(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-66101(P2021-66101A)
(43)【公開日】2021年4月30日
(54)【発明の名称】印鑑ホルダー
(51)【国際特許分類】
B41K 1/02 20060101AFI20210402BHJP
B41K 1/58 20060101ALI20210402BHJP
B41K 1/36 20060101ALI20210402BHJP
【FI】
B41K1/02 D
B41K1/58 F
B41K1/58 H
B41K1/36 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-193596(P2019-193596)
(22)【出願日】2019年10月24日
(71)【出願人】
【識別番号】506204047
【氏名又は名称】プラスワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001391
【氏名又は名称】特許業務法人レガート知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】那須 雅人
(57)【要約】 (修正有)
【課題】この発明は、蓋を開閉することなく印鑑を収納し取り出すことができ、かつ捺印パッドを使用することのできる印鑑ホルダーを得る。
【解決手段】この発明の印鑑ホルダーは、印鑑が収納される印鑑収納凹部5を備えた印鑑収納体1の側壁に、捺印パッド2を一体的に設けて構成する。
前記印鑑収納凹部5は、印鑑が軸方向に縦に収納される深い凹部の他、印鑑が寝かせた状態で収納される浅い溝でもよいが、印鑑が軸方向に縦に収納される印鑑収納凹部5と、指を挿入する指挿入凹部とを備えたものとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印鑑が収納される印鑑収納凹部を備えた印鑑収納体の側壁に、捺印パッドを一体的に設けた印鑑ホルダー。
【請求項2】
印鑑収納体は、印鑑が収納される印鑑収納凹部と、指を挿入する指挿入凹部とを備えた、請求項1に記載の印鑑ホルダー。
【請求項3】
印鑑収納体は筒状であって、中空部に中仕切りが設けられ、一方の開口側が印鑑収納凹部であり、他方の開口側が指挿入凹部である、
請求項2に記載の印鑑ホルダー。
【請求項4】
捺印パッドは磁性体とした、請求項1ないし3の何れかに記載の印鑑ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印鑑ホルダーに関するものであり、具体的には印鑑収納部と捺印パッドとを備えた印鑑ホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
宅配便による荷物の受け取りが増大し、捺印する機会も増えている。宅配便により荷物の受け取りは玄関先などで行われることが多く、捺印パッドが手元に用意できないために、指先で用紙を保持して捺印することが多い。
【0003】
印鑑ケースと捺印パッドとを一体化したものとして、実開平7−35050号の考案や特開平11−334190号の発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−35050号公報 この考案は、印鑑が収納される容器の外側面に捺印パッドを装着したものである。この考案においては、容器の蓋を開けて印鑑を取り出した後、容器の蓋を閉じて捺印パッドを利用して捺印することになる。
【特許文献2】特開平11−334190号公報 この発明は、印鑑を収納する容器と捺印パッドを並べて配設したものであり、比較的大型であって、事務機器としての使用を想定したものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、蓋を開閉することなく印鑑を収納し取り出すことができ、かつ捺印パッドを使用することのできる印鑑ホルダーを得ることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の印鑑ホルダーは、印鑑が収納される印鑑収納凹部を備えた印鑑収納体の側壁に、捺印パッドを一体的に設けて構成する。
前記印鑑収納凹部は、印鑑が軸方向に縦に収納される深い凹部の他、印鑑が寝かせた状態で収納される浅い溝でもよい。そして、印鑑収納凹部の数は問わない。
前記捺印パッドは、弾性のあるシートであれば材質は問わない。
【0007】
前記印鑑収納体は、印鑑が軸方向に縦に収納される印鑑収納凹部と、指を挿入する指挿入凹部とを備えたものすることが好ましい(請求項2)。
前記印鑑収納体は筒状とし、筒の中空部に中仕切りを設け、一方の開口側を印鑑収納凹部とし、他方の開口側を指挿入凹部とすることが好ましい(請求項3)。前記中仕切りは、実施例に示すように完全に中空部を閉塞する構造であることは必須でない。印鑑の移動を阻止するストッパーになればよいのであり、環状の凸部であってもよい。
前記捺印パッドは磁性体とすることが好ましい。この場合、磁性体の捺印パッドには、ゴム磁石製のものの他、磁力を備えないパッドに磁石片を固着させたものも含み、捺印パッドが金属に磁力で吸着できればよい。
【発明の効果】
【0008】
この発明の印鑑ホルダーによれば、印鑑が収納される印鑑収納凹部を備えた印鑑収納体の側壁に、捺印パッドを一体的に設けて構成したので、蓋を開閉せずに印鑑を収納し取り出すことができ、印鑑を取り出した後、格別の動作をすることなく捺印パッドを使用することができる。
【0009】
前記印鑑収納体に、印鑑が軸方向に縦に収納される印鑑収納凹部と、指を挿入する指挿入凹部とを設けると、印鑑ホルダーを、挿入した指1本で支持することができ、指の自由度が向上し、配達伝票などをつかみやすい。
前記印鑑収納体は筒状とし、筒の中空部に中仕切りを設け、一方の開口側を印鑑収納凹部とすると、必要最小限の大きさにまとめることができる。
前記捺印パッドは磁性体とすると、印鑑ホルダーを磁性体製の壁面やドアなどに吸着して保管することができる。
【実施例】
【0011】
以下、この発明の実施例1を説明する。
【0012】
図1及び
図2において、筒状の印鑑収納体1の一側に方形の捺印パッド2が形成してある。前記印鑑収納体は断面円形の中空部を有し、中空部の全長のほぼ中間位置に中空部を閉塞する中仕切り4が設けてある。そして、この中仕切りの一方側が印鑑が軸方向、縦に収納される印鑑収納凹部5、中仕切りの他方側が指挿入凹部6としてある。
【0013】
前記印鑑収納凹部5は、収納された印鑑が容易に離脱しないよう、印鑑の外形と同等の内径とすることが好ましい。そのために、市販されているいわゆるネーム印に適応した寸法とすることが好ましい。また印鑑収納凹部5の深さは、印鑑が1/2程度収まるものであればよい。
前記指挿入凹部6は、人差し指の第1関節までが挿入できればよく、太い指にも対応できるようにスリット7が設けてある。
【0014】
前記捺印パッド2は、前記印鑑収納体1と一体的に合成樹脂で形成された基板2aにゴム磁石2bを装着して構成してある。
【0015】
図3は、印鑑の外径が印鑑収納凹部5の内径よりも小さい場合に対応するために、印鑑収納凹部5に円筒状のアダプター8を装着した状態を示している。印鑑収納凹部5の内径を市販のネーム印のうちで外径が大きいものに合わせておき、必要に応じて収納するネーム印の外径に適したアダプターを装着することで、種々の大きさのネーム印に対応することができる。
【0016】
以下、この実施例の印鑑ホルダーAの使用方法を説明する。
図4は、印鑑ホルダーAに印鑑Bを収納し、印鑑ホルダーAを磁性のある壁面Cに吸着させた状態を示すものである。このように壁面などに印鑑ホルダーを固定することにより、印鑑を常時一定の場所に保管することができ、印鑑の紛失を防止できる。
【0017】
捺印が必要なときには、印鑑ホルダーAを壁面Cから取り外し、左手(右利きの場合)の人差し指を指挿入凹部6に差し込み、右の指で印鑑Bを取り出す。次いで捺印パッド2に配達伝票などの捺印書面Dをあてがい、左手でその捺印書面Dを保持して右手で捺印する。
【0018】
以下、この発明の他の実施例を説明する。
【0019】
図7に示す実施例2は、印鑑収納体1を扁平直方体として、印鑑収納凹部5となる貫通孔を設けたものであり、指収納凹部は設けていない。この実施例においては指収納凹部は設けていないので、掌で印鑑収納体1を把持して捺印する。
【0020】
図8に示す実施例3は、印鑑収納凹部5を略断面円弧状の溝としたものであり、印鑑Bを横に寝かせて収納するようにしてある。前記溝の開口縁5aは印鑑Bが係止するようにしてあり、弾性変形によって印鑑Bが通過できるようにしてある。
【0021】
図9に示す実施例4は、扁平直方体とした印鑑収納体1の一側に印鑑収納凹部5を、他側に指挿入凹部6を設けたもので、前記印鑑収納凹部5と指挿入凹部6とはずらした位置に形成してある。このようにすることで、印鑑収納体1の上下寸法を小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明は、宅配便の増加によって機会が増大している捺印作業を簡便にするものであり、産業上の利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0023】
1 印鑑収納体
2 捺印パッド
2a 基板
2b ゴム磁石
4 中仕切り
5 印鑑収納凹部
5a 開口縁
6 指挿入凹部
7 スリット
8 アダプター
A 印鑑ホルダー
B 印鑑
C 壁面
D 捺印書面