【実施例1】
【0021】
本発明の景品取得ゲーム機は、いわゆるアーム機構を備えたクレーンゲーム機であり、その構成は、透明な側壁で囲われた景品配置スペース1と、その景品配置スペース1内に陳列された景品と、その景品を掴み取るキャッチャーと2、キャッチャー2を前後左右上下に動かす操作部3と、キャッチャー2によって掴んだ景品を投下する払出口4と、プレイヤーが景品を取得するための操作時間を設定する操作時間設定手段を主要な構成としている。
【0022】
クレーンゲーム機にはコンピュータが搭載されており、このコンピュータには中央制御装置、記憶部、入力制御部、出力制御部等を備えている。
中央制御装置は、プロセッサやメモリ等により構成されるもので、クレーンゲーム機 全体の制御を司る。中央制御装置は、記憶部に記憶された各種プログラムを実行することによって各種の機能を実現する。
【0023】
前記景品配置スペース1は周囲を壁面によって囲われた直方体状の空間であり、空間の正面窓及び側面窓は透明とされている。
景品配置スペース1内には多数の景品が陳列されている。
景品の種類・形状・大きさ・個数等は特に限定されるものではないが、一例として所定形状のカプセルに収容された景品、キャラクター等のぬいぐるみが多数収容される。
【0024】
景品取得ゲーム機本体の前方中段には操作部3が設けられており、この操作部3は前方に突設した台座に2本のレバー5、6と2個のボタン7、8が設けられている。
プレイヤーはこの操作部3を手動操作してキャッチャー2の移動とアーム9の開閉を行う。
本実施例ではキャッチャーを水平方向(左右・前後)へ動かす左レバー5と、垂直方向(上下)へ動かす右レバー6と、アームを開く開ボタン7とアームを閉じる閉ボタン8を備えている。
【0025】
前記キャッチャー2は、景品配置スペース1内に上方から吊り下げられている。
キャッチャー2の吊り下げ部にはスライド機構が備えられており、このスライド機構によりキャッチャーが水平移動するようになっている。
また、キャッチャー2は上方からワイヤによって吊り下げられて、サーボモータによるワイヤの巻き取り、巻き戻しにより上昇、下降を繰り返す構成とされている。このサーボモータ制御により停止・正転・逆転が正確に行われ、任意の高さで停止するブレーキ機構が構成されている。
キャッチャー2下方には複数本(3本)のアーム9が下方に向かって開閉して景品を掴み取るアームユニットが突設されている。
【0026】
操作部3にはキャッチャーを水平方向へ移動させるための左レバー5と、垂直方向へ移動させるための右レバー6と、アームを開くためのボタン7と、アームを閉じるボタン8が配置されている。
左レバー5を前へ傾けると前方(奥)へ、後ろへ傾けると後方(手前)へ、右に傾けると右方へ、左に傾けると左方へそれぞれキャッチャー2が移動する。
右レバー6を前へ傾けるとキャッチャー2が上昇し、後ろへ傾けるとキャッチャー2が下降する。
これら左レバー5と右レバー6は同時操作が可能とされ、水平移動しながら上下方向にも移動することができ、そのため斜め方向への下降・上昇が可能とされている。
操作部3を操作し、目的の景品の真上にアーム9を移動させ、アーム9を下降させて景品を掴み、景品を掴んだ状態でキャッチャー2を上昇させて景品投下口(払出部)まで移動させ、アームを開いて景品投下口に投下することで景品を取得するゲームが行われる。
景品投下口に投下された景品は払出部(シューター)を通過して、払出口4から装置外へ送り出される。
【0027】
キャッチャー2はアーム9を開閉させて景品を掴む構成とされており、その開閉幅を設定する開閉幅設定手段が備えられている。
この開閉幅設定手段は、開ボタン7、閉ボタン8を押してアーム9の開閉を行うときに、ボタン操作によってモータが作動する時間を制御することにより行われる。
一例として、アーム9が開くモータの作動時間を0.1秒〜2秒の間で設定し、アーム9が閉じるモータの作動時間を0.1秒〜3.5秒の間で設定する。
作動時間が長ければアーム9の動き幅が広く、作動時間が短ければアーム9の動き幅が小さくなり、アームの開閉幅が設定される。
このモータの作動時間は予め設定者により設定される。
【0028】
次に、本発明の景品取得ゲーム機の使用方法を説明する。
クレーンゲーム機の管理者は、電源を入れると共に各種設定を行い、ゲーム可能な状態に設定する。
プレイヤーがコインを投入すると投入したコインに応じてプレイ回数が表示される。
コイン投入後は所定時間を経過すると自動的にゲームが開始される。
プレイヤーの正面にはプレイ可能時間(制限時間)が大きく表示され、ゲーム中は残り秒数がカウント表示される。
タイムオーバーになるまでプレイヤーは自由に操作ができ、この制限時間は一例として20秒、30秒、40秒、50秒、60秒の設定がなされる。
制限時間が長ければ景品を取得するチャンスが高まるが、この制限時間は陳列する景品の単価、あるいは投入したコインに応じて、予め管理者の設定により一回のプレイ可能な時間が設定される。
【0029】
ゲームに際しては、プレイヤーが左レバー5を傾けてキャッチャーを目的の景品の上へ移動させ、右レバー6を傾けてキャッチャー2を下降させ、目的の景品に到達すると開ボタン7を押してアーム9を開き、アーム9内に景品が位置することを確認して、閉ボタン8を押してアームを閉じる。
アームの開き幅、閉じ幅は予め開閉幅設定手段により設定されているので、所定の間隔で開閉が行われる。
景品を掴んだ状態でキャッチャー2を上昇させて景品投下口まで移動させ、アームを開いて景品投下口に投下することで景品を取得するゲームが行われる。
制限時間内であればゲームは続行可能なので、継続して景品取得の操作を行う。
【実施例2】
【0030】
次に、第2実施例にかかる景品取得ゲーム機を説明する。
第2実施例にかかる景品取得ゲーム機は、前記第1実施例の景品取得ゲーム機において、ゲーム性を高めるためのアーム9の掴み具合を加減する緩和手段を設けた構成である。
アームに景品を保持して払出部に落下させることにより景品が取得されるが、景品を掴んだアームを瞬間的あるいは一瞬、わずかに開く方向へ作動させると景品がアームから下方へずれ、あるいはすり落ち、スリリングなゲーム感覚が得られる。
この緩和手段は、アームを開閉させるモータを一瞬開く方向へ作動させることにより行われる。
この緩和手段はアーム9を閉じた場合に作動するが、その作動確率(頻度)はランダムに設定可能であり。アームの開き幅についても調整設定可能である。
【0031】
緩和手段はキャッチャー2の水平方向における位置を検出する検出手段を備えており、景品投下口(払出部)からの距離の遠近に応じてアーム9の掴み具合を加減する機能を調整設定可能としている。
キャッチャー2の吊り下げ部にはスライド機構が備えられており、このスライド機構におけるキャッチャー2の吊り下げ部位を検知することにより景品配置スペース1内のキャッチャー2の水平方向における位置を検出する(検出手段)。
ゲームに際しては、払出部への往復移動に時間を要する遠くのエリアは景品を取得しにくく、近くのエリアはそれに対して取得が容易となる。
そこで、本実施例ではキャッチャー2が払出部から遠くのエリアでアーム9を閉じた場合には緩和手段の作動頻度を低く、または緩和手段のモータの作動時間を短くしてアームの開き幅を狭く設定する。
反対に、キャッチャーが払出部から近くのエリアでアームを閉じた場合には緩和手段の作動頻度を高く、または緩和手段のモータの作動時間を長くしてアームの開き幅を広く設定する。
また、近くのエリアで景品を掴んだ場合には緩和手段がすぐに作動し、遠くのエリアで景品を掴んだ場合にはしばらくして緩和手段が作動する設定とすることも可能である。
このように本実施例では、遠くのエリアの景品は掴み易く、近くのエリアの景品は掴み難く設定がなされ、景品単価に応じた陳列が可能となる。
その他のゲーム方法については前記実施例1と同様である。
【0032】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明の具体的な構成は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲における設定変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、サーボモータによるブレーキ機能について説明したが、このブレーキ機能についてはブレーキシュー等を備えた他の機構を採用する場合であっても本発明に含まれる。
また、前記実施例で説明した操作部については、同様の作用を有するものであれば、ハンドル、グリップ等の機構を採用する場合であっても本発明に含まれる。
前記実施例で説明した開閉幅設定手段についてはモータの回転スピードを制御する方法等、他の機構を採用することも可能である。
前記第2実施例では、緩和手段は景品投下口からの距離の遠近に応じてアーム9の掴み具合を加減する構成としたが、遠近に関わらずさらに多くのエリアに分割して設定する場合であっても本発明に含まれる。