(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-70965(P2021-70965A)
(43)【公開日】2021年5月6日
(54)【発明の名称】舗装方法および舗装構造
(51)【国際特許分類】
E01C 5/06 20060101AFI20210409BHJP
【FI】
E01C5/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-197757(P2019-197757)
(22)【出願日】2019年10月30日
(71)【出願人】
【識別番号】300082335
【氏名又は名称】太平洋プレコン工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000210687
【氏名又は名称】秩父コンクリート工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 宏始
(72)【発明者】
【氏名】小泉 政己
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AC04
2D051AF03
2D051AG11
2D051AH01
2D051DA04
2D051DA11
(57)【要約】
【課題】縁石等の端部拘束材を不要とする。
【解決手段】舗装用ブロック9を用いる舗装方法であって、路床上に路盤層3を形成する工程と、舗装用ブロック敷設領域の少なくとも端部に位置する舗装用ブロック9を路盤層3に接着する工程と、路盤層3に接着された舗装用ブロック以外の舗装用ブロックを敷設する舗装用ブロック敷設領域内の前記路盤層3上に敷砂層5を形成する工程と、敷砂層5上に舗装用ブロック9を敷設する工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舗装用ブロックを用いる舗装方法であって、
路床上に路盤層を形成する工程と、
舗装用ブロック敷設領域の少なくとも端部に位置する舗装用ブロックを前記路盤層に接着する工程と、
前記路盤層に接着された舗装用ブロック以外の舗装用ブロックを敷設する舗装用ブロック敷設領域内の前記路盤層上に敷砂層を形成する工程と、
前記敷砂層上に舗装用ブロックを敷設する工程と、を含むことを特徴とする舗装方法。
【請求項2】
前記舗装用ブロックを前記路盤層に接着する工程は、
前記路盤層に第1のポリマーセメントペースト層を設ける工程と、
前記第1のポリマーセメントペースト層上にモルタル層を設ける工程と、
前記モルタル層上に第2のポリマーセメントペースト層を設ける工程と、から構成されることを特徴とする請求項1記載の舗装方法。
【請求項3】
舗装用ブロックの敷設領域の端部に位置する舗装用ブロックとアスファルト舗装面との間に成形目地材を貼付する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の舗装方法。
【請求項4】
前記敷砂層上にジオグリッドを敷設する工程をさらに含み、
前記ジオグリッド上に舗装用ブロックを敷設することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の舗装方法。
【請求項5】
舗装用ブロックを用いた舗装構造であって、
路床上に形成された路盤層と、
舗装用ブロック敷設領域の少なくとも端部に位置する舗装用ブロックが前記路盤層に接着された第1の舗装用ブロック層と、
前記路盤層に接着された舗装用ブロック以外の舗装用ブロックを敷設する舗装用ブロック敷設領域内の前記路盤層上に形成された敷砂層と、
前記敷砂層上に敷設された第2の舗装用ブロック層と、を備えることを特徴とする舗装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁石等の端部拘束材を不要とした舗装方法および舗装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
インターロッキングブロック舗装は、ブロック間の目地に砂を充填し、ブロック上に輪荷重が作用したときに隣接するブロック相互の噛み合わせ効果により、荷重分散効果を生じることを利用して、歩道から車道まで幅広く適用できる舗装である。
【0003】
図1は、インターロッキングブロック舗装における荷重分散の原理を示したものである。輪荷重直下のブロックは、たわむことにより密な状態にある目地砂に、せん断変形が生ずる。このせん断変形により、目地砂が堆積膨張(正のダイレタンシ)することにより、ブロック間に水平方向の圧縮力が発生し、隣接するブロック相互の間に荷重が伝達されることから、インターロッキングブロック舗装と呼ばれる。
【0004】
インターロッキングブロック舗装における敷砂は、ブロックの安定性と平坦性を確保すると共に、インターロッキングブロック層に加わる荷重を均一に分散して路盤に伝達する役目と、ブロック層上の締固めによる沈下に伴い、敷砂上部が目地の下部に充填される役割もある。さらに、交通荷重の繰り返しを受けることによりせん断変形が生じ、次第に交通荷重下でブロック間の噛み合わせが強固となる。施工中や交通荷重下で、目地砂の正のダイレタンシに起因するブロック間の水平方向の圧縮力が発生し、荷重分散効果を生じるため、これらの圧縮力に対して反力を発生させることができる舗装端部の拘束が不可欠となる。このように、インターロッキングブロック舗装は、「ブロック、敷砂、目地砂および舗装端部の拘束」が一体となって荷重分散性能を発揮する
【0005】
特許文献1には、側面に凹凸部、及び目地幅確保用の突起が設けられたインターロッキングブロックが開示されている。このインターロッキングブロックでは、凹凸部を、隣接するインターロッキングブロックの凸凹部に対応させてヘリンボンボンド、ストレッチャーボンド、及びパーケットボンドのいずれのパターンで敷設しても、目地幅確保用の突起以外の部分の側面が隣接するインターロッキングブロックにおける目地幅確保用の突起以外の部分の側面に接触することがないよう目地幅確保用の突起が構成されている。
【0006】
また、特許文献2には、側面に凸部と凹部とが形成されたインターロッキングブロックが開示されている。このインターロッキングブロックは、凸部の最先端部の両側に跨がって目地幅確保用の突起が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−240002号公報
【特許文献2】特開2000−257009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、インターロッキングブロック舗装では、施工中や交通荷重下で、目地砂の正のダイレタンシに起因するブロック間の水平方向に発生する圧縮力に対して反力を発生させることができる舗装端部の拘束が不可欠となる。すなわち、インターロッキングブロック舗装を施工する場合、アスファルト舗装等との取り付けが必須であり、その際に「端部拘束材」の設置が必要となる。一般的に、「端部拘束材」には、コンクリート二次製品の縁石(幅が100mm〜150mm、長さが600mm)が使用されるが、車両の通行する用途では、供用中に縁石に欠けや割れ、段差と沈下が生じ、インターロッキングブロック舗装に段差などの不具合を誘発することがある。これは、縁石の長さ(600mm)が、幅(100mm〜150mm)に対して大きいため、交通荷重によるたわみに追従しないことや、幅が短く、幅と長さの比が「1:4〜1:6」と大きいため、割れやすいことに起因している。
【0009】
図2は、コンクリート縁石の構造例を示す図であるが、
図2に示すように、縁石の下地基礎は、砕石上にコンクリートを打設し、レベリング層に敷モルタル、目地にもモルタルを使用する湿式工法で施工されるため、コスト、養生、工期を要し、さらに、施工者の専門技術も要求されるものである。
【0010】
このような状況を改善するために、断面を見直した製品が提案されている。この製品は、幅と厚さが200mm、長さが400mmであり、モルタルが不要となり、目地砂、敷砂で施工できる。このため、即時交通開放が可能となり、製品の割れや段差の発生等を防ぐことが可能である。しかし、製品厚さが20cmに、敷砂層が2cmの合計22cmの厚さとなることから、従来の縁石と同様に、狭いスパンで深く切削しなければならないという課題が残されていた。
【0011】
また、近時、既設舗装の補修工事の際に、インターロッキングブロック舗装が採用されることが増加しており、この場合、既設舗装を100mm〜120mmの幅で切削し、インターロッキングブロックの厚さが80mm〜100mm、敷砂の厚さが20mmとして、インターロッキングブロックを敷設する。
【0012】
ここで、舗装端部に縁石を設置する場合、
図3および
図4に示すように、深さだけでなく、縁石の幅(100mm〜200mm)に対して広く掘削して縁石設置後にアスファルト舗装ですり付けを行なう必要がある。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、縁石等の端部拘束材を不要とした舗装方法および舗装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の舗装方法は、舗装用ブロックを用いる舗装方法であって、路床上に路盤層を形成する工程と、舗装用ブロック敷設領域の少なくとも端部に位置する舗装用ブロックを前記路盤層に接着する工程と、前記路盤層に接着された舗装用ブロック以外の舗装用ブロックを敷設する舗装用ブロック敷設領域内の前記路盤層上に敷砂層を形成する工程と、前記敷砂層上に舗装用ブロックを敷設する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
このように、舗装用ブロック敷設領域の少なくとも端部に位置する舗装用ブロックを前記路盤層に接着するので、縁石等の端部拘束材が不要となる。その結果、一体感のある舗装を実現すると共に、コストの低減と工期の短縮化が可能となる。
【0016】
(2)また、本発明の舗装方法は、前記舗装用ブロックを前記路盤層に接着する工程は、前記路盤層に第1のポリマーセメントペースト層を設ける工程と、前記第1のポリマーセメントペースト層上にモルタル層を設ける工程と、前記モルタル層上に第2のポリマーセメントペースト層を設ける工程と、から構成されることを特徴とする。
【0017】
この構成により、接着強度が高くなり、コンクリート縁石と同等以上の端部拘束材としての効果を発揮させることが可能となる。
【0018】
(3)また、本発明の舗装方法は、舗装用ブロックの敷設領域の端部に位置する舗装用ブロックとアスファルト舗装面との間に成形目地材を貼付する工程をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
この構成により、舗装用ブロックとアスファルト舗装との間に雨水等の浸透や舗装用ブロックの破損を防止することが可能となる。
【0020】
(4)また、本発明の舗装方法は、前記敷砂層上にジオグリッドを敷設する工程をさらに含み、前記ジオグリッド上に舗装用ブロックを敷設することを特徴とする。
【0021】
この構成により、車両等の輪荷重が作用した際、舗装用ブロック間の目地に充填した砂(目地砂)によって、従来工法のモルタル目地では得られない舗装用ブロック相互の噛み合わせ効果が発揮される。この噛み合わせ効果によって荷重を分散させることができる。
【0022】
(5)また、本発明の舗装構造は、舗装用ブロックを用いた舗装構造であって、路床上に形成された路盤層と、舗装用ブロック敷設領域の少なくとも端部に位置する舗装用ブロックが前記路盤層に接着された第1の舗装用ブロック層と、前記路盤層に接着された舗装用ブロック以外の舗装用ブロックを敷設する舗装用ブロック敷設領域内の前記路盤層上に形成された敷砂層と、前記敷砂層上に敷設された第2の舗装用ブロック層と、を備えることを特徴とする。
【0023】
このように、舗装用ブロック敷設領域の少なくとも端部に位置する舗装用ブロックを前記路盤層に接着するので、縁石等の端部拘束材が不要となる。その結果、一体感のある舗装を実現すると共に、コストの低減と工期の短縮化が可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、舗装用ブロック敷設領域の少なくとも端部に位置する舗装用ブロックを前記路盤層に接着するので、縁石等の端部拘束材が不要となる。その結果、一体感のある舗装を実現すると共に、コストの低減と工期の短縮化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】インターロッキングブロック舗装における荷重分散の原理を示したものである。
【
図4】断面を見直した縁石のすり付け例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るインターロッキングブロックを用いた舗装構造の概要を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るインターロッキングブロックの概要を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る舗装方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明者らは、重交通・重荷重エリアにおけるインターロッキングブロック舗装の舗装方法について、鋭意検討した結果、インターロッキングブロック敷設領域の少なくとも端部に位置するインターロッキングブロックを、路盤層に接着することにより、縁石等の端部拘束材を不要とし、コスト、工期などを削減できることを見出し、本発明に至った。
【0027】
すなわち、本発明の舗装方法は、インターロッキングブロックを用いる舗装方法であって、路床上に路盤層を形成する工程と、インターロッキングブロック敷設領域の少なくとも端部に位置するインターロッキングブロックを前記路盤層に接着する工程と、前記路盤層に接着されたインターロッキングブロック以外のインターロッキングブロックを敷設するインターロッキングブロック敷設領域内の前記路盤層上に敷砂層を形成する工程と、前記敷砂層上にインターロッキングブロックを敷設する工程と、を含むことを特徴とする。
【0028】
これにより、本発明者らは、一体感のある舗装を実現すると共に、コストの低減と工期の短縮化を可能とした。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0029】
図5は、本発明の実施形態に係るインターロッキングブロックを用いた舗装構造の概要を示す図である。この舗装構造は、重交通・重荷重エリアに適用することが想定されており、従来から用いられているコンクリート縁石の代わりに、100mm厚のインターロッキングブロックを、特殊モルタルを用いて路盤層に接着し、端部拘束物として機能させる。この際、特殊モルタルの上下層にポリマーセメントペーストを塗布することによって、接着性をさらに高める。特殊モルタルは、施工時期等を考慮して、普通セメントの代わりに早強セメントを適用しても良い。なお、本実施形態では、特殊モルタルを用いた例を示すが、本発明は、特殊モルタルに限定されるわけではなく、いわゆる通常のモルタルを適用することも可能である。
【0030】
図5において、舗装構造1は、路床上に形成された路盤層3と、インターロッキングブロック敷設領域の端部に位置するインターロッキングブロック9a、9bが、路盤層3に接着された第1のインターロッキングブロック層10を構成する。また、路盤層3に接着されたインターロッキングブロック9a、9b以外のインターロッキングブロック9c、9d、9eを敷設するインターロッキングブロック敷設領域内の路盤層3上に形成された敷砂層5と、敷砂層5上に敷設されたインターロッキングブロック9c、9dから構成される第2のインターロッキングブロック層12と、を備える。
【0031】
また、舗装構造1は、路盤層3に設けられた第1のポリマーセメントペースト層13aと、第1のポリマーセメントペースト層13a上に設けられた特殊モルタル層13bと、特殊モルタル層13b上に設けられた第2のポリマーセメントペースト層13cを有する。また、舗装構造1は、インターロッキングブロック9aとアスファルト舗装7(「As舗装」とも呼称する。)との間に成形目地材8が充填されている。また、舗装構造1は、敷砂層5上にジオグリッド15が敷設され、ジオグリッド15上にインターロッキングブロック9c、9dが敷設されている。
【0032】
本実施形態では、特殊モルタルとポリマーセメントペーストを併用することから、100mm厚のインターロッキングブロックの接着強度を高めることが可能となるため、コンクリート縁石と同等以上の端部拘束材として機能させることが可能となる。
【0033】
ここで、特殊モルタルとは、本実施形態の例では、セメント、珪砂、水からなる一般的なモルタルにモルタル混和用の有機繊維を添加したモルタルである。この特殊モルタルの特徴は、有機繊維を添加することによって、モルタルのひび割れや細粒化を抑制することができることである。また、耐久性が向上し、維持管理費用が減少するという特徴もある。より具体的には、繊維は、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、カーボン繊維、ガラス繊維等のモルタルに添加することが可能な有機・無機繊維である。なお、特殊モルタルのみならず、セメントと砂を使用したモルタルであれば、本発明として適用することが可能である。また、特殊モルタルの厚さは、20mm〜30mmとすることができる。
【0034】
また、ポリマーセメントペーストとは、本実施形態の例では、セメント、水、モルタル混和用のアクリル系ポリマーエマルジョンからなり、アクリル系ポリマーエマルジョン1に対して水1〜3の割合で使用することによって、アクリル系ポリマーエマルジョン未使用と比較して高い接着強度を実現させることが可能となる。より具体的には、ポリマーエマルジョンの種類は、SBR(スチレンブタジエンゴム)、EVA(エチレン酢酸ビニル)、アクリル系等のモルタル混和用とし、セメントに対するポリマー固形分の割合として、ポリマーセメント比を、1.0%〜36%の範囲とする。なお、ポリマーセメントペーストのみならず、セメント、水、ポリマーエマルジョン、砂を使用したポリマーセメントモルタルも適用することが可能である。また、ポリマーセメントペーストの厚さは、1mm〜3mmとすることができる。
【0035】
また、
図5に示すように、路盤層3にインターロッキングブロック9a、9bを接着する施工は、敷砂層5の上にインターロッキングブロック9c、9dを敷設する通常のインターロッキングブロック舗装と同じ掘削厚(120mm)で施工可能となり、アスファルト舗装によるすり付けが不要となる。目地幅は、一般的に用いられている3mmとし、目地からの雨水等の浸透を防ぐために、目地にはアスファルト系敷砂か、撥水効果のある材料を使用する。
【0036】
また、
図5に示すように、第1のポリマーセメントペースト層13a、特殊モルタル層13b、第2のポリマーセメントペースト層13cの施工箇所と、敷砂施工箇所との境目で生じやすい段差や沈下対策として、敷砂層5上に、ジオグリッド15を一定幅で敷設する。
【0037】
図6は、本実施形態に係るインターロッキングブロックの概要を示す図である。本実施形態では、噛み合わせ効果に優れている長方形波形型のブロックを用いる。これにより、荷重分散効果を高めることが可能となる。また、
図6に示すように、ブロックの短辺と長辺との比が1:2であるため、極めて割れが生じにくい。敷砂工法と比較して、ブロックと特殊モルタル層が密着するため、より高い荷重分散性能を発揮することが可能となる。その結果、段差や沈下を抑制することが可能となる。なお、端部拘束材として機能させるインターロッキングブロックの代わりに、自然石、レンガを用いることも可能である。この場合、厚さは80mm〜120mmとし、形状は、波形型、ストレート型、波形・ストレート型のいずれかとする。
【0038】
次に、以上のように構成された舗装構造の舗装方法について説明する。
図7は、本実施形態に係る舗装方法の手順を示すフローチャートである。
【0039】
まず、路床上に路盤層を形成する(ステップS1)。次に、端部拘束材としてのブロックを路盤層に接着する(ステップS2)。すなわち、インターロッキングブロック敷設領域の最端部、およびこの最端部から2番目に位置するインターロッキングブロックを、路盤層に接着する。この接着ステップは、路盤層に第1のポリマーセメントペースト層を設けるステップと、第1のポリマーセメントペースト層上に特殊モルタル層を設けるステップと、特殊モルタル層上に第2のポリマーセメントペースト層を設けるステップから構成される。この構成により、接着強度が高くなり、コンクリート縁石と同等以上の端部拘束材としての効果を発揮させることが可能となる。
【0040】
また、インターロッキングブロックの敷設領域の端部に位置するインターロッキングブロックとアスファルト舗装面との間に成形目地材を貼付する(ステップS3)。この構成により、インターロッキングブロックとアスファルト舗装との間に雨水等の浸透やインターロッキングブロックの破損を防止することが可能となる。
【0041】
次に、路盤層に接着されたインターロッキングブロック以外のインターロッキングブロックを敷設するインターロッキングブロック敷設領域内の路盤層上に敷砂層を形成する(ステップS4)。さらに、敷砂層上の一定の範囲に、ジオグリッドを敷設し(ステップS5)、ジオグリッド上にインターロッキングブロックを敷設し、また、ジオグリッドを敷設していない領域には敷砂層上にインターロッキングブロックを敷設する(ステップS6)。最後に目地砂を充填して(ステップS7)、終了する。この構成により、車両等の輪荷重が作用した際、インターロッキングブロック間の目地に充填した砂(目地砂)によって、インターロッキングブロック相互の噛み合わせ効果が発揮される。この噛み合わせ効果によって荷重を分散させることができる。
【実施例1】
【0042】
図8は、本発明の実施例を示す図である。本実施例は、神戸ポートアイランドに本発明を適用する場合の概要を示す。施工領域は、出入口側の幅が20,000mm、出入口側からの奥行が20,000mmである。インターロッキングブロックの端部拘束として、100mm厚のインターロッキングブロックを接着する。
図8に示すように、額縁のように、228mmの幅で周囲を囲って、内側の敷設パターンと区別することを基本パターンとする(額縁工法)。
【0043】
本実施形態によれば、インターロッキングブロック敷設領域の少なくとも端部に位置するインターロッキングブロックを前記路盤層に接着するので、従来工法のような「すり付け区間」が不要となる。その結果、コスト低減と工期短縮化を図ることが可能となる。また、コンクリート縁石を使用しないため、施工後の外観に一体感を得ることが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1 舗装構造
3 路盤層
5 敷砂層
7 アスファルト舗装
8 成形目地材
9、9a、9b、9c、9d インターロッキングブロック
10 第1のインターロッキングブロック層
12 第2のインターロッキングブロック層
13a 第1のポリマーセメントペースト層
13b 特殊モルタル層
13c 第2のポリマーセメントペースト層
15 ジオグリッド