【課題】インストルメントパネルと別体で構成されたメータフードを、専用部品を用いることなく、支持剛性を高めた取付け状態でインストルメントパネルに取り付けできるメータフードの取付け構造の提供を目的とする。
【解決手段】インストルメントパネル1と別体で構成されるとともに、メータユニット10の上方を覆うように配置されるメータフード20をインストルメントパネル1に取り付けるメータフード20の取付け構造であって、メータフード20の前部に、インストルメントパネル1に取り付ける取付部223が設けられ、インストルメントパネル1の内部においてメータユニット10の車体前方Fに備えられた、インストルメントパネル1のコア材より剛性の高いカバー部材30に、車体後方Rに向かって延びる延設部32が設けられ、延設部32に取付部223の少なくとも一部を取り付ける。
インストルメントパネルと別体で構成されるとともに、メータユニットの上方を覆うように配置されるメータフードを前記インストルメントパネルに取り付けるメータフードの取付け構造であって、
前記メータフードの前部に、前記インストルメントパネルに取り付ける取付部が設けられ、
前記インストルメントパネルの内部において前記メータユニットの車体前方に備えられた、前記インストルメントパネルより剛性の高い構造体に、車体後方に向かって延びる延設部が設けられ、
該延設部に前記取付部の少なくとも一部が取り付けられる
メータフードの取付け構造。
前記構造体は、前記メータフードより車体前方のインストルメントパネルに形成された、ヘッドアップディスプレイ用の開口部の周縁を囲繞するように設けられるカバー部材であり、
前記延設部が前記カバー部材における後部に設けられた
請求項1乃至5のうちいずれかに記載のメータフードの取付け構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、インストルメントパネルと別体で構成されたメータフードを、専用部品を用いることなく、支持剛性を高めた取付け状態でインストルメントパネルに取り付けできるメータフードの取付け構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、インストルメントパネルと別体で構成されるとともに、メータユニットの上方を覆うように配置されるメータフードを前記インストルメントパネルに取り付けるメータフードの取付け構造であって、前記メータフードの前部に、前記インストルメントパネルに取り付ける取付部が設けられ、前記インストルメントパネルの内部において前記メータユニットの車体前方に備えられた、前記インストルメントパネルより剛性の高い構造体に、車体後方に向かって延びる延設部が設けられ、該延設部に前記取付部の少なくとも一部が取り付けられることを特徴とする。
【0006】
この発明により、インストルメントパネルと別体で構成されたメータフードを、専用部品を用いることなく、支持剛性を高めた取付け状態でインストルメントパネルに取り付けることができる。
詳述すると、延設部は、前記インストルメントパネルの内部において前記メータユニットの車体前方に備えられた、前記インストルメントパネルより剛性の高い構造体において車体後方に向かって延びる部分である。このように、インストルメントパネルより剛性の高い構造体の延設部に取付部の少なくとも一部を取付ける。このため、インストルメントパネルにメータフードを、専用部品を用いることなく、支持剛性を高めた取付け状態で取り付けることができる。
【0007】
上述のインストルメントパネルより剛性の高い構造体は、インストルメントパネルより機械的強度が高い素材で構成されることで高剛性に構成した構造体や、形状によってインストルメントパネルより高剛性に構成した構造体などが含まれる。
【0008】
この発明の態様として、前記メータフードは、前記取付部を有する取付基部と、車幅方向の中間部分において前記取付基部に対し間隔を隔てたブリッジ状に形成されたブリッジ部と、前記間隔を跨いで前記ブリッジ部と前記取付基部とを連結する脚部とが備えられ、前記取付基部における前記脚部の近傍に前記取付部が形成されてもよい。
【0009】
この発明により、デザイン性の高いメータフードを、支持剛性を高めた取付け状態でインストルメントパネルに取り付けることができる。
詳述すると、前記メータフードに、前記取付部を有する取付基部に対して、車幅方向の中間部分において間隔を隔てたブリッジ状に形成されたブリッジ部が備えられているため、デザイン性の高いメータフードを構成することができる。
【0010】
その反面、前記ブリッジ部は、前記取付部を有する取付基部に対して、車幅方向の中間部分において間隔を隔てたブリッジ状に形成されているため、メータフードの剛性が低下するおそれがある。しかしながら、前記ブリッジ部と前記取付基部とを前記間隔を跨いで連結する脚部が備えられているため、メータフードの剛性低下を抑制することができる。
【0011】
さらには、前記取付基部における前記脚部の近傍に前記取付部が形成されているため、ブリッジ部に作用する荷重は、前記脚部を介して、取付部によって効率的に支持することができる。そのため、前記脚部と前記取付部とが離れている取付構造のようにメータフードの支持剛性の低下に起因し、ブリッジ部に作用する荷重によってメータフードが変形するような不具合の発生を防止することができる。
なお、脚部の近傍は、脚部に対して物理的に近いことのみならず、幅方向などの所定の方向における位置が脚部に近いことも含まれる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記メータユニットの上部に、車体後方に向けて開放する凹部が形成されるとともに、前記取付基部における下部に前記凹部に差し込まれる嵌合部が形成されてもよい。
この発明により、メータフードに荷重が作用することによるメータフードの回動を防止することができる。
【0013】
詳述すると、メータフードへの荷重の作用によって、前記取付部を支点としてメータフードは回動しようとする。これに対し、前記凹部に前記嵌合部が差し込まれることによって上記荷重に抗し、メータフードの回動を防止することができる。
なお、嵌合部は前記取付基部における前記取付部より下部に形成されることがより好ましい。
【0014】
またこの発明の態様として、前記凹部及び前記嵌合部において相互に当接する当接箇所の一方は平面状に形成され、他方が嵌合方向に交差する方向の曲面状に形成されてもよい。
この発明により、前記凹部への前記嵌合部の差し込み負荷を低減し、メータフードを組み付ける際の前記凹部へ前記嵌合部を差し込んで嵌合させることに伴うメータフードの組み付け性の低下を防止できる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記凹部において前記嵌合部が上方に向かって当接する箇所を上被当接箇所とするとともに、前記凹部の近傍において前記嵌合部の近傍が下方に向かって当接する箇所を下被当接箇所とし、前記凹部において前記上被当接箇所と前記下被当接箇所とは、車体後方に向かって上下方向に間隔が漸次拡大するテーパー状に形成されてもよい。
【0016】
この発明により、前記凹部への前記嵌合部の差し込み負荷をさらに低減し、メータフードを組み付ける際の前記凹部へ前記嵌合部を差し込んで嵌合させることに伴うメータフードの組み付け性の低下をより確実に防止できる。
【0017】
詳述すると、車体後方から車体前方に向かって前記嵌合部が前記凹部に差し込まれる際に、前記凹部における上被当接箇所と、前記凹部の近傍における下被当接箇所が、車体後方に向かって上下方向に間隔が漸次拡大するテーパー状に形成されている。そのため、前記凹部への前記嵌合部の差し込み負荷をさらに低減し、スムーズに差し込むことができる。したがって、メータフードを組み付ける際の前記凹部へ前記嵌合部を差し込んで嵌合させることに伴うメータフードの組み付け性の低下をより確実に防止できる。また、前記上被当接箇所と前記下被当接箇所がテーパー状に形成されているため、前記凹部へ差し込まれる前記嵌合部を案内することができる。
【0018】
なお、上被当接箇所や下被当接箇所は、前記凹部に前記嵌合部が差し込まれた嵌合状態において、上被当接箇所や下被当接箇所の両方あるいは一方が、前記嵌合部や前記嵌合部の近傍が常時当接してもよいし、荷重が作用することで当接する態様であってもよい。
【0019】
またこの発明の態様として、前記構造体は、前記メータフードより車体前方のインストルメントパネルに形成された、ヘッドアップディスプレイ用の開口部の周縁を囲繞するように設けられるカバー部材であり、前記延設部が前記カバー部材における後部に設けられてもよい。
【0020】
この発明により、ヘッドアップディスプレイ用の開口部の周縁を囲繞するように設けられるカバー部材の後部を後方に延長するだけでインストルメントパネルより高剛性の取付部を構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、インストルメントパネルと別体で構成されたメータフードを、専用部品を用いることなく、支持剛性を高めた取付け状態でインストルメントパネルに取り付けできる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
なお、
図3及び
図5ではインストルメントパネル1を透過した状態で図示し、
図10ではメータフード20を透過した状態で図示している。さらに、図中において、矢印Fは車体前方を示し、矢印Rは車体後方を示している。また、矢印Wは車幅方向を示している。
【0024】
本実施形態のメータフード20の取付け構造は、インストルメントパネル1と別体で構成されるとともに、メータユニット10の上方を覆うように配置されるメータフード20をインストルメントパネル1に取り付けるものである。
【0025】
より詳しくは、車室内から視た
図1に示すように、運転席Dに着座した運転者の胸のあたりの高さの前方にステアリングホイールSが配置され、その車体前方Fに車幅方向Wに延びるインストルメントパネル1が配置されている。
【0026】
インストルメントパネル1は、車幅方向W両側のフロントピラー(図示省略)の基部同士間において、フロントウィンドウFw(
図10乃至
図13)の基部からステアリングホイールSの車体前方Fの範囲に配置されている。
なお、インストルメントパネル1は、質感や触感のためのパッドと呼ばれる表層と、ポリプロピレン樹脂(PP材)製のコア材とで構成されている。
【0027】
また、インストルメントパネル1における上面1aの前部には、
図2に示すように、フロントウィンドウFwや投影板に所望の情報を映し出すヘッドアップディスプレイ2用の開口1bが設けられている。なお、ヘッドアップディスプレイ2は、インストルメントパネル1の内部に配置されている。
【0028】
インストルメントパネル1におけるステアリングホイールSの車体前方Fには、運転席Dに着座した運転者が視認できるように、速度メータなどの各種メータ10aを有するメータユニット10が配置されている。また、メータユニット10の上方を覆うようにメータフード20が配置されている。なお、メータユニット10はメータセットとも呼ばれる。
【0029】
メータユニット10は、
図10に示すように、運転席Dから視て車幅方向Wの両側に配置された円形状のメータ10aの部分が下方に突出し、上部が上方に凸な略円弧状に形成されている。また、車幅方向Wの両側に配置された円形状のメータ10aの外側に沿って覆うように、且つ車体後方Rに向かって突出する縁部14が設けられている。さらに、車幅方向Wの両側における上下両側に、インストルメントパネル1のコア材にスクリュウボルト11で締結してメータユニット10をインストルメントパネル1に固定するメータ取付部12,13が設けられている。
【0030】
下側メータ取付部12は、メータユニット10の車幅方向Wの両側において下方に突出するように配置されている。
上側メータ取付部13は、メータユニット10の車幅方向Wの両側において、縁部14に対して所定の間隔を隔てて上方に配置されている。具体的には、上側メータ取付部13は、
図10に示す、底面が車幅方向Wに沿った平面となり、上部が上方に向かって凸なアーチ状となる、運転席Dから視て釣り鐘形状である。そして、上側メータ取付部13は、
図10及び
図13に示す、横臥状態の柱状であり、車体後方Rに突出するとともに、運転席Dから視てその中央付近にスクリュウボルト11が配置されている。
【0031】
縁部14は、上述したように、車幅方向Wの両側に配置された円形状のメータ10aの外側に沿って覆うように形成されており、
図13に示すように、漸次上下方向の間隔が縮まるように車体後方Rに向かって突出する横臥姿勢の断面V字状に形成されている。
また、縁部14において上側メータ取付部13の下方部分は、運転席Dから視て、車幅方向Wの外側に向かって徐々に下がる略円弧状で形成されている。
【0032】
なお、このように構成されたメータユニット10において、上側メータ取付部13と縁部14との間には、
図10及び
図13に示すように、メータフード20における嵌合固定部25が差し込まれる凹部15が形成されている。
【0033】
具体的には、運転席Dから視て釣鐘状に形成された上側メータ取付部13の底面と、車体後方Rに向かって突出する横臥姿勢の断面V字状に形成された縁部14の上面との間に凹部15が形成されている。凹部15は、
図13に示すように、平面状の上側メータ取付部13の底面と、縁部14の上面とで、車体後方Rに向かって漸次拡大する横臥状態の断面V字状の空間となる。
【0034】
また、
図10に示すように、上側メータ取付部13の車幅方向Wの外側には、後述するメータフード20の連結部24に設けたクリップ16が挿入されて固定される挿入口17が設けられている。
また、挿入口17の下方には、メータユニット10をインストルメントパネル1のコア材に固定するスクリュウボルト11が設けられている。
【0035】
このように構成されたメータユニット10は、下側メータ取付部12及び上側メータ取付部13においてスクリュウボルト11でインストルメントパネル1のコア材に締結固定されるとともに、適宜の箇所に配置したクリップ16でインストルメントパネル1のコア材に固定されている。
【0036】
メータフード20は、
図6及び
図7に示すように、運転席Dから視て車幅方向Wの中央部分に対して両側が、車幅方向Wの外側に向かって下方に傾斜するブリッジ部21と、メータフード20を取付けるための取付基部22と、ブリッジ部21と取付基部22とを連結する脚部23とで構成している。なお、メータフード20は、フードアッパー部材とフードロア部材とを組み付けて構成している。
【0037】
ブリッジ部21は、適宜の厚みで形成されるとともに、メータフード20がインストルメントパネル1に配置された状態でメータユニット10の上方に覆い被されるフードである。ブリッジ部21は、中央部211と傾斜部212とで構成されている。
【0038】
中央部211は、運転席Dから視てメータユニット10における車幅方向Wの両側のメータ10a同士の間の上部に配置される。傾斜部212は、インストルメントパネル1に配置された状態においてメータユニット10における両側のメータ10aの外側上部に沿うように、中央部211の車幅方向Wの両側から、車幅方向Wの外側に向かって下方に傾斜している。
このように構成されたブリッジ部21は、
図11及び
図12に示すように、メータフード20がインストルメントパネル1に配置された状態で、車体後方Rに向かって略水平状に所定の長さ突出するように構成されている
【0039】
取付基部22は、
図7に示すように、車体後方Rに向かって略水平状に所定の長さ突出するブリッジ部21の車体前方Fにおいて、下方に向かって徐々に車体前方Fとなるように傾斜する態様で配置されている。
また、取付基部22は、
図7に示すように、運転席Dから視てブリッジ状に形成された中央部211よりひとまわり小さな上辺221と略水平な下辺222とで構成された車幅方向Wに長い略台形状で形成されている。
【0040】
上述のように、車幅方向Wに長い略台形状に形成された取付基部22には、車幅方向Wに所定の間隔を隔てて設けられたスクリュウボルト11とその両外側に設けられたクリップ16とが配置される取付部223が設けられている。なお、取付部223は、
図1及び
図4に示すように、運転席Dからに着座した運転手から見えないように、車体後方Rにおいてカバー224で覆い被すことができる。なお、
図6ではカバー224を取り外した状態を示している。
【0041】
また、
図2及び
図6に示すように、ブリッジ部21の中央部211には、ブリッジ部21の中央部211の内面と連結し、中央部211を支持する脚部23が、車幅方向Wに所定の間隔を隔てて設けられている。具体的には、脚部23は、車幅方向Wに長い略台形状に形成された取付基部22の上辺221において、取付基部22に設けた取付部223に近い車幅方向Wの位置に配置されている。
【0042】
より正確には、車幅方向Wに長い略台形状に形成された取付基部22の上辺221において、取付基部22に設けたスクリュウボルト11とその外側に配置したクリップ16との間においてスクリュウボルト11に近い側の車幅方向Wの位置に配置されている。そのため、ブリッジ部21に作用する荷重は、脚部23を介し、取付基部22の上辺221におけるスクリュウボルト11が主として支持することができる。
【0043】
また、
図7に示すように、取付基部22の車幅方向Wの両側部分には、車幅方向Wに長い略台形状に形成された取付基部22の縁部と、ブリッジ部21の傾斜部212の内面とを結ぶ連結部24が設けられている。
【0044】
より具体的には、連結部24は、ブリッジ部21に対して、車体前方Fにおいて、下方に向かって徐々に車体前方Fとなるように傾斜する態様で配置された取付基部22の車幅方向Wの縁部と傾斜部212の内面とを連結する。そして、連結部24は、取付基部22の車幅方向Wの縁部と傾斜部212の内面との間を埋めるとともに、さらには傾斜部212の下方に突出するように形成されている。
【0045】
また、
図7及び
図8に示すように、連結部24における車体前方Fには、インストルメントパネル1のコア材に固定されるメータユニット10に対してメータフード20を固定するための嵌合固定部25及びクリップ16を設けている。
【0046】
嵌合固定部25は、
図13に示すように、連結部24における下端より上方に立ち上がる立ち上がり部26と、立ち上がり部26の上端から車体前方Fに突出する嵌合部27とで構成され、メータユニット10に固定するクリップ16より車幅方向Wの内側に配置されている。そして、立ち上がり部26と嵌合部27との外角部は面取りされ、当接部28を構成している。
【0047】
なお、嵌合部27は、
図9に示すように、車体前方Fから見て上に凸なアーチ状に形成されている。
また、連結部24において、嵌合部27の車幅方向Wの外側の上方には、メータユニット10に設けた挿入口17に挿入されるクリップ16が設けられている。
【0048】
このように構成されたメータフード20は、脚部23及び連結部24を介してブリッジ部21及び取付基部22が一体化されており、取付基部22の上辺221に対して、ブリッジ部21の中央部211が上方に浮いた状態となる。つまり、
図9に示すように、取付基部22の上辺221と、ブリッジ部21の中央部211の底面との間に間隔Cが形成されている。そして、取付基部22の上辺221と、ブリッジ部21の中央部211とを連結する脚部23は、間隔Cを上下方向に跨ぐように配置されることとなる。
【0049】
そのため、ブリッジ部21に作用する荷重は、取付部223の近傍の車幅方向Wの位置に配置された脚部23を介し、取付基部22の取付部223におけるスクリュウボルト11で主として支持することができる。
【0050】
続いて、インストルメントパネル1の内部に配置されたヘッドアップディスプレイ2と、インストルメントパネル1の開口1bとの間を塞ぐカバー部材30について説明する。
上述したように、インストルメントパネル1における上面1aの前部には、ヘッドアップディスプレイ2用の開口1bが設けられ、インストルメントパネル1内部に配置されたヘッドアップディスプレイ2との間を塞ぐカバー部材30が設けられている。
【0051】
カバー部材30は、
図4に示すように、インストルメントパネル1とヘッドアップディスプレイ2との間において、上面1aの裏面側に沿うように配置されている。
具体的には、カバー部材30は、ヘッドアップディスプレイ2と開口1bの周縁部との間を塞ぐカバー部31と、カバー部31から車体後方Rに延びる延設部32とで構成され、カバー部31の一部が開口した底面視略矩形状に形成されている。
延設部32は、
図4に示すように、取付基部22の脚部23に設けたスクリュウボルト11によってメータフード20が固定されるように構成されている。
【0052】
このように構成されたカバー部材30は、PP材で構成されたインストルメントパネル1のコア材に比べて機械的強度が高く、且つ耐熱性や塗装性に優れたポリカーボネート(以下においてPC材という)で構成されている。
また、カバー部材30は複数箇所でインストルメントパネル1のコア材に対して固定されている。
【0053】
上述のように構成されたメータユニット10、メータフード20、及びカバー部材30は、以下のようにインストルメントパネル1に対して組み付けられる。なお、以下で説明するインストルメントパネル1に対する組み付けは、組み付け順序を特定するものではなく、適宜の順序で組み付けるとよい。
【0054】
カバー部材30は、開口1bにカバー部31が対応するように、上面1aの底面側に配置され、スクリュウボルト11等でコア材に対して複数箇所締結し、インストルメントパネル1に固定する。このように、カバー部31が開口1bに対応するように固定されたカバー部材30では、
図4に示すように、上面1aの裏面側を沿って、延設部32が車体後方Rに向かって延伸されることとなる。
また、メータユニット10は、
図1に示すように、メータ10aが運転席Dから視認できるように、インストルメントパネル1に組み付ける。
【0055】
メータフード20は、
図3及び
図5に示すように、メータユニット10に対して、車体後方Rから組み付けられるとともに、カバー部材30に固定される。
具体的には、メータ10aが運転席Dから視認できる向きで配置されるメータユニット10に対して、メータフード20を車体後方Rから組み付ける。
【0056】
このとき、運転席Dから視て釣鐘状に形成された上側メータ取付部13の底面と、車体後方Rに向かって突出する横臥姿勢の断面V字状に形成された縁部14の上面との間に形成された凹部15に嵌合固定部25が差し込まれるように組み付けられる。
【0057】
より具体的には、
図13に示すように、凹部15は、メータユニット10をインストルメントパネル1のコア材に固定するスクリュウボルト11の近傍において車体後方Rに向かって漸次拡大する横臥状の断面V字状の空間である。このような凹部15に対し、車体前方Fから見て上に凸なアーチ状に形成された嵌合部27が上側メータ取付部13の底面に沿うように嵌合固定部25が差し込まれる。これにより、縁部14の上面に対して当接部28が対向することとなる。
【0058】
また、嵌合固定部25が凹部15に差し込まれた状態では、連結部24において、嵌合部27の車幅方向Wの外側の上方に設けたクリップ16が、メータユニット10に設けた挿入口17に挿入されることとなる。
このようにして、メータフード20はメータユニット10と組み付けられる。
【0059】
また、メータフード20は、
図11,
図12及び
図13に示すように、インストルメントパネル1のコア材に固定されるカバー部材30の延設部32に対して、取付基部22の取付部223に設けたスクリュウボルト11及びクリップ16で固定することができる。
【0060】
上述したように、インストルメントパネル1と別体で構成されるとともに、メータユニット10の上方を覆うように配置されるメータフード20は、メータフード20における車体前方F側に、インストルメントパネル1に取り付ける取付部223が設けられている。
【0061】
そして、インストルメントパネル1の内部においてメータユニット10の車体前方Fに備えられた、インストルメントパネル1のコア材より剛性の高いカバー部材30に、車体後方Rに向かって延びる延設部32が設けられている。また、カバー部材30において車体後方Rに向かって延びる延設部32に取付部223の少なくとも一部が取り付けられている。
そのため、インストルメントパネル1と別体で構成されたメータフード20を、専用部品を用いることなく、支持剛性を高めた取付け状態でインストルメントパネル1に取り付けることができる。
【0062】
詳述すると、延設部32は、インストルメントパネル1の内部においてメータユニット10の車体前方Fに備えられた、インストルメントパネル1のコア材より剛性の高いカバー部材30において車体後方Rに向かって延びる部分である。このように、インストルメントパネル1のコア材より剛性の高いカバー部材30の延設部32に、メータフード20における車体前方F側に設けられた取付部223の少なくとも一部を取付ける。そのため、インストルメントパネル1にメータフード20を、専用部品を用いることなく、支持剛性を高めた取付け状態で取り付けることができる。
【0063】
また、メータフード20は、取付部223を有する取付基部22と、車幅方向Wの中間部分において取付基部22に対し間隔Cを隔てたブリッジ状に形成されたブリッジ部21と、間隔Cを跨いでブリッジ部21と取付基部22とを連結する脚部23とが備えられている。また、取付基部22における脚部23の近傍に取付部223が形成されている。これらにより、デザイン性の高いメータフード20を、支持剛性を高めた取付け状態でインストルメントパネル1に取り付けることができる。
【0064】
詳述すると、メータフード20に、取付部223を有する取付基部22に対して、車幅方向Wの中間部分において間隔Cを隔てたブリッジ状に形成されたブリッジ部21が備えられているため、デザイン性の高いメータフード20を構成することができる。
【0065】
その反面、ブリッジ部21は、取付部223を有する取付基部22に対して、車幅方向Wの中間部分において間隔Cを隔てたブリッジ状に形成されているため、メータフード20の剛性が低下するおそれがある。しかしながら、ブリッジ部21と取付基部22とを間隔Cを跨いで連結する脚部23が備えられているため、メータフード20の剛性低下を抑制することができる。
【0066】
さらには、脚部23は、車幅方向Wにおいて取付部223の近傍に形成されているため、ブリッジ部21に作用する荷重は、脚部23を介して、取付部223によって効率的に支持することができる。そのため、脚部と取付部とが離れている取付構造のように、メータフードの支持剛性の低下に起因し、ブリッジ部に作用する荷重によってメータフードが変形するような不具合の発生を防止することができる。
【0067】
また、メータユニット10における上部に、車体後方Rに向けて開放する凹部15が形成されるとともに、取付基部22における下部に凹部15に差し込まれる嵌合部27が形成されている。そのため、メータフード20へ荷重が作用することによるメータフード20の回動を防止することができる。
【0068】
詳述すると、メータフード20への荷重の作用によって、取付部223を支点としてメータフード20は回動しようとする。これに対し、凹部15への嵌合部27の差し込みによって上記荷重に抗し、メータフード20の回動を防止することができる。
【0069】
また、凹部15を形成する上側メータ取付部13の底面は平面状に形成され、嵌合部27が嵌合方向(車体前方F)に交差する方向(車幅方向W)に沿う曲面状に形成されている。そのため、凹部15への嵌合部27の差し込み負荷を低減し、メータフード20を組み付ける際の凹部15へ嵌合部27を差し込んで嵌合させることに伴うメータフード20の組み付け性の低下を防止できる。
【0070】
また、凹部15において嵌合部27が上方に向かって上側メータ取付部13の底面と当接するとともに、凹部15の近傍において当接部28が下方に向かって縁部14の上面と当接する。なお、凹部15において上側メータ取付部13の底面と縁部14の上面とは、車体後方Rに向かって上下方向に間隔が漸次拡大するテーパー状に形成されている。そのため、凹部15への嵌合部27の差し込み負荷をさらに低減し、メータフード20を組み付ける際の凹部15へ嵌合部27を差し込んで嵌合させることに伴うメータフード20の組み付け性の低下をより確実に防止できる。
また、上側メータ取付部13の底面と縁部14の上面がテーパー状に形成されているため、凹部15へ差し込まれる嵌合部27を案内することができる。
【0071】
また、メータフード20より車体前方Fのインストルメントパネル1に形成された、ヘッドアップディスプレイ2用の開口1bの周縁を囲繞するように設けられたカバー部材30の車体後方Rの側に延設部32が設けられている。そのため、ヘッドアップディスプレイ2用の開口1bの周縁を囲繞するように設けられるカバー部材30の車体後方Rの側の部分を車体後方Rに延長するだけでインストルメントパネル1のコア材より高剛性の取付部223を構成することができる。
【0072】
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、インストルメントパネルはインストルメントパネル1に対応し、
以下同様に、
メータユニットはメータユニット10に対応し、
メータフードはメータフード20に対応し、
取付部は取付部223に対応し、
車体前方は車体前方Fに対応し、
構造体及びカバー部材はカバー部材30に対応し、
車体後方は車体後方Rに対応し、
延設部は延設部32に対応し、
取付基部は取付基部22に対応し、
車幅方向は車幅方向Wに対応し、
ブリッジ部はブリッジ部21に対応し、
間隔は間隔Cに対応し、
脚部は脚部23に対応し、
凹部は凹部15に対応し、
嵌合部は嵌合部27に対応し、
上被当接箇所は上側メータ取付部13の底面に対応し、
下被当接箇所は縁部14の上面に対応し、
開口部は開口1bに対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の説明では、インストルメントパネル1のコア材より剛性の高いカバー部材30として、インストルメントパネル1を構成するPP材より機械的強度が高いPC材でカバー部材30を構成して高剛性とした。しかしながら、形状によってインストルメントパネル1のコア材よりカバー部材30を高剛性に構成してもよい。
【0073】
また、凹部15に嵌合固定部25が差し込まれた嵌合状態において、上側メータ取付部13の底面や縁部14の上面の両方あるいは一方が、嵌合部27や当接部28が常時当接してもよいし、荷重が作用することで当接する態様であってもよい。
【0074】
さらには、上側メータ取付部13の底面を平面状に形成し、凹部15に差し込まれる嵌合固定部25の嵌合部27をアーチ状に形成したが、上側メータ取付部13の底面をアーチ状に形成し、嵌合部27を平面上に形成してもよい。