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特開2021-6480情報処理装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-6480(P2021-6480A)
(43)【公開日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/20 20060101AFI20201218BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20201218BHJP
   B65H 3/52 20060101ALI20201218BHJP
【FI】
   B65H7/20
   B65H3/06 350A
   B65H3/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-120454(P2019-120454)
(22)【出願日】2019年6月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 賢
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】橘 達人
(72)【発明者】
【氏名】高木 彩
【テーマコード(参考)】
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
3F048AA00
3F048AB01
3F048BA13
3F048BB05
3F048BC08
3F048CA02
3F048CC06
3F343FA02
3F343FC01
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343JA01
3F343JD08
3F343KB15
3F343KB20
3F343MA03
3F343MA22
3F343MA27
3F343MA33
(57)【要約】
【課題】 シートの位置情報をシミュレーションすることができるものの、ある搬送部材による搬送力が複数のシートに影響することを鑑みたシミュレーションを行うことは難しかった。
【解決手段】 積載されている複数のシートのうち、搬送部材に当接する第1のシートに対する搬送部材から受ける搬送力に関する第1の値と、第1のシートより搬送部材から遠い側に積載されている第2のシートに対する搬送部材から受ける搬送力に関する第2の値と、を記憶する記憶手段と、第1のシートが搬送部材によって搬送される位置を第1の値に基づき算出し、第2のシートが搬送部材によって搬送される位置を第2の値に基づき算出する算出手段と、を備える情報処理装置。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシートが積載された状態において、搬送部材によってシートを搬送する場合の動作をシミュレーションする情報処理装置であって、
前記積載されている複数のシートのうち、前記搬送部材に当接する第1のシートに対する前記搬送部材から受ける搬送力に関する第1の値と、前記第1のシートより前記搬送部材から遠い側に積載されている第2のシートに対する前記搬送部材から受ける搬送力に関する第2の値と、を記憶する記憶手段と、
前記第1のシートが前記搬送部材によって搬送される位置を前記第1の値に基づき算出し、前記第2のシートが前記搬送部材によって搬送される位置を前記第2の値に基づき算出する算出手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の値と前記第2の値は等しい、又は前記第1の値より前記第2の値の方が小さくなることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数のシートが第1の厚さのシートである場合は、前記搬送部材から搬送力を受けるシートは第1の数となり、前記複数のシートが前記第1の厚さより薄い第2の厚さのシートである場合は、前記搬送部材から搬送力を受けるシートは前記第1の数より多い第2の数となることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1のシートが前記搬送部材に搬送されている場合に、前記第2のシートの搬送位置が変わることによって前記第2の値を更新する更新手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
積載されている前記複数のシートが前記搬送部材に搬送されている場合に、前記第1のシートと前記第2のシートを分離するための分離手段を備え、
前記第2のシートが前記分離手段を過ぎた位置まで搬送された場合、前記更新手段は前記第2の値を大きくするように更新することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
シートを搬送する第1の搬送部材と、前記第1の搬送部材とは異なる位置に配置され、シートを搬送する第2の搬送部材と、を備え、
前記記憶手段は、前記第1の搬送部材に応じた前記第1の値及び前記第2の値と、前記第2の搬送部材に応じた前記第1の値及び前記第2の値を記憶することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出手段によって算出された前記第1のシートの位置、及び前記第2のシートの位置を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数のシートが積載された状態において、搬送部材によってシートを搬送する場合の動作をシミュレーションする情報処理装置であって、
前記積載されている複数のシートのうち、前記搬送部材に当接する第1のシートに対する前記搬送部材から受ける搬送力に関する第1の値と、前記第1のシートより前記搬送部材から遠い側に積載されている第2のシートに対する前記搬送部材から受ける搬送力に関する第2の値と、を記憶する記憶工程と、
前記第1のシートが前記搬送部材によって搬送される位置を前記第1の値に基づき算出し、前記第2のシートが前記搬送部材によって搬送される位置を前記第2の値に基づき算出する算出工程と、を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置としてのコンピュータを機能させるための該コンピュータで読み取り可能なプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート搬送装置によるシートの搬送をシミュレーションする情報処理装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シート搬送装置のシミュレーションを行うものとして、例えは特許文献1のようなものがある。特許文献1は、仮想搬送路と、仮想シートと、仮想搬送部材を備え、仮想シートと仮想搬送部材の位置情報から、仮想シートの位置情報を更新する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−290579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法によれば、シートの位置情報をシミュレーションすることができるものの、ある搬送部材による搬送力が複数のシートに影響することを鑑みたシミュレーションを行うことは難しかった。
【0005】
本出願に係る発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、搬送手段による搬送力が複数のシートに影響するような場合においてもシミュレーションを行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、複数のシートが積載された状態において、搬送部材によってシートを搬送する場合の動作をシミュレーションする情報処理装置であって、前記積載されている複数のシートのうち、前記搬送部材に当接する第1のシートに対する前記搬送部材から受ける搬送力に関する第1の値と、前記第1のシートより前記搬送部材から遠い側に積載されている第2のシートに対する前記搬送部材から受ける搬送力に関する第2の値と、を記憶する記憶手段と、前記第1のシートが前記搬送部材によって搬送される位置を前記第1の値に基づき算出し、前記第2のシートが前記搬送部材によって搬送される位置を前記第2の値に基づき算出する算出手段と、を備えることを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の構成によれば、搬送手段による搬送力が複数のシートに影響するような場合においてもシミュレーションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】シミュレーションシステムの構成図
図2】シミュレーションシステムの機能ブロック図
図3】仮想シートの搬送量影響度情報について示した図
図4】シート搬送のシミュレーションの処理を示したフローチャート
図5】給紙部を模式的に示した図
図6】シミュレーションシステムの機能ブロック図
図7】仮想シートの搬送量影響度更新情報について例示した図
図8】シート搬送のシミュレーションの処理を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲の発明を限定するものではなく、また実施例で説明されている特徴の組合せの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、各実施形態における機能および処理は、それぞれ単一のコンピュータ装置で実現してもよいし、複数のコンピュータ装置による分散処理によって実現してもよい。複数のコンピュータ装置で構成される場合は、装置間で互いに通信可能なようにLANなどで接続する。または、機能および処理の一部をクラウドを用いてサーバ上で実現するような構成としてもよい。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、シミュレーションシステムの構成例について説明する。シミュレーションシステムは、情報処理装置としてのコンピュータシステム101上でプログラムを実行することで実現する。本体部102のハードディスク108には、シミュレーションシステムの各機能を実現するためのプログラムが格納される。中央処理装置(以下、CPUとも称する)106は、プログラム及び各種データを主記憶装置107に読みだして実行する。これにより、コンピュータシステム101はソフトウェアを評価するためのシミュレーションシステムとして動作する。
【0011】
表示装置103は、本体部102からの指示に基づき画面にデータを表示する。キーボード104は、コンピュータシステム101にユーザ(オペレータ)からの指示や文字情報を入力するためのものである。マウス105は、表示装置103上の任意の位置を指定することによりその位置に表示されていたアイコン等に応じた指示を入力するためのものである。なお、システムのハードウェア構成は図1のものに限らず、互いに接続された複数のコンピュータからなるシステムとすることもできる。
【0012】
図2は、シート搬送をシミュレーションするためのシミュレーションシステムの機能構成を示した機能ブロック図である。シミュレーションシステムは、シート搬送シミュレーション部201、GUI部206、搬送シーケンス生成部207から構成される。シート搬送シミュレーション部201は、仮想シート202、仮想シート搬送機構生成手段204、模擬搬送実行手段205から構成される。仮想シート202は、搬送量影響度情報203を有する。模擬搬送実行手段205は、仮想シート位置情報208と仮想シート搬送部材の影響位置情報209、枚数情報記憶手段210を有する。
【0013】
シート搬送シミュレーション部201は、コンピュータシステム101内に仮想シート搬送機構を生成し、後述の搬送シーケンス生成部207から出力される搬送シーケンスに従って、仮想シート202の挙動をシミュレーションする。仮想シート202及び仮想シート搬送機構生成手段204によって生成された搬送機構は、GUI部206を介してオペレータにグラフィカルな情報として示される。仮想シート202は、後述するGUI部206を介してオペレータにより用紙の長さ、幅情報などが設定される。仮想シート搬送機構生成手段204は、コンピュータシステム101内に仮想シート搬送機構を形成する。仮想シート搬送機構は、GUI部206を介してオペレータにより以下のような情報が定義されることで形成される。シート搬送路、搬送ローラ等のシート搬送部材、シート搬送路上に配置されシートの有無を検知するシート検知手段の配置、及びシート搬送部材の搬送速度。
【0014】
模擬搬送実行手段205は、各シート搬送部材に定義された搬送速度情報と搬送量影響度情報203を用いて決定するシート毎の搬送速度情報から、仮想シート202の挙動をシミュレーションする。模擬搬送実行手段205は、シミュレーションシステムにおける単位時間毎に、仮想シート毎の搬送速度情報に基づいて次の1単位時間後の仮想シート202の位置を計算することにより、搬送路上の仮想シートの挙動をシミュレーションする。なお、シート位置の計算方法は公知の技術を用いることが可能であるため、ここでの詳しい説明は省略する。GUI部206は、オペレータによる搬送路の定義や、搬送シーケンスの設定などを受け付ける。搬送シーケンス生成部207は、オペレータにより設定された駆動制御シーケンスに基づき、シート搬送シミュレーション部201に対して各種機構の駆動指示を行う。
【0015】
シミュレーションシステムにおいて、搬送シーケンス生成部207はCPUシミュレータとCPUシミュレータ上で実行される装置組み込みソフトウェアで構成される。仮想シート位置情報208は、仮想シート202が搬送機構内のいずれの位置に存在するかを表す情報である。模擬搬送実行手段205は、搬送機構内に複数の仮想シートが存在する場合、存在する全ての仮想シートの位置情報を保持する。仮想シート搬送部材の影響位置情報209は、シート搬送部材がシート搬送路上のどの位置に作用するかを定義する情報である。
【0016】
枚数情報記憶手段210は、シート搬送部材によって搬送力が伝達される作用位置に存在する仮想シートの枚数情報を記憶する。例えば、複数の仮想シートが積載されている状態において、仮想シートを1枚ずつ搬送するような場合は、1枚ずつ積算されているシートを減算して記憶する。搬送量影響度情報203は、複数の仮想シートに対して、シート搬送部材からの搬送力をどの程度受けるかを示す搬送量影響度を定義した情報である。搬送量影響度情報203はあらかじめGUI部206を介してオペレータにより定義される情報である。搬送量影響度情報203は、複数の仮想シートが積載されている位置毎に定義される。積載されている位置とは、例えば搬送部材と当接している一番上に積載されているシートを1枚目とすると、1枚目の1枚下に積載されているシートを2枚目とする、というように定義する。
【0017】
なお、現実の環境ではシートの表面性によりシート間に生ずる摩擦などの諸条件によって、シートの搬送速度は変化する。シート搬送シミュレーションシステムにおいては、シート搬送装置の制御ソフトウェアのシーケンス評価が目的のため、摩擦などの物理シミュレーションは必須ではない。本シミュレーションシステムでは、シートの搬送速度を決定する条件として搬送量影響度情報203を用いて簡易的に数値化する例を説明するが、もちろん摩擦などを鑑みたシミュレーションを行ってもよい。
【0018】
図3は、仮想シートの搬送量影響度情報203について例示した図である。ここでは、搬送部材によるシートの搬送速度を150mm/secとする。また、搬送部材に搬送されるシートとして、普通紙のシート5枚、又は薄紙のシート5枚が積載されている場合を例として説明する。なお、搬送部材に接しているシートを1枚目とし、以降のシートを2枚目〜5枚目のシートとする。1枚目のシートに対して、2枚目〜5枚目のシートは搬送部材から遠い側に積載されているシートであるともいえる。
【0019】
図3(a)は、普通紙のシートが5枚積載されている場合の搬送量影響度を示している。1枚目のシートは、搬送量影響度が第1の値としての100%であるため搬送部材の搬送速度がそのまま伝わり150mm/secで搬送され、位置情報が更新される。2枚目のシートも、搬送量影響度が第2の値としての100%であるため150mm/secで搬送され、位置情報が更新される。3枚目以降のシートは、搬送量影響度が0%であるため、搬送速度が0mm/secとなり、搬送部材は3枚目以降のシートには影響を及ぼさない。
【0020】
図3(b)は、薄紙のシートが5枚積載されている場合の搬送量影響度を示している。1枚目〜4枚目までのシートは、搬送量影響度が100%であるため、搬送部材の搬送速度がそのまま伝わり150mm/secで搬送され、位置情報が更新される。5枚目以降のシートは、搬送影響度が0%であるため、搬送速度が0mm/secとなり搬送部材は5枚目以降のシートには影響を及ぼさない。このように、積載されているシートの位置によって搬送量影響度を設定することができる。さらに、積載されているシートの種類に応じて、搬送量影響度を適宜変更して設定することもできる。なお、ここでは一例として100%の場合と0%の場合を示しているが、これに限られるものではない。搬送部材の構成やシートの種類などの条件により、シートに伝わる搬送力は異なるため、0%〜100%の間で適宜搬送量影響度を設定することが可能である。
【0021】
図4は、シート搬送シミュレーション部201によるシート搬送のシミュレーションの処理を示したフローチャートである。以下のステップは、シート搬送シミュレーション部201に備えられた各手段を用いて実行される。ここでは、全てのシート及びシート搬送部材についてシミュレーションの処理を行うため、搬送処理済みのシート数をi、搬送処理演算済みのシート搬送部材数をkと表す。なお、シートは搬送が開始された順番にIDが割り振られるものとし、IDが若い順にシート位置の更新処理が行われる。さらに、k番目のシート搬送部材で把持している(重なっている)シートの枚数を管理するための変数を、枚数情報記憶手段の配列A[k]として表す。
【0022】
S401において、シート搬送シミュレーション部201は搬送処理済みシート枚数iを0に初期化する。S402において、シート搬送シミュレーション部201は各シート搬送部材で把持している枚数情報記憶手段の配列A[k]を0に初期化する。S403において、シート搬送シミュレーション部201は仮想シートの枚数と変数iとを比較することで、全てのシートの搬送処理が完了したかを判断する。搬送機構内に未処理のシートがあれると判断した場合は、S404へ進む。未処理のシートがないと判断した場合は、シミュレーションを終了する。
【0023】
S404において、シート搬送シミュレーション部201は処理済みのシート搬送部材数kを0に初期化する。S405において、シート搬送シミュレーション部201は仮想シート搬送部材の数と変数kを比較することで、i枚目のシートについて、全てのシート搬送部材のシミュレーションが完了したか否かを判断する。完了していない場合はS406へ、完了している場合はS411へ進む。
【0024】
S406において、シート搬送シミュレーション部201はi枚目のシートがk番目のシート搬送部材の影響位置まで搬送されているか否かを判断する。シートが影響位置にあればS407へ、影響位置になければS409へ進む。S407において、シート搬送シミュレーション部201はk番目のシート搬送部材がi枚目のシートを把持しているため、枚数情報記憶手段の配列A[k]に1を加算する。S408において、シート搬送シミュレーション部201はi枚目のシートに紐づけられている搬送量影響度情報203を取得する。S409において、シート搬送シミュレーション部201はS408で取得した搬送量影響度情報203と枚数情報記憶手段の配列A[k]に基づき、i枚目のシートの搬送速度を計算する。図3で示した例では、1枚目のシートは搬送量影響度が100%であるため、シート搬送部材により搬送される搬送速度は150mm/secとなる。なお、i枚目のシートに対する搬送速度は、最後に算出した搬送速度を採用することとする。S410において、シート搬送シミュレーション部201は、kに1を加算してS405に戻る。
【0025】
S405において、i枚目のシートについて、全てのシート搬送部材のシミュレーションが完了していると判断された場合は、S411へ進む。S411において、シート搬送シミュレーション部201はS409で算出したi枚目のシートの搬送速度に基づいてi枚目のシートの位置を計算する。S412において、シート搬送シミュレーション部201はS411で計算したシートの位置に基づいて、i枚目のシートの位置を更新する。S413において、シート搬送シミュレーション部201はiに1を加算してS403に戻る。以上の処理により、複数のシートを重ねて搬送するような搬送シーケンスの検証を行うような場合においても、複数のシートの挙動をシミュレーションすることが可能となる。
【0026】
このように、搬送部材から複数のシートに対して影響力を与えるようなシート搬送状況においても、適切にシミュレーションを行うことができる。
【0027】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。なお、コンピュータシステム等の先の第1の実施形態と同様の構成については、本実施形態においての詳しい説明は省略する。
【0028】
第1の実施形態では、複数のシート毎に搬送部材からの搬送影響度を計算してシート搬送のシミュレーションを行った。本実施形態においてはさらに、搬送部材やシートの搬送位置により搬送影響度が変わるような場合についてシミュレーションを行う場合について説明する。
【0029】
図5は給紙部を模式的に示した図である。図5(a)は給紙開始を示した図、図5(b)は給紙開始されてから所定時間後を示した図である。給紙動作が開始されると給紙ローラ501は回転を開始する。これにより、積載されているシート503〜シート505に給紙ローラ501からの搬送力が伝達される。一方、分離パット502には、摩擦力によりシート504、シート505に対して搬送力とは逆方向に制動力を加える。その結果、シート503には給紙ローラ501の搬送速度が100%で伝わる。シート504には給紙ローラ501の搬送速度が5%で伝わる。シート505には給紙ローラ501の搬送速度が0%で伝わる。
【0030】
通常、一回の給紙動作においてはシート503のみが搬送され、シート504、シート505は分離パット502の位置で停止する。しかし、例えば停止するタイミング以降も何らかの原因により給紙ローラ501が動作し続けた場合、図5(b)に示すようにシート504は分離パット502の位置を通過してしまう。この場合には、シート504は分離パット502の制動力が減少し給紙ローラ501から伝わる搬送速度が100%となる。以降、複数のシートが重なって積載されている場合に、シートの位置に応じて搬送部材からの影響度を変化させてシミュレーションする方法について説明する。
【0031】
図6は、シート搬送をシミュレーションするためのシミュレーションシステムの機能構成を示した機能ブロック図である。なお、符号201〜204及び206〜210は先の第1の実施形態の図2と同様であるため、ここでの説明は省略する。模擬搬送実行手段205は、搬送量影響度更新情報601を有する。搬送量影響度更新情報601は、搬送部材からの搬送量影響度を示すものであり、搬送部材とシートの位置関係に応じて適宜更新される情報である。
【0032】
図7は、仮想シートの搬送量影響度更新情報601について例示した図である。図7(a)は図5(a)の状態における搬送量影響度更新情報601、図7(b)は図5(b)の状態における搬送量影響度更新情報601である。ここでは、搬送部材によるシートの搬送速度を150mm/secとする。搬送部材に搬送されるシートとして、普通紙のシート5枚が積載されている場合を例として説明する。なお、搬送部材に接しているシートを1枚目とし、以降のシートを2枚目〜5枚目のシートとする。
【0033】
1枚目のシートは、搬送量影響度が100%であるため搬送部材の搬送速度がそのまま伝わり150mm/secで搬送され、位置情報が更新される。2枚目のシートは、搬送量影響度が5%であるため7.5mm/secで搬送され、位置情報が更新される。3枚目以降のシートは、搬送量影響度が0%であるため、搬送速度が0mm/secとなり、搬送部材は3枚目以降のシートには影響を及ぼさない。このような状態で2枚目のシートの搬送を継続すると、2枚目のシートが分離パットを通り過ぎる。その結果、2枚目のシートは図5(b)に示す搬送量影響度が適用され、搬送量影響度が100%に更新される。よって、搬送速度が7.5mm/secから150mm/secに更新される。
【0034】
図8は、シート搬送シミュレーション部201によるシート搬送のシミュレーションの処理を示したフローチャートである。以下のステップは、シート搬送シミュレーション部201に備えられた各手段を用いて実行される。ここでは、全てのシート及びシート搬送部材についてシミュレーションの処理を行うため、搬送処理済みのシート数をi、搬送処理演算済みのシート搬送部材数をkと表す。なお、シートは搬送が開始された順番にIDが割り振られるものとし、IDが若い順にシート位置の更新処理が行われる。さらに、k番目のシート搬送部材で把持している(重なっている)シートの枚数を管理するための変数を、枚数情報記憶手段の配列A[k]として表す。なお、先の第1の実施形態における図4と同様のステップについては同様の番号を付し、ここでの詳しい説明は省略する。
【0035】
S801において、シート搬送シミュレーション部201はk番目のシート搬送部材に搬送量影響度更新情報601があるかを判断する。k番目のシート搬送部材に搬送量影響度更新情報601があればS802へ進み、搬送量影響度更新情報601がなければS408に進む。
【0036】
S802において、シート搬送シミュレーション部201は搬送量影響度更新情報601を取得する。搬送量影響度更新情報601はシートの位置に応じてシート搬送部材から受ける搬送力が変わることを示した情報である。S409において、シート搬送シミュレーション部201はS802で取得した搬送量影響度更新情報601、又はS408で取得した搬送量影響度情報203に基づき、i枚目のシートの搬送速度を算出する。以下、先の第1の実施形態の図4と同様に、処理を行う。
【0037】
搬送部材から複数のシートに対して影響力を与えるようなシート搬送状況においても、適切にシミュレーションを行うことができる。さらに、シートの位置に応じて、シート搬送部材から受ける搬送力が変化するような場合においても、適切にシミュレーションを行うことができる。
【0038】
(その他の実施形態)
また、第1の実施形態及び第2の実施形態に記載の内容は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0039】
201 シート搬送シミュレーション部
202 仮想シート
203 搬送量影響度情報
205 模擬搬送実行手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8