(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-67153(P2021-67153A)
(43)【公開日】2021年4月30日
(54)【発明の名称】充填検知システム及び充填検知方法
(51)【国際特許分類】
E02D 3/12 20060101AFI20210402BHJP
【FI】
E02D3/12 101
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-195597(P2019-195597)
(22)【出願日】2019年10月28日
(11)【特許番号】特許第6664683号(P6664683)
(45)【特許公報発行日】2020年3月13日
(71)【出願人】
【識別番号】506125339
【氏名又は名称】新飯塚土木株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519385788
【氏名又は名称】サンケイ建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】郡司 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】生田目 憲一
【テーマコード(参考)】
2D040
【Fターム(参考)】
2D040AA06
2D040AB01
2D040BB01
2D040CA01
2D040CB03
2D040FA07
(57)【要約】
【課題】簡単な構成によって充填状況を確認することのできる、充填検知システムを提供する。
【解決手段】地下空洞90の内部の充填状況を検知するための充填検知システム1である。この充填検知システム1は、地下空洞の内部に充填材を打設するための複数の充填用配管21〜23を備え、充填用配管21〜23の少なくとも一部は、充填材Mが吐出される吐出口(32a、43a)と、吐出口(32a、43a)よりも先に充填材Mが打設された側に配置された空気取入口(33a、421)と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知システムであって、
地下空洞の内部に充填材を打設するための充填用配管を備え、
前記充填用配管は、前記充填材が吐出される吐出口と、前記吐出口よりも先に前記充填材が打設された側に配置された空気取入口と、を備えている、充填検知システム。
【請求項2】
前記吐出口には、前記吐出口を通じて前記充填用配管内に空気が取り込まれないようにする逆流防止手段が取り付けられている、請求項1に記載された、充填検知システム。
【請求項3】
前記空気取入口と前記吐出口の間には、前記空気取入口が閉塞された後に、前記充填材のミキサー内及び前記充填用配管内に残留している前記充填材を、地下空洞の内部に打設しても、前記吐出口が閉塞されないだけの余裕距離が設けられる、請求項1又は請求項2に記載された、充填検知システム。
【請求項4】
前記充填用配管の基端部には、前記充填材の打設に伴って、前記充填用配管の内部を逆流してくる空気の流れを検知しやすくする風検知手段を備える、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された、充填検知システム。
【請求項5】
複数の前記吐出口を備えている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された、充填検知システム。
【請求項6】
地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知方法であって、
地下空洞の内部に第1の充填用配管を通じて充填材を打設するステップと、
第2の充填用配管に設けた空気取入口を通じた空気の逆流を検知するステップと、
前記第2の充填用配管に設けた前記空気取入口を前記充填材によって閉塞するステップと、
前記第2の充填用配管に設けた前記空気取入口を通じた空気の逆流が止まったことを検知するステップと、を備える、充填検知方法。
【請求項7】
前記空気の逆流が止まったことを検知するステップは、前記第2の充填用配管に設けた吐出口を通じた空気の逆流を防止するステップをさらに備える、請求項6に記載された、充填検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば埋設管等の地下空洞を充填する際に、空洞内が充填されているか否かを検知するための充填検知システム及び充填検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、埋設管等を含む地下空洞の内部をモルタル等の充填材によって充填する工事が実施されている。このような地下空洞を充填する工事では、空洞内の充填状況は、水位検知テープや突き棒によって、充填材の表面高さを検知することで確認していた。
【0003】
さらに、別の方法として、例えば特許文献1には、複数の計測孔を通してセンサーハーネスを挿入し、各センサーハーネスに、上下間隔をおいて配置されてワイヤーハーネスに結線された、複数のセンサーとを含む確認装置が開示されている。このような構成であるから、この確認装置によれば、複数のセンサーハーネスにより、水平方向等に離間した複数箇所の充填状況を検知できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−131752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の確認装置は、複数のセンサーハーネスや複数のセンサーを使用しているうえに配線も必要となるため、全体のシステム構成が複雑かつ高価なものとなっていた。
【0006】
そこで、本発明は、簡単な構成によって充填状況を確認することのできる、充填検知システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の充填検知システムは、地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知システムであって、地下空洞の内部に充填材を打設するための充填用配管を備え、前記充填用配管は、前記充填材が吐出される吐出口と、前記吐出口よりも先に前記充填材が打設された側に配置された空気取入口と、を備えている。
【0008】
また、本発明の充填検知方法は、地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知方法であって、地下空洞の内部に第1の充填用配管を通じて充填材を打設するステップと、第2の充填用配管に設けた空気取入口を通じた空気の逆流を検知するステップと、前記第2の充填用配管に設けた前記空気取入口を前記充填材によって閉塞するステップと、前記第2の充填用配管に設けた前記空気取入口を通じた空気の逆流が止まったことを検知するステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
このように、本発明の充填検知システムは、充填用配管を備えており、この充填用配管は、充填材が吐出される吐出口と、吐出口よりも先に充填材が打設された側に配置された空気取入口と、を備えている。このような構成であれば、次に使用される充填用配管の空気取入口が充填材で閉塞されることによって、次に使用される充填用配管の基端部からの空気の戻り流れを感知して、少なくとも空気取入口の位置まで充填材が充填されたことを検知できる。
【0010】
また、本発明の充填検知方法は、第1の充填用配管を通じて充填材を打設するステップと、第2の充填用配管に設けた空気取入口を通じた空気の逆流を検知するステップと、第2の充填用配管に設けた空気取入口を充填材によって閉塞するステップと、第2の充填用配管に設けた空気取入口を通じた空気の逆流が止まったことを検知するステップと、を備えている。このような構成であれば、次に使用される第2の充填用配管の空気取入口が充填材で閉塞されることによって、第2の充填用配管の基端部からの空気の戻り流れを感知して、少なくとも空気取入口の位置まで充填材が充填されたことを検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】充填検知システムを含む地下空洞の全体構成を説明する説明図である。(a)は縦断図であり、(b)は平面図である。
【
図2】充填検知システムを含む地下空洞の全体構成を説明する横断図である。
【
図3】実施例1の充填検知システムの構成を説明する説明図である。
【
図5】実施例1の充填検知システムの作用図である。
【
図6】実施例2の充填検知システムの構成を説明する説明図である。
【
図7】実施例2の充填検知システムの作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下では、実施例1でプラントから遠い側から充填材を打設する充填検知システム(1)について説明し、実施例2でプラントから近い側から充填材を打設する充填検知システム(1A)について説明する。
【実施例1】
【0013】
(構成)
まず、
図1(a)、(b)、及び
図2を用いて本発明の充填検知システム1を備える地下空洞90を含む全体構成を説明する。
図1(a)、(b)、及び
図2に示すように、本実施例では、地下空洞90は、さや管81と、さや管81の内部に配置された挿入管82と、両端の閉塞壁84、84と、によって囲まれた領域として形成される。そして、この地下空洞90の内部を、後述するようにエアモルタル等の流動性のよい充填材Mによって充填する際に、空洞が生じていないか、充填状況を検知するための充填検知システム1が構築される。
【0014】
充填検知システム1は、地下空洞90の内部にエアモルタル等の流動性のよい充填材Mを打設するための充填用配管21〜23を備えている。これらの充填用配管21〜23は、1日で打設できる充填材Mの量(プラント能力等によって決まる)に応じて、地下空洞90内に複数挿入される塩ビ管等の管である。ここでは、3本の充填用配管21〜23を使用する例について説明する。
【0015】
そして、充填用配管21〜23のうち、2日目以降に打設する際に使用される2本の充填用配管22、23の先端には、先端構造30が構成されている。先端構造30は、
図3に示すように、基端部材31と、分岐部材32と、先端部材33と、によって主に構成されている。
【0016】
このうち、基端部材31は、塩ビ管等の円筒部材である。同様に、先端部材33は、塩ビ管等の円筒部材であり、先端に空気取入口33aを備えている。
【0017】
そして、本実施例の先端部材33の長さは、先端の空気取入口33aと、分岐部材32の吐出口32aの間に、空気取入口33aが充填材Mによって閉塞された後に、充填材Mの貯留槽内及び充填用配管内21(22)に残留している充填材Mを、地下空洞90の内部に打設しても、吐出口32aが閉塞されないだけの余裕距離L1が設けられる。
【0018】
そして、分岐部材32は、塩ビ管等の3つに分岐する部材であり、左右にエアモルタル等の充填材Mを吐出するための吐出口32a、32aを備えている。そして、本実施例の分岐部材32の各吐出口32aには、空気取入口33aが閉塞された後に、吐出口32aを通じて、充填用配管22(23)内に空気が取り込まれないようにするための、逆流防止手段34が設置されている。なお、吐出口32aは、1つであってもよいし、3つ以上あってもよい。
【0019】
逆流防止手段34は、
図4に示すように、複数の孔342、・・・が形成されて吐出口32aを通気しつつ閉塞する有孔板341と、この有孔板341の複数の孔342、・・・を塞ぐために、ヒンジ343を介して取り付けられたフラップ344と、を備えている。したがって、充填用配管22(23)の内部から外部への充填材Mの流れを妨げることなく、外部から内部への空気の流れを妨げるようになっている。
【0020】
なお、逆流防止手段34は、単に吐出口32aにフィルムやゴムを密閉接着したものなどであってもよく、空気の逆流を防止できる構造で充填材Mを充填する時に簡単に破れて、流れを妨げなければ、その具体的な構造は問わない。
【0021】
上述したように、先端構造30は、先端側(奥側、プラントから遠い側)に空気取入口33aを有し、基端側(手前側、プラントに近い側)に吐出口32aを有しており、それらの間に余裕距離L1を有するように構成されている。
【0022】
(作用)
次に、
図5を用いて、本実例の充填検知システム1の作用について説明する。最初に充填用配管23を閉塞する。次に、最も先端側の第1の充填用配管21から充填材Mを打設すると、充填材Mは地下空洞90を満たしながら、第2の充填用配管22の近くまで到達する。
【0023】
この状態では、先端構造30の先端の空気取入口33aは地下空洞90内に開口しているため、充填材Mの打設量と同体積の空気が充填用配管22内に押し出される。そうすると、充填用配管22の基端部では、配管内部から外部へ向かって風が逆流するように吹くことになる。
【0024】
そして、
図5に示すように、先端構造30の先端の空気取入口33aまで充填材Mが到達すると、空気取入口33aは閉塞される。そうすると、充填用配管22の基端部では、配管内部から外部へ向かって逆流するように吹いていた風が止まることになる。これを感知することによって、空気取入口33aの位置まで充填材Mが到達したことを検知できる。なお、この空気の流れ(風)をいっそう検知しやすくなるように、例えば、吹き流し、又は、風車のような、視覚や聴覚によって感知できるように風検知手段を設けること等で感知できるようにする事が望ましい。
【実施例2】
【0025】
次に、実施例1とは異なる先端構造40を備える、充填検知システム(1A)について説明する。
【0026】
(構成)
本実施例の先端構造40は、
図6に示すように、基端部材41と、分岐部材42と、先端部材43と、によって主に構成されている。
【0027】
このうち、基端部材41は、塩ビ管等の円筒部材である。同様に、先端部材43は、塩ビ管等の円筒部材であり、先端に吐出口43aを備えている。
【0028】
そして、本実施例の先端部材43の長さは、先端の吐出口43aと、分岐部材42の空気取入口(分岐管421)の間に、空気取入口(分岐管421)が充填材Mによって閉塞された後に、充填材Mの貯留槽内及び充填用配管内21(22)に残留している充填材Mを、地下空洞90の内部に打設しても、吐出口43aが閉塞されないだけの余裕距離L1が設けられる。
【0029】
そして、本実施例の先端部材43の吐出口43aには、空気取入口(分岐管421)が閉塞された後に、吐出口43aを通じて、充填用配管22(23)内に空気が取り込まれないようにするための、逆流防止手段44が設置されている。逆流防止手段44の構成は、実施例1と略同様であるため説明を省略する。
【0030】
そして、分岐部材42は、塩ビ管等の2つに分岐する部材であり、1本の細径の分岐管421を備えている。この分岐管421の内径は、基端部材41及び先端部材43の内径よりも小さくされる。さらに、分岐管421の長さは、内部に充填材Mが充填されても、本体部420までは到達しない程度の長さとされる。例えば、基端部材41及び先端部材43の内径が50mmであれば分岐管421の内径は16mmとすることができ、分岐管421の長さは300mmとすることができる。
【0031】
(作用)
次に、
図7を用いて、本実例の充填検知システム(1Aの)作用について説明する。最も基端側の第3の充填用配管23から充填材Mを打設すると、充填材Mは地下空洞90を満たしながら、第2の充填用配管22の近くまで到達する。
【0032】
この状態では、先端構造40の分岐部材42の空気取入口(分岐管421)は地下空洞90内に開口しているため、充填材Mの打設量と同体積の空気が充填用配管22内に押し出される。そうすると、充填用配管22の基端部では、配管内部から外部へ向かって風が逆流するように吹くことになる。
【0033】
そして、
図7に示すように、先端構造30の分岐部材42の空気取入口(分岐管421)まで充填材Mが到達すると、空気取入口(分岐管421)は閉塞される。そうすると、充填用配管22の基端部では、配管内部から外部へ向かって逆流するように吹いていた風が止まることになる。これを手の触覚によって感知することによって、空気取入口(分岐管421)の位置まで充填材Mが到達したことを検知できる。なお、この空気の流れ(風)をいっそう検知しやすくなるように、例えば、吹き流し、又は、風車のような、視覚や聴覚によって感知できるように風検知手段を設けること等で感知できるようにする事が望ましい。
【0034】
(効果)
次に、実施例1、2の充填検知システム1(1A)の奏する効果を列挙して説明する。
【0035】
(1)上述してきたように、地下空洞90の内部の充填状況を検知するための充填検知システム1は、地下空洞の内部に充填材を打設するための複数の充填用配管21〜23を備え、充填用配管21〜23の少なくとも一部は、充填材Mが吐出される吐出口(32a、43a)と、吐出口(32a、43a)よりも先に充填材Mが打設された側に配置された空気取入口(33a、421)と、を備えている。このような構成であれば、次に使用される充填用配管22の空気取入口(33a、421)が充填材Mで閉塞されることによって、次に使用される充填用配管22の基端部からの空気の戻り流れを感知して、少なくとも空気取入口(33a、421)の位置まで充填材Mが充填されたことを検知できる。ここにおいて、この充填検知システム1は、充填に使用される充填用配管22をそのまま利用して感知するものであり、新たに別途の構成を準備しなくてよいため、きわめて簡単な構成とすることができる。
【0036】
(2)また、吐出口(32a、43a)には、吐出口(32a、43a)を通じて充填用配管内22に空気が取り込まれないようにする逆流防止手段(34、44)が取り付けられていることが好ましい。このように構成することで、吐出口(32a、43a)を通じた充填用配管内22への空気の逆流を防止し、空気取入口(33a、421)の閉塞をいっそう正確に検知できるようになる。
【0037】
(3)さらに、空気取入口(33a、421)と吐出口(32a、43a)の間には空気取入口(33a、421)が閉塞された後に、充填材Mのミキサー内及び充填用配管(21、23)内に残留している充填材Mを、地下空洞90の内部に打設しても、吐出口(32a、43a)が閉塞されないだけの余裕距離L1が設けられることが好ましい。このように構成することで、空気取入口(33a、421)が閉塞された後に充填材Mを廃棄する必要がなくなる。逆に言うと、残っている充填材Mを打設しても、吐出口(32a、43a)が閉塞されることはなくなる。
【0038】
(4)また、充填用配管22(23、21)の基端部には、充填材Mの打設に伴って、充填用配管22(23、21)の内部を逆流してくる空気の流れを検知しやすくする風検知手段を備えることが好ましい。このように構成することで、いっそう確実に空気の逆流と停止を検知できるようになる。
【0039】
(5)さらに、複数の吐出口(32a、43a)を備えていることで、より確実に、より均等に、地下空洞90内を充填することができる。
【0040】
(6)また、本実施例の充填検知方法は、地下空洞90の内部の充填状況を検知するための充填検知方法であって、地下空洞90の内部に第1の充填用配管23(21)を通じて充填材を打設するステップと、第2の充填用配管22に設けた空気取入口(33a、421)を通じた空気の逆流を検知するステップと、第2の充填用配管22に設けた空気取入口(33a、421)を充填材Mによって閉塞するステップと、第2の充填用配管22に設けた空気取入口(33a、421)を通じた空気の逆流が止まったことを検知するステップと、を備えている。このような構成であれば、次に使用される充填用配管22の空気取入口(33a、421)が充填材Mで閉塞されることによって、次に使用される充填用配管22の基端部からの空気の戻り流れを感知して、少なくとも空気取入口(33a、421)の位置まで充填材Mが充填されたことを検知できる。
【0041】
(7)また、空気の逆流が止まったことを検知するステップは、第2の充填用配管22に設けた吐出口(32a、43a)を通じた空気の逆流を防止するステップをさらに備えることで、吐出口(32a、43a)を通じた充填用配管内22への空気の逆流を防止し、空気取入口(33a、421)の閉塞をいっそう正確に検知できるようになる。
【0042】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0043】
例えば、実施例では、地下空洞90の例として埋設管を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、埋設管以外の地下空洞であっても、ある程度の長さを有する空間であれば本発明の充填検知システム1(1A)を適用することができる。
【0044】
また、実施例では特に説明しなかったが、使用されていない一部の充填用配管21〜23や開口部に蓋をつけることで、通気する断面積を小さくして、いっそう空気の流速を早くして逆流を検知しやすくすることは大事なことである。
【符号の説明】
【0045】
1、1A:充填検知システム
21 :第1の充填用配管
22 :第2の充填用配管
23 :第3の充填用配管
30 :先端構造
31 :基端部材
32 :分岐部材
32a :吐出口
33 :先端部材
33a :空気取入口
34 :逆流防止手段
40 :先端構造
41 :基端部材
42 :分岐部材
43 :先端部材
43a :吐出口
44 :逆流防止手段
81 :管
82 :挿入管
84 :閉塞壁
90 :地下空洞
341 :有孔板
342 :孔
343 :ヒンジ
344 :フラップ
420 :本体部
421 :分岐管
L1 :余裕距離
M :充填材
【手続補正書】
【提出日】2020年1月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知システムであって、
地下空洞の内部に充填材を打設するための少なくとも第1の充填用配管及び第2の充填用配管を含む複数の充填用配管を備え、
前記第2の充填用配管は、前記充填材が吐出される吐出口と、前記吐出口よりも前記第1の充填用配管によって先に前記充填材が打設された側に配置された空気取入口と、を備えている、充填検知システム。
【請求項2】
前記吐出口には、前記吐出口を通じて前記充填用配管内に空気が取り込まれないようにする逆流防止手段が取り付けられている、請求項1に記載された、充填検知システム。
【請求項3】
前記空気取入口と前記吐出口の間には、前記空気取入口が閉塞された後に、前記充填材のミキサー内及び前記充填用配管内に残留している前記充填材を、地下空洞の内部に打設しても、前記吐出口が閉塞されないだけの余裕距離が設けられる、請求項1又は請求項2に記載された、充填検知システム。
【請求項4】
前記第2の充填用配管の基端部には、前記充填材の打設に伴って、前記第2の充填用配管の内部を逆流してくる空気の流れを検知しやすくする風検知手段を備える、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された、充填検知システム。
【請求項5】
複数の前記吐出口を備えている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された、充填検知システム。
【請求項6】
地下空洞の内部の充填状況を検知するための充填検知方法であって、
地下空洞の内部に第1の充填用配管を通じて充填材を打設するステップと、
第2の充填用配管に設けた空気取入口を通じた空気の逆流を検知するステップと、
前記第2の充填用配管に設けた前記空気取入口を前記充填材によって閉塞するステップと、
前記第2の充填用配管に設けた前記空気取入口を通じた空気の逆流が止まったことを検知するステップと、を備える、充填検知方法。
【請求項7】
前記空気の逆流が止まったことを検知するステップは、前記第2の充填用配管に設けた吐出口を通じた空気の逆流を防止するステップをさらに備える、請求項6に記載された、充填検知方法。