特開2021-63417(P2021-63417A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社三友機工の特許一覧

特開2021-63417地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法
<>
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000003
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000004
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000005
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000006
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000007
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000008
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000009
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000010
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000011
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000012
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000013
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000014
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000015
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000016
  • 特開2021063417-地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-63417(P2021-63417A)
(43)【公開日】2021年4月22日
(54)【発明の名称】地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法
(51)【国際特許分類】
   E02D 9/02 20060101AFI20210326BHJP
   E21B 7/20 20060101ALI20210326BHJP
【FI】
   E02D9/02
   E21B7/20
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-201052(P2019-201052)
(22)【出願日】2019年10月15日
(71)【出願人】
【識別番号】519230329
【氏名又は名称】有限会社三友機工
(72)【発明者】
【氏名】柳川 宏治
【テーマコード(参考)】
2D050
2D129
【Fターム(参考)】
2D050DA02
2D050DA03
2D050EE26
2D129AB23
2D129BA02
2D129BB03
2D129DC01
2D129DC11
2D129EA11
2D129EC14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安全確実に地中杭周を掘削するための手段を提供する。
【解決手段】下部アダプター30において、下方内部に六角穴を側面にストッパーを下向き斜方に設け、上記孔を用いて上部アダプター20と下部アダプター30とを相互に回動可能に軸支し、一方、斜方凸部を有する係合体を設けるとともに、適宜手段にて上部アダプター20に該係合体を回動可能に軸支するとともに、係合体と上部アダプター20間に、スプリングを設けて上部アダプター20に対し係合体端を、常にこの係合体端が上部アダプター20へ向かう方向へ付勢し、上部アダプターに対する下部アダプター30の位置が一直線となったときに、下部アダプター30に設けたストッパーが係合体の斜方凸部に係合し、また上記双方のストッパーが当接することにより、上部アダプター20に対する下部アダプター30の回動が阻止されるよう構成とする。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔を有する上部アダプターを設けるとともに、該アダプターにおいて、上端にオーガー接続部を側面に下向き斜方にストッパーを設け、孔を有する下部アダプターを設けるとともに、該下部アダプターにおいて、下方内部に六角穴を側面にストッパーを下向き斜方に設け、上記孔を用いて上部アダプターと下部アダプターとを相互に回動可能に軸支し、一方、斜方凸部を有する係合体を設けるとともに、適宜手段にて上部アダプターに該係合体を回動可能に軸支するとともに、係合体と上部アダプター間に、スプリングを設けて上部アダプターに対し係合体端を、常にこの係合体端が上部アダプターへ向かう方向へ付勢し、上部アダプターに対する下部アダプターの位置が一直線となったときに、下部アダプターに設けたストッパーが係合体の斜方凸部に係合し、また上記双方のストッパーが当接することにより、上部アダプターに対する下部アダプターの回動が阻止されるよう構成したことを特徴とする、地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプター。
【請求項2】
1.角穴を連設してなるケーシングを地上に寝かせた状態にて載置し、該ケーシング端に 、上部アダプターと下部アダプターとが相互に直角位置となっている状態での下部アダ プターの六角穴を挿入し、ピン固定する第一工程。
2.上部アダプターのオーガー接続部にオーガーを挿入固定する第二工程。
3.オーガーを上方へ引き上げる第三工程。
4.上部アダプターと下部アダプター間を一直線位置とし、上部アダプターに対して下部 アダプターを係合体のスプリング作用にてロック状態とする第四工程。
5.ケーシングを掘削位置まで重機にて移動する第五工程。
6.ケーシング回転にて掘削を開始し、所定位置まで掘削後、地中よりケーシングを抜き 去る第六工程。
以上の各工程よりなる地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターを用いる地中杭周掘削工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中杭周を掘削するためのケーシングに付属して用いる回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周の掘削工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地中杭周を掘削するための種々の手段があるが、本発明にて示すように、地中杭周掘削ケーシングに専用のアダプターを用いる手段は現在のところ見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来手段は、アースオーガー(以下、オーガーと略称する)と呼ばれる装置を地中杭周掘削ケーシング(以下、ケーシングと略称する)端に取り付けて、ケーシングを地上に立設させ、オーガーを回転させて掘削するものであるが、以下のような問題点を有している。上述作業は、地組と高所組とに大別される。
地組:(ケーシングを水平載置した状態にてオーガーを接続する)
1.ケーシングおよびオーガーを水平に接続するときと、機械本体で起こすときに、ケー シングとオーガーとの接続部分に大きな負荷がかかるために、この接続部分が破損する 恐れがある。
2.ケーシングにオーガーを水平に接続することが困難であり、この作業は重機オペレー ターの技量に左右される。
【0004】
高所組:(ケーシングを重機を用いて立設させてからオーガーを接続する)
高所でケーシングとオーガーを接続するときに、抜け止め用のジョイントピンを打ち込む際に、高所作業車もしくは安全はしご等の設備を使用しなければならず、コスト高になるもしくは高所作業に伴う危険がある。本発明は以上に鑑み、安全確実に掘削作業を行うことのできる手段を提供することを目的として発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、本発明の一つは、孔を有する上部アダプターを設けるとともに、該アダプターにおいて、上端にオーガー接続部を側面に下向き斜方にストッパーを設け、孔を有する下部アダプターを設けるとともに、該下部アダプターにおいて、下方内部に六角穴を側面にストッパーを下向き斜方に設け、上記孔を用いて上部アダプターと下部アダプターとを相互に回動可能に軸支し、一方、斜方凸部を有する係合体を設けるとともに、適宜手段にて上部アダプターに該係合体を回動可能に軸支するとともに、係合体と上部アダプター間に、スプリングを設けて上部アダプターに対し係合体端を、常にこの係合体端が上部アダプターへ向かう方向へ付勢し、上部アダプターに対する下部アダプターの位置が一直線となったときに、下部アダプターに設けたストッパーが係合体の斜方凸部に係合し、また上記双方のストッパーが当接することにより、上部アダプターに対する下部アダプターの回動が阻止されるよう構成したことを特徴とする、地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターである。
また、本発明の他の一つは、
1.角穴を連設してなるケーシングを地上に寝かせた状態にて載置し、該ケーシング端に 、上部アダプターと下部アダプターとが相互に直角位置となっている状態での下部アダ プターの六角穴を挿入し、ピン固定する第一工程。
2.上部アダプターのオーガー接続部にオーガーを挿入固定する第二工程。
3.オーガーを上方へ引き上げる第三工程。
4.上部アダプターと下部アダプター間を一直線位置とし、上部アダプターに対して下部 アダプターを係合体のスプリング作用にてロック状態とする第四工程。
5.ケーシングを掘削位置まで重機にて移動する第五工程。
6.ケーシング回転にて掘削を開始し、所定位置まで掘削後、地中よりケーシングを抜き 去る第六工程。
以上の各工程よりなる地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターを用いる地中杭周掘削工法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は下記の効果を有する。
1.上部アダプターと下部アダプターとの組みあわせによる回動型のアダプターを用いて 、横置き状態のケーシングを立ち上げて垂直状態とするので,従来法に比べてこの接続 部にかかる負荷を小さくすることができるので、従来法にありがちであった接続部の破 損を防止することができる。
2.オーガーと接続部を各々垂直状態にて挿入ロックするので、重機オペレーターの熟練 技量に左右されずに安全確実に作業することができる。
3.アダプターを用いてケーシング立ち上げ前に、ケーシングとオーガーを接続し、ケー シング鉛直時にオーガーとケーシングが自動的にロックされるので、作業の危険度を回 避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】従来例の地中杭周掘削工法手順説明図(地組)
図2】本発明下部アダプターの平面図
図3】本発明下部アダプターの正面図
図4】本発明下部アダプターの底面図
図5】本発明上部アダプターの平面図
図6】本発明上部アダプターの正面図
図7】本発明に用いる係合体の平面図
図8】本発明に用いる係合体の正面図
図9】本発明に用いる係合体の底面図
図10】本発明アダプターの組み込み状態図(係合体非係合時)
図11】本発明アダプターの組み込み状態図(係合体非係合時)
図12】本発明アダプターの組み込み状態図(係合体係合時)
図13】本発明アダプターの要部説明図(非係合時)
図14】本発明アダプターを用いる地中杭周掘削工法手順説明図
図15】従来例の地中杭周掘削の要部説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、従来手段について説明する。図1および図15は従来例の地組手段を示すものである。図において、1はケーシングで、長尺筒体であってその側面には貫通する角穴2が両側面に複数個設けられる。3はケーシング端に設けられる刃部で、複数個の凸部が等配に設けられた部分である。4はオーガーとの接続部で、有孔六角柱体であってケーシングの他端に垂直に突設され、この突設のためにケーシング端には有孔板体が固着されている。
【0009】
図1の(a)はケーシングを地上に寝かせて載置した状態であって、地上に置かれた所定長木製の角柱5の上に載置され、ケーシングは筒状のために、安定載置用としてのくさび6がケーシングと角柱間に打ち込まれる。10は既存のオーガーである。このオーガーはその上部にユニバーサルジョイント形式の部材11を有し、下部は円柱形部分であって、その下端から中程に至る六角穴を有し、その側面には2個のジョイントピン孔12が穿設される。なお、前述の接続部4の側面には半円形凹部13が設けられる。
【0010】
オーガーは接続部4に挿入されるが、この接続部外形とオーガーの六角穴内形とは近似サイズであるために、この挿入が可能である。挿入時は、前述のジョイントピン孔と半円形凹部の位置は一致し、ここにジョイントピン(図示略)が挿入され、双方は固定される。
なお、ジョイントピン端近傍には細孔が穿設されて、ここに割ピン等が挿入され、ジョイントピンの不用意な脱落は阻止される。
【0011】
地組作業手順:
(a)ケーシングは既述のごとく、地上に寝かせた状態にて載置される。
(b)重機にて吊下されたオーガーを接続部に近づけ、オーガー下端を接続部端に載せ、 重機操作にてオーガーを傾けて熟練技にて接続部にオーガーを挿入する。
(c)ジョイントピンを挿入し、抜け止めのピンをジョイントピンに挿入する。
(d)重機操作にてケーシングを立てる。
(e)ケーシングを回転させて掘削作業を行う。
(f)ケーシングは地中に入り込み、地中杭周と地中面とは切り離される。
その後、ケーシングを地中から抜き去り、地中杭に玉掛けワイヤーを掛けて,重機操作 にて地中杭を抜き去る。
以上が、従来工法地組手段の概要である。
【0012】
これとは別に高所組手段がある。高所組の場合は、図1(a)のように地上に寝かせたケーシングに玉掛けワイヤーを用いて、このワイヤーをケーシングに固定し、重機操作にてこのケーシングを垂直に立ち上げ、オーガーを接続部に上方から落とし込んでジョイントピンにて固定する。この固定位置は地上高所であるために、既述のごとく高所作業車を用いるかあるは安全はしごを用いることとなるが、前者はコストがかかり、後者は危険を伴うものとなる。
【0013】
次に、本発明について説明するが、まずは本発明に用いるアダプターについて説明する。
図において、20は上部アダプター、30は下部アダプターで、相互に組み合わせて用いる。21は上部主体で、上部を平板にて一部閉塞した金属製筒体である。
22は上部主体上面に立設される六角柱によるオーガー接続部、23は上部主体下面に一体形成されるセンター環体である。24はセンター環体側方に突設されるアーム、25は該アームに穿設される孔、26はセンター環体側方に斜方突設されるストッパーで、略四角柱状体であって、その長さはセンター環体幅より大きく、後述のサイド環体間巾と同一である。
以上が上部アダプターの構成である。
【0014】
次に、下部アダプターについて説明する。
31は下部主体で、所定長の金属製筒体である。32は下部主体内下方に設けられる六角穴、33はサイド環体で、相互に距離を有して下部主体上部に一対が設けられる。34はストッパーで、前記のストッパー26と同様物であって、サイド環体側面やや下方に突設される。
以上が下部アダプターの構成である。
【0015】
次に、係合体40について説明する。41は主板で、所定厚の長方形板体であって、その一部に長方形状の空隙部42が設けられる。43は斜方凸部で、図8にて示すように、主板先端から後端に向かうにつれて斜方上向きに突き出す部分である。44はステーで、主板上面に突設される一対の板体で、孔45を各々有している。以上の上部アダプターと下部アダプターおよび係合体は以下のごとく組み合わされ軸支される。
【0016】
図10図12にて示すように、上部アダプターのセンター環体は下部アダプターのサイド環体間に挿入され、センター軸50にて回動可能に軸支される。このセンター軸両端には小四角板の止め板51が固着されて、軸の脱落は防止される。
また、アームの孔は係合体の孔と一致して、アームに対し係合体は軸52を介して回動可能に軸支される。この軸には前記のセンター軸同様に止め板53が固着され、軸の脱落は防止される。54はスプリング軸で、上部主体側面に突設される。55はスプリング保持筒で、前記係合体にその一端が固着される。56は圧縮コイルスプリングで、上部主体側面と係合体間にて、スプリング軸およびスプリング保持筒を内部に位置させて設けられる。以上の構成にて本発明の主要構成となる。
【0017】
次に、本発明の作用について説明する。
図10の状態は、上部アダプターに対し下部アダプターが左方に直角突出している初期位置を示すものである。上部主体に対し下部主体はセンター軸を回動中心として回動可能であり、下部主体端を下方に移動させると、下部主体は回動して図11の位置へと変化する。すなわち、下部主体端は徐々に下方へ向かい、やがてストッパー34の端に係合体の斜方凸部の斜方面が当接する。さらに回動を続けると、ストッパー端は斜方凸部を押上げ、斜方凸部の垂直面に至り、図12のごとくストッパーははまり込む。このとき、ストッパー34はストッパー26に当接して回動は停止する。これが図12の状態である。
【0018】
この状態において、斜方凸部の垂直面はストッパー34に当接しているため、下部アダプターが横に突出している初期状態への復帰は阻止される。
係合体はスプリングの反発力にて常に係合体下端が下部アダプターへ向かう方向へと付勢されており、従って、係合板の図12の位置は保持される。
前記スプリング軸の先端近傍はスプリング保持筒の先端近傍内部に位置しており、この位置関係から、係合体の回動による位置変化に対応して、スプリング保持筒はスプリング軸に対し平行スライドし、圧縮コイルスプリングは安定的に伸縮することができる。
なお、図12の状態を図10の状態へ戻すには、係合体の上部側面を押圧することにて、ストッパー34に対する斜方凸部の係合は解除されるので、上部主体に対する下部主体の回動を行うことができる。
また、上下部主体には有孔コ字形の通水管ホルダー60と61が各々突設され、このホルダー間には柔軟性を有する合成樹脂管による通水管62が通水接続される。
前記オーガー接続部には図5にて示すように、中央に孔が設けられており、ここから管体接続(図示略)にて通水管ホルダーに水が供給される。供給された水は通水管ホルダー60から通水管62を経て通水管ホルダー61へと至り、下部主体側面の孔から噴出する。
噴出した水は,前記したオーガーとの接続部4の中央に孔が設けられているので、この孔から落下して掘削箇所へと至り、スムースに掘削することができる。
なお、通水管ホルダーへの水供給は,ケーシング回転に伴う外部給水管のねじれがないように、公知技術にて対応される。
【0019】
次に、本発明アダプターを用いた掘削工法について説明する。
図14は、本発明工法を示すものである。
1.地上に角材を敷き、アダプターを取り付けたケーシングを水平に置き、くさびを打ち 込む。
2.ケーシング端の六角柱部分に下部アダプターの六角穴部分を挿入し、その側面に孔を 、アダプターと六角柱に穿設し、ここにピンを打ち込んで双方を固定する。
このとき、上部主体に対し下部主体は直角状態である。
3.オーガーを上部アダプターのオーガー接続部に既述手段にて挿入固定する。
4.吊下されているオーガーを重機にて引き上げを開始する。
5.この引き上げにてケーシングは斜方状態となり、上方移動がなされ、やがて垂直状態 となる。
6.この垂直状態に至れば、既述のごとく上部アダプターと下部アダプターはロックされ 、人為的操作以外はこのロック状態が維持される。
7.重機にて掘削場所までケーシングを移動させ、下方移動にてケーシングは掘削箇所地 面に接触する。
8.オーガー回転にて掘削が開始され、同時に通水管からの水噴射にて掘削はスムースに 進行する。
9.掘削後はオーガーおよびケーシングの回転と水噴射を停止し、ケーシングを地中より 抜き去る。
【0020】
以上、本発明について記したが、本発明は従来法で課題となっていた作業時の破損および危険性を回避できるものである。本発明では、ケーシング鉛直時に本発明のアダプターとケーシングが自動ロックされるので、人が高所で作業する従来法のような作業危険性を有しないものとなったのである。なお、ケーシングの角穴は掘削時のケーシング内部圧力を逃がすためのものである。また、既述の例は実施の一例であって、近似の他の構成としてもよい。
以上のごとく、本発明によって種々の利点を有する地中杭周掘削ケーシング用回動型アダプターおよび該アダプターを用いる地中杭周掘削工法を得ることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 ケーシング
2 角穴
3 刃部
4 接続部
10 オーガー
11 ユニバーサツジョイント部材
12 ジョイントピン孔
13 半円形凹部
20 上部アダプター
21 上部主体
22 オーガー接続部
23 センター環体
24 アーム
25 孔
26 ストッパー
30 下部アダプター
31 下部主体
32 六角穴
33 サイド環体
34 ストッパー
40 係合体
41 主板
42 空隙部
43 斜方凸部
44 ステー
45 孔
50 センター軸
51 止め板
52 軸
53 止め板
54 スプリング軸
55 スプリング保持筒
56 圧縮コイルスプリング
60 通水管ホルダー
61 通水管ホルダー
62 通水管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15