【実施例】
【0027】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量%である。
【0028】
まず、実施例等に用いる植物抽出物の調製方法を示す。
【0029】
[エーデルワイス抽出物]
乾燥させたエーデルワイスの地上部を70容量%のエタノール水溶液に浸漬後、ろ過し、溶媒を留去した。凍結乾燥させたものをエーデルワイス抽出物とした。
【0030】
[オドリコソウ抽出物]
乾燥させたオドリコソウの地上部を水に浸漬後、ろ過し、溶媒を留去した。凍結乾燥させたものをオドリコソウ抽出物とした。
【0031】
[ヒト表皮角化細胞を用いた試験]
ヒト表皮角化細胞を3×10
5細胞/ウェルの細胞密度にて6ウェルプレートに播種し、Humedia−KG2培地中で一晩培養した。植物抽出物乾燥粉末を任意の濃度で溶解した新鮮培地に交換し、37°C、5%CO
2インキュベーター内で24時間培養した。採取した細胞から、市販のRNA抽出キット(Quick Gene RNA Cultured Cell HC Kit S)を使用してRNAを抽出し、cDNA合成後に下記のプライマーを使用してサイバーグリーン法によるリアルタイムPCRにより遺伝子発現を確認した。内部標準としてGAPDHを使用した。mRNA発現量は、各植物抽出物無添加の場合の発現量を1とした相対値で示した。各作用は表3〜表5に示した。
【0032】
[ヒト皮膚線維芽細胞を用いた試験]
ヒト皮膚線維芽細胞を5×10
5細胞/ウェルの細胞密度にて6ウェルプレートに播種し、5%のFBSを含有するDMEM培地にて一晩培養した。植物抽出物乾燥粉末を任意の濃度で溶解した0.5%のFBSを含有するDMEM培地に交換し、37°C、5%CO
2インキュベーター内で24時間培養した。採取した細胞から、市販のRNA抽出キット(Quick Gene RNA Cultured Cell HC Kit S)を使用してRNAを抽出し、cDNA合成後に下記のプライマーを使用してサイバーグリーン法によるリアルタイムPCRにより遺伝子発現を確認した。内部標準としてGAPDHを使用した。mRNA発現量は、各植物抽出物無添加の場合の発現量を1とした相対値で示した。各作用は表6に示した。
【0033】
使用したプライマー配列を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
実施例は各抽出物の濃度(w/v%)が表2に示す量になるように培地に溶解した。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
上記に示したように、ナイアシンアミドと、エーデルワイス抽出物、オドリコソウ抽出物を併用した実施例1ではそれぞれ単独で用いた比較例1〜3よりも、フィラグリン産生関連遺伝子FLGの発現が相乗的に増加した。
【0039】
【表4】
【0040】
上記に示したように、ナイアシンアミドと、エーデルワイス抽出物、オドリコソウ抽出物を併用した実施例1ではそれぞれ単独で用いた比較例1〜3よりも、セラミド産生関連遺伝子SMPD1、SGMS1、GBAの発現が相乗的に増加した。
【0041】
【表5】
【0042】
上記に示したように、ナイアシンアミドと、エーデルワイス抽出物、オドリコソウ抽出物を併用した実施例1ではそれぞれ単独で用いた比較例1〜3よりも、コラーゲン産生関連遺伝子COL7A1、COL17A1の発現が相乗的に増加した。
【0043】
【表6】
【0044】
上記に示したように、ナイアシンアミドと、エーデルワイス抽出物、オドリコソウ抽出物を併用した実施例1ではそれぞれ単独で用いた比較例1〜3よりも、エラスチン分解関連遺伝子MMEの発現が相乗的に減少した。
【0045】
以上の結果より、フィラグリン産生関連遺伝子、セラミド産生関連遺伝子、コラーゲン産生関連遺伝子の発現を相乗的に増加、およびエラスチン分解関連遺伝子の発現を相乗的に減少させる本発明の皮膚外用剤は高い老化防止効果を発揮する。
【0046】
[実施例2]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)ナイアシンアミド 4.0
(13)エーデルワイス抽出物 0.01
(14)オドリコソウ抽出物 0.01
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。冷却後40℃にて、(11)〜(14)を順次加え、均一に混合する。
【0047】
[実施例3]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)ナイアシンアミド 6.0
(10)エーデルワイス抽出物 0.005
(11)オドリコソウ抽出物 0.005
製法:(1)に(2)および(3)を溶解する。さらに(4)〜(11)を順次添加した後、十分に攪拌し、均一に混合する。
【0048】
[実施例4]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 100とする残部
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)ナイアシンアミド 0.4
(13)エーデルワイス抽出物 0.05
(14)オドリコソウ抽出物 0.05
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。(11)を添加して攪拌後、冷却し40℃にて(12)〜(14)を加え、均一に混合する。
【0049】
[実施例5]美容液
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)ナイアシンアミド 2.0
(17)エーデルワイス抽出物 0.1
(18)オドリコソウ抽出物 0.1
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。冷却後50℃にて(15)を、40℃にて(16)〜(18)を加え、均一に混合する。
【0050】
[実施例6]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)グリセリン 10.0
(5)1,3−ブチレングリコール 10.0
(6)エタノール 10.0
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)香料 0.1
(9)ナイアシンアミド 4.0
(10)エーデルワイス抽出物 0.01
(11)オドリコソウ抽出物 0.01
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(11)を加え、均一に攪拌混合する。