含む治療的に有効なレジメンにより処置された患者に対して、ポサコナゾール投与中止から約2〜21日の「休薬」期間が経過した後、CYP3A4基質薬物による処置を行う、又は処置を処方する方法を提供する。休薬期間を置くことによりポサコナゾールの血漿濃度が適切なレベルまで低下するので、その後、CYP3A4基質薬物による重度の副作用のリスクを高めることなく、CYP3A4基質薬物を投与することができる。本明細書に記載の通り、本発明の出願人は、ポサコナゾール処置を事前に受けている患者に対し、患者へのポサコナゾール処置を中止した時点から約2〜21日の「休薬」期間を置いてCYP3A4基質薬物による最初の処置を行う、又は最初の処置を処方する(つまり、CYP3A4基質薬物による処置を開始する)ことで、CYP3A4基質薬物を安全に投与できることを見出している。しかしながら、CYP3A4基質薬物は通常、ポサコナゾールとの併用投与が禁じられているため、このような休薬期間の必要性は今まで知られていなかった。また、本明細書に記載の通り、一部の実施形態において本発明の出願人は、休薬期間を置く代わり、ポサコナゾール処置を事前に受けている患者に対し、患者へのポサコナゾール処置を中止した時点から約2〜21日間、CYP3A4基質薬物の基準用量の約50%以下の用量でCYP3A4基質薬物を投与すると、潜在的に安全であることも見出している。同様に、そのような投与レジメンは今まで知られていなかった。
【0025】
[0025] シトクロムP450 3A4(CYP3A4)は、特定の薬物(特に本明細書に記載の「CYP3A4基質薬物」を含む薬物)などの有機小分子を修飾する酵素である。それにより、分子は代謝されて人体から除去される。いくつかの物質、いわゆる「CYP3A4阻害剤」は、CYP3A4酵素の活性を低下させるため、CYP3A4阻害剤はCYP3A4基質薬物に対する患者の曝露を増加させる可能性がある。一方、強力なCYP3A4阻害剤は、適切な用量で投与するとCYP3A4を不活性化し、併用投与されたCYP3A4基質薬物の血漿レベルを過剰に増加させ、潜在的に危険な状況をもたらし得る。よって、CYP3A4基質薬物と強力なCYP3A4阻害剤の併用投与は禁じられている。
【0026】
[0026] 本明細書において、「強力なCYP3A4阻害剤」とは、FDAが強力なCYP3A4阻害剤として認可された薬物、及び/又は感受性CYP3A4基質薬物のAUCを少なくとも約5倍増加させる、もしくは感受性CYP3A4基質薬物のクリアランスを約80%以上減少させる薬物を指す。本明細書に開示された方法は、強力なCYP3A4阻害剤、例えばポサコナゾールなどにより処置されている患者に対する、強力なCYP3A4阻害剤のいずれとも併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いた処置に適用することができる。
【0027】
[0027] ポサコナゾールとCYP3A4基質薬物の共投与はQT
c間隔を延長させることが知られているため、禁じられている。ポサコナゾールとCYP3A4基質薬物に伴う臨床的に有意な血漿レベルは、QTを延長するリスクをもたらすCYP3A4基質薬物のレベルを著しく上昇させ得る。QT延長がもたらし得る結果には、不整脈、頻拍、心調律異常、動悸、めまい、立ちくらみ、突然の失神、発作、トルサード・ド・ポワント、心臓死が含まれる。
【0028】
[0028] 例えば、ポサコナゾールの薬剤ラベル(NOXAFIL(登録商標)のラベル、2015年11月改訂)によると、患者は、セロリムス、ピモジド、キニジン、HMG−CoA還元酵素阻害薬、麦角アルカロイド、又はQT
c間隔を延長しTdPの事例を引き起こすと知られている薬物など、特定のCYP3A4基質薬物とポサコナゾールの共投与を避けるように勧められている。NOXAFIL(登録商標)のラベルは更に、CYP3A4により代謝される他の薬物、例えばタクロリムス、シクロスポリン、ビンカアルカロイド、カルシウム拮抗剤とポサコナゾールを併用投与する場合、用量の調整を考慮すべきであることを警告している。しかしながら、ポサコナゾールの薬剤ラベルは、ポサコナゾールの投与を中止してからCYP3A4基質の投与を開始するまで、患者に対して休薬期間の設定や集団階層化が必要であることについては、一切言及していない。
【0029】
[0029] 一部の実施形態において、強力なCYP3A4阻害剤はポサコナゾール(つまりNoxafil、Posanol)である。現在、ポサコナゾールは経口懸濁液(40mg/mL)、静脈内注射液(18mg/mL)、遅延放出性錠剤(100mg)として製剤されている。薬剤ラベル(Merck社)によると、侵襲性のアスペルギルス及びカンジダ感染症に対する現在の推奨用量は、静脈内注射液又は遅延放出性錠剤の場合、初日は1日2回300mg、その後は1日1回300mg、経口懸濁液の場合、1回3回200mgである。中咽頭カンジダ症の処置における現在の推奨用量は、経口懸濁液の場合、初日は1日2回100mg、その後の13日間は1日1回100mgである。イトラコナゾール及び/又はフルコナゾールに対して難治性の中咽頭カンジダ症の処置における現在の推奨用量は、経口懸濁液の場合、初日は1日2回400mgである。
【0030】
[0030] 一部の実施形態において、ポサコナゾールは真菌感染の処置に適応することができる。一実施形態において、ポサコナゾールはカンジダによる感染症、例えば中咽頭カンジダ症の処置に適応することができる。一実施形態において、ポサコナゾールは、イトラコナゾール及び/又はフルコナゾールに対して難治性の中咽頭カンジダ症の処置に適応することができる。一実施形態において、ポサコナゾールはアスペルギルスによる感染症の処置に適応することができる。一実施形態において、ポサコナゾールは接合菌による感染症の処置に適応することができる。一部の実施形態において、ポサコナゾールは、重度の免疫不全により侵襲性のアスペルギルス及びカンジダ感染症を発症するリスクが高い患者、例えば、造血幹細胞移植(HSCT)を受けた移植片対宿主病(GVHD)患者、化学療法による好中球減少症が長期に渡る血液悪性腫瘍患者に適応して感染症を予防することができる。一実施形態において、ポサコナゾールは接合菌症の処置に適応することができる。一実施形態において、ポサコナゾールはアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の処置に適応することができる。一実施形態において、ポサコナゾールはHIV感染に続発する食道の再発性カンジダ症の予防や処置に適応することができる。一実施形態において、ポサコナゾールはフザリウム感染症の処置に適応することができる。一実施形態において、ポサコナゾールは慢性又は空洞性の壊死性肺アスペルギルス症の処置に適応することができる。
【0031】
[0031] 本明細書において、「CYP3A4基質薬物」とは、薬学的に許容される剤形(例えば、錠剤、カプセル剤、経口液剤、注射剤、注入剤、その徐放性又は持続放出性製剤)で投与される、CYP3A4酵素により主に代謝される薬物を指す。一部の実施形態において、CYP3A4薬物はルラシドン(Latuda)である。一部の実施形態において、CYP3A4薬物はラノラジン(Ranexa)である。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はルマカフトル/イバカフトル(Orkambi)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はベネトクラックス(Venclexta)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はトラベクテジン(Yondelis)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はリボシクリブコハク酸塩(Kisqali)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はデフラザコルト(Emflaza)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はシナカルセト塩酸塩(Sensipar)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はピマバンセリン酒石酸塩(Nuplazid)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はアリピプラゾールラウロキシル(Aristada)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はカリプラジン塩酸塩(Vraylar)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はシメプレビルナトリウム(Olysio)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はエベロリムス(Afinitor、Afinitor Disperz、Zortress)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はサクサグリプチン塩酸塩(Onglyza)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はサクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩(Kombiglyze XR)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はチカグレロル(Brilinta)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はビラゾドン塩酸塩(Viibryd)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はアピキサバン(Eliquis)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はトファシチニブクエン酸塩(Xeljanz)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はエレトリプタン臭化水素酸塩(Relpax)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はニロチニブ塩酸塩水和物(Tasigna)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はドロネダロン塩酸塩(Multaq)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はフルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩(Advair Diskus)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はリバーロキサバン(Xarelto)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はタダラフィル(Cialis、Adcirca)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はコルヒチン(Colcrys)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はイブルチニブ(Imbruvica)を含む。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物はコビメチニブ(Cotellis)を含む。CYP3A4基質薬物の他の例としては、HIVプロテーゼ阻害剤(アンプレナビル(Agenerase)、アタザナビル(Reyataz)、ダルナビル(Prezista)、フォサンプレナビル(Lexiva、Telzir)、インジナビル(Crixivan)、ロピナビル(Kaletra)、ネルフィナビル(Viracept)、リトナビル(Norvir)、サキナビル(Invirase、Forovase)、チプラナビル(Aptivus)など)、ベンゾジアゼピン(アルプラゾラム(Xanax)、クロナゼパム(Klonopin)、ジアゼパム(Valium)など)、カルシウム拮抗剤(アムロジピン(Norvasc)、アラニジピン(Sapresta)、アゼルニジピン(Calblock)、バルニジピン(HypoCa)、ベニジピン(Coniel)、シルニジピン(Atelec、Cinalong、Siscard)、クレビジピン(Cleviprex)、イスラジピン(DynaCirc、Prescal)、エホニジピン(Landel)、フェロジピン(Plendil)、ラシジピン(Motens、Lacipil)、レルカニジピン(Zanidip)、マニジピン(Calslot、Madipine)、ニカルジピン(Cardene、Carden SR)、ニフェジピン(Procardia、Adalat)、ニルバジピン(Nivadil)、ニモジピン(Nimotop)、ソルジピン(Baymycard、Sular、Syscor)、ニトレンジピン(Cardif、Nitrepin、Baylotensin)、プラニジピン(Acalas)など)、ヒドロキシメチルグルタリル補酵素A−レダクターゼ阻害剤(アトルバスタチン(Lipitor、Ator)、ロバスタチン(Mevacor、Altocor、Altoprev)、メバスタチン(Compactin)、シンバスタチン(Zocor、Lipex)など)、抗腫瘍薬(ソラフェニブ(Nexavar)、スニチニブ(Sutent)など)、非鎮静性抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン(Allegra)、ロラタジン(Claritin)、デスロラタジン(Clarinex)、セチリジン(Zyrtec)、レボセチリジン(Xyza)など)、免疫抑制剤(シクロスポリンなど)が挙げられるが、これらに限られない。
【0032】
[0032] 一部の実施形態において、本明細書に開示された方法で用いられるCYP3A4基質薬物は、CYP3A4により代謝される薬物、特にCYP3A4により代謝される薬物で、強力なCYP3A4阻害剤との併用が禁じられているか、CYP3A4阻害剤との併用投与について用量の調整が勧められている薬物であれば、種類を問わない。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載のCYP3A4基質薬物の1種以上が事前にポサコナゾール処置されている患者の処置に用いられる処置レジメン、例えばCYP3A4基質薬物を他の薬物と組み合わせた患者の処置を伴う処置レジメンに適用することができる。
【0033】
[0033] 一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物は、成人及び青少年(13〜17歳)の統合失調症、成人のI型双極性障害(双極性うつ病)に伴ううつ病エピソード(単剤療法、あるいはリチウム又はバルプロ酸による補助療法として)、慢性狭心症、CFTR遺伝子におけるF508del突然変異とホモ接合型である6歳以上の患者の嚢胞性線維症、少なくとも1種の前処置を受けている、17番染色体短腕欠失を有する患者の慢性リンパ性白血病、事前にアントラサイクリンを含む養生療法を受けている患者の切除不能又は転移性の脂肪肉腫又は平滑筋肉腫、ホルモン受容体(HR)陽性の閉経後の女性における進行性又は転移性乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行性又は転移性乳癌、陰性の進行性又は転移性乳癌(閉経後の女性に対するアロマターゼ阻害剤との併用)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、慢性腎臓疾患(CKD)を患う透析中の患者における二次性副甲状腺機能亢進症(HPT)、血清カルシウムレベルに基づいて副甲状腺切除が勧められたが、副甲状腺切除を受けることのできない原発性副甲状腺機能亢進症患者又は副甲状腺癌患者の高カルシウム血症、パーキンソン病精神障害による幻覚及び妄想、統合失調症、I型双極性障害に伴う急性躁病エピソード又は混合エピソード、慢性C型肝炎(CHC)感染(代償性肝疾患を患うHCV遺伝子1型感染被験体に対する、ペグインターフェロンα及びリバビリンを用いる併用抗ウイルス処置レジメンの構成要素として)、進行性のホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌(進行性HR+BC)を患う閉経後の女性(例えば、レトロゾール又はアナストロゾールによる処置失敗後、エキセメスタンと併用して)、膵臓起源の進行性神経内分泌腫瘍(PNET)、切除不能、且つ局所進行性又は転移性の胃腸(GI)又は肺起源の進行性の高分化型非機能性神経内分泌腫瘍(NET)、進行性腎細胞癌(RCC)(例えば、スニチニブ又はソラフェニブによる処置に失敗した後)、即時の手術を必要としない腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症(TSC)、処置介入の必要はあるが外科切除の対象ではない上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)を有する患者のTSC、成人のII型糖尿病(血糖コントロール改善のための食事及び運動療法の補助として)、大うつ病性障害(MDD)、急性冠症候群(ACS)患者の血栓性心血管イベント(例えば心血管死、心筋梗塞、脳卒中)、非弁膜症性心房細動を有する患者の脳卒中及び全身塞栓症、股関節又は膝関節置換手術を受けた患者の肺塞栓症(PE)を誘発する可能性がある深部静脈血栓症(DVT)、DVT、PE、初期処置に伴う再発性DVT及びPE、メトトレキサートに対して不十分な反応又は耐性を示した患者における中度〜重度の活動性関節リウマチ、前兆を伴う又は伴わない急性片頭痛、新たに診断を受けた患者、あるいはイマチニブを含む前処置に耐性又は不耐性を示す患者における、慢性期及び加速期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)、発作性又は持続性の心房細動又は心房粗動(AFK)の既往歴があり、洞調律の状態であるか除細動される患者の心房細動(AF)、4歳以上の患者における喘息、慢性閉塞性肺疾患を有する患者の閉塞性肺及び増悪減少、勃起不全(ED)、前立腺肥大症(BPH)、肺動脈高血圧(PAH)(WHO分類第1群)(運動能力の改善を目的として)、痛風発赤、家族性地中海熱、抗レトロウイルス療法、不安障害、パニック障害、発作、不眠症、高血圧、心血管疾患、高脂血症、原発性腎癌、進行性原発性肝癌、放射性ヨウ素耐性進行性甲状腺癌、腎細胞癌などの癌、イマチニブ耐性消化管間質腫瘍、少なくとも1回の前処置を受けた患者のマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、17番染色体短腕欠失を伴う慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、全身処置を必要とし、少なくとも1回の抗CD20系処置を受けた患者の辺縁帯リンパ腫、BRAF V600E又はV600K突然変異を伴う慢性又は転移性黒色腫、アレルギー、移植からなる群から選択される疾患又は症状の処置に適応することができる。
【0034】
[0034] 一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物は、成人及び青少年(13〜17歳)の統合失調症、及び、成人のI型双極性障害(双極性うつ病)に伴ううつ病エピソードの処置に、単剤療法、あるいはリチウム又はバルプロ酸による補助療法として適応することができる。
【0035】
[0035] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は慢性狭心症の処置に適応することができる。
【0036】
[0036] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えばCFTR遺伝子におけるF508del突然変異とホモ接合型である、6歳以上の患者の嚢胞性線維症の処置に適応することができる。
【0037】
[0037] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、少なくとも1種の前処置を受けている、17番染色体短腕欠失を有する患者の慢性リンパ性白血病の処置に適応することができる。
【0038】
[0038] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えば、事前にアントラサイクリンを含む養生療法を受けている患者の切除不能又は転移性の脂肪肉腫又は平滑筋肉腫の処置に適応することができる。
【0039】
[0039] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えばホルモン受容体(HR)陽性の閉経後の女性における進行性又は転移性乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行性又は転移性乳癌の処置に適応することができる。さらなる実施形態において、CYP3A4基質薬物は、閉経後の女性における陰性の進行性又は転移性乳癌の処置、例えば、初期内分泌療法としてアロマターゼ阻害剤と併用する処置に適応することができる。
【0040】
[0040] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物はデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の処置に適応することができる。
【0041】
[0041] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えば慢性腎臓疾患(CKD)を患う透析中の患者における、二次性副甲状腺機能亢進症(HPT)の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えば副甲状腺癌患者における、高カルシウム血症の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えば、血清カルシウムレベルに基づいて副甲状腺切除が勧められたが、副甲状腺切除を受けることのできない原発性副甲状腺機能亢進症患者における、高カルシウム血症の処置に適応することができる。
【0042】
[0042] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物はパーキンソン病精神障害による幻覚及び妄想の処置に適応することができる。
【0043】
[0043] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は統合失調症の処置に適応することができる。
【0044】
[0044] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物はI型双極性障害に伴う急性躁病エピソード又は混合エピソードの処置に適応することができる。
【0045】
[0045] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、慢性C型肝炎(CHC)感染の処置に、代償性肝疾患を患うHCV遺伝子1型感染被験体に対する、ペグインターフェロンα及びリバビリンを用いる併用抗ウイルス処置レジメンの構成要素として適応することができる。
【0046】
[0046] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、進行性のホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌(進行性HR+BC)を患う閉経後の女性の処置に、例えば、レトロゾール又はアナストロゾールによる処置失敗後、エキセメスタンと併用して適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、膵臓起源の進行性神経内分泌腫瘍(PNET)患者の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、切除不能、且つ局所進行性又は転移性の胃腸(GI)又は肺起源の進行性の高分化型非機能性神経内分泌腫瘍(NET)患者の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えば、スニチニブ又はソラフェニブによる処置に失敗した後の、進行性腎細胞癌(RCC)を患う患者の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、即時の手術を必要としない腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症(TSC)を患う患者の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、処置介入の必要はあるが外科切除の対象ではない上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)を有する患者のTSCの処置に適応することができる。
【0047】
[0047] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、成人のII型糖尿病の処置に、例えば血糖コントロール改善のための食事及び運動療法の補助として適応することができる。
【0048】
[0048] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、急性冠症候群(ACS)患者の血栓性心血管イベント(例えば心血管死、心筋梗塞、脳卒中)発生率の低減に適応することができる。
【0049】
[0049] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は大うつ病性障害(MDD)の処置に適応することができる。
【0050】
[0050] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、非弁膜症性心房細動を有する患者の脳卒中及び全身塞栓症のリスクの軽減に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えば股関節又は膝関節置換手術を受けた患者の肺塞栓症(PE)を誘発する可能性がある深部静脈血栓症(DVT)の予防に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物はDVT又はPEの処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、初期処置に伴う再発性DVT及びPEのリスクを軽減することに適応することができる。
【0051】
[0051] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えばメトトレキサートに対して不十分な反応又は耐性を示した患者における、中度〜重度の活動性関節リウマチの処置に適応することができる。
【0052】
[0052] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、前兆を伴う又は伴わない急性片頭痛の処置に適応することができる。
【0053】
[0053] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えば新たに診断を受けた患者、あるいはイマチニブを含む前処置に耐性又は不耐性を示す患者における、慢性期及び加速期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の処置に適応することができる。
【0054】
[0054] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えば発作性又は持続性の心房細動又は心房粗動(AFK)の既往歴があり、洞調律の状態であるか除細動される患者の心房細動(AF)による入院のリスクの軽減に適応することができる。
【0055】
[0055] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、例えば4歳以上の患者における喘息の維持処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、慢性閉塞性肺疾患を有する患者の閉塞性肺及び増悪減少の維持処置に適応することができる。
【0056】
[0056] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は勃起不全(ED)の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は前立腺肥大症(BPH)の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、運動能力の改善を目的として、肺動脈高血圧(PAH)(WHO分類第1群)の処置に適応することができる。
【0057】
[0057] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は痛風発赤の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は家族性地中海熱の処置に適応することができる。
【0058】
[0058] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、少なくとも1回の前処置を受けた患者のマントル細胞リンパ腫の処置に適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対して適応することができる。一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、17番染色体短腕欠失を伴う慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対して適応することができる。
【0059】
[0059] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物はワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症に対して適応することができる。
【0060】
[0060] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、全身処置を必要とし、少なくとも1回抗CD20系処置を受けた患者の辺縁帯リンパ腫に対して適応することができる。
【0061】
[0061] 一実施形態において、CYP3A4基質薬物は、BRAF V600E又はV600K突然変異を伴う慢性又は転移性黒色腫に対して適応することができる。
【0062】
[0062] CYP3A4基質薬物が処方される症状又は疾患の他の例としては、抗レトロウイルス療法、例えばHIV/AIDS、不安障害、パニック障害、発作、不眠症、高血圧、心血管疾患(例えば、心筋梗塞、脳卒中、狭心症)、高脂血症、原発性腎癌、進行性原発性肝癌、放射性ヨウ素耐性進行性甲状腺癌、腎細胞癌などの癌、イマチニブ耐性消化管間質腫瘍、アレルギー、移植などの処置が挙げられるが、これらに限られない。
【0063】
[0063] 上述した通り、強力なCYP3A4阻害剤(ポサコナゾールを含むがこれに限らない)による処置を中止した後にも、ポサコナゾールは患者の体内に蓄積され、CYP3A4基質薬物の代謝を低減、あるいは妨害する。従って、以前にポサコナゾールを服用し、その後CYP3A4基質薬物により処置された患者は、CYP3A4基質薬物の血漿レベルが、その他の条件は同じであるがポサコナゾール処置されていない患者の血漿レベルを超えると思われる。本明細書は、様々な実施形態において、事前に強力なCYP3A4阻害剤(例えば、ポサコナゾール)の複数回用量を受けている患者に、強力なCYP3A4阻害剤による処置を中止してから約2〜21日間適用されるCYP3A4基質薬物の処置レジメンを記載している。一部の実施形態において、処置レジメンは、ポサコナゾール処置を中止してから約2〜21日間、CYP3A4基質薬物の基準用量の50%以下を用量とする処置又は処方を含む。本明細書において、CYP3A4阻害剤の基準用量の50%未満の用量とは、2〜21日間、CYP3A4阻害剤の0%(つまり、投与無し)から約50%までのいずれの量にもなり得る。従って、本明細書に開示された処置レジメンは、一部の実施形態において、ポサコナゾール処置を中止してから約2〜21日間、CYP3A4基質薬物の最初の投与を延期する、あるいは、ポサコナゾール処置を中止してから約2〜21日間、CYP3A4基質薬物の用量を減らして処置を行うことを含む。本明細書に記載の方法は、ポサコナゾールを服用していたが、CYP3A4基質薬物処置で改善できる兆候を有する患者、例えば正常な患者(肥満状態でない正常代謝者)、肥満患者、低活性型代謝者、中活性型代謝者、あるいはこれらの組み合わせを含む患者に適用することができる。
【0064】
[0064] 一部の実施形態において、ポサコナゾールの中断(つまり、ポサコナゾール養生療法における最後の投与)からCYP3A4基質薬物の処置開始(つまり、本明細書に記載のCYP3A4基質薬物のいずれかによるCYP3A4養生療法における最初の投与)まで、約2日〜約21日、例えば、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、又は約21日(全ての範囲とその部分範囲を含む)が経過していなければならない。一部の実施形態において、患者は「正常」な患者(つまり、「正常」なCYP3A4酵素機能を有し(本技術分野では「正常代謝者」としばしば呼ばれる)、正常な体重、例えばBMIが18.5〜24.9の範囲である患者)である。他の実施形態において、患者は、本明細書に記載の生理的特性のうち1つを有する患者である。例えば、肥満と見なされる患者、及び/又はCYP3A4酵素活性のレベルが本技術分野で低活性型又は中活性型と称される状態の患者である。
【0065】
[0065] ポサコナゾール処置の中止又は停止からCYP3A4基質薬物による処置の開始までの「延期」又は待機期間は、ポサコナゾール処置を中止してからCYP3A4基質薬物による処置の最初の用量まで経過する時間と見なすことができる。当業者であれば、一般的にその後、CYP3A4基質薬物の追加的な用量が行われるか処方されることを理解するであろう。但し、本明細書に記載の「延期」又は「休薬」期間は、あくまでもポサコナゾール処置の中止からCYP3A4基質薬物による処置を開始する最初の用量までの時間である。
【0066】
[0066] 代替の実施形態において、CYP3A4基質薬物による処置を延期する代わり、ポサコナゾール処置を中止した後、CYP3A4基質薬物を基準用量(CYP3A4基質薬物に関してFDAの認可を受けたラベルに患者の推奨用量として記載されている量)の50%以下、例えば、基準用量の50%以下、49%以下、48%以下、47%以下、46%以下、45%以下、44%以下、43%以下、42%以下、41%以下、40%以下、39%以下、38%以下、37%以下、36%以下、35%以下、34%以下、33%以下、32%以下、31%以下、30%以下、29%以下、28%以下、27%以下、26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、又は10%以下(全ての範囲とその部分範囲を含む)の用量で、ポサコナゾール養生療法を中止してから少なくとも約2〜21日間、例えば、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、又は約21日間(全ての範囲とその部分範囲を含む)、投与又は処方する。
【0067】
[0067] さらなる代替の実施形態において、CYP3A4基質薬物に応じて、患者は、CYP3A4基質薬物を基準用量(CYP3A4基質薬物に関してFDAの認可を受けたラベルに患者の推奨用量として記載されている量)の100%未満、例えば、基準用量の約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%、又は約50%(全ての範囲とその部分範囲を含む)の用量で、ポサコナゾール養生療法を中止してから少なくとも約2〜21日間、例えば、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、又は約21日間(全ての範囲とその部分範囲を含む)処置されてもよく、あるいは処方されてもよい。
【0068】
[0068] 「正常」な患者(例えば、肥満状態でないCYP3A4正常代謝者)に対して処置を行う、あるいは処置を処方する方法に加え、本開示は、本明細書に記載の生理的特性を少なくとも1つ有し、ポサコナゾールの用量を複数回受けている患者に対して、CYP3A4基質薬物による処置を行う、あるいは処置を処方する方法を開示している。CYP3A4基質薬物による処置は、本明細書に記載の延期時間の後に開始される、あるいは開始するように処方される(あるいは、ポサコナゾール処置を中止してから最初の用量が始める)。もしくは、本明細書に記載の通り、ポサコナゾール処置を中止した後に一定の期間、減らした用量(基準用量の100%未満のいずれかの量、例えば基準用量の約1/3、約1/2、約2/3を含むがこれらに限られない)で行う、あるいは行うように処方される。患者の生理的特性には、肝酵素機能の低下、特にCYP3A4酵素機能の低下(患者は、本技術分野でCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者と称される)、及び/又は本明細書に記載の体重又は体脂肪の状態が含まれる。一部の実施形態において、患者は様々な体脂肪状態の特性を有し得る。「体脂肪状態」、「体脂肪特性」、「肥満状態」、「肥満特性」、その派生やバリエーションは、本明細書に記載の通り、少なくとも7つの特性(BMI、理想体重比、ウェストサイズ、体脂肪率、アンドロイド型体脂肪率、ジノイド型体脂肪率、総体脂肪)を指す。一部の実施形態において、体脂肪状態は肥満と称され、患者は肥満又は肥満患者と呼ばれる。
【0069】
[0069] 本明細書に記載の通り、本発明の出願人は、特定の患者、つまり本明細書の記載の特定の生理的特性、例えば体脂肪状態や体重状態、及び/又は肝代謝酵素状態を有する患者は、ポサコナゾール処置を中止した後、ポサコナゾールの血漿レベルが実質的に高いか、及び/又は、例えばNOXAFILのラベルに記載された既知の、又は意図されたポサコナゾールの排出半減期(t
1/2)より長い半減期を示すので、ポサコナゾール処置を中止した後、CYP3A4基質薬物の処置前に又はCYP3A4基質薬物による最初の処置を処方する前に、本明細書に記載の延期期間を置く、あるいは、本明細書に記載の通り、ポサコナゾール処置を中止してから一定の期間、CYP3A4基質薬物の用量を調整(低減)する必要があることを見出した。一部の実施形態において、延期期間又は用量調整期間、あるいは用量の調整レベルは、「正常」な患者と見なされる患者対して設定される延期や用量減量の期間/量より大きくなる。ポサコナゾールの血漿レベルが実質的に高いか、及び/又は、例えばNOXAFILのラベルに記載されたポサコナゾールの期待排出半減期(t
1/2)に比べて長い半減期を示す患者、あるいは、長い延期期間、長い用量調整期間、又は高い用量の調整レベルを必要とする患者には、例えば肥満患者、例えばBMIが少なくとも約35、理想体重比が少なくとも約150%、ウェストサイズが約42インチ超、体脂肪率が約40%超、アンドロイド型体脂肪率が約40%超、ジノイド型体脂肪率が約40%超、総体脂肪が約40kg超のうち1つ以上の特性を有し、場合によっては肝機能障害、例えば、CYP3A4中活性型代謝又は低活性型代謝と組み合わせた患者が含まれる。あるいは、肥満ではないが(例えば、本明細書に記載の体脂肪状態の様々な測定値が肥満と見なされる範囲ではない、つまり、BMIが約35未満、理想体重比が約150%未満、ウェストサイズが約42インチ未満、体脂肪率が約40%未満、アンドロイド型体脂肪率が約40%未満、ジノイド型体脂肪率が約40%未満、総体脂肪が約40kg未満)、肝代謝機能に障害がある患者、例えばCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者と見なされる患者についても、本発明の出願人によると、「正常」な患者(つまり、本明細書に記載の特定の生理的特性を示さない患者)に期待されるものより、あるいはNOXAFILのラベルの推奨値より、定常状態のポサコナゾールの血漿レベルが高く、及び/又はポサコナゾールの排出半減期(t
1/2)が長いので、ポサコナゾール処置を中止した後、CYP3A4基質薬物による処置を開始する前まで、休薬期間を長めに(本明細書に記載の通り)設定する必要がある。あるいは、患者に対して、ポサコナゾール処置を中止した後、CYP3A4基質薬物の基準用量より減らした用量(本明細書に記載の通り)で処置を開始する前まで、より長めの期間(本技術分野)を設定し、QTc延長や本技術分野で周知のCYP3A4基質薬物の他の副作用など、悪影響を最小化又は回避する必要がある。従来には、上記の生理的特性を有する患者の場合、定常状態のポサコナゾールの血漿レベル、及び/又は排出半減期に生理的特性が及ぼす影響のため、ポサコナゾールとCYP3A4基質薬物の用量の間に長めの「休薬」期間を必要とすること、もしくは、ポサコナゾール投与を中止した後、一定期間はCYP3A4基質薬物の基準用量を減らして患者の処置を行う、あるいは処置を処方する必要があることは、全く知られていなかった。
【0070】
[0070] ポサコナゾールは、主にシトクロムP450イソ酵素、特にCYP3A4を介した酸化により代謝される。研究によると、他のCYPイソ酵素、例えばA2、2C8、2C9、2D6、2E1などは、ポサコナゾールの対象に関与していない。ポサコナゾールを代謝するP450イソ酵素の活性レベルは、人によって異なり得る。代謝者の分類基準には、P540イソ酵素遺伝子の対立遺伝子異質性が含まれるが、これに限らない。例えば、CYP3A4遺伝子は対立遺伝子異質性を有し、CYP3A4*22対立遺伝子の発現を用いて、被験体をCYP3A4発現低下者(つまり、CYP3A4*22対立遺伝子を1つ保有する人)と、CYP3A4正常発現者(つまり、CYP3A4*22対立遺伝子を有しない人)に分類することができる。
【0071】
[0071] 一部の実施形態において、本開示の方法により処置される患者は、ボディマス指数(BMI、別途の定義がない限り単位はkg/m
2)が約25未満、例えば約24.5未満、約24未満、約23.5未満、約23未満、約22.5未満、約22未満、約21.5未満、約21未満、約20.5未満、約20未満、約19.5未満、約19、又は約18.5未満(全ての範囲とその部分範囲を含む)である。
【0072】
[0072] 一部の実施形態において、本開示の方法により処置される患者は、ボディマス指数(BMI、別途の定義がない限り単位はkg/m
2)が、少なくとも約25、少なくとも約26、少なくとも約27、少なくとも約28、少なくとも約29、少なくとも約30、少なくとも約31、少なくとも約32、少なくとも約33、少なくとも約34、少なくとも約35、少なくとも約36、少なくとも約37、少なくとも約38、少なくとも約39、少なくとも約40、少なくとも約41、少なくとも約42、少なくとも約43、少なくとも約44、少なくとも約45、少なくとも約46、少なくとも約47、少なくとも約48、少なくとも約49、少なくとも約50、少なくとも約51、少なくとも約52、少なくとも約53、少なくとも約54、少なくとも約55、少なくとも約56、少なくとも約57、少なくとも約58、少なくとも約59、少なくとも約60、少なくとも約61、少なくとも約62、少なくとも約63、少なくとも約64、少なくとも約65、少なくとも約66、少なくとも約67、少なくとも約68、少なくとも約69、少なくとも約70、少なくとも約71、少なくとも約72、少なくとも約73、少なくとも約74、少なくとも約75、少なくとも約76、少なくとも約77、少なくとも約78、少なくとも約79、少なくとも約80、少なくとも約81、少なくとも約82、少なくとも約83、少なくとも約84、少なくとも約85、少なくとも約86、少なくとも約87、少なくとも約88、少なくとも約89、少なくとも約90、少なくとも約91、少なくとも約92、少なくとも約93、少なくとも約94、少なくとも約95、少なくとも約96、少なくとも約97、少なくとも約98、少なくとも約99、少なくとも約100、少なくとも約101、少なくとも約102、少なくとも約103、少なくとも約104、少なくとも約105、少なくとも約106、少なくとも約107、少なくとも約108、少なくとも約109、少なくとも約110、少なくとも約111、少なくとも約112、少なくとも約113、少なくとも約114、少なくとも約115、少なくとも約116、少なくとも約117、少なくとも約118、少なくとも約119、少なくとも約120、少なくとも約121、少なくとも約122、少なくとも約123、少なくとも約124、少なくとも約125、少なくとも約126、少なくとも約127、少なくとも約128、少なくとも約129、少なくとも約130、少なくとも約131、少なくとも約132、少なくとも約133、少なくとも約134、少なくとも約135、少なくとも約136、少なくとも約137、少なくとも約138、少なくとも約139、少なくとも約140、少なくとも約141、少なくとも約142、少なくとも約143、少なくとも約144、少なくとも約145、少なくとも約146、少なくとも約147、少なくとも約148、少なくとも約149、少なくとも約150、少なくとも約151、少なくとも約152、少なくとも約153、少なくとも約154、少なくとも約155、少なくとも約156、少なくとも約157、少なくとも約158、少なくとも約159、少なくとも約160、少なくとも約161、少なくとも約162、少なくとも約163、少なくとも約164、少なくとも約165、少なくとも約166、少なくとも約167、少なくとも約168、少なくとも約169、少なくとも約170、少なくとも約171、少なくとも約172、少なくとも約173、少なくとも約174、少なくとも約175、少なくとも約176、少なくとも約177、少なくとも約178、少なくとも約179、少なくとも約180、少なくとも約181、少なくとも約182、少なくとも約183、少なくとも約184、少なくとも約185、少なくとも約186、少なくとも約187、少なくとも約188、少なくとも約189、少なくとも約190、少なくとも約191、少なくとも約192、少なくとも約193、少なくとも約194、少なくとも約195、少なくとも約195、少なくとも約196、少なくとも約197、少なくとも約198、少なくとも約199、少なくとも約200、少なくとも約201、少なくとも約202、少なくとも約203、少なくとも約204、少なくとも約205、少なくとも約206、少なくとも約207、少なくとも約208、少なくとも約209または少なくとも約210(全ての範囲とその部分範囲を含む)である。一実施形態において、患者は、少なくとも約35のボディマス指数(BMI、別途の定義がない限り単位はkg/m
2)を有する。別の実施形態において、患者は、少なくとも約40のボディマス指数(BMI)を有する。別の実施形態において、患者は、少なくとも50のボディマス指数(BMI)を有する。
【0073】
[0073] 一部の実施形態において、本発明の方法により処置される患者のBMIは、少なくとも約25から少なくとも約29.9、少なくとも約25.5から少なくとも約29、少なくとも約26から少なくとも約28.5、少なくとも約26.5から少なくとも約28、又は少なくとも約27から少なくとも約27.5(全ての範囲とその部分範囲を含む)であり、過体重又は前肥満と見なされる。一部の実施形態において、患者のBMIは、少なくとも約30から少なくとも約34.9、少なくとも約30.5から少なくとも約34、少なくとも約31から少なくとも約33.5、少なくとも約31.5から少なくとも約33、又は少なくとも約32から少なくとも約32.5(全ての範囲とその部分範囲を含む)であって、肥満と見なされる。一部の実施形態において、患者のBMIは、少なくとも約35から少なくとも約39.9、少なくとも約35.5から少なくとも約39、少なくとも約36から少なくとも約38.5、少なくとも約36.5から少なくとも約38、又は少なくとも約37から少なくとも約37.5(すべての範囲とその部分範囲を含む)、及び本明細書に記載のいずれかのBMIであって、肥満と見なされる。他の実施形態において、発明の方法により処置される患者のBMIは、少なくとも約35以上、40以上、50以上、60以上、70以上、80以上、90以上、100以上、110以上、120以上、130以上、140以上、150以上、160以上、170以上、180以上、190以上、200以上、又は210以上(全ての範囲とその部分範囲を含む)である。
【0074】
[0074] 一部の実施形態において、本発明の方法により処置される患者は、BMIが少なくとも約85パーセンタイルから少なくとも約95パーセンタイル、少なくとも約86パーセンタイルから少なくとも約94パーセンタイル、少なくとも約87パーセンタイルから少なくとも約93パーセンタイル、少なくとも約88パーセンタイルから少なくとも約92パーセンタイル、少なくとも約89パーセンタイルから少なくとも約90パーセンタイル(すべての範囲とその部分範囲を含む)、及び本明細書に記載のいずれかである児童又は青少年であって、過体重又は前肥満と見なされる。一部の実施形態において、患者のBMIは、少なくとも約95パーセンタイル、少なくとも約96パーセンタイル、少なくとも約97パーセンタイル、少なくとも約98パーセンタイル、少なくとも約99パーセンタイル、又は少なくとも約100パーセンタイル(すべての範囲とその部分範囲を含む)、及び本明細書に記載のいずれかのBMIパーセンタイルであって、肥満と見なされる。一実施形態において、患者は約5歳〜約19歳、又は約7歳〜約18歳である。
【0075】
[0075] 一部の実施形態において、本開示の方法により処置される患者は、妊娠第一期から第三期の女性患者であり、BMIは少なくとも25から少なくとも約29.9、少なくとも約25.5から少なくとも約29、少なくとも約26から少なくとも約28.5、少なくとも約26.5から少なくとも約28、又は少なくとも約27から少なくとも約27.5(全ての範囲とその部分範囲を含む)で、過体重又は前肥満と見なされる。一部の実施形態において、患者は、妊娠第一期から第三期の女性患者であり、BMIは少なくとも約30から少なくとも約34.9、少なくとも約30.5から少なくとも約34、少なくとも約31から少なくとも約33.5、少なくとも約31.5から少なくとも約33、又は少なくとも約32から少なくとも約32.5(全ての範囲とその部分範囲を含む)で、肥満と見なされる。一部の実施形態において、本開示の方法により処置される患者は、妊娠第一期から第三期の女性患者であり、BMIは少なくとも約35から少なくとも約39.9、少なくとも約35.5から少なくとも約39、少なくとも約36から少なくとも約38.5、少なくとも約36.5から少なくとも約38、少なくとも約37から少なくとも約37.5(全ての範囲とその部分範囲を含む)で、高度肥満と見なされる。
【0076】
[0076] 一部の実施形態において、BMIの算出方法として体重(kg単位)/(メートル単位の高さ)
2、体重(ポンド単位)/(インチ単位の高さ)
2×703などの方法が挙げられるが、これらに限られない。
【0077】
[0077] 一部の実施形態において、本開示の方法により処置される患者は、代替的に、少なくとも約110%、少なくとも約111%、少なくとも約112%、少なくとも約113%、少なくとも約114%、少なくとも約115%、少なくとも約116%、少なくとも約117%、少なくとも約118%、少なくとも約119%、少なくとも約120%、少なくとも約121%、少なくとも約122%、少なくとも約123%、少なくとも約124%、少なくとも約125%、少なくとも約126%、少なくとも約127%、少なくとも約128%、少なくとも約129%、少なくとも約130%、少なくとも約131%、少なくとも約132%、少なくとも約133%、少なくとも約134%、少なくとも約135%、少なくとも約136%、少なくとも約137%、少なくとも約138%、少なくとも約139%、少なくとも約140%、少なくとも約141%、少なくとも約142%、少なくとも約143%、少なくとも約144%、少なくとも約145%、少なくとも約146%、少なくとも約147%、少なくとも約148%、少なくとも約149%、少なくとも約150%、少なくとも約151%、少なくとも約152%、少なくとも約153%、少なくとも約154%、少なくとも約155%、少なくとも約156%、少なくとも約157%、少なくとも約158%、少なくとも約159%、少なくとも約160%、少なくとも約161%、少なくとも約162%、少なくとも約163%、少なくとも約164%、少なくとも約165%、少なくとも約166%、少なくとも約167%、少なくとも約168%、少なくとも約169%、少なくとも約170%、少なくとも約171%、少なくとも約172%、少なくとも約173%、少なくとも約174%、少なくとも約175%、少なくとも約176%、少なくとも約177%、少なくとも約178%、少なくとも約179%、少なくとも約180%、少なくとも約181%、少なくとも約182%、少なくとも約183%、少なくとも約184%、少なくとも約185%、少なくとも約186%、少なくとも約187%、少なくとも約188%、少なくとも約189%、少なくとも約190%、少なくとも約191%、少なくとも約192%、少なくとも約193%、少なくとも約194%、少なくとも約195%、少なくとも約196%、少なくとも約197%、少なくとも約198%、少なくとも約199%、少なくとも約200%、少なくとも約201%、少なくとも約202%、少なくとも約203%、少なくとも約204%、少なくとも約205%、少なくとも約206%、少なくとも約207%、少なくとも約208%、少なくとも約209%、少なくとも約210%、少なくとも約211%、少なくとも約212%、少なくとも約213%、少なくとも約214%、少なくとも約215%、少なくとも約216%、少なくとも約217%、少なくとも約218%、少なくとも約219%、少なくとも約220%、少なくとも約221%、少なくとも約222%、少なくとも約223%、少なくとも約224%、少なくとも約225%、少なくとも約226%、少なくとも約227%、少なくとも約228%、少なくとも約229%、少なくとも約230%、少なくとも約231%、少なくとも約232%、少なくとも約233%、少なくとも約234%、少なくとも約235%、少なくとも約236%、少なくとも約237%、少なくとも約238%、少なくとも約239%、少なくとも約240%、少なくとも約241%、少なくとも約242%、少なくとも約243%、少なくとも約244%、少なくとも約245%、少なくとも約246%、少なくとも約247%、少なくとも約248%、少なくとも約249%、少なくとも約250%、少なくとも約251%、少なくとも約252%、少なくとも約253%、少なくとも約254%、少なくとも約255%、少なくとも約256%、少なくとも約257%、少なくとも約258%、少なくとも約259%、少なくとも約260%、少なくとも約261%、少なくとも約262%、少なくとも約263%、少なくとも約264%、少なくとも約265%、少なくとも約266%、少なくとも約267%、少なくとも約268%、少なくとも約269%、少なくとも約270%、少なくとも約271%、少なくとも約272%、少なくとも約273%、少なくとも約274%、少なくとも約275%、少なくとも約276%、少なくとも約277%、少なくとも約278%、少なくとも約279%、又は少なくとも約280%(すべての範囲とその部分範囲を含む)の理想体重比(%IBW)及び本明細書に記載のいずれかの理想体重比(%IBW)有するものとして説明することもできる。。一実施形態において、患者は、少なくとも約150%の%理想体重(IBW)を有する。一実施形態において、患者は、少なくとも約250%の%理想体重(IBW)を有する。別の実施形態において、患者は少なくとも150%の%IBWを有し、肥満とみなすことができる。
【0078】
[0078] 一部の実施形態において、本開示により処置される患者は、約32インチ超、約33インチ超、約34インチ超、約35インチ超、約36インチ超、約37インチ超、約38インチ超、約39インチ超、約40インチ超、約41インチ超、約42インチ超、約43インチ超、約44インチ超、約45インチ超、約46インチ超、約47インチ超、約48インチ超、約49インチ超、約50インチ超、約51インチ超、約52インチ超、約53インチ超、約54インチ超、約55インチ超、約56インチ超、約57インチ超、約58インチ超、約59インチ超、約60インチ超、約61インチ超、約62インチ超、約63インチ超、約64インチ超、約65インチ超(すべての範囲とその部分範囲を含む)、及び本明細書に記載のいずれかのウェストサイズ又は胴囲を有するものとして説明することもできる。一実施形態において、約42インチのウェストサイズ又は胴囲を有する患者は、肥満と見なされる。他の実施形態において、患者は約48インチを超えるウェストサイズ又は胴囲を有する。他の実施形態において、患者のウェストサイズ又は胴囲は、少なくとも42インチである。
【0079】
[0079] 一部の実施形態において、本開示の方法により処置される患者は、約20%超、約21%超、約22%超、約23%超、約24%超、約25%超、約26%超、約27%超、約28%超、約29%超、約30%超、約31%超、約32%超、約33%超、約34%超、約35%超、約36%超、約37%超、約38%超、約39%超、約40%超、約41%超、約42%超、約43%超、約44%超、約45%超、約46%超、約47%超、約48%超、約49%超、又は約50%超(全ての範囲とその部分範囲を含む)の体脂肪率、及び本明細書に記載のいずれかの体脂肪率を有するものとして説明することもできる。一実施形態において、患者の体脂肪率は約40%を超える。一実施形態において、患者の体脂肪率は少なくとも約50%である。他の実施形態において、体脂肪率が約40%を超える患者は肥満と見なされる。一部の実施形態において、体脂肪率の算出方法は、総体脂肪を総体重の割合として表す方法を含むが、これに限らない。肥満に関する他の判定基準を用いることもできる。例えば、米国運動審議会は、女性の体脂肪の「平均」割合を約25〜31%、男性は約18〜24%、肥満女性の場合は約32%以上、肥満男性の場合は約 25%以上との定義を提示している。
【0080】
[0080] 他の実施形態において、患者は、代替的に、約30%超、約31%超、約32%超、約33%超、約34%超、約35%超、約36%超、約37%超、約38%超、約39%超、約40%超、約41%超、約42%超、約43%超、約44%超、約45%超、約46%超、約47%超、約48%超、約49%超、約50%超、約51%超、約52%超、約53%超、約54%超、約55%超、約56%超、約57%超、約58%超、約59%超、約60%超、約61%超、約62%超、約63%超、約64%超、約65%超、約66%超、約67%超、約68%超、約69%超、約70%超、約71%超、約72%超、約73%超、約74%超、約75%超、約76%超、約77%超、約78%超、約79%超、又は約80%超(全ての範囲とその部分範囲を含む)のアンドロイド型体脂肪率、及び本明細書に記載のいずれかのアンドロイド型体脂肪率を有するものとして説明することもできる。一実施形態において、約40%を超える%のアンドロイド型体脂肪率を有する患者を肥満とみなすことができる。一実施形態において、約50%を超える%のアンドロイド型体脂肪率を有する患者を肥満とみなすことができる。
【0081】
[0081] 他の実施形態において、患者は、代替的に、少なくとも約30%、少なくとも約31%、少なくとも約32%、少なくとも約33%、少なくとも約34%、少なくとも約35%、少なくとも約36%、少なくとも約37%、少なくとも約38%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約41%、少なくとも約42%、少なくとも約43%、少なくとも約44%、少なくとも約45%、少なくとも約46%、少なくとも約47%、少なくとも約48%、少なくとも約49%、少なくとも約50%、少なくとも約51%、少なくとも約52%、少なくとも約53%、少なくとも約54%、少なくとも約55%、少なくとも約56%、少なくとも約57%、少なくとも約58%、少なくとも約59%、少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、又は少なくとも約80%(全ての範囲とその部分範囲を含む)のアンドロイド型体脂肪率、及び本明細書に記載のいずれかのアンドロイド型体脂肪率を有するものとして説明することもできる。一実施形態において、患者は、少なくとも約50%のアンドロイド型体脂肪率を有する。
【0082】
[0082] 他の実施形態において、患者は、代替的に、約30%超、約31%超、約32%超、約33%超、約34%超、約35%超、約36%超、約37%超、約38%超、約39%超、約40%超、約41%超、約42%超、約43%超、約44%超、約45%超、約46%超、約47%超、約48%超、約49%超、約50%超、約51%超、約52%超、約53%超、約54%超、約55%超、約56%超、約57%超、約58%超、約59%超、約60%超、約61%超、約62%超、約63%超、約64%超、約65%超、約66%超、約67%超、約68%超、約69%超、約70%超、約71%超、約72%超、約73%超、約74%超、約75%超、約76%超、約77%超、約78%超、約79%超、又は約80%超(全ての範囲とその部分範囲を含む)のジノイド型体脂肪率、及び本明細書に記載のいずれかのジノイド型体脂肪率を有するものとして説明することもできる。一実施形態において、約40%超のジノイド体脂肪率を有する患者は、肥満とみなすことができる。一実施形態において、約50%より大きい%ジノイド体脂肪を有する患者は、肥満とみなすことができる。
【0083】
[0083]他の実施形態において、患者は、代替的に、約30kg超、約31kg超、約32kg超、約33kg超、約34kg超、約35kg超、約36kg超、約37kg超、約38kg超、約39kg超、約40kg超、約41kg超、約42kg超、約43kg超、約44kg超、約45kg超、約46kg超、約47kg超、約48kg超、約49kg超、約50kg超、約51kg超、約52kg超、約53kg超、約54kg超、約55kg超、約56kg超、約57kg超、約58kg超、約59kg超、約60kg超、約61kg超、約62kg超、約63kg超、約64kg超、約65kg超、約66kg超、約67kg超、約68kg超、約69kg超、約70kg超、約71kg超、約72kg超、約73kg超、約74kg超、約75kg超、約76kg超、約77kg超、約78kg超、約79kg超、約80kg超、約81kg超、約82kg超、約83kg超、約84kg超、約85kg超、約86kg超、約87kg超、約88kg超、約89kg超、約90kg超、約91kg超、約92kg超、約93kg超、約94kg超、約95kg超、約96kg超、約97kg超、約98kg超、約99kg超、約100kg超、少なくとも101kg、少なくとも102kg、少なくとも103kg、少なくとも104kg、少なくとも105kg、少なくとも106kg、少なくとも107kg、少なくとも108kg、少なくとも109kg、又は少なくとも110kg(全ての範囲とその部分範囲を含む)の総体脂肪、及び本明細書に記載のいずれかの総体脂肪を有するものとして説明することもできる。一実施形態において、約40kg超の総体脂肪を有する患者を肥満とみなすことができる。一実施形態において、約50kg超の総体脂肪を有する患者を肥満とみなすことができる。
【0084】
[0084] 他の実施形態において、本開示の方法により処置される患者の肥満状態は、ウエスト・ヒップ比で測定することができる。他の実施形態において、患者の肥満状態は、皮膚の厚さで測定することができる。他の実施形態において、患者の肥満状態は、生体電気インピーダンスで測定することができる。他の実施形態において、患者の肥満状態は、水中計量又はデンシトメトリーで測定することができる。他の実施形態において、患者の肥満状態は、空気置換法で測定することができる。他の実施形態において、患者の肥満状態は、希釈法又は比重測定法で測定することができる。他の実施形態において、患者の肥満状態は、二重エネルギーX線吸収測定法で測定することができる。他の実施形態において、患者の肥満状態は、コンピューター断層撮影と磁気共鳴画像で測定することができる。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法を用いるとき、臨床基準、従来の基準、及び/又は世界保健機関及び疾病対策予防センター(Center of Disease Control)により刊行された基準(両方ともあらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる)を採用して肥満状態を定義することもできるが、これに限らない。例えば、WHOは肥満をBMI30以上、過体重をBMI25以上(30未満)と定義する。同様に、CDCはBMI18.5〜25未満までを正常、25.0〜30未満までを過体重、30.0以上を肥満と定義する。CDCは肥満を3クラスに更に細分化し、BMI30〜35未満をクラス1、BMI35〜40未満をクラス2、BMI40以上をクラス3としている。CDCは、クラス3の肥満を「極度」の肥満、又は「重度」の肥満と称するときがある。
【0085】
[0085] 一部の実施形態において、本開示の方法により処置される患者は、本明細書に記載の生理的特性を2つ以上有し得る。例えば、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、ウェストサイズは約42インチ超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、アンドロイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、ジノイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、総体脂肪は約40kg超である。他の様々な実施形態において、患者は、本明細書に記載の特定の生理指標のうち任意の2つ以上を組み合わせて有してもよい。
【0086】
[0086] 一部の実施形態において、患者は本明細書に記載の生理指標を3つ以上有してもよく、例えばBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、アンドロイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ジノイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、総体脂肪は約40kg超である。他の様々な実施形態において、患者は、本明細書に記載の特定の生理指標のうち任意の3つ以上を組み合わせて有してもよい。
【0087】
[0087] 一部の実施形態において、患者は本明細書に記載の生理指標を4つ以上有してもよく、例えば患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超、体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超、アンドロイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超、女性体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超、総体脂肪は約43kg超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超、体脂肪率は約40%超、アンドロイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超、体脂肪率は約40%超、ジノイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超、体脂肪率は約40%超、総体脂肪は約40kg超である。一部の実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超、体脂肪率は約40%超、アンドロイド型体脂肪率は約40%超、ジノイド型体脂肪率は約40%超、総体脂肪は約40kg超である。一実施形態において、患者のBMIは少なくとも約35、理想体重比は少なくとも150%、ウェストサイズは約42インチ超、体脂肪率は約40%超、アンドロイド型体脂肪率は約40%超、ジノイド型体脂肪率は約40%超、総体脂肪は約40kg超である。他の様々な実施形態において、患者は、本明細書に記載の特定の生理指標の一部又は全部を組み合わせて有してもよい。
【0088】
[0088] 一部の実施形態において、患者のウェストサイズは約42インチ超、体脂肪率は約40%超、アンドロイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のウェストサイズは約42インチ超、体脂肪率は約40%超、ジノイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者のウェストサイズは約42インチ超、体脂肪率は約40%超、総体脂肪は約40kg超である。
【0089】
[0089] 一部の実施形態において、患者の体脂肪率は約40%超、アンドロイド型体脂肪率は約40%超、ジノイド型体脂肪率は約40%超である。一部の実施形態において、患者の体脂肪率は約40%超、アンドロイド型体脂肪率は約40%超、総体脂肪は約40kg超である。一部の実施形態において、患者の体脂肪率は約40%超、ジノイド型体脂肪率は約40%超、総体脂肪は約40kg超である。一部の実施形態において、患者のアンドロイド型体脂肪率は約40%超、ジノイド型体脂肪率は約40%超、総体脂肪は約43kg超である。一部の実施形態において、患者は、本明細書に記載の肥満特性の任意の組み合わせを有してもよい。
【0090】
[0090] 一部の実施形態において、本明細書に記載の肥満特性を少なくとも1つ有する患者は、CYP3A4中活性型代謝者である。一部の実施形態において、本明細書に記載の肥満特性を少なくとも1つ有する患者は、CYP3A4低活性型代謝者である。一部の実施形態において、本明細書に記載の肥満特性を少なくとも1つ有する患者は、CYP3A4正常代謝者である。他のさらなる実施形態において、患者は肥満ではなく、例えば正常体重を有しているが、CYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である。
【0091】
[0091] あるいは、一部の実施形態において、CYP3A4遺伝子型は、標的バリアント分析を用いてテストすることができる。一部の実施形態において、CYP3A4遺伝子型は、選択されたエクソンの配列分析を用いてテストすることができる。
【0092】
[0092] 様々な実施形態において、本開示は更に、事前にポサコナゾール処置された患者を、強力なCYP3A4阻害剤、例えばポサコナゾールとの併用が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて処置する方法を開示し、CYP3A4基質薬物はAUCをCYP3A4基質薬物の通常ベースラインAUC(上記の定義を参照)の約450%以下、例えば、CYP3A4基質薬物の通常ベースラインAUCの約445%以下、約440%以下、約435%以下、430%以下、約425%以下、約420%以下、約415%以下、約410%以下、約405%以下、約400%以下、約395%以下、約390%以下、約385%以下、約380%以下、約375%以下、約370%以下、約365%以下、約360%以下、約355%以下、約350%以下、約345%以下、約340%以下、約335%、330%以下、約325%以下、約320%以下、約315%以下、約310%以下、約305%以下、又は約300%以下、約295%以下、約290%以下、約285%以下、約280%以下、約275%以下、約270%以下、約265%以下、約260%以下、約255%以下、約250%以下、約245%以下、約240%以下、約235%以下、230%以下、約225%以下、約220%以下、約216%以下、約215%以下、約210%以下、約205%以下、約200%以下、約195%以下、約190%以下、約185%以下、約180%以下、約175%以下、約170%以下、約165%以下、約160%以下、約155%以下、約150%以下、約145%以下、約140%以下、約135%以下、130%以下、約125%以下、約120%以下、約115%以下、約110%以下、約105%以下、又は約100%以下(すべての範囲とその部分範囲を含む)に維持している。具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物はラノラジンであって、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する。本明細書において、「ラノラジンの通常ベースラインAUC」とは、他の薬物がない状態で、特定の用量のラノラジンに対して測定される定常状態のAUC
0−12を示す。一部の実施形態において、定常状態のAUC
0−12(%CV)は、ラノラジン500mgの投与後に測定すると、13,720(67.0%)ng*h/mLである。一部の実施形態において、定常状態のAUC
0−12(%CV)は、ラノラジン1000mgの投与後に測定すると、32,091(42.2%)ng*h/mLである。他の具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物はルラシドンであって、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する。本明細書において、「ルラシドンの通常ベースラインAUC」とは、他の薬物がない状態で、特定の用量のルラシドンに対して測定される平均AUC
0−tauを示す。一部の実施形態において、平均AUC
0−tauは、350kcalの食事をした状態でルラシドン120mgを投与した後に測定すると、約743ng*h/mLである。他の具体的な実施形態において、CYP3A4薬物はタダラフィルであって、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する。本明細書において、「タダラフィルの通常ベースラインAUC」とは、他の薬物がない状態で、特定の用量のタダラフィルに対して測定される平均AUC
0−∞(%CV)を示す。一部の実施形態において、平均AUC
0−∞(%CV)は、タダラフィル10mgの投与後に測定すると、約3647(34.0%)μg*h/Lである。一部の実施形態において、平均AUC
0−∞(%CV)は、タダラフィル20mgに対して約13,006(43.9%)μg*h/Lである。一部の実施形態において、平均AUC
0−∞(%CV)は、タダラフィル20mgに対して約7,000〜約13,000(40.0%)μg*h/Lである。
【0093】
[0093] 他の様々な実施形態において、本開示は、事前にポサコナゾール処置された患者の処置を行う方法であって、本明細書に記載の通り、方法は、ポサコナゾール処置を中止してから約2〜21日間、強力なCYP3A4阻害剤との併用が禁じられているCYP3A4基質薬物の用量を減らして(例えば、基準用量の約10%〜90%)処置を行う、あるいは、減らした用量を処方することを含む方法を開示し、CYP3A4基質薬物は、AUCをCYP3A4基質薬物の通常ベースラインAUC(上記の定義を参照)の約450%以下、例えば、CYP3A4基質薬物の通常ベースラインAUCの約445%以下、約440%以下、約435%以下、430%以下、約425%以下、約420%以下、約415%以下、約410%以下、約405%以下、約400%以下、約395%以下、約390%以下、約385%以下、約380%以下、約375%以下、約370%以下、約365%以下、約360%以下、約355%以下、約350%以下、約345%以下、約340%以下、約335%以下、330%以下、約325%以下、約320%以下、約315%以下、約310%以下、約305%以下、約300%以下、約295%以下、約290%以下、約285%以下、約280%以下、約275%以下、約270%以下、約265%以下、約260%以下、約255%以下、約250%以下、約245%以下、約240%以下、約235%以下、230%以下、約225%以下、約220%以下、約216%以下、約215%以下、約210%以下、約205%以下、約200%以下、約195%以下、約190%以下、約185%以下、約180%以下、約175%以下、約170%以下、約165%以下、約160%以下、約155%以下、約150%以下、約145%以下、約140%以下、約135%以下、130%以下、約125%以下、約120%以下、約115%以下、約110%以下、約105%以下、又は約100%以下(全ての範囲とその部分範囲を含む)に維持している。具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する。他の具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物がルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する。他の具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物がタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する。他の具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物がタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約260%以下のレベルを維持する。他の具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物がタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約207%以下のレベルを維持する。
【0094】
[0094] 様々な実施形態において、本開示は更に、事前にポサコナゾール処置された患者を、強力なCYP3A4阻害剤、例えばポサコナゾールとの併用が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて処置する方法を開示し、CYP3A4基質薬物はC
maxをCYP3A4基質薬物の通常ベースラインC
maxの約210%以下、例えば、約210%以下、約205%以下、約200%以下、約195%以下、190%以下、約185%以下、約180%以下、約175%以下、約170%以下、165%以下、約160%以下、約155%以下、約150%以下、約145%以下、約140%以下、約135%以下、約130%以下、約125%以下、約120%以下、約115%以下、約110%以下、約105%以下、又は約100%以下(全ての範囲とその部分範囲を含む)に維持している。具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物はラノラジンであって、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する。本明細書において、「ラノラジンの通常ベースラインC
max」とは、他の薬物がない状態で、特定の用量のラノラジンに対して測定される定常状態のC
maxを示す。一部の実施形態において、定常状態のC
max(%CV)は、ラノラジン500mgの投与後に測定すると、1081(49.1%)ng/mLである。一部の実施形態において、定常状態のC
max(%CV)は、ラノラジン1000mgの投与後に測定すると、1955(54.0%)ng/mLである。他の具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物はルラシドンであって、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する。本明細書において、「ルラシドンの通常ベースラインC
max」とは、他の薬物がない状態で、特定の用量のルラシドンに対して測定される平均C
maxを示す。一部の実施形態において、平均C
max(%CV)は、350kcalの食事をした状態でルラシドン120mgを投与した後に測定すると、約160ng/mLである。他の具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物はタダラフィルであって、タダラフィルのC
maxは、タダラフィルの通常ベースラインC
maxの約120%以下のレベルを維持する。本明細書において、「タダラフィルの通常ベースラインC
max」とは、他の薬物がない状態で、特定の用量のタダラフィルに対して測定される平均C
maxを示す。一部の実施形態において、平均C
max(%CV)は、タダラフィル10mgの投与後に測定すると、約190(21.7%)μg/Lである。一部の実施形態において、平均C
max(%CV)は、タダラフィル20mgの投与後に測定すると、約548(24.0%)μg/Lである。
【0095】
[0095] 他の様々な実施形態において、本開示は、ポサコナゾール処置を中止してから少なくとも約2日間から少なくとも約21日間、強力なCYP3A4阻害剤との併用が禁じられているCYP3A4基質薬物の用量を減らして(例えば、基準用量の約10%〜50%)、事前にポサコナゾールを服用している患者に対して処置を行う方法を開示し、CYP3A4基質薬物は、C
maxをCYP3A4基質薬物の通常ベースラインC
maxの約250%以下、例えば、CYP3A4基質薬物の通常ベースラインC
maxの約250%以下、約245%以下、約240%以下、約235%以下、230%以下、約225%以下、約220%以下、約215%以下、約210%以下、205%以下、約200%以下、約195%以下、約190%以下、約185%以下、約180%以下、約175%以下、約170%以下、約165%以下、約160%以下、約155%以下、約150%以下、約145%以下、約140%以下、約135%以下、130%以下、約125%以下、約120%以下、約115%以下、約110%以下、約105%以下、又は約100%以下(全ての範囲とその部分範囲を含む)に維持している。具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する。他の具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物がルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する。他の具体的な実施形態において、CYP3A4基質薬物がタダラフィルであり、タダラフィルのC
maxは、タダラフィルの通常ベースラインC
maxの約120%以下のレベルを維持する。
【0096】
[0096] CYP3A4基質薬物がラノラジンである実施形態において、ラノラジンの1日用量は約500mg以下、例えば、約490mg、約480mg、約470mg、約460mg、約450mg、約440mg、約430mg、約420mg、約410mg、約400mg、約390mg、約380mg、約370mg、360mg、約350mg、約340mg、約330mg、約320mg、約310mg、約300mg、約290mg、約280mg、約270mg、260mg、約250mg、約240mg、約230mg、約220mg、約210mg、約100mg、約190mg、約180mg、約170mg、160mg、約150mg、約140mg、約130mg、約120mg、約110mg、約100mg、約90mg、約80mg、約70mg、約60mg、又は約50mg(全ての範囲とその部分範囲を含む)であり、ポサコナゾール養生療法の中断から少なくとも2〜21日間処置を延期する、あるいは、ポサコナゾール養生療法の中断から約2〜21日間用量を減らすものとする。
【0097】
[0097] CYP3A4基質薬物がルラシドンである実施形態において、ルラシドンの1日用量は約80mg以下、例えば、約75mg、約70mg、約65mg、約60mg、約55mg、約50mg、約45mg、約40mg、約35mg、約30mg、約25mg、約20mg、約15mg、又は約10mg(全ての範囲とその部分範囲を含む)であり、ポサコナゾール養生療法の中断から少なくとも2〜21日間処置を延期する、あるいは、ポサコナゾール養生療法の中断から約2〜21日間用量を減らすものとする。
【0098】
[0098] CYP3A4基質薬物がタダラフィルである実施形態において、タダラフィルの1日用量は約2.5mg以下、例えば、約2.25mg、約2.0mg、約1.75mg、約1.5mg、約1.25mg、約1.0mg、約0.75mg、又は約0.5mg(全ての範囲とその部分範囲を含む)であり、ポサコナゾール養生療法の中断から少なくとも2〜21日間処置を延期する、あるいは、ポサコナゾール養生療法の中断から約2〜21日間用量を減らすものとする。
【0099】
[0099] CYP3A4基質薬物がタダラフィルである他の実施形態において、タダラフィルの72時間当たりの用量は約10mg以下、例えば、約9.5mg、約9.0mg、約8.5mg、約8.0mg、約7.5mg、約7.0mg、約6.5mg、約6.0mg、約5.5mg、約5.0mg、約4.5mg、約4.0mg、約3.5mg、約3.0mg、約2.5mg、約2.0mg、約1.5mg、約1.0mg、又は0.5mg(全ての範囲とその部分範囲を含む)であり、ポサコナゾール養生療法の中断から少なくとも2〜21日間処置を延期する、あるいは、ポサコナゾール養生療法の中断から約2〜21日間用量を減らすものとする。
【0100】
[00100] 一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物による処置の延期期間、あるいは減らしたCYP3A4基質の用量(例えば、基準用量の約90%以下、約75%、約50%、約25%など)で患者を処置する期間は、報告されているポサコナゾールの平均t
1/2の少なくとも約1.5倍、例えば、約2倍、約2.5倍、約3倍、約3.5倍、約4倍、約4.5倍、約5倍、約5.5倍、約6倍、約6.5倍、約7倍、約7.5倍、約8倍、約8.5倍、約9倍、約9.5倍、約10倍(全ての範囲とその部分範囲を含む)である。
【0101】
[00101] 本開示は更に、CYP3A4基質薬物の投与に先だってポサコナゾールを投与されている患者に対し、本明細書に記載の疾病又は症状のいずれかを処置する目的で、CYP3A4基質薬物を用いて処置を行う、あるいは処置を処方する方法を提供する。CYP3A4基質薬物により処置可能な疾病又は症状の処置に加え、一部の実施形態において、本発明の方法は、ポサコナゾール投与中止後のCYP3A4基質薬物の投与に伴う副作用の重症度又は発生率を低下させる。実施形態において、方法は、(a)ポサコナゾールの複数回用量で患者を処置し、(b)ポサコナゾールの投与中はCYP3A4基質薬物を投与せず患者を処置し、(c)ポサコナゾール投与を中止し、(d)ポサコナゾール養生療法を中止してから少なくとも2〜21日間、CYP3A4基質薬物による処置を延期し、あるいはCYP3A4基質薬物による処置を延期するように処方し、(e)その後、CYP3A4基質薬物による処置を行うことを含む。他の実施形態において、方法は、(a)ポサコナゾールの複数回用量で患者を処置し、(b)ポサコナゾールの投与中はCYP3A4基質薬物を投与せず、(c)ポサコナゾール処置を中止し、(d)ポサコナゾール養生療法を中止してから少なくとも2〜21日間、CYP3A4基質薬物の基準用量の約50%以下の用量(例えば、上述した通り、基準用量の約10%〜約50%、又は約10%〜約90%の範囲の量)でCYP3A4基質薬物を用いて患者を処置することを含む。CYP3A4基質薬物により処置する疾患又は症状は、本明細書に記載の疾患又は症状、もしくはCYP3基質薬物の投与対象である疾患又は症状を含み得る。一部の実施形態において、疾患又は症状は、成人及び青少年(13〜17歳)の統合失調症、成人のI型双極性障害(双極性うつ病)に伴ううつ病エピソード(単剤療法、あるいはリチウム又はバルプロ酸による補助療法として)、慢性狭心症、勃起不全(ED)、前立腺肥大症(BPH)、肺動脈高血圧(PAH)(WHO分類第1群)(運動能力の改善を目的として)からなる群から選択された。一部の実施形態において、CYP3A4基質薬物投与の延期期間、あるいはCYP3A4基質薬物の基準用量の約50%以下の用量を投与する期間は、例えば本明細書に記載の生理的特性を1つ以上有する患者に対しては、約21日より長くなる。
【0102】
[00102] 他の具体的な実施形態を、以下に説明する。
【0103】
[00103] 1.治療的に有効なレジメンによりポサコナゾールを事前に投与された患者を、強力なCYP3A4阻害剤との併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて処置する方法であって、ポサコナゾール投与中止から少なくとも2〜21日後、CYP3A4基質薬物を用いて患者に対する最初の処置をする、あるいは最初の処置の開始を処方することを含む、方法。
【0104】
[00104] 2.CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ、コルヒチンからなる群から選択される、実施形態1の方法。
【0105】
[00105] 3.CYP3A4基質薬物はルラシドンである、実施形態2の方法。
【0106】
[00106] 4.CYP3A4基質薬物はラノラジンである、実施形態2の方法。
【0107】
[00107] 5.CYP3A4基質薬物はタダラフィルである、実施形態2の方法。
【0108】
[00108] 6.患者は肥満である、実施形態1から5のいずれかの方法。
【0109】
[00109] 7.患者は、下記のうち少なくとも1つの特性を有する、実施形態6の方法。
i)BMIが少なくとも約35。
ii)理想体重比が少なくとも約150%。
iii)ウェストサイズが約42インチを超える。
iv)体脂肪率が約40%を超える。
v)総体脂肪が約40kgを超える。
vi)医学的に肥満と診断された。
【0110】
[00110] 8.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する、実施形態1から7のいずれかの方法。
【0111】
[00111] 9.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する、実施形態1から7のいずれかの方法。
【0112】
[00112] 10.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する、実施形態1から7のいずれかの方法。
【0113】
[00113] 11.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する、実施形態1から7のいずれかの方法。
【0114】
[00114] 12.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する、実施形態1から7のいずれかの方法。
【0115】
[00115] 13.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのCmaxは、タダラフィルの通常ベースラインCmaxの約120%以下のレベルを維持する、実施形態1から7のいずれかの方法。
【0116】
[00116] 14.患者はCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である、実施形態1から10のいずれかの方法。
【0117】
[00117] 15.強力なCYP3A4阻害剤との併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて患者を処置する方法であって、
それを必要とする患者に、処置有効量のCYP3A4基質薬物により処置すること又は治療処置有効量のCYP3A4基質薬物を処方することを含み、
患者は、治療的に有効なレジメンによりポサコナゾールを事前に投与され、ポサコナゾール養生療法の中断から少なくとも2〜21日間、患者は、基準用量の約50%以下の用量のCYP3A4基質薬物により処置される、方法。
【0118】
[00118] 16.CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ、コルヒチンからなる群から選択される、実施形態15の方法。
【0119】
[00119] 17.CYP3A4基質薬物はルラシドンである、実施形態16の方法。
【0120】
[00120] 18.CYP3A4基質薬物はラノラジンである、実施形態16の方法。
【0121】
[00121] 19.CYP3A4基質薬物はタダラフィルである、実施形態16の方法。
【0122】
[00122] 20.患者は肥満である、実施形態15から19のいずれかの方法。
【0123】
[00123] 21.患者は、下記のうち少なくとも1つの特性を有する、実施形態20の方法。
i)BMIが少なくとも約35。
ii)理想体重比が少なくとも約150%。
iii)ウェストサイズが約42インチを超える。
iv)体脂肪率が約40%を超える。
v)総体脂肪が約40kgを超える。
vi)医学的に肥満と診断された。
【0124】
[00124] 22.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する、実施形態15から21のいずれかの方法。
【0125】
[00125] 23.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する、実施形態15から21のいずれかの方法。
【0126】
[00126] 24.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する、実施形態15から21のいずれかの方法。
【0127】
[00127] 25.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する、実施形態15から21のいずれかの方法。
【0128】
[00128] 26.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する、実施形態15から21のいずれかの方法。
【0129】
[00129] 27.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのCmaxは、タダラフィルの通常ベースラインCmaxの約120%以下のレベルを維持する、実施形態15から21のいずれかの方法。
【0130】
[00130] 28.患者はCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である、実施形態15から27のいずれかの方法。
【0131】
[00131] 29.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、1日用量は、ポサコナゾール養生療法の中断から少なくとも約2〜21日間500mg以下である、実施形態15の方法。
【0132】
[00132] 30.強力なCYP3A4阻害剤との併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて、ポサコナゾール処置も必要とする患者を処置する方法であって、
(a)ポサコナゾールの複数回用量で患者を処置すること、
(b)ポサコナゾール養療療法を行う間、及びポサコナゾール養生療法の中止から少なくとも2〜21日間は、患者にCYP3A4基質薬物による処置を行わないこと、
(c)処置有効量のCYP3A4基質薬物を用いて処置すること、又は処置の開始を処方すること、
を含み、
CYP3A4基質薬物による処置の対象となる疾患又は症状は、成人及び青少年(13〜17歳)の統合失調症、成人のI型双極性障害(双極性うつ病)に伴ううつ病エピソード(単剤療法、あるいはリチウム又はバルプロ酸による補助療法として)、慢性狭心症、CFTR遺伝子におけるF508del突然変異とホモ接合型である6歳以上の患者の嚢胞性線維症、少なくとも1種の前処置を受けている、17番染色体短腕欠失を有する患者の慢性リンパ性白血病、事前にアントラサイクリンを含む養生療法を受けている患者の切除不能又は転移性の脂肪肉腫又は平滑筋肉腫、ホルモン受容体(HR)陽性の閉経後の女性における進行性又は転移性乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行性又は転移性乳癌、陰性の進行性又は転移性乳癌(閉経後の女性に対するアロマターゼ阻害剤との併用)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、慢性腎臓疾患(CKD)を患う透析中の患者における二次性副甲状腺機能亢進症(HPT)、血清カルシウムレベルに基づいて副甲状腺切除が勧められたが、副甲状腺切除を受けることのできない原発性副甲状腺機能亢進症患者又は副甲状腺癌患者の高カルシウム血症、パーキンソン病精神障害による幻覚及び妄想、統合失調症、I型双極性障害に伴う急性躁病エピソード又は混合エピソード、慢性C型肝炎(CHC)感染(代償性肝疾患を患うHCV遺伝子1型感染被験体に対する、ペグインターフェロンα及びリバビリンを用いる併用抗ウイルス処置レジメンの構成要素として)、進行性のホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌(進行性HR+BC)を患う閉経後の女性(例えば、レトロゾール又はアナストロゾールによる処置失敗後、エキセメスタンと併用して)、膵臓起源の進行性神経内分泌腫瘍(PNET)、切除不能、且つ局所進行性又は転移性の胃腸(GI)又は肺起源の進行性の高分化型非機能性神経内分泌腫瘍(NET)、進行性腎細胞癌(RCC)(例えば、スニチニブ又はソラフェニブによる処置に失敗した後)、即時の手術を必要としない腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症(TSC)、処置介入の必要はあるが外科切除の対象ではない上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)を有する患者のTSC、成人のII型糖尿病(血糖コントロール改善のための食事及び運動療法の補助として)、大うつ病性障害(MDD)、急性冠症候群(ACS)患者の血栓性心血管イベント(例えば心血管死、心筋梗塞、脳卒中)、非弁膜症性心房細動を有する患者の脳卒中及び全身塞栓症、股関節又は膝関節置換手術を受けた患者の肺塞栓症(PE)を誘発する可能性がある深部静脈血栓症(DVT)、DVT、PE、初期処置に伴う再発性DVT及びPE、メトトレキサートに対して不十分な反応又は耐性を示した患者における中度〜重度の活動性関節リウマチ、前兆を伴う又は伴わない急性片頭痛、新たに診断を受けた患者、あるいはイマチニブを含む前処置に耐性又は不耐性を示す患者における、慢性期及び加速期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)、発作性又は持続性の心房細動又は心房粗動(AFK)の既往歴があり、洞調律の状態であるか除細動される患者の心房細動(AF)、4歳以上の患者における喘息、慢性閉塞性肺疾患を有する患者の閉塞性肺及び増悪減少、勃起不全(ED)、前立腺肥大症(BPH)、肺動脈高血圧(PAH)(WHO分類第1群)(運動能力の改善を目的として)、痛風発赤、家族性地中海熱、抗レトロウイルス療法、不安障害、パニック障害、発作、不眠症、高血圧、心血管疾患、高脂血症、原発性腎癌、進行性原発性肝癌、放射性ヨウ素耐性進行性甲状腺癌、腎細胞癌などの癌、イマチニブ耐性消化管間質腫瘍、少なくとも1回の前処置を受けた患者のマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、17番染色体短腕欠失を伴う慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、全身処置を必要とし、少なくとも1回の抗CD20系処置された患者の辺縁帯リンパ腫、BRAF V600E又はV600K突然変異を伴う慢性又は転移性黒色腫、アレルギー並びに移植からなる群から選択される、方法。
【0133】
[00133] 31.CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ及びコルヒチンからなる群から選択される、実施形態30の方法。
【0134】
[00134] 32.CYP3A4基質薬物はルラシドンである、実施形態31の方法。
【0135】
[00135] 33.CYP3A4基質薬物はラノラジンである、実施形態31の方法。
【0136】
[00136] 34.CYP3A4基質薬物はタダラフィルである、実施形態31の方法。
【0137】
[00137] 35.患者は肥満である、実施形態30から34のいずれかの方法。
【0138】
[00138] 36.患者は、下記のうち少なくとも1つの特性を有する、実施形態35の方法。
i)BMIが少なくとも約35。
ii)理想体重比が少なくとも約150%。
iii)ウェストサイズが約42インチを超える。
iv)体脂肪率が約40%を超える。
v)総体脂肪が約40kgを超える。
vi)医学的に肥満と診断された。
【0139】
[00139] 37.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する、実施形態30から36のいずれかの方法。
【0140】
[00140] 38.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する、実施形態30から36のいずれかの方法。
【0141】
[00141] 39.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する、実施形態30から36のいずれかの方法。
【0142】
[00142] 40.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する、実施形態30から36のいずれかの方法。
【0143】
[00143] 41.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する、実施形態30から36のいずれかの方法。
【0144】
[00144] 42.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのCmaxは、タダラフィルの通常ベースラインCmaxの約120%以下のレベルを維持する、実施形態30から36のいずれかの方法。
【0145】
[00145] 43.患者はCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である、実施形態30から42のいずれかの方法。
【0146】
[00146] 44.強力なCYP3A4阻害剤との併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて、ポサコナゾール処置も必要とする患者を処置する方法であって、
(a)ポサコナゾールの複数回用量で患者を処置すること、
(b)ポサコナゾール養療療法を行う間は、患者にCYP3A4基質薬物による処置を行わないこと、
(c)ポサコナゾール養生療法の中止から少なくとも2〜21日間、基準用量の約50%以下の用量のCYP3A4基質薬物を用いて患者の処置をすること又は処方すること、
を含み、
CYP3A4基質薬物による処置の対象となる疾患又は症状は、成人及び青少年(13〜17歳)の統合失調症、成人のI型双極性障害(双極性うつ病)に伴ううつ病エピソード(単剤療法、あるいはリチウム又はバルプロ酸による補助療法として)、慢性狭心症、CFTR遺伝子におけるF508del突然変異とホモ接合型である6歳以上の患者の嚢胞性線維症、少なくとも1種の前処置を受けている、17番染色体短腕欠失を有する患者の慢性リンパ性白血病、事前にアントラサイクリンを含む養生療法を受けている患者の切除不能又は転移性の脂肪肉腫又は平滑筋肉腫、ホルモン受容体(HR)陽性の閉経後の女性における進行性又は転移性乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行性又は転移性乳癌、陰性の進行性又は転移性乳癌(閉経後の女性に対するアロマターゼ阻害剤との併用)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、慢性腎臓疾患(CKD)を患う透析中の患者における二次性副甲状腺機能亢進症(HPT)、血清カルシウムレベルに基づいて副甲状腺切除が勧められたが、副甲状腺切除を受けることのできない原発性副甲状腺機能亢進症患者又は副甲状腺癌患者の高カルシウム血症、パーキンソン病精神障害による幻覚及び妄想、統合失調症、I型双極性障害に伴う急性躁病エピソード又は混合エピソード、慢性C型肝炎(CHC)感染(代償性肝疾患を患うHCV遺伝子1型感染被験体に対する、ペグインターフェロンα及びリバビリンを用いる併用抗ウイルス処置レジメンの構成要素として)、進行性のホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌(進行性HR+BC)を患う閉経後の女性(例えば、レトロゾール又はアナストロゾールによる処置失敗後、エキセメスタンと併用して)、膵臓起源の進行性神経内分泌腫瘍(PNET)、切除不能、且つ局所進行性又は転移性の胃腸(GI)又は肺起源の進行性の高分化型非機能性神経内分泌腫瘍(NET)、進行性腎細胞癌(RCC)(例えば、スニチニブ又はソラフェニブによる処置に失敗した後)、即時の手術を必要としない腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症(TSC)、処置介入の必要はあるが外科切除の対象ではない上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)を有する患者のTSC、成人のII型糖尿病(血糖コントロール改善のための食事及び運動療法の補助として)、大うつ病性障害(MDD)、急性冠症候群(ACS)患者の血栓性心血管イベント(例えば心血管死、心筋梗塞、脳卒中)、非弁膜症性心房細動を有する患者の脳卒中及び全身塞栓症、股関節又は膝関節置換手術を受けた患者の肺塞栓症(PE)を誘発する可能性がある深部静脈血栓症(DVT)、DVT、PE、初期処置に伴う再発性DVT及びPE、メトトレキサートに対して不十分な反応又は耐性を示した患者における中度〜重度の活動性関節リウマチ、前兆を伴う又は伴わない急性片頭痛、新たに診断を受けた患者、あるいはイマチニブを含む前処置に耐性又は不耐性を示す患者における、慢性期及び加速期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)、発作性又は持続性の心房細動又は心房粗動(AFK)の既往歴があり、洞調律の状態であるか除細動される患者の心房細動(AF)、4歳以上の患者における喘息、慢性閉塞性肺疾患を有する患者の閉塞性肺及び増悪減少、勃起不全(ED)、前立腺肥大症(BPH)、肺動脈高血圧(PAH)(WHO分類第1群)(運動能力の改善を目的として)、少なくとも1回の前処置を受けた患者のマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、17番染色体短腕欠失を伴う慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、全身処置を必要とし、少なくとも1回抗CD20系処置された患者の辺縁帯リンパ腫、BRAF V600E又はV600K突然変異を伴う慢性又は転移性黒色腫、痛風発赤、家族性地中海熱からなる群から選択される、方法。
【0147】
[00147] 45.CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ、コルヒチンからなる群から選択される、実施形態44の方法。
【0148】
[00148] 46.CYP3A4基質薬物はルラシドンである、実施形態45の方法。
【0149】
[00149] 47.CYP3A4基質薬物はラノラジンである、実施形態45の方法。
【0150】
[00150] 48.CYP3A4基質薬物はタダラフィルである、実施形態45の方法。
【0151】
[00151] 49.患者は肥満である、実施形態44から48のいずれかの方法。
【0152】
[00152] 50.患者は、下記のうち少なくとも1つの特性を有する、実施形態49の方法。
i)BMIが少なくとも約35。
ii)理想体重比が少なくとも約150%。
iii)ウェストサイズが約42インチを超える。
iv)体脂肪率が約40%を超える。
v)総体脂肪が約40kgを超える。
vi)医学的に肥満と診断された。
【0153】
[00153] 51.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する、実施形態44から50のいずれかの方法。
【0154】
[00154] 52.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する、実施形態44から50のいずれかの方法。
【0155】
[00155] 53.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する、実施形態44から50のいずれかの方法。
【0156】
[00156] 54.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する、実施形態44から50のいずれかの方法。
【0157】
[00157] 55.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する、実施形態44から50のいずれかの方法。
【0158】
[00158] 56.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのCmaxは、タダラフィルの通常ベースラインCmaxの約120%以下のレベルを維持する、実施形態44から50のいずれかの方法。
【0159】
[00159] 57.患者はCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である、実施形態44から56のいずれかの方法。
【0160】
[00160] 58.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、1日用量は、ポサコナゾール養生療法の中断から少なくとも約2〜21日間500mg以下である、実施形態44の方法。
【0161】
[00161] 59.処置を必要とする患者を処置する方法であって、ポサコナゾール投与中止から約2〜21日が経過するまでCYP3A4基質薬物の最初の処置を延期することを含む、方法。
【0162】
[00162] 60.CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ、コルヒチンからなる群から選択される、実施形態59の方法。
【0163】
[00163] 61.CYP3A4基質薬物はルラシドンである、実施形態60の方法。
【0164】
[00164] 62.CYP3A4基質薬物はラノラジンである、実施形態60の方法。
【0165】
[00165] 63.CYP3A4基質薬物はタダラフィルである、実施形態60の方法。
【0166】
[00166] 64.患者は肥満である、実施形態59から63のいずれかの方法。
【0167】
[00167] 65.患者は、下記のうち少なくとも1つの特性を有する、実施形態64の方法。
i)BMIが少なくとも約35。
ii)理想体重比が少なくとも約150%。
iii)ウェストサイズが約42インチを超える。
iv)体脂肪率が約40%を超える。
v)総体脂肪が約40kgを超える。
vi)医学的に肥満と診断された。
【0168】
[00168] 66.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する、実施形態59から65のいずれかの方法。
【0169】
[00169] 67.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する、実施形態59から65のいずれかの方法。
【0170】
[00170] 68.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する、実施形態59から65のいずれかの方法。
【0171】
[00171] 68.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する、実施形態59から65のいずれかの方法。
【0172】
[00172] 69.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する、実施形態59から65のいずれかの方法。
【0173】
[00173] 70.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのCmaxは、タダラフィルの通常ベースラインCmaxの約120%以下のレベルを維持する、実施形態59から65のいずれかの方法。
【0174】
[00174] 80.患者はCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である、実施形態59から70のいずれかの方法。
【0175】
[00175] 81.強力なCYP3A4阻害剤との併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて、事前にポサコナゾールを服用している患者を処置する方法であって、ポサコナゾール投与の中止から少なくとも約2〜21日間、CYP3A4基質薬物の最初の処置を延期すること、又は最初の処置を延期するように処方することを含む、方法。
【0176】
[00176] 82.CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ、コルヒチンからなる群から選択される、実施形態81の方法。
【0177】
[00177] 83.CYP3A4基質薬物はルラシドンである、実施形態82の方法。
【0178】
[00178] 84.CYP3A4基質薬物はラノラジンである、実施形態82の方法。
【0179】
[00179] 85.CYP3A4基質薬物はタダラフィルである、実施形態45の方法。
【0180】
[00180] 86.患者は肥満である、実施形態81から85のいずれかの方法。
【0181】
[00181] 87.患者は、下記のうち少なくとも1つの特性を有する、実施形態86の方法。
i)BMIが少なくとも約35。
ii)理想体重比が少なくとも約150%。
iii)ウェストサイズが約42インチを超える。
iv)体脂肪率が約40%を超える。
v)総体脂肪が約40kgを超える。
vi)医学的に肥満と診断された。
【0182】
[00182] 88.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する、実施形態81から87のいずれかの方法。
【0183】
[00183] 89.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する、実施形態81から87のいずれかの方法。
【0184】
[00184] 90.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する、実施形態81から87のいずれかの方法。
【0185】
[00185] 91.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する、実施形態81から87のいずれかの方法。
【0186】
[00186] 92.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する、実施形態81から87のいずれかの方法。
【0187】
[00187] 93.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのCmaxは、タダラフィルの通常ベースラインCmaxの約120%以下のレベルを維持する、実施形態81から87のいずれかの方法。
【0188】
[00188] 94.患者はCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である、実施形態81から93のいずれかの方法。
【0189】
[00189] 95.強力なCYP3A4阻害剤との併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて患者を処置する方法であって、ポサコナゾール投与の中止から少なくとも約2〜21日間、基準用量の約50%以下の用量のCYP3A4基質薬物を用いて患者を処置する、又は処置を処方することを含む、方法。
【0190】
[00190] 96.CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ、コルヒチンからなる群から選択される、実施形態95の方法。
【0191】
[00191] 97.CYP3A4基質薬物はルラシドンである、実施形態96の方法。
【0192】
[00192] 98.CYP3A4基質薬物はラノラジンである、実施形態96の方法。
【0193】
[00193] 99.CYP3A4基質薬物はタダラフィルである、実施形態96の方法。
【0194】
[00194] 100.患者は肥満である、実施形態95から99のいずれかの方法。
【0195】
[00195] 101.患者は、下記のうち少なくとも1つの特性を有する、実施形態100の方法。
i)BMIが少なくとも約35。
ii)理想体重比が少なくとも約150%。
iii)ウェストサイズが約42インチを超える。
iv)体脂肪率が約40%を超える。
v)総体脂肪が約40kgを超える。
vi)医学的に肥満と診断された。
【0196】
[00196] 102.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する、実施形態95から101のいずれかの方法。
【0197】
[00197] 103.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する、実施形態95から101のいずれかの方法。
【0198】
[00198] 104.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する、実施形態95から101のいずれかの方法。
【0199】
[00199] 105.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する、実施形態95から101のいずれかの方法。
【0200】
[00200] 106.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する、実施形態95から101のいずれかの方法。
【0201】
[00201] 107.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのCmaxは、タダラフィルの通常ベースラインCmaxの約120%以下のレベルを維持する、実施形態95から101のいずれかの方法。
【0202】
[00202] 108.患者はCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である、実施形態95から107のいずれかの方法。
【0203】
[00203] 109.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、1日用量は、ポサコナゾール養生療法の中断から少なくとも約2〜21日間500mg以下である、実施形態95の方法。
【0204】
[00204] 110.強力なCYP3A4阻害剤との併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて患者の疾患又は症状を処置する方法であって、
(a)ポサコナゾール投与の中止から少なくとも約2〜21日間、CYP3A4基質薬物の最初の処置を延期すること、又は最初の処置を延期するように処方すること、及び、その後、
(b)CYP3A4基質薬物を投与すること
を含み、
CYP3A4基質薬物により処置する疾患又は症状は、成人及び青少年(13〜17歳)の統合失調症、成人のI型双極性障害(双極性うつ病)に伴ううつ病エピソード(単剤療法、あるいはリチウム又はバルプロ酸による補助療法として)、慢性狭心症、CFTR遺伝子におけるF508del突然変異とホモ接合型である6歳以上の患者の嚢胞性線維症、少なくとも1種の前処置を受けている、17番染色体短腕欠失を有する患者の慢性リンパ性白血病、事前にアントラサイクリンを含む養生療法を受けている患者の切除不能又は転移性の脂肪肉腫又は平滑筋肉腫、ホルモン受容体(HR)陽性の閉経後の女性における進行性又は転移性乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行性又は転移性乳癌、陰性の進行性又は転移性乳癌(閉経後の女性に対するアロマターゼ阻害剤との併用)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、慢性腎臓疾患(CKD)を患う透析中の患者における二次性副甲状腺機能亢進症(HPT)、血清カルシウムレベルに基づいて副甲状腺切除が勧められたが、副甲状腺切除を受けることのできない原発性副甲状腺機能亢進症患者又は副甲状腺癌患者の高カルシウム血症、パーキンソン病精神障害による幻覚及び妄想、統合失調症、I型双極性障害に伴う急性躁病エピソード又は混合エピソード、慢性C型肝炎(CHC)感染(代償性肝疾患を患うHCV遺伝子1型感染被験体に対する、ペグインターフェロンα及びリバビリンを用いる併用抗ウイルス処置レジメンの構成要素として)、進行性のホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌(進行性HR+BC)を患う閉経後の女性(例えば、レトロゾール又はアナストロゾールによる処置失敗後、エキセメスタンと併用して)、膵臓起源の進行性神経内分泌腫瘍(PNET)、切除不能、且つ局所進行性又は転移性の胃腸(GI)又は肺起源の進行性の高分化型非機能性神経内分泌腫瘍(NET)、進行性腎細胞癌(RCC)(例えば、スニチニブ又はソラフェニブによる処置に失敗した後)、即時の手術を必要としない腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症(TSC)、処置介入の必要はあるが外科切除の対象ではない上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)を有する患者のTSC、成人のII型糖尿病(血糖コントロール改善のための食事及び運動療法の補助として)、大うつ病性障害(MDD)、急性冠症候群(ACS)患者の血栓性心血管イベント(例えば心血管死、心筋梗塞、脳卒中)、非弁膜症性心房細動を有する患者の脳卒中及び全身塞栓症、股関節又は膝関節置換手術を受けた患者の肺塞栓症(PE)を誘発する可能性がある深部静脈血栓症(DVT)、DVT、PE、初期処置に伴う再発性DVT及びPE、メトトレキサートに対して不十分な反応又は耐性を示した患者における中度〜重度の活動性関節リウマチ、前兆を伴う又は伴わない急性片頭痛、新たに診断を受けた患者、あるいはイマチニブを含む前処置に耐性又は不耐性を示す患者における、慢性期及び加速期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)、発作性又は持続性の心房細動又は心房粗動(AFK)の既往歴があり、洞調律の状態であるか除細動される患者の心房細動(AF)、4歳以上の患者における喘息、慢性閉塞性肺疾患を有する患者の閉塞性肺及び増悪減少、勃起不全(ED)、前立腺肥大症(BPH)、肺動脈高血圧(PAH)(WHO分類第1群)(運動能力の改善を目的として)、痛風発赤、家族性地中海熱、抗レトロウイルス療法、不安障害、パニック障害、発作、不眠症、高血圧、心血管疾患、高脂血症、原発性腎癌、進行性原発性肝癌、放射性ヨウ素耐性進行性甲状腺癌、腎細胞癌などの癌、イマチニブ耐性消化管間質腫瘍、少なくとも1回の前処置を受けた患者のマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、17番染色体短腕欠失を伴う慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、全身処置を必要とし、少なくとも1回抗CD20系処置された患者の辺縁帯リンパ腫、BRAF V600E又はV600K突然変異を伴う慢性又は転移性黒色腫、アレルギー並びに移植からなる群から選択される、方法。
【0205】
[00205] 111.CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ、コルヒチンからなる群から選択される、実施形態110の方法。
【0206】
[00206] 112.CYP3A4基質薬物はルラシドンである、実施形態111の方法。
【0207】
[00207] 113.CYP3A4基質薬物はラノラジンである、実施形態111の方法。
【0208】
[00208] 114.CYP3A4基質薬物はタダラフィルである、実施形態111の方法。
【0209】
[00209] 115.患者は肥満である、実施形態110から114のいずれかの方法。
【0210】
[00210] 116.患者は、下記のうち少なくとも1つの特性を有する、実施形態115の方法。
i)BMIが少なくとも約35。
ii)理想体重比が少なくとも約150%。
iii)ウェストサイズが約42インチを超える。
iv)体脂肪率が約40%を超える。
v)総体脂肪が約40kgを超える。
vi)医学的に肥満と診断された。
【0211】
[00211] 117.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する、実施形態110から116のいずれかの方法。
【0212】
[00212] 118.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する、実施形態110から116のいずれかの方法。
【0213】
[00213] 119.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する、実施形態110から116のいずれかの方法。
【0214】
[00214] 120.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する、実施形態110から116のいずれかの方法。
【0215】
[00215] 121.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する、実施形態110から116のいずれかの方法。
【0216】
[00216] 122.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのCmaxは、タダラフィルの通常ベースラインCmaxの約120%以下のレベルを維持する、実施形態110から116のいずれかの方法。
【0217】
[00217] 123.患者はCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である、実施形態110から122のいずれかの方法。
【0218】
[00218] 124.強力なCYP3A4阻害剤との併用投与が禁じられているCYP3A4基質薬物を用いて患者を処置する方法であって、
(a)ポサコナゾール投与の中止から少なくとも約2〜21日間、CYP3A4基質薬物の最初の処置を延期すること、又は最初の処置を延期するように処方すること、及び、その後、
(d)ポサコナゾール投与の中止から少なくとも約2〜21日間、基準用量の約50%以下の用量のCYP3A4基質薬物を用いて患者の処置をすること、
を含み、
CYP3A4基質薬物により処置する疾患又は症状は、成人及び青少年(13〜17歳)の統合失調症、成人のI型双極性障害(双極性うつ病)に伴ううつ病エピソード(単剤療法、あるいはリチウム又はバルプロ酸による補助療法として)、慢性狭心症、CFTR遺伝子におけるF508del突然変異とホモ接合型である6歳以上の患者の嚢胞性線維症、少なくとも1種の前処置を受けている、17番染色体短腕欠失を有する患者の慢性リンパ性白血病、事前にアントラサイクリンを含む養生療法を受けている患者の切除不能又は転移性の脂肪肉腫又は平滑筋肉腫、ホルモン受容体(HR)陽性の閉経後の女性における進行性又は転移性乳癌、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行性又は転移性乳癌、陰性の進行性又は転移性乳癌(閉経後の女性に対するアロマターゼ阻害剤との併用)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、慢性腎臓疾患(CKD)を患う透析中の患者における二次性副甲状腺機能亢進症(HPT)、血清カルシウムレベルに基づいて副甲状腺切除が勧められたが、副甲状腺切除を受けることのできない原発性副甲状腺機能亢進症患者又は副甲状腺癌患者の高カルシウム血症、パーキンソン病精神障害による幻覚及び妄想、統合失調症、I型双極性障害に伴う急性躁病エピソード又は混合エピソード、慢性C型肝炎(CHC)感染(代償性肝疾患を患うHCV遺伝子1型感染被験体に対する、ペグインターフェロンα及びリバビリンを用いる併用抗ウイルス処置レジメンの構成要素として)、進行性のホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌(進行性HR+BC)を患う閉経後の女性(例えば、レトロゾール又はアナストロゾールによる処置失敗後、エキセメスタンと併用して)、膵臓起源の進行性神経内分泌腫瘍(PNET)、切除不能、且つ局所進行性又は転移性の胃腸(GI)又は肺起源の進行性の高分化型非機能性神経内分泌腫瘍(NET)、進行性腎細胞癌(RCC)(例えば、スニチニブ又はソラフェニブによる処置に失敗した後)、即時の手術を必要としない腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症(TSC)、処置介入の必要はあるが外科切除の対象ではない上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)を有する患者のTSC、成人のII型糖尿病(血糖コントロール改善のための食事及び運動療法の補助として)、大うつ病性障害(MDD)、急性冠症候群(ACS)患者の血栓性心血管イベント(例えば心血管死、心筋梗塞、脳卒中)、非弁膜症性心房細動を有する患者の脳卒中及び全身塞栓症、股関節又は膝関節置換手術を受けた患者の肺塞栓症(PE)を誘発する可能性がある深部静脈血栓症(DVT)、DVT、PE、初期処置に伴う再発性DVT及びPE、メトトレキサートに対して不十分な反応又は耐性を示した患者における中度〜重度の活動性関節リウマチ、前兆を伴う又は伴わない急性片頭痛、新たに診断を受けた患者、あるいはイマチニブを含む前処置に耐性又は不耐性を示す患者における、慢性期及び加速期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)、発作性又は持続性の心房細動又は心房粗動(AFK)の既往歴があり、洞調律の状態であるか除細動される患者の心房細動(AF)、4歳以上の患者における喘息、慢性閉塞性肺疾患を有する患者の閉塞性肺及び増悪減少、勃起不全(ED)、前立腺肥大症(BPH)、肺動脈高血圧(PAH)(WHO分類第1群)(運動能力の改善を目的として)、痛風発赤、家族性地中海熱、抗レトロウイルス療法、不安障害、パニック障害、発作、不眠症、高血圧、心血管疾患、高脂血症、原発性腎癌、進行性原発性肝癌、放射性ヨウ素耐性進行性甲状腺癌、腎細胞癌などの癌、イマチニブ耐性消化管間質腫瘍、少なくとも1回の前処置を受けた患者のマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、17番染色体短腕欠失を伴う慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、全身処置を必要とし、少なくとも1回抗CD20系処置された患者の辺縁帯リンパ腫、BRAF V600E又はV600K突然変異を伴う慢性又は転移性黒色腫、アレルギー並びに移植からなる群から選択される、方法。
【0219】
[00219] 125.CYP3A4基質薬物は、ルラシドン、ラノラジン、ルマカフトル/イバカフトル、ベネトクラックス、トラベクテジン、リボシクリブコハク酸塩、デフラザコルト、シナカルセト塩酸塩、ピマバンセリン酒石酸塩、アリピプラゾールラウロキシル、カリプラジン塩酸塩、シメプレビルナトリウム、エベロリムス、サクサグリプチン塩酸塩、サクサグリプチン/メトホルミン塩酸塩、チカグレロル、ビラゾドン塩酸塩、アピキサバン、トファシチニブクエン酸塩、エレトリプタン臭化水素酸塩、ニロチニブ塩酸塩水和物、ドロネダロン塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩、リバーロキサバン、タダラフィル、イブルチニブ、コビメチニブ、コルヒチンからなる群から選択される、実施形態124の方法。
【0220】
[00220] 126.CYP3A4基質薬物はルラシドンである、実施形態125の方法。
【0221】
[00221] 127.CYP3A4基質薬物はラノラジンである、実施形態125の方法。
【0222】
[00222] 128.CYP3A4基質薬物はタダラフィルである、実施形態125の方法。
【0223】
[00223] 129.患者は肥満である、実施形態124から128のいずれかの方法。
【0224】
[00224] 130.患者は、下記のうち少なくとも1つの特性を有する、実施形態129の方法。
i)BMIが少なくとも約35。
ii)理想体重比が少なくとも約150%。
iii)ウェストサイズが約42インチを超える。
iv)体脂肪率が約40%を超える。
v)総体脂肪が約40kgを超える。
vi)医学的に肥満と診断された。
【0225】
[00225] 131.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのAUCは、ラノラジンの通常ベースラインAUCの約150%以下のレベルを維持する、実施形態124から132のいずれかの方法。
【0226】
[00226] 132.CYP3A4基質薬物はラノラジンであり、ラノラジンのC
maxは、ラノラジンの通常ベースラインC
maxの約150%以下のレベルを維持する、実施形態124から132のいずれかの方法。
【0227】
[00227] 133.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのAUCは、ルラシドンの通常ベースラインAUCの約216%以下のレベルを維持する、実施形態124から132のいずれかの方法。
【0228】
[00228] 134.CYP3A4基質薬物はルラシドンであり、ルラシドンのC
maxは、ルラシドンの通常ベースラインC
maxの約210%以下のレベルを維持する、実施形態124から132のいずれかの方法。
【0229】
[00229] 135.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのAUCは、タダラフィルの通常ベースラインAUCの約410%以下のレベルを維持する、実施形態124から132のいずれかの方法。
【0230】
[00230] 136.CYP3A4基質薬物はタダラフィルであり、タダラフィルのCmaxは、タダラフィルの通常ベースラインCmaxの約120%以下のレベルを維持する、実施形態124から132のいずれかの方法。
【0231】
[00231] 137.患者はCYP3A4中活性型代謝者又はCYP3A4低活性型代謝者である、実施形態134から136のいずれかの方法。
【0232】
実施例
実施例1:ポサコナゾール及びルラシドンの薬物動態研究
[00232] 本発明者らは、ポサコナゾール経口助剤(1日1回300mg)とルラシドン(1日1回20mg)を服用する、肥満の男女被験体6人(18〜50歳、BMI>35)を対象として研究を行った。被験体6人の体重とBMIの測定値を、下記の表1にまとめた。
【表1】
【0233】
[00233] 被験体らには、1日目はルラシドンのみを用量し、続いてポサコナゾールを、2日目には1日2回300mg、それ以降の14日間は1日1回300mgの用量で、定常状態のポサコナゾールレベルになるまで用量した。その後、ポサコナゾール投与を中止し、ルラシドン(1日1回20mg)を投与中止の日から2日目、4日目、6日目(それぞれ研究開始から17日目、19日目、21日目)に投与した。各投与から24時間が経過したとき、ルラシドンAUCを測定した、ポサコナゾール投与の中止から2日目、4日目、6日目の被験体のルラシドンAUCレベル、ポサコナゾール投与の中止から2日目、4日目、6日目のポサコナゾールAUCレベル、ポサコナゾール処置後のルラシドンAUCと、ポサコナゾール処置の前に測定したルラシドンベースラインAUCとの比を、表2にまとめた。
【表2】
【0234】
[00234] 表3では、ポサコナゾール処置後のルラシドンAUCレベルとルラシドンベースライン(基線)AUCレベルとの比を比較する。
【表3】
【0235】
[00235] 表3に示されているように、ポサコナゾール処置後のルラシドンAUC比の平均は、ベースライン(基線)より約3倍も高い。このデータは、肥満被験体の体内にポサコナゾールが蓄積されているため、ポサコナゾール処置前に測定したベースラインレベルに比べ、ルラシドンAUCレベルが有意に高くなる。
【0236】
[00236] 患者2人(DTG008及びKDH002)から得たAUC測定値は、両方ともポサコナゾール処置レジメンに準じた処置を受けていないことを示すので、対応するAUC測定値を研究から除外した。その結果を下記の表4にまとめた。
【表4】
【0237】
[00237] この結果から、ポサコナゾール処置中止から2〜6日間、ポサコナゾール処置後のルラシドンに対する平均AUC比が3.6〜4.3倍の範囲にあることが分かる。
【0238】
[00238] 結論として、実施例1で報告されている臨床テストの結果から、処置中止後も肥満患者の体内にポサコナゾールが蓄積されるため、患者に対するルラシドンの最初の用量を延期し、あるいはルラシドンの最初の用量を低減して、ルラシドンの血漿レベルの安全性を確保する必要があることが分かる。