特開2021-6814(P2021-6814A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-6814(P2021-6814A)
(43)【公開日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】単一レーザーLIDARシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/34 20200101AFI20201218BHJP
【FI】
   G01S17/34
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-152160(P2020-152160)
(22)【出願日】2020年9月10日
(62)【分割の表示】特願2016-560866(P2016-560866)の分割
【原出願日】2014年12月19日
(31)【優先権主張番号】61/918,525
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/575,642
(32)【優先日】2014年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】516181066
【氏名又は名称】ディーエスシージー ソルーションズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】リチャード セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ケンドール ベルスレイ
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084CA08
5J084CA31
5J084CA32
5J084CA33
5J084CA48
5J084CA70
5J084EA01
5J084EA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ターゲットビーム伝搬のマルチパス/スペックル効果から生じる距離と速度の推定値における問題を軽減することができるLIDARを提供する。
【解決手段】周波数パターンに基づいて放出電磁放射を生成すること410と、物体から反射した反射電磁放射を受信すること420を含んでもよい。放出電磁放射の周波数と反射電磁放射の周波数に基づいて組合せ周波数データを定義すること430を含み得る。組合せ周波数データに基づいた周波数領域において、フーリエ変換に基づいて、一連のスペクトルビンを定義すること440も含み得、一連のスペクトルビンのサブセットを識別すること450を含み得る。該処理を実行するシステムは、単一レーザーFMCW式LIDARであってもよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行した場合に、1つまたは複数のプロセッサーに処理を行わせる命令を格納する非一
時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体であって、該処理は、
周波数パターンに基づいて放出電磁放射を生成すること;
物体から反射した反射電磁放射を受信すること;
該放出電磁放射の周波数と該反射電磁放射の周波数に基づいて組合せ周波数データを定
義すること;および
該組合せ周波数データに基づいた周波数領域において、フーリエ変換に基づいて、一連
のスペクトルビンを定義すること、
を含む、前記非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項2】
前記一連のスペクトルビンに基づいて周波数を定義することをさらに含む、請求項1記
載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項3】
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別することをさらに含む、請求項1記載の
非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項4】
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別することが、最大スペクトルビンに隣接
した多数のスペクトルビンに関する基準に基づいている、請求項3記載の非一時的なコン
ピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項5】
逆フーリエ変換を用いて、前記一連のスペクトルビンの前記サブセットに基づいて時系
列データを生成することをさらに含む、請求項3記載の非一時的なコンピューター読み取
り可能な記憶媒体。
【請求項6】
前記時系列データに基づいて位相角データを定義することをさらに含む、請求項5記載
の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項7】
前記位相角データからのデータポイントを異常値として識別することをさらに含む、請
求項6記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項8】
前記データポイントに基づいて前記組合せ周波数データを修正することをさらに含む、
請求項7記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項9】
前記組合せ周波数データを、少なくとも、組合せ周波数データの第1セグメントと組合
せ周波数データの第2セグメントに分割することをさらに含み、
前記一連のスペクトルビンを定義することが、該組合せ周波数データの第1セグメント
に基づいている、請求項1記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
前記組合せ周波数データの第1セグメントを前記組合せ周波数データの異常値セグメン
トとして識別することをさらに含む、請求項9記載の非一時的なコンピューター読み取り
可能な記憶媒体。
【請求項11】
前記放出電磁放射が、光増幅器によって増幅される、請求項1記載の非一時的なコンピ
ューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
周波数パターンに基づいて放出電磁放射を生成するように構成されたレーザーと;
物体から反射した反射電磁放射を受信するように構成された受信器と;
該放出電磁放射の周波数と該反射電磁放射の周波数に基づいて組合せ周波数データを定
義するように構成され、かつ、ビート周波数が閾値条件に基づいて決定されるまで、該組
合せ周波数データ上のスペクトル分析を繰り返し行うように構成された分析器と
を含む、装置。
【請求項13】
前記スペクトル分析が、
前記組合せ周波数データに基づいた周波数領域において、フーリエ変換に基づいて、一
連のスペクトルビンを定義すること、および
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別すること、
を含む、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別することが、最大スペクトルビンに隣接
した多数のスペクトルビンに基づいている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記スペクトル分析が、逆フーリエ変換を用いて、一連のスペクトルビンのサブセット
に基づいて時系列データを生成することを含む、請求項12記載の装置。
【請求項16】
前記スペクトル分析が、時系列データに基づいて位相角データを定義することを含む、
請求項12記載の装置。
【請求項17】
前記スペクトル分析が、位相角データからのデータポイントを異常値として識別するこ
とを含む、請求項12記載の装置。
【請求項18】
前記スペクトル分析が、前記データポイントに基づいて前記組合せ周波数データを修正
することを含む、請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記スペクトル分析が、前記組合せ周波数データを、少なくとも、組合せ周波数データ
の第1セグメントと組合せ周波数データの第2セグメントに分割することを含む、請求項
12記載の装置。
【請求項20】
前記閾値条件が、指定された繰返し回数で行うことを含む、請求項12記載の装置。
【請求項21】
前記放出電磁放射が、光増幅器によって増幅される、請求項12記載の装置。
【請求項22】
レーザーから物体に向かって発せられた電磁放射の周波数と該物体から反射した電磁放
射の周波数に基づいて組合せ周波数データを定義すること;
該組合せ周波数データに基づいて一連のスペクトルビンを定義すること;
該一連のスペクトルビンのサブセットを識別すること;
該一連のスペクトルビンのサブセットに基づいて時系列データを生成すること;
該時系列データに基づいて位相角データを定義すること;および
該位相角データに基づいて組合せ周波数データを修正すること
を含む、方法。
【請求項23】
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別することが、最大スペクトルビンに隣接
した多数のスペクトルビンに関する基準に基づいている、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記一連のスペクトルビンが、周波数領域におけるフーリエ変換を用いて定義され、前
記時系列データを生成することが、逆フーリエ変換を用いて、前記一連のスペクトルビン
の前記サブセットに基づいている、請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記レーザーから前記物体に向かって発せられた前記電磁放射を増幅することをさらに
含む、請求項22記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、「単一レーザーLIDARシステム」と題された2014年12月18日出
願の米国特許出願第14/575,642号に基づく優先権を主張し、かつその継続出願
であり、かつ、「単一レーザーLIDARシステム」と題された2013年12月19日
出願の米国仮特許出願第61/918,525号に基づく優先権ならびに利益を主張する
ものであり、当該出願の両方は参照によりそれら全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
また、本出願は、「単一レーザーLIDARシステム」と題された2013年12月1
9日出願の米国仮特許出願第61/918,525に基づく優先権ならびに利益を主張す
るものであり、当該出願は参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0003】
(技術分野)
本発明は、単一レーザー光検出と測距(LIDAR)システムに関する。
【背景技術】
【0004】
(背景)
いくつかの公知のLIDARシステムでは、マルチレーザーを用いて移動物体の距離と
速度を推定することができる。しかしながら、マルチレーザーを使ったとしても、距離と
速度の推定値は、例えば、マルチパス効果または他の干渉によって歪むことがある。また
、レーザー構成要素は複雑かつ高価であるため、LIDARシステムにおけるマルチレー
ザーの使用は、費用がかかり、かつ維持するのが比較的難しい。このため、現状の技術の
不足に対応し、他の新規および革新的な特徴を提供するシステム、方法、および装置の必
要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
(概要)
1つの一般的な態様において、実行した場合に、1つまたは複数のプロセッサーに処理
を行わせる命令を格納する非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体である。該
処理は、周波数パターンに基づいて放出電磁放射を生成することと、物体から反射した反
射電磁放射を受信することを含み得る。該処理は、放出電磁放射の周波数と反射電磁放射
の周波数に基づいて組合せ周波数データを定義することを含み得る。該処理は、組合せ周
波数データに基づいた周波数領域において、フーリエ変換に基づいて、一連のスペクトル
ビンを定義することも含み得、一連のスペクトルビンのサブセットを識別することを含み
得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、LIDARシステムを示す図である。
【0007】
図2図2は、スペクトル分析を行うように構成された分析器の一例を示す図である。
【0008】
図3図3A乃至3Dは、スペクトル分析に関連付けられたグラフである。
【0009】
図4図4は、スペクトル分析法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
距離と速度の推定値の処理が改善された単一レーザー周波数変調連続波(FMCW)光
検出と測距(LIDAR)システムについて本明細書に記載する。本明細書に記載のこれ
らのLIDARシステムおよび方法は、例えば、ターゲットビーム伝搬のマルチパス効果
から生じる距離と速度の推定値における問題を軽減することができる。
【0011】
レーザーダイオードを採用するFMCW LIDARは、レーザーの駆動電流を変調す
ることによって、光周波数においてその透過した光信号掃引を有してもよい。一般に、レ
ーザー出力の光パワーは、駆動電流変調の結果として周波数掃引中に著しく変化する。
【0012】
理想的なFMCW適用では、レーザー周波数は時間的に線形に掃引し、レーザー出力パ
ワーは一定である。ターゲットからの戻り信号を送信信号の一部と混ぜ、一定周波数のビ
ート信号を得る。ビート周波数は、ターゲットまでの往復にわたる信号周波数変化+LI
DARとターゲット間の相対範囲運動から得られるドップラー周波数シフトの合計である
【0013】
実際の適用では、ターゲットからの戻り信号は、ターゲット上でのLIDARビームス
ポットの拡散および/またはターゲット表面へのLIDARビームの任意の浸透から得ら
れるマルチパス成分の合計である。LIDAR信号成分の射距離差は、一般に、いくつか
の波長にわたっており、成分のコヒーレント合計は、ほぼ消滅するか、あるいは位相が歪
むことがあり、結果として、スペックル最小値または「フェード」が発生する。信号成分
間の干渉は、波長の関数である。従って、干渉は、LIDARチャープが周波数掃引(例
えば、予め定義されたプロファイル、パターン、または式に基づいた、線形周波数掃引、
非線形周波数掃引、周波数掃引)を経ると、時間によって変わる。
【0014】
公知の方法を用いて、スペックル振幅または位相歪事象がチャープ中に発生すると、検
出されたビート周波数位相および振幅もかき乱され、誤った周波数推定値が得られてしま
う。これにより、次々に誤った距離と速度の推定値がもたらされる。
【0015】
本明細書に記載のLIDARシステムおよび方法では、例として示される種々の手順は
、任意の組合せで用いてもよい。いくつかの実施形態において、スペクトルピーク近傍の
スペクトルビンを逆フーリエ変換を通じて使用し、チャープの複雑な時系列を推定する。
この推定された時系列は、スペクトルピーク近傍でかつ高いパワー密度を持つ周波数を含
んでいるため、元の掃引時系列よりもはるかに高い信号対雑音比(SNR)を持つ。角度
対時間は、推定された時系列から導出することができる。いくつかの実施形態において、
改善されたSNRにより、信号周波数の改善された推定値を導出するのに用いることがで
きるチャープにわたって再現性のある、安定した位相推定値がもたらされる。信号フェー
ドがないと、角度対時間は線形曲線であってもよい。線形曲線と整合性がない角度対時間
の領域は、例えば、回帰分析などの信号処理方法によって検出することができる。いくつ
かの実施形態において、信号掃引のこれらのセクションを次いで除去し、信号セクション
に障害を起こすことなくスペクトル分析を繰り返し、ビート周波数の改善された推定値を
導出することができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、マルチパス効果により、チャープ中、特に、信号フェー
ド中に位相および振幅の変動をもたらすことができる。位相歪がなく、かつ信号フェード
中に大きな振幅減少のみしか存在しなくても、それにもかかわらず、ビート周波数推定値
の摂動が存在する。これは、ゼロ補填された高速フーリエ変換(FFT)処理から補間さ
れたスペクトル周波数推定値が、スペクトルビン上に位置しない周波数に対して歪むこと
があるためである。低振幅データは、ゼロ補填の量が変化することと同じ効果を持つ。い
くつかの実施形態において、時系列の低振幅セクションを除去し、新規のゼロ補填された
FFTを生成し、周波数バイアス調整を使用して、より短いデータセグメントを補正する
ことができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、(異常値としても知られる)掃引の残りと同じ位相角対
時間トレンドを持たない掃引時系列のセクションは、残りの時系列ポイントから計算した
離散フーリエ変換(DFT)によって排除することができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、掃引時系列は、セクションに分割することができ、時間
領域または周波数領域アプローチを用いて、各セクションの位相トレンドを推定すること
ができる。いくつかの実施形態において、周波数推定値を改善するため、異常値の位相ト
レンドを持つセクションを排除し、DFTを用いて、残りの良好なセクションに基づいて
周波数を推定する。
【0019】
いくつかの実施形態において、掃引データのみを用いて、ゼロ補填していないDFTを
用いて、不偏スペクトル推定値を得ることができる。いくつかの実施形態において、近接
ビンがFFTを用いて決定されると、重要なビンに対するDFTを用いて、比較的小さな
バイアスで推定値を得ることができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のLIDARシステムの利点は、例えば
、より高い測定率、より高いチャープ率、レーザー光源の光増幅、および/またはなどで
ある。LIDARシステムおよび方法のこれらの利点のいくつかを以下で詳述する。
【0021】
いくつかの実施形態において、より速いチャープ率(すなわち、1秒当たりより多いチ
ャープ、または1秒当たりより多いビート周波数推定値)は、速度測定における加速度の
影響を、その効果が対象の普通の運動、及びミラー運動の操縦を無視できる程度にまで減
少させる。いくつかの実施形態において、線形予測アルゴリズムは、距離と速度測定のデ
コンボリューションをさらに改善するため、同時の対チャープ測定は、通常、正確な距離
決定には不要である。(公知のマルチレーザーシステムにおける)マルチレーザービーム
を用いた同時の対チャープでは、集合的に安全動作限界(例えば、眼の安全限界)内のま
まにするために(マルチレーザービームの各々において)少ないパワーを要することがあ
る。レーザー信号がそれぞれ少ないパワーを有するため、マルチレーザーごとの少ないパ
ワーは、レーザーごとに少ないSNRをもたらし得る。本明細書に記載の単一レーザーL
IDARシステムでは、パワーは、安全動作限界の外に移動することなく比較的高いレベ
ルであってもよく、または単一レーザーのレベルが増していてもよい(マルチレーザーシ
ステムと比較して(例えば、デュアルレーザーシステムのものの2倍))。単一レーザー
LIDARシステム上の比較的高いパワー(いくつかの例では、光増幅器を用いて増幅す
ることができる)により、単一レーザーLIDARシステムのSNRを改善させることが
できる。
【0022】
光増幅器(複数を含む)は、いくつかの実施形態において、単一レーザーを多数の測定
チャネルに分散させることができる。
【0023】
光増幅器(複数を含む)は、いくつかの実施形態において、システム光パワー出力を変
えて、弱い信号リターンを克服する能力をもたらす。例えば、窓を通じた透過により、L
IDARシステムのLIDARビームを減衰させることがある。光パワー出力を増加させ
ることは、この光損失の効果を軽減するのを助けることができる。いくつかの実施形態に
おいて、LIDAR光源として用いた分布帰還(DFB)レーザーのパワー出力は、光出
力のチャープ特徴を低下させることなく直接変えることはできない。
【0024】
光増幅器(複数を含む)は、いくつかの実施形態において、ゲイン飽和を通じてチャー
プレーザー出力の振幅変調を減少させることができる(例えば、比較的安定した振幅を可
能にする)。光増幅器(複数を含む)は、レーザー出力の振幅のより良好な制御と、より
望ましい(例えば、比較的平らな)時系列推定値も可能にできる。いくつかの実施形態に
おいて、減少させた振幅変調(及びより安定した振幅)は、SNR高スループットチャー
プを維持し、かつ、各測定の時間帯域積を効果的に増加させることによって測定品質を改
善する。正味効果は、いくつかの実施形態において、より正確に推定された帯域幅であっ
てもよい。
【0025】
本明細書に記載の線形予測方法およびシステムは、公知のシステムにおいて速度および
距離の分離を予め低下させた連続的なアップダウンチャープ間の系統的な差を除去するこ
とができる。本明細書に記載のLIDAR方法およびシステムは、同時の対チャープ方法
およびシステムを上回る多くの利点を有する。いくつかの実施形態において、光増幅器は
、光増幅器の後に測定した際にレーザー出力の高品質な周波数チャーピングをなお維持し
ながら、LIDARシステム(および方法)の一部として使用することができる。
【0026】
図1は、LIDARシステム100に対して静止または動くことができる物体10の距
離Rおよび/または速度V(または速度推定値)を生成または測定するために、単一レー
ザーであるレーザー110(レーザー光源と呼んでもよい)を使用するように構成された
LIDARシステム100を示す図である。いくつかの実施形態において、距離Rは、距
離推定値であり、速度Vは、速度推定値である。いくつかの実施形態において、距離Rは
、正確な距離推定値であり得、速度Vは、正確な速度推定値であり得る。いくつかの実施
形態において、物体10は、ターゲットまたはターゲット物体と呼んでもよい。LIDA
Rシステム100は、例えば、レーザー110からの電磁放射および/または測定中に生
じ得る他の干渉に関連付けられたマルチパス効果にもかかわらず、正確な距離推定値およ
び/または正確な速度推定値を生成するように構成されている。LIDARシステム10
0によって物体10の距離推定値および/または速度推定値を得ることができる構成要素
および方法に関する詳細を以下に説明する。
【0027】
LIDARシステム100のレーザー110は、例えば、コヒーレント光放出(例えば
、単色光放出)またはビームであってもよい1つまたは複数の周波数での電磁放射を放出
する(例えば、生成する、伝播する)ように構成されている。簡潔にするために、レーザ
ー110からの放出は、電磁放射放出(例えば、電磁放射放出12)、放出電磁放射また
は透過電磁放射と呼ばれる。
【0028】
図1に示すように、LIDARシステム100は、周波数掃引モジュール120を含む
。周波数掃引モジュール120は、レーザー110を起動させて、例えば、レーザー11
0の駆動電流を変調することによって種々の光周波数(一般に、周波数とも呼んでもよい
)を生成するように構成されている。具体的には、周波数掃引モジュール120は、レー
ザー110を起動させて、光周波数のパターン(周波数パターンとも呼んでもよい)を生
成するように構成されている。例えば、周波数掃引モジュール120は、レーザー110
を起動させて、光周波数の正弦波パターン、光周波数の鋸歯波パターン、および/または
などを生成するように構成してもよい。いくつかの実施形態において、鋸歯波パターンは
、光周波数において連続的に増加する(例えば、単調に増加する、線形に増加する、非線
形に増加する)部分を有することができ(アップチャープとも呼んでもよい)、かつ、光
周波数において連続的に減少する(例えば、単調に減少する、線形に減少する、非線形に
減少する)部分を有することができる(ダウンチャープとも呼んでもよい)。従って、周
波数パターン(または信号)は、アップチャープおよびダウンチャープを含むサイクルを
有してもよい。レーザー出力の光パワーは、駆動電流変調の結果として、周波数掃引中に
著しく変えることができる。
【0029】
LIDARシステム100は、周波数変調連続波(FMCW)適用に用いることができ
る。かかるFMCW適用では、レーザー110から放出された電磁放射の周波数パターン
は、時間的に線形に(例えば、実質的に線形に)掃引することができ、レーザー110の
パワー出力は、一定(例えば、実質的に一定)にすることができる。いくつかの実施形態
において、周波数掃引モジュール120によって実行された命令は、メモリー170に格
納し、該メモリー170からアクセスすることができる。例えば、いくつかの実施形態に
おいて、周波数掃引モジュール120は、メモリー170に格納された周波数パターンを
使用して、レーザー110を起動させて、アップチャープおよびダウンチャープを含む光
周波数の掃引を生成するように構成してもよい。
【0030】
LIDARシステム100は、物体10に向かってレーザー110から放出された電磁
放射12に応答して、物体10から反射した電磁放射14(反射電磁放射14とも呼んで
もよい)を受信するように構成された受信器130(これは、1つまたは複数の合成器を
含んでもよい)を含む。いくつかの実施形態において、物体10からの反射電磁放射14
(戻り信号または戻り光とも呼んでもよい)を放出電磁放射12の一部と混ぜる。いくつ
かの実施形態において、受信器130は、検出放射を、分析器140によって分析するこ
とができる1つまたは複数の電気信号に変換するように構成された1つまたは複数の検出
器(不図示)を含んでもよい。本説明のいくつかの部分において、例えば、放射、周波数
などで行われている観点から分析について記載しているが、該分析は、いくつかの実施形
態において、それから導き出された、および/または、放射、周波数などを表す信号(例
えば、電気信号)で行ってもよい。
【0031】
LIDARシステム100の分析器140は、レーザー110からの放出電磁放射12
(例えば、それから導き出された放出電磁放射信号)と、受信器130で受信された反射
電磁放射14(例えば、それから導き出された反射電磁放射信号)との組合せを分析する
ように構成されている。放出電磁放射12は、アップチャープ、次いで、ダウンチャープ
(またはダウンチャープ、次いで、アップチャープ)を含むパターンに従って放出するこ
とができる。レーザー110からの放出電磁放射12の周波数と反射電磁放射14の周波
数との組合せは、分析器140によって分析し、ビート周波数または信号を得るかまたは
定義してもよい。言い換えると、ビート周波数は、物体までの往(放出電磁放射12)復
(反射電磁放射14)にわたる信号周波数変化の合計であり、LIDARシステム100
と物体10間の相対範囲運動から得られる反射電磁放射14のドップラー周波数シフトを
含んでもよい。いくつかの実施形態において、ビート信号は、比較的一定の周波数または
変動する周波数を有することができる。いくつかの実施形態において、放出電磁放射12
の周波数と反射電磁放射14の周波数との組合せは、組合せ周波数(または信号)または
往復周波数(または信号)と呼んでもよい。組合せ周波数は、組合せ周波数データ(時系
列データの一種であり得る)として表すことができる。
【0032】
分析器140はまた、さらなる干渉または摂動を受け得る放出電磁放射12と反射電磁
放射14の周波数の組合せを分析するように構成されている。例えば、物体10からの反
射電磁放射14の周波数は、物体10上での放出電磁放射12のビームスポットの拡散お
よび/または物体10の表面への放出電磁放射12の任意の浸透から得られるマルチパス
成分(例えば、マルチパス成分の組合せまたはそのいくつか)を含んでもよい。放出電磁
放射12の成分(信号成分とも呼んでもよい)の射距離差は、一般に、いくつかの波長に
わたっており、成分のコヒーレント合計は、ほぼ消滅するか、あるいは位相が歪むことが
あり得、スペックル最小値またはフェードが発生する。成分間のこの干渉は、波長の関数
であってもよい。従って、干渉は、レーザー110の放出電磁放射12の光周波数の線形
周波数掃引(アップチャープおよび/またはダウンチャープを含む)を含む周波数パター
ンに応答して時間によって変わり得る。
【0033】
また、分析器140の機能性は、放出電磁放射12の周波数パターンの実行中に発生す
るスペックル振幅および/または位相歪事象によって位相および/または振幅がかき乱さ
れる組合せ周波数(これは、放出電磁放射12の周波数と反射電磁放射14の周波数の組
合せである)の処理を取り扱うように構成されている。分析器140は、スペクトル分析
を行って、干渉から生じ得る固有の信号対雑音比(SNR)条件を取り扱うように構成さ
れている。
【0034】
いくつかの既存の方法および装置を用いて、完全な周波数パターンをフーリエ分析で処
理し、ビート周波数を決定する。スペックル振幅および/または位相歪事象が周波数パタ
ーン中に発生する場合には、検出されたビート周波数位相および振幅もかき乱され、フー
リエ分析後に歪んだピークが得られてしまう。いくつかの既存の方法および装置の使用は
、異常なビート周波数を招く可能性があり、次いで、比較的不正確な距離と速度の推定値
をもたらす可能性がある。
【0035】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示の方法および装置は、例えば、マルチレ
ーザーLIDARシステムと比べて、例えば、周波数パターンの比較的高い測定率および
/または比較的高いサイクル率(例えば、周波数パターンのサイクルの比較的短い持続期
間、比較的高いチャープ率)をもたらすかまたは可能にすることができる。例えば、比較
的速いチャープ率は、速度測定における加速度または減速度の影響を、その効果が物体1
0の運動(例えば、普通の運動)やLIDARシステム100に含まれるミラー運動の操
縦を無視できる程度にまで減少させることができる。本明細書に記載の予測アルゴリズム
(例えば、線形予測アルゴリズム)は、距離と速度測定のデコンボリューションをさらに
改善することができるため、(例えば、マルチレーザーを用いる)同時の対チャープ測定
は、正確な距離決定には不要である。
【0036】
本明細書に記載のように、スペクトル分析法(例えば、線形予測方法)および関連装置
(例えば、LIDARシステム100)は、速度および距離の分離を予め低下させた周波
数パターン内の、例えば、連続的なアップチャープとダウンチャープ間の系統的な差を除
去するように構成してもよい。本明細書に記載のスペクトル分析および方法ならびに装置
は、マルチレーザーLIDARシステムを用いて同時の対チャープ方法を上回って有利で
ある。
【0037】
図2は、スペクトル分析を行うように構成された分析器240の一例を示す図である。
分析器240は、図1に示すLIDARシステム100に用いることができる。分析器2
40の構成要素によって行われる分析は、スペクトル分析と呼んでもよい。いくつかの実
施形態において、スペクトル分析またはその一部は、繰り返し行ってもよい。繰り返しは
、ビート周波数(または他のターゲットデータまたは周波数)が(1つまたは複数の閾値
条件に基づいて)決定されるまで行ってもよい。いくつかの実施形態において、スペクト
ル分析の繰り返しは、特定回数の繰り返しが行われるまで行ってもよい。
【0038】
分析器240は、図1に示す受信器130などの受信器で受信された放射に基づいて組
合せ周波数(不図示)を算出するように構成されている。組合せ周波数は、例えば、図1
に示す放出電磁放射12の周波数と反射電磁放射14の周波数の組合せであり得る。
【0039】
放出電磁放射は、図3Aに示すものなどの周波数パターン30(周波数掃引とも呼んで
もよい)に基づいて生成してもよい。図3Aに示す周波数パターン30は、アップチャー
プのみを示しているが、いくつかの実施形態において、周波数パターンは、アップチャー
プおよび/またはダウンチャープを含んでもよい。周波数パターンは、図3Aに示すもの
と異なっていてもよい。例えば、周波数パターンは、異なる勾配を有してもよく、より短
い持続時間にわたってもよく、非線形であってもよく、曲線パターンを有してもよく、段
階的なパターンおよび/またはなどを有してもよい。
【0040】
分析器240は、分析器240によって生成された組合せ周波数のフーリエ分析(例え
ば、離散フーリエ変換(DFT))を行うように構成されたフーリエ変換モジュール24
2を含む。フーリエ変換モジュール242は、組合せ周波数の時間データを周波数領域に
変換するように構成されている。例えば、フーリエ変換モジュール242は、図3Bに図
式的に示すものなどのパワー密度対周波数データ31を生成するように構成されている。
いくつかの実施形態において、パワー密度対周波数データは、数学的に表すことができ、
図1に示すメモリー170などのメモリーに格納することができる。
【0041】
分析器240は、パワー密度対周波数データ32に基づいてスペクトルビン32を生成
する(例えば、定義する)または分析するように構成された周波数スペクトルモジュール
243を含む。いくつかの実施形態において、スペクトルビン32または部分は、パワー
密度ピークに対応することができ(一般に、特定周波数を中心とすることができ、かつ周
波数の距離を広げることができる)、これを図3Bに示す。いくつかの実施形態において
、スペクトルビン32は、一連のスペクトルビン32と呼んでもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、セグメントモジュール247は、スペクトルビン32に
基づいて、後続の分析用のパワー密度対周波数データ31の少なくとも一部を排除する(
例えば、切り捨てる、除外する)ように構成してもよい。言い換えると、セグメントモジ
ュール247は、後続の分析用のパワー密度対周波数データ31のサブセットを選択する
ように構成してもよい。パワー密度対周波数データ31のサブセットの選択は、スペクト
ルビン32に基づいていてもよい。具体例として、スペクトルピークの周囲に配置される
スペクトルビン32に関連付けられたパワー密度対周波数データ31は、後続の分析用に
選択することができる。いくつかの実施形態において、選択は、全ての一連のスペクトル
ビン32から最も高い(例えば、最大ピーク)スペクトルビンに最も近いスペクトルビン
32に基づいていてもよい。いくつかの実施形態において、最も高いスペクトルビンから
比較的遠いスペクトルビンは、排除する(例えば、切り捨てる、除外する)ことができる
。いくつかの実施形態において、一連のスペクトルビン32のサブセットは、振幅または
パワー密度の基準、選択されるビンの特定数の基準、および/またはなどの1つまたは複
数の基準に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態において、一連のスペク
トルビン32のサブセットは、比較的高い(または最大の)周波数ピークからの(周波数
における)距離に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態において、セグメ
ントモジュール247は、比較的高いパワー密度または振幅に対応するスペクトルビン3
2のサブセットを選択するように構成してもよい。いくつかの実施形態において、サブセ
ットは、一連のスペクトルビン32から1つまたは複数のスペクトルビンを含んでもよい
【0043】
選択されたスペクトルビン32に関連付けられたパワー密度対周波数データ31は、ビ
ンの全てまたはスペクトルビンのサブセットを含み得、分析器240の逆フーリエモジュ
ール244を用いて処理することができる。逆フーリエモジュール244は、選択された
スペクトルビンに基づいて時系列データを生成する(例えば、算出する)ように構成して
もよい。いくつかの実施形態において、時系列データは、複雑な時系列または推定された
時系列データと呼んでもよい。いくつかの実施形態において、時系列データは、図3A
示す周波数パターンの複雑な時系列の推定値を表すことができる。周波数対時間を含む時
系列データ34の一例のグラフ図を図3Cに示す。
【0044】
時系列データが、スペクトルビンのサブセットに関連付けられたデータのみを含む場合
には、時系列データは、元の周波数パターンと比べて比較的高いかまたは改善されたSN
Rを有してもよい。一例として、図3Cに示すように、時系列データ34は、一般的に、
図3Aに示す周波数パターンと同じ方向および形式を有するが、図3Aに示す周波数パタ
ーン30から変動する変曲点を有する。
【0045】
図2に示すように、分析器240は、位相角モジュール245を含む。位相角モジュー
ルは、時系列データ(例えば、図3Cに示す時系列データ34)から導出することができ
る位相角データ(例えば、位相角対時間データ)を生成する(例えば、算出する)ように
構成されている。時系列データは、比較的高いSNRを有するため、位相角データの比較
的再現性のある、安定した推定値を生成することができる。さらに、時系列データの比較
的高いSNRを用いて、位相角データを導出することができ、次いで、これを用いて、ビ
ート周波数の比較的正確な推定値を決定する(または算出する)ことができる。
【0046】
位相角対時間データ35の一例を図3Dに示す。図3Dに示すように、位相角対時間デ
ータ35は、図3Aに示す周波数パターン30と整合性がある。周波数パターン30が図
3Aに示すように線形であるシナリオでは、位相角対時間データ35も線形になるであろ
う。回帰直線37は、位相角対時間データ35の線形性を示すために図3Dに含まれる。
図3Dに示す回帰直線37は代表的なものであり、いくつかの実施形態において、2つ以
上の回帰直線または曲線は、パワー密度対周波数データ35などのパワー密度対周波数デ
ータに基づいて定義してもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の回帰直
線は、パワー密度対周波数データ31の異なるセグメントと関連付けることができる。い
くつかの実施形態において、比較的ほとんどあるいは全く信号フェードがないことで、線
形である位相角対時間データをもたらし得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、例えば、モデルまたはターゲット曲線からの異常値(例
えば、閾値条件に基づく他のデータポイントと整合性がない、(閾値条件に基づいて)大
部分のデータポイントと比べて数個の異常値データポイント、統計的異常値)である位相
角データの1つまたは複数の領域(またはデータポイント)は、異常値分析器246を用
いて識別してもよい。いくつかの実施形態において、元の周波数パターンに対して異常値
である位相角データの1つまたは複数の領域は、異常値分析器246を用いて識別しても
よい。いくつかの実施形態において、回帰分析または他の種類の統計分析などの信号処理
方法を用いて、整合性がない場合がある位相角データの領域を識別してもよい。いくつか
の実施形態において、回帰曲線または他の種類の近似曲線を用いて、異常値データを識別
してもよい。
【0048】
異常値位相角データを用いて、上述の技術または処理を用いたさらなる分析または繰り
返し計算に使用すべきではない(例えば、切り捨てるかまたは除外するべきである)デー
タ(例えば、組合せ周波数データ)の一部を識別してもよい。例えば、異常値位相角デー
タを用いて、分析器240を用いたスペクトル分析のその後の繰り返しに使用すべきでは
ない元の組合せ周波数データの1つまたは複数の部分を識別してもよい。元の組合せ周波
数データは、例えば、セグメントモジュール247によって変更してもよい。1つまたは
複数の異常値の識別は、1つまたは複数の統計アルゴリズム、モデル、または手順を用い
て行ってもよい。いくつかの実施形態において、異常値位相角データを用いて、分析器2
40を用いたスペクトル分析のその後の繰り返しに使用すべきではない、図3Bに示すパ
ワー密度対周波数データ31、図3Cに示す時系列データ34、図3Aに示す周波数パタ
ーン30などのデータの1つまたは複数の部分を識別してもよい。
【0049】
具体例として、図3Dに示すように、位相角データ35からのデータポイント36は、
位相角データ35を通じた回帰直線37に対する異常値である。従って、データポイント
36に対応する組合せ周波数データは、例えば、周波数スペクトルモジュール243、逆
フーリエモジュール244、位相角モジュール245、異常値分析器246、セグメント
モジュール247、および/またはなどによって行われるさらなる分析から排除すること
ができる。言い換えると、組合せ周波数データに関連付けられた周波数パターン(例えば
図3Aに示す周波数パターン30)のセクションを除去することができ、スペクトル分
析を繰り返すことができる。従って、ビート周波数の改善された推定値は、異常値位相角
データを用いた組合せ周波数から排除されたデータ無しで、分析器240を用いて決定す
ることができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、時系列データの残りと同じ(または比較的同じ)位相角
対時間トレンドを持たない時系列データ(例えば、図3Cに示す時系列データ34)に関
連付けられたデータの一部は、残りの時系列データから計算した離散フーリエ変換(DF
T)によって排除することができる。かかる実施形態において、DFTを用いたさらなる
繰り返し計算を行うことができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、上で簡単に記載したマルチパス効果(例えば、信号フェ
ード)は、周波数パターン(例えば、周波数パターンのチャープ)中に位相および/また
は振幅の変動を生成することができる。例えば、位相歪がなく(またはほとんどなく)、
かつ信号フェード中に比較的大きな振幅減少のみしか存在しなくても、ビート周波数推定
値の摂動が発生し得る。いくつかの実施形態において、ゼロ補填されたFFT処理から補
間されたスペクトル周波数推定値は、スペクトルビンから外れている周波数に対して歪む
ことがある。低振幅データは、ゼロ補填の量が変化することと同じ効果を有してもよい。
上述のマルチパス効果を補償するため、いくつかの実施形態において、分析器240は、
時系列データ(例えば、時系列データ34)に関連付けられた比較的低い振幅セクション
を除去し、新規のゼロ補填された高速フーリエ変換(FFT)を生成するように構成して
もよい。分析器240は、周波数バイアス調整を実施して、時系列データの比較的より短
いデータセグメントを補正するように構成してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、スペクトル分析は、組合せ周波数(または組合せ周波数
データ)の一部で行ってもよい。言い換えると、組合せ周波数データは、部分またはセク
ションにセグメント化することができる。これらの部分またはセクションは、組合せ周波
数セグメントと呼んでもよい。時間ドメインおよび/または周波数領域のスペクトル分析
アプローチを用いて、組合せ周波数セクションの各々の位相角トレンドを推定することが
できる。ビート周波数推定値を改善するため、(異常値分析器246によって決定された
)異常値位相角トレンドを持つ組合せ周波数セクションを除去することができ、DFTを
用いて、残りの組合せ周波数セクションに基づいてビート周波数を推定することができる
【0053】
いくつかの実施形態において、比較的不偏(例えば、正確)なスペクトル推定値(およ
びビート周波数)は、ゼロ補填することなく組合せ周波数データを用いて、DFTを介し
て得ることができる。いくつかの実施形態において、スペクトルビンのサブセットを(ス
ペクトル分析の第1の繰り返し中に)FFTを用いて選択する場合、DFTを後から使用
して(例えば、スペクトル分析のその後の繰り返しで使用して)、ビート周波数を決定す
る(例えば、推定する)ことができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、周波数パターンのアップチャープに関連付けられた組合
せ周波数データのスペクトル分析により、同じ周波数パターンのダウンチャープに関連付
けられた組合せ周波数データのスペクトル分析とは異なるデータを得ることができる。差
を利用して、物体の距離および/または速度の態様を決定することができる。
【0055】
図1を再び参照すると、LIDARシステム100は、任意に、光増幅器180から放
出された電磁放射を増幅するように構成された光増幅器180を含んでもよい。いくつか
の実施形態において、LIDARシステム100は、2つ以上の光増幅器を含んでもよい
。いくつかの実施形態において、光増幅器180によって実施される増幅は、増幅が雑音
指数を著しく劣化させるほど高くなくてもよい。光増幅器180による増幅は、いくつか
の実施形態において、所望の出力パワーおよび/または振幅平坦度を達成するのに必要な
ものより高くなくてもよい。光増幅器180は、単一レーザー(例えば、レーザー110
)を比較的多数の測定チャネルに分散させることができる。光増幅器180は、レーザー
110の光パワー出力を変えて、例えば、比較的弱い信号リターン(例えば、反射電磁放
射14)を克服する能力をもたらすことができる。例えば、透明または半透明材料(例え
ば、窓)を通じた放出電磁放射12の透過は、レーザー110の放出電磁放射12を減衰
させ得る。レーザー110の放出電磁放射12のパワーを増加させることは、この光損失
の効果を軽減するのを助けることができる。いくつかの実施形態において、LIDARシ
ステム100における光源(例えば、レーザー110)として用いた分布帰還(DFB)
レーザーの出力(または放出)は、光出力のチャープ特徴を低下させることなく直接変え
ることはできない。いくつかの実施形態において、光増幅器180は、ゲイン飽和を通じ
てレーザー110の周波数パターン(例えば、チャープレーザー出力)の振幅変調を減少
させるように構成してもよい。減少させた振幅変調は、SNR高スループット周波数パタ
ーンを維持し、かつ、各測定の時間帯域積を効果的に増すことによって測定品質を改善す
ることができ、帯域幅の不正確な推定防止の一助となる。いくつかの実施形態において、
光増幅器180は、光増幅器180の後に測定した際にレーザー110の放出の比較的高
品質な周波数パターンをなお維持しながら、LIDARシステム100の一部として使用
することができる。
【0056】
LIDARシステム100(例えば、分析器140)の構成要素(例えば、モジュール
、プロセッサー(例えば、シリコン基板などの基板内で定義付けされたプロセッサー))
は、1つまたは複数の種類のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、オペレーテ
ィングシステム、ランタイムライブラリー、および/またはなどを含んでもよい1つまた
は複数のプラットフォーム(例えば、1つまたは複数の同様のまたは異なるプラットフォ
ーム)に基づいて作動するように構成してもよい。いくつかの実施形態において、LID
ARシステム100の構成要素は、一群のデバイス(例えば、サーバーファーム)内で作
動するように構成してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、図1および/または図2のLIDARシステム100に
示す構成要素の1つまたは複数の部分は、ハードウェアベースモジュール(例えば、デジ
タル信号プロセッサー(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)
、メモリー)、ファームウェアモジュール、および/またはソフトウェアベースモジュー
ル(例えば、コンピューターコードのモジュール、コンピューターで実行することができ
る一連のコンピューター読み取り可能な命令)であってもよく、あるいは、これを含んで
もよい。例えば、いくつかの実施形態において、LIDARシステム100の1つまたは
複数の部分は、少なくとも1つのプロセッサー(不図示)による実行のために構成された
ソフトウェアモジュールであってもよく、あるいは、これを含んでもよい。いくつかの実
施形態において、構成要素の機能性は、図1および/または図2に示すものとは異なるモ
ジュールおよび/または異なる構成要素に含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、LIDARシステム100の1つまたは複数の構成要素
は、メモリー(例えば、メモリー170)に格納された命令を処理するように構成された
プロセッサーであってもよく、あるいは、これを含んでもよい。例えば、分析器140(
および/またはその一部)は、1つまたは複数の機能を実施する処理に関する命令を実行
するように構成されたプロセッサーおよびメモリーの組合せであってもよい。
【0059】
不図示であるが、いくつかの実施形態において、LIDARシステム100(またはそ
の一部)の構成要素は、例えば、データセンター(例えば、クラウドコンピューティング
環境)、コンピューターシステム、1つまたは複数のサーバー/ホストデバイス、および
/またはなど内で作動するように構成してもよい。いくつかの実施形態において、LID
ARシステム100(またはその一部)の構成要素は、ネットワーク内で作動するように
構成してもよい。このため、LIDARシステム100(またはその一部)は、1つまた
は複数のデバイスおよび/または1つまたは複数のサーバーデバイスを含み得る種々の種
類のネットワーク環境内で機能するように構成してもよい。例えば、ネットワークは、ロ
ーカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、および/
またはなどであってもよく、あるいは、これらを含んでもよい。ネットワークは、ワイヤ
レスネットワークおよび/または例えば、ゲートウェイデバイス、ブリッジ、スイッチ、
および/またはなどを用いて実現されるワイヤレスネットワークであってもよく、あるい
は、これらを含んでもよい。ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)および
/または専用通信プロトコルなどの種々のプロトコルに基づいて1つまたは複数のセグメ
ントを含んでもよく、および/またはこれに基づく部分を有してもよい。ネットワークは
、インターネットの少なくとも一部を含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、メモリー170は、ランダムアクセスメモリー、ディス
クドライブメモリー、フラッシュメモリー、および/またはなどのいずれの種類のメモリ
ーであってもよい。いくつかの実施形態において、メモリー170は、LIDARシステ
ム100の構成要素に関連付けられた2つ以上のメモリー構成要素(例えば、2つ以上の
RAM構成要素またはディスクドライブメモリー)として実現してもよい。
【0061】
図4は、スペクトル分析法(処理とも呼んでもよい)を示すフローチャートである。い
くつかの実施形態において、以下に説明するスペクトル分析法は、組合せ周波数データの
一部で行ってもよい。いくつかの実施形態において、スペクトル分析法は、ハードウェア
(例えば、FPGA、DSP)で行ってもよい。いくつかの実施形態において、スペクト
ル分析法の1つまたは複数の部分は、ハードウェアパイプラインで行ってもよい。いくつ
かの実施形態において、スペクトル分析法の1つまたは複数の部分は、繰り返し行っても
よい。いくつかの実施形態において、スペクトル分析法の一部の順序は、以下に示しかつ
説明するものと異なっていてもよい。
【0062】
図4に示すように、放出電磁放射は、周波数パターンに基づいて生成される(ブロック
410)。放出電磁放射は、図1に示すレーザー110などのレーザーによって生成して
もよい。周波数パターンは、例えば、アップチャープおよびダウンチャープを含む周波数
掃引であってもよく、あるいは、これらを含んでもよい。
【0063】
物体から反射した反射電磁放射を受信する(ブロック420)。いくつかの実施形態に
おいて、反射電磁放射は、図1に示す受信器130などの受信器で受信してもよい。
【0064】
放出電磁放射の周波数と反射電磁放射の周波数に基づいて、組合せ周波数データを定義
する(ブロック430)。いくつかの実施形態において、組合せ周波数データは、例えば
図1に示す分析器140などの分析器によって生成してもよい。
【0065】
組合せ周波数データに基づいて周波数領域におけるフーリエ変換に基づいて、一連のス
ペクトルビンを定義する(ブロック440)。フーリエ変換は、図2に示すフーリエ変換
モジュール242などのフーリエ変換モジュールによって行ってもよい。一連のスペクト
ルビンは、図2に示す周波数スペクトルモジュール243などの周波数スペクトルモジュ
ールを用いて定義してもよい。一連のスペクトルビンからの1つまたは複数のビンは、ビ
ンに関連付けられたピーク(例えば、パワー密度ピーク)に基づいて定義してもよい。
【0066】
一連のスペクトルビンの少なくともサブセットを識別する(ブロック450)。いくつ
かの実施形態において、(サブセットを識別する場合には)一連のスペクトルビンのサブ
セットは、図2に示すセグメントモジュール247などのセグメントモジュールによって
識別してもよい。いくつかの実施形態において、サブセットは、1つまたは複数の基準に
基づいて定義してもよい。
【0067】
逆フーリエ変換を用いた一連のスペクトルビンのサブセットに基づいて時系列データを
生成する(ブロック460)。逆フーリエ変換は、図2に示す逆フーリエ変換モジュール
244などの逆フーリエ変換モジュールによって行ってもよい。
【0068】
時系列データに基づいて位相角データを定義する(ブロック470)。いくつかの実施
形態において、位相角データは、図2に示す位相角モジュール245などの位相角モジュ
ールを用いて定義してもよい。いくつかの実施形態において、位相角データは、サブセッ
トを選択して識別する場合には、一連のスペクトルビンのサブセットに関連していてもよ
い。
【0069】
位相角データからのデータポイントは、異常値として識別する(ブロック480)。い
くつかの実施形態において、データポイントは、図2に示す異常値分析器246などの異
常値分析器を用いて識別してもよい。いくつかの実施形態において、データポイントは、
1つまたは複数の統計アルゴリズム、モデル、または手順を用いて識別してもよい。
【0070】
データポイントに基づいて組合せ周波数データを変更する(ブロック490)。いくつ
かの実施形態において、組合せ周波数データの一部は、データポイントに基づいてさらな
る分析用に排除(例えば、除外、切り捨て)してもよい。いくつかの実施形態において、
組合せ周波数データは、図2に示すセグメントモジュール247などのセグメントモジュ
ールを用いて変更してもよい。
【0071】
図4に示すように、スペクトル分析法の一部は、ブロック490からブロック440へ
の矢印によって表されるように繰り返し行ってもよい。この例では、組合せ周波数データ
の変更後(ブロック490)、変更した組合せ周波数データをブロック440で処理して
もよい。いくつかの実施形態において、スペクトル分析法の一部のサブセット(図4に示
すサブセットと異なっていてもよい)を、繰り返し行ってもよい。
【0072】
図4に示していないが、いくつかの実施形態において、組合せ周波数データの1つまた
は複数の部分は、ブロック440から490の少なくとも一部を用いて処理を行う前にセ
グメント化してもよい。いくつかの実施形態において、セグメント化した後、部分のサブ
セットは、ブロック440から490の少なくとも一部を用いて処理してもよい。いくつ
かの実施形態において、かかるセグメント化は、セグメントモジュールによって行っても
よい。
【0073】
本明細書に記載の種々の技術の実施形態は、デジタル電子回路、またはコンピューター
ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せで実装してもよい
。実装は、コンピュータープログラム製品、すなわち、情報担体、例えば、機械読み取り
可能な記憶デバイス(コンピューター読み取り可能な媒体、非一時的なコンピューター読
み取り可能な記憶媒体、タンジブルコンピューター読み取り可能な記憶媒体)、または、
データ処理装置、例えば、プログラマブルプロセッサー、コンピューター、またはマルチ
コンピューターで処理するための、または該データ処理装置の操作を制御するための伝播
信号に有形に実施されたコンピュータープログラムとして実装してもよい。上述のコンピ
ュータープログラム(複数を含む)などのコンピュータープログラムは、コンパイル言語
またはインタプリタ言語を含むプログラミング言語の任意の形態で書き込んでもよく、ス
タンドアロンプログラム、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくは
コンピューティング環境での使用に適した他のユニットを含む任意の形態で配布してもよ
い。コンピュータープログラムを配布して、1サイトで1台のコンピューターまたは複数
のコンピューター上で処理されるか、または複数のサイトにわたって分散され、かつ通信
ネットワークによって相互接続されることができる。
【0074】
方法ステップは、コンピュータープログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブ
ルプロセッサーで行い、入力データ上で動作し出力を生成することによって機能を実施し
てもよい。方法ステップは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ
)またはASIC(用途特定集積回路)などの特定用途論理回路によって実施してもよく
、装置は、これら回路として実装してもよい。
【0075】
コンピュータープログラムを処理するのに適したプロセッサーは、一例として、汎用お
よび特定用途マイクロプロセッサーの双方、および任意の種類のデジタルコンピューター
の任意の1つまたは複数のプロセッサーを含む。一般に、プロセッサーは、読取専用メモ
リーまたはランダムアクセスメモリーまたはこれら双方から命令とデータを受信する。コ
ンピューターの要素は、命令を実行する少なくとも1つのプロセッサーと、命令およびデ
ータを格納する1つまたは複数のメモリーデバイスを含んでもよい。一般に、コンピュー
ターはさらに、データを格納する1つまたは複数の大規模記憶デバイス、例えば、磁気デ
ィスク、光磁気ディスク、または光ディスクを備え、またはこれらと動作可能に連結され
て、データを受信または送信するまたは送受信する。コンピュータープログラム命令とデ
ータを格納するのに適した情報担体は、例として、例えば、EPROMやEEPROMの
ような半導体メモリーデバイス、フラッシュメモリーデバイス;例えば、内部ハードディ
スクやリムーバブルディスクのような磁気ディスク;光磁気ディスク;CD−ROMおよ
びDVD−ROMディスクを含む不揮発性メモリーの全ての形態を含む。プロセッサーと
メモリーは、特定用途論理回路内によって補充され、または組み込まれてもよい。
【0076】
ユーザーとの相互作用を提供するために、実施形態は、ユーザーに対して情報を表示す
る表示デバイス、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)モニター、およびキーボード、お
よびユーザがコンピューターに対して入力を提供することができるマウスまたはトラック
ボールなどのポインティングデバイスを有するコンピューター上で実装してもよい。その
他の種類の装置もユーザーとの相互作用を提供するために使用してもよく;例えば、ユー
ザに対して提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバ
ック、または触覚フィードバックなどの感覚フィードバックの任意の形態であってもよく
;ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、または触覚入力を含む任意の形態で受信可
能である。
【0077】
実施形態は、例えば、データサーバーのようなバックエンドコンポーネントを含む、ま
たはミドルウェアコンポーネント、例えば、アプリケーションサーバーを含む、またはフ
ロントエンドコンポーネント、例えば、実施形態、またはそのようなバックエンド、ミド
ルウェア、もしくはフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを用いてユーザが相互
作用することができる、グラフィカルユーザーインタフェースもしくはウェブブラウザー
を有するクライアントコンピューターを含む、コンピューティングシステムで実装しても
よい。コンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形式または媒体、例えば、通信ネ
ットワークによって相互接続してもよい。通信ネットワークの例としては、ローカルエリ
アネットワーク(LAN)、およびワイドエリアネットワーク(WAN)、例えば、イン
ターネットが挙げられる。
【0078】
上記の実施形態のある特徴を本明細書に記載のように説明してきたが、当業者は多くの
修正、置き換え、変更、均等物を思い浮かべるであろう。したがって、添付の特許請求の
範囲は、実施形態の範囲内にあるものとしてそのような修正および変更の全てを網羅する
ことが意図されていると理解すべきである。それらは、限定としてではなく一例としての
み提示されており、形態および詳細の種々の変更を行ってもよいと理解すべきである。本
明細書に記載の装置および/または方法の任意の部分は、相互排他的な組合せを除いて、
任意の組合せで組み合わせてもよい。本明細書に記載の実施形態は、記載された異なる実
施形態の機能、構成要素、および/または特徴の種々の組合せおよび/または2次的組合
せを含んでもよい。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2020年10月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に実質的に記載された、新規な物、方法及び製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2020年10月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
上記の実施形態のある特徴を本明細書に記載のように説明してきたが、当業者は多くの
修正、置き換え、変更、均等物を思い浮かべるであろう。したがって、添付の特許請求の
範囲は、実施形態の範囲内にあるものとしてそのような修正および変更の全てを網羅する
ことが意図されていると理解すべきである。それらは、限定としてではなく一例としての
み提示されており、形態および詳細の種々の変更を行ってもよいと理解すべきである。本
明細書に記載の装置および/または方法の任意の部分は、相互排他的な組合せを除いて、
任意の組合せで組み合わせてもよい。本明細書に記載の実施形態は、記載された異なる実
施形態の機能、構成要素、および/または特徴の種々の組合せおよび/または2次的組合
せを含んでもよい。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
実行した場合に、1つまたは複数のプロセッサーに処理を行わせる命令を格納する非一
時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体であって、該処理は、
周波数パターンに基づいて放出電磁放射を生成すること;
物体から反射した反射電磁放射を受信すること;
該放出電磁放射の周波数と該反射電磁放射の周波数に基づいて組合せ周波数データを定
義すること;および
該組合せ周波数データに基づいた周波数領域において、フーリエ変換に基づいて、一連
のスペクトルビンを定義すること、
を含む、前記非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
(構成2)
前記一連のスペクトルビンに基づいて周波数を定義することをさらに含む、構成1記載
の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
(構成3)
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別することをさらに含む、構成1記載の非
一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
(構成4)
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別することが、最大スペクトルビンに隣接
した多数のスペクトルビンに関する基準に基づいている、構成3記載の非一時的なコンピ
ューター読み取り可能な記憶媒体。
(構成5)
逆フーリエ変換を用いて、前記一連のスペクトルビンの前記サブセットに基づいて時系
列データを生成することをさらに含む、構成3記載の非一時的なコンピューター読み取り
可能な記憶媒体。
(構成6)
前記時系列データに基づいて位相角データを定義することをさらに含む、構成5記載の
非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
(構成7)
前記位相角データからのデータポイントを異常値として識別することをさらに含む、構
成6記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
(構成8)
前記データポイントに基づいて前記組合せ周波数データを修正することをさらに含む、
構成7記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
(構成9)
前記組合せ周波数データを、少なくとも、組合せ周波数データの第1セグメントと組合
せ周波数データの第2セグメントに分割することをさらに含み、
前記一連のスペクトルビンを定義することが、該組合せ周波数データの第1セグメント
に基づいている、構成1記載の非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
(構成10)
前記組合せ周波数データの第1セグメントを前記組合せ周波数データの異常値セグメン
トとして識別することをさらに含む、構成9記載の非一時的なコンピューター読み取り可
能な記憶媒体。
(構成11)
前記放出電磁放射が、光増幅器によって増幅される、構成1記載の非一時的なコンピュ
ーター読み取り可能な記憶媒体。
(構成12)
周波数パターンに基づいて放出電磁放射を生成するように構成されたレーザーと;
物体から反射した反射電磁放射を受信するように構成された受信器と;
該放出電磁放射の周波数と該反射電磁放射の周波数に基づいて組合せ周波数データを定
義するように構成され、かつ、ビート周波数が閾値条件に基づいて決定されるまで、該組
合せ周波数データ上のスペクトル分析を繰り返し行うように構成された分析器と
を含む、装置。
(構成13)
前記スペクトル分析が、
前記組合せ周波数データに基づいた周波数領域において、フーリエ変換に基づいて、一
連のスペクトルビンを定義すること、および
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別すること、
を含む、構成12記載の装置。
(構成14)
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別することが、最大スペクトルビンに隣接
した多数のスペクトルビンに基づいている、構成13記載の装置。
(構成15)
前記スペクトル分析が、逆フーリエ変換を用いて、一連のスペクトルビンのサブセット
に基づいて時系列データを生成することを含む、構成12記載の装置。
(構成16)
前記スペクトル分析が、時系列データに基づいて位相角データを定義することを含む、
構成12記載の装置。
(構成17)
前記スペクトル分析が、位相角データからのデータポイントを異常値として識別するこ
とを含む、構成12記載の装置。
(構成18)
前記スペクトル分析が、前記データポイントに基づいて前記組合せ周波数データを修正
することを含む、構成17記載の装置。
(構成19)
前記スペクトル分析が、前記組合せ周波数データを、少なくとも、組合せ周波数データ
の第1セグメントと組合せ周波数データの第2セグメントに分割することを含む、構成1
2記載の装置。
(構成20)
前記閾値条件が、指定された繰返し回数で行うことを含む、構成12記載の装置。
(構成21)
前記放出電磁放射が、光増幅器によって増幅される、構成12記載の装置。
(構成22)
レーザーから物体に向かって発せられた電磁放射の周波数と該物体から反射した電磁放
射の周波数に基づいて組合せ周波数データを定義すること;
該組合せ周波数データに基づいて一連のスペクトルビンを定義すること;
該一連のスペクトルビンのサブセットを識別すること;
該一連のスペクトルビンのサブセットに基づいて時系列データを生成すること;
該時系列データに基づいて位相角データを定義すること;および
該位相角データに基づいて組合せ周波数データを修正すること
を含む、方法。
(構成23)
前記一連のスペクトルビンのサブセットを識別することが、最大スペクトルビンに隣接
した多数のスペクトルビンに関する基準に基づいている、構成22記載の方法。
(構成24)
前記一連のスペクトルビンが、周波数領域におけるフーリエ変換を用いて定義され、前
記時系列データを生成することが、逆フーリエ変換を用いて、前記一連のスペクトルビン
の前記サブセットに基づいている、構成22記載の方法。
(構成25)
前記レーザーから前記物体に向かって発せられた前記電磁放射を増幅することをさらに
含む、構成22記載の方法。
【外国語明細書】
2021006814000001.pdf