(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-66646(P2021-66646A)
(43)【公開日】2021年4月30日
(54)【発明の名称】二酸化炭素の有効活用方法。
(51)【国際特許分類】
C01F 11/18 20060101AFI20210402BHJP
A01G 9/18 20060101ALI20210402BHJP
A01G 7/02 20060101ALI20210402BHJP
A01G 22/05 20180101ALI20210402BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20210402BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20210402BHJP
B01D 53/79 20060101ALI20210402BHJP
C01B 32/50 20170101ALI20210402BHJP
【FI】
C01F11/18 C
A01G9/18ZAB
A01G7/02
A01G22/05 Z
B01D53/62
B01D53/78
B01D53/79
C01B32/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2019-204298(P2019-204298)
(22)【出願日】2019年10月23日
(71)【出願人】
【識別番号】598059826
【氏名又は名称】平松 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】平松 勝彦
【テーマコード(参考)】
2B022
2B029
4D002
4G076
4G146
【Fターム(参考)】
2B022AB15
2B022DA11
2B022DA12
2B029JA02
2B029JA06
4D002AA09
4D002AC01
4D002BA02
4D002CA01
4D002DA05
4D002FA01
4G076AA16
4G076AB06
4G076BA30
4G076BA31
4G076BC08
4G076DA29
4G146JA02
4G146JB06
4G146JB09
4G146JC02
4G146JC05
4G146JC09
4G146JC31
4G146JD06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】燃焼作用から発生する二酸化炭素を有効活用する方法の提供。
【解決手段】消石灰の水溶液に二酸化炭素を吹き込むのではなく、少量の消石灰水溶液と水を混合した混合水溶液(水8に対して水溶液2の混合水溶液)を噴射することで、排気ガス内の二酸化炭素を、炭酸水素カルシウムとするだけでなく、混合水溶液内にも取り込む。この混合水溶液を農業ハウス内において電圧を利用して加熱することで二酸化炭素が農業ハウス内に拡散され且つ植物が二酸化炭素を取り込み光合成が行われると同時に酸素が放出される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ内部に水を設けた水槽内に、消石灰の水溶液を入れることで水と水溶液の混合水溶液が出来る。ボイラー稼働中に排気ガスが煙突上部から排出されている状態において、ボイラー室と煙突の中間点に設けた液体噴射室内に水槽内の混合水溶液を、噴射ノズルを介して霧状に噴射する。液体噴射室において燃焼に伴う二酸化炭素と噴射された混合水溶液が反応することで混合水溶液内に二酸化炭素が取り込まれ炭酸水素カルシュムが増大する。つまり、これらの作用は排気ガス中の二酸化炭素が液体内に取り込まれたことを示すと同時に消石灰の水溶液に二酸化炭素を取り込むのではなく、本発明では水溶液と水の混合水溶液に二酸化炭素を取り込ませているのが特徴である。(本発明の実証実験では消石灰の水溶液2に対して水8の比率で実験を行ったが他の実証での比率は特定しないものとする)
【請求項2】
トマト、ナス、キュウリ、などを生産する農業ハウス栽培において生産性の向上を目的にハウス内に二酸化炭素を放出している。本発明では請求項1.の作用から発生した混合水溶液を水槽から取り出して、農業ハウス内に噴霧放出することで、二酸化炭素を用いた農業ハウスの生産性の向上を目指している。先ず、炭酸水素カルシュムを多く含む混合水溶液を農業ハウス内で電気を用いて加熱することで二酸化炭素が放出される。発生した二酸化炭素を、送風機などを用いてハウス内に拡散することで植物による光合成に利用する。などの排気ガスから取り入れた二酸化炭素を農業に活用する方法。
【請求項3】
請求項1、と請求項2、を実施することで排気ガスから取り入れた二酸化炭素を混合水溶液内に取り込むことで大気に放出される二酸化炭素量を抑制することが出来る。さらに 炭酸水素カルシュムを含んだ混合水溶液を農業ハウス内に過熱放出することで二酸化炭素が発生植物の光合成が活発になり結果的により多くの酸素が放出される。これらの活発な光合成作用によりハウス内での生産性の向上が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は様々な分野での燃焼作用から発生する二酸化炭素を有効活用する方法である。
【背景技術】
【0002】
現在、排気ガス中の二酸化炭素を因子とする地球温暖化問題は、極めて深刻になっています。本発明は二酸化炭素を有効活用することで大気に放出される二酸化炭素の減少を目的に開発された温暖化抑制方法である。
特許文献に付きましては、調べましたが本発明に関連した同種の文献はありませんでした。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
地球の環境は拡大している経済成長に反比例して破壊方向に進んでいる。最大の課題は二酸化炭素放出による大気の温暖化である。各関係機関が総力をあげて研究しているがなかなか対応策は出てこない。本発明は二酸化炭素を大気に放出させない方法で温暖化を抑制するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
消石灰の水溶液に二酸化炭素を通すと二酸化炭素が反応して炭酸カルシュムを生成することは以前から知られている。本発明では消石灰の水溶液に二酸化炭素を吹き込むのではなく、水溶液と水を混合した混合水溶液(水8に対して水溶液2の混合水溶液)に二酸化炭素を吹き込む方法を用いて排気ガス内の二酸化炭素を液体化していることで大気に二酸化炭素の放出を防いでいるのである。さらに、液体内に取り込まれた二酸化炭素は炭酸水素カルシュムという形で取り込まれている。これらの混合水溶液を農業ハウス内において電圧を利用して加熱することで二酸化炭素が農業ハウス内に拡散され且つ植物が二酸化炭素を取り込み光合成が活発に行われると同時に酸素が放出するのである。
次に本発明の特徴は消石灰の水溶液2と水8の混合水溶液を使用しているが、水のみを使用しても本方法を実施することが出来る。しかし、消石灰の水溶液を少量添加した方が、二酸化炭素取り込み効率が高いために2対8の比率で混合水溶液を使用しているのである。さらに もう一つの特徴は排気ガスと混合水溶液が液体噴射室内で触れ合う状態では混合水溶液が噴射ノズルの作用によって霧状に噴射される状態はガスと水溶液との接触面が多くなることで二酸化炭素の取り込みが容易になる。
【発明の効果】
【0005】
本発明を実施することで、燃焼に伴う排気ガス内の二酸化炭素が液体内に取り込まれ、その二酸化炭素を含む液体を農業ハウス内に持ち込むことで栽培している植物が光合成作用によって取り込み、酸素を放出するのである。端的に言えば工場などから排出される二酸化炭素を植物の光合成を利用して取り込み同時に酸素を放出することで大気に放出する二酸化炭素抑制効果を得ることで温暖化課題を解消する方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本方法は大きく分けて二種類あるが、
図1を用いて説明する。先ず、工場1、内に隣接するボイラー室2、が稼働することで排気ガスが発生する。側面に隣接された液体噴射室6、に排気ガスが入ると同時に水槽8、内の混合水溶液7、が水圧ポンプ9、の稼働で配管8、4、を介して連結された噴射ノズル3、から液体噴射室6、内部に噴射されることで二酸化炭素と少量の消石灰水溶液と水の反応から二酸化炭素が混合水溶液に取り込まれ同時に元の水槽に送られる。この一連の作用が繰り返されることで炭酸水素カルシュムを含む混合水溶液7、が生産されるのである。
【実施例】
【0007】
次の実施例は
図2、を用いて説明する。上部に空気取り入れ口1.と下部にオイルパン12、を設けたシリンダー11、を駆動することで船舶用大型エンジン13、が稼動する。側面に設けた排気用エキゾストパイプ2、内部に排気ガスが入る。内部に液体噴射室14、と噴射ノズル3、を設けた排気マフラー5、内に排気ガスが通過することで、水槽6、内の混合水溶液7、が水圧ポンプ9、と配管8、4、を介して噴射ノズル3、から噴射されることで混合水溶液7、と排気ガス内の二酸化炭素が反応して炭酸水素を含む混合水溶液7、が生産されるのである。他の作用は
図1と同様である。
図2はエンジンから発生する排気ガス内の二酸化炭素の処理方法であるが、主な目的は大量に排気ガスを放出する大型船舶用エンジンを目的に開発した方法であるが必ずしも船舶用ばかりではなく発電機用エンジンなどの装置にも対応することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明は大きく二つの作用から成り立っている。二酸化炭素を液体内に取り込むシステムと炭酸水素カルシュムを含む混合水溶液を農業に利用することで農業の生産性向上にどれだけの効果を得ることが出来るかが今後の課題と考える。現在農業ハウスにおいて キュウリ、トマト、ナス、の生産現場では盛んに二酸化炭素を使っている。その方法で多いのは石油などの燃焼に伴う二酸化炭素を利用してハウス内に拡散させているのであるが、石油を使っての二酸化炭素を利用するのでは温暖化に対応したとは言えない。つまり、本方法での排気ガスから取り込んだ二酸化炭素を使用することで温暖化に対応した方法と言えるのである。
【符号の説明】
図1、
1、工場 2、ボイラー室
3、噴射ノズル 4、排気ガス
5、煙突 6、液体噴射室
7、配管 8、水槽
9、取り出しバルブ 10、配管
11、水圧ポンプ 12、配管
13、混合水溶液
図2、
1、空気取り入れ口 2、エキゾストパイプ
3、噴射ノズル 4、配管
5、排気マフラー 6、水槽
7、混合水溶液 8、配管
9、水圧ポンプ 10、配管
11、シリンダー 12、オイルパン
13、船舶用エンジン 14、液体噴射室