【解決手段】レンズケース300は、回路基板200と対面する板状のケース本体部310と、ケース本体部310の、複数の発光装置100の各々と対面する位置に設けられたレンズ部320とを有する。レンズ部320は、発光装置100が放射した可視光の指向性を調整する。遮光本体部410は、外部からレンズケース300に入射しようとする外光を遮る。遮光本体部410には、レンズ部320で指向性が調整された可視光が通過する開口部420が形成されている。遮光本体部410とケース本体部310との間に間隔が確保されている。各々の開口部420の、表示画面上での上下方向に相当するY軸方向のサイズが、その開口部420を通過する可視光の指向性を調整するレンズ部320の、Y軸方向のサイズ以下である。
前記表示画面を13°以下の仰角で見上げる観察者の視線の方向に見た場合に、前記ケース本体部の、各々の前記レンズ部の前記表示画面上での上方に相当する部分が、前記遮光本体部によって覆い隠されて見える、
請求項2に記載の表示ユニット。
前記表示画面を5°以下の俯角で見下ろす観察者の視線の方向に見た場合に、前記ケース本体部の、各々の前記レンズ部の前記表示画面上での下方に相当する部分が、前記遮光本体部によって覆い隠されて見える、
請求項2又は3に記載の表示ユニット。
各々の前記開口部の、前記表示画面上での左右方向に相当する方向のサイズが、該開口部を通過する前記可視光の前記指向性を調整する前記レンズ部の、前記左右方向に相当する方向のサイズ以下である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の表示ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、実施形態1−8に係る表示装置について説明する。図中、同一又は対応する部分に同一の符号を付す。
【0013】
[実施形態1]
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置700は、それぞれ映像を表示する複数の表示ユニット500と、それら複数の表示ユニット500を保持するフレーム600とを備える。複数の表示ユニット500は、フレーム600において、マトリクス状に配列されている。これにより、複数の表示ユニット500が、全体として1つの表示画面710を構成している。その表示画面710に、映像が表示される。つまり、各々の表示ユニット500は、表示画面710の一部を構成している。
【0014】
以下の説明のために、表示画面710において複数の表示ユニット500が構成するマトリクスの行に平行なX軸、そのマトリクスの列に平行なY軸、及び表示画面710に対する法線に平行なZ軸を有する右手系のXYZ直交座標系を定義する。表示画面710からZ軸に沿って外方に向かう方向が、Z軸のプラス方向である。
【0015】
図2に示すように、各々の表示ユニット500は、それぞれ可視光を放射する複数の発光装置100と、それら複数の発光装置100が2次元に分布した状態に配列されている回路基板200とを備える。複数の発光装置100は、具体的には、回路基板200上にマトリクス状に配列されている。複数の発光装置100が回路基板200上で構成するマトリクスの行は、X軸と平行であり、そのマトリクスの列は、Y軸と平行である。
【0016】
図示しないが、回路基板200は、各々の発光装置100に、発光に必要な電力を供給すると共にその発光を制御する制御回路を有する。その制御回路を通じて、各々の発光装置100に電力が供給されることにより、各々の発光装置100が発光する。
【0017】
各々の発光装置100は、
図1に示した表示画面710において1つの画素を構成している。各々の発光装置100によって放射される可視光を構成する3原色の光成分間の強度比が、上述した図示せぬ制御回路によって制御されることにより、
図1に示した表示画面710への映像の表示が実現される。
【0018】
図3に示すように、各々の発光装置100は、第1発光素子としての赤色LED(Light Emitting Diode)110R、第2発光素子としての緑色LED110G、及び第3発光素子としての青色LED110Bを備える。赤色LED110Rは、第1原色としての赤色の光を放射する。緑色LED110Gは、第1原色とは異なる第2原色としての緑色の光を放射する。青色LED110Bは、第1原色及び第2原色とは異なる第3原色としての青色の光を放射する。
【0019】
また、発光装置100は、赤色LED110R、緑色LED110G、及び青色LED110Bを保持するパッケージ部材120と、赤色LED110R、緑色LED110G、及び青色LED110Bの各々に、発光に必要な電力を供給するリードフレーム130とを備える。リードフレーム130は、パッケージ部材120と一体に形成されている。
【0020】
図5に示すように、パッケージ部材120は、リードフレーム130を通じて、回路基板200に、機械的及び電気的に接続される。赤色LED110R、緑色LED110G、及び青色LED110Bの各々は、リードフレーム130を通じて、回路基板200が備える図示せぬ制御回路と電気的に接続される。
【0021】
パッケージ部材120は、Z軸方向に深さを有する有底の凹部を画定している。その凹部の底面に、赤色LED110R、緑色LED110G、及び青色LED110Bが取り付けられている。また、発光装置100は、その凹部に充填された封止材140を有する。封止材140は、可視光に対して透明な材料によって構成されている。
【0022】
図2に戻って説明を続ける。各々の表示ユニット500は、回路基板200と対面する位置に配置されたレンズケース300と、レンズケース300の、回路基板200と対面する裏面とは反対側の表面に対面する遮光部材400とをさらに備える。
【0023】
レンズケース300は、回路基板200と対面する板状のケース本体部310と、ケース本体部310の、各々の発光装置100と対面する位置に設けられたレンズ部320とを有する。レンズ部320及びケース本体部310は、空気よりも屈折率が高く、かつ可視光に対して透明な材料によって、一体に形成されている。
【0024】
各々のレンズ部320は、自己に対面する発光装置100が放射した可視光の指向性を調整する。以下、具体的に説明する。
【0025】
図5にも示すように、レンズ部320は、ケース本体部310の遮光部材400と対面する表面よりも、ケース本体部310から遮光部材400に向かうZ軸プラス方向に隆起した形状を有する。即ち、レンズ部320は、Z軸プラス方向に膨らんだ凸レンズを構成している。また、レンズ部320の、発光装置100と対面する裏面は、ケース本体部310と連続して平坦に形成されている。
【0026】
このような形状を有するため、レンズ部320は、発光装置100における赤色LED110R、緑色LED110G、及び青色LED110Bの各々から出射する、放射状に広がりながら伝播する可視光を、平行光に近づける。つまり、レンズ部320は、発光装置100が放射した可視光の指向性を高める。
【0027】
図2に戻って説明を続ける。遮光部材400は、外部から回路基板200に向かってレンズケース300に入射しようとする外光を遮る板状の遮光本体部410を有する。遮光本体部410は、レンズケース300と対面する位置に配置されている。
【0028】
遮光本体部410の、外光に対する反射率は、レンズケース300の、外光に対する反射率よりも小さい。このため、遮光本体部410は、
図1に示す表示画面710で外光が反射した反射光が、表示画面710を見る観察者の目に届くのを抑制する。これにより、表示画面710に表示される映像のコントラストが向上する。
【0029】
遮光本体部410には、各々のレンズ部320で指向性が調整された可視光が通過する開口部420が、発光装置100毎に形成されている。発光装置100から出射し、レンズ部320で指向性が調整された可視光は、開口部420を通過して観察者の目に届く。
【0030】
また、遮光部材400は、遮光本体部410の、外部に面する表面から外方に突出している、ひさし部430も有する。ひさし部430の、外光に対する反射率は、レンズケース300の、外光に対する反射率よりも小さい。
【0031】
ひさし部430は、Z軸方向に高さを有し、X軸方向に延在している。そして、複数のひさし部430が、Y軸方向に配列されている。Y軸方向には、開口部420とひさし部430とが交互に並んでいる。ひさし部430は、開口部420への外光の入射を抑制することにより、コントラストの向上に寄与する。
【0032】
以下、各々の開口部420と、その開口部420を通過する可視光の指向性を調整するレンズ部320との配置関係について具体的に説明する。
【0033】
図4に示すように、Z軸に平行な視線で見て、各々の開口部420は円形に形成されており、各々のレンズ部320は、楕円形に形成されている。そして、Z軸に平行な視線で見て、各々の開口部420のサイズは、その開口部420を通過する可視光の指向性を調整するレンズ部320のサイズよりも小さい。具体的には、Z軸に平行な視線で見て、開口部420の内縁は、全周にわたって、レンズ部320の外縁320eよりも、そのレンズ部320の光軸に近い内側に配置されている。
【0034】
つまり、Z軸に平行な視線で見て、開口部420の、
図1に示す表示画面710上での上下方向に相当するY軸方向のサイズが、レンズ部320のY軸方向のサイズよりも小さく、かつ開口部420の、
図1に示す表示画面710上での左右方向に相当するX軸方向のサイズが、レンズ部320のX軸方向のサイズよりも小さい。
【0035】
図5は、
図4の破線AA−AAの位置における断面を示す。遮光本体部410とケース本体部310との間には、Z軸方向に間隔が確保されている。その遮光本体部410とケース本体部310との間の間隔は、各々のレンズ部320の、ケース本体部310の表面からのZ軸プラス方向の高さ以上である。つまり、レンズ部320は、開口部420に嵌っていない。
【0036】
しかし、
図4を参照して説明したように、Z軸に平行な視線で見て、各々の開口部420のサイズがレンズ部320のサイズよりも小さいので、
図1に示す表示画面710を見る観察者にケース本体部310が視認されにくい。従って、ケース本体部310で反射した外光が観察者の目に届く事態が生じにくい。この結果、表示画面710に表示される映像のコントラストが高められる。
【0037】
また、レンズ部320が開口部420に突出していないので、レンズ部320が開口部420に突出している場合に比べて、レンズ部320で反射した外光が観察者の目に届きにくい。このこともコントラストの向上に寄与する。
【0038】
また、遮光本体部410とケース本体部310との間に間隔が確保されているので、遮光本体部410とレンズケース300の一方から他方に熱が伝わりにくく、遮光本体部410及びレンズケース300に熱応力が生じにくい。
【0039】
なお、本実施形態では、Z軸に平行な視線で見て、開口部420の内縁がレンズ部320の外縁320eよりも内側に配置されていることを条件として、レンズケース300に対する遮光部材400のXY平面上における相対位置のずれが許容される。このため、製造マージンが大きくなって製造コストが下がるという効果も得ることができる。
【0040】
[実施形態2]
上記実施形態1では、
図4に示したように、開口部420のY軸方向のサイズを、レンズ部320のY軸方向のサイズよりも小さいものとしたが、開口部420のY軸方向のサイズは、レンズ部320のY軸方向のサイズと等しくてもよい。以下、その具体例について述べる。
【0041】
図6に示すように、本実施形態では、Z軸に平行な視線で見て、レンズ部320の外縁320eが、Y軸方向に関して開口部420の内縁に内接している。つまり、開口部420のY軸方向のサイズと、レンズ部320のY軸方向のサイズとが等しい。他の構成は、実施形態1と同じである。本実施形態によっても実施形態1と同様の効果が得られる。
【0042】
[実施形態3]
上記実施形態1では、
図4に示したように、開口部420のX軸方向のサイズを、レンズ部320のX軸方向のサイズ以下としたが、開口部420のX軸方向のサイズは、レンズ部320のX軸方向のサイズより大きくてもよい。以下、その具体例について述べる。
【0043】
図7に示すように、本実施形態では、Z軸に平行な視線で見て、レンズ部320の外縁320eが、X軸方向に関しては、開口部420の内縁よりも内側に配置されている。しかし、Y軸方向に関しては、実施形態1と同様に、開口部420の内縁がレンズ部320の外縁320eよりも内側に配置されているため、その分、遮光本体部410と重ならないケース本体部310が狭小化する。
【0044】
特に、Y軸方向に関しては、開口部420の内縁がレンズ部320の外縁320eよりも内側に配置されているため、外光が
図1に示す表示画面710に斜め上方から入射する場合であっても、レンズ部320の周囲のケース本体部310のうち、レンズ部320の上方及び下方に位置する部分が、表示画面710を見上げる観察者に対して目立ちにくい。従って、ケース本体部310で反射されて観察者の目に届く外光の量が減少し、映像のコントラストが向上する。
【0045】
[実施形態4]
図6には、Z軸に平行な視線で見て、開口部420の中心位置と、レンズ部320の中心位置とが、Y軸方向に揃っている構成を例示したが、開口部420の中心位置は、レンズ部320の中心位置に対して、Y軸方向にずれていてもよい。以下、その具体例について述べる。
【0046】
図8に示すように、本実施形態では、各々の開口部420の中心位置CAが、その開口部420を通過する可視光の指向性を調整するレンズ部320の中心位置CBよりも、
図1に示す表示画面710上での下方に相当するY軸マイナス方向にずれている。
【0047】
なお、開口部420の中心位置CAとは、開口部420の、
図1に示す表示画面710に平行なXY仮想平面内における幾何的な中心の位置を意味する。また、レンズ部320の中心位置CBとは、レンズ部320の、
図1に示す表示画面710に平行なXY仮想平面内における光軸の位置を意味する。
【0048】
そして、Z軸に平行な視線で見た場合に、レンズ部320の上端部、即ち、Y軸プラス方向の端部が、遮光本体部410によって覆われている。開口部420の内縁における最も下方、即ち最もY軸マイナス方向に位置する部分のY軸方向の位置は、レンズ部320の外縁320eにおける最も下方に位置する部分のY軸方向の位置と揃っている。
【0049】
図9は、
図8の破線BB−BBの位置における断面を示す。遮光本体部410とケース本体部310との間に間隔が確保されている点は、実施形態1と同じである。回路基板200の法線NLに対して、θA=13°傾いた第1仮想視線軸VLAを定義する。
【0050】
第1仮想視線軸VLAは、
図1に示す表示画面710を13°の角度で見上げる観察者の視線の方向として想定される。つまり、第1仮想視線軸VLAは、法線NLに対して、X軸のマイナス方向からプラス方向に見て反時計回りに13°回転している。即ち、θAは仰角を表す。
【0051】
第1仮想視線軸VLAは、X軸に平行な断面視で見て、開口部420の内縁における最も上方、即ち最もY軸プラス方向に位置する部分と、レンズ部320の外縁320eにおける最も上方に位置する部分とを結ぶ。
【0052】
従って、
図1に示す表示画面710を仰角θA=13°及びそれよりも小さい仰角で見上げた場合には、ケース本体部310の、レンズ部320のY軸プラス方向に位置する部分が、遮光本体部410によって覆い隠されて見える。
【0053】
このため、仮に、ケース本体部310の、レンズ部320のY軸プラス方向に位置する部分で外光が反射した場合であっても、その反射光は、仰角θA=13°以下の角度で
図1に示す表示画面710を見上げる観察者の目には届かない。この結果、映像のコントラストが向上する。
【0054】
なお、既述のように、Z軸に平行な視線で見て、開口部420の内縁における最も下方に位置する部分と、レンズ部320の外縁320eにおける最も下方に位置する部分とのY軸方向の位置は揃っている。このため、たとえ上述した仰角が0°であっても、ケース本体部310の、レンズ部320のY軸マイナス方向に位置する部分は、遮光本体部410によって覆い隠されて見える。
【0055】
[実施形態5]
図8には、Z軸に平行な視線で見て、開口部420の中心位置CAが、レンズ部320の中心位置CBよりも、Y軸マイナス方向にずれた構成を例示したが、開口部420の中心位置CAは、レンズ部320の中心位置CBよりも、Y軸プラス方向にずれていてもよい。以下、その具体例について述べる。
【0056】
図10に示すように、本実施形態では、各々の開口部420の中心位置CAが、その開口部420を通過する可視光の指向性を調整するレンズ部320の中心位置CBよりも、
図1に示す表示画面710上での上方に相当するY軸プラス方向にずれている。
【0057】
そして、Z軸に平行な視線で見た場合に、レンズ部320の下端部、即ち、Y軸マイナス方向の端部が、遮光本体部410によって覆われている。開口部420の内縁における最も上方、即ち最もY軸プラス方向に位置する部分のY軸方向の位置は、レンズ部320の外縁320eにおける最も上方に位置する部分のY軸方向の位置と揃っている。
【0058】
図11は、
図10の破線CC−CCの位置における断面を示す。回路基板200の法線NLに対して、θB=5°傾いた第2仮想視線軸VLBを定義する。第2仮想視線軸VLBは、
図1に示す表示画面710を5°の角度で見下ろす観察者の視線の方向として想定される。つまり、第2仮想視線軸VLBは、法線NLに対して、X軸のマイナス方向からプラス方向に見て時計回りに5°回転している。即ち、θBは俯角を表す。
【0059】
第2仮想視線軸VLBは、X軸に平行な断面視で見て、開口部420の内縁における最も下方、即ち最もY軸マイナス方向に位置する部分と、レンズ部320の外縁320eにおける最も下方に位置する部分とを結ぶ。
【0060】
従って、
図1に示す表示画面710を俯角θB=5°及びそれよりも小さい俯角で見下ろす場合には、ケース本体部310の、レンズ部320のY軸マイナス方向に位置する部分が、遮光本体部410によって覆い隠されて見える。
【0061】
このため、仮に、ケース本体部310の、レンズ部320のY軸マイナス方向に位置する部分で外光が反射した場合であっても、その反射光は、俯角θB=5°以下の角度で
図1に示す表示画面710を見下ろす観察者の目には届かない。この結果、映像のコントラストが向上する。
【0062】
なお、既述のように、Z軸に平行な視線で見て、開口部420の内縁における最も上方に位置する部分と、レンズ部320の外縁320eにおける最も上方に位置する部分とのY軸方向の位置は揃っている。このため、たとえ上述した俯角が0°であっても、ケース本体部310の、レンズ部320のY軸プラス方向に位置する部分は、遮光本体部410によって覆い隠されて見える。
【0063】
[実施形態6]
上記実施形態4の構成と上記実施形態5の構成とを組み合わせることもできる。以下、その具体例について述べる。
【0064】
図12に示すように、本実施形態では、X軸に平行な断面視で見て、開口部420の内縁における最も上方に位置する部分と、レンズ部320の外縁320eにおける最も上方に位置する部分とが、第1仮想視線軸VLAによって結ばれ、かつ開口部420の内縁における最も下方に位置する部分と、レンズ部320の外縁320eにおける最も下方に位置する部分とが、第2仮想視線軸VLBによって結ばれている。
【0065】
このため、本実施形態によれば、
図1に示す表示画面710を仰角13°以下の角度で見上げる場合、俯角5°以下の角度で見下ろす場合、及び法線NLに沿って見る場合、のいずれの場合においても映像のコントラストが改善される。
【0066】
図13に、本実施形態に係る表示装置700の使用の態様を示す。本実施形態では、表示装置700が、自動車MVを運転しているドライバーの視界に入る位置に設置される。表示装置700は、事故の発生、混雑の状況、通行規制、天候等に関する道路情報を映像として視覚的にドライバーに提供する道路情報表示装置としての役割を果たす。
【0067】
表示装置700が、下り坂を走行しているドライバーの先方に位置する場合、そのドライバーによって表示装置700が見下ろされる。その場合でも、表示装置700は、そのドライバーに対し、俯角5°以下の範囲において、特に良好なコントラストで道路情報を提供することができる。
【0068】
また、表示装置700は、その表示装置700の近傍を走行するドライバーによって見上げられる場合もある。その場合でも、表示装置700は、そのドライバーに対し、仰角13°以下の範囲において、特に良好なコントラストで道路情報を提供することができる。
【0069】
[実施形態7]
上記実施形態1−6のいずれかの構成において、ケース本体部310に、外光の反射を抑制する構成を付加してもよい。以下、上記実施形態6に係るケース本体部310に、外光の反射を抑制する構成を付加した具体例を述べる。
【0070】
図14に示すように、本実施形態では、レンズケース300が、ケース本体部310の表面に形成されているARコーティング(Anti Reflection Coating)331を有する。ARコーティング331は、外部から開口部420を通して入射する外光に対する反射率をレンズ部320よりも低下させる反射抑制部の一例である。ARコーティング331は、ケース本体部310の表面の全域に形成されている。
【0071】
ARコーティング331の表面で反射した外光は、ARコーティング331とケース本体部310との界面で反射した外光を干渉によって減衰させる。このため、
図1に示す表示画面710を見る角度によっては開口部420からARコーティング331が見えている場合であっても、映像のコントラストをさらに向上させることができる。
【0072】
[実施形態8]
上記実施形態7では、反射抑制部としてのARコーティング331を形成したが、反射抑制部に代えて、外光を散乱させる散乱部を形成してもよい。以下、その具体例を述べる。
【0073】
図15に示すように、本実施形態では、ケース本体部310の表面に、レンズ部320の表面よりも表面粗外が大きい粗化部332が形成されている。粗化部332は、粗化処理としてのサンドブラスト処理によって形成されたものであり、外光を散乱させる散乱部の一例である。
【0074】
本実施形態によれば、粗化部332に入射した外光が、粗化部332において散乱する。このため、粗化部332に入射した外光が、特定の方向に強く反射しにくい。このため、
図1に示す表示画面710を見る角度によっては開口部420から粗化部332が見えている場合であっても、映像のコントラストをさらに向上させることができる。
【0075】
以上、実施形態1−8について説明した。本発明はこれに限られず、以下に述べる変形も可能である。
【0076】
上記実施形態1では、
図4に示したように、開口部420が、Z軸に平行な視線で見て円形に形成されている場合について述べたが、開口部420は、Z軸に平行な視線で見て楕円形に形成されていてもよい。また、実施形態1では、
図4に示したように、レンズ部320が、Z軸に平行な視線で見て楕円形に形成されている場合について述べたが、レンズ部320は、Z軸に平行な視線で見て円形に形成されていてもよい。
【0077】
上記実施形態1では、
図5に示したように、遮光本体部410とケース本体部310との間に、レンズ部320の高さ以上の間隔が確保されており、レンズ部320が開口部420に突出してない構成を例示した。遮光本体部410とケース本体部310との間の間隔が、レンズ部320の高さ未満であって、レンズ部320が開口部420に突出していてもよい。
【0078】
上記実施形態4、5では、
図9、
図11に示したように、遮光本体部410とケース本体部310との間に、レンズ部320の高さ以上の間隔が確保されており、レンズ部320が開口部420に突出してない構成を例示した。遮光本体部410とケース本体部310との間の間隔が、レンズ部320の高さ未満であって、レンズ部320が開口部420に突出していてもよい。また、実施形態4、5に係る構成においては、遮光本体部410とケース本体部310との間に間隔が無く、遮光本体部410とケース本体部310とが接していてもよい。
【0079】
上記実施形態7、8では、実施形態6の構成に対して、ARコーティング331又は粗化部332を付加した具体例について述べたが、ARコーティング331又は粗化部332は、実施形態1−5の構成に対して付加してもよい。
【0080】
上記実施形態7、8では、ケース本体部310の表面の全域に、ARコーティング331又は粗化部332が形成されている構成を例示したが、ARコーティング331又は粗化部332は、ケース本体部310の、レンズ部320の周囲の領域だけに形成されていてもよい。
【0081】
上記実施形態7では、外光に対する反射率をレンズ部320よりも低下させる反射抑制部として、外光を透過させ干渉によって外光を減衰させるARコーティング331を例示した。反射抑制部として、外光に対して不透明であり、かつ外光に対する反射率がレンズ部320の表面より小さいもの、具体的には、黒色の塗料を用いてもよい。
【0082】
上記実施形態8では、外光を散乱させる散乱部として粗化部332を例示した。粗化部332は、つや消し処理された部分であってもよいし、回折格子であってもよい。回折格子は、1次元のリッジ及びトレンチで構成されたものであってもよいし、2次元のリッジ及びトレンチで構成されたものであってもよい。また、粗化部332は、機械的な加工によって形成されたものであってもよいし、化学的なエッチングによって形成されたものであってもよい。
【0083】
図2には、Z軸に平行な平面視でX軸方向に延在するひさし部430を例示したが、ひさし部430は、Z軸に平行な平面視で各々の開口部420を取り囲んでいてもよい。具体的には、ひさし部430は、Z軸に平行な平面視でX軸方向及びY軸方向に格子状に延在していてもよい。
【0084】
図2には、回路基板200上に複数の発光装置100がマトリクス状に配列されている構成を例示した。複数の発光装置100は、回路基板200上に2次元に分布して配置されていればよく、必ずしもマトリクス状に配列されている必要はない。
【0085】
上記実施形態1−8では、発光装置100が発光ダイオードによって可視光を放射する構成を例示したが、発光装置100は、有機エレクトロルミネッセンスを生じる素子によって可視光を放射するものであってもよい。