(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-66726(P2021-66726A)
(43)【公開日】2021年4月30日
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/455 20060101AFI20210402BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20210402BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20210402BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20210402BHJP
A61Q 19/02 20060101ALI20210402BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20210402BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20210402BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20210402BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20210402BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20210402BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20210402BHJP
【FI】
A61K31/455
A61P17/00
A61P3/02 104
A61Q19/00
A61Q19/02
A61Q19/08
A61K8/67
A61K8/81
A61K8/92
A61K47/32
A61K47/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-148066(P2020-148066)
(22)【出願日】2020年9月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】小浦 汐織
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA16
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD30
4C076DD30Z
4C076DD34
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD39
4C076DD46
4C076EE09
4C076EE13
4C076EE14
4C076EE23
4C076EE47
4C076EE53
4C076FF11
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC422
4C083AC442
4C083AD071
4C083AD092
4C083AD631
4C083AD632
4C083CC02
4C083CC03
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE07
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC17
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA63
4C086NA20
4C086ZA89
4C086ZC24
(57)【要約】
【課題】
本発明は、ナイアシンアミドと特定の成分を併用することにより、コク感、肌なじみが良好で、べたつきを改善する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、
下記(A)〜(C)を含有する皮膚外用剤
(A)ナイアシンアミド
(B)ポリアクリルアミド化合物
(C)シア脂
を提供する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)〜(C)を含有する皮膚外用剤。
(A)ナイアシンアミド
(B)ポリアクリルアミド化合物
(C)シア脂
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ナイアシンアミドは水溶性ビタミンであるビタミンB群の一つであり、ニコチン酸アミドとも呼ばれる。肌荒れ改善効果、美白効果、抗老化効果等が知られており、ナイアシンアミドを配合した化粧料等が多く上市されている。しかしながら、ナイアシンアミドはべたつくといった使用感上の問題が知られている。そのため、使用感の改善が様々行われてきた(特許文献1)が、その効果は不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−131553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ナイアシンアミドと特定の成分を併用することでコク感、肌なじみが良好で、べたつきを改善する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
下記(A)〜(C)を含有する皮膚外用剤
(A)ナイアシンアミド
(B)ポリアクリルアミド化合物
(C)シア脂
を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の皮膚外用剤は、ナイアシンアミドと特定の成分を併用することでコク感、肌なじみが良好で、べたつきを改善するという効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0008】
[ナイアシンアミド]
本発明で用いるナイアシンアミドは、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一つであり、ニコチン酸アミドとも呼ばれる。
【0009】
本発明で用いるナイアシンアミドは通常皮膚外用剤に用いられるものであれば、その原料、製造方法、精製方法等は特に限定されない。
【0010】
本発明の皮膚外用剤への配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.001質量%〜20質量%、好ましくは0.01質量%〜15質量%、さらに好ましくは0.1質量%〜10質量%である。
【0011】
[ポリアクリルアミド化合物]
本発明で用いるポリアクリルアミド化合物は、アクリルアミドならびにそれらの誘導体のホモポリマーまたはコポリマーの群から選ばれる1種又は2種以上のポリマーである。ポリアクリルアミド化合物には、ポリアクリルアミド、アクリルアミドコポリマーが含まれる。アクリルアミドコポリマーとしては、アクリルアミド及び/又はアクリロイルジメチルタウリンを構成単位として含むコポリマーが挙げられる。
【0012】
ポリアクリルアミド及びそのコポリマーとしては、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸Na、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー等が挙げられる。
【0013】
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーとしては、例えば、セピノブEMT10、SIMULGEL NS((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、スクワラン、ポリソルベート60、水;(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを35〜40質量%含有)(いずれもSEPPIC社)等を用いることができる。
【0014】
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーとしては、例えば、SIMULGEL EG QD((アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、イソヘキサデカン、ポリソルベート80、水;(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを37.5質量%含有)、SIMULGEL EPG((アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリイソブテン、(カプリリル/カプリル)グルコシド、水)(いずれもSEPPIC社)等を用いることができる。
【0015】
ポリアクリルアミドとしては、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の架橋コポリマーが挙げられ、例えば、セピゲル305(ポリアクリルアミド、水添ポリイソブテン、ラウレス−7、水;ポリアクリルアミドを40質量%含有)、セピゲル501(ポリアクリルアミド、ポリソルベート85、ミネラルオイル、イソパラフィン;ポリアクリルアミドを20質量%含有)(いずれもSEPPIC社)等を用いることができる。
【0016】
(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマーとしては、例えば、SEPIPLUS 265((アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、ポリイソブテン、ポリソルベート20、水)(SEPPIC社)等を用いることができる。
【0017】
これらのポリアクリルアミド化合物としては、より好ましくはポリアクリルアミドコポリマーであり、特に好ましくは(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーである。
【0018】
本発明で用いるポリアクリルアミド化合物の配合量は、皮膚外用剤全量に対し、0.05質量%〜5質量%、より好ましくは0.15質量%〜2質量%である。
【0019】
[シア脂]
本発明で用いるシア脂は、アカテツ科に属するシアーバターノキ(学名:Butyrospermum parkii)の種子から得られる植物油脂である。
【0020】
本発明で用いるシア脂は、通常皮膚外用剤に配合されるものを用いることができる。植物から直接抽出したものを用いても、市販のシア脂を用いてもよい。市販のシア脂としては、クロピュア シアバター、クロピュア シアバター−SO−(JP)、クロピュア リキッド ベジラン(いずれもクローダジャパン社)、Lipex Sheasoft TR、リペックスシア(AAK社)、リファインド シア バター(アシュランド・ジャパン社)、シアバターRF(高級アルコール工業社)、液状シアバター、ビオデルマ SX−19<E>(いずれも一丸ファルコス社)、CETIOL SB45(BASFジャパン社)等が挙げられる。
【0021】
本発明の皮膚外用剤への配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.1質量%〜15質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%である。
【0022】
本発明の皮膚外用剤には、上述の成分の他に、通常の化粧料、医薬部外品に用いられる任意成分を、本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。具体的には、水性成分、油性成分、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、色素、保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、美容成分、アルコール類、粉体、スクラブ剤、パール化剤等を挙げることができる。
【0023】
本発明の皮膚外用剤の剤型は、特に限定されず、水系、油系、乳化型等いずれの剤型でもよい。
【0024】
本発明の皮膚外用剤は定法により調製することができる。
【0025】
本発明の皮膚外用剤は、例えば、ローション剤、乳剤、軟膏の剤型で用いることができる。
【実施例】
【0026】
本発明の皮膚外用剤の使用感について、以下の通り評価を行った。
【0027】
[使用感評価]
官能評価専門員3名が、実施例及び比較例にかかる皮膚外用剤をそれぞれ独立して使用し、合議により下記の評価を行った。
【0028】
[評価基準]コク感
非常に感じる:◎
感じる:〇
あまり感じない:△
感じない:×
【0029】
[評価基準]肌なじみ
非常に良い:◎
良い:〇
あまり良くない:△
悪い:×
【0030】
[評価基準]べたつき
べたつきがない:◎
ほとんどべたつきがない:〇
ややべたつく:△
べたつく:×
【0031】
以下に示す処方にて、本発明の実施例及び比較例となる皮膚外用剤を常法により調製した。
【0032】
【表1】
【0033】
表1に示した通り、本発明の実施例1では比較例1〜3と比較して、コク感、肌なじみ、べたつきのすべての項目において良好な結果が得られた。従って、本発明の皮膚外用剤はコク感、肌なじみが良好で、べたつきを改善する効果を発揮する。