特開2021-65964(P2021-65964A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浅井 和明の特許一覧

特開2021-65964段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法
<>
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000003
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000004
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000005
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000006
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000007
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000008
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000009
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000010
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000011
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000012
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000013
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000014
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000015
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000016
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000017
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000018
  • 特開2021065964-段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-65964(P2021-65964A)
(43)【公開日】2021年4月30日
(54)【発明の名称】段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/08 20060101AFI20210402BHJP
   B26D 1/28 20060101ALI20210402BHJP
   B26D 1/40 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
   B26D3/08 Z
   B26D1/28 B
   B26D1/28 G
   B26D1/40 501B
   B26D1/40 501L
   B26D1/40 502B
   B26D1/40 502D
   B26D1/40 502J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-192576(P2019-192576)
(22)【出願日】2019年10月23日
(71)【出願人】
【識別番号】516295019
【氏名又は名称】浅井 和明
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(72)【発明者】
【氏名】浅井 和明
(57)【要約】

【課題】 厚紙が二枚重ねの状態で供給されても、切断したり折り畳みし易くして小型に保存することが可能な段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置を提供する。
【解決手段】 凹凸状の歯5a,5bの噛み合わせにより切れ込みを入れる個所を形成するとともに、これら対向する凹凸状の歯5a,5bが設けられずに切れ込みを入れる個所が形成されない箇所4が設けられており、段ボール箱などを折り畳んだ状態にして、一対の回転ローラ2,3間に供給すると、段ボール紙に切断等される箇所とされない箇所4が形成されて、段ボール紙等の厚紙D1,D2を断面がジグザグ状に折り畳まれるので、小型に折り畳んで保管や廃棄を行い易くする。
【選択図】 図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール紙等の厚紙を切断する歯を有する一方と他方の切断手段を備えた折り畳み装置において、前記切断手段の一方には凹状の歯が取り付けられ、他方には凸状の歯が取り付けられ、これらの凹凸状の歯の噛み合わせにより切れ込みを入れる個所を形成する一方、これら対向する凹凸状の歯が設けられずに切れ込みを入れる個所が形成されない箇所を設けるとともに、前記一方の歯と他方の歯の間には段ボール紙等の厚紙を圧縮する圧縮部が設けられており、段ボール紙等の厚紙を圧縮しながら切断する箇所と切断しない箇所を形成して、全体として折り畳み易くすることを特徴とする段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置。
【請求項2】
段ボール紙等の厚紙を切断する歯を有する一方と他方の切断手段を備えた折り畳み装置において、前記切断手段の一方には凹状の歯と凸状の歯が交互に取り付けられ、これに対応して他方には凸状の歯と凹状の歯が交互に取り付けられ、これら対向する凹凸状の歯の噛み合わせにより切れ込みを入れる個所を形成する一方、これらの凹凸状の歯が設けられずに切れ込みを入れる個所が形成されない箇所が設けられており、段ボール紙等の厚紙を圧縮しながら切断する箇所と切断しない箇所を形成して、全体として折り畳み易くすることを特徴とする段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置。
【請求項3】
前記切断手段は一対の回転ローラであり、前記一対の回転ローラの回転方向に沿って前記一方の凹状の歯と他方の凸状の歯が対向して取り付けられているか、又は、前記一対の回転ローラの軸方向において、前記一方の凹状の歯と他方の凸状の歯が対向して取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置。
【請求項4】
前記切断手段は一対の回転ローラであり、前記一方の凹状の歯と他方の凸状の歯は前記一対の回転ローラの山型の突出部と谷型の溝部において交互に設けられるか、又は、前記一対の回転ローラが正多角形状であり、その角部において交互に設けられているか、或いは、前記一対の回転ローラに対向して設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置。
【請求項5】
前記一対の回転ローラの歯が断面歯車形状であり、前記圧縮部が平坦部で構成されるか又は波形の曲線で構成されることを特徴とする請求項3また4記載の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置。
【請求項6】
前記一対の回転ローラの間隔を調整する間隔の調整手段であって、前記一対の回転ローラの軸の位置をずらすことができる軸位置の調整手段が取り付けられていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項記載の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置。
【請求項7】
段ボール紙等の厚紙を切断する歯を有する一方と他方の切断手段を備え、前記切断手段の一方には凹状の歯が取り付けられ、他方には凸状の歯が取り付けられ、これらの凹凸状の歯の噛み合わせにより切れ込みを入れる個所を形成する一方、これら対向する凹凸状の歯が設けられずに切れ込みを入れる個所が形成されない箇所を設けるとともに、前記一方の歯と他方の歯の間には段ボール紙等の厚紙を圧縮する圧縮部が設けられているか、又は、前記切断手段の一方には凹状の歯と凸状の歯が交互に取り付けられ、これに対応して他方には凸状の歯と凹状の歯が交互に取り付けられ、これら対向する凹凸状の歯の噛み合わせにより切れ込みを入れる個所を形成する一方、これらの凹凸状の歯が設けられずに切れ込みを入れる個所が形成されない箇所が設けられており、段ボール紙等の厚紙を圧縮しながら切断する箇所と切断しない箇所を形成して、全体として折り畳み易くすることを特徴とする段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み方法。
【請求項8】
前記厚紙は、段ボール紙であり、梱包用に使用された段ボール紙を筒状に呈した状態から折り畳むようにして、前記一方の歯と他方の歯の間に供給して、全体として断面がジグザグ状になるようにして排出することを特徴とする請求項7記載の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール紙等の厚紙を圧縮しながら切断したり折り畳みし易くして小型に保存することができる段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール紙は、製品の梱包などに使用された後、廃棄されるが、その厚さが厚く、また、大きさも大きいことから、普通紙のように裁断する(シュレッダーにかけるなどして裁断する)ことは容易なことではない。なお、梱包等に使用された段ボール紙は、円筒状に呈した状態から折り畳むようにして、小さくしたり、所定個所から切断したりして、小さくして、廃棄されるか、廃棄されるまで小さくして保管されることが多い。
そこで、段ボール紙などの厚紙を切断したり、また、段ボール箱として使用された段ボール紙を切断する機器として、従来、下記のような特許文献が開示されている。
特許文献1(特開平9−323287号公報)には、その要約において、「(目的)段ボールなどの切断加工に当たって、被切断物の切断面をできるだけ圧潰することなく、綺麗に仕上げ、且つ、刃物の摩耗を極力無くす。(構成)刃先を結ぶ線が一直線になる鋸状の刃形を付けた薄い回転刃物と、適宜な幅の溝を設けた受けロールを、上記刃物の刃の一部が受けロールの溝に入るように配置して刃物を回転させ、刃物と受けロールとの間に被切断物を走行させることにより被切断物を切断し、その際の、被切断物の走行速度と回転刃物の周速の比であるS値を、r/(r−αd−e)より大きく、しかも上限を1.2 r/(r−αd−e)とする範囲で可及的にr/(r−αd−e)に近い値となるように調整する。(r:回転刃物の半径、αd:被切断物の切断時のみかけの厚み、e:刃物の受ロールとの噛み合い深さとする)」が開示されている。
また、特許文献2(実用新案登録第3194380号公報)には、その要約には、「(課題)空の厚紙を投入するだけで自動的に破砕し容積を大幅に縮減することが可能な厚紙解砕装置を提供する。(解決手段)装置本体2の一端3a側から空の厚紙Bを投入し、装置本体内で厚紙を破砕して破砕片とし、破砕片を装置本体の他端3b側から搬出する厚紙解砕装置1であって、装置本体の下側領域において一端3a側から他端3b側に渡って配置され、一端3a側上面を厚紙の投入領域とし、複数の破砕用下刃6を突設した搬送用キャタピラ5と、搬送用キャタピラの上部で、投入領域よりも他端3b側に配置され、搬送用キャタピラとともに厚紙の圧縮・破砕領域を形成する外周が円形で複数の破砕用上刃24を所定間隔をもって突設した回転体23と、搬送用キャタピラ、回転体を、異なる速度で、かつ、圧縮・破砕領域において搬入側から搬出側に移動するように各々駆動する搬送用キャタピラ駆動部8、回転体駆動部26を有する」厚紙解砕装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−323287号公報
【特許文献2】実用新案登録第3194380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、段ボール紙では、上下を開口させた状態の筒状にして折り畳まれることが多い(図13(a)に示すように、筒状が折り畳まれて、二枚重ねの状態で平坦になる。)。このため、このような筒状に折り畳まれた状態や、複数枚の厚紙が二枚以上重ね合わされた状態で、切断したり折り畳まれたり処理できれば、効率的である。すなわち、紙の廃棄処分に関しては、段ボール紙の廃棄と、通常の紙の廃棄とが分別されていることが多く、このため、この分別に合わせて、段ボール紙をその廃棄処分まで小さく折り畳んだ状態にして、段ボール紙を処分することが望まれる。すなわち、特許文献2のように細断処理することは、最終の廃棄処分であって、古紙回収者(車)に手渡す前は、小型で折り畳みやすくすることが望まれる。
【0005】
しかしながら、このような筒状のまま切断したり折り畳まれたり二枚以上の厚紙が重ね合わされた状態で切断したり折り畳まれると、装置が大型化したり、装置が高額になる問題を有する。
また、厚紙については、機器類の運搬等に使用されるので、普通紙に比べて、その大きさが大きいために、装置も大きくなることが一般的であるが、その装置構成を小型化きれば、理想的である。すなわち、大きな段ボール紙等の厚紙を、小型の機械で切断したり折り畳みし易くして小型に保存することができることが求められている。
そして、段ボール紙の廃棄は、通常の紙の廃棄とは分別されているにもかかわらず、段ボール紙類の分別に対応した処理を行う機器類はほとんど開発されていないのが実情である。
【0006】
そこで本発明の目的は、厚紙が二枚重ねの状態で供給されても、切断したり折り畳みし易くして小型に保存することが可能な段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置を提供することにある。また、大きなサイズの厚紙であっても、切断したり折り畳みし易くして小型に保存することが可能な段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置および圧縮折り畳み方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、段ボール紙等の厚紙を切断する歯を有する一方と他方の切断手段を備えた折り畳み装置において、前記切断手段の一方には凹状の歯が取り付けられ、他方には凸状の歯が取り付けられ、これらの凹凸状の歯の噛み合わせにより切れ込みを入れる個所を形成する一方、これら対向する凹凸状の歯が設けられずに切れ込みを入れる個所が形成されない箇所を設けるとともに、前記一方の歯と他方の歯の間には段ボール紙等の厚紙を圧縮する圧縮部が設けられており、段ボール紙等の厚紙を圧縮しながら切断する箇所と切断しない箇所を形成して、全体として折り畳み易くすることを特徴とする段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置である。
また、本発明は、段ボール紙等の厚紙を切断する歯を有する一方と他方の切断手段を備えた折り畳み装置において、前記切断手段の一方には凹状の歯と凸状の歯が交互に取り付けられ、これに対応して他方には凸状の歯と凹状の歯が交互に取り付けられ、これら対向する凹凸状の歯の噛み合わせにより切れ込みを入れる個所を形成する一方、これらの凹凸状の歯が設けられずに切れ込みを入れる個所が形成されない箇所が設けられており、段ボール紙等の厚紙を圧縮しながら切断する箇所と切断しない箇所を形成して、全体として折り畳み易くすることを特徴とする段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置である。
ここで、切れ込みを入れるとは、切断したり折畳み用の線を形成したりする場合をいう。すなわち、本願発明では、段ボール紙等の厚紙を細かく裁断(切断)するものではなく、小さく折り畳んで保管し易くするためのものである。また、切断等されない個所を形成するためには、前記切断手段の一方の凹状の歯と他方の凸状歯が所定間隔を置いて取り付けられていることで対応することができる。
本発明によれば、前記切断手段により厚紙を圧縮しながら、一方の凹状歯と凸状歯により、厚紙を切断したり折り畳みし易くできるので、小型に保存することができる。すなわち、段ボール箱を廃棄するとき、完全に切断してしまうと、紙の廃棄の分別になるが、本発明によれば、段ボール箱を小さく折り畳んで、段ボール紙の分別で処理をすることができる。
【0008】
本発明としては、前記切断手段は一対の回転ローラであり、前記一対の回転ローラの回転方向に沿って前記一方の凹状の歯と他方の凸状の歯が対向して取り付けられているか、又は、前記一対の回転ローラの軸方向において、前記一方の凹状の歯と他方の凸状の歯が対向して取り付けられていることを特徴とする。これらの歯の設け方は、段ボール紙等の厚紙の種類や大きさ等などに応じて決定する。
本発明によれば、切断手段を回転ローラにすることで、厚紙に効率的に切れ込みを入れることができる小型の装置になる。
特に、前記一対の回転ローラの軸方向(一対のローラの回転方向に対して垂直の方向)とは異なり、一対のローラの回転方向に凹凸状の歯を設けることにより、前記一対の回転ローラの幅方向に設ける場合と比較して、その幅方向の間隔を小さくして、装置を小型にすることができるようになる。すなわち、厚紙を多角形状の平坦部で角度を変えて圧縮しながら切断するために、ジグザグ状に折り畳まれて一対の回転ローラから排出されることになる。したがって、後は、小型に折り畳んで、保管場所に保管し易くすることができる。
【0009】
本発明としては、前記切断手段は一対の回転ローラであり、前記一方の凹状の歯と他方の凸状の歯は前記一対の回転ローラの山型の突出部と谷型の溝部において交互に設けられるか、又は、前記一対の回転ローラが正多角形状であり、その角部において交互に設けられているか、或いは、前記一対の回転ローラに対向して設けられることを特徴とする。
本発明によれば、前記一対の回転ローラの角部に設けられた一方の凹状の歯に他方の凸状の歯が入り込むことで、厚い厚紙を確実に切断することができるとともに、前記平坦部では、厚紙を圧縮して、薄くすることができる。
【0010】
本発明としては、前記一対の回転ローラの歯が断面歯車形状であり、前記圧縮部が平坦部で構成されるか又は波形の曲線で構成されることを特徴とする。
本発明によれば、段ボール紙がジグザグ状や断面円弧状の繰り返しによるジグザグ状に折畳み易くなり、圧縮して切断することが容易になる。
【0011】
また、前記一対の回転ローラの間隔を調整する間隔の調整手段であって、前記一対の回転ローラの軸の位置をずらすことができる軸位置の調整手段が取り付けられていることが好ましい。
本発明によれば、前記一対の回転ローラの軸位置の調整手段により、段ボール等の厚紙の種類に応じて、また、これらを二枚重ね等で圧縮して切断したり折畳み線を形成することができるようになる。
【0012】
ここで、本発明としては、梱包用等に使用された段ボール紙を(二枚重ねや三枚重ねの部分もある)、段ボール箱を筒状の状態のままにして、折畳み線を形成したり切断したりすることができるので、段ボール箱を完全に一枚ごとの段ボール紙にするような必要がなくなり、効率的な段ボール箱の小型化による保存が可能になる。
すなわち、梱包などで使用された段ボール紙は、その立方体形状の上部側や下部側を開放して、その結果、筒状を呈する状態になることが多く、従来では、これを更に切断して、所定の大きさの一枚ごとになるようにしていた。しかしながら、このように一枚ごとにする切断する作業は、段ボール紙等の厚紙では、重労働であり、せめて折畳み線でもあれば折畳みが容易であるが、それさえもないことが通常である。
本発明によれば、上記筒状のままの段ボール紙を本願発明の装置に供給すれば良く、前記圧縮部で圧縮しながら、切断する箇所と切断しない箇所を設けて、ジグザグ状の折り畳み作業が行いやすい状態にして排出されるので、後は、小型にしてそのまま廃棄したり、所定の大きさして保管しておくことができる。また、後で、細断する必要性が生じても、切断個所が設けられているので、後で細断することも容易である。
【0013】
以上の本発明において、圧縮部は、設位段手段である回転ローラなどによって、段ボール紙等の厚紙を圧縮できる箇所であれば、どの位置にあっても良く、又、複数個所にあっても良く、一対の筒状の回転ローラであれば、その歯と歯が工合する箇所が連続しながら回転するので、その全体が圧縮部でもある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、段ボール紙等の厚紙を圧縮部で圧縮しながら切断する箇所と切断しない箇所とを形成するために、断面がジグザグ状に折り畳まれて切断手段(回転ローラ)から排出されることになる。したがって、後は、小型に折り畳んで、保管場所に保管し易くすることができる。
そして、梱包用等に使用された段ボール紙を(二枚重ねや三枚重ねの部分もある)、段ボール箱を筒状の状態のままにして、折畳み線を形成したり切断したりすることができるので、段ボール箱を完全に一枚ごとの厚紙にする必要がなくなり、効率的な段ボール箱の小型化による保存が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置1を示す斜視図である。
図2】上記実施形態の使用例を示す斜視図である。
図3】上記実施形態の使用例を示す斜視図である。
図4】上記実施形態の使用例を示す斜視図である。
図5】上記実施形態の使用例を示す斜視図である。
図6】上記実施形態の使用例を示す斜視図である。
図7】上記実施形態により段ボール等の厚紙に切れ込みを入れた状態を説明する斜視図である。
図8】上記実施形態により段ボール等の厚紙に切れ込みを入れた状態を説明する斜視図である。
図9】本発明の第2の実施形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置1を示す斜視図である。
図10】上記実施形態の使用例を示す斜視図である。
図11】上記実施形態の凹凸状の歯の歯合わせの状態(互いの歯の係止状態)を説明する図である。
図12】上記実施形態を使用して、段ボール箱を効率的に折り畳んだり切断する場合の例を示す断面図である。
図13】上記実施形態を使用して、段ボール箱を効率的に折り畳んだり切断する場合の例を示す断面図である。
図14】本発明の第3の実施形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置21を示す図である。
図15】本発明の第3の実施形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置21を示す図である。
図16】本発明の第3の実施形態の変形例を示す図である。
図17】本発明の第3の実施形態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施する具体的な形態について図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1図6は、本発明の第1の実施形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置1の構成を示す斜視図であり、図7(a)〜図7(c)は、上記実施形態により段ボール等の厚紙に切れ込みを入れた状態を説明する斜視図である。
本発明の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置1は、鋼鉄製の一対の回転ローラ2,3を備え、前記一対の回転ローラの一方のローラ2には凹状の歯5bと凸状の歯5aが交互に所定間隔で取り付けられ、これに対応して他方のローラ3には凸状の歯5aと凹状の歯5bが交互に所定間隔で取り付けられている。また、一方の歯と他方の歯は前記一対の回転ローラの多角形状の角部において交互に設けられ、厚紙D1,D2の回転ローラの平坦部5cで平坦に圧縮され揃えられる。
【0018】
前記一対の回転ローラ23の軸部を連結する弾性部材が取り付けられて、前記一対の回転ローラの軸の位置をずらすことができる軸位置の調整手段9,9が取り付けられている。前記軸位置の調整手段9,9は、段ボール等の厚紙D1,D2の種類に応じて、また、これらを二枚重ね等で圧縮して切断したり折畳み線を形成することができるようになっている。
【0019】
したがって、上記段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置1を使用して、実際に段ボール紙を圧縮して折り畳むときには、一対の回転ローラの間に二枚重ねで供給させても良いが、梱包用に使用される厚紙が開封された後、筒状に形成されたものを折り畳んで(図13(a)(b))、二枚に重ね合わせて(一枚のように折り畳んで)、一対の回転ローラの間に供給する。すると、正多角形状の角ごとに折り返す折畳み用の線や切断部5a,5bが設けられているので、全体としては連結した状態の断面でジグザグな段ボール紙に圧縮されて折り畳まれる(図13(c))。したがって、段ボール紙の回収に合わせて、小型に折り畳んで保管しておけばよい。
そして、本願装置1の回転駆動する一対の回転ローラ間に段ボール等の厚紙D1,D2を入れると(図7(a)〜(c))、段ボール紙等の厚紙D1,D2は一対の回転ローラ2,3の平坦部5cにより圧縮されながら、対応する凹凸状の歯の係合により、所定間隔をおて切断する箇所と切断されない箇所が形成される(図7(c),図8)。この場合においては、前記軸位置の調整手段9,9が設けられているので、ボール等の厚紙D1,D2の種類に応じて、また、これらを二枚重ねや三枚重ね等で圧縮して切断したり折畳み線を形成して、紙の種類や紙の枚数に応じて、折畳み線を形成したり切断したりすることができる。
【0020】
ここで、第1の実施の形態としては、前記凹状の歯は5bは、尖状の凸部5aに対応して、凹状の歯5bの中央の窪み部を尖状の凹状に形成するものであっても良い(図11(b))。
また、第1の実施の形態の一対の回転ローラ2,3の軸方向(回転方向に交差する方向)に前記凹凸状の歯5a,5bを各々所定間隔で設けたが、連続的に形成される凹状の歯5bに対して、凸状の歯5aが所定間隔で形成されているものでも良い。また、第1の実施の形態の一対の回転ローラ2,3の横方向に前記凹凸状の歯5a,5bが形成されない箇所4が1か所以上あれば(図12(a)(b))、全体としての段ボール紙等の厚紙が完全に切断されてしまう事態を防止することができる(図13(c))。
また、前記凹凸状の歯5a(5b)を各々所定間隔で設けたが、前記凸状の歯5aの間隔は、種々に設定可能であり、例えば、図12(c)に示すように、前記凸状の歯5aの間隔(長さ)の長いものと、前記凸状の歯5aの間隔(長さ)の短い歯5αとを組み合わせたものでも良い(5α<5a)。
【0021】
(第2の実施形態)
図9は本発明の第2の実施形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置1を示す斜視図であり、図10は上記実施形態の使用例を示す正面図である。
本発明の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置11は、外周に凹凸状の歯を有する一対の回転ローラが円筒形状を呈するものであり、前記一対の回転ローラ12,13の回転方向に沿って前記一方の凹状の歯5aと他方の凸状の歯5bが対向して取り付けられている。また、外周に凹凸状の歯を有する一対の回転ローラを備え、前記一対の回転ローラの一方には凹状の歯が所定間隔で取り付けられ、他方には凸状の歯が所定間隔で取り付けられる。第2の実施の形態では、段ボール紙等の厚紙を圧縮する圧縮部5cは、円筒状の回転ローラと回転ローラの接触部が上記圧縮部5cになるが、一対の筒状の回転ローラ間による圧縮であるために、ローラ表面の全域が圧縮部であると言える。このように、圧縮部5cは、前記平坦部5cや後述する波形の曲線部5cの他、圧縮作用が施される位置であれば、いずれの位置であっても良い。
【0022】
したがって、上記段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置11を使用して、実際に段ボール紙を圧縮して折り畳むときには、一対の回転ローラの間に二枚重ねで供給させても良いが、梱包用に使用される厚紙が開封された後、筒状に形成されたものを折り畳んで(図13(b)(c))、二枚に重ね合わせて(一枚のように折り畳んで)、一対の回転ローラ12,13の間に供給する。すると、正多角形状の角ごとに折り返す折畳み用の線や切断部が形成されて、全体としては連結した状態のジグザグな段ボール紙に折り畳まれる。したがって、段ボール紙の回収に合わせて、小型に折り畳んで保管しておけばよい。
ここで、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と異なり、平坦部5cが設けられていないが、円筒形状の一対の回転ローラ12,13により、段ボール等の厚紙が一部分でも圧縮されれば、前記一対の凹凸状の歯5a,5bにより、切断等したり、切断しない箇所4を設けることにより、全体を所定間隔で折り畳んで、小さくして保管しやすい状態に折り畳むことができる。
【0023】
(第3の実施形態)
図14図15は本発明の第3の実施形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置21を示す図である。
本発明の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置21は、外周に凹凸状の歯を有する一対の回転ローラ22,23が、断面歯車形状を呈するものである。前記一対の回転ローラ22,23の回転方向に沿って前記一方の凹状の歯5bと他方の凸状の歯5aが対向して取り付けられている。また、前記一対の回転ローラの一方には凹状の歯が所定間隔で取り付けられ、他方には凸状の歯が所定間隔で取り付けられるとともに、これらの歯と歯の間には段ボール紙等の厚紙を圧縮する圧縮部が設けられており、これらの凹凸状の歯の噛み合わせにより切れ込みを入れる個所を形成するとともに、これら対向する凹凸状の歯が設けられずに切れ込みを入れる個所が形成されない個所4を設ける構造である。
【0024】
第3の実施の形態においては、図14図15に示すように、凸状の歯5aを頂点として隣接する2つの平坦部(山形の平坦部)5c,5cによって形成された角部が円の外側に向かって凸(三角形状の凸)となり、凹状の歯5bを頂点して隣接する2つの平坦部(谷形の平坦部)5c,5cによって形成された角部が円の中心に向かって凸(逆三角形状の凸)となる構成となっている。そのため、対向した凹状の歯5bと凸状の歯5aが歯車のように噛み合わさることによって段ボール紙がしっかりと折り畳まれるようになる。また、上記2つの山形と谷形の平坦部5c,5cによって、段ボール紙がジグザグ状に折畳み易くなるように、圧縮されて切断される。
【0025】
図17は本発明の第3の実施形態の変形例を示す図である。この図17の変形例では、3つ回転ローラを組み合わせて構成されている。したがって、この変形例では、2工程で、厚紙を圧縮しながら切断して、切断個所や折り曲げ数を多くして、排出することができる。
なお、大きさが異なる3つの回転ローラで構成してもよい。
【0026】
図16は本発明の第3の実施形態の変形例を示す図である。
第3の実施形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置21では回転ローラ22、23の凸状の歯5a、凹状の歯5b及び平坦部(圧縮部)5cが角部を形成し、噛み合うように構成しているが、図16に示すように、角部ではなく波形の曲線(円弧の連続)に噛み合うようにしても良い。図16に示す例の装置に段ボール紙等の厚紙を供給すると、断面円弧状の繰り返しによるジグザグ状に形成されて、小型に折畳み易く排出される。
回転ローラ22、23の円の外側に向かって凸(円弧状の凸)に形成された部分に凸状の歯5aが取り付けられるとともに、これらの歯と歯の間には段ボール紙等の厚紙を圧縮する圧縮部が設けられており、円の内側に向かって凸(円弧状の凸)に形成された部分に凹状の歯5bが取り付けられている。平坦部(圧縮部)5cは完全な平坦ではなく断面がS字状にカーブしている。
ここで、本実施形態で説明した回転ローラは平歯車形状であるが、切断手段が互いに接触して厚紙類を圧縮しながら折り畳み線を形成したり切断したりできればよく、はすば歯車ややまば歯車、ねじ歯車のように歯すじを軸に対して斜めにして、凸状の部分に凸状の歯5a、凹状の部分に凹状の歯5bを取り付けてもよい。また、かさ歯車、冠歯車など上向きに歯のついた円盤状の歯車と、それに噛み合う歯車形状の回転ローラを組み合わせて、段ボール紙を圧縮しながら折り畳み線を形成したり切断したりするように構成してもよい。また、ウォームギヤのようにネジ状の歯車形状の切断手段とはすば歯車形状の切断手段であっても良く、又、ラックのように平坦な板状の部材の表面に歯車状の回転ローラと同じ歯を刻んだ切断手段を組み合わせて、段ボール紙を圧縮しながら折り畳み線を形成したり切断したりするように構成してもよい。このように、切断手段2,3は、一対の回転ローラである必要はなく、切断個所と圧縮部5cが形成されて、切断個所と切断しない箇所が形成されれば良い。
【0027】
以上、第1の実施の形態では、正多角形状の一対の回転ローラを用いて説明し、第2の実施の形態では、円筒状の一対の回転ローラを用いて説明し、第3の実施形態では一対の回転ローラの歯が断面歯車形状のものを用いて説明したが、本発明としては、第1の実施の形態では、円筒状の一対の回転ローラを用いたものであっても良く、また、第2の実施の形態では、多角形状の一対の回転ローラを用いたものであっても良い。また、第1の実施の形態では、正多角形(正12角形)の多角形状の一対の回転ローラを用いて説明したが、一対の回転ローラが互いに接触して厚紙類を圧縮しながら折畳み線を形成したり切断したりできればよく、本発明としては、前記正12角形のものには限定されないものである。
【符号の説明】
【0028】
1 第一の実施の形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置、
2,3 一対の回転ローラ(切断手段)、
4 切断されない箇所、
5a 凹凸状の歯の一方、5b 凹凸状の歯の他方、
5c 圧縮部(平坦部、多角形状の一辺、波形の曲線)、
9 軸位置の調整手段、
11 第2の実施の形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置、
12,13 一対の回転ローラ(切断手段)、
21 第3の実施形態の段ボール紙等厚紙の圧縮折り畳み装置
22,23 一対の回転ローラ(切断手段)
D1,D2 段ボール紙等の厚紙(二枚に折り畳まれた段ボール紙、段ボール箱を折り畳んで二枚折にした状態)、

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17