特開2021-70068(P2021-70068A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2021070068-コンテナ移送装置 図000003
  • 特開2021070068-コンテナ移送装置 図000004
  • 特開2021070068-コンテナ移送装置 図000005
  • 特開2021070068-コンテナ移送装置 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-70068(P2021-70068A)
(43)【公開日】2021年5月6日
(54)【発明の名称】コンテナ移送装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20210409BHJP
【FI】
   B25J15/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-196137(P2019-196137)
(22)【出願日】2019年10月29日
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】宮本 喬行
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS12
3C707ES03
3C707ET03
3C707ET08
3C707EU17
3C707MS07
3C707NS19
(57)【要約】
【課題】簡易な構造でヘッド部の破損を防止できるコンテナ移送装置を提供する。
【解決手段】コンテナ移送装置3は、ヘッド部32を少なくとも上下左右方向に移動可能なロボット本体31を備え、コンテナCの両端を保持して移動させる。ヘッド部32は、ベース部34と、可動部35と、爪部36とを備える。ベース部34は、ロボット本体31に接続される。可動部35は、ベース部34に拘束された拘束位置及びベース部34から上方に離れた退避位置に移動可能である。爪部36は、各可動部35に設けられコンテナCを保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部を少なくとも上下左右方向に移動可能なロボット本体を備え、
コンテナの両端を保持して移動させるコンテナ移送装置であって、
ヘッド部は、
ロボット本体に接続されるベース部と、
ベース部に拘束された拘束位置及びベース部から上方に離れた退避位置に移動可能な可動部と、
各可動部に設けられコンテナを保持する爪部とを備えることを特徴とするコンテナ移送装置。
【請求項2】
可動部は、爪部を往復動作させる駆動部を備える請求項1記載のコンテナ移送装置。
【請求項3】
ベース部は、可動部の退避位置への移動を検知する検知部を備える請求項1または2記載のコンテナ移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ移送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンテナ移送装置として、ロボットを用いた段積み段ばらし装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。コンテナ移送装置は、コンテナが置かれている所定の位置までロボットのヘッド部が移動した後、コンテナをその両側から掴んで持ち上げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−124064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンテナが何らかの理由により所定の位置からずれている場合がある。その際、ヘッド部はコンテナを掴むことができず、ヘッド部の破損につながるおそれもある。そのため、広いエリアを監視してコンテナのずれを検出可能なセンサを搭載することも考えられるが、コストの増加につながってしまう。
【0005】
本発明は、簡易な構造でヘッド部の破損を防止できるコンテナ移送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテナ移送装置は、ヘッド部を少なくとも上下左右方向に移動可能なロボット本体を備え、コンテナの両端を保持して移動させる。ヘッド部は、ベース部と、可動部と、爪部とを備える。ベース部は、ロボット本体に接続される。可動部は、ベース部に拘束された拘束位置及びベース部から上方に離れた退避位置に移動可能である。爪部は、各可動部に設けられコンテナを保持する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構造でヘッド部の破損を防止できるコンテナ移送装置を提供できる。
【0008】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかるコンテナ移送システムを模式的に示す正面図。
図2】同実施形態にかかるコンテナ移送システムを模式的に示す平面図。
図3】同実施形態にかかるコンテナ移送装置のヘッド部を模式的に示す斜視図。
図4】同実施形態にかかるコンテナ移送装置のヘッド部の一部を模式的に示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図1図4を用いて説明する。
【0011】
本実施形態のコンテナ移送システム10は、下流側のケースパッカー(図示しない)に向けて、空のコンテナCを供給する。コンテナ移送システム10は、搬送装置1と、コンテナ準備装置2と、コンテナ移送装置3とを備える。
【0012】
搬送装置1は、コンテナCを搬送する。搬送装置1は、ケースパッカーに接続されている。ケースパッカーは、空のコンテナCの中に所定の数の卵パック(図示しない)を自動で収容する。コンテナCは、例えば上面が開口した外形直方体状の合成樹脂製の収納容器である。
【0013】
コンテナ準備装置2は、台車21の上に複数段に段積みされた状態で、コンテナCが一時的に待機する。
【0014】
コンテナ移送装置3は、コンテナCをコンテナ準備装置2から搬送装置1へ移動させる。コンテナ移送装置3は、複数段に段積みされたうち一番上のコンテナCの両端を保持して、コンテナCを1個ずつ移動させる。コンテナ移送装置3は、ロボット本体31と、ヘッド部32と、制御部33とを備える。
【0015】
ロボット本体31は、ヘッド部32が任意に作動する慣用の多関節ロボット(たとえば、6軸垂直多関節ロボット)である。なお、ロボット本体31は、ヘッド部32を少なくとも上下左右方向に移動可能なものであればどのようなものであってもよく、X、Y、Z軸に対してヘッド部32が任意に移動することができるロボットまたは装置など種々のものを採用することができる。
【0016】
ヘッド部32は、ロボット本体31に取り付けられている。ヘッド部32は、ベース部34と、可動部35と、爪部36とを備える。
【0017】
ベース部34は、ロボット本体31に接続される。ベース部34は、可動部35の退避位置への移動を検知する検知部37を備える。検知部37は、たとえば回帰反射型の光電センサである。光電センサの光を図4では、太い一点鎖線で示している。ベース部34は、ロボット本体31の先端部の動きに合わせて移動する。
【0018】
可動部35は、ベース部34に拘束された拘束位置及びベース部34から上方に離れた退避位置に移動可能なものである。図4では、拘束位置を実線で示し、退避位置を二点鎖線で示している。可動部35は、対をなして設けられる。可動部35は、ベース部34に対して回転動作を行う。すなわち、可動部35の基端側はベース部34に対して軸を介して接続されている。可動部35は、拘束位置ではベース部34と一直線状をなし、退避位置では軸を下端にしてベース部34より上に位置する。可動部35は、コンテナ準備装置2上のコンテナCが所定の位置にある場合には拘束位置にある。一方、コンテナ準備装置2上のコンテナCが所定の位置からずれている場合には、ヘッド部32がコンテナCに上方から近付く際に爪部36がコンテナCに当たる。この状態からヘッド部32がさらにコンテナCに近付くと爪部36を介して可動部35がベース部34に対して持ち上がる。このようにして可動部35は、退避位置へと移動する。
【0019】
また、可動部35は、爪部36を往復動作させる駆動部38を備える。駆動部38は、たとえばエアシリンダである。駆動部38は、コンテナCの外側から爪部36をコンテナCに係わり合わせるために爪部36をヘッド部32の中心方向へ近付ける、または、コンテナCから爪部36を外側に外すために爪部36をヘッド部32の外側へ遠ざける。
【0020】
爪部36は、コンテナCを保持する。爪部36は、各可動部35にそれぞれ設けられている。爪部36は、反射板39を備える。反射板39は、光電センサの光の波を反射させるもので、たとえばミラーである。可動部35が拘束位置にあるときは、ミラーで信号光を反射し、その信号光がさえぎられることなく受光素子まで届く。一方、可動部35が退避位置にあるときは、検知部37と反射板39との間で信号光がさえぎられる。また、爪部36の取付が誤っている場合にも、信号光が反射板39でうまく反射されないため、所望の信号光が受光素子まで届かない場合がある。なお、爪部36は、各可動部35に対して着脱可能なものであり、コンテナCの大きさや形状に合わせて異なる複数種類の爪部36を用意しておいてもよい。
【0021】
制御部33は、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換部等の専用または汎用のコンピュータにより構成されている。内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPU、その他の周辺機器が協働することによって、制御部33としての機能が発揮される。本実施形態の制御部33は、ロボット本体31の動きの制御、駆動部38の動きの制御を主として行う。
【0022】
以上説明したように、本実施形態にかかるコンテナ移送装置3は、ヘッド部32を少なくとも上下左右方向に移動可能なロボット本体31を備え、コンテナCの両端を保持して移動させる。ヘッド部32は、ベース部34と、可動部35と、爪部36とを備える。ベース部34は、ロボット本体31に接続される。可動部35は、ベース部34に拘束された拘束位置及びベース部34から上方に離れた退避位置に移動可能である。可動部35は、対をなして設けられる。爪部36は、各可動部35に設けられ、コンテナCを保持する。このようなものであるため、不測の事態が生じた際にヘッド部32が自ら変形(可動部35が退避)することにより、ヘッド部32の破損を回避できる。
【0023】
コンテナCがずれていた場合、ヘッド部32のうちコンテナCに最初に衝突する箇所は、コンテナCの両端部付近に位置する爪部36である。この爪部36は、可動部35と一体となって退避するか否かで、検知部37での検知のON/OFFが切り替わる。そのため、センサとして、広範囲を監視可能なものや、コンテナCの外側に設置されるものが必要なく、ヘッド部32を簡易で、コンパクトな構成にすることができる。
【0024】
可動部35は、爪部36を往復動作させる駆動部38を備える。そのため、コンテナCの大きさに合わせて両側からコンテナCを確実に保持することができる。
【0025】
ベース部34は、可動部35の退避位置への移動を検知する検知部37を備える。そのため、ヘッド部32の変形(可動部35が退避)の検出を簡易な構成で実現できるとともに、爪部36の取付状態の確認も同時に実現可能である。特に、ベース部34に検知部37を備え、爪部36に反射板39を備えるので、種々のコンテナCに対応して爪部36を取り替える場合にも好ましい。
【0026】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0027】
例えば、複数個のコンテナCを一度に移動させてもよいし、収容空間に中身が収容された状態のコンテナCを移動させてもよい。
【0028】
可動部35は、回転動作するものに限られない。爪部36は、コンテナCの収容空間側から両端を保持するものであってもよい。
【0029】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、段積みされたコンテナの段ばらしを行うコンテナ移送装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
3…コンテナ移送装置
31…ロボット本体
32…ヘッド部
34…ベース部
35…可動部
36…爪部
37…検知部
38…駆動部
C…コンテナ
図1
図2
図3
図4