【課題】チップを正確な位置に落下させて、転写工程の精密性を向上させることができ、被転写基板を支持するステージと転写基板を支持するステージとをそれぞれ別々に駆動して工程時間を短縮させることのできる転写装置及び転写方法を提供すること。
【解決手段】転写基板に与えられたチップを被転写基板へと転写する転写装置であって、前記被転写基板を支持し得る第1のステージと、前記転写基板を前記被転写基板と対向して離れるように支持し得る第2のステージと、前記転写基板にレーザビームを照射できるように前記転写基板と前記被転写基板とが向かい合う向きに少なくとも一部分が前記第2のステージと離れて配設されるレーザ照射部と、前記レーザ照射部を支持し、レーザビームを照射する状態のレーザ照射部を移動させ得る移動部と、を備える転写装置。
前記第2のステージにチップの取り付けられた転写基板を支持させる手順は、前記レーザ照射部と前記第1のステージとの間に前記第2のステージを移動させる手順を含み、
前記被転写基板の位置合わせ具合を調節する手順は、前記レーザ照射部と前記第1のステージとの間に前記第2のステージを移動させる前に行われる請求項12乃至請求項14のいずれか一項に記載の転写方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、チップを正確な位置に落下させて、転写工程の精密性を向上させることのできる転写装置及び転写方法を提供する。
【0007】
本発明は、被転写基板を支持するステージと転写基板を支持するステージとをそれぞれ別々に駆動して工程時間を短縮することのできる転写装置及び転写方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る転写装置は、転写基板に与えられたチップを被転写基板へと転写する転写装置であって、前記被転写基板を支持し得る第1のステージと、前記転写基板を前記被転写基板と対向して離れるように支持し得る第2のステージと、前記転写基板にレーザビームを照射できるように前記転写基板と前記被転写基板とが向かい合う向きに少なくとも一部分が前記第2のステージと離れて配設されるレーザ照射部と、前記レーザ照射部を支持し、レーザビームを照射する状態のレーザ照射部を移動させ得る移動部と、を備える。
【0009】
前記移動部は、前記転写基板と前記被転写基板とが向かい合う向きと交わる向きに延びる経路部材と、前記レーザ照射部と接続され、前記経路部材の延長方向に沿って直線移動自在に配設される移動部材と、を備える。
【0010】
前記転写装置は、前記第1のステージを支持し、複数の方向に前記第1のステージを移動させ得る第1の駆動部と、前記第2のステージを支持し、前記第1のステージとはそれぞれ別々に複数の方向に沿って前記第2のステージを移動させ得る第2の駆動部と、をさらに備える。
【0011】
前記レーザ照射部は、レーザビームを発生させ得るレーザ発生器と、前記レーザ発生器と前記第2のステージとの間に配置され、レーザビームが照射される方向を調節し得る角度調節器と、前記レーザ発生器と前記角度調節器との間に配置され、前記転写基板に照射されるレーザビームの形状を調節し得る形状調節器と、前記レーザ発生器と、前記角度調節器及び前記形状調節器を支持しながら前記移動部により移動可能なハウジングと、を備える。
【0012】
前記形状調節器は、複数のパターン孔を備えるマスク部材と、前記マスク部材を支持し、複数のパターン孔のうち、レーザビームが通過すべきパターン孔を選択できるように複数の方向に前記マスク部材を移動させ得る選択部材と、を備える。
【0013】
前記転写装置は、前記マスク部材にアライン孔がさらに配備され、前記アライン孔を通過するレーザビームが前記転写基板及び前記被転写基板のうちの少なくともどちらか一方に照射される形状と位置とを撮影できるように配設される撮影部と、前記撮影部と接続され、前記アライン孔を通過するレーザビームが照射される形状と位置とに応じて、前記転写基板と前記被転写基板の位置合わせ具合を調節するアライン部と、を備える。
【0014】
前記第2のステージは、前記レーザ照射部と前記第1のステージとの間の空間の内外に移動し得、前記アライン部は、前記被転写基板の位置合わせ具合を調節した上で、前記転写基板の位置合わせ具合を調節し得る。
【0015】
前記被転写基板の面積が前記転写基板の面積よりも大きく形成され、
前記アライン孔を通過するレーザビームの一部は転写基板に照射され、他の一部は第2のステージを通過して前記被転写基板に照射され得る。
【0016】
本発明に係る転写方法は、第1のステージに被転写基板を支持させる手順と、第2のステージにチップの与えられた転写基板を支持させ、被転写基板と向かい合うように位置させる手順と、レーザビームを照射するレーザ照射部を移動させながら、前記転写基板にレーザビームを照射する手順と、レーザビームで前記転写基板に与えられたチップを落下させて前記被転写基板に転写する手順と、を含む。
【0017】
前記チップは、複数で配備されて前記転写基板にアレイ状に配置され、前記レーザ照射部を移動させながらレーザビームを照射する手順は、レーザビームを発生させる手順と、一方向に沿って前記レーザ照射部を直線移動させる手順と、を含む。
【0018】
前記レーザ照射部を直線移動させる手順は、一方向に沿って移動するレーザビームが前記一方向に離れたチップのそれぞれに達する時間に合わせて、前記転写基板にレーザビームを照射する手順を含む。
【0019】
前記第1のステージに被転写基板を支持させる手順は、前記被転写基板にアラインレーザを照射する手順と、アラインレーザが照射される形状及び位置のうちの少なくともどちらか一方に応じて前記第1のステージを移動させて前記被転写基板の位置合わせ具合を調節する手順と、を含み、
前記第2のステージにチップの取り付けられた転写基板を支持させる手順は、前記転写基板にアラインレーザを照射する手順と、アラインレーザが照射される形状及び位置のうちの少なくともどちらか一方に応じて前記第2のステージを移動させて前記転写基板の位置合わせ具合を調節する手順と、を含む。
【0020】
前記アラインレーザが照射される形状に応じて位置合わせ具合を調節する手順は、前記アラインレーザの形状が前記転写基板または前記被転写基板の上に歪んで表示されないように、前記転写基板または前記被転写基板の水平上の位置合わせ具合を調節する手順を含む。
【0021】
前記転写基板と前記被転写基板とに標識が形成され、
前記アラインレーザが照射される位置に応じて位置合わせ具合を調節する手順は、
前記標識が前記アラインレーザが照射される位置に対応するように、前記転写基板または前記被転写基板の平面上の位置合わせ具合を調節する手順を含む。
【0022】
前記第2のステージにチップの取り付けられた転写基板を支持させる手順は、前記レーザ照射部と前記第1のステージとの間に前記第2のステージを移動させる手順を含み、
前記被転写基板の位置合わせ具合を調節する手順は、前記レーザ照射部と前記第1のステージとの間に前記第2のステージを移動させる前に行われる。
【0023】
前記アラインレーザを照射する手順は、複数のアラインレーザを発生させる手順と、複数のアラインレーザの一部は転写基板に照射し、他の一部は第2のステージを通過させて被転写基板に照射する手順と、を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態によれば、転写工程を行う際に、レーザビームの照射位置を細かく調節してチップを予め設定された位置に正確に落下させることができる。このため、転写工程の精密性が向上して、工程により製造される製品の品質を向上させることができる。
【0025】
また、本発明の実施形態によれば、被転写基板を支持するステージと、転写基板を支持するステージと、をそれぞれ別々に駆動することができる。このため、被転写基板と転写基板とを転写工程が行われる位置へと運ぶ時間を短縮して工程の効率性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0028】
図1は、本発明の実施形態に係る転写装置を示す斜視図であり、
図2は、本発明の実施形態に係る第1のステージと第1の駆動部の構造を示す斜視図であり、
図3は、本発明の実施形態に係る第2のステージと第2の駆動部の構造を示す斜視図である。以下では、本発明の実施形態に係る転写装置について説明する。
【0029】
図1から
図3を参照すると、本発明の実施形態に係る転写装置は、転写基板に取り付けられたチップを被転写基板に転写する転写装置である。転写装置100は、第1のステージ110と、第2のステージ120と、レーザ照射部130及び移動部140を備える。
【0030】
このとき、チップは、マイクロ(Micro)発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)であってもよい。転写基板Wは、複数のチップがアレイ状に配置されて取り付けられたウェハ(Wafer)であってもよい。転写基板Wにチップを直接的に形成してもよく、別途の他の基板において形成したチップを転写基板Wに取り付けてもよい。したがって、転写基板Wにチップが与えられることが可能になる。被転写基板Gは、ガラス(Glass)であってもよい。しかしながら、転写基板Wと被転写基板Gの材質はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0031】
第1のステージ110は、
図2に示すように、被転写基板Gを支持する役割を果たす。例えば、第1のステージ110は、四角い板状に形成されてもよい。このため、第1のステージ110の上部面に被転写基板Gが載置されて支持されることが可能になる。
【0032】
また、第1のステージ110の上部面の面積は、被転写基板Gの下部面の面積よりも大きく形成されてもよい。このため、被転写基板Gの下部面の全体が第1のステージGの上部面に安定的に触れて載置されることが可能になる。しかしながら、第1のステージ110の構造と形状はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0033】
第2のステージ120は、
図3に示すように、転写基板Wを支持する役割を果たす。第2のステージ120は、第1のステージ110の上側に離れて、第1のステージ110と向かい合うように配置されてもよい。したがって、第2のステージ120に転写基板Wが支持されれば、転写基板Wが第1のステージ110に載置された被転写基板Gと上下方向に離れて対向することができる。このため、被転写基板Gの上部面と、転写基板Wの下部面と、が向かい合うように配置されることが可能になる。
【0034】
さらに、第2のステージ120は、四角い板状に形成されてもよい。第2のステージ120の中心部には開口が配備されてもよい。第2のステージ120の面積は、転写基板Wの面積よりも大きく形成され、開口の面積は、転写基板Wの面積よりも小さく形成されてもよい。したがって、転写基板Wが第2のステージ120に触れながら、開口を通過しないことができる。
【0035】
このとき、第2のステージ120の下部には、吸着器(図示せず)が配備されてもよい。吸着器は、開口の周りの少なくとも一部を包み込むように配設されてもよい。転写基板Wは、吸着器により第2のステージ120の下部に吸着されて支持されてもよく、転写基板Wの上部面の一部が第2のステージ120の開口を介して外部に露出されてもよい。したがって、第2のステージ120の上側に配置されるレーザ照射部130が開口を介して転写基板Wの上部面にレーザビームを照射することができる。しかしながら、第2のステージ120の形状及び転写基板Wを支持する方式はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0036】
一方、転写装置100は、第1の駆動部150及び第2の駆動部160をさらに備えていてもよい。第1の駆動部150と第2の駆動部160により、第1のステージ110と第2のステージ120とがそれぞれ別々に移動することができる。
【0037】
図2を参照すると、第1の駆動部150は、第1のステージ110と接続されてもよい。第1の駆動部150は、第1のステージ110を支持し、複数の方向に第1のステージ110を移動させることができる。第1の駆動部150は、第1の前後レール151と、第1の前後駆動部材152と、第1の左右レール153と、第1の左右駆動部材154と、第1の上下駆動部材155及び第1の回転部材(図示せず)を備えていてもよい。
【0038】
第1の前後レール151は、前後方向に延びてもよい。第1の前後レール151は、第1の前後駆動部材152が移動する経路を形成する。第1の前後レール151は、一対で配備されて左右方向に互いに離れていてもよい。
【0039】
第1の前後駆動部材152は、第1の前後レール151の上において移動可能なように配設されてもよい。第1の前後駆動部材152は、第1の前後レール151の延長方向に沿って前後方向に移動することができる。第1の前後駆動部材152は、一対で配備されて一対の第1の前後レール151のそれぞれに移動自在に配設されてもよい。したがって、一対の第1の前後駆動部材152の上に第1の左右レール153が配設されて安定的に支持されることが可能になる。
【0040】
第1の左右レール153は、第1の前後方向の延長方向と交わる左右方向に延びてもよい。第1の左右レール153は、第1の左右駆動部材154が移動する経路を形成する。第1の左右レール153は、第1の前後駆動部材152の上に配設されて支持されてもよい。例えば、第1の左右レール153の左右方向への延長長さは、第1の前後駆動部材152が離れる長さ以上であってもよい。したがって、第1の左右レール153の両端のそれぞれが第1の前後駆動部材152に支持されることが可能になる。このため、第1の前後駆動部材152が前後方向に移動すれば、第1の左右レール153もともに前後に移動することができる。
【0041】
第1の左右駆動部材154は、第1の左右レール153上において移動可能なように配設されてもよい。第1の左右駆動部材154は、第1の左右レール153の延長方向に沿って左右に移動することができる。第1の左右駆動部材154が第1の左右レール153に支持されるので、第1の左右レール153が第1の前後駆動部材152により前後に移動すれば、第1の左右駆動部材154もともに前後に移動することができる。
【0042】
第1の上下駆動部材155は、第1の左右駆動部材154の上に配設されてもよい。第1の上下駆動部材155は、下端が第1の左右駆動部材154と接続され、上端が第1のステージ110と接続されてもよい。第1の上下駆動部材155は、少なくとも一部分が上下に伸びたり縮んだりできる。このため、第1の上下駆動部材155の作動により第1のステージ110が上下に移動することができる。
【0043】
また、第1の上下駆動部材155は、複数で配備されてもよい。第1の上下駆動部材155は、第1のステージ110の下部の互いに異なる部分とそれぞれ接続されてもよい。このため、第1の上下駆動部材155の高さが互いに異なるように調節されれば、第1のステージ110の勾配が調節されることが可能になる。
【0044】
このとき、第1の上下駆動部材155は、第1の左右駆動部材154に支持されるので、第1の左右駆動部材154が左右に移動すれば、第1の上下駆動部材155と第1のステージ110もともに左右に移動することができる。第1の左右駆動部材154が第1の前後駆動部材152により前後に移動すれば、第1の上下駆動部材155と第1のステージ110もともに前後に移動することができる。したがって、第1のステージ110の上に載置された被転写基板Gの位置を複数の方向に調節することができる。
【0045】
第1の回転部材は、第1の上下駆動部材155に配設されてもよい。第1の回転部材は、第1の上下駆動部材155を回転させることができる。このため、第1の回転部材が第1の上下駆動部材155を回転させれば、第1のステージ110が回転することができる。したがって、第1のステージ110の上に載置された被転写基板Gもともに回転することができる。しかしながら、第1の駆動部150の構成要素が作動する構造と互いに接続される方式はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0046】
図3を参照すると、第2の駆動部160は、第2のステージ120と接続されてもよい。第2の駆動部160は、第2のステージ120を支持し、第1のステージ110とそれぞれ別々に複数の方向に沿って第2のステージ120を移動させることができる。第2の駆動部160は、第2の前後レール161と、第2の前後駆動部材162と、第2の左右レール163と、第2の左右駆動部材(図示せず)と、第2の上下駆動部材(図示せず)及び第2の回転部材(図示せず)を備えていてもよい。
【0047】
第2の前後レール161は、前後方向に延びてもよい。第2の前後レール161は、第2の前後駆動部材162が移動する経路を形成する。第2の前後レール161は、一対で配備されて左右方向に互いに離れていてもよい。例えば、一対の第2の前後レール161が離れている距離が、一対の第1の前後レール151が離れている距離よりも大きくてもよい。したがって、第2の前後レール161の間に第1の前後レール151が位置することができる。
【0048】
このとき、第2の前後レール161の上部面は、第1の前後レール151の上部面よりも上側に位置してもよい。したがって、第2の前後レール161により、第2のステージ120が第1のステージ110よりも上側に位置することができる。しかしながら、第2の前後レール161の構造はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0049】
第2の前後駆動部材162は、第2の前後レール161の上において移動可能なように配設されてもよい。第2の前後駆動部材162は、第2の前後レール161の延長方向に沿って前後方向に移動することができる。第2の前後駆動部材162は、一対で配備されて一対の第2の前後レール161のそれぞれに移動自在に配設されてもよい。したがって、一対の第2の前後駆動部材162の上に第2の左右レール163が配設されて安定的に支持されることが可能になる。
【0050】
第2の左右レール163は、第2の前後方向の延長方向と交わる左右方向に延びてもよい。第2の左右レール163は、第2の左右駆動部材が移動する経路を形成する。第2の左右レール163は、第2の前後駆動部材162の上に配設されて支持されてもよい。例えば、第2の左右レール163の左右方向への延長長さは、第2の前後駆動部材162同士の離間長さ以上であってもよい。したがって、第2の左右レール163の両端のそれぞれが第2の前後駆動部材162に支持されることが可能になる。このため、第2の前後駆動部材162が前後方向に移動すれば、第2の左右レール163もともに前後に移動することができる。
【0051】
さらに、第2の左右レール163の中心部には穴が形成されてもよい。このため、第2のステージ120に吸着される転写基板Wが第2の左右レール163に形成された穴を介して、下側の被転写基板Gと直接的に向かい合うように配置されることが可能になる。しかしながら、第2の左右レール163の構造と形状はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0052】
第2の左右駆動部材は、第2の左右レール163の上において移動可能なように配設されてもよい。第2の左右駆動部材は、第2の左右レール163の延長方向に沿って左右に移動することができる。第2の左右駆動部材が第2の左右レール163に支持されるので、第2の左右レール163が第2の前後駆動部材162により前後に移動すれば、第2の左右駆動部材もともに前後に移動することができる。
【0053】
さらにまた、第2の左右駆動部材の中心部には穴が形成されてもよい。このため、第2のステージ120に吸着される転写基板Wが第2の左右駆動部材に形成された穴を介して、下側の被転写基板Gと直接的に向かい合うように配置されることが可能になる。しかしながら、第2の左右駆動部材の構造と形状はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0054】
第2の上下駆動部材は、第2の左右駆動部材と第2のステージ120との間に配設されてもよい。第2の上下駆動部材は、下端が第2の左右駆動部材の上部面と接続され、上端が第2のステージ120の下部面と接続されてもよい。第2の上下駆動部材は、少なくとも一部分が上下に伸びたり縮んだりできる。このため、第2の上下駆動部材の作動により第2のステージ120が上下に移動することができる。
【0055】
また、第2の上下駆動部材は、複数で配備されてもよい。第2の上下駆動部材は、第2のステージ120の下部の互いに異なる部分とそれぞれ接続されてもよい。このため、第2の上下駆動部材の高さが互いに異なるように調節されれば、第2のステージ120の勾配が調節されることが可能になる。
【0056】
このとき、第2の上下駆動部材は、第2の左右駆動部材に支持されるので、第2の左右駆動部材が左右に移動すれば、第2の上下駆動部材と第2のステージ120もともに左右に移動することができる。第2の左右駆動部材が第2の前後駆動部材162により前後に移動すれば、第2の上下駆動部材と第2のステージ120もともに前後に移動することができる。したがって、第2のステージ120に吸着された転写基板Wの位置を複数の方向に調節することができる。
【0057】
第2の回転部材は、第2の上下駆動部材に配設されてもよい。第2の回転部材は、第2の上下駆動部材を回転させることができる。このため、第2の回転部材が第2の上下駆動部材を回転させれば、第2のステージ120が回転することができる。したがって、第2のステージ120に吸着された転写基板Wもともに回転することができる。しかしながら、第2の駆動部160の構成要素が作動する構造と互いに接続される方式はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0058】
このように、第1のステージ110と第2のステージ120とがそれぞれ別々に移動することができる。したがって、被転写基板Wを第1のステージ110に支持させる作業と、転写基板Wを第2のステージ120に支持させる作業とが行われるとき、第1のステージ110と第2のステージ120とがそれぞれ別々に移動することができる。このため、被転写基板Gと転写基板Wとを工程位置へと運ぶ時間を短縮して工程の効率性を向上させることができる。
【0059】
さらに、第1のステージ110と第2のステージ120とがそれぞれ別々に移動するので、転写基板Wと被転写基板Gの位置合わせ具合をそれぞれ別々に調節することができる。このため、転写基板Wと被転写基板Gのうちの少なくともどちらか一方の位置合わせ具合が不良であれば、位置合わせ具合が不良である分だけ位置合わせ具合を容易に調節することができる。
【0060】
図4は、本発明の実施形態に係るレーザ照射部の構造を示す断面図であり、
図5は、本発明の実施形態に係る形状調節部の構造を示す斜視図であり、
図6は、本発明の実施形態に係る転写基板のアラインメントをとる構造を示す図である。以下では、本発明の実施形態に係るレーザ照射部について詳しく説明する。
【0061】
図4を参照すると、レーザ照射部130は、被転写基板Gと転写基板Wとが向かい合う向き(または、上下方向)に少なくとも一部分が第2のステージ120の上側に離れて配設されてもよい。したがって、レーザ照射部130は、第1のステージ110または第2のステージ120とは別途に位置が調節されることが可能であり、第2のステージ120に支持される転写基板Wにレーザビームを照射することができる。レーザ照射部130は、レーザ発生器131と、角度調節器132と、形状調節器133と、ハウジング134と、を備える。
【0062】
レーザ発生器131は、レーザビームを発生させる役割を果たす。レーザ発生器131がレーザビームを発生させると、光学素子(図示せず)を用いて、レーザビームを左右方向に延びるラインビーム状にすることができる。
【0063】
角度調節器132は、レーザ発生器131と第2のステージ120との間に配置されてもよい。角度調節器132は、レーザビームを反射させるミラーであってもよい。すなわち、角度調節器132は、レーザビームが照射される方向を調節することができる。このため、ハウジング134の内部において前後方向に移動するレーザビームが角度調節器132に反射されて下側に照射されることが可能になる。したがって、レーザビームがレーザ照射部130の下側の第2のステージ120側に照射されることが可能になる。
【0064】
形状調節器133は、レーザ発生器131と角度調節器132との間に配置されてもよい。このため、形状調節器133は、レーザ発生器131から角度調節器132へと移動するラインビーム状のレーザビームが形状調節器133を通過することができる。したがって、形状調節器133を通過するラインビーム状のレーザビームの形状が調節されて転写基板Wに照射されることが可能になる。形状調節器133には、
図5に示すように、マスク部材133a及び選択部材133bが配備されてもよい。
【0065】
マスク部材133aは、プレート状に形成されてもよく、レーザビームが通過し得る複数のパターン孔h1を備えていてもよい。レーザ発生器131からマスク部材133aへと移動したレーザビームの一部はパターン孔h1を通過し、他の一部はマスク部材133aを通過できないことがある。このため、パターン孔h1の形状に倣って、転写基板Wに照射されるレーザビームの形状がパターンを有することができる。したがって、ラインビーム状のレーザビームは、マスク部材133aにより左右方向に互いに離れる複数の点状に転写基板Wに照射されることが可能になる。
【0066】
このとき、パターン孔h1は、位置に応じて形状や大きさが異なっていてもよい。例えば、左右方向に同じ形状のパターン孔h1が離れて配置されて一本のラインを形成してもよく、上下方向に互いに異なる形状や大きさのパターン孔h1を有するラインが離れて配置されてもよい。したがって、左右方向に延びるラインビーム状のレーザビームは、マスク部材133aのラインの一本を通過することができる。このため、マスク部材133aのラインにあるパターン孔h1の形状や大きさに応じて、転写基板Wに照射されるレーザビームの形状や大きさが決定されることが可能になる。
【0067】
一方、マスク部材133aにアライン孔h2がさらに配備されてもよい。アライン孔h2は、複数で配備されてもよい。パターン孔h1は、マスク部材133aの中心部に配置され、アライン孔h2は、複数で配備されてマスク部材133aの中心部を包み込む外郭部に配置されてもよい。アライン孔h2は、十字状に形成されてもよい。このため、アライン孔h2を通過するレーザビームは、アラインレーザとなって転写基板Wまたは被転写基板Gの表面に十字状に表示されることが可能になる。したがって、アラインレーザが表示される形状または位置を目安にして、転写基板Wと被転写基板Gの位置合わせ具合を調節することができる。しかしながら、アライン孔h2の形状はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0068】
選択部材133bは、マスク部材133aを支持してもよい。選択部材133bは、複数のパターン孔h1のうち、レーザビームが通過すべきマスク部材133aのラインを選択できるように、複数の方向にマスク部材133aを移動させることができる。選択部材133bは、転写基板Wに取り付けられたチップの形状や大きさまたは左右方向に配置される方式に応じて、レーザビームが通過すべきパターン孔h1を選択してもよい。
【0069】
例えば、選択部材133bは、前後駆動体と、左右駆動体と、上下駆動体及び回転駆動体を備えていてもよい。したがって、選択部材133bによりマスク部材133aの上下方向、前後方向、左右方向、勾配などが調節されることが可能になる。マスク部材133aの位置が調節されれば、レーザビームが通過すべきラインのパターン孔h1が選択されて、レーザビームの形状またはサイズを選択することができる。
【0070】
ハウジング134は、レーザ発生器131と、角度調節器132と、形状調節器133とが収められて支持される内部空間を有する。ハウジング134は移動部140と接続され、移動部140により全体が移動することができる。このため、ハウジング134が移動すれば、レーザ発生器131と、角度調節器132と、形状調節器133の全体もともに移動することができる。
【0071】
また、ハウジング134は、第2のステージ120の上側に配置されてもよい。ハウジング134は、前後方向に延びてもよい。レーザ発生器131と、形状調節器133及び角度調節器132は、ハウジング134の内部において前後方向に離れていてもよい。したがって、レーザ発生器131において発生させたレーザビームがハウジング134の内部において前後方向に移動することができる。
【0072】
このとき、第2のステージ120と向かい合うハウジング134の部分に開口が形成されてもよい。このため、角度調節器132において反射されるレーザビームが開口を介して第2のステージ120側に照射されることが可能になる。しかしながら、ハウジング134の構造と形状はこれに何ら限定されず、種々に変更可能である。
【0073】
一方、
図6に示すように、転写装置100は、撮影部180及びアライン部190をさらに備えていてもよい。撮影部180とアライン部190を用いて、転写基板Wと被転写基板Gの位置合わせ具合を調節する作業を行うことができる。
【0074】
撮影部180は、カメラであってもよい。撮影部180は、第2のステージ120の上側に位置してもよい。このため、撮影部180は、転写基板Gや被転写基板Wの表面に照射されるレーザビームを撮影することができる。したがって、撮影部180で転写基板Gや被転写基板Wの上にレーザビームが照射される位置や形状を確認することができる。
【0075】
アライン部190は、撮影部180と接続される。アライン部190は、アライン孔h2を通過するレーザビームが転写基板Wまたは被転写基板Gに照射される形状と位置に応じて、転写基板Wと被転写基板Gの位置合わせ具合を調節することができる。
【0076】
例えば、アラインレーザが照射される形状に応じて位置合わせ具合を調節する場合、アラインレーザが照射される形状を確認してもよい。このため、十字状のアラインレーザの形状が歪むと、転写基板Wまたは被転写基板Gの水平具合が不良であると判断することができる。したがって、アラインレーザの形状が歪んで表示されないように、第1のステージ110または第2のステージ120の水平具合を調節して、被転写基板Gまたは転写基板Wの水平上の位置合わせ具合を調節することができる。
【0077】
一方、アラインレーザが照射される位置に応じて位置合わせ具合を調節する場合、アラインレーザが照射される位置を確認してもよい。転写基板Wと被転写基板Gにアラインレーザの形状に対応する標識が形成されてもよい。したがって、アラインレーザの位置と標識の位置とが互いに対応しなければ(または、整合されていなければ)、XY平面上における転写基板Wまたは被転写基板Gの位置合わせ具合が不良であると判断することができる。このため、標識がアラインレーザが照射される位置に対応するように(または、整合されるように)、第1のステージ110または第2のステージ120を前後及び左右方向に移動させて、転写基板Wまたは被転写基板Gの平面上の位置合わせ具合を調節することができる。
【0078】
このとき、第2のステージ120は、第2の駆動部160によりレーザ照射部130と第1のステージ110との間の空間の内外に移動することもできる。第2のステージ120がレーザ照射部130と第1のステージ110との間に位置する場合、アラインレーザが第1のステージ110上の被転写基板Gに照射できなくなる虞もある。したがって、アライン部190は、第2のステージ120をレーザ照射部130と第1のステージ110との間の空間の外側に移動させた状態で被転写基板Gの位置合わせ具合を調節した上で、第2のステージ120をレーザ照射部130と第1のステージ110との間に移動させて転写基板Wの位置合わせ具合を調節することができる。
【0079】
あるいは、被転写基板Gの面積が転写基板Wの面積よりも大きく形成されてもよい。アラインレーザが通過できるように、第2のステージ120には透過窓(図示せず)が形成されてもよい。透過窓は、転写基板Wの外側の周りの少なくとも一部を包み込むように配置されてもよい。このため、複数のアラインレーザの一部は転写基板Wに照射され、他の一部は第2のステージ120を通過して被転写基板Gに照射されることが可能になる。したがって、転写基板Wと被転写基板Gの位置合わせ具合を同時に調節することもできる。
【0080】
図7は、本発明の実施形態に係るレーザ照射部と移動部の構造を示す図である。以下では、本発明の実施形態に係る移動部について詳しく説明する。
【0081】
図4及び
図7を参照すると、移動部140は、レーザ照射部130を支持してもよい。移動部140は、レーザビームを照射する状態のレーザ照射部130を移動させてレーザビームが照射される位置を調節してもよい。このため、第1のステージ110と第2のステージ120とが停止された状態で転写基板Wと被転写基板Gの位置を固定し、移動部140がレーザ照射部130を移動させてレーザビームで転写基板Wをスキャンすることができる。移動部140は、経路部材141及び移動部材142を備える。
【0082】
経路部材141は、転写基板Wと被転写基板Gとが向かい合う向き(または、上下方向)と交わる向き(または、前後方向)に延びてもよい。経路部材141は、移動部材142が移動する経路を形成する。経路部材141は、一対で配備されて左右方向に互いに離れていてもよい。
【0083】
このとき、移動部140は、支持部材143をさらに備えていてもよい。支持部材143は、第2のステージ120の上側に離れていてもよい。経路部材141は、支持部材143の上に配設されてもよい。支持部材143における第2のステージ120と向かい合う部分に開口が形成されてもよい。したがって、レーザ照射部130において発生されたレーザビームが支持部材143に形成された開口を介して転写基板Wに照射されることが可能になる。
【0084】
移動部材142は、レーザ照射部130のハウジング134と接続されて、レーザ照射部130を支持してもよい。移動部材142は、経路部材141の上に経路部材141の延長方向(または、前後方向)に直線移動自在に配設されてもよい。したがって、移動部材142が前後方向に移動すれば、移動部材142が支持するレーザ照射部130もともに前後に直線移動することができる。このため、第1のステージ110と第2のステージ120の位置を調節することなく、レーザ照射部130を移動させてレーザビームが照射される位置を前後方向に調節することができる。
【0085】
さらに、移動部材142は、経路部材141の上に浮上して移動してもよい。例えば、エアベアリング(Air Bearing)方式または磁気浮上方式により移動部材142が経路部材141の上に浮遊してもよい。したがって、移動部材142が経路部材141の上において移動するときに、摩擦が生じることを防ぐことができ、移動部材142を所望の位置に正確に移動させて、レーザ照射部130が転写基板Wの上にレーザビームを照射する位置を精度よく調節することができる。
【0086】
このように、第1のステージ110と第2のステージ120とが固定されるので、ステージを移動させてレーザビームが照射される位置を調節するときよりも転写工程の正確度が向上する。すなわち、ステージが移動する場合、転写基板Wからチップが落下するとき、転写基板Wと向かい合っていた被転写基板Gの位置が変動して、チップが定位置から外れて他の位置に落下することがある。第1のステージ110と第2のステージ120とが固定されれば、転写基板Wと被転写基板Gの位置が変動しないので、チップを所望の位置に正確に落下させることができる。
【0087】
さらにまた、移動部140がレーザ照射部130の全体を移動させるので、たとえレーザビームの転写基板Wへの照射位置が異なってきたとしても、同じ光量とフォーカシング(焦点合わせ)を保つことができる。このため、領域別に転写基板Wに照射されるレーザビームの条件が異なってくることを防いで、工程の精密性を向上させることができる。
【0088】
図8は、本発明の実施形態に係る転写方法を示すフローチャートである。以下では、本発明の実施形態に係る転写方法について説明する。
【0089】
本発明の実施形態に係る転写方法は、転写基板に与えられたチップを被転写基板に転写する方法である。
図8を参照すると、転写方法は、第1のステージに被転写基板を支持させる手順(S110)と、第2のステージにチップの取り付けられた転写基板を支持させ、被転写基板と向かい合うように位置させる手順(S120)と、レーザビームを照射するレーザ照射部を移動させながら、転写基板にレーザビームを照射する手順(S130)及びレーザビームで転写基板に取り付けられたチップを落下させて被転写基板に転写する手順(S140)を含む。
【0090】
図1から
図7に基づいて説明すると、まず、レーザ照射部130が照射するレーザビームの位置合わせ具合を調節する作業を行ってもよい。レーザ照射部130の下側に基準となる基板(図示せず)を予め用意しておいてもよい。基準となる基板にレーザビームを照射してレーザビームの形状と位置とを確認した後、レーザ発生器131と、形状調節器133及び角度調節器132のいずれか一つの作動を制御して、レーザビームの光量を調節し、かつ、フォーカシングなどを行う作業を行ってもよい。
【0091】
次いで、第1のステージ110に被転写基板Gを支持させてもよい。すなわち、第1の駆動部150の作動を制御して、被転写基板Gが運ばれる位置に第1のステージ110を移動させ、第1のステージ110の上に被転写基板Gを載置してもよい。
【0092】
このとき、被転写基板Gの位置合わせ具合を1次的に調節してもよい。例えば、被転写基板Gの周縁領域を撮影して、第1のステージ110の上において被転写基板Gがずれているかどうかを目視で確認してもよい。被転写基板Gの位置が定位置からずれていると判断されれば、XY平面上における被転写基板Gの第1のステージ110への載置位置を調節してもよい。
【0093】
第1のステージ110に被転写基板Gが載置されれば、第1の駆動部150の作動を制御して第1のステージ110をレーザ照射部130の下側(または、工程位置)に移動させてもよい。したがって、第1のステージ110に載置された被転写基板Gがレーザ照射部130と向かい合うように位置することができる。
【0094】
このとき、被転写基板Gの位置合わせ具合を2次的に調節してもよい。例えば、被転写基板Gにアラインレーザを照射してもよい。そして、撮影部180で被転写基板Gにアラインレーザが照射される形状及び位置のうちの少なくともどちらか一方に応じて第1のステージ110を移動させて被転写基板Gの位置合わせ具合を精度よく調節してもよい。
【0095】
アラインレーザが照射される形状に応じて位置合わせ具合を調節する場合、アラインレーザが被転写基板Gに照射される形状を確認してもよい。このため、十字状のアラインレーザの形状が歪むと、被転写基板Gの水平具合が不良であると判断することができる。したがって、アラインレーザの形状が歪んで表示されないように、第1のステージ110の水平具合を調節して、被転写基板Gの水平上の位置合わせ具合を調節することができる。
【0096】
このとき、アライン孔h2の形状が十字状である場合、被転写基板Gの水平上の位置合わせ具合を容易に確認することができる。すなわち、被転写基板Gがずれていると(被転写基板Gが傾いていると)、被転写基板Gの表面に表示されるアラインレーザの形状がつぶれることを容易に確認することができる。逆に、アラインレーザの形状が正常に表示されれば、被転写基板Gの水平具合が正常であることを容易に判断することができる。
【0097】
アラインレーザが照射される位置に応じて位置合わせ具合を調節する場合、アラインレーザが被転写基板Gに照射される位置を確認してもよい。被転写基板Gにアラインレーザの形状に対応する標識が形成されてもよい。したがって、アラインレーザの位置と標識の位置とが互いに対応していなければ(または、整合していなければ)、XY平面上における被転写基板Gの位置合わせ具合が不良であると判断することができる。このため、標識がアラインレーザが照射される位置に対応するように(または、整合するように)、第1のステージ110を前後及び左右方向に移動させて、被転写基板Gの平面上の位置合わせ具合を調節することができる。
【0098】
次いで、第2のステージ120にチップの取り付けられた転写基板Wを支持させてもよい。すなわち、第2の駆動部160の作動を制御して、転写基板Wが運ばれる位置に第2のステージ120を移動させ、第2のステージ120に転写基板Wを吸着させてもよい。
【0099】
このとき、転写基板Wの位置合わせ具合を1次的に調節してもよい。例えば、転写基板Wは、円形状に形成されてもよく、周縁に溝が刻設されてもよい。したがって、転写基板Wに刻設された溝の位置を撮影して、溝が転写基板Wの後端部に位置するかどうかを目視で確認することができる。溝が他の個所に位置すれば、転写基板Wの位置が定位置からずれていると判断してもよい。このため、転写基板Wの溝の位置が定位置となるように調節した後、転写基板Wを第2のステージ120の下部に吸着させることができる。
【0100】
第2のステージ120に転写基板Wが吸着されれば、レーザ照射部130と第1のステージ110との間に第2のステージ120を移動させてもよい。したがって、第2のステージ120が第1のステージ110と向かい合う位置に移動して、転写基板Wが被転写基板Gと向かい合うように位置することができる。
【0101】
このとき、被転写基板Gの位置合わせ具合を調節した後に、レーザ照射部130と第1のステージ110との間に第2のステージ120が移動してもよい。したがって、第2のステージ120がレーザ照射部130と第1のステージ110との間を閉塞する前に、被転写基板Gにアラインレーザが照射されて、被転写基板Gの位置合わせ具合を調節することができる。
【0102】
第2のステージ120の移動が完了すれば、転写基板Wの位置合わせ具合を2次的に調節してもよい。例えば、転写基板Wにアラインレーザを照射してもよい。そして、撮影部180で転写基板Wにアラインレーザが照射される形状及び位置のうちの少なくともどちらか一方に応じて第2のステージ120を移動させて転写基板Wの位置合わせ具合を精度よく調節してもよい。
【0103】
アラインレーザが照射される形状に応じて位置合わせ具合を調節する場合、アラインレーザが転写基板Wに照射される形状を確認してもよい。このため、十字状のアラインレーザの形状が歪むと、転写基板Wの水平具合が不良であると判断することができる。したがって、アラインレーザの形状が歪んで表示されないように、第2のステージ120の水平具合を調節して、転写基板Wの水平上の位置合わせ具合を調節することができる。
【0104】
このとき、アライン孔h2の形状が十字状である場合、転写基板Wの水平上の位置合わせ具合を容易に確認することができる。すなわち、転写基板Wがずれていると(被転写基板Gが傾いていると)、転写基板Wの表面に表示されるアラインレーザの形状がつぶれることを容易に確認することができる。逆に、アラインレーザの形状が正常に表示されれば、転写基板Wの水平具合が正常であることを容易に判断することができる。
【0105】
アラインレーザが照射される位置に応じて位置合わせ具合を調節する場合、アラインレーザが転写基板Wに照射される位置を確認してもよい。転写基板Wにアラインレーザの形状に対応する標識が形成されてもよい。したがって、アラインレーザの位置と標識の位置とが互いに対応していなければ(または、整合していなければ)、XY平面上における転写基板Wの位置合わせ具合が不良であると判断することができる。このため、標識がアラインレーザが照射される位置に対応するように(または、整合するように)、第2のステージ120を前後及び左右方向に移動させて、転写基板Wの平面上の位置合わせ具合を調節することができる。
【0106】
このように、被転写基板Gと転写基板Wが同様にアラインレーザを目安にして位置合わせ具合が調節される。したがって、被転写基板Gと転写基板Wとの位置合わせが行われる。
【0107】
一方、被転写基板Gと転写基板Wの位置合わせ具合を2次的に調節する作業を並行して行ってもよい。すなわち、第1のステージ110と第2のステージ120とをレーザ照射部130の下側に移動させた後、複数のアラインレーザを発生させてもよい。複数のアラインレーザの一部は転写基板に照射され、他の一部は第2のステージ120に配備される透過窓を通過して被転写基板Gに照射されてもよい。したがって、被転写基板Gと転写基板Wのそれぞれに照射されるアラインレーザを用いて、被転写基板Gと転写基板Wの位置合わせ具合を確認した後、位置合わせ具合が不良であれば、それぞれの位置合わせ具合を調節することができる。このため、被転写基板Gと転写基板Wの位置合わせ具合を同時に調節して工程にかかる時間を短縮することができる。
【0108】
また、被転写基板Gと転写基板Wの位置合わせ具合を並行して調節する場合、第1のステージ110に転写基板Gを載置する作業と、第2のステージ120に被転写基板Gを吸着する作業も並行して行われてもよい。このため、ステージに基板を載置する作業にかかる時間を短縮することもできる。
【0109】
次いで、レーザビームを照射するレーザ照射部130を移動させながら、転写基板Wにレーザビームを照射してもよい。すなわち、第1のステージ110と第2のステージ120とを移動させないので、被転写基板Gと転写基板Wの位置を固定した状態で、レーザ照射部130を移動させてレーザビームで転写基板Wをスキャンすることができる。したがって、被転写基板Gと転写基板Wの位置合わせ具合を合わせた後、ステージの移動により被転写基板Gと転写基板Wの位置ずれが起こることを防ぐことができる。
【0110】
このとき、チップは、複数で配備されて転写基板Wにアレイ状に配置されてもよい。形状調節器133にラインビーム状のレーザビームが流れ込むが、形状調節器133は、ラインビームの形状を、ラインビームが延びる向き(または、左右方向)に離れる複数の点状に変更して転写基板Wに照射してもよい。すなわち、レーザビームが左右方向に離れたチップの位置に合わせてレーザビームを照射してもよい。したがって、ラインビームの延長方向と交わる向き(または、前後方向)に沿ってレーザ照射部130を直線移動させると、アレイ状に配置されたチップの全体にレーザビームが照射されることが可能になる。
【0111】
さらに、レーザ発生器131は、前後方向に沿って移動するレーザビームが前後方向に離れたチップのそれぞれに達する時間に合わせて、転写基板Wにレーザビームを照射してもよい。
【0112】
例えば、予め定められた周期に従ってレーザビームを発生させてもよい。このため、レーザビームが転写基板Wをスキャンするとき、チップが配置された位置ではレーザビームを照射し、チップのない位置ではレーザビームを照射しなくてもよい。したがって、チップのある位置にのみレーザビームが照射されることが可能になる。
【0113】
あるいは、レーザビームの移動経路に遮断器(図示せず)が配備されてもよい。このため、レーザ発生器131においてレーザビームを発生させた状態で、遮断器でレーザビームの移動経路を開閉する作業を連続して行って、レーザビームが転写基板Wをスキャンするとき、チップが配置された位置ではレーザビームを照射し、チップのない位置ではレーザビームを照射しなくてもよい。したがって、チップのある位置にのみレーザビームが照射されることが可能になる。
【0114】
このとき、レーザ照射部130の全体が移動しながらレーザビームを照射するので、転写基板Wの全領域にわたって、同じ光量に調節され、かつ、同様にフォーカシングされたレーザビームが照射されることが可能になる。したがって、レーザビームの光量やフォーカシングが異なってきて、一部のチップが転写基板Wから引き離されないことを防ぐことができる。
【0115】
転写基板Wに照射されるレーザビームは、転写基板Wに与えられたチップを落下させて被転写基板Gに転写してもよい。すなわち、レーザビームは、転写基板Wとチップとの貼り合わせ面に熱エネルギーを加えて、転写基板Wとチップとを引き離してもよい。したがって、転写基板Wからチップが引き離され、被転写基板Gに落下することができる。転写基板Wと被転写基板Gの位置合わせ具合が調節された状態であるので、転写基板Wから引き離されたチップは、被転写基板Gの予め定められた位置に正確に落下することができる。
【0116】
このとき、被転写基板Gとチップとを貼り合わせながら電気的に接続できるように、被転写基板Gの上部面にボンディング材質の薄膜層(図示せず)が配備されてもよい。例えば、ボンディング材質の薄膜層は、異方導電性フィルム(ACF:Anisotropically Conductive Film)層であってもよい。ボンディング材質の薄膜層は、内部に多数の伝導性粒子が分散されることが可能であり、所定の粘着性を有することができる。したがって、転写基板Wから引き離されて落下するチップが被転写基板Gの上部に取り付けられることが可能になる。
【0117】
転写基板Wに与えられたチップがいずれも被転写基板Gに転写されれば、被転写基板Gを後続工程が行われる場所に運んでもよい。後続工程においては、レーザビームを用いて、被転写基板Wに転写されたチップと被転写基板Gとの貼り合わせ面に熱を加える。したがって、被転写基板Gの上に配備されたボンディング材質の薄膜層とチップとを貼り合わせ、これらを電気的に接続することができる。
【0118】
このように、転写工程を行うとき、転写基板Wと被転写基板Gとを固定した状態で、移動部140を用いてレーザビームの照射位置を細かく調節してもよい。したがって、転写工程の最中に第1のステージ110や第2のステージ120が移動して、被転写基板Gや転写基板Wの位置が変動することを防ぐことができる。このため、チップを被転写基板G上の予め定められた位置に正確に落下させて、転写工程の精密性を向上させることができる。
【0119】
以上、本発明の詳細な説明の欄においては、具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲を逸脱しない限度内において種々に変形可能である。よって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限られて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけではなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。