特開2021-60421(P2021-60421A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧
特開2021-60421魚体長さ測定システム、魚体長さ測定方法および魚体長さ測定プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-60421(P2021-60421A)
(43)【公開日】2021年4月15日
(54)【発明の名称】魚体長さ測定システム、魚体長さ測定方法および魚体長さ測定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/03 20060101AFI20210319BHJP
   G06T 7/593 20170101ALI20210319BHJP
【FI】
   G01B11/03 H
   G06T7/593
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2021-654(P2021-654)
(22)【出願日】2021年1月6日
(62)【分割の表示】特願2018-542455(P2018-542455)の分割
【原出願日】2017年9月20日
(31)【優先権主張番号】特願2016-194268(P2016-194268)
(32)【優先日】2016年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】北川 丈晴
【テーマコード(参考)】
2F065
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA02
2F065AA04
2F065AA22
2F065BB05
2F065CC16
2F065DD03
2F065DD04
2F065FF01
2F065FF04
2F065FF05
2F065FF09
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ26
2F065MM02
2F065QQ21
2F065QQ31
2F065QQ38
2F065RR08
2F065SS02
2F065SS13
5L096AA09
5L096CA05
5L096DA01
5L096FA09
5L096FA64
5L096FA69
5L096GA08
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】 撮影画像に基づいて測定対象の物体の長さを容易に、かつ、精度良く検知できる技術を提供する。
【解決手段】 魚体長さ測定システムは、水中を泳ぐ魚体が撮影されている撮影画像から、測定対象の前記魚体における特徴部位である頭及び尾を検知する検知部と、前記測定対象の魚体における前記頭と前記尾の間の長さを算出する算出部と、検知した前記特徴部位と前記測定対象の魚体を囲む枠とを示した前記撮影画像を表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中を泳ぐ魚体が撮影されている撮影画像から、測定対象の前記魚体における特徴部位である頭及び尾を検知する検知手段と、
前記測定対象の魚体における前記頭と前記尾の間の長さを算出する算出手段と、
検知した前記特徴部位と前記測定対象の魚体を囲む枠とを示した前記撮影画像を表示装置に表示させる表示制御手段と、
を備える魚体長さ測定システム。
【請求項2】
複数の前記魚体の前記長さの平均値を算出する分析手段を備える
請求項1に記載の魚体長さ測定システム。
【請求項3】
複数の前記魚体の前記長さの分布を算出する分析手段を備える
請求項1または請求項2に記載の魚体長さ測定システム。
【請求項4】
前記魚体は生簀を泳ぐ魚体である
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の魚体長さ測定システム。
【請求項5】
前記撮影画像は、前記魚体が泳ぐ生簀においてステレオカメラにより撮影された画像である
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の魚体長さ測定システム。
【請求項6】
前記検知手段は、前記特徴部位である前記魚体の背びれ及び尾びれをさらに検知する
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の魚体長さ測定システム。
【請求項7】
前記算出手段は、前記背びれと前記尾びれの間の長さをさらに算出する
請求項6に記載の魚体長さ測定システム。
【請求項8】
前記特徴部位に基づいて前記測定対象の魚体の重さを算出する分析手段を備える
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の魚体長さ測定システム。
【請求項9】
コンピュータが、
魚体が撮影されている撮影画像から、測定対象の前記魚体における特徴部位である頭及び尾を検知し、
前記測定対象の魚体における前記頭と前記尾の間の長さを算出し、
検知した前記特徴部位と前記測定対象の魚体を囲む枠とを示した前記撮影画像を表示装置に表示させる、
魚体長さ測定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
魚体が撮影されている撮影画像から、測定対象の前記魚体における特徴部位である頭及び尾を検知する処理と、
前記測定対象の魚体における前記頭と前記尾の間の長さを算出する処理と、
検知した前記特徴部位と前記測定対象の魚体を囲む枠とを示した前記撮影画像を表示装置に表示させる処理と、
を実行させる魚体長さ測定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象の物体を撮影した撮影画像から物体の長さを測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
魚の養殖技術の向上のために、養殖している魚の成長を観測することが行われている。特許文献1には、魚の観測に関わる技術が開示されている。この特許文献1における技術では、水槽の上方側(あるいは底側)と横側から撮影された魚の背側(あるいは腹側)の撮影画像と、頭側の正面の撮影画像とに基づいて、魚の頭、胴体、尾ひれ等の部位の形状や大きさが部位毎に推定される。その魚の部位毎の形状や大きさの推定は、各部位毎に与えられている複数のテンプレート画像を利用して行われる。すなわち、各部位毎の撮影画像がそれぞれ各部位毎のテンプレート画像に照合され、撮影画像に合うテンプレート画像中の魚の部位における大きさ等の既知の情報に基づいて、魚の各部位毎の大きさ等が推定される。
【0003】
特許文献2には、水中の魚を動画カメラと静止画カメラによって撮影し、撮影された動画および静止画に基づいて、魚影を検知する技術が開示されている。また、特許文献2には、画像サイズ(画素数)によって、魚のサイズを推定する構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−250382号公報
【特許文献2】特開2013−201714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている技術では、テンプレート画像中の魚の部位における既知の大きさの情報に基づいて魚の部位の大きさが推定されている。つまり、特許文献1における技術では、テンプレート画像中の魚の部位の大きさが測定対象の魚の部位の大きさとして検知されているにすぎず、測定対象の魚の部位の大きさを測定していないので、大きさの検知精度を高めにくいという問題が生じる。
【0006】
特許文献2には、魚影サイズとして画像サイズ(画素数)を検知する構成は示されているものの、魚の実際の大きさを検知する構成は開示されていない。
【0007】
本発明は上記課題を解決するために考え出された。すなわち、本発明の主な目的は、撮影画像に基づいて測定対象の物体の長さを容易に、かつ、精度良く検知できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の魚体長さ測定システムは、
水中を泳ぐ魚体が撮影されている撮影画像から、測定対象の前記魚体における特徴部位である頭及び尾を検知する検知手段と、
前記測定対象の魚体における前記頭と前記尾の間の長さを算出する算出手段と、
検知した前記特徴部位と前記測定対象の魚体を囲む枠とを示した前記撮影画像を表示装置に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0009】
本発明の魚体長さ測定方法は、
コンピュータが、
魚体が撮影されている撮影画像から、測定対象の前記魚体における特徴部位である頭及び尾を検知し、
前記測定対象の魚体における前記頭と前記尾の間の長さを算出し、
検知した前記特徴部位と前記測定対象の魚体を囲む枠とを示した前記撮影画像を表示装置に表示させる。
【0010】
本発明の魚体長さ測定プログラムは、
コンピュータに、
魚体が撮影されている撮影画像から、測定対象の前記魚体における特徴部位である頭及び尾を検知する処理と、
前記測定対象の魚体における前記頭と前記尾の間の長さを算出する処理と、
検知した前記特徴部位と前記測定対象の魚体を囲む枠とを示した前記撮影画像を表示装置に表示させる処理と、を実行させる。
【0011】
なお、本発明の主な目的は、本発明の魚体長さ測定方法によっても達成される。
【0012】
また、本発明の主な目的は、本発明のコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムを記憶するプログラム記憶媒体によっても達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮影画像に基づいて測定対象の物体の長さを容易に、かつ、精度良く検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る第1実施形態の情報処理装置の構成を簡略化して表すブロック図である。
図2】第1実施形態の情報処理装置を備える長さ測定システムの構成を簡略化して表すブロック図である。
図3】本発明に係る第2実施形態の情報処理装置の構成を簡略化して表すブロック図である。
図4A】第2実施形態の情報処理装置に撮影画像を提供する撮影装置(カメラ)を支持する支持部材を説明する図である。
図4B】第2実施形態の情報処理装置に撮影画像を提供する撮影装置(カメラ)を支持する支持部材におけるカメラの搭載例を説明する図である。
図5】第2実施形態において、カメラが測定対象の物体である魚を撮影する態様を説明する図である。
図6】測定対象の物体である魚を撮影した撮影画像を表示装置に表示する表示態様の一例を説明する図である。
図7】第2実施形態の情報処理装置の処理で使用する調査範囲の一例を説明する図である。
図8】魚の長さ測定に利用する特徴部位の参考データの例を表す図である。
図9】第2実施形態では参考データとして採用されない魚の撮影画像の例を説明する図である。
図10】第2実施形態の情報処理装置が測定対象の魚の長さを測定する処理を説明する図である。
図11】さらに、第2実施形態における測定対象の魚の長さを測定する処理を説明する図である。
図12】第2実施形態の情報処理装置における長さを測定する処理の手順を表すフローチャートである。
図13】本発明に係る第3実施形態の情報処理装置の構成において特徴的な部分を抜き出して表すブロック図である。
図14】第3実施形態の情報処理装置が撮影画像に調査範囲を確定する処理の一例を説明する図である。
図15】第3実施形態において、調査範囲の確定に利用する参考データの例を表す図である。
図16】さらに、調査範囲の確定に利用する参考データの例を表す図である。
図17】第3実施形態の情報処理装置が撮影画像において確定した調査範囲の一例を表す図である。
図18】参考データを教師付き機械学習により作成する場合における教師データの取得手法の一例を説明する図である。
図19】測定対象の物体である魚の頭を検知する処理で利用する参考データの例を表す図である。
図20】測定対象の物体である魚の頭を検知する処理で利用する参考データのさらに別の例を表す図である。
図21】測定対象の物体である魚の尾を検知する処理で利用する参考データの例を表す図である。
図22】測定対象の物体である魚の尾を検知する処理で利用する参考データのさらに別の例を表す図である。
図23】本発明に係るその他の実施形態の情報処理装置の構成を簡略化して表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の情報処理装置の構成を簡略化して表すブロック図である。この情報処理装置1は、図2に表されるような長さ測定システム10に組み込まれ、測定対象の物体の長さを算出する機能を備えている。長さ測定システム10は、情報処理装置1に加えて、複数の撮影装置11A,11Bを備えている。撮影装置11A,11Bは、間隔を介して並設され、測定対象の物体を共通に撮影する装置である。撮影装置11A,11Bにより撮影された撮影画像は、有線通信あるいは無線通信によって情報処理装置1に提供される。又は、撮影装置11A,11Bにより撮影された撮影画像は、撮影装置11A,11Bにおいて可搬型記憶媒体(例えば、SD(Secure Digital)カード)に記憶され、当該可搬型記憶媒体から情報処理装置1に読み込まれてもよい。
【0017】
情報処理装置1は、図1に表されるように、検知部2と、特定部3と、算出部4とを備えている。検知部2は、測定対象の物体が撮影されている撮影画像から、測定対象の物体における対を成す部位であって予め定められた特徴をそれぞれ持つ特徴部位を検知する機能を備えている。
【0018】
特定部3は、その検知された特徴部位の位置を表す座標空間における座標を特定する機能を備えている。その座標を特定する処理では、特定部3は、測定対象の物体を互いに異なる位置から撮影した複数の撮影画像における特徴部位が表示されている表示位置情報を利用する。また、特定部3は、物体が撮影されている複数の撮影画像をそれぞれ撮影した撮影位置間の間隔を表す間隔情報をも利用する。
【0019】
算出部4は、特定された特徴部位の位置の座標に基づいて、対を成す特徴部位間の長さを算出する機能を備えている。
【0020】
第1実施形態の情報処理装置1は、測定対象の物体を互いに異なる位置から撮影した複数の撮影画像から、測定対象の物体における対を成す部位であって予め定められた特徴をそれぞれ持つ特徴部位を検知する。そして、情報処理装置1は、それら検知した特徴部位の位置を表す座標空間における座標を特定し、当該特定した特徴部位の位置の座標に基づいて、対を成す特徴部位間の長さを算出する。情報処理装置1は、そのような処理によって、測定対象の物体における対を成す特徴部位間の長さを測定することができる。
【0021】
すなわち、情報処理装置1は、測定対象の物体が撮影されている撮影画像から、長さの測定に利用する対を成す特徴部位を検知する機能を備えている。このため、測定対象の物体の長さを測定する測定者は、測定対象の物体が撮影されている撮影画像から、長さの測定に利用する対を成す特徴部位を見つけ出すという作業を行う必要がない。また、測定者は、見つけ出した特徴部位の位置の情報を情報処理装置1に入力するという作業を行う必要もない。このように、第1実施形態の情報処理装置1は、測定対象の物体の長さを測定する測定者の手間を軽減することができる。
【0022】
その上、情報処理装置1は、画像から検知した特徴部位における座標空間における位置の座標を特定し、当該座標を利用して測定対象の物体の長さを算出する。このように、情報処理装置1は、座標空間における位置の座標に基づいて、測定対象の物体の長さを算出するので、長さの測定の精度を高めることができる。すなわち、第1実施形態の情報処理装置1は、撮影画像に基づいて測定対象の物体の長さを容易に、かつ、精度良く検知できるという効果を得ることができる。なお、図2の例では、長さ測定システム10は、複数の撮影装置11A,11Bを備えているが、長さ測定システム10を構成する撮影装置は、1台であってもよい。
【0023】
<第2実施形態>
以下に、本発明に係る第2実施形態を説明する。
【0024】
図3は、本発明に係る第2実施形態の情報処理装置の構成を簡略化して表すブロック図である。第2実施形態では、情報処理装置20は、図4Aに表されるような複数(2台)のカメラ40A,40Bによって撮影された測定対象の物体である魚の撮影画像から、魚の長さを算出する機能を備えている。この情報処理装置20は、カメラ40A,40Bと共に、長さ測定システムを構成する。
【0025】
第2実施形態では、カメラ40A,40Bは、動画を撮影する機能を備えている撮影装置であるが、動画撮影機能を持たずに例えば静止画を設定の時間間隔毎に断続的に撮影する撮影装置をカメラ40A,40Bとして採用してもよい。
【0026】
ここでは、カメラ40A,40Bは、図4Aに表されるような支持部材42に支持固定されることにより、図4Bに表されるように間隔を介して並設されている状態で、魚を撮影する。支持部材42は、伸縮棒43と、取り付け棒44と、取り付け具45A,45Bとを有して構成されている。この例では、伸縮棒43は、伸縮自在な棒部材であり、さらに、伸縮可能な長さ範囲内における使用に適切な長さで長さを固定できる構成を備えている。取り付け棒44は、例えばアルミニウム等の金属材料により構成されており、伸縮棒43に直交するように接合されている。取り付け棒44には、伸縮棒43との接合部分を中心にして対称となる部位にそれぞれ取り付け具45A,45Bが固定されている。取り付け具45A,45Bは、カメラ40A,40Bを搭載する搭載面46A,46Bを備え、当該搭載面46A,46Bに搭載されたカメラ40A,40Bを例えば螺子等により搭載面46A,46Bにがたつきなく固定する構成が設けられている。
【0027】
カメラ40A,40Bは、上述したような構成を持つ支持部材42に固定されることにより、予め設定された間隔を介して並設されている状態を維持することができる。また、第2実施形態では、カメラ40A,40Bに設けられているレンズが同じ方向を向き、かつ、レンズの光軸が平行となるように、カメラ40A,40Bは支持部材42に固定される。なお、カメラ40A,40Bを支持固定する支持部材は、図4A等に表される支持部材42に限定されない。例えば、カメラ40A,40Bを支持固定する支持部材は、支持部材42における伸縮棒43に代えて、1本あるいは複数本のロープを利用し、当該ロープによって取り付け棒44や取り付け具45A,45Bを吊下げる構成であってもよい。
【0028】
カメラ40A,40Bは、支持部材42に固定されている状態で、例えば図5に表されるように魚が養殖されている生簀48に進入し、魚の観測(換言すれば、測定対象の物体である魚の撮影)に適切と判断された水深およびレンズの向きで配設される。なお、生簀48に進入させた支持部材42(カメラ40A,40B)を適宜な水深およびレンズの向きで配設固定する手法には様々な手法が考えられ、ここでは、何れの手法を採用してもよく、その説明は省略する。また、カメラ40A,40Bのキャリブレーションは、生簀48の環境や測定対象の魚の種類等を考慮した適宜なキャリブレーション手法によって行われる。ここでは、そのキャリブレーション手法の説明は省略する。
【0029】
さらに、カメラ40A,40Bによる撮影を開始する手法および撮影を停止する手法は、カメラ40A,40Bの性能や生簀48の環境などを考慮した適宜な手法が採用される。例えば、魚の観測者(測定者)が、カメラ40A,40Bを生簀48に進入させる前に手動により撮影を開始させ、また、カメラ40A,40Bを生簀48から退出させた後に手動により撮影を停止させる。また、カメラ40A,40Bが無線通信あるいは有線通信の機能を備えている場合には、撮影開始と撮影停止を制御する情報を送信できる操作装置と、カメラ40A,40Bとを接続する。そして、観測者による操作装置の操作により、水中のカメラ40A,40Bの撮影開始と撮影停止が制御されてもよい。
【0030】
また、カメラ40Aとカメラ40Bの一方又は両方の撮影中の画像をカメラ40A,40Bから有線通信あるいは無線通信により受信可能なモニタ装置が用いられてもよい。この場合には、観測者は、モニタ装置により撮影中の画像を見ることが可能となる。これにより、例えば、観測者は、撮影中の画像を見ながら、カメラ40A,40Bの撮影方向や水深を変更することが可能となる。なお、モニタ機能を備えた携帯端末がモニタ装置として用いられてもよい。
【0031】
ところで、情報処理装置20は、魚の長さを算出する処理において、同時間に撮影されたカメラ40Aの撮影画像とカメラ40Bの撮影画像とを用いる。このことを考慮し、同時間に撮影されたカメラ40Aによる撮影画像とカメラ40Bによる撮影画像とを得やすくするために、撮影中に、時間合わせに用いる目印となる変化をもカメラ40A,40Bに撮影させることが好ましい。例えば、時間合わせに用いる目印として、自動制御あるいは観測者の手動によって短時間発光する光を利用することとし、カメラ40A,40Bがその光を撮影するようにしてもよい。これにより、カメラ40A,40Bによる撮影画像に撮影されたその光に基づき、カメラ40Aによる撮影画像と、カメラ40Bによる撮影画像との時間合わせ(同期)を行うことが容易となる。
【0032】
上述したようなカメラ40A,40Bにより撮影された撮影画像は、有線通信あるいは無線通信によって情報処理装置20に取り込まれてもよいし、可搬型記憶媒体に格納された後に当該可搬型記憶媒体から情報処理装置20に取り込まれてもよい。
【0033】
情報処理装置20は、図3に表されるように、概略すると、制御装置22と、記憶装置23とを備えている。また、情報処理装置20は、例えば観測者の操作により情報を情報処理装置20に入力する入力装置(例えば、キーボードやマウス)25と、情報を表示する表示装置26に接続されている。さらに、情報処理装置20は、当該情報処理装置20とは別体の外付けの記憶装置24に接続されていてもよい。
【0034】
記憶装置23は、各種データやコンピュータプログラム(以下、プログラムとも記す)を記憶する機能を有し、例えば、ハードディスク装置や半導体メモリ等の記憶媒体により実現される。情報処理装置20に備えられる記憶装置23は一つには限定されず、複数種の記憶装置が情報処理装置20に備えられていてもよく、この場合には、複数の記憶装置を総称して記憶装置23と記す。また、記憶装置24も、記憶装置23と同様に、各種データやコンピュータプログラムを記憶する機能を有し、例えば、ハードディスク装置や半導体メモリ等の記憶媒体により実現される。なお、情報処理装置20が記憶装置24に接続されている場合には、記憶装置24には適宜な情報が格納される。また、この場合には、情報処理装置20は、適宜、記憶装置24に情報を書き込む処理および読み出す処理を実行するが、以下の説明では、記憶装置24に関する説明を省略する。
【0035】
第2実施形態では、記憶装置23には、カメラ40A,40Bによる撮影画像が、撮影したカメラを表す情報や、撮影時間の情報などの撮影状況に関わる情報と関連付けられた状態で格納される。
【0036】
制御装置22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。制御装置22は、例えばCPUが記憶装置23に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより、次のような機能を有することができる。すなわち、制御装置22は、機能部として、検知部30と、特定部31と、算出部32と、分析部33と、表示制御部34とを備えている。
【0037】
表示制御部34は、表示装置26の表示動作を制御する機能を備えている。例えば、表示制御部34は、入力装置25から、カメラ40A,40Bの撮影画像を再生する要求を受け取った場合に、記憶装置23から要求に応じたカメラ40A,40Bの撮影画像を読み出し当該撮影画像を表示装置26に表示する。図6は、表示装置26におけるカメラ40A,40Bの撮影画像の表示例を表す図である。図6の例では、二画面表示により、カメラ40Aによる撮影画像41Aとカメラ40Bによる撮影画像41Bが並んで表示される。
【0038】
なお、表示制御部34は、表示装置26に同時に表示される撮影画像41A,41Bの撮影時刻が同じとなるように、撮影画像41A,41Bの同期が可能な機能を備える。例えば、表示制御部34は、カメラ40A,40Bに同時撮影された前述したような時間合わせの目印を利用して、観測者が撮影画像41A,41Bの再生コマを調整可能な機能を備える。
【0039】
検知部30は、表示装置26に表示(再生)されている撮影画像41A,41Bにおいて、測定対象の魚を指定する情報の入力を観測者に促す機能を備えている。例えば、検知部30は、表示制御部34を利用して、図6のように撮影画像41A,41Bが表示されている表示装置26に、「測定対象の魚を指定(選択)して下さい」旨のメッセージを表示させる。第2実施形態では、観測者が入力装置25を操作することにより、図7に表されるような枠50で測定対象の魚が囲まれることにより、測定対象の魚が指定されるように設定されている。その枠50は、例えば長方形状(正方形を含む)と成し、その大きさおよび縦横比が観測者により可変可能となっている。この枠50は、検知部30が撮影画像に行う検知処理の対象となる調査範囲である。なお、観測者が枠50によって測定対象の魚を指定する作業を実行している場合には、撮影画像41A,41Bは一時停止状態で静止している状態となっている。
【0040】
第2実施形態では、撮影画像41A,41Bのうちの一方側を表示する画面領域(例えば図6図7における左側の画面領域)が操作画面として設定され、他方側を表示する画面領域(例えば図6図7における右側の画面領域)が参照画面として設定されている。検知部30は、カメラ40A,40B間の間隔を表す間隔情報に基づき、撮影画像41Bにおいて枠50により指定されている領域と同じ領域を表す参照画面の撮影画像41Aでの枠51の表示位置を算出する機能を備えている。なお、検知部30は、撮影画像41Bにおいて枠50の位置や大きさが調整されている最中に、その位置や大きさに追従して撮影画像41Aにおける枠51の位置や大きさを可変する機能を備える。あるいは、検知部30は、撮影画像41Bにおいて枠50の位置および大きさが確定した後に、枠51を撮影画像41Aに表示させる機能を備えていてもよい。さらにまた、検知部30は、枠50の位置や大きさの調整に追従して枠51の位置や大きさを可変する機能と、枠50の位置および大きさが確定した後に枠51を表示させる機能とを共に備え、例えば観測者により択一的に選択された側の機能を実行してもよい。また、上記のような撮影画像41Bにおいて指定された枠50に基づいて撮影画像41Aにおける枠51を設定する機能は、検知部30に代えて、図3の点線に表されるような範囲追従部35が実行してもよい。
【0041】
検知部30は、さらに、撮影画像41A,41Bにおいて調査範囲として指定された枠50,51内で、測定対象の魚における予め定められた特徴を持つ対を成す特徴部位を検知する機能を備えている。第2実施形態では、魚の頭と尾が対を成す特徴部位として設定されている。撮影画像41A,41Bから特徴部位である魚の頭と尾を検知する手法には様々な手法があり、ここでは、情報処理装置20の処理能力等を考慮した適宜な手法が採用されるが、その一例を挙げると、次のような手法がある。
【0042】
例えば、測定対象となる種類の魚の頭と尾について、魚の向きや形が異なる図8に表されるような複数の参考データ(参考部位画像)が記憶装置23に格納されている。これら参考データは、特徴部位である魚の頭と尾のサンプル画像が表されている参考部位画像である。当該参考データは、測定対象となる種類の魚が撮影されている多数の撮影画像から、頭と尾のそれぞれの特徴部位が撮影されている領域の画像が教師データ(教師画像)として抽出され、当該教師データを利用した機械学習により作成される。
【0043】
第2実施形態の情報処理装置20は、魚の頭と尾との間の長さを魚の長さとして測定する。このことから、魚の頭と尾は、魚の長さを測定する際に測定部分の両端となる部位である。このことを考慮し、ここでは、魚の長さを測定する際に魚の測定部分の両端となる頭と尾のそれぞれの測定ポイントが中心となるように抽出された教師データを利用した機械学習により参考データが作成される。これにより、図8に表されるように、参考データの中心は、魚の頭あるいは尾の測定ポイントPを表すという意味を持つ。
【0044】
これに対し、測定ポイントPを考慮せずに、図9に表されるように単に頭と尾が撮影されている領域が教師データとして抽出され、当該教師データに基づいて参考データが作成された場合には、参考データの中心は測定ポイントPを表すとは限らない。つまり、この場合には、参考データの中心位置は、測定ポイントPを表すという意味を持たない。
【0045】
上述したような参考データと、撮影画像41A,41Bにおいて指定された調査範囲(枠50,51)内の画像とが照合されることにより、枠50,51において参考データに合う画像領域が検知される。
【0046】
検知部30は、さらに、表示制御部34を利用して、検知した特徴部位である魚の頭と尾の位置を表示装置26に明示させる機能を備えている。図10には、表示装置26において、検知された魚の頭と尾のそれぞれの部位が枠52,53により明示されている表示例が表されている。
【0047】
特定部31は、検知部30により検知された測定対象の魚における対を成す特徴部位(つまり、頭と尾)の座標空間における位置を表す座標を特定する機能を備えている。例えば、特定部31は、検知部30により検知された測定対象の魚の頭と尾が撮影画像41A,41Bにおいて表示されている表示位置を表す表示位置情報を検知部30から受け取る。また、特定部31は、記憶装置23から、カメラ40A,40B(つまり、撮影位置)間の間隔を表す間隔情報を読み出す。そして、特定部31は、それら情報を利用して、三角測量法によって測定対象の魚の頭と尾の座標空間における座標を特定(算出)する。この際、中心が測定ポイントPとなっている参考データを利用して、検知部30が特徴部位を検知している場合には、特定部31は、検知部30により検知された特徴部位の中心が表示されている撮影画像41A,41Bの表示位置情報を利用する。
【0048】
算出部32は、特定部31により特定された測定対象の魚の特徴部位(頭と尾)の空間座標を利用して、対を成す特徴部位(頭と尾)間の図11に表されるような間隔Lを測定対象の魚の長さとして算出する機能を備えている。このように算出部32により算出された魚の長さLは、例えば観測日時等の予め定められた情報に関連付けられた状態で記憶装置23に格納される。
【0049】
分析部33は、記憶装置23に格納されている魚の長さLの複数の情報と当該情報に関連付けられている情報を利用して、予め定められた分析を実行する機能を備えている。例えば、分析部33は、観測日における生簀48内の複数の魚の長さLの平均値あるいは検知対象とした魚の長さLの平均値を算出する。なお、検知対象とした魚の長さLの平均値を算出する場合の一例としては、1秒間というような短時間に撮影された動画の複数フレームにおける検知対象の魚の画像により算出された検知対象の魚の複数の長さLが利用される。また、生簀48内の複数の魚の長さLの平均値を算出する場合であって魚の個体識別をしていない場合には、平均値の算出に利用する魚の長さLの値として同じ魚の値が重複利用されることが懸念される。ただ、千尾以上というような多数の魚の長さLの平均値を算出する場合には、値を重複利用することに因る平均値の算出精度への悪影響は小さくなる。
【0050】
また、分析部33は、生簀48内における魚の長さLとその魚の数との関係 (魚の長さにおける魚体数分布)を算出してもよい。さらに、分析部33は、魚の成長を表す魚の長さLの時間的な推移を算出してもよい。
【0051】
次に、情報処理装置20における魚の長さLの算出(測定)動作の一例を図12を参照しつつ説明する。なお、図12は、情報処理装置20が実行する魚の長さLの算出(測定)に関わる処理手順を表すフローチャートである。
【0052】
例えば、情報処理装置20の検知部30は、操作画面における撮影画像41Bにおいての調査範囲(枠50)を指定する情報を受け付けると(ステップS101)、参照画面における撮影画像41Aの調査範囲(枠51)の位置を算出する。そして、検知部30は、撮影画像41A,41Bの枠50,51内において、予め定められた特徴部位(頭と尾)を例えば参考データを利用して検知する(ステップS102)。
【0053】
その後、特定部31が、検知された特徴部位である頭と尾について、例えば、カメラ40A,40B(撮影位置)間についての間隔情報等を利用し、三角測量法によって座標空間における座標を特定する(ステップS103)。
【0054】
そして、算出部32が、特定された座標に基づき、対を成す特徴部位(頭と尾)間の間隔Lを魚の長さとして算出する(ステップS104)。その後、算出部32は、算出結果を予め定められた情報(例えば、撮影日時)に関連付けた状態で記憶装置23に格納する(ステップS105)。
【0055】
その後、情報処理装置20の制御装置22は、例えば観測者による入力装置25の操作により魚の長さLの測定を終了する旨の指示が入力されたか否かを判断する(ステップS106)。そして、制御装置22は、終了の指示が入力されていない場合には、次の魚の長さLの測定に備えて待機する。また、制御装置22は、終了の指示が入力された場合には、魚の長さLを測定する動作を終了する。
【0056】
第2実施形態の情報処理装置20は、検知部30によって、カメラ40A,40Bの撮影画像41A,41Bにおいて、魚の長さLの測定に必要な魚の頭と尾の部位を検知する機能を備えている。さらに、情報処理装置20は、特定部31によって、検知された魚の頭と尾の位置を表す座標空間における座標を特定する機能を備えている。さらにまた、情報処理装置20は、算出部32によって、特定された座標に基づき魚の頭と尾の間隔Lを魚の長さとして算出する機能を備えている。このため、撮影画像41A,41Bにおける調査対象の範囲(枠50)の情報を観測者が入力装置25を利用して入力することにより、情報処理装置20は、魚の長さLを算出し、当該魚の長さLの情報を観測者に提供できる。換言すれば、観測者は、撮影画像41A,41Bにおける調査対象の範囲(枠50)の情報を情報処理装置20に入力することで、手間無く簡単に魚の長さLの情報を得ることができる。
【0057】
また、情報処理装置20は、三角測量法により、魚の対を成す特徴部位(頭と尾)の空間座標を特定(算出)し、当該空間座標を利用して、特徴部位間の長さLを魚の長さとして算出するので、長さの測定精度を高めることができる。
【0058】
さらに、情報処理装置20が特徴部位を検知する処理にて利用する参考データ(参考部位画像)の中心が、魚の長さを測定する部分の端部となっている場合には、測定する魚によって測定部分の端部位置がばらつくことを抑制できる。これにより、情報処理装置20は、魚の長さLの測定に対する信頼性をより高めることができる。
【0059】
さらに、情報処理装置20は、指定された調査範囲(枠50,51)内において特徴部位を検知する機能を備えている。このため、情報処理装置20は、撮影画像全体に亘って特徴部位を検知する場合に比べて、処理の負荷を軽減できる。
【0060】
さらに、情報処理装置20は、複数の撮影画像のうちの一つの画像において、調査範囲(枠50)が指定されることにより、他の撮影画像の調査範囲(枠51)を決定する機能を備えている。情報処理装置20は、複数の撮影画像において観測者が調査範囲を指定しなければならない場合に比べて、観測者の手間を軽減できる。
【0061】
なお、第2実施形態では、検知部30は、撮影画像41A,41Bのうちの一方において測定対象の魚を指定する調査範囲(枠50)が観測者等により指定された場合に、他方における調査範囲(枠51)の位置を設定(算出)する機能を備えている。これに代えて、検知部30は、撮影画像41A,41Bのそれぞれにおいて、測定対象の魚を指定する調査範囲の情報を入力することを観測者等に促し、さらに、入力された情報に基づいて調査範囲(枠50,51)の位置を設定する機能を備えていてもよい。つまり、撮影画像41A,41Bの両方において、調査範囲(枠50,51)の位置が観測者等により指定され、検知部30は、その指定された位置の情報に基づいて、撮影画像41A,41Bのそれぞれにおける調査範囲(枠50,51)の位置を設定してもよい。
【0062】
<第3実施形態>
以下に、本発明に係る第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態の説明において、第2実施形態の情報処理装置および長さ測定システムを構成する構成部分と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0063】
第3実施形態の情報処理装置20は、第2実施形態の構成に加えて、図13に表されるような設定部55を備えている。なお、情報処理装置20は、第2実施形態の構成を備えているが、図13では、特定部31と算出部32と分析部33と表示制御部34の図示が省略されている。また、図13において、記憶装置24と入力装置25と表示装置26の図示も省略されている。
【0064】
設定部55は、撮影画像41A,41Bにおいて検知部30が特徴部位(頭と尾)の位置を調べる調査範囲を設定する機能を備えている。その調査範囲は、第2実施形態では、観測者により入力される情報であるのに対し、第3実施形態では、設定部55が調査範囲を設定するので、観測者は調査範囲の情報を入力しなくて済む。このことにより、第3実施形態の情報処理装置20は、利便性をより高めることができる。
【0065】
第3実施形態では、記憶装置23には、設定部55が調査範囲を設定するために利用する情報として、調査範囲の形状および大きさを決定する情報が格納されている。例えば、調査範囲の形状および大きさが図14の実線に示されるような形状および大きさを持つ枠50である場合には、その形状を表す情報と、枠50の縦と横の長さの情報とが記憶装置23に格納される。なお、枠50は、例えば観測者が測定に適切であると考えた撮影画像における魚1尾の大きさに応じた大きさを持つ範囲であり、その縦と横のそれぞれの長さは、観測者等による入力装置25の操作により可変可能となっている。
【0066】
さらに、記憶装置23には、測定対象の物体全体(つまり、ここでは魚体)の撮影画像がサンプル画像として格納されている。ここでは、図15および図16に表されるように、撮影条件が互いに異なる複数のサンプル画像が格納されている。これら測定対象の物体全体(魚体)のサンプル画像も、特徴部位(頭と尾)のサンプル画像と同様に、多数の測定対象の物体を撮影した撮影画像を教師データ(教師画像)とした機械学習により得ることができる。
【0067】
設定部55は、次のようにして調査範囲を設定する。例えば、設定部55は、観測者により、長さの測定を要求する情報が入力装置25の操作により入力されると、記憶装置23から枠50に関する情報を読み出す。なお、長さの測定を要求する情報は、例えば、撮影画像41A,41Bの再生中に画像の一時停止を指示する情報であってもよいし、撮影画像41A,41Bの停止中に動画の再生を指示する情報であってよい。また、長さの測定を要求する情報は、表示装置26に表示されている『測定開始』のマークが観測者の入力装置25の操作により指示されたことを表す情報であってもよい。さらに、長さの測定を要求する情報は、測定開始を意味する予め定められた入力装置25の操作(例えばキーボード操作)が行われたことを表す情報であってもよい。
【0068】
設定部55は、枠50に関する情報を読み出した後に、撮影画像において、読み出した情報に表されている形状および大きさの枠50を図14に表される枠A1→枠A2→枠A3→・・・→枠A9→・・・のように、枠50を所定の間隔で順次移動させる。なお、枠50の移動の間隔は、例えば、観測者により適宜可変可能な構成を備えていてもよい。
【0069】
また、設定部55は、枠50を移動させながら、当該枠50における撮影画像部分と、図15および図16のような測定対象の物体のサンプル画像とのマッチ度(類似度)を例えばテンプレートマッチング手法で利用される手法により判定する。そして、設定部55は、マッチ度が閾値(例えば、90%)以上となる枠50を調査範囲として確定する。例えば、図17に表される撮影画像の例では、設定部55により、1つの撮影画像において、2つの枠50が確定されている。この場合には、2つの枠50のそれぞれについて、第2実施形態で述べたように、検知部30は、特徴部位を検知する処理を実行し、特定部31は、座標空間における特徴部位の空間座標を特定する。そして、算出部32は、2つの枠50のそれぞれについて、対を成す特徴部位間の間隔(ここでは、魚の長さL)を算出する。なお、例えば、長さの測定を要求する情報として画像の一時停止を指示する情報が入力された場合、設定部55は、一時停止中の撮影画像において調査範囲を設定する。このように調査範囲が設定されることにより、前記の如く、対を成す特徴部位間の間隔が算出される。また、例えば、長さの測定を要求する情報として動画の再生を指示する情報が入力された場合、設定部55は、再生中の動画に対して、連続的に、調査範囲を設定する。このように調査範囲が設定されることにより、前記の如く、対を成す特徴部位間の間隔が算出される。
【0070】
なお、設定部55は、撮影画像4A,4Bの一方において調査範囲(枠50)の位置を上記の如く設定すると、他方における調査範囲(枠51)の位置を枠50の位置に応じて設定するが、これに代えて、設定部55は、次のような機能を備えていてもよい。つまり、設定部55は、撮影画像4A,4Bのそれぞれにおいて、枠50,51を上記同様に移動(スキャン)させることにより、調査範囲(枠50,51)を設定してもよい。
【0071】
また、設定部55は、上記のように設定した調査範囲の位置を仮決定とし、仮決定の調査範囲(枠50,51)の位置を撮影画像4A,4Bに明記すると共に、調査範囲の確認を観測者等に促すメッセージを表示制御部34によって表示装置26に表示させる機能を備えていてもよい。そして、設定部55は、観測者等による入力装置25の操作によって調査範囲(枠50,51)の位置(例えば、枠50,51が同じ魚を囲んでいること等)を確認した旨の情報が入力された場合に、調査範囲の位置を確定してもよい。また、設定部55は、観測者等による入力装置25の操作により調査範囲(枠50,51)の位置を変更したい旨の情報が入力された場合には、調査範囲(枠50,51)の位置を調整可能とし、変更された枠50,51の位置を調査範囲として確定してもよい。
【0072】
第3実施形態の情報処理装置20および長さ測定システムにおける上記以外の構成は、第2実施形態の情報処理装置20と同様である。
【0073】
第3実施形態の情報処理装置20および長さ測定システムは、第2実施形態と同様の構成を備えているので、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。その上、第3実施形態の情報処理装置20および長さ測定システムは、設定部55を備えているので、観測者が調査範囲を確定する情報を入力しなくて済むこととなり、観測者の手間を軽減できる。これにより、第3実施形態の情報処理装置20および長さ測定システムは、物体の長さ測定に関する利便性をより高めることができる。例えば、情報処理装置20は、撮影画像41A,41Bの同期を取り、その後、撮影画像41A,41Bを再生しながら設定部55と検知部30と特定部31と算出部32により魚の長さLを算出していく処理を再生終了まで連続して行うことが可能となる。なお、情報処理装置20が上記のような画像の同期から撮影画像の再生および魚の長さの算出を連続して行う一連の処理を開始する手法には様々な手法が考えられる。例えば、入力装置25の操作により処理の開始が指示された場合に、情報処理装置20は、上記一連の処理を開始してもよい。また、撮影画像41A,41Bが情報処理装置20の記憶装置23に格納(登録)される際に、情報処理装置20は、その登録を検知することにより、上記一連の処理を開始してもよい。さらに、再生する撮影画像41A,41Bが選択された際に、情報処理装置20は、その選択情報に基づいて上記一連の処理を開始してもよい。ここでは、そのような様々な手法の中から、適宜な手法が採用されてよいものとする。
【0074】
<その他の実施形態>
なお、本発明は第1〜第3の実施形態に限定されることなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第2と第3の実施形態では、情報処理装置20に分析部33が備えられているが、魚の長さLの観測により得られた情報の分析は、情報処理装置20と別の情報処理装置により実行されてもよく、この場合には、分析部33は省略されてもよい。
【0075】
また、第2と第3の実施形態では、対を成す特徴部位が魚の頭と尾である例を示したが、例えば、対を成す特徴部位として、さらに、背びれと腹びれの組をも検知する構成とし、頭と尾の間の長さだけでなく、背びれと腹びれとの間の長さをも算出してもよい。それら特徴部位としての背びれと腹びれを撮影画像から検知する手法は、頭と尾の検知と同様の検知手法を用いることができる。
【0076】
さらに、例えば、頭と尾の間の長さと、背びれと腹びれとの間の長さとを算出する場合であって、それら長さに基づいて魚の重さを推定できる長さと重さの関係が得られる場合には、分析部33が、それら算出された長さに基づき魚の重さを推定してもよい。
【0077】
さらに、第2実施形態の説明では、特徴部位の参考データとして図8の例が挙げられているが、特徴部位の参考データの種類は、図19図22に表されているように、より多くてもよい。なお、図19および図20は、魚の頭に関する参考データの例であり、図21および図22は、魚の尾に関する参考データの例である。また、例えば、魚の尾の参考データとして、さらに、くねりが入っている魚の尾の画像が含まれていてもよい。また、魚の頭や尾の一部が撮影画像に映っていない見切りのデータが検知対象外の参考データとして与えられていてもよい。このように、参考データの種類や数は限定されない。
【0078】
さらに、第2と第3の各実施形態において、教師データを利用した機械学習によって特徴部位(頭と尾)や測定対象の物体全体(魚体)のサンプル画像を作成する場合に、次のようにして教師データの削減が図られてもよい。例えば、教師データとして図18に表されるような左向きの魚の撮影画像が取得された場合に、その左向きの魚の像を左右反転する処理を行って右向きの魚の教師データが得られるようにしてもよい。
【0079】
さらに、第2実施形態において、情報処理装置20が、特徴部位を検知する処理を開始する前などの適宜なタイミングで、撮影画像における水の濁りを軽減する画像処理や、水の揺らぎに因る魚体の歪みを補正する画像処理を行ってもよい。また、情報処理装置20は、撮影画像を物体の水深や明るさ等の撮影条件を考慮して補正する画像処理を行ってもよい。さらに、第3実施形態において、情報処理装置20が、調査範囲を確定する処理を開始する前などの適宜なタイミングで、上記同様の画像処理を実行してもよい。このように、情報処理装置20が、撮影環境を考慮して撮影画像を画像処理(画像補正)することにより、測定対象の物体の長さ測定の精度をより高めることができる。また、情報処理装置20は、そのように画像補正された撮影画像を利用することにより、参考データの数を少なくできるという効果を得ることができる。
【0080】
さらに、第2と第3の実施形態では、測定対象の物体として魚を例にして説明しているが、第2と第3の実施形態で説明した構成を持つ情報処理装置20は、他の物体にも適用可能である。すなわち、第2と第3の実施形態における情報処理装置20は、魚でなくとも、長さを測定する部分の両端部分が他の部分と区別可能な特徴を持つ物体であれば、その物体の長さ測定に適用することもできる。
【0081】
さらに、図23には、本発明に係るその他の実施形態の情報処理装置の構成が簡略化して表されている。図23における情報処理装置70は、機能部として、検知部71と、算出部72とを備えている。検知部71は、測定対象の物体が撮影されている撮影画像から、測定対象の物体における対を成す部位であって予め定められた特徴をそれぞれ持つ特徴部位を検知する機能を備えている。算出部72は、検知部71の検知結果に基づいた対を成す特徴部位間の長さを算出する機能を備えている。情報処理装置70は、上記のような構成を備えることにより、撮影画像に基づいて測定対象の物体の長さを容易に、かつ、精度良く検知できるという効果を得ることができる。
【0082】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0083】
この出願は、2016年9月30日に出願された日本出願特願2016−194268を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【0084】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0085】
(付記1)
測定対象の物体が撮影されている撮影画像から、前記物体における対を成す部位であって予め定められた特徴をそれぞれ持つ特徴部位を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいた対を成す前記特徴部位間の長さを算出する算出部と
を備える情報処理装置。
【0086】
(付記2)
前記物体を互いに異なる位置から撮影した複数の撮影画像における前記検知された特徴部位が表示されている表示位置情報と、前記複数の撮影画像をそれぞれ撮影した撮影位置間の間隔を表す間隔情報とに基づいて、座標空間における前記特徴部位の位置を表す座標を特定する特定部をさらに備え、
前記算出部は、前記特定された前記特徴部位の位置の座標に基づいて、対を成す前記特徴部位間の長さを算出する付記1に記載の情報処理装置。
【0087】
(付記3)
前記検知部は、前記撮影画像における指定された調査範囲内において前記特徴部位を検知する付記1又は付記2に記載の情報処理装置。
【0088】
(付記4)
複数の前記撮影画像の中の一つにおいて前記検知部により前記特徴部位を検知する調査範囲が指定された場合に、前記調査範囲が指定された前記撮影画像における前記調査範囲の位置を表す情報と、前記撮影位置間の間隔情報とに基づいて、前記調査範囲が指定されていない前記撮影画像における前記調査範囲の位置を決定する範囲追従部をさらに備える付記2に記載の情報処理装置。
【0089】
(付記5)
前記撮影画像において前記検知部が検知処理を実行する調査範囲を設定する設定部をさらに備える付記1又は付記2に記載の情報処理装置。
【0090】
(付記6)
前記検知部は、前記特徴部位のサンプル画像が表されている参考部位画像に基づいて、前記撮影画像から前記特徴部位を検知する付記1乃至付記5の何れか一つに記載の情報処理装置。
【0091】
(付記7)
前記検知部は、前記特徴部位のサンプル画像であって且つ画像中心が前記物体の長さを測定する測定部分の端部を表している参考部位画像に基づき、前記物体における前記測定部分の端部を中心にした部位を前記特徴部位として検知し、
前記特定部は、検知された前記特徴部位の中心位置を表す座標を特定し、
前記算出部は、対を成す前記特徴部位の中心間の長さを算出する付記2に記載の情報処理装置。
【0092】
(付記8)
前記特定部は、三角測量法を用いて、座標空間における前記特徴部位の位置を表す座標を特定する付記1乃至付記7の何れか一つに記載の情報処理装置。
【0093】
(付記9)
測定対象の物体を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置により撮影された撮影画像を利用して、前記物体における対を成す部位であって予め定められた特徴をそれぞれ持つ特徴部位間の長さを算出する情報処理装置と
を備え、
前記情報処理装置は、
測定対象の物体が撮影されている撮影画像から、前記物体における対を成す部位であって予め定められた特徴をそれぞれ持つ特徴部位を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいた対を成す前記特徴部位間の長さを算出する算出部と
を備える長さ測定システム。
【0094】
(付記10)
測定対象の物体が撮影されている撮影画像から、前記物体における対を成す部位であって予め定められた特徴をそれぞれ持つ特徴部位を検知し、
前記検知された結果に基づいた対を成す前記特徴部位間の長さを算出する長さ測定方法。
【0095】
(付記11)
測定対象の物体が撮影されている撮影画像から、前記物体における対を成す部位であって予め定められた特徴をそれぞれ持つ特徴部位を検知する処理と、
前記検知された結果に基づいた対を成す前記特徴部位間の長さを算出する処理と
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記憶するプログラム記憶媒体。
【符号の説明】
【0096】
1,20 情報処理装置
2,30 検知部
3,31 特定部
4,32 算出部
10 長さ測定システム
11A,11B 撮影装置
50,51 枠
55 設定部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23