【解決手段】長尺シート状の包材が巻回されて構成された巻回体を支持する支持軸32を備え、前記支持軸32は、回転規制部により回転が規制され、規制解除部により回転規制が解除され、前記支持軸32の外周部に支持軸側突条部325が形成され、前記支持軸側突条部325には支持軸側溝部326が形成され、前記支持軸側溝部326には、前記規制解除部が備える被押圧部3533が収容され、前記巻回体が備える芯本体611の内周部には芯本体側溝部615が形成され、前記芯本体側溝部615には、前記支持軸側溝部に挿入される挿入部616が形成され、前記挿入部616に形成された押圧部6161は、前記支持軸32に対する装着方向への前記芯本体611の移動に伴って、前記被押圧部3533を前記装着方向に押圧する。
前記支持軸に対して前記芯本体が着脱される際に、前記芯本体側溝部は、前記支持軸側突条部に案内される、請求項1または2に記載の巻回体と薬剤包装装置との組み合わせ。
前記芯本体が前記支持軸の外周に装着された際に、前記芯本体側溝部は、前記支持軸側突条部と協働して、前記支持軸に対する前記芯本体の周方向への回転を阻止する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の巻回体と薬剤包装装置との組み合わせ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、従来では、支持軸が自由に回転するため、巻回体を装着しようとする際に、巻回体を支持軸に対して位置合わせすべく周方向に回転させると、支持軸と巻回体とが共回りすることがあったため、装着作業が煩雑であった。
【0005】
そこで本発明は、支持軸に対する装着作業を容易にできる巻回体と薬剤包装装置との組み合わせ、また、前記組み合わせにおいて用いられる巻回体および芯体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、長尺シート状の包材が巻回されて構成された巻回体と、前記巻回体が装着され、前記巻回体から巻き出された前記包材を用いて薬剤を包装する薬剤包装装置と、を備え、前記薬剤包装装置は、基台と、前記基台に対して回転可能に設けられ、前記巻回体を支持する支持軸と、前記基台に対する前記支持軸の回転を規制する回転規制部と、前記回転規制部による前記支持軸の回転規制を解除する規制解除部と、を備え、前記巻回体は、筒状に形成され、前記支持軸の外周に装着される芯本体と、前記芯本体の外周に巻回された前記包材と、前記芯本体に設けられ、前記規制解除部を作動させる作動部と、を備え、前記芯本体が前記支持軸の外周に装着されていない状態では、前記回転規制部が前記基台に対する前記支持軸の回転を規制し、前記芯本体が前記支持軸の外周に装着された際には、前記作動部が前記規制解除部を作動させることで、前記回転規制部による前記支持軸の回転規制が解除され、前記支持軸は、基端部および先端部を有し、前記芯本体は、前記支持軸の前記先端部側から、前記支持軸に装着され、前記規制解除部は、被押圧部を備え、前記作動部は、前記被押圧部を押圧する押圧部を備え、前記支持軸の外周部には、前記支持軸の軸方向に延びる支持軸側突条部が形成され、前記支持軸側突条部には、前記支持軸の軸方向に延びる支持軸側溝部が形成され、前記支持軸側溝部には、前記被押圧部が収容され、前記芯本体の内周部には、前記芯本体の軸方向に延び、前記支持軸側突条部が挿入される芯本体側溝部が形成され、前記芯本体側溝部には、前記支持軸側溝部に挿入される挿入部が形成され、前記挿入部には、前記押圧部が形成され、前記押圧部は、前記支持軸の前記先端部から前記基端部に向かう装着方向への前記芯本体の移動に伴って、前記被押圧部を前記装着方向に押圧する、巻回体と薬剤包装装置との組み合わせ、または、これに用いられる前記巻回体、または、これに用いられる前記芯本体と前記作動部とを備える芯体、である。
【0007】
これらによると、芯体が支持軸に装着される際に、作動部が規制解除部を作動させることで回転規制部による規制を解除する。逆に言えば、巻回体の支持軸への装着が完了するまでは、支持軸を、周方向に回転不可能にできる。よって、巻回体と支持軸を周方向に位置合わせすることが容易である。
【0008】
また、前記支持軸側突条部は、前記支持軸において前記先端部の位置に対して前記基端部側にずれた位置に位置するものとできる。
【0009】
これによると、巻回体を支持軸に途中まで差し込んだ状態で、作業者が巻回体と支持軸とを周方向に位置合わせできる。
【0010】
また、前記支持軸に対して前記芯本体が着脱される際に、前記芯本体側溝部は、前記支持軸側突条部に案内されるものとできる。
【0011】
これによると、支持軸に対して芯本体を安定して着脱できる。
【0012】
また、前記芯本体が前記支持軸の外周に装着された際に、前記芯本体側溝部は、前記支持軸側突条部と協働して、前記支持軸に対する前記芯本体の周方向への回転を阻止するものとできる。
【0013】
これによると、支持軸に対して芯本体を相対回転不能とできるので、支持軸の回転力を確実に巻回体に伝達できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、支持軸に対する巻回体の装着作業を容易にできる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明につき、巻回体6と薬剤包装装置1との組み合わせの一実施形態を取り上げて説明を行う。以下の説明において、「基端側」は
図2における左上側に対応し、「先端側」は
図2における右下側に対応している。また、以下の説明における「軸方向」とは、支持軸32の軸方向のことである。
【0017】
−包装部の概要−
図1に、薬剤包装装置1において薬剤の包装を行う部分である包装部2を概略的に示す。薬剤(図示しない)は、例えば錠剤または散剤である。この薬剤包装装置1で用いられる包材62は、帯状であり長尺のシートである。包材62の材質は、例えば紙または樹脂である。包材62は長手方向(図示した矢印Fの方向)に搬送される。包材62は芯体61(詳しくは芯体61における芯本体611)の外周に巻回されてロール状の巻回体(包材ロール)6とされている。すなわち、巻回体6は、長尺シート状の包材62が巻回されて構成されている。巻回体6において、包材62は、幅方向(短手方向)中央で半折りされた状態で芯体61の外周に巻回されている。包材62は巻回体6から巻き出される。薬剤包装装置1は、巻回体6から巻き出された包材62を用いて薬剤を包装する。薬剤包装装置1における包装部2は、包材62の搬送方向の上流側から下流側に向かって、包材供給部3、包材搬送部4、包装体形成部5の順に位置している。これらについて以下説明する。なお都合上、包材供給部3に関しては後で説明する。
【0018】
−包材搬送部−
包材搬送部4は、包材62を長手方向に搬送し、搬送方向下流側の包装体形成部5に供給する。包材搬送部4は、主に、張力調整機構41と折り返しバー42を備えている。張力調整機構41は、軸間距離が変動する複数のローラ411〜413の間に包材62を折り返すように架け渡すことにより、張力を調整する機構である。本実施形態の張力調整機構41は、例えば軸線の位置が不動である2本の固定ローラ411,412と、基台31の表面に開口した湾曲長孔311に沿って、軸線の位置が移動する1本のダンサローラ413が組み合わされている。折り返しバー42は、張力調整機構41から上方に搬送される包材62の搬送方向を斜め下方向に転換する。包材搬送部4には、例えば包材62の表面に薬剤の処方情報等を印刷する印刷部43を設けることができる。
【0019】
−包装体形成部−
包装体形成部5は、処方に応じて包材62に薬剤を供給し、包材62を接着することで1包ごとに包装する部分である。包装体形成部5は、主に、三角板51、ホッパ52、包材接着部53を備えている。三角板51は、折り返しバー42の搬送方向下流側に位置し、幅方向で半折りされた状態の包材62の一方側と他方側とを押し開くことで、長手方向視で断面V字状の形態にする部分である。ホッパ52は、包材62が三角板51により押し開かれた断面V字状の空間62Sに、上部521に比べて横断面積が縮小して形成された下部522の一部が挿入されている。ホッパ52の上方に設けられた薬剤供給機構(図示しない)により、処方に応じて供給された薬剤が、ホッパ52の内部を経由して包材62に供給される。包材接着部53は、包材62を熱溶着する等して、薬剤が供給された包材62を1包ずつ区画するように接着する部分である。包装体形成部5はこの他、例えば、包材接着部53により接着された包材62に切断を容易にするためのミシン目を形成するためのミシン目形成部(図示しない)を設けることができる。
【0020】
−包材供給部−
包材供給部3は、包材62を包材搬送部4以降に送る部分である。包材供給部3には巻回体6が周方向に回転可能なように配置される。巻回体6が回転することで、包材62が巻回体6から長手方向に引き出される。
【0021】
図2に示すように、包材供給部3は基台31と支持軸32を備える。なお基台31には、前述のように包材搬送部4の一部(張力調整機構41)も設けられている。基台31は包材供給部3において固定的に設けられている。基台31の表面(図示において巻回体6の側を向いた面)から支持軸32が突出している。支持軸32は略円柱状とされている。支持軸32は、基端部と先端部とを有する。支持軸32の基端部は基台31に支持される。支持軸32は、基台31に対して回転可能に設けられ、巻回体6を支持する。支持軸32は、基台31の内部に設けられた図示しないステッピングモータ等の駆動部により駆動され、基台31に対して回転する。支持軸32の回転は包材62の引き出し方向及び引き込み方向の両方向になされる。また、包材62の包装体形成部5への供給に対応して、支持軸32の回転は間欠的になされる。支持軸32は、基台31の表面から先端に向かって突出している。支持軸32の軸線は、基台31の表面から垂直に延びている。本実施形態では、基台31の表面は鉛直面である。基台31の表面は、鉛直面に対して傾斜した傾斜面であってもよく、あるいは、水平面であってもよい。支持軸32は基台31に対して片持ち支持されていて、支持軸32の先端部は開放されている。このため、
図2に示されたように巻回体6における芯体61を支持軸32の開放された側の軸方向延長位置に配置し、先端側から基端側へと軸方向に移動させることで、支持軸32に巻回体6を装着できる。支持軸32には巻回体6が相対回転不能に取り付けられる。
【0022】
図3に示すように、基台31の表面において、支持軸32における基端面に対向する部分には、後述するロックピン351の先端が係合するロックピン係合部33が形成されている。ロックピン係合部33は、周方向に一定の間隔で、全周にわたって複数の突起が形成されている。つまり、ロックピン係合部33は、基台31の表面において周方向に位置しており、複数の凹凸を有する。これにより、周方向に並ぶ凹部331と突起332が交互に形成されている。このうち凹部331に、支持軸32に設けられるロックピン351の先端が位置することで係合して、支持軸32の回転が阻止される。本実施形態では、凹部331は基台31の表面に形成された突起332,332同士の間の部分とされている。しかしこれと逆に、突起332が基台31の表面に形成された凹部331,331同士の間の部分であってもよいし、基台31の表面に凹部331と突起332を形成してもよい。つまり、ロックピン係合部33は、ロックピン351の先端が係合する凹凸を有していればよい。なお、
図3においてロックピン係合部33に一部重複して示されている箱状部分は磁気センサ34である。磁気センサ34は磁気検知部の一部であって、芯体61の磁石保持部614に設けられた永久磁石の磁気を検出する。なお、図示していないが、支持軸32における内部にも磁気センサが設けられている。
【0023】
図4に示すように、支持軸32における基端部には、複数(本実施形態では4個)の位置合わせ突起321が形成されている。複数の位置合わせ突起321は、周方向に一定の距離をおいて(間隔を空けて)設けられている。各位置合わせ突起321は、支持軸32の基端部の外周面から径外方向に突出している。各位置合わせ突起321は支持軸32の基端から先端方向の所定距離分、軸方向に延びている。複数の位置合わせ突起321のうち一部(本実施形態では周方向における1個おきの位置合わせ突起321)から径方向に、棒状の包材切れ検知ピン322が突出している。包材切れ検知ピン322の先端は、支持軸32に巻回体6を装着した場合の芯体61の外周面よりも径外に位置するように設定されている。また、包材切れ検知ピン322が設けられた位置合わせ突起321には、径方向に貫通し、軸方向に延びる切欠部323が設けられている。
【0024】
包材切れ検知ピン322は、支持軸32の内部に設けられた図示しないばねの付勢力により、支持軸32の軸方向で先端側(図示右方)に向かって付勢されている。包材切れ検知ピン322は、包材62の巻かれた巻回体6が支持軸32に取り付けられている場合には、巻回体6の外周において径方向に積層されている包材62により側方に押し出されることで、ばね付勢に抗して軸方向基端側に移動させられている。なお、巻回体6の芯体61において、支持軸32への装着時に包材切れ検知ピン322に一致する部分には、支持軸32に設けられた切欠部323と同様に、径方向に貫通し、軸方向に延びる切欠部612が設けられている。切欠部612は、支持軸32の切欠部323と周方向に一致するように配置される。このため芯体61は、切欠部612の位置合わせのため、作業者により支持軸32に対して周方向に回転されることがある。巻回体6から包材62が引き出されて無くなってしまうと(芯体61だけになると)、包材62による前記押し出しがされなくなるため、ばね付勢された包材切れ検知ピン322が軸方向先端側に移動して切欠部612に進入する。このように包材切れ検知ピン322が切欠部612に進入したことをセンサ等で検知することにより、包材切れを検出できる。巻回体6から包材62がすべて巻き出されたことを検知することで、例えば包材供給部3を自動停止できる。
【0025】
支持軸32の外周面にはずれ規制部324が突出している。ずれ規制部324は例えば球状または半球状で、支持軸32の内部に設けられたばねにより径外方向に付勢され、一部が支持軸32の外周面から突出した突起である。ずれ規制部324は、支持軸32の外周面に出没可能に設けられている。このずれ規制部324は、芯体61における後述の段差部613に係合する。このため、芯体61が支持軸32に対して軸方向にずれることを防止でき、支持軸32に巻回体6を確実に装着できる。
【0026】
図4に示すように、支持軸32における外周部(外周面)には、軸方向に延びる支持軸側突条部325が形成されている。支持軸側突条部325は、支持軸32において先端部の位置に対して基端部側にずれた位置に位置する。そして、支持軸側突条部325の幅方向(周方向)中央に軸方向に延びる支持軸側溝部326が形成されている。支持軸側溝部326の径方向における底部は支持軸32の外周面と一致している。支持軸側突条部325には、支持軸32に芯体61を装着した際に、芯体61の芯本体側溝部615が嵌合する。この嵌合により、支持軸32に対して芯体61が相対回転不能となる。つまり、芯本体側溝部615は、芯体61(芯本体611)が支持軸32の外周に装着された際に、支持軸側突条部325と協働して、支持軸32に対する芯体61(芯本体611)の周方向への回転を阻止する。これにより、支持軸32に対して芯体61(芯本体611)を相対回転不能とできるので、支持軸32の回転力を確実に巻回体6に伝達できる。
【0027】
支持軸側溝部326は、支持軸側突条部325における先端から基端側に向かう途中までの区間に形成されている。つまり、支持軸側溝部326は、支持軸側突条部325の先端部から基端部に向けて延びる。支持軸側溝部326の内部には後述するリンク機構35の一部(被押圧部3533)が露出している。つまり、支持軸側溝部326には、被押圧部3533が収容されている。芯本体側溝部615は、支持軸32に対して芯体61(芯本体611)が着脱される際に、支持軸側突条部325に案内される。このため、支持軸32に対して芯体61(芯本体611)を、軸方向に沿って安定して着脱できる。
【0028】
図6及び
図7に示すように、支持軸32にはリンク機構35が設けられている。リンク機構35を単体で
図5に示す。リンク機構35は、ロックピン351、コイルばね352、リンク体353を備える。
【0029】
ロックピン351は棒状である。本実施形態では丸棒状であり、支持軸32の軸方向に沿って直線状に延びている。ロックピン351は基端側(支持軸32基準)で大径とされ、先端側で小径とされていて、段差3511を有している。ロックピン351は、支持軸32における基端側において支持軸32の軸方向に延びる。ロックピン351は、支持軸32において軸方向に移動可能とされている。この移動に伴い、支持軸32の端面(具体的には基端面)に対してロックピン351が出没する。
図6が突出した状態であり、
図7が没入した状態である。
【0030】
ロックピン351における小径部分にはコイルばね352が設けられている。コイルばね352の一方の端部はロックピン351の段差3511に当接し、他方の端部は支持軸32の本体(支持軸32における外側部分)に対して当接している。このため、段差3511を介してロックピン351を支持軸32の基端方向に付勢する。この付勢により、ロックピン351は通常、
図6に示すように支持軸32から基端側に突出している。また、
図8に示すようにロックピン351が支持軸32に没入した際、コイルばね352は圧縮する。
【0031】
リンク体353は、
図5に示すように、支持軸32の軸方向視で略四角枠状の本体部3531を有している。リンク体353は、図示状態にて上下方向の中央において、本体部3531から支持軸32における径外方向に突出する一対のリンク回動支軸3532を有している。このリンク回動支軸3532は支持軸32の本体に支持される。このためリンク体353は、支持軸32の本体に対して、
図5に矢印Rで示したように所定範囲で回動(揺動)可能に支持されている。
【0032】
リンク体353の
図5〜
図7に示す上端部は支持軸32の本体を径方向に貫通して、支持軸側溝部326の内部における空間に突出している。この突出した部分が芯体61により作用される被押圧部3533である。被押圧部3533は、支持軸32において先端部の位置から基端部側にずれた位置に位置する。
図7に示すように、芯体61における挿入部616における端部(正規の装着方向では基端6161)に押されることで、リンク体353が回動する。被押圧部3533は、リンク回動支軸3532の軸線を挟んで移動体(具体的にはロックピン351)とは、径方向で反対側に設けられる。このため、被押圧部3533の移動方向と移動体(ロックピン351及び延長板352)の移動方向は逆になる。
【0033】
なお、支持軸32に対する巻回体6の装着作業を容易にするための、巻回体6と薬剤包装装置1との組み合わせ(相互関係)については後述する。
【0034】
−巻回体の芯体−
図4に示すように、巻回体6の芯体61は、径方向断面の形状が円形である管状である。芯体61の外周面に包材62が巻き重ねられる。芯体61の外径寸法は、軸方向において一定とされている。このため、外周面に段差が現れないので、包材62を、折り目をつけることなく巻回させられる。芯体61は、包材供給部3における支持軸32の外周に対し、軸方向へ移動されることで脱着(装着及び取り外し)される。芯体61は、支持軸32の周方向に位置合わせされて、支持軸32の外周に装着される。芯体61は、一端部及び他端部を有する。芯体61は、正規の向き(装着方向)として一端部側から支持軸32に装着される。芯体61は、支持軸32への装着の際における方向(正規の装着方向)での基端部に切欠部612を備える。切欠部612は、芯体61を支持軸32に装着した際に、支持軸32から径外方向に突出する包材切れ検知ピン322に対応する位置に設けられている(
図6参照)。切欠部612は、芯体61を径方向に貫通し、かつ、芯体61における基端に開口した空間を有する。この空間において包材切れ検知ピン322が支持軸32の軸方向に移動可能である。この移動は、巻回体6から包材62が引き出されて無くなった後になされる。ちなみに、この切欠部612は、巻回体6の方向を作業者が識別する際の手掛かりとして用いることもできる。
【0035】
図4に示すように、芯体61の内周面は、軸方向において基端側及び先端側が大径とされており、中央側が小径とされたことにより、基端側及び先端側に段差部613が形成されている。このうち先端側の段差部613には、ずれ規制部324が係合する。このため、芯体61が支持軸32に対して軸方向にずれることを防止でき、支持軸32に巻回体6を確実に装着できる。一方、ずれ規制部324はばね付勢されていることから、例えば支持軸32から芯体61を抜く際、このばねの付勢力に打ち勝つ力で芯体61を軸方向に移動させれば、芯体61は支持軸32に対して移動する。このため、支持軸32から芯体61を抜く際には特に支障なく作業できる。
【0036】
芯体61は、包材供給部3が巻回体6の識別のために備えている磁気センサ等の磁気検知部に対応した組み合わせの永久磁石を保持する、複数の磁石保持部614〜614を備える。複数の磁石保持部614のうち、選択された所定個数の磁石保持部614〜614に永久磁石が配置される(図面では永久磁石が配置されていない状態の磁石保持部614が示されている)。前記「巻回体6の識別」とは、具体的には、包材62の材質を識別することである。複数の磁石保持部614〜614において、永久磁石が配置された磁石保持部614の個数、永久磁石の極性または磁力の強さ等を磁気検知部が検知して識別を行う。なお、巻回体6の識別を、例えばICチップ等、無線識別可能なRFIDタグによる電磁的な検知、2次元コードによる光学的な検知等の、磁気以外の手段で行うように構成した薬剤包装装置や、改造によって磁気検知部を除去または無効化した薬剤包装装置では、この磁石保持部614は不要である。
【0037】
また、芯体61は、筒状に形成される芯本体611と、この芯本体611に設けられる芯本体側溝部615とを備える。芯本体側溝部615は、芯本体611の内周部に、径外方向に凹むように形成されている。芯本体側溝部615は、芯本体611の軸方向に延びている。芯本体側溝部615には、支持軸32の支持軸側突条部325が挿入される。芯本体側溝部615の幅方向(周方向)中央には挿入部616が形成されている。この挿入部616は、芯本体611の内周部において、径外方向に凹ませずに残された部分である。よって、挿入部616の径内面は芯本体611の内面と径方向位置が同一の面となっている。このように、芯本体側溝部615の内部に挿入部616を形成することで、挿入部616を芯本体611の内面から径内方向に突出させる必要がない。よって、芯体61の製造が容易である。挿入部616は、芯本体側溝部615の内部で一連の凸条となっている。挿入部616は、芯本体611と一体に形成されている。挿入部616は、支持軸32の支持軸側溝部326に挿入される。挿入部616は、支持軸32の被押圧部3533を装着方向に押圧する押圧部として機能する。なお挿入部616は、本実施形態のように一連の形態ではなく、軸方向に断続的に形成された形態であってもよい。
【0038】
また、
図4に示すように、芯体61における一端部には、支持軸32の位置合わせ突起321に対応する位置に位置合わせ凹部617が形成されている。位置合わせ凹部617は、芯本体611の内周面に径外方向に凹んでいる。一部の位置合わせ凹部617には、包材切れ検知ピン322が径方向に貫通する、前述の切欠部612が形成されている。
【0039】
−使用済み芯体の再利用−
芯体61は、例えば硬質樹脂から形成されている。このため、芯体61は包材62を使い切った後に再利用することで、多数回繰り返して使用することができる。これにより、例えば石油資源の節約に貢献できる。再利用は、薬剤包装装置1のユーザーから回収した使用済みの芯体61に対し、新たな包材62を巻回することによってなされる。再利用される芯体61への新たな包材62の巻回により、新たな巻回体6が製造されることになる。なお、回収を円滑に行うべく、ユーザーに対して引き渡す巻回体6のうち、芯体61の部分については貸与した形をとることにより、ユーザーが芯体61を返却するという形で芯体61の回収を促すことができる。
【0040】
前記使用済みの芯体61に対する新たな包材62の巻回は、例えば、芯体61の外径寸法よりも大きな内径寸法を有する別個の芯体(紙筒等)に新たな包材62を巻回することにより、あらかじめ製作された包材ロール(取換用巻回体)を、使用済みの芯体61に取り付ける手法で行ってもよい。この手法をとる場合、使用済みの芯体61と前記別個の芯体との間にゴムリング等のスペーサを介在させることで、芯体61の外径寸法と前記別個の芯体の内径寸法の差を調整することもできる。
【0041】
前記新たな巻回体6の製造は、巻回体6の供給者が行うこともできるし、巻回体6の供給者がユーザーに指示することにより、ユーザーが前記製造に係る作業を行うこともできる。後者の場合、使用済みの芯体61は回収されずにユーザーの手元に留め置かれることになる。巻回体6の供給者からユーザーへの前記指示は明示的であってもよいし、黙示的であってもよい。後者の黙示的な指示には、単に取換用巻回体をユーザーに譲渡する行為も含まれる。
【0042】
−巻回体と薬剤包装装置との相互関係−
次に、支持軸32に対する巻回体6の装着作業を容易にするための、巻回体6と薬剤包装装置1との組み合わせ(相互関係)に係る構成について説明する。
【0043】
薬剤包装装置1における包材供給部3は、基台31に対する支持軸32の回転を規制する回転規制部と、回転規制部による前記規制(回転規制)を解除する規制解除部を備える。回転規制部は本実施形態のロックピン351及びロックピン係合部33が対応する。この回転規制部(ロックピン351及びロックピン係合部33)は、芯体61が支持軸32の外周に装着されていない状態では、基台31に対する支持軸32の回転を規制する。規制解除部は本実施形態のリンク体353が対応する。規制解除部は、芯体61の軸方向への移動により押圧される被押圧部3533を備える。本実施形態では、被押圧部3533はリンク体353における、
図5に示された方向で上部に形成されている。支持軸32は支持軸側溝部326を備える。
【0044】
前記包材供給部3の構成に対応し、芯体61は解除作動部(または作動部)を備える。この解除作動部は、支持軸32に装着される際に包材供給部3の規制解除部を作動させることで、回転規制部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による前記規制を解除する。解除作動部は、支持軸側溝部326に挿入される挿入部616を備える。挿入部616は、支持軸32に対する芯体61の軸方向の移動に応じて被押圧部3533を押圧する押圧部を備える。この押圧部は挿入部616の、支持軸32の方向基準における基端6161である。芯体61が支持軸32の外周に装着された際には、解除作動部(挿入部616)が規制解除部(リンク体353)を作動させることで、回転規制部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による支持軸32の回転規制が解除される。
【0045】
ここで、従来の包材供給部3では、支持軸が自由に回転するため、巻回体を装着しようとする際に、巻回体を支持軸に対して位置合わせすべく周方向に回転させると、支持軸と巻回体とが共回りすることがあったため、例えば作業者が片手で支持軸を押さえつつ巻回体を回転させなければならず、巻回体の装着作業が煩雑であった。
【0046】
これに対し、前述のように構成された包材供給部3と芯体61の組み合わせにより、巻回体6が支持軸32に装着されていない状態では、ロックピン351が支持軸32の基端面から突出してロックピン係合部33に係合することで、支持軸32を回転しないようにロックする。これにより、支持軸32の回転が規制される。巻回体6の支持軸32の正規装着位置への装着が完了するまで、支持軸32は、周方向に回転不可能になっている。また、支持軸側突条部325は、支持軸32において先端部の位置に対して基端部側にずれた位置に位置する。このため、巻回体6を支持軸32に途中まで差し込んだ状態で(ある程度差し込んだ状態で)、作業者が巻回体6と支持軸32とを周方向に位置合わせできる。そして、巻回体6が支持軸32に装着されると、押圧部である挿入部616の基端6161がリンク体353の一部である被押圧部3533を押圧する。つまり押圧部は、支持軸32の先端部から基端部に向かう装着方向への芯体61の移動に伴って、被押圧部3533を装着方向に押圧する。これによりリンク機構35が作動し(具体的にはリンク体353が回動し)、ロックピン351が支持軸32の基端面に没入してロックピン係合部33から離れることで、支持軸32のロックが解除される。
【0047】
以上、本実施形態では、巻回体6が支持軸32に装着される際に、解除作動部(挿入部616)が規制解除部(リンク体353)を作動させることで回転規制部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による規制を解除する。このため、巻回体6の支持軸32への装着が完了するまで、支持軸32を、周方向に回転不可能にできる。よって、巻回体6と支持軸32を周方向に位置合わせすることが容易である。また、押圧部(基端6161)が芯体61の軸方向の移動に応じて被押圧部3533を押圧することで規制解除部(リンク体353)を作動させられる。このため、回転規制部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による規制を解除するための動作を単純にできる。また、凹部(支持軸側溝部326)と突起(挿入部616)との組み合わせで規制解除部(リンク体353)を作動させられる。このため、回転規制部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による規制を解除するための構成が簡単である。従って、本実施形態によれば、支持軸32に対する巻回体6の装着作業を容易にできる。
【0048】
−形態の変更可能性−
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。