【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、高い血流改善効果を有する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、シトルリンの血流改善能について鋭意調査・研究したところ、シトルリンと特定の他の成分とを組み合わせることにより、高い血流改善効果が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、シトルリンと、血流改善能がほとんどないか、その能力が小さい特定の他の成分を組み合わせることにより、血流改善能を相乗的に向上させることができることを見いだした。
【0008】
すなわち、本発明は、シトルリンと、下記(a)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とを有効成分として含有することを特徴とする組成物に関する。
(a)ターミナリア、稲、マキベリー、黒ショウガ、ショウガ、及びコショウから選ばれる少なくとも1種の植物素材
(b)麦芽糖、トレハロース、還元パラチノース、還元麦芽糖、ステアリン酸カルシウム、及びシェラックから選ばれる少なくとも1種の機能性添加剤
(c)ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸
(d)没食子酸
(e)ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、パントテン酸ナトリウム、ナイアシン、葉酸、ビオチン、ビタミンK、イノシトール、カルシウム、亜鉛、鉄、銅、セレン、モリブデン、マグネシウム、及びクロムから選ばれる少なくとも1種のビタミン・ミネラル類
【0009】
。
本発明の組成物は、シトルリンと(a)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とからなる有効成分を添加して得たものであってもよい。
【0010】
本発明の組成物において、シトルリン及び他の有効成分の配合質量比は、0.5:1〜70:1の範囲であることが好ましい。
また、本発明の組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、又は液剤であることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、上記本発明の組成物を摂取させることを特徴とする血流改善方法(ただし、医療行為を除く)に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の組成物によれば、血流量を増加させ、高い血流改善効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の組成物(シトルリン+植物素材)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左上のグラフが、植物素材としてターミナリアを用いたものであり、右上のグラフが、植物素材として稲(米ぬか)を用いたものであり、左下のグラフが、植物素材としてマキベリーを用いたものであり、右下のグラフが、植物素材として黒ショウガを用いたものである。
【
図2】本発明の組成物(シトルリン+植物素材)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左のグラフが、植物素材としてショウガを用いたものであり、右のグラフが、植物素材としてコショウ(バイオペリン)を用いたものである。
【
図3】本発明の組成物(シトルリン+機能性添加剤)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左上のグラフが、機能性添加剤として麦芽糖を用いたものであり、右上のグラフが、機能性添加剤としてトレハロースを用いたものであり、左下のグラフが、機能性添加剤として還元パラチノースを用いたものであり、右下のグラフが、機能性添加剤として還元麦芽糖を用いたものである。
【
図4】本発明の組成物(シトルリン+機能性添加剤)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左のグラフが、機能性添加剤としてステアリン酸カルシウムを用いたものであり、右のグラフが、機能性添加剤としてシェラックを用いたものである。
【
図5】本発明の組成物(シトルリン+アミノ酸)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸としてロイシンを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸としてメチオニンを用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸としてフェニルアラニンを用いたものであり、右下のグラフが、アミノ酸としてプロリンを用いたものである。
【
図6】本発明の組成物(シトルリン+アミノ酸)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸としてセリンを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸としてトレオニンを用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸としてトリプトファンを用いたものであり、右下のグラフが、アミノ酸としてチロシンを用いたものである。
【
図7】本発明の組成物(シトルリン+アミノ酸)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図であり、アミノ酸としてバリンを用いたものである。
【
図8】本発明の組成物(シトルリン+ポリフェノール)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図であり、ポリフェノールとして没食子酸を用いたものである。
【
図9】本発明の組成物(シトルリン+ビタミン・ミネラル類)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左上のグラフが、ビタミン類としてビタミンAを用いたものであり、右上のグラフが、ビタミン類としてビタミンB1を用いたものであり、左下のグラフが、ビタミン類としてビタミンB2を用いたものであり、右下のグラフが、ビタミン類としてビタミンCを用いたものである。
【
図10】本発明の組成物(シトルリン+ビタミン・ミネラル類)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左上のグラフが、ビタミン類としてパントテン酸ナトリウムを用いたものであり、右上のグラフが、ビタミン類としてナイアシンを用いたものであり、左下のグラフが、ビタミン類として葉酸を用いたものであり、右下のグラフが、ビタミン類としてビオチンを用いたものである。
【
図11】本発明の組成物(シトルリン+ビタミン・ミネラル類)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左のグラフが、ビタミン類としてビタミンKを用いたものであり、右のグラフが、ビタミン類としてイノシトールを用いたものである。
【
図12】本発明の組成物(シトルリン+ビタミン・ミネラル類)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左上のグラフが、ミネラル類としてカルシウムを用いたものであり、右上のグラフが、ミネラル類として亜鉛を用いたものであり、左下のグラフが、ミネラル類として鉄を用いたものであり、右下のグラフが、ミネラル類として銅を用いたものである。
【
図13】本発明の組成物(シトルリン+ビタミン・ミネラル類)をブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)に適用した場合のNO産生量の結果を示す図である。左上のグラフが、ミネラル類としてセレンを用いたものであり、右上のグラフが、ミネラル類としてモリブデンを用いたものであり、左下のグラフが、ミネラル類としてマグネシウムを用いたものであり、右下のグラフが、ミネラル類としてクロムを用いたものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の組成物は、シトルリンと、下記(a)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(以下、他成分ということがある)とを有効成分として含有することを特徴とする。シトルリンと共に用いられる下記(a)〜(e)の成分は、1種単独(例えば(a)成分)で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。他成分を2種以上組み合せて用いる場合、シトルリンと相乗効果の高い他成分同士を組み合わせることが好ましい。
【0015】
本発明の組成物(血流改善組成物)は、かかる有効成分の組合せの相乗効果により、より有効に、血管周辺の筋肉を弛緩させて血管を拡張し、血流量を増加させることができ、頭痛、肩凝り、肌のくすみ、冷え症、勃起不全等の症状を効果的に予防ないし改善することができる。
【0016】
[シトルリン]
本発明の血流改善組成物の有効成分となるシトルリンとしては、L−シトルリンであっても、D−シトルリンであってもよいが、L−シトルリンであることが好ましい。シトルリンは、化学合成により得られたもの、発酵に得られたもの等、その製造方法は問わない。また、シトルリンは、塩の形態であってもよく、塩としては、薬学的に許容される塩であれば特に制限されるものではなく、例えば、無機酸塩、有機酸塩、金属塩、アンモニウム塩を挙げることができる。シトルリンは、医薬品、試薬等として市販されており、これらの市販品を用いることができる。
【0017】
[他成分]
(a)植物素材
本発明の血流改善組成物においては、シトルリンと共に、有効成分として、ターミナリア、稲、マキベリー、黒ショウガ、ショウガ、及びコショウから選ばれる少なくとも1種の植物素材を用いることが好ましい。
【0018】
これらの植物素材は、葉、茎、根、花、実、幹、枝等、植物のいずれの部位であってもよく、植物素材そのもの(乾燥物を含む)の他、その粉砕物、搾汁、抽出物等の植物素材処理物を用いることができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することに得ることができ、溶媒としては、例えば、水(温水、熱水)、エタノール、含水エタノールを用いることができる。これらの植物素材は、市販されているものを使用することができる。
【0019】
ターミナリアとしては、例えば、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia catappa、Terminalia tomentosa、Terminalia citrina、Terminalia phellocarpa、Terminalia copelandii、Terminalia brassi、Terminalia ivorensis、Terminalia superba、Terminalia arjuna、Terminalia chebula等を挙げることができ、これらの中でも、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia chebulaが好ましい。本発明の植物素材として用いる部位としては、果実が好ましい。
【0020】
稲は、イネ科イネ属の植物である。本発明の植物素材として用いる部位としては、玄米の外皮や胚が好ましく、具体的には、玄米を精白する際に副産物として得られる米ぬかを用いることが好ましい。稲の種類としては、特に制限はなく、ジャポニカ種、インディカ種等を挙げることができる。
【0021】
マキベリーは、チリのパタゴニアを原産地とするポルトノキ科の植物であり、学術名は、Aristotellia chilensisである。本発明の植物素材として用いる部位としては、果実が好ましい。
【0022】
黒ショウガは、学名をKaempferia Parvifloraといい、東南アジアに自生するショウガ科バンウコン属の植物である。本発明の植物素材として用いる部位としては、根茎が好ましい。
【0023】
ショウガは、ショウガ科ショウガ属の植物であり、例えば、三州生姜、黄生姜、金時生姜、谷中生姜を挙げることができる。また、インドネシアやインドで栽培されている赤ショウガ(Zingiber officinale var. Rubra)も好ましく用いることができる。本発明の植物素材として用いる部位としては、根茎が好ましい。
【0024】
コショウは、コショウ科の植物(Piper nigrum)であり、本発明の植物素材として用いる部位としては、果実が好ましい。収穫のタイミング等から、黒コショウ、白コショウ、赤コショウ等の種類が存在し、いずれの種類であってもよいが、黒コショウが好ましい。黒コショウは、コショウの木から取れた未熟な実を乾燥させたものであり、辛味成分ピペリンが含まれている。本発明のコショウとしては、このピペリンを含有するものが好ましい。
【0025】
(b)機能性添加剤
本発明の血流改善組成物においては、シトルリンと共に、有効成分として、麦芽糖、トレハロース、還元パラチノース、還元麦芽糖、ステアリン酸カルシウム、及びシェラックから選ばれる少なくとも1種の機能性添加剤を用いることが好ましい。
【0026】
(c)アミノ酸
本発明の血流改善組成物においては、シトルリンと共に、有効成分として、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸(塩を含む)を用いることが好ましい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、塩酸塩等を挙げることができる。
【0027】
(d)没食子酸
本発明の血流改善組成物においては、シトルリンと共に、有効成分として、没食子酸を用いることが好ましい。
【0028】
(e)ビタミン・ミネラル類
本発明の血流改善組成物においては、シトルリンと共に、有効成分として、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、パントテン酸ナトリウム、ナイアシン、葉酸、ビオチン、ビタミンK、イノシトール、カルシウム、亜鉛、鉄、銅、セレン、モリブデン、マグネシウム、及びクロムから選ばれる少なくとも1種のビタミン・ミネラル類を用いることが好ましい。なお、本発明のミネラル類としてのカルシウム、亜鉛、鉄、銅、セレン、モリブデン、マグネシウム、及びクロムは、これらの金属を含む化合物の形態を含む。
【0029】
本発明の血流改善組成物は、血流改善作用を有する血流改善剤として用いることができ、かかる血流改善剤は、シトルリン及び所定の他成分を含有し、血流改善に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではない。例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに血流改善作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、飼料等を挙げることができる。いわゆる健康食品においては、「めぐりを良くする」、「冷えを改善する」、「むくみが気になる方に」、「肌の色が気になる方に」、「目のくまが気になる方に」、「血管機能を高める」、「血管のしなやかさを高める」、「男性機能のサポートに」、「男性の活力に」等を表示したものを例示することができる。本発明の血流改善剤は、上記の効果が気になる人であれば性別や年齢に関係なく摂取することができるが、本発明の血流改善剤の効果をより有効に享受することができることから、疾病者を除く健常者が摂取することが望ましく、また、上記の悩みを持つ高齢者が摂取することが望ましい。また、冷えの改善効果や男性機能の改善が得られることから、夜に摂取することが望ましい。
【0030】
本発明の血流改善組成物の形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、ペースト状剤、クリーム状剤、カプレット状剤、ゲル状剤、チュアブル状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤の形態が特に好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むためのインスタント粉末飲料、インスタント顆粒飲料を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
【0031】
本発明の血流改善組成物におけるシトルリン及び他成分(有効成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
【0032】
一般的には、本発明の血流改善組成物が医薬品やサプリメント(錠剤,カプセル剤)の場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.0001〜100質量%含まれていることが好ましく、0.1〜85質量%含まれていることがより好ましく、0.5〜70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0033】
本発明の血流改善組成物が容器詰飲料(液剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.0001〜15質量%含まれていることが好ましく、0.001〜12.5質量%含まれていることがより好ましく、0.01〜10質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0034】
また、本発明の血流改善組成物がインスタント粉末飲料(粉末剤)、インスタント顆粒飲料(顆粒剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.001〜80質量%含まれていることが好ましく、0.005〜70質量%含まれていることがより好ましく、0.1〜60質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0035】
本発明の効果をより有効に発揮させるためには、有効成分が乾燥質量換算で本発明の血流改善組成物全体(水分を除く)の80%以上含まれていることが好ましく、90%以上含まれていることがより好ましく、95%以上含まれていることがさらに好ましく、100%であることが特に好ましい。さらに、本発明の血流改善組成物が成分(a)〜(e)のいずれかを含有する場合、その含有される成分は、本発明における有効成分のみで構成されることが好ましい。すなわち、本発明の血流改善組成物が例えば成分(a)(植物素材)を含む場合には、ターミナリア、稲、マキベリー、黒ショウガ、ショウガ、コショウ以外の植物素材を含まないように構成することが好ましい。
【0036】
本発明の血流改善組成物の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、1日当たりの有効成分の摂取量が、200mg/日以上となるように摂取することが好ましく、400mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、600mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は特に制限されないが、例えば、10g/日であり、好ましくは8g/日である。
【0037】
本発明の血流改善組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2〜3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0038】
シトルリン及び他成分の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.5:1〜70:1の範囲であることが好ましく、0.75:1〜60:1の範囲であることがより好ましく、1:1〜60:1の範囲であることがさらに好ましく、1:1〜50:1の範囲であることが特に好ましい。シトルリン及び他成分の配合比が、上記範囲であることにより、本発明の効果をより有効に発揮することができる。
【0039】
本発明の血流改善組成物は、必要に応じて、経口用として許容される有効成分以外の成分を添加して、公知の製剤方法によって製造することができる。
【0040】
また、本発明の血流改善組成物としては、有効成分を含有する血流改善食品の他、食品に対して有効成分を添加して得た血流改善食品を挙げることができ、例えば、通常の食品に比して本発明の有効成分含有量を増加させた食品や、本発明の有効成分を通常含まない食品に対して有効成分を添加した食品を挙げることができる。有効成分の添加は、それぞれの成分を別々に添加してもよいし、同時に添加してもよく、また、有効成分以外の他の成分と共に添加してもよい。
【0041】
本発明の血流改善食品としては、例えば、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、スムージー、青汁等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳、ヨーグルト等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及びその加工食品;ソース、醤油等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、牛丼、ハヤシライス、オムライス、おでん、マーボドーフ、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール、各種ソース、各種スープ等のレトルトパウチ食品などを挙げることができる。
【0042】
本発明の血流改善方法としては、上記説明した本発明の血流改善組成物を摂取させることを特徴とするが、医療行為は含まれない。本発明の血流改善組成物は、上記の効果が気になる人であれば性別や年齢に関係なく摂取させることができるが、本発明の血流改善組成物の効果をより有効に享受することができることから、疾病者を除く健常者に摂取させることが望ましく、また、上記の悩みを持つ高齢者に摂取させることがさらに望ましい。また、冷えの改善効果や男性機能の改善が得られることから、夜に摂取させることが望ましい。本発明の方法としては、例えば、レストラン等の飲食店において、本発明の血流改善食品を提供することにより、血流の改善を図る方法を挙げることができる。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
[実施例1]
1.細胞培養
(1)37℃、5%CO
2インキュベーター内で、75cm
2フラスコを用いて、ブタ肺動脈血管内皮細胞(PPAEC)を10%FBS−RPMI 1640により培養した。
(2)トリプシン処理により浮遊させた細胞を75cm
2フラスコから96well plateの各wellに1.0×10
4cells/wellの細胞密度で播種した。
(3)37℃、5%CO
2インキュベーター内で48時間前培養した。
(4)各wellより培地を除去後、4%FBS−αMEMにて所定濃度に調製した被験物質含有培地を100μLずつ添加し、CO
2インキュベーター内で24時間培養した。
【0044】
なお、シトルリンと他成分の併用サンプルについては、それぞれ2倍濃度の被験物質含有培地を50μLずつ添加することで目的の濃度とした。また、controlについては、被験物質をDMSOに溶解したものに対しては0.25%DMSO含有4%FBS−αMEMを用いて調製し、その他の被験物質に対しては4%FBS−αMEMを用いて調製した。
【0045】
シトルリンについては、市販のシトルリンを用いた。シトルリンと共に用いる他成分としては、表1〜表5に示す物質を用いた。
【0046】
2.NO産生量の評価
(1)24時間培養後、培養上清50μLを1.5mLサンプルチューブに回収し、N=3のサンプルを混合した。
(2)4℃、2000gで3分間遠心し、上清を別の1.5mLエッペンチューブに移した。
(3)Nitrate/Nitrite Assay Kit,Fluorometric(Cayman製)を用いて、(2)のサンプル中のNO濃度(μM)を測定した。なお、血管内皮細胞から産生されるNOは、血管周辺の筋肉を弛緩させて血管を拡張する作用を有する。
(4)算出したNO濃度をもとに「% of control」を算出した。
【0047】
% of control
=試料のNO濃度(μM)/controlのNO濃度(μM)×100
【0048】
その結果を表1〜表5、及び
図1〜
図13に示す。各図は、左から、「コントロール(添加なし)」、「シトルリンの単独添加」、「他成分の単独添加」、「シトルリン+他成分添加」の結果を表す。また、グラフ下部の説明における数値は、サンプル濃度を示し、例えば、
図1の左上のグラフの「シトルリン_31.2」は、シトルリン31.2(μg/mL)を示す。添加成分の濃度単位は、すべてのグラフにおいて、μg/mLである。縦軸は「% of control」を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
ターミナリアについては、果実の熱水抽出物(乾燥粉末)を用いた。
米ぬかについては、市販品を用いた。
長命草については、葉の乾燥粉砕末を用いた。
マキベリーについては、市販品の果実の乾燥粉末を用いた。
黒ショウガについては、黒ショウガの根茎の60%エタノール抽出物(乾燥粉末)を用いた。
ショウガについては、ショウガの根茎の熱水抽出物(乾燥粉末)を用いた。
コショウについては、黒コショウの100%エタノール抽出物を用いた。
ヨモギについては、生葉の微粉砕末を用いた。
カフェインについては、市販のカフェインを用いた。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
表1〜表5、及び
図1〜
図13に示すように、シトルリンと、本発明の特定の他成分を組み合わせることにより、NOの産生量が相乗的に増加した。したがって、本発明の血流改善組成物によれば、血管の拡張が促進され、有効に血流の改善を図ることができる。
【0056】
[実施例2](錠剤の製造)
【0057】
下記成分からなるタブレット6錠(7200mg)を製造した。
還元麦芽糖 5質量%
シトルリン 80質量%
ショウガ抽出物 4質量%
コショウ抽出物 2質量%
ビタミンC 1質量%
葉酸 1質量%
没食子酸 1質量%
セルロース 2質量%
二酸化ケイ素 2質量%
ステアリン酸カルシウム 1質量%
シェラック 1質量%
【0058】
上記錠剤は一日に2、3回に分けて水と共に服用する。
【0059】
[実施例3](カプセル剤の製造)
下記混合物をソフトカプセルに封入し、カプセル剤を製造した。
【0060】
シトルリン 200mg
黒ショウガ末 100mg
麦芽糖 50mg
二酸化ケイ素 10mg
ナイアシン 5mg
ビタミンB1 5mg
ビタミンB2 5mg
ロイシン 2.5mg
チロシン 2.5mg
バリン 2.5mg
塩化鉄 1mg
【0061】
上記カプセル剤は8錠を一日に2〜4回に分けて水と共に服用する。
【0062】
[実施例4](顆粒剤の製造)
下記成分を混合して常法により顆粒剤(5000mg)を製造した。
【0063】
シトルリン 3000mg
ターミナリアベリリカ末 400mg
還元パラチノース 500mg
二酸化ケイ素 200mg
ショ糖脂肪酸エステル 50mg
イノシトール 25mg
ビオチン 10mg
グルコン酸亜鉛 10mg
塩化マグネシウム 5mg
トレオニン 5mg
トリプトファン 2.5mg
デンプン 残部
【0064】
[実施例5](インスタント粉末剤の製造)
下記成分を混合して常法によりインスタント粉末(10g)を製造した。
【0065】
トレハロース 0.1g
還元パラチノース 0.1g
ステアリン酸カルシウム 2g
黒ショウガ抽出物(乾燥粉末) 1g
シトルリン 1g
没食子酸 0.02g
グルタミン 0.01g
グルコン酸亜鉛 0.001g
塩化鉄 0.001g
水溶性セルロース 残部
【0066】
[実施例6](液剤の製造)
下記成分からなる液剤(500mL)を製造した。
マキベリー抽出物 3000mg
トレハロース 250mg
シトルリン 300mg
ビタミンK 150mg
塩化カルシウム 50mg
バリン 25mg
ロイシン 25mg
イソロイシン 25mg
フェニルアラニン 10mg
プロリン 10mg
ビタミンC 500mg
ビタミンA 120mg
ビタミンB1 60mg
ビタミンB2 60mg
グルコン酸亜鉛 50mg
水 残量