【解決手段】コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、コンピュータシステムは、住居の居住者が住居を点検することによって得られるセルフ点検情報を取得する取得手段と、セルフ点検情報をデータベース部に蓄積する蓄積手段と、データベース部に蓄積されたセルフ点検情報に基づいて、居住者が優良居住者であるか否かを判定する判定手段と、居住者が優良居住者であると判定された場合に、居住者に特典を提供するための処理を実行する実行手段とを備える。
前記実行手段は、前記充当処理を実行する前に、前記充当処理を実行してよいか否かの問い合わせを前記居住者に行うための処理をさらに実行し、前記充当処理を実行してよいとされた場合に、前記充当処理を実行する、請求項5〜10のいずれかに記載のコンピュータシステム。
前記実行手段は、前記充当処理を実行した後で、前記充当処理を実行した旨の報告を前記居住者に提示するための処理をさらに実行する、請求項5〜11のいずれかに記載のコンピュータシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
居住者が住居に関連するサービスを受けようとする場合、そのサービスがちょっとしたことであっても作業員の出張を伴う場合には、多額の費用が請求される場合があった。このような事例は、水回りのトラブル対応などの緊急対応に多くみられる。例えば、水漏れのトラブルが発生した場合において、パッキンの交換などの比較的簡単な部品交換作業によってそのトラブルを解決することができた場合であっても、緊急対応費として事前に説明されていない費用を請求されたり、そのトラブル解決の緊急性が高かったという理由で、正規の部品代よりも高額な部品代を請求されたり、事前に説明されていた緊急対応費よりも高額な緊急対応費を請求されたりする場合が多かった。このように、緊急対応費の請求は、緊急対応費の不透明性も相まってトラブルの温床となっていた。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、住居に関連する新しいサービスを提供することが可能なコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、住居に関連するサービスを提供するためのコンピュータシステムであり、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記コンピュータシステムは、前記住居の居住者が前記住居を点検することによって得られるセルフ点検情報を取得する取得手段と、前記セルフ点検情報を前記データベース部に蓄積する蓄積手段と、前記データベース部に蓄積された前記セルフ点検情報に基づいて、前記居住者が優良居住者であるか否かを判定する判定手段と、前記居住者が優良居住者であると判定された場合に、前記居住者に特典を提供するための処理を実行する実行手段とを備える。
【0007】
本発明の1つの実施形態では、前記データベース部には、前記居住者が優良居住者であるか否かを示す優良居住者フラグが格納されており、前記判定手段は、前記データベース部に蓄積された前記セルフ点検情報に基づいて、前記居住者がセルフ点検に関する所定の条件を満たしているか否かを判定する手段と、前記居住者がセルフ点検に関する所定の条件を満たしていると判定された場合に、前記居住者が前記優良居住者であることを前記優良居住者フラグが示すように、前記データベース部に格納されている前記優良居住者フラグを更新する手段と、前記データベース部に格納されている前記優良居住者フラグに基づいて、前記居住者が優良居住者であるか否かを判定する手段とをさらに備えていてもよい。
【0008】
本発明の1つの局面において、本発明の方法は、住居に関連するサービスを提供するためのコンピュータシステムにおいて実行される方法であり、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記方法は、前記プロセッサ部が、前記住居の居住者が前記住居を点検することによって得られるセルフ点検情報を取得することと、前記プロセッサ部が、前記セルフ点検情報を前記データベース部に蓄積することと、前記プロセッサ部が、前記データベース部に蓄積された前記セルフ点検情報に基づいて、前記居住者が優良居住者であるか否かを判定することと、前記プロセッサ部が、前記居住者が優良居住者であると判定された場合に、前記居住者に特典を提供するための処理を実行することとを含む。
【0009】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、住居に関連するサービスを提供するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、前記住居の居住者が前記住居を点検することによって得られるセルフ点検情報を取得することと、前記セルフ点検情報を前記データベース部に蓄積することと、前記データベース部に蓄積された前記セルフ点検情報に基づいて、前記居住者が優良居住者であるか否かを判定することと、前記居住者が優良居住者であると判定された場合に、前記居住者に特典を提供するための処理を実行することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【0010】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、住居に関連するサービスを提供するためのコンピュータシステムであり、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記データベース部には、前記住居の居住者が保有するポイントが格納されており、前記住居に関連するサービスの提供依頼を前記居住者から受信する受信手段と、前記居住者が優良居住者であるか否かを判定する判定手段と、前記居住者が優良居住者であると判定された場合に、前記データベース部に格納されている前記居住者が保有するポイントの少なくとも一部を前記住居に関連するサービスに係る費用に充当するための充当処理を実行する実行手段とを備える。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記データベース部には、前記居住者が優良居住者であるか否かを示す優良居住者フラグがさらに格納されており、前記判定手段は、前記データベース部に格納されている前記優良居住者フラグを参照することによって、前記居住者が優良居住者であるか否かを判定してもよい。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記居住者が前記住居を点検することによって得られるセルフ点検情報を取得する手段と、前記セルフ点検情報を前記データベース部に蓄積する手段と、前記データベース部に蓄積された前記セルフ点検情報に基づいて、前記居住者がセルフ点検に関する所定の条件を満たしているか否かを判定する手段と、前記居住者が前記セルフ点検に関する所定の条件を満たしていると判定された場合に、前記居住者が優良居住者であることを前記優良居住者フラグが示すように、前記データベース部に格納されている前記優良居住者フラグを更新する手段とをさらに備えていてもよい。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、前記セルフ点検情報は、前記居住者が前記住居の少なくとも一部を撮影した画像を含んでいてもよい。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、前記画像は、静止画および/または動画を含んでいてもよい。
【0015】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記居住者が優良居住者であると判定された場合に、前記データベース部に格納されている前記居住者が保有するポイントを増加させるように、前記データベース部を更新する手段をさらに備えていてもよい。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、前記実行手段は、前記充当処理を実行する前に、前記充当処理を実行してよいか否かの問い合わせを前記居住者に行うための処理をさらに実行し、前記充当処理を実行してよいとされた場合に、前記充当処理を実行してもよい。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、前記実行手段は、前記充当処理を実行した後で、前記充当処理を実行した旨の報告を前記居住者に提示するための処理をさらに実行してもよい。
【0018】
本発明の1つの実施形態では、前記住居は、一戸建ての住宅またはマンションの専有部分であってもよい。
【0019】
本発明の1つの局面において、本発明の方法は、住居に関連するサービスを提供するためのコンピュータシステムにおいて実行される方法であり、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記データベース部には、前記住居の居住者が保有するポイントが格納されており、前記方法は、前記プロセッサ部が、前記住居に関連するサービスの提供依頼を前記居住者から受信することと、前記プロセッサ部が、前記居住者が優良居住者であるか否かを判定することと、前記プロセッサ部が、前記居住者が優良居住者であると判定された場合に、前記データベース部に格納されている前記居住者が保有するポイントの少なくとも一部を前記住居に関連するサービスに係る費用に充当するための充当処理を実行することとを含む。
【0020】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、住居に関連するサービスを提供するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記データベース部には、前記住居の居住者が保有するポイントが格納されており、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、前記住居に関連するサービスの提供依頼を前記居住者から受信することと、前記居住者が優良居住者であるか否かを判定することと、前記居住者が優良居住者であると判定された場合に、前記データベース部に格納されている前記居住者が保有するポイントの少なくとも一部を前記住居に関連するサービスに係る費用に充当するための充当処理を実行することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、住居に関連する新しいサービスを提供するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法およびプログラムを提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本明細書において用いられる用語を定義する。
【0024】
・「住居」とは、居住者が居住可能な任意のスペースをいう。「住居」の一例は、一戸建ての住宅、マンションの専有部分であるが、これらに限定されない。
【0025】
・「優良居住者」とは、居住者のうち、優良な居住者であるための所定の条件を満たす居住者をいう。
【0026】
・「ポイント」とは、金銭と等価な価値を有する任意のものをいう。
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
1.住居に関連する新しいサービス
図1は、住居に関連するサービス(以下、この章において「住居サービス」という)のデータフローの一例を示す。以下、
図1に示される各ステップを詳しく説明する。
【0029】
ステップS101:居住者Aは、住居管理会社に会費を支払うことによって、住居管理会社が運営する「住居ドック」の会員に登録される。居住者Aは、会員登録の際、例えば、居住者Aの氏名、性別、生年月日、Eメールアドレスなどを住居管理会社に提供する。居住者Aが会員として登録されると、住居管理会社は、居住者Aの住居に提供される住居サービスを管理する責任を負う。会員である居住者Aは、住居サービスのうちの少なくとも一部のサービスを無料で受けることが可能である。住居サービスは、例えば、緊急時駆けつけサービス、住居の定期点検サービス、住居に関連する部品の交換・修理・補修サービス、住居のリフォームサービスなどであるが、これらに限定されない。緊急時駆けつけサービスは、原則として24時間対応で、作業員が住居に駆けつけて住居に関連するトラブルを解決してくれるサービスである。住居に関連するトラブルは、例えば、台所の蛇口の水漏れ、トイレタンクの不具合(トイレタンクに水が溜まらない)、室内蛍光灯の不点灯、家電製品の電気がつかない、ガスコンロの不点灯などであるが、これらに限定されない。居住者Aが会員として登録されると、居住者Aには、従来の緊急時駆けつけサービスでは有料であった「緊急対応費」を負担しなくてよい(すなわち、「緊急対応費」を無料にしてもらえる)という特典が与えられる(ただし、トラブルを解決するために部品交換が必要な場合には、原則として、部品代+作業費+処分費を会員が負担しなければならない)。会費の徴収のしかたは、問わない。例えば、会費は、月会費であってもよいし(すなわち、月〇〇円)であってもよいし、年会費(すなわち、年○○円)であってもよい。
【0030】
ステップS102:居住者Aは、住居サービスの提供を住居管理会社に依頼する。住居管理会社への依頼の態様は問わない。例えば、居住者Aは、住居管理会社によって提供される「専用ダイヤル」に電話をすることによって住居サービスの提供を住居管理会社に依頼してもよいし、居住者Aは、住居管理会社によって提供される「専用メールアドレス」にメールをすることによって住居サービスの提供を住居管理会社に依頼してもよい。このような依頼は、住居管理会社の電話オペレータによって受け付けられてもよいし、住居管理会社のコンピュータシステムによって受け付けられてもよい。あるいは、このような依頼は、住居管理会社の外部にあるコールセンターやメールセンターを介して住居管理会社のコンピュータシステムによって受け付けられるようにしてもよい。
【0031】
ステップS103:住居管理会社は、住居サービスを居住者Aに提供することをサービス提供会社に依頼する。サービス提供会社は、住居管理会社と提携している会社(例えば、住居管理会社が運営する「住居ドック」の加盟店、または、住居管理会社と業務委託契約している会社)である。なお、
図1に示される例では、サービス提供会社が1つのみ示されているが、複数のサービス提供会社が存在してもよい。
【0032】
ステップS104:サービス提供会社は、住居管理会社からの依頼に応じて、住居サービスを居住者Aに提供する。
【0033】
ステップS105:サービス提供会社は、住居サービスの提供が完了すると、その旨を住居管理会社に報告する。
【0034】
ステップS106:住居管理会社は、サービス提供会社が居住者Aに提供した住居サービスのうち、居住者Aが無料で受けることができたサービスに要した費用(または、その費用の一部)をサービス提供会社に支払う。なお、この費用は、定額制であってもよいし、変動制であってもよい。
【0035】
このように、居住者は、住居管理会社に会費を支払うことによって会員登録されると、住居管理会社からの依頼に基づいてサービス提供会社によって提供される住居サービスのうちの少なくとも一部を無料で受けることができる。住居管理会社は、居住者からの会費を収入とし、会員の数を増加させることによって様々な会員サービスを会員に提供することが可能である。サービス提供会社は、住居管理会社と提携することによって、サービス提供の依頼の数を安定的に確保することが可能である。従って、上述した新しいサービスは、「居住者」、「住居管理会社」、「サービス提供会社」の三者にWin−Winの関係をもたらすサービスであるといえる。
【0036】
上述したように、会員である居住者は、住居サービスのうちの少なくとも一部を無料で受けることができるが、住居サービスのうちの一部または全部が有料であることもある。例えば、緊急時駆けつけサービスにおいて、部品交換が必要な場合には、部品代+作業費+処分費を会員が負担するのが原則である。ステップS104においてサービス提供会社が居住者Aに提供した住居サービスのうちの一部または全部が有料である場合において、居住者Aが優良居住者である場合には、居住者Aは、居住者Aが自分の住居を点検する(すなわち、セルフ点検する)ことと引き換えに居住者Aに提供される特典を利用して(例えば、居住者Aが保有するポイントを住居サービスのうちの有料なサービスの費用(または、その費用の一部)に充当することによって)、住居サービスのうちの有料なサービスの費用(または、その費用の一部)をサービス提供会社に支払うことが可能である。これにより、居住者Aは、住居サービスのうちの有料のサービスの費用の全額を支払うことなく、その有料のサービスを受けることができる。この場合、住居管理会社が、居住者Aに提供された住居サービスのうちの有料のサービスの費用(または、その費用の一部)をサービス提供会社に支払う。
【0037】
あるいは、居住者Aは、居住者Aが自分の住居を点検する(すなわち、セルフ点検する)ことと引き換えに居住者Aに提供される特典を利用して(例えば、居住者Aが保有するポイントを会費(または、その会費の一部)に充当することによって)、会費(または、その会費の一部)を住居管理会社に支払うことが可能である。これにより、居住者Aは、住居サービスに係る費用の全額を支払うことなく、その住居サービスを受けることができる。
【0038】
なお、特典の一例は、ポイントの付与、有料なサービスの費用に対するポイントの充当、金券(例えば、旅行券、全国の百貨店において使用可能な金券)、キャッシュバックなどであるが、これらに限定されない。
【0039】
居住者Aが保有する特典(例えば、居住者Aが保有するポイント)は、例えば、住居管理会社のコンピュータシステムによって管理される。このような特典(例えば、ポイント)は、例えば、居住者Aが自分の住居を自分で点検することによって得られるセルフ点検情報を、居住者Aが住居管理会社に提供することによって、居住者Aに提供される。セルフ点検情報の一例は、居住者Aが点検した日、居住者Aが点検した場所、居住者Aが点検済みの項目、居住者Aが自分の住居の少なくとも一部を撮影した画像(例えば、静止画、動画)などであるが、これらに限定されない。
【0040】
住居管理会社は、居住者Aから提供されたセルフ点検情報を蓄積する。これにより、住居管理会社は、居住者Aの住居の状態の履歴を管理することが可能である。居住者Aの住居の状態の履歴は、居住者Aおよび/または居住者Aの住居の管理者(例えば、マンションの管理者)に閲覧可能であるようにしてよい。また、居住者Aから提供されたセルフ点検情報を蓄積することにより、例えば、居住者Aの住居に災害が発生したときに、居住者Aの住居の損傷が災害によって発生したものであるのか、または、災害前から存在していたものであるのかを特定することが可能である。このことは、損害保険の査定にも役立つ。
【0041】
このように、特典(例えば、ポイント)は、会員である居住者が自分の住居のセルフ点検情報を提供することによって、居住者に提供される。例えば、会員である居住者は、住居サービスのうちの有料のサービスを利用した際に、居住者が保有するポイントのうちの少なくとも一部を有料のサービスの費用に充当するようにポイントを利用することが可能である。これにより、居住者は、自分の住居の点検を日常的に行うだけで、有料のサービスの費用の全額を支払うことなく、有料のサービスを受けることが可能である。また、居住者に特典(例えば、ポイント)を提供することは、居住者による住居の点検のインセンティブになり得る。
【0042】
なお、
図1に示される実施形態では、居住者Aが住居サービスの提供を住居管理会社に依頼する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、居住者Aは、住居管理会社を介することなく、サービス提供会社に住居サービスの提供を依頼してもよい。その一例として、サービス提供会社がコールセンターを備える場合には、居住者Aは、サービス提供会社(具体的には、サービス提供会社のコールセンター)に住居サービスの提供を依頼してもよい。この場合、サービス提供会社が居住者Aに住居サービスを提供した後、サービス提供会社は、サービス提供会社が居住者Aに住居サービスを提供した旨の報告を住居管理会社に行う。サービス提供会社は、住居サービスの提供の依頼を居住者Aから受けた後、サービス提供会社が提携している各工事会社に、居住者Aへの住居サービスの提供の依頼を行ってもよい。
【0043】
また、サービス提供会社は、単一の会社であってもよいし、親会社と子会社または提携会社とによって構成される集合体であってもよい。
【0044】
2.住居に関連する新しいサービスを実現するためのコンピュータシステムの構成
図2は、住居に関連する新しいサービスを実現するためのコンピュータシステム200の構成の一例を示す。
【0045】
図2に示される実施形態では、コンピュータシステム200は、サーバ装置210と、少なくとも1つのユーザ装置220
1〜220
Nとを備える。
図1に示される実施形態では、サーバ装置210は、インターネット230を介して、少なくとも1つのユーザ装置220
1〜220
Nと通信可能なように構成されている。ここで、Nは、1以上の任意の整数である。
【0046】
サーバ装置210は、少なくとも1人の居住者の住居を管理する企業(またはその責任者・管理者)が運営・管理する情報処理装置である。サーバ装置210は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータであって、サーバとしての一般的なハードウェア構成を有している。
図2に示される実施形態では、サーバ装置210は、インターフェース部211と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部212と、メモリ部213とを有している。サーバ装置210のハードウェア構成はその機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0047】
インターフェース部211は、少なくとも1つのユーザ装置220
1〜220
Nとの間の通信を制御する。
【0048】
メモリ部213には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。メモリ部213には、例えば、
図4、
図5、
図6に示される処理を実行するためのプログラムが格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部213に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部213にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット230などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部213にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部213にインストールされるようにしてもよい。
【0049】
プロセッサ部212は、サーバ装置210全体の動作を制御する。プロセッサ部212は、メモリ部213に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、サーバ装置210を所望のステップを実行する装置として機能させることが可能である。
【0050】
サーバ装置210には、データベース部240が接続されている。データベース部240は、居住者データベース部241と、セルフ点検データベース部242と、ポイントデータベース部243と、点検項目データベース部244と、特典データベース部245と、住居データベース部246とを含む。
【0051】
少なくとも1つのユーザ装置220
1〜220
Nのそれぞれは、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、スマートグラス、スマートウォッチ端末等の携帯無線端末であってもよいし、デスクトップPC、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0052】
なお、
図2に示される実施形態では、サーバ装置210がインターネット230を介して少なくとも1つのユーザ装置220
1〜220
Nのそれぞれと通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット230の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。
【0053】
また、
図2に示される実施形態では、データベース部240は、サーバ装置210の外部に設けられているが、その態様は問わない。例えば、データベース部240は、サーバ装置210の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。あるいは、データベース部240は、サーバ装置210の内部に設けられることも可能である。データベース部240の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部240は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。また、データベース部240に含まれる各データベース部の構成は特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部240に含まれる各データベース部は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。
【0054】
図3Aは、居住者データベース部241に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0055】
居住者データベース部241には、居住者に関する情報が格納されている。居住者に関する情報は、居住者を識別するための情報(居住者ID)によって識別されることが可能である。居住者データベース部241には、居住者の氏名、性別、生年月日、Eメールアドレス、優良居住者フラグなどがさらに格納されている。
【0056】
優良居住者フラグは、居住者が優良居住者であるか否かを示すものであり、これにより、サーバ装置210は、居住者データベース部241に格納されている優良居住者フラグを参照することによって、居住者が優良居住者であるか否かを判定することが可能である。
【0057】
図3Bは、セルフ点検データベース部242に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0058】
セルフ点検データベース部242には、居住者自身による住居の点検に関する情報が格納されている。居住者自身による住居の点検に関する情報は、居住者を識別するための情報(居住者ID)に関連付けられている。セルフ点検データベース部242には、点検日、点検場所、点検済みの項目、住居の少なくとも一部を撮影した画像(例えば、静止画、動画)などがさらに格納されている。
【0059】
図3Cは、ポイントデータベース部243に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0060】
ポイントデータベース部243には、居住者が保有しているポイントに関する情報が格納されている。居住者が保有しているポイントに関する情報は、居住者を識別するための情報(居住者ID)に関連付けられている。
図3Cに示される実施形態では、居住者が保有しているポイントが2019年10月1日に2000ポイントだけ増加したこと、居住者が保有しているポイントが2019年10月2日に1000ポイントだけ減少した(すなわち、使用された)こと、居住者が保有しているポイントが2019年10月3日に3500ポイントだけ増加したこと、居住者が保有しているポイントが2019年10月4日に500ポイントだけ増加したこと、および、居住者が保有しているポイントの合計が16500ポイントであることが示されている。
【0061】
図3Dは、点検項目データベース部244に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0062】
点検項目データベース部244には、点検すべき項目の情報が格納されている。
図3Dに示される実施形態では、点検すべき項目の情報は、点検場所に応じて点検すべき項目が異なり得るように、点検場所ごとに点検項目データベース部244に格納されている。なお、点検すべき項目は、必須の項目と、任意の項目とを含んでいてもよい。
【0063】
図3Eは、特典データベース部245に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0064】
特典データベース部245には、特典に関する情報が格納されている。
図3Eに示される実施形態では、特典に関する情報は、ポイントに関連付けられている。
図3Eに示される実施形態では、「1000ポイント」と「特典B」とが関連付けられており、これは、1000ポイントを使用して特典Bを受け取ることが可能であることを示す。また、
図3Eに示される実施形態では、「0ポイント(特定の条件)」と特典Aとが関連付けられており、これは、特定の条件を満たせばポイントの消費なしに(すなわち、ポイントを媒介することなく)特典Aを受け取ることが可能であることを示す。この特定の条件は、例えば、居住者の住居のセルフ点検情報を提供することなどであるが、これに限定されない。特典Aは、例えば、ポイントの付与であってもよいし、クーポン券の配布であってもよいし、キャッシュバックであってもよいし、金券の配布であってもよい。特典B〜特典Dは、例えば、クーポン券の配布であってもよいし、キャッシュバックであってもよいし、金券の配布であってもよい。
【0065】
図3Fは、住居データベース部246に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0066】
住居データベース部246には、住居に関する情報が格納されている。住居に関する情報は、住居を識別するための情報(住居ID)によって識別されることが可能である。住居に関する情報は、居住者を識別するための情報(居住者ID)に関連付けられている。住居データベース部246には、所在地(住所)、間取り、建物面積・土地面積、築年月、新築時の建築情報、新築時の図面、設備情報、過去に提供されたサービスの内容を示すサービス履歴、施工業者名、型番などがさらに格納されている。設備情報は、例えば、不動産物件の設備の製品名、不動産物件の設備を提供した企業名、不動産物件の設備の型番、不動産物件の設備が設置された年月日、不動産物件のインフラ(例えば、電気、水道、ガス)に関する情報、不動産物件の設備のリフォームに関する情報(例えば、不動産物件の設備のリフォームの有無、不動産物件の設備のリフォームの箇所、不動産物件の設備のリフォームを行った年月日、過去に不動産物件の設備のリフォームを行った回数)などを含む。サービス履歴は、有料のサービスおよび無料のサービスの履歴を含む。
【0067】
住居データベース部246において住居IDに関連付けられている居住者IDは、例えば、住居IDによって識別される住居に現在住んでいる居住者を識別するものであり、現在住んでいる居住者が変わる度に住居IDと居住者IDとの関連付けが更新され得る。また、住居データベース部246において住居に関する情報を居住者IDごとに蓄積することにより、過去の居住者が住んでいたときに住居に提供された住居サービスの情報を現在および未来の居住者に引き継ぐことが可能である。
【0068】
3.サーバ装置における処理
図4は、サーバ装置210において実行される処理のフローの一例を示す。
図4に示される処理のフローは、居住者Aのセルフ点検情報に基づいて居住者Aが優良居住者であるか否かを判定するためのものである。以下、
図4に示される各ステップを詳しく説明する。
【0069】
ステップS401:プロセッサ部212は、居住者Aから(例えば、居住者Aによって操作されるユーザ装置220
1から)、居住者Aが居住者Aの住居を点検することによって得られるセルフ点検情報を受信する。プロセッサ部212によって受信されるセルフ点検情報の一例は、居住者Aが点検した日、居住者Aが点検した場所、居住者Aが点検済みの項目、居住者Aが居住者Aの住居の少なくとも一部を撮影した画像(例えば、静止画、動画)などであるが、これらに限定されない。
【0070】
ステップS402:プロセッサ部212は、ステップS401において受信されたセルフ点検情報をセルフ点検データベース部242に蓄積する。
【0071】
ステップS403:プロセッサ部212は、セルフ点検データベース部242に蓄積されたセルフ点検情報に基づいて、居住者Aがセルフ点検に関する所定の条件を満たしているか否かを判定する。このような判定は、プロセッサ部212によって自動的に行われる。セルフ点検に関する所定の条件は、例えば、点検項目データベース部244に格納されている点検項目を達成した回数の合計が所定の回数を超えたこと、または、所定の期間の間継続的にセルフ点検情報を住居管理会社に提供したことであるが、これに限定されない。判定結果が「Yes」の場合には、プロセッサ部212による処理はステップS404に進み、判定結果が「No」の場合には、プロセッサ部212による処理は終了(正常終了)する。
【0072】
あるいは、プロセッサ部212は、ステップS401において受信されたセルフ点検情報に基づいて、居住者Aがセルフ点検に関する所定の条件を満たしているか否かを判定するようにしてもよい。例えば、プロセッサ部212は、ステップS401において受信されたセルフ点検情報に含まれる点検場所における点検済みの項目が、点検項目データベース部244に格納されているその点検場所における全ての必須の項目(または全ての項目)を含んでいるか否かを判定し、判定結果が「Yes」である場合に、居住者Aがセルフ点検に関する所定の条件を満たしていると判定するようにしてもよい。これにより、セルフ点検情報を住居管理会社に1回でも提供すると、居住者はセルフ点検に関する所定の条件を満たしているとすることが可能である。
【0073】
なお、ステップS403は、例えば、ステップS401においてセルフ点検情報が受信されたことに応答して実行されてもよいし、所定の期間ごとに実行されてもよいし、会員登録の日から所定の期間経過後に実行されてもよい。
【0074】
ステップS404:プロセッサ部212は、居住者Aが優良居住者であることを居住者Aに関連付けられた優良居住者フラグが示すように、居住者データベース部241に格納されている居住者Aに関連付けられた優良居住者フラグを更新する。
【0075】
このように、居住者Aから受信されたセルフ点検情報に基づいて居住者Aを優良居住者に変更することが可能であり、かつ、居住者Aから受信されたセルフ点検情報に基づいて(具体的には、居住者Aから受信されたセルフ点検情報に基づいて更新された優良居住者フラグを参照することによって)居住者Aが優良居住者であるか否かを判定することが可能である。
【0076】
また、サーバ装置210(より具体的には、サーバ装置210のプロセッサ部212)は、ステップS404において居住者Aが優良居住者であることを居住者Aの優良居住者フラグが示すように居住者Aの優良居住者フラグが更新されることにより、居住者Aが優良居住者であると判定されると、ポイントデータベース部243に格納されている居住者Aが保有しているポイントを増加させるように、ポイントデータベース部243を更新してもよい。これにより、居住者Aが優良居住者であると判定されたことに応じて、ポイントが居住者Aに付与されることが可能である。
【0077】
なお、
図4に示される実施形態では、プロセッサ部212が、セルフ点検データベース部242に蓄積されたセルフ点検情報、または、ステップS401において受信されたセルフ点検情報に基づいて、居住者Aがセルフ点検に関する所定の条件を満たしているか否かを自動的に判定する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、プロセッサ部212の代わりに人工知能(AI)が、セルフ点検データベース部242に蓄積されたセルフ点検情報、または、ステップS401において受信されたセルフ点検情報に基づいて、セルフ点検情報に含まれる画像を自動的に解析し、居住者Aによるセルフ点検の達成度を自動的に測定し、居住者Aを優良居住者に変更すべきか否かを自動的に判定するようにしてもよい。
【0078】
また、プロセッサ部212(または、人工知能(AI))は、セルフ点検情報が居住者Aの住居の不具合を含むか否かを自動的に判定するようにしてもよい。例えば、セルフ点検情報が居住者Aの住居の不具合を含むと判定された場合には、プロセッサ部212(または、人工知能(AI))は、居住者Aの住居の修理または修繕を促すための通知を居住者Aに(より具体的には、居住者Aによって操作されるユーザ装置220
1に)送信するようにしてもよい。
【0079】
図5は、サーバ装置210において実行される処理のフローの他の一例を示す。
図5に示される処理のフローは、居住者Aに特典を提供するためのものである。以下、
図5に示される各ステップを詳しく説明する。
【0080】
ステップS501:プロセッサ部212は、居住者Aが優良居住者であるか否かを判定する。このような判定は、例えば、居住者データベース部241に格納されている居住者Aの優良居住者フラグを参照して行なわれる。あるいは、このような判定は、
図4のステップS401において受信されたセルフ点検情報に含まれる点検済みの項目と点検項目データベース部244に格納されている点検項目とを比較することによって行われてもよいし、
図4のステップS401において受信されたセルフ点検情報に含まれる画像を解析することによって行われてもよい。判定結果が「Yes」の場合には、プロセッサ部212による処理はステップS502に進み、判定結果が「No」の場合には、プロセッサ部212による処理は終了(正常終了)する。
【0081】
ステップS502:プロセッサ部212は、居住者Aに特典を提供するための処理を実行する。この処理は、例えば、特典データベース部245を参照して実行される。居住者Aに特典を提供するための処理は、例えば、特典データベース部245を参照して居住者Aに提供されるべき特典を特定すること、特定された特典を居住者Aに提供するフラグを立てることなどであるが、これらに限定されない。特典は、例えば、ポイントの付与であってもよいし、ポイントの充当であってもよいし、クーポン券の配布であってもよいし、キャッシュバックであってもよいし、金券の配布であってもよい。
【0082】
このように、
図4および
図5に示される実施形態によれば、居住者Aは、居住者Aの住居のセルフ点検情報を提供することにより、特典を受け取ることが可能である。これにより、居住者Aは、居住者Aの住居のセルフ点検情報をさらに提供するように促進される。居住者Aの住居のセルフ点検情報が蓄積されることにより、居住者Aの住居内の情報を多く残すことが可能であり、蓄積された居住者Aの住居のセルフ点検情報は、住居の資産価値向上および住居の長寿命化に資するものであり、居住者Aの住居の客観的な評価(例えば、保険の査定)の際に有用である。
【0083】
なお、
図5のステップS501が実行されるタイミングは任意である。
図5のステップS501は、例えば、所定の期間ごとに(例えば、会員登録した日から1年ごとに)実行されてもよいし、所定のタイミングで(例えば、居住者Aが居住者Aの住居を点検することによって得られるセルフ点検情報を居住者Aから受信してそのセルフ点検情報をセルフ点検データベース部242に蓄積したことに応答して)実行されてもよい。
【0084】
図6は、サーバ装置210において実行される処理のフローの他の一例を示す。
図6に示される処理のフローは、居住者Aが保有するポイントの少なくとも一部を有料のサービスの費用に充当するためのものである。以下、
図6に示される各ステップを詳しく説明する。
【0085】
ステップS601:プロセッサ部212は、居住者Aから(例えば、居住者Aによって操作されるユーザ装置220
1から)、住居に関連するサービスの提供依頼を受信する。住居に関連するサービスは、例えば、緊急時駆けつけ点検サービス、住居の定期点検サービス、住居に関連する部品の交換・修理・補修サービス、住居のリフォームサービスなどであるが、これらに限定されない。住居に関連するサービスは、有料のサービスおよび無料のサービスを含む。
【0086】
ステップS602:プロセッサ部212は、居住者Aからの住居に関連するサービスの提供依頼に応答して、住居に関連するサービスを居住者Aに提供するための処理を実行する。この処理の一例は、居住者Aの住居の近くに居る従業員が所有する装置に、居住者Aからの住居に関連するサービスの提供依頼を転送することや、居住者Aからの住居に関連するサービスの提供依頼と居住者Aに関する情報とをサービス提供会社に送信することなどであるが、これらに限定されない。
【0087】
住居に関連するサービスが居住者Aに提供されると、居住者Aの住居に提供されたサービスの内容が、住居データベース部246に格納され、居住者Aの住居に提供されたサービスの履歴として蓄積される。このような居住者Aの住居に提供されたサービスの履歴は、会員である他の居住者に提供されることが可能である。
【0088】
ステップS603:プロセッサ部212は、居住者Aが優良居住者であるか否かを判定する。このような判定は、
図5のステップS501における判定と同一であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0089】
ステップS604:プロセッサ部212は、居住者Aが保有するポイントの少なくとも一部を、住居に関連するサービスに係る費用に充当するための充当処理を実行する。住居に関連するサービスに係る費用は、例えば、住居に関連するサービスを受けるための会員登録を維持するための会費、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスの費用などを含み得る。従って、この充当処理の一例は、ポイントデータベース部243に格納されている居住者Aが保有するポイントの少なくとも一部を、住居に関連するサービスを受けるための会員登録を維持するための会費に充当するように、ポイントデータベース部243を更新し、居住者Aから住居管理会社に支払われる会費を一定期間無料にするまたは低減することである。この充当処理の他の一例は、ポイントデータベース部243に格納されている居住者Aが保有するポイントの少なくとも一部を、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスの費用に充当するように、ポイントデータベース部243を更新することである。
【0090】
なお、プロセッサ部212は、ポイントの少なくとも一部を有料のサービスの費用に充当する前に(例えば、
図6のステップS602の後かつステップS603の前の任意のタイミングで)、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスが居住者Aに提供されたか否かを判定し、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスが居住者Aに提供されたと判定された場合に、
図6のステップS604を実行するようにしてもよい。例えば、居住者Aからの住居に関連するサービスの提供依頼に応答して有料のサービスが居住者Aに提供されたことを示すユーザ入力を受信したことによって、有料のサービスが居住者Aに提供されたと判定されてもよい。あるいは、居住者Aからの住居に関連するサービスの提供依頼が、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスを示す情報を含んでいることによって、有料のサービスが居住者Aに提供されたと判定されてもよい。
【0091】
また、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスが居住者Aに提供されたと判定され、かつ、居住者Aが優良居住者ではないと判定された場合には、プロセッサ部212は、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスの費用を居住者Aに請求するための処理を実行することが可能である。住居に関連するサービスのうちの有料のサービスの費用を居住者Aに請求するための処理は、例えば、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスの費用を月末に居住者Aに請求するための請求フラグを立てることなどを含むが、これに限定されない。
【0092】
ステップS605:プロセッサ部212は、ポイントの充当処理を実行した旨の報告を居住者Aに提示するための処理を実行する。ポイントの充当処理を実行した旨の報告を居住者Aに提示するための処理は、例えば、居住者Aによって操作されるユーザ装置210
1に、ポイントの充当処理を実行した旨の報告を表示させることや、居住者Aによって操作されるユーザ装置210
1に、ポイントの充当処理を実行した旨の報告を音声で出力させることなどであるが、これらに限定されない。
【0093】
ステップS606:プロセッサ部212は、住居に関連するサービスに係る費用を居住者Aに請求するための処理を実行する。この処理は、例えば、住居に関連するサービスを受けるための会員登録を維持するための会費を居住者Aに請求する処理、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスが居住者Aに提供されたと判定された場合に、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスの費用を月末に居住者Aに請求するための請求フラグを立てることなどを含むが、これらに限定されない。
【0094】
あるいは、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスが居住者Aに提供されたと判定された場合に、プロセッサ部212は、ステップS604において充当処理されたポイントより高いポイントを、住居に関連するサービスのうちの有料のサービスの費用に充当するための処理を実行するようにしてもよい。これにより、優良居住者は、優良居住者ではない居住者よりも割安で充当サービスを利用することが可能である。
【0095】
なお、
図6のステップS603の後かつステップS604の前の任意のタイミングにおいて、プロセッサ部212が、ステップS604におけるポイントの充当処理を実行してよいか否かの問い合わせを居住者Aに行うための処理を実行し、ステップS604におけるポイントの充当処理を実行してよいとされた場合に、プロセッサ部212が、ステップS604におけるポイントの充当処理を実行するようにしてもよい。ステップS604におけるポイントの充当処理を実行してよいか否かの問い合わせを居住者Aに行うための処理は、例えば、居住者Aによって操作されるユーザ装置220
1に、ステップS604におけるポイントの充当処理を実行してよいか否かの問い合わせを表示させる処理、居住者Aによって操作されるユーザ装置220
1に、ステップS604におけるポイントの充当処理を実行してよいか否かの問い合わせを音声出力させる処理を含むが、これらに限定されない。また、例えば、プロセッサ部212は、ステップS604におけるポイントの充当処理の許可を示すユーザ入力を(例えば、居住者Aによって操作されるユーザ装置220
1から)受信したことよって、ステップS604におけるポイントの充当処理を実行してよいとされたと判定してもよい。
【0096】
なお、
図4〜
図6に示される実施形態では、プロセッサ部がメモリ部に格納されたプログラムを実行することによって、
図4〜
図6に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。
図4〜
図6に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0097】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
前記実行手段は、前記充当処理を実行する前に、前記充当処理を実行してよいか否かの問い合わせを前記居住者に行うための処理をさらに実行し、前記充当処理を実行してよいとされた場合に、前記充当処理を実行する、請求項5〜9のいずれかに記載のコンピュータシステム。