【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の分離装置は、搬送空気で搬送される被処理物を搬送空気から分離する分離装置であって、
中心軸を略水平方向に向けて配置された円筒形状の分離室を内側に有するケーシングと、
上記分離室の周面に形成され、上記搬送空気及び被処理物を分離室内に投入する投入口と、
上記ケーシングの分離室内に上記分離室と同軸に配置された回転軸と、この回転軸の外径側に設けられて径方向に延在し、上記分離室内を周方向の複数の分割室に分割する複数の回転羽根と、上記分離室の少なくとも一方の端面に隣接して配置され、上記複数の回転羽根の少なくとも一方の側縁を固定し、隣り合う上記回転羽根の間に形成される分割室に連通する開口を形成するフレームと、このフレームの開口に固定され、上記搬送空気を透過する一方、搬送空気で搬送された被処理物を捕集する捕集体とを有して上記回転軸回りに回転駆動される回転体と、
上記分離室の少なくとも一方の端面に上記回転体の開口と連通可能に形成され、上記回転体の開口と連通するに伴って、上記回転体の捕集体を通過した微小物と共に分離室内の搬送空気を排出する排気口と、
上記分離室の下部に形成され、上記回転体の捕集体で捕集されて上記分割室内に残った被処理物を排出する被処理物排出口と
を備えることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、中心軸を略水平方向に向けて配置された円筒形状の分離室内で回転体が回転駆動されると共に、被処理物とこの被処理物を搬送する搬送空気が、投入口から分離室内に投入される。分離室内に投入された被処理物及び搬送空気は、回転する回転体の回転羽根と回転羽根との間に形成された分割室に入り、この分割室の回転軸方向の少なくとも一方のフレームに形成された開口から、この開口が分離室の排気口と連通したときに、搬送空気が排出される。このとき、被処理物が、フレームの開口に設けられた捕集体で捕集されて分割室内に残留する。分割室内に残留した被処理物は、回転体が回転して分割室が分離室の下部に達すると、周面に形成された被処理物排出口を通って分割室及び分離室から排出される。このように、本発明の分離装置は、被処理物及び搬送空気を、中心軸を略水平方向に向けて配置された円筒形状の分離室内に導き、回転する回転体で回転軸回りに移動させるに伴って互いに分離するので、鉛直軸回りに旋回する搬送空気の遠心力で被処理物を分離する従来のサイクロンセパレータよりも、高さ方向の寸法を小さくできる。したがって、従来よりも装置の寸法を小さくできる。また、従来のような高所のメンテナンス作業が不要であるので、メンテナンス作業を少ない手間で安全に行うことができる。
【0009】
本発明において、被処理物には、空気で搬送可能な比重を有する物質で形成されたものが該当し、例えば、廃棄物処理の過程で生じるプラスチックや紙等が挙げられる。被処理物の大きさは、例えば、5mm以上30mm以下が、搬送効率や取り扱いの面で好ましい。しかしながら、被処理物には、空気で搬送可能であれば、例えば空き缶等が含まれてもよく、特定の材質には限定されない。また、被処理物の大きさは、空気で搬送可能であれば、特定の寸法には限定されない。
【0010】
一実施形態の分離装置は、上記排気口が、上記分離室の両端面に形成され、
上記回転体のフレームの開口が、上記回転体の両端面に形成されている。
【0011】
上記実施形態によれば、回転体の分割室の搬送空気が、回転体の両端面に形成された開口から、この開口が排気口と連通するときに、排気口を通じてケーシング外に排出される。このように、分離室内で回転駆動される回転体の分割室の両側から、開口と排気口を通して排気が行われるので、ケーシング内における搬送空気の流れが安定する。その結果、搬送空気の流れの脈動や遮断が防止されるので、搬送空気を生成する送風機の負荷を抑えることができる。
【0012】
一実施形態の分離装置は、上記排気口が、上記回転体の複数の分割室の開口と同時に連通するように形成されている。
【0013】
上記実施形態によれば、排気口が回転体の複数の分割室の開口と同時に連通するように形成されているので、回転体の回転に伴い、分割室を区画する回転羽根が排気口を横切っても、開口と排気口との連通状体を保つことができて、排気の流量の変動を少なくできる。したがって、搬送空気の流れの脈動や遮断が防止されて、搬送空気を生成する送風機の負荷を抑えることができる。
【0014】
一実施形態の分離装置は、上記ケーシングに、上記分離室の上部の周面に開口する第2の排気口と、この第2の排気口に設けられた第2の捕集体とを備える。
【0015】
上記実施形態によれば、分割室に被処理物及び搬送空気が導かれる状態で回転体が回転し、分割室の外周側が第2の排気口に連通すると、分割室内の搬送空気が第2の排気口から排出される一方、被処理物が第2の捕集体で捕集されて分割室内に残留する。こうして分離室の周面から排気を行うことにより、回転体の分割室内の搬送空気を効果的に排出することができる。ここで、分離室の周面の第2の排気口から排気を行う場合、回転体の回転羽根の位置によって、投入口から第2の排気口へ至る流れが遮断されることがあるが、分離室の端面から排気を行う第1の排気口と併用することにより、搬送空気の流れの遮断を防止できる。
【0016】
一実施形態の分離装置は、上記排気口が、上記分離室の一方の端面に形成され、
上記回転体のフレームの開口が、上記回転体の一方の端面に形成されている。
【0017】
上記実施形態によれば、回転体の分割室の搬送空気が、回転体の一方の端面に形成された開口が分離室の一方の端面に形成された排気口と連通するときに、上記開口と排気口を通じてケーシング外に排出される。分離装置に供給される被処理物や搬送空気の量に応じて、分離室の端面の排気口及び回転体の端面の開口の数を設定することにより、多様な処理能力の分離装置が得られる。また、分離装置の周辺の機器との位置関係等に応じて、分離室の端面の排気口及び回転体の端面の開口の数を設定することにより、分離装置を高い自由度で設置することができる。
【0018】
一実施形態の分離装置は、上記ケーシングに、上記分離室の端面に形成された吹出口から上記回転体の捕集体に向かって空気を吹き出すパージノズルが設けられている。
【0019】
上記実施形態によれば、ケーシングに設けられたパージノズルにより、分離室の端面の吹出口から回転体の捕集体に向かって空気を吹き出すことにより、搬送空気の流れによって捕集体に付着した被処理物を剥がして効果的に分割室から排出することができる。
【0020】
一実施形態の分離装置は、上記パージノズルは、上記回転体が回転するに伴い、上記捕集体の内径側部分から順に外径側部分へ空気を吹き付けるように形成されている。
【0021】
上記実施形態によれば、パージノズルが、まず捕集体の内径側部分に空気を吹き付け、回転体が回転するに伴って、順に外形側部分に空気を吹き付けるように形成されている。これにより、捕集体に付着した被処理物を内径側部分から外径側部分に向かって順に剥がすことができる。したがって、分離室の径方向の外側に位置する被処理物排出口から、被処理物を効果的に排出させることができる。
【0022】
一実施形態の分離装置は、上記パージノズルの吹出口が、直線状に形成されると共に、上記分離室の径に対して外径側部分が回転体の回転方向に傾斜するように形成されている。
【0023】
上記実施形態によれば、パージノズルの吹出口が、直線状に形成されると共に、分離室の径に対して外径側部分が回転体の回転方向に傾斜するように形成されているので、捕集体の内径側部分から順に外径側部分へ、効果的に空気を吹き付けることができる。