【解決手段】 摩擦部材7を保持器6に押圧するバネ8が金属製である。これにより、当該クラッチ装置1では、雰囲気温度が変化した場合であっても、ゴムを用いた特許文献1に比べて、保持器6に作用する抵抗力(摩擦力)の変化が小さい。したがって、当該クラッチ装置1では、回転力を断続するタイミングが雰囲気温度の変化によって大きく変化してしまうことが抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0011】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0012】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたクラッチ装置は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素を備える。
【0013】
(第1実施形態)
本実施形態は、自動閉鎖装置用のワンウェイクラッチに本開示に係るクラッチ装置の一例が適用されたものである。自動閉鎖装置は、シャッターカーテンを当該シャッターカーテンに作用する重力を利用して降下させる装置である。
【0014】
なお、本実施形態に係る自動閉鎖装置の構成は、例えば特許文献1に記載の自動閉鎖装置と同じである。このため、本実施形態では、自動閉鎖装置の構成及び作動に関する詳細な説明は省略されている。
【0015】
<1.クラッチ装置の概要>
本実施形態に係るクラッチ装置1は、電動モータ等の駆動源Mo(
図1参照)が正転した場合には当該駆動源Moの回転を伝達し、かつ、駆動源Moが逆転した場合には回転伝達が遮断された状態となる。
【0016】
換言すれば、駆動源Moが正転すると、クラッチ装置1の出力軸2が駆動源Moにより回転駆動される。駆動源Moが逆転すると、出力軸2は、駆動源Moの状態によらず、自由回転可能な状態となる。
【0017】
したがって、駆動源Moが逆転すると、出力軸2から駆動源Mo側への回転力の伝達が遮断された状態となる。つまり、クラッチ装置1は、ワンウェイクラッチとして機能する。
【0018】
<2.クラッチ装置>
<2.1 概要構成>
クラッチ装置1は、
図2に示されるように、外輪3、内輪4、複数の転動体5、保持器6、複数の摩擦部材7、及び複数バネ8等の部品を少なくとも備える。なお、バネ8は摩擦部材7と同数設けられている。
【0019】
上記部品3〜8の集合体(以下、クラッチ本体9という。)は、
図1に示されるように、第1ハウジング10及び第2ハウジング11等により構成されたケーシング内に収納されている。具体的には、第1ハウジング10と第2ハウジング11とは、軸線方向からクラッチ本体9を挟み込むようにして当該クラッチ本体9を収納する。
【0020】
軸線方向とは、出力軸2の回転中心軸線と一致する方向である。第1ハウジング10と第2ハウジング11とは、ネジ等の締結具により互いに締結されている。出力軸2は、第1ハウジング10に回転可能に支持されている。駆動源Moは、第2ハウジング11に固定される。
【0021】
なお、本実施形態では、
図3に示されるように、出力軸2は軸受部(本実施形態では、滑り軸受)2Aを介して第1ハウジング10に支持されている。駆動源Moは、第2ハウジング11の凹部11Aに嵌め込まれた状態で、ネジにて第2ハウジング11に固定される。
【0022】
<2.2 詳細構成>
<外輪、内輪及び転動体>
外輪3は、回転力可能な部材である。本実施形態に係る外輪3は、
図2に示されるように、環状のリング部3A、及び円盤状のディスク部3B等を有した椀(コップ)状の回転体である。リング部3Aとディスク部3Bとは、金属又は樹脂にて一体成形された一体品である。
【0023】
ディスク部3Bには嵌合部3Cが設けられている。嵌合部3Cは、駆動源Moの駆動シャフト(図示せず。)が嵌合する部位である。このため、外輪3は、駆動シャフトに支持された状態で当該駆動シャフトと一体的に回転する。
【0024】
内輪4は、
図3示されるように、外輪3(本実施形形態では、リング部3A)内に収納され、外輪3の回転中心軸線と同一な軸線に対して回転可能な部材である。本実施形態に係る内輪4は、出力軸2と一体化されている。このため、外輪3、内輪4及び出力軸2は、同一の軸線を中心として回転する。
【0025】
複数(本実施形態では、3つ)の転動体5は、
図5に示されるように、外輪3と内輪4との間に配置されている。本実施形態に係る各転動体5は、金属製のコロである。外輪3の内周面、つまりリング部3Aの内周面には、転動体5と同数の窪み部3Dが設けられている。
【0026】
各窪み部3Dは、リング部3Aの内周面から当該リング部3Aの外周面側に窪んだ凹部である。それら窪み部3Dは、転動体5の少なくとも一部が嵌り込み可能な深さを有している。
【0027】
具体的には、各窪み部3Dの深さは、
図4に示されるように、「各転動体5が対応する窪み部3Dに嵌り込んだときに、当該転動体5が内輪4から離間した状態となる」程度の深さである。
【0028】
内輪4の外周面には、複数の凹凸部4Aが設けられている。各凹凸部4Aは、
図5に示されるように「内輪4が正転又は逆転したときに、当該凹凸部4Aに接触している転動体5をリング部3Aに向けて押し出すような力を当該転動体5に作用させるような形状」である。
【0029】
具体的には、各凹凸部4Aの先端に内接する仮想円を内接円とし、当該先端での内接円の接線方向を円周方向としたとき、各凹凸部4Aは、当該円周方向に対して傾斜し、かつ、回転中心に向けて窪んだ曲面にて構成されている。
【0030】
各窪み部3Dには、傾斜面3Eが設けられている。各傾斜面3Eは、回転中心軸線を中心とする円周方向に対して傾斜し、かつ、外輪3が正転したときに、転動体5と外輪3及び内輪4との接触面圧を増大させる力が発生するように傾斜している。
【0031】
「回転中心軸線を中心とする円周方向に対して傾斜」とは、「回転中心軸線を中心とする仮想円と傾斜面3Eとの交点における当該仮想円の接線方向に対して、当該傾斜面3Eが傾斜している」という意味である。
【0032】
なお、本実施形態に係るクラッチ装置1は、外輪3が正転したときに接触面圧を増大させる力が発生する構成である。このため、各傾斜面3Eは、各窪み部3Dのうち逆転の向き側のみに設けられている。
【0033】
本実施形態に係る各傾斜面3Eは、円周方向に対して傾斜した平面にて構成されている。つまり、傾斜面3Eの傾斜角度は、傾斜面3Eの位置によらず同一の角度である。傾斜面3Eの傾斜角度とは、上記接線方向と傾斜面3Eとのなす角である。
【0034】
<保持器及び摩擦部材>
保持器6は、各転動体5が円周方向(正転の向き又は逆転の向き)に予め決められた円周角を越えて変位することを規制するための部材である。当該保持器6は、外輪3内に少なくとも一部が収納され、当該外輪3の回転中心軸線と同一な軸線に対して回転可能である。
【0035】
具体的には、
図6Aに示されるように、保持器6は、基板6A、保持部6B及び円筒部6C等を有している。基板6Aは円盤状の部位である。保持部6Bは、基板6Aの一方の面に設けられ、各転動体5が前記円周方向に変位することを規制するための部位である。
【0036】
当該保持部6Bは、基板6Aから軸線方向に突出した複数の突起部材6Eにより構成されている。複数の突起部材6Eは、円周方向に沿って直列に並んでいる。隣り合う突起部材6E間には、転動体5が嵌り込み可能な隙間6Fが設けられている。これにより、
図4及び
図5に示されるように、各転動体5が円周方向に変位するが規制される。
【0037】
円筒部6Cは、
図6Bに示されるように、基板6Aの他方の面に設けられた円筒状の部位である。当該円筒部6Cの円筒外周面6Dには、
図7及び
図3に示されるように、摩擦部材7が接触している。
【0038】
摩擦部材7は、保持器6(円筒外周面6D)と接触し、当該保持器6の回転を抑制する摩擦力を発揮する部材である。なお、本実施形態では、摩擦部材7は樹脂製であり、円筒外周面6Dは金属製である。
【0039】
このため、本実施形態に係る保持器6は、基板6A、保持部6B及び円筒部6Cが金属にて一体成形された一体品にて構成されている。保持器6には、
図8に示されるように、規制部6Gが設けられている。
【0040】
規制部6Gは、保持器6が外輪3に対して予め決められた円周角を越えて回転することを規制するための部位である。具体的には、規制部6Gは、基板6Aからリング部3Aの内周面に向けて突出した突起部である。リング部3Aの内周面には、規制部6Gが嵌り込み可能な凹部3Fが設けられている。
【0041】
規制部6Gのうち円周方向に沿った部位の円周角Aは、凹部3Fのうち円周方向に沿った部位の円周角Bより小さい。このため、保持部6Bは、外輪3に対して予め決められた円周角の範囲内に限り、外輪3に対して回転でき得る。
【0042】
なお、円周角Bと円周角Aとの差は、窪み部3D(傾斜面3Eも含む。)のうち円周方向に沿った部位の円周角C(
図4参照)から隙間6Fうち円周方向に沿った部位の円周角D(
図4参照)が減算された値に略等しい。
【0043】
<バネ>
バネ8は、摩擦部材7を保持器6(円筒部6C)に押圧する押圧力を発揮する金属製の弾性部材である。本実施形態に係るバネ8は、
図9に示されるように、帯板がU字状に湾曲した板バネにて構成されている。
【0044】
バネ8は、第1ハウジング10と摩擦部材7との隙間に配置されて当該摩擦部材7を円筒部6Cに押し付けている。具体的には、バネ8のうち帯板の長手方向一端側に相当する部位は、円筒部6Cのうち基板6A側に接触して押圧力を作用させている。
【0045】
このため、バネ8の屈曲部8A(
図10参照)は、第1ハウジング10の底部10A側(
図9では、第1ハウジング10の左側)に位置しているとともに、当該底部10Aに接触している。これにより、バネ8の軸線方向位置が規定されている。
【0046】
各摩擦部材7には、
図10に示されるように、各バネ8の一端側が嵌り込む溝部7Aが設けられている。同様に、第1ハウジング10には、
図11に示されるように、各バネ8の他端側が嵌り込む溝部10Bが設けられている。なお、各バネ8の他端側には、溝部10Bと幅寸法と略同一の寸法とするため拡幅部8B(
図10参照)が設けられている。
【0047】
<2.3 クラッチ装置の作動>
<回転力の伝達>
摩擦部材7と円筒部6Cとの接触面で発生する摩擦力は、保持器6を第1ハウジング10に対して回転することを規制する力となる。このため、例えば
図4に示される状態において、外輪3(駆動源Mo)が正転の向きに回転すると、外輪3は、内輪4に対して相対的に回転し、
図5に示される状態となる。
【0048】
図5に示される状態で、更に外輪3が正転の向きに回転すると、規制部6Gが凹部3Fに係止された状態となるため、保持器6は外輪3と共に正転の向きに回転する。このとき、外輪3を回転させる力の一部は、各傾斜面3Eを介して各転動体5を内輪4に向けて押し付ける。
【0049】
これにより、転動体5と外輪3及び内輪4との接触面圧を増大させる力が発生するとともに、いずれかの凹凸部4Aに各転動体5が係止された状態となるので、内輪4、つまり出力軸2は外輪3と共に正転の向きに回転する。
【0050】
<回転力の遮断>
例えば
図5に示される状態において、外輪3(駆動源Mo)が逆転の向きに回転すると、外輪3は、内輪4に対して相対的に回転し、
図4に示される状態となる。
図4に示される状態では、転動体5と外輪3及び内輪4との接触面圧を増大させる力が発生しない。
【0051】
外輪3が
図4に示される状態で、内輪4がいずれかの向きに回転すると、各転動体5は、凹凸部4Aから退避して窪み部3Dに嵌り込むように移動する。このため、当該状態では、内輪4から外輪3へ回転力が伝達されない。
【0052】
つまり、各転動体5が各傾斜面3Eに接触不可な状態となると、クラッチ装置1は、回転力の伝達が遮断された状態となる。当該状態では、内輪4は、正転及び逆転のいずれも可能な状態となる。
【0053】
なお、本実施形態では、外輪3が
図4に示される状態となると、駆動源Moの逆転が停止する。仮に、外輪3が
図4に示される状態となった以降も外輪3が逆転し続けた場合、規制部6Gが凹部3Fに係止された状態となるため、保持器6は外輪3と共に逆転の向きに回転する。
【0054】
このため、保持器6と外輪3と相対位置関係は、
図4に示される位置関係が維持される。したがって、仮に、外輪3が逆転し続けても各転動体5を内輪4に押し付ける力が発生しないので、外輪3から内輪4に回転力は伝達されない。
【0055】
<3.本実施形態に係るクラッチ装置の特徴>
本実施形態では、摩擦部材7を保持器6に押圧するバネ8が金属製である。これにより、当該クラッチ装置1では、雰囲気温度が変化した場合であっても、ゴムを用いた特許文献1に比べて、保持器6に作用する抵抗力(摩擦力)の変化が小さい。したがって、当該クラッチ装置1では、回転力を断続するタイミングが雰囲気温度の変化によって大きく変化してしまうことが抑制される。
【0056】
本実施形態係るバネ8は、帯板がU字状に湾曲した板バネであり、かつ、バネ8のうち帯板の長手方向一端側に相当する部位は、円筒部6Cのうち基板6A側に押圧力を作用させている。これにより、本実施形態では、保持器6に作用する抵抗力の変化を小さくでき得る。
【0057】
すなわち、円筒部6Cの先端側に押圧力が作用すると、円筒部6Cの根元側(円筒部6Cのうち基板6A側)に押圧力が作用した場合に比べて、円筒部6Cが大きく変形する。このため、円筒部6Cの先端側に押圧力が作用すると、発生する抵抗力が不安定になる。
【0058】
これに対して、本実施形態では、円筒部6Cのうち基板6A側に押圧力が作用するので、発生する抵抗力が安定し、保持器6に作用する抵抗力の変化を小さくでき得る。延いては、当該クラッチ装置1では、回転力を断続するタイミングが雰囲気温度の変化によって大きく変化してしまうことが抑制される。
【0059】
本実施形態に係る傾斜面3Eは、円周方向に対して傾斜した平面にて構成されている。これにより、
図5に示される状態において、外輪3が逆転し、かつ、内輪4が逆転したときに、転動体5が速やかに
図4に示される位置に変位する。したがって、クラッチ装置1が速やかに遮断状態となる。
【0060】
なお、転動体5は傾斜面3Eに沿って
図4に示される位置に変位するので、仮に、傾斜面3Eが円弧状に湾曲した曲面状の傾斜面にて構成された場合、転動体5移動距離が、平面にて傾斜面3Eが構成された場合に比べて長くなる。
【0061】
このため、傾斜面3Eが曲面状の傾斜面にて構成された場合、転動体5移動距離が平面にて傾斜面3Eが構成された場合に比べて長くなるので、クラッチ装置1が遮断状態となるまでに必要な時間が長くなる。
【0062】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る内輪4には、複数の凹凸部4Aが設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、それら凹凸部4Aが廃止された内輪4であってもよい。なお、凹凸部4Aが廃止された内輪4を用いた場合、転動体5と内輪4との接触部で発生する摩擦力により回転力が外輪3から内輪4に伝達される。
【0063】
上述の実施形態では、窪み部3Dが外輪3に設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、窪み部3Dが内輪4に設けられた構成であってもよい。
【0064】
上述の実施形態に係るバネ8は、帯板がU字状に湾曲した板バネであった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ガータスプリングや雨樋状の板バネにてバネ8が構成されていてもよい。
【0065】
上述の実施形態では、摩擦部材7は樹脂製であり、円筒外周面6Dは金属製であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、摩擦部材7及び円筒外周面6Dがいずれも樹脂製である構成、又は摩擦部材7及び円筒外周面6Dがいずれも金属製である構成であってもよい。
【0066】
上述の実施形態に係る転動体5はコロであった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、鋼球又は歯車状のコロにて転動体5が構成されていてもよい。
【0067】
上述の実施形態では、自動閉鎖装置用のワンウェイクラッチに本開示に係るクラッチ装置が適用された。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示に係るクラッチ装置は、例えば、自動車にも適用可能である。
【0068】
上述の実施形態では、外輪3に駆動力が入力され、内輪4が出力軸2に繋がった構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、内輪4に駆動力が入力され、外輪3が出力軸2に繋がった構成であってもよい。
【0069】
上述の実施形態に係る複数の凹凸部4Aは、軸線方向一方側から見た形状と軸線方向他方側から見た形状とが合同となる形状であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、凹凸部4Aが、軸線方向一方側から見た形状と軸線方向他方側から見た形状とが異なっていてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、摩擦部材7とバネ8とは別部品であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、摩擦部材7とバネ8とが一体部品であってもよい。つまり、バネ8の一部が摩擦部材7を構成するクラッチ装置であってもよい。
【0071】
上述の実施形態では、複数(3つ)の転動体5を備えていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、少なくとも1つの転動体5を備えていれば十分である。なお、窪み部3D(傾斜面3Eを含む。)は、転動体5と同数以上設けられている必要がある。
【0072】
上述の実施形態に係る摩擦部材7は、保持器6の円筒部6Cに径方向外側から接触して摩擦力を当該保持器6に作用させる構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、摩擦部材7が保持器6に回転軸線方向から接触する構成、又は円筒部6Cに径方向内側から接触する構成等であってもよい。
【0073】
上述の実施形態では、バネ8が摩擦部材7に直接的に接触して押圧力を作用させる構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、バネ8と摩擦部材7との間に他の部材が介在し、バネ8が摩擦部材7に間接的に接触して押圧力を作用させる構成であってもよい。
【0074】
上述の実施形態では、摩擦部材7及びバネ8それぞれが複数設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、摩擦部材7及びバネ8それぞれは、少なくとも1つ設けられていれば十分である。
【0075】
上述の実施形態では、傾斜面3Eが平面にて構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、傾斜面3Eが曲面にて構成されていてもよい。
【0076】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成でもよい。