特開2021-62038(P2021-62038A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-62038(P2021-62038A)
(43)【公開日】2021年4月22日
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
   A44C 17/02 20060101AFI20210326BHJP
   A44C 9/00 20060101ALI20210326BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20210326BHJP
【FI】
   A44C17/02
   A44C9/00
   A44C5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-188567(P2019-188567)
(22)【出願日】2019年10月15日
(71)【出願人】
【識別番号】519370500
【氏名又は名称】株式会社E&J
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンミン
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114BA02
3B114BC00
3B114BD00
3B114BD09
3B114BD10
3B114CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】宝石枠をフレームに揺れるように保持させることがないため製作が容易であり、しかもゆらゆらと揺れる感じの装身具を多様なバリエーションで提供する。
【解決手段】透明ないし半透明の装飾体12と、前記装飾体を透過する光を受光してはね返す反射体13と、これらを収納可能な枠14の三者とから構成され、前記枠の前部には装飾体を保持するとともに、前記枠内において装飾体の後部に前記反射体を揺動可能に保持したことを特徴とする装身具。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明ないし半透明の装飾体と、
前記装飾体を透過する光を受光してはね返す反射体と、これらを収納可能な枠の三者とから構成され、
前記枠の前部には装飾体を保持するとともに、前記枠内において装飾体の後部に前記反射体を揺動可能に保持したことを特徴とする装身具。
【請求項2】
前記透明ないし半透明の装飾体が、ダイヤ、ルビー、サファイア、水晶その他の貴石あるいは半貴石を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
前記反射体が、板状、棒状、球状、その他の立体形状を含む適宜形状を備え、必要に応じて好適な反射性を有する着色した表面材料で被覆されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装身具。
【請求項4】
前記反射体を揺動可能に保持する手段が、前記枠に揺動可能に連結する丸環や、前記枠に揺動可能に保持するピボット軸、前記枠に回転可能に保持する回転軸、前記枠に首振り可能に保持するコイルバネを含むものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装身具前面に宝石等の透明ないし半透明の装飾体が配置されており、該装飾体の後部には首振り自在に保持された反射体が保持されていて、該反射体の揺れに応じて前記装飾体自体があたかも揺れているように見えたり、万華鏡のように見えるようにした装身具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明のような「揺れ」を表現するようにした装身具としては、以下のようなものが知れられている。
1)装身具を構成するフレーム内に宝石を揺れるように保持する機構を内蔵させたもの。
a.宝石枠をフレームに1または2の丸環で細かく揺れ動けるように吊下げたもの(特許第5424435号公報、特許文献1参照)。
b.宝石枠をピボット状の支軸を介してフレーム内で細かく揺れ動けるように保持したもの(特許第6583977号公報、特許文献2参照)。
c.宝石枠に取り付けた回転軸をフレームに回転可能に保持させたもの(実用新案登録第3033119号公報公報、特許文献3参照)。
d.宝石枠に取り付けたコイルねじをフレームに細かく首振りできるように保持させたもの(特許6347500号公報、特許文献4参照)。
【0003】
2)装身具を構成するフレーム内に宝石を保持させ、その後部に反射体を配置させたもの。
e.反射体が蓄光特性のあるシールからなるもの(実用新案登録第3104447号公報、特許文献5参照)。
f.反射体が球状体からなるもの(実用新案登録第3211270号公報、特許文献6参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5424435号公報
【特許文献2】特許第6583977号公報
【特許文献3】実用新案登録第3033119号公報
【特許文献4】特許6347500号公報
【特許文献5】実用新案登録第3104447号公報
【特許文献6】実用新案登録第3211270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記「1)装身具を構成するフレーム内に宝石を揺れるように保持する機構を内蔵させたもの」においては、宝石枠をフレームに揺れるように保持させる機構が必要であり、製作に手間がかかってコストアップにつながるという不利益があった。
【0006】
また、「2)装身具を構成するフレーム内に宝石を保持させ、その後部に反射体を配置させたもの」のe.においては、装飾体が揺れ動くような感覚には乏しい。
f.においては、球状体を内蔵させたものであり、ゆらゆらと揺れる感じの装身具を提供することはできるものの、装飾体が揺れ動くような感覚を生起させたり、また多様なバリエーションを提供することには問題があった。
【0007】
そこで本発明は、宝石枠をフレームに揺れるように保持させることがないため製作が容易であり、しかも装飾体が揺れ動く感覚を持つ装身具を、しかも多様なバリエーションで提供することができるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明の装身具は、透明ないし半透明の装飾体と、
前記装飾体を透過する光を受光してはね返す反射体と、これらを収納可能な枠の三者とから構成され、
前記枠の前部には装飾体を保持するとともに、前記枠内において装飾体の後部に前記反射体を揺動可能に保持したことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の装身具は、前記透明ないし半透明の装飾体が、ダイヤ、ルビー、サファイア、水晶その他の貴石あるいは半貴石を含むものであることをも特徴とするものである。
【0010】
本発明の装身具は、前記反射体が、板状、棒状、球状、その他の立体形状を含む適宜形状を備え、必要に応じて好適な反射性を有する着色した表面材料で被覆されていることをも特徴とするものである。
【0011】
本発明の装身具は、前記反射体を揺動可能に保持する手段が、前記枠に揺動可能に連結する丸環や、前記枠に揺動可能に保持するピボット軸、前記枠に回転可能に保持する回転軸、前記枠に首振り可能に保持するコイルバネを含むものであることをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る装身具は、宝石枠が揺動しないため光がチカチカすることがなく、しかも装飾体後面の反射体の揺動によって装飾体が揺れているように見える装身具を提供することが可能となった。
またその際、装身具の背後の服装が透けて見えることがなく、宝石等の装飾体の色合いや輝き類が服装等に影響されることがない。
【0013】
請求項2に係る装身具は、前記装飾体としてダイヤ、ルビー、サファイア、水晶その他の貴石あるいは半貴石を含むものであって、非常に多様なバリエーションの装身具を提供することができる。
【0014】
請求項3に係る装身具は、前記反射体が、板状、棒状、球状、その他の立体形状を含む適宜形状を備え、必要に応じて好適な反射性を有する着色した表面材料で被覆されているものであって、非常に多様なバリエーションの装身具を提供することができる。
【0015】
請求項4に係る装身具は、前記反射体を揺動可能に保持する手段が、前記枠に揺動可能に連結する丸環や、前記枠に揺動可能に保持するピボット軸、前記枠に回転可能に保持する回転軸、前記枠に首振り可能に保持するコイルバネを含むものであって、これらを適宜選択することにより常に多様なバリエーションの装身具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る装身具の1実施例を示す概略正面図である。
図2】その概略背面図である。
図3】その概略正面透視図である。
図4】その概略背面透視図である。
図5】その概略側面図である。
図6】その概略側面透視図である。
図7】その概略分解斜視図である。
図8】部分的に組み立てた状態の概略斜視図である。
図9】組立完了時の概略斜視図である。
図10】組立完了時の概略斜視透視図である。
図11】その背面側から見た概略斜視透視図である。
図12】その概略側面断面図である。
図13】反射体が揺れている状態を示す概略側面断面図である。
図14】本発明に係る装身具の他の実施例を示し、(a)はその概略側面断面図、(b)は90°向きを変えた状態の概略側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の装身具の実施の形態を図面に基いて説明する。
図1ないし図6に示す本発明の第1実施例において、装身具11は透明ないし半透明の装飾体12と、前記装飾体12を透過する光を受光してはね返す反射体13と、これらを収納可能な枠14の三者とから構成されている。
そして、前記枠14の前部には装飾体12を保持するとともに、前記枠14内における装飾体12の後部に前記反射体13を揺動可能に保持したものである。
なお、前記枠14は金や銀、プラチナ、またこれらの合金等の貴金属で構成されている。
このような実施例においては、宝石を保持した枠14が揺動しないため光がチカチカすることがなく、しかも装飾体12後面の反射体13の揺動によって装飾体12自体が揺れているように見える装身具11を提供することが可能となった。
【0018】
そして、前記透明ないし半透明の装飾体12は、カーボション型に表面側が膨らんで構成され、背面側は前記枠14の内周面に保持されるテーパ状断面12aを介して平面に形成されている。このようなカーボション型の装飾体12は、その有するレンズ作用で前記反射体13からの光をより効果的に揺れ動くように見せることができる。
ちなみに、前記装飾体12としてローズカットしたものを使用した場合、反対体13からの光が装飾体12から出射すると万華鏡のように数多くのモチーフが表現されているように見える。
なお、前記透明ないし半透明の装飾体12としてはダイヤ、ルビー、サファイア、水晶その他の貴石あるいは半貴石とすることが望ましい。
そしてこのように前記装飾体12としてダイヤ、ルビー、サファイア、水晶その他の貴石あるいは半貴石を利用した場合、非常に多様なバリエーションの装身具11を提供することができる。
【0019】
前記装身具11において、前記反射体13は表面を表面材料で被覆して好適な反射性を持たせた着色した板状体、例えば金属板や樹脂板からなるものである。このような表面材料としては白色あるいは前記装飾体12の色合いと同系統の適宜の彩色を備えた塗料やメッキ等からなるコーティング材料とすることができる。
なお前記反射体13は、板状体のほか、棒状、球状、カット面を有する宝石類、その他の立体形状を含む適宜の形状とすることができる。
そしてこのように前記反射体13として板状体のほか、棒状、球状、カット面を有する宝石類、その他の立体形状を採用することにより、非常に多様なバリエーションの装身具11を提供することができる。
【0020】
前記装身具11において、前記反射体13を前記枠14に揺動可能に保持する手段は、前記枠14に揺動可能に連結した丸環15とすることができ、これを前記板状の反射体13の上部に設けた係合孔13aにはめ込んで自由に揺れるように保持したものである。
もちろん、前記反射体13を前記枠14に揺動可能に保持する手段としては、前記丸環15のほか、前記枠14に揺動可能に保持するピボット軸、前記枠14に回転可能に保持する回転軸、前記枠14に首振り可能に保持するコイルバネ等とすることも可能である。
そしてこのような前記反射体13を前記枠14に揺動可能に保持する手段の中から適宜選択することにより、常に多様なバリエーションの装身具を提供することができる。
【0021】
次に、図7ないし図11に前記装身具11の組付け過程について説明する。
すなわち前記枠14は、図7のように前面を構成する円形の装飾体保持リング21と、後面を構成する円形の反射体保持リング22とを備え、各リング21,22間を連結する複数の連結棒23とを有するものである。
そして、前記装飾体保持リング21内にカーボション型の装飾体12をはめ込んでおく。
図において24は反射体保持リング22の適所に差し渡した横枠で、前記丸環15はこの横枠24に取り付けられている。
他方、前記反射体13には前記横枠24に取り付けた丸環15に対応する位置に連結孔13aが配置されている。もちろん、前記丸環の数や取付位置等は揺れ具合等を考慮して適宜決定することができる。
【0022】
その上で、図8に示すように前記装飾体保持リング21に複数の連結棒23を所定の間隔で取り付ける。
他方、前記反射体13を前記横枠24に取り付けた丸環15に揺動可能に吊り下げておく。
その後、図9に示すように、前記複数の連結棒23の後端を反射体保持リング22に取り付ければ組立完了である。
ちなみに、図10は前記装身具11の組立完了時の概略斜視透視図で、図11はそれを背面側から見た概略斜視透視図である。
【0023】
以上の構成を備えた本発明の装身具11の構成を、図12の断面図を用いて説明する。
すなわち、前記装飾体保持リング21内にカーボション型の装飾体12をはめ込んでおく。その際、前記カーボションの外縁はテーパ状断面12aを備えており、このテーパ部分を前記装飾体保持リング21の内周面に形成したテーパ状受け面21aに係合して保持させる。なお両者の結合は接着剤でも、爪止めや伏込み、彫止めその他の適宜手段を採用することができる。
他方、前記反射体13は前記横枠24に取り付けた丸環15に揺動可能に吊り下げてある。
【0024】
上記構成の本実施例の装身具11は、ブローチやネックレス、イヤリング等に使用した場合、身体の動きに応じて前記反射体13が細かく首振りし、このような反射体13の揺動によって装飾体12自体が揺れているように見える装身具11を提供することができるようになった。
【0025】
図14は本発明に係る装身具の第2実施例を示すものである。
本実施例においては、装身具31は上向きである。そのため反射体33は枠34の反射体保持リング34aの適所から所定の高さに立ち上げた上で差し渡した横枠34bに、前記反射体33の中央に立設した支柱33aの上端に設けた丸環33bを挿通して首振り可能に保持されている。
したがって、本実施例の装身具31は、指輪やブレスレット等に使用した場合、腕等の動きに応じて前記反射体33が細かく首振りし、このような反射体33の揺動によって装飾体32自体が揺れているように見えるのである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明に係る装身具によれば、宝石枠をフレームに揺れるように保持させることがないため製作が容易であり、しかも装飾体が揺れ動く感覚を持つ装身具を、しかも多様なバリエーションで提供することができる。
もちろん、本発明の要旨を変更しない限り、その他さまざまな用途にも応用することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0027】
11 装身具
12 装飾体
12a テーパ状断面
13 反射体
13a 連克孔
14 枠
15 丸環
21 装飾体保持リング
21a テーパ状受け面
22 反射体保持リング
23 連結棒
24 横枠
31 装身具
32 装飾体
33 反射体
33a 支柱
33b 丸環
34 枠
34a 反射体保持リング
34b 横枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14