特開2021-73326(P2021-73326A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友化学株式会社の特許一覧
特開2021-73326高分子化合物およびそれを用いた発光素子
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-73326(P2021-73326A)
(43)【公開日】2021年5月13日
(54)【発明の名称】高分子化合物およびそれを用いた発光素子
(51)【国際特許分類】
   C08L 65/00 20060101AFI20210416BHJP
   C08G 61/12 20060101ALI20210416BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210416BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20210416BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20210416BHJP
【FI】
   C08L65/00
   C08G61/12
   H05B33/14 B
   H05B33/22 D
   H05B33/10
   C09K11/06 680
   C09K11/06 690
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】91
(21)【出願番号】特願2020-208187(P2020-208187)
(22)【出願日】2020年12月16日
(62)【分割の表示】特願2016-545454(P2016-545454)の分割
【原出願日】2015年8月19日
(31)【優先権主張番号】特願2014-173564(P2014-173564)
(32)【優先日】2014年8月28日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100151909
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 徹
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 茉由
(72)【発明者】
【氏名】福島 大介
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 美桜
【テーマコード(参考)】
3K107
4J002
4J032
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB03
3K107CC04
3K107DD60
3K107DD68
3K107DD70
3K107DD72
3K107DD79
3K107DD87
3K107GG06
4J002CE001
4J002GQ00
4J002HA05
4J032BA12
4J032BB06
4J032BC03
4J032CA04
4J032CA12
4J032CA14
4J032CA24
4J032CA43
4J032CB05
4J032CC01
4J032CD02
4J032CE03
4J032CE22
4J032CG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外部量子収率に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表される構成単位を含む高分子化合物。

[式中、a1、a2は、0又は1;ArA1、ArA3は、アリーレン基等;ArA2は、フェニレン基;ArA4は、アリーレン基等;RA1、RA2、RA3は、アリール基等、但し、a2が0である場合、RA1は2つ以上の環が縮合したアリール基等]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表される構成単位を含む高分子化合物と溶媒とを含有する組成物。
【化1】
[式中、
1およびa2は、それぞれ独立に、0または1を表す。
ArA1およびArA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、ArA1およびArA3は、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子の少なくとも1つが、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有し、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。
ArA2は、フェニレン基を表し、このフェニレン基は置換基を有していてもよい。
ArA4は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
A1、RA2およびRA3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
但し、a2が0である場合、RA1は2つ以上の環が縮合したアリール基(該アリール基の環を構成する炭素原子数は10以上である)、または、2つ以上の環が縮合した1価
の複素環基(該1価の複素環基の環を構成する炭素原子数およびヘテロ原子数の合計は10以上である)を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
【請求項2】
請求項1に記載の組成物を用いて得られる膜。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物を用いて得られる発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子化合物およびそれを用いた発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「発光素子」ともいう。)は、発光効率が高く、駆動電圧が低いことから、ディスプレイおよび照明の用途に好適に使用することが可能であり、近年注目されている。この発光素子は、発光層、正孔輸送層等の有機層を備える。高分子化合物を用いることで、インクジェット印刷法に代表される塗布法により有機層を形成することができるため、発光素子の製造に用いる高分子化合物が検討されている。
【0003】
発光素子の正孔輸送層に用いる材料として、特許文献1には、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、アリールアミン構成単位を90モル%以上含む高分子化合物が記載されている。なお、該アリールアミン構成単位はいずれも、隣接する構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子が置換基を有していない構成単位である。
【0004】
また、発光素子の正孔輸送層に用いる材料として、特許文献2には、隣接する構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子が置換基を有する、アリールアミン構成単位を含む高分子化合物が記載されている。なお、該アリールアミン構成単位はいずれも、アリールアミン構成単位を構成するsp3窒素原子が、1つの環からなるアリール基を有する構成単位である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2013/114976号
【特許文献2】特開2014−111765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の高分子化合物を用いて製造される発光素子は、その外部量子収率が必ずしも十分ではない。
【0007】
そこで、本発明は、外部量子収率に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物を提供することを目的とする。本発明はまた、該高分子化合物を含有する組成物および該高分子化合物を用いて得られる発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記の[1]〜[15]を提供する。
【0009】
[1]式(1)で表される構成単位を含む高分子化合物。
【化1】
[式中、
1およびa2は、それぞれ独立に、0または1を表す。
ArA1およびArA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、ArA1およびArA3は、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子の少なくとも1つが、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有し、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。
ArA2は、フェニレン基を表し、このフェニレン基は置換基を有していてもよい。
ArA4は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
A1、RA2およびRA3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
但し、a2が0である場合、RA1は2つ以上の環が縮合したアリール基(該アリール基の環を構成する炭素原子数は10以上である)、または、2つ以上の環が縮合した1価の複素環基(該1価の複素環基の環を構成する炭素原子数およびヘテロ原子数の合計は10以上である)を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[2]前記ArA1およびArA3が、フェニレン基である、[1]に記載の高分子化合物。
[3]前記a2が、0である、[1]または[2]に記載の高分子化合物。
[4]前記ArA1およびArA3において、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子の少なくとも1つが、アルキル基またはシクロアルキル基を置換基として有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の高分子化合物。
[5]前記RA1が、アリール基AA群から選ばれる基、または、1価の複素環基BB群から選ばれる基である、[1]〜[4]のいずれかに記載の高分子化合物。
(アリール基AA群)
【化2】
(1価の複素環基BB群)
【化3】
[式中、RおよびRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するRおよびRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
[6]前記式(1)で表される構成単位が、式(4)で表される構成単位である、[1]〜[5]のいずれかに記載の高分子化合物。
【化4】
[式中、
A1は、前記と同じ意味を表す。
1aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR1aは、同一でも異なっていてもよい。
2aは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR2aは、同一でも異なっていてもよい。]
[7]更に、式(1X)で表される構成単位および式(1Z)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の高分子化合物。
【化5】
[式中、
xa1およびxa2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、ArX1およびArX3は、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有さない。
ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
X1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
【化6】
[式中、
Z1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
1zは、0〜3の整数を表す。複数存在する1zは、同一でも異なっていてもよい。
Z2は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RZ2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Z1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CRZ11Z12−で表される基、または、―SiRZ13Z14−で表される基を表す。RZ11、RZ12、RZ13およびRZ14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[8]前記RA1およびRA2およびRA3からなる群から選ばれる少なくとも1つが、置換基を有していてもよいフルオレン環から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基である、[7]に記載の高分子化合物。
[9]前記式(1)で表される構成単位と、前記式(1X)で表される構成単位および前記式(1Z)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位とが、隣り合う構成連鎖を含む、[7]または[8]に記載の高分子化合物。
[10]前記式(1)で表される構成単位、前記式(1X)で表される構成単位および前記(1Z)で表される構成単位の合計含有量が、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、50〜100モル%である、[7]〜[9]のいずれかに記載の高分子化合物。
[11]更に、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の高分子化合物。
(架橋基A群)
【化7】
[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*は結合位置を表す。これらの架橋性基は置換基を有していてもよい。]
[12]前記架橋構成単位が、式(5)で表される構成単位、または、式(5’)で表される構成単位(但し、式(1)で表される構成単位、式(1X)で表される構成単位および式(1Z)で表される構成単位とは異なる。)である、[11]に記載の高分子化合物。
【化8】
[式中、
nAは0〜5の整数を表し、nは1または2を表す。nAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Xは、架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
【化9】
[式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0または1の整数を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar、ArおよびArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接または酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。KAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’は、架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するX’は、同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
[13]前記架橋基が、前記式(XL−1)または(XL−17)で表される架橋基である、[11]または[12]に記載の高分子化合物。
[14][1]〜[13]のいずれかに記載の高分子化合物と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物。
[15][1]〜[13]のいずれかに記載の高分子化合物を用いて得られる発光素子。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外部量子収率に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該高分子化合物を含有する組成物および該高分子化合物を用いて得られる発光素子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
【0013】
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
【0014】
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
【0015】
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合または配位結合を意味する。
【0016】
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108である重合体を意味する。
【0017】
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
【0018】
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
【0019】
「アルキル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられ、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
【0020】
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
【0021】
「アルコキシ基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0022】
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
【0023】
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
【0024】
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
【0025】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
【0026】
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
【0027】
「アルケニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基およびシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
【0028】
「アルキニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基およびシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
【0029】
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
[式中、RおよびRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するRおよびRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
【0034】
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(B-1)〜式(B-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
[式中、RおよびRaは、前記と同じ意味を表す。]
【0042】
「架橋基」とは、加熱処理、紫外線照射処理、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、前述の架橋基A群の式(XL-1)〜(XL-17)で表される架橋基である。
【0043】
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
【0044】
<高分子化合物>
本発明の高分子化合物は、式(1)で表される構成単位を含む高分子化合物である。
【0045】
[式(1)で表される構成単位]
【0046】
1は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは0である。
【0047】
2は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは0である。
【0048】
ArA1およびArA3で表されるアリーレン基は、好ましくは式(111-1)〜式(111-10)で表される基であり、より好ましくは式(111-1)〜式(111-3)または式(111-9)で表される基であり、更に好ましくは式(111-1)〜式(111-3)で表される基である。但し、ArA1およびArA3で表されるアリーレン基は、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子の少なくとも1つが、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有し、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。
【0049】
【化21】
[式中、R111およびR111aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するR111およびR111aは、各々、同一でも異なっていてもよく、R111a同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
【0050】
ArA1およびArA3で表される2価の複素環基は、好ましくは式(111-11)〜式(111-23)で表される基である。但し、ArA1およびArA3で表される2価の複素環基は、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子の少なくとも1つが、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有し、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。
【0051】
【化22】
【0052】
【化23】
【0053】
【化24】
【0054】
【化25】
[式中、R111は、前記と同じ意味を表す。]
【0055】
ArA1およびArA3は、本発明の発光素子の外部量子収率がより優れるので、好ましくはアリーレン基であり、より好ましくはフェニレン基である。但し、ArA1およびArA3で表されるアリーレン基は、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子の少なくとも1つが、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有し、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。
【0056】
本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、ArA1およびArA3において、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子の少なくとも1つは、アルキル基またはシクロアルキル基を置換基として有することが好ましく、アルキル基を置換基として有することがより好ましい。
【0057】
ArA2は、フェニレン基を表し、このフェニレン基は置換基を有していてもよい。
【0058】
ArA4で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0059】
ArA4で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(B-1)、式(B-2)または式(B-7)〜式(B-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0060】
ArA4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲は、それぞれ、ArA2およびArA4で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
【0061】
ArA4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
【0062】
【化26】
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
【0063】
XXは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0064】
ArA4は、好ましくはアリーレン基であり、このアリーレン基は置換基を有していてもよい。
【0065】
A1、RA2およびRA3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基または1価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、a2が0である場合、RA1は2つ以上の環が縮合したアリール基(該アリール基の環を構成する炭素原子数は10以上である。すなわち、該2つ以上の環が縮合したアリール基の環を構成する炭素原子数は10以上である)、または、2つ以上の環が縮合した1価の複素環基(該1価の複素環基の環を構成する炭素原子数およびヘテロ原子数の合計は10以上である。すなわち、該2つ以上の環が縮合した1価の複素環基の環を構成する炭素原子数およびヘテロ原子数の合計は10以上である)であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0066】
A1は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率が優れるので、アリール基AA群から選ばれる基、または、1価の複素環基BB群から選ばれる基が好ましく、式(AA-1)〜式(AA-3)、式(BB-1)〜式(BB-4)、式(BB-6)、式(BB-9)または式(BB-10)がより好ましく、式(AA-1)、式(AA-3)、式(BB-1)、式(BB-3)、式(BB-4)または式(BB-10)が更に好ましい。
【0067】
本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、RA1およびRA2およびRA3からなる群から選ばれる少なくとも1つは、置換基を有していてもよいフルオレン環から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であることが好ましい。
【0068】
ArA1およびArA3で表される基が有していてもよい置換基(すなわち、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子以外の原子が有していてもよい置換基)としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0069】
ArA2、ArA4、RA1、RA2およびRA3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0070】
式(1)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、式(2)で表される構成単位であることが好ましい。
【0071】
【化27】
[式中、a1、ArA1、ArA2、ArA3、RA1およびRA2は、前記と同じ意味を表す。]
【0072】
式(2)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、式(3)で表される構成単位であることが好ましい。
【0073】
【化28】
[式中、
1、ArA2、RA1およびRA2は、前記と同じ意味を表す。
1aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR1aは、同一でも異なっていてもよい。
2aは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR2aは、同一でも異なっていてもよい。]
【0074】
式(3)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、式(4)で表される構成単位であることが好ましい。
【0075】
式(1)で表される構成単位の含有量は、本発明の高分子化合物の正孔輸送性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、0.1〜90モル%であることが好ましく、30〜80モル%であることがより好ましく、40〜60モル%であることが更に好ましい。
【0076】
式(1)で表される構成単位としては、例えば、式(1-1)〜(1-16)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(1-1)〜(1-6)、式(1-10)、式(1−11)または式(1-13)で表される構成単位である。
【0077】
【化29】
【0078】
【化30】
【0079】
【化31】
【0080】
【化32】
【0081】
本発明の高分子化合物において、式(1)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
【0082】
本発明の高分子化合物は、更に、式(1X)で表される構成単位および式(1Z)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含んでいてもよい。
【0083】
[式(1X)で表される構成単位]
【0084】
xa1は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、好ましくは2以下の整数であり、より好ましくは0または1であり、さらに好ましくは0である。
【0085】
xa2は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、好ましくは2以下の整数であり、より好ましくは0または1であり、さらに好ましくは0である。
【0086】
ArX1、ArX2、ArX3およびArX4で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、ArX1およびArX3で表されるアリーレン基は、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有さない。
【0087】
ArX1、ArX2、ArX3およびArX4で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)または式(AA-7)〜式(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、ArX1およびArX3で表される2価の複素環基は、隣接する構成単位と結合を形成する原子の隣の原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有さない。
【0088】
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲は、それぞれ、ArX2およびArX4で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
【0089】
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、前述のArA2およびArA4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の例と同じ例が挙げられる。
【0090】
ArX1、ArX2、ArX3およびArX4は、好ましくはアリーレン基であり、このアリーレン基は置換基を有していてもよい。
【0091】
X1、RX2およびRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0092】
ArX1、ArX2、ArX3、ArX4、RX1、RX2およびRX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0093】
式(1X)で表される構成単位としては、好ましくは式(1X-1)〜(1X-11)で表される構成単位であり、より好ましくは式(1X-1)〜(1X-7)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(1X-1)〜(1X-6)で表される構成単位である。
【0094】
【化33】
【0095】
【化34】
【0096】
【化35】
【0097】
【化36】
[式中、RX4およびRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
【0098】
式(1X)で表される構成単位の含有量は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、1〜80モル%であることが好ましく、1〜60モル%であることがより好ましく、1〜50モル%であることが更に好ましい。
【0099】
式(1X)で表される構成単位としては、例えば、式(11X-1)〜(11X-28)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(11X-1)〜(11X-18)で表される構成単位である。
【0100】
【化37】
【0101】
【化38】
【0102】
【化39】
【0103】
【化40】
【0104】
【化41】
【0105】
【化42】
【0106】
【化43】
【0107】
【化44】
【0108】
【化45】
【0109】
本発明の高分子化合物において、式(1X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
【0110】
[式(1Z)で表される構成単位]
【0111】
Z1は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0112】
1zは、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
【0113】
Z2は、本発明の高分子化合物の合成が容易になるため、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、より好ましくはアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0114】
Z1は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、好ましくは単結合、酸素原子、−CRZ11Z12−で表される基、または、―SiRZ13Z14−で表される基であり、より好ましくは単結合、酸素原子または−CRZ11Z12−で表される基である。RZ11、RZ12、RZ13およびRZ14は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、より好ましくはアルキル基またはアリール基である。
【0115】
式(1Z)で表される構成単位としては、好ましくは式(1Z-1)〜(1Z-5)で表される構成単位である。
【0116】
【化46】
[式中、RZ1、1z、RZ2、RZ11、RZ12、RZ13およびRZ14は、前記と同じ意味を表す。]
【0117】
式(1Z)で表される構成単位の含有量は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、0.1〜99.8モル%であることが好ましく、0.1〜60モル%であることがより好ましく、0.1〜50モル%であることが更に好ましい。
【0118】
式(1Z)で表される構成単位としては、例えば、式(11Z−1)〜(11Z−9)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(11Z−1)〜(11Z−5)で表される構成単位である。
【0119】
【化47】
【0120】
本発明の高分子化合物において、式(1Z)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
【0121】
[式(1)で表される構成単位、式(1X)で表される構成単位および式(1Z)で表される構成単位の構成連鎖、モル比等]
本発明の高分子化合物は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、式(1)で表される構成単位と、式(1X)で表される構成単位および式(1Z)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位とが、隣り合う構成連鎖を含むことが好ましく、式(1)で表される構成単位と、式(1X)で表される構成単位とが、隣り合う構成連鎖を含むことがより好ましい。
【0122】
本発明の高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、式(1)で表される構成単位、式(1X)で表される構成単位および式(1Z)で表される構成単位の合計含有量が、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、40〜100モル%であることが好ましい。
【0123】
[架橋構成単位]
本発明の高分子化合物は、本発明の高分子化合物の架橋性が優れるので、更に、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
【0124】
架橋基A群から選ばれる架橋基としては、本発明の高分子化合物の架橋性が優れるので、式(XL-1)、(XL-3)、(XL-5)、(XL-7)、(XL-16)または(XL-17)で表される架橋基が好ましく、式(XL-1)または式(XL-17)で表される架橋基が好ましい。架橋基A群から選ばれる少なくとも一種の架橋基を有する構成単位は、後述する式(5)で表される構成単位または式(5’)で表される構成単位であることが好ましいが、下記で表される構成単位であってもよい。
【0125】
【化48】
【0126】
架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する構成単位は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の外部量子収率がより優れるので、式(5)で表される構成単位または式(5’)で表される構成単位であることが好ましい。但し、式(5’)で表される構成単位は、式(1)で表される構成単位、式(1X)で表される構成単位、式(1Z)で表される構成単位とは異なる。
【0127】
[式(5)で表される構成単位]
【0128】
nAは、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
【0129】
nは、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは2である。
【0130】
Arは、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
【0131】
Arで表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Arで表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0132】
Arで表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Arで表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
【0133】
Arで表される芳香族炭化水素基および複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
【0134】
で表されるアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜10であり、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。Lで表されるシクロアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜10である。
アルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
【0135】
で表されるアルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基およびシクロアルキレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
【0136】
で表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基としては、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンが挙げられる。アリール基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基および架橋基A群から選ばれる架橋基が挙げられる。
【0137】
は、本発明の高分子化合物の製造が容易になるため、好ましくはフェニレン基またはアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0138】
Xで表される架橋基としては、本発明の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(XL-1)、(XL-3)、(XL-5)、(XL-7)、(XL-16)または(XL-17)で表される架橋基であり、より好ましくは式(XL-1)または式(XL-17)で表される架橋基である。
【0139】
式(5)で表される構成単位の含有量は、本発明の高分子化合物の安定性および架橋性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、0.5〜50モル%であることが好ましく、3〜30モル%であることがより好ましく、3〜20モル%であることが更に好ましい。
【0140】
本発明の高分子化合物において、式(5)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
【0141】
[式(5’)で表される構成単位]
【0142】
mAは、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
【0143】
mは、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは2である。
【0144】
cは、本発明の高分子化合物の製造が容易になり、かつ、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは0である。
【0145】
Arは、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
【0146】
Arで表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、前述した式(1X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
【0147】
Arで表される複素環基のm個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、前述した式(1X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
【0148】
Arで表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、前述した式(1X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
【0149】
ArおよびArは、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
【0150】
ArおよびArで表されるアリーレン基の定義や例は、前述した式(1X)におけるArX1およびArX3で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
【0151】
ArおよびArで表される2価の複素環基の定義や例は、前述した式(1X)におけるArX1およびArX3で表される2価の複素環基の定義や例と同じである。
【0152】
Ar、ArおよびArで表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
【0153】
で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
【0154】
は、本発明の高分子化合物の製造が容易になるので、フェニレン基またはメチレン基であることが好ましい。
【0155】
X’で表される架橋基としては、本発明の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(XL-1)、(XL-3)、(XL-5)、(XL-7)、(XL-16)または(XL-17)で表される架橋基であり、より好ましくは式(XL-1)または式(XL-17)で表される架橋基である。
【0156】
式(5’)で表される構成単位の含有量は、本発明の高分子化合物の安定性および架橋性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、0.5〜50モル%であることが好ましく、3〜30モル%であることがより好ましく、3〜20モル%であることが更に好ましい。
【0157】
本発明の高分子化合物において、式(5’)で表される構成単位は、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
【0158】
[式(5)または(5')で表される構成単位の好ましい態様]
式(5)で表される構成単位としては、例えば、式(5-1)〜式(5-30)で表される構成単位が挙げられ、式(5')で表される構成単位としては、例えば、式(5'-1)〜式(5'-9)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、本発明の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(5-1)〜式(5-30)で表される構成単位であり、より好ましくは式(5-1)〜式(5-15)、式(5-19)、式(5-20)、式(5-23)、式(5-25)または式(5-30)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(5-1)〜式(5-9)または式(5-30)で表される構成単位である。
【0159】
【化49】
【0160】
【化50】
【0161】
【化51】
【0162】
[その他の構成単位]
本発明の高分子化合物は、更に、下記式(Y)で表される構成単位を含んでいてもよい。但し、式(Y)で表される構成単位は、式(1Z)で表される構成単位とは異なる。
【0163】
【化52】
[式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
【0164】
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)、式(A-13)または式(A-19)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0165】
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(B-4)、式(B-13)または式(B-15)で表される基であり、更に好ましくは式(B-4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0166】
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
【0167】
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、前述した式(X)のArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
【0168】
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0169】
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)〜(Y-4)で表される構成単位が挙げられ、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命の観点からは、好ましくは式(Y-1)または(Y-2)で表される構成単位であり、電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-3)または(Y-4)で表される構成単位である。
【0170】
【化53】
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
【0171】
Y1は、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0172】
【化54】
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。XY1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−または−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
【0173】
Y2は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0174】
Y1において、−C(RY2)2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、双方がアリール基、双方が1価の複素環基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基もしくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)〜(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0175】
【化55】
【0176】
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0177】
Y1において、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基またはシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)〜(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0178】
【化56】
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
【0179】
【化57】
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。RY3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
【0180】
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0181】
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-11)〜(Y-51)で表される構成単位が挙げられる。
【0182】
【化58】
【0183】
【化59】
【0184】
【化60】
【0185】
【化61】
【0186】
【化62】
【0187】
【化63】
【0188】
【化64】
【0189】
【化65】
【0190】
【化66】
【0191】
【化67】
【0192】
【化68】
【0193】
【化69】
【0194】
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位の含有量は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、0.5〜80モル%であることが好ましく、5〜30モル%であることがより好ましい。
【0195】
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位の含有量は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の電荷輸送性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、0.5〜30モル%であることが好ましく、3〜30モル%であることがより好ましい。
【0196】
本発明の高分子化合物において、式(Y)で表される構成単位は、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
【0197】
本発明の高分子化合物としては、例えば、表1および表2に示す高分子化合物P-1〜P-24が挙げられる。
【0198】
【表1】

【0199】
【表2】


[表中、p、q、r、s、t、uおよびvは、各構成単位のモル比率を表す。p+q+r+s+t+u+v=100であり、かつ、70≦p+q+r+s+t≦100である。その他の構成単位とは、式(1)、式(1X)、式(1Z)、式(5)、式(5’)および式(Y)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。]
【0200】
高分子化合物P-1〜P-24における、式(1)、式(1X)、式(1Z)、式(5)、式(5’)および式(Y)で表される構成単位の例および好ましい範囲は、上述のとおりである。
【0201】
本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性や輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、主鎖と共役結合している基が好ましく、炭素−炭素結合を介してアリール基または1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
【0202】
本発明の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
【0203】
<高分子化合物の製造方法>
次に、本発明の高分子化合物の製造方法について説明する。
【0204】
本発明の高分子化合物は、例えば、式(M−1)で表される化合物と、他の化合物(例えば、式(M-1X)で表される化合物、式(M-1Z)で表される化合物、式(M−5)で表される化合物、式(M−5’)で表される化合物および式(M−Y)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物)とを縮合重合させることにより製造することができる。本明細書において、本発明の高分子化合物の製造に使用される化合物を総称して、「原料モノマー」ということがある。
【0205】
【化70】
【0206】
【化71】
【0207】
【化72】
【0208】
【化73】
[式中、
1、a2、ArA1、ArA2、ArA3、ArA4、RA1、RA2、RA3、xa1、xa2、ArX1、ArX2、ArX3、ArX4、RX1、RX2、RX3、RZ1、RZ2、XZ1、nA、n、Ar、L、X、mA、m、c、Ar、Ar、Ar、KおよびX’は、前記と同じ意味を表す。
C1〜ZC12は、それぞれ独立に、置換基A群および置換基B群からなる群から選ばれる基を表す。]
【0209】
例えば、ZC1およびZC2が置換基A群から選ばれる基である場合、ZC3〜ZC12は、置換基B群から選ばれる基を選択する。
【0210】
例えば、ZC1およびZC2が置換基B群から選ばれる基である場合、ZC33〜ZC12は置換基A群から選ばれる基を選択する。
【0211】
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)2C1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
【0212】
<置換基B群>
−B(ORC2)2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
−BF3Q'(式中、Q'は、Li、Na、K、RbまたはCsを表す。)で表される基;
−MgY'(式中、Y'は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)で表される基;
−ZnY''(式中、Y''は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)で表される基;および、
−Sn(RC3)3(式中、RC3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
【0213】
−B(ORC2)2で表される基としては、下記式で表される基が例示される。
【0214】
【化74】
【0215】
置換基A群から選ばれる基を有する化合物と置換基B群から選ばれる基を有する化合物とは、公知のカップリング反応により縮合重合して、置換基A群から選ばれる基および置換基B群から選ばれる基と結合する炭素原子同士が結合する。そのため、置換基A群から選ばれる基を2個有する化合物と、置換基B群から選ばれる基を2個有する化合物を公知のカップリング反応に供すれば、縮合重合により、これらの化合物の縮合重合体を得ることができる。
【0216】
縮合重合は、通常、触媒、塩基および溶媒の存在下で行なわれるが、必要に応じて、相間移動触媒を共存させて行ってもよい。
【0217】
触媒としては、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート等のパラジウム錯体、ニッケル[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル、[ビス(1,4-シクロオクタジエン)]ニッケル等のニッケル錯体等の遷移金属錯体;これらの遷移金属錯体が、更にトリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、ビピリジル等の配位子を有する錯体が挙げられる。触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0218】
触媒の使用量は、原料モノマーのモル数の合計に対する遷移金属の量として、通常、0.00001〜3モル当量である。
【0219】
塩基および相間移動触媒としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基;フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基;塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒が挙げられる。塩基および相間移動触媒は、それぞれ、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0220】
塩基および相間移動触媒の使用量は、それぞれ、原料モノマーの合計モル数に対して、通常0.001〜100モル当量である。
【0221】
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、水が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0222】
溶媒の使用量は、通常、原料モノマーの合計100重量部に対して、10〜100000重量部である。
【0223】
縮合重合の反応温度は、通常-100〜200℃である。縮合重合の反応時間は、通常1時間以上である。
【0224】
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独、または組み合わせて行う。高分子化合物の純度が低い場合、例えば、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
【0225】
式(M−1)で表される化合物の一実施形態である式(1m−1)で表される化合物は、例えば、下記で表される方法で合成することができる。
【0226】
【化75】

[式中、RA1は、前記と同じ意味を表す。ArA11は、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、ArA11は、臭素原子または前記−B(ORC2)2で表される基と結合を形成する原子の隣の原子の少なくとも1つが、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有し、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。]
【0227】
まず、式(1m−6)で表される化合物と、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドとを、パラジウム触媒を用いて反応させることにより、式(1m−5)で表される化合物に誘導する。次に、式(1m−5)で表される化合物と、式(1m−4)で表される化合物とを、ブッフバルト・ハートウィッグ反応させることにより、式(1m−3)で表される化合物を合成する。次に、式(1m−3)で表される化合物と、臭素化剤とを反応させることにより、式(1m−2)で表される化合物を合成する。次に、式(1m−2)で表される化合物と、ビスピナコラートジボロンとを、パラジウム触媒を用いて反応させることにより、式(1m−1)で表される化合物を合成することができる。
【0228】
式(M−1)で表される化合物の一実施形態である式(2m−1)で表される化合物は、例えば、下記で表される方法で合成することができる。
【0229】
【化76】
[式中、
ArA12は、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、ArA12は、臭素原子または前記−B(ORC2)2で表される基と結合を形成する原子の隣の原子の少なくとも1つが、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を置換基として有し、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。
ArA2は、前記と同じ意味を表す。RA11は、前記RA1と同じ意味を表す。]
【0230】
まず、式(2m−8)で表される化合物と、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドとを、パラジウム触媒を用いて反応させることによりにより、式(2m−7)で表される化合物に誘導する。次に、式(2m−7)で表される化合物と、式(2m−6)で表される化合物とを、ブッフバルト・ハートウィッグ反応させることにより、式(2m−5)で表される化合物を合成する。次に、式(2m−5)で表される化合物と、式(2m−4)で表される化合物とを、ブッフバルト・ハートウィッグ反応させることにより、式(2m−3)で表される化合物を合成する。次に、式(2m−3)で表される化合物と、臭素化剤とを反応させることにより、式(2m−2)で表される化合物を合成する。次に、式(2m−2)で表される化合物と、ビスピナコラートジボロンとを、パラジウム触媒を用いて反応させることにより、式(2m−1)で表される化合物を合成することができる。
【0231】
<組成物>
本発明の組成物は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料と、本発明の高分子化合物とを含有する。
【0232】
本発明の高分子化合物および溶媒を含有する組成物(以下、「インク」ということがある。)は、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の印刷法を用いた発光素子の作製に好適である。
【0233】
インクの粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、インクジェットプリント法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりを防止するために、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
【0234】
インクに含まれる溶媒は、該インク中の固形分を溶解または均一に分散できる溶媒が好ましい。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0235】
インクにおいて、溶媒の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
【0236】
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、高分子化合物が好ましく、架橋基を有する高分子化合物がより好ましい。
【0237】
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体;側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレンおよびその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
【0238】
本発明の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
【0239】
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0240】
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
【0241】
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン、および、ジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
【0242】
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、および、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
【0243】
本発明の組成物において、電子輸送材料の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
【0244】
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0245】
[正孔注入材料および電子注入材料]
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
【0246】
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
【0247】
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン、および、ポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
【0248】
本発明の組成物において、正孔注入材料および電子注入材料の配合量は、各々、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
【0249】
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0250】
[イオンドープ]
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
【0251】
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
【0252】
ドープするイオンは、一種のみでも二種以上でもよい。
【0253】
[発光材料]
発光材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
【0254】
低分子化合物としては、例えば、ナフタレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、並びに、イリジウム、白金またはユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体が挙げられる。
【0255】
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(1)で表される基、式(1X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
【0256】
発光材料は、低分子化合物および高分子化合物を含んでいてもよく、好ましくは、三重項発光錯体および高分子化合物を含む。
【0257】
三重項発光錯体としては、式Ir-1〜Ir-5で表される金属錯体等のイリジウム錯体が好ましい。
【0258】
【化77】
【0259】
【化78】
【0260】
【化79】
[式中、
D1〜RD8、RD11〜RD20、RD21〜RD26およびRD31〜RD37は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RD1〜RD8、RD11〜RD20、RD21〜RD26およびRD31〜RD37が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
−AD1---AD2−は、アニオン性の2座配位子を表し、AD1およびAD2は、それぞれ独立に、イリジウム原子と結合する炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。−AD1---AD2−が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
D1は、1、2または3を表し、nD2は、1または2を表す。]
【0261】
式Ir-1で表される金属錯体において、好ましくはRD1〜RD8の少なくとも1つは式(D-A)で表される基である。
【0262】
式Ir-2で表される金属錯体において、好ましくはRD11〜RD20の少なくとも1つは式(D-A)で表される基である。
【0263】
式Ir-3で表される金属錯体において、好ましくはRD1〜RD8およびRD11〜RD20の少なくとも1つは式(D-A)で表される基である。
【0264】
式Ir-4で表される金属錯体において、好ましくはRD21〜RD26の少なくとも1つは式(D-A)で表される基である。
【0265】
式Ir-5で表される金属錯体において、好ましくはRD31〜RD37の少なくとも1つは式(D-A)で表される基である。
【0266】
【化80】
[式中、
DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
【0267】
DA1、mDA2およびmDA3は、通常10以下の整数であり、好ましくは5以下の整数であり、より好ましくは0または1である。mDA1、mDA2およびmDA3は、同一の整数であることが好ましい。
【0268】
DAは、好ましくは式(GDA-11)〜(GDA-15)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0269】
【化81】
[式中、
*、**および***は、各々、ArDA1、ArDA2、ArDA3との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
【0270】
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0271】
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、好ましくは式(ArDA-1)〜(ArDA-3)で表される基である。
【0272】
【化82】
[式中、
DAは前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
【0273】
DAは、好ましくは式(TDA-1)〜(TDA-3)で表される基である。
【0274】
【化83】
[式中、RDAおよびRDBは前記と同じ意味を表す。]
【0275】
式(D-A)で表される基は、好ましくは式(D-A1)〜(D-A3)で表される基である。
【0276】
【化84】
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
【0277】
np1は、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。
【0278】
p1、Rp2およびRp3は、好ましくはアルキル基またはシクロアルキル基である。
【0279】
−AD1---AD2−で表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記式で表される配位子が挙げられる。
【0280】
【化85】
[式中、*は、Irと結合する部位を表す。]
【0281】
式Ir-1で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-11〜Ir-13で表される金属錯体である。式Ir-2で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-21で表される金属錯体である。式Ir-3で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-31〜Ir-33で表される金属錯体である。式Ir-4で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-41〜Ir-43で表される金属錯体である。式Ir-5で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-51〜Ir-53で表される金属錯体である。
【0282】
【化86】
【0283】
【化87】
【0284】
【化88】
【0285】
【化89】
【0286】
【化90】
[式中、
D2は、1または2を表す。
Dは、式(D-A)で表される基を表す。複数存在するDは、同一でも異なっていてもよい。
DCは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRDCは、同一でも異なっていてもよい。
DDは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRDDは、同一でも異なっていてもよい。]
【0287】
三重項発光錯体としては、例えば、以下に示す金属錯体が挙げられる。
【0288】
【化91】
【0289】
【化92】
【0290】
【化93】
【0291】
【化94】
【0292】
【化95】
【0293】
【化96】
【0294】
本発明の組成物において、発光材料の含有量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、0.1〜400重量部である。
【0295】
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、本発明の高分子化合物と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
【0296】
本発明の組成物において、酸化防止剤の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、0.001〜10重量部である。
【0297】
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0298】
<膜>
膜は、本発明の高分子化合物をそのまま含有していてもよいし、本発明の高分子化合物が、分子内もしくは分子間、または、分子内および分子間で架橋した状態(架橋体)で含有されていてもよい。本発明の高分子化合物の架橋体は、本発明の高分子化合物と、他の化合物とが、分子間で架橋した架橋体であってもよい。本発明の高分子化合物の架橋体を含有する膜は、本発明の高分子化合物を含有する膜を、加熱、光照射等の外部刺激により架橋させて得られる膜である。本発明の高分子化合物の架橋体を含有する膜は、溶媒に対して実質的に不溶化されているため、後述する発光素子の積層化に好適に使用することができる。
【0299】
膜を架橋させるための加熱の温度は、通常、25〜300℃であり、外部量子収率が良好になるので、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは150〜200℃である。
【0300】
膜を架橋させるための光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
【0301】
膜は、発光素子における正孔輸送層または正孔注入層として好適である。
【0302】
膜は、インクを用いて、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法により作製することができる。
【0303】
膜の厚さは、通常、1nm〜10μmである。
【0304】
<発光素子>
本発明の発光素子は、本発明の高分子化合物を用いて得られる有機エレクトロルミネッセンス等の発光素子であり、該発光素子には、例えば、本発明の高分子化合物を含む発光素子、本発明の高分子化合物が分子内、分子間、または、それらの両方で架橋した状態(架橋体)を含む発光素子がある。
本発明の発光素子の構成としては、例えば、陽極および陰極からなる電極と、該電極間に設けられた本発明の高分子化合物を用いて得られる層とを有する。
【0305】
[層構成]
本発明の高分子化合物を用いて得られる層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層の1種以上の層であり、好ましくは、正孔輸送層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含む。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
【0306】
発光素子は、陽極と陰極の間に発光層を有する。本発明の発光素子は、正孔注入性および正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層および正孔輸送層の少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性および電子輸送性の観点からは、陰極と発光層の間に、電子注入層および電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。
正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層、および、電子注入層の材料としては、本発明の高分子化合物の他、各々、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料、および、電子注入材料が挙げられる。
【0307】
正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料、および、発光層の材料は、発光素子の作製において、各々、正孔輸送層、電子輸送層、および、発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することを回避するために、該材料が架橋基を有することが好ましい。架橋基を有する材料を用いて各層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
【0308】
本発明の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
【0309】
積層する層の順番、数、および、厚さは、外部量子収率および素子寿命を勘案して調整すればよい。
【0310】
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明または半透明であることが好ましい。
【0311】
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
【0312】
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイトおよびグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
陽極および陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
【0313】
[用途]
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極もしくは陰極、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源、および、表示装置としても使用できる。
【実施例】
【0314】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0315】
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)およびポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC-10Avp)により求めた。なお、SECの測定条件は、次のとおりである。
【0316】
[測定条件]
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でTHFに溶解させ、SECに10μL注入した。SECの移動相としてTHFを用い、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED-B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV-VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD-10Avp)を用いた。
【0317】
液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)は、下記の方法で行った。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはTHFに溶解させ、LC-MS(アジレントテクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC-MSの移動相には、アセトニトリルおよびTHFの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L-column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
【0318】
NMRの測定は、下記の方法で行った。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン(THF-d8)または重塩化メチレン(CD2Cl2)に溶解させ、NMR装置(バリアン(Varian, Inc.)製、商品名:MERCURY 300)を用いて測定した。
【0319】
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC-20A)での254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにTHFまたはクロロホルムに溶解させ、HPLCに、濃度に応じて1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリルおよびTHFを用い、1mL/分の流速で、アセトニトリル/THF=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)または同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD-M20A)を用いた。
【0320】
<合成例1> 化合物2の合成
【0321】
【化97】
【0322】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物1(199.0g)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(15.4g)およびシクロペンチルメチルエーテル(1460mL)を加え、撹拌した。その後、そこへ、メチルマグネシウムブロマイドエーテル溶液(3mol/L、292mL)を1時間かけて加えた。得られた反応液を40℃まで昇温し、40℃で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、塩酸水溶液(1mol/L、200mL)を加えた。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体に、トルエンおよび活性炭を加え、30分間攪拌した。得られたトルエン溶液を、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製し、イソプロパノールを用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物2(81g、白色固体)を得た。化合物2のHPLC面積百分率値は97.2%であった。この操作を繰り返し行うことによって、化合物2の必要量を得た。
【0323】
LC−MS(APPI, positive):[M]208.
【0324】
<合成例2> 化合物3の合成
【0325】
【化98】
【0326】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物2(96g)およびジクロロメタン(1200mL)を加え、反応容器を氷浴を用いて冷却した。その後、そこへ、臭素(74g)を2時間かけて滴下し、反応容器を氷浴を用いて冷却しながら3時間撹拌した。その後、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液(150mL)を加え、撹拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体に、ヘキサン、トルエンおよび活性炭を加え、1時間撹拌した。得られた溶液を、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体を、トルエンおよびイソプロパノールの混合溶液を用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物3(83g、白色固体)を得た。化合物3のHPLC面積百分率値は98.9%であった。
【0327】
LC−MS(APPI, positive):[M]286.
【0328】
<合成例3> 化合物4の合成
【0329】
【化99】
【0330】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物3(83.0g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.6g)、(2−ビフェニル)ジシクロヘキシルホスフィン(2.4g)およびテトラヒドロフラン(800mL)を加え、攪拌した。その後、そこへ、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(1.3mol/mL、334mL)を30分間かけて加えた。得られた反応液を65℃に昇温させた後、65℃で4時間攪拌した。その後、反応容器を氷浴を用いて冷却し、塩酸水溶液(2mol/L、800mL)を加え、反応容器を氷浴を用いて冷却しながら1.5時間撹拌した。その後、そこへ、水酸化ナトリウム水溶液(6mol/L、600mL)を加えることで中和した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮した後、ヘキサンを加え、1時間懸濁撹拌した後、ろ過し、黄色固体を得た。得られた黄色固体をヘキサンを用いて懸濁撹拌した後、ろ過した。得られた残渣を、ヘキサンおよびトルエンの混合溶液を用いて再結晶する操作を繰り返した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物4(40g、淡黄色固体)を得た。化合物4のHPLC面積百分率値は99.1%であった。
【0331】
H−NMR(CDCl、300MHz):δ(ppm)=1.43(6H,s),2.40(3H,s),3.72(2H,s),6.64(1H,dd),6.743(1H,d),7.09(1H,d),7.17(1H,d),7.46(2H,d).
【0332】
<合成例4> 化合物6の合成
【0333】
【化100】
【0334】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物4(34.0g)、化合物5(80.8g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.4g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(0.9g)およびトルエン(680mL)を加え、50℃に昇温し、50℃で攪拌した。その後、そこへ、ナトリウム−tert−ブトキシド(43.9g)を加え、110℃に昇温させた後、110℃で4時間攪拌した。その後、そこへ、トルエンを加え、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を、イオン交換水、15重量%の食塩水で順次洗浄した。得られた洗浄液を分液した後、得られた有機層を減圧濃縮することにより粗生成物を得た。得られた粗組成物に、ヘキサンおよび活性炭を加え、1時間撹拌した。得られた溶液を、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製することにより、化合物6(22g、無色油状物)を得た。化合物6のHPLC面積百分率値は99.5%であった。
【0335】
LC−MS(APCI,positive):[M+H]544.
【0336】
<合成例5> 化合物7の合成
【0337】
【化101】
【0338】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物6(22g)およびクロロホルム(360mL)を加え、反応容器を氷浴を用いて冷却した。その後、そこへ、N―ブロモスクシイミド(84g)を加え、反応容器を氷浴を用いて冷却しながら6時間撹拌した。その後、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液(50mL)を加え、撹拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体に、ヘキサンおよび活性炭を加え、1時間撹拌した。得られた溶液を、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、アセトンを用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物7(12g、白色固体)を得た。化合物7のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。この操作を繰り返し行うことによって、化合物7の必要量を得た。
【0339】
LC−MS(APCI,positive):[M+H]700.
【0340】
<合成例6> 化合物8の合成
【0341】
【化102】
【0342】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、ビスピナコールジボロン(14.0g)、シクロペンチルメチルエーテル(60mL)、酢酸カリウム(10.6g)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライド(0.4g)を加え、100℃に昇温した。その後、そこへ、シクロペンチルメチルエーテル(69mL)に溶解させた化合物7(12.9g)を1時間かけて加え、100℃で5時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体に、ヘキサン、トルエンおよび活性炭を加え、1時間撹拌した。得られた溶液を、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよびトルエンの混合溶媒)で精製した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物8(8.1g、白色固体)を得た。化合物8のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0343】
LC−MS(ESI, positive):[M+K]795.
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=0.86(6H,s),1.23−1.53(46H,m),2.42(3H,s),2.74(4H,t),6.88−6.92(4H,m),6.99(1H,d),7.12(1H,d),7.19(2H,d),7.50(1H,d),7.53(1H,d),7.63(2H,d).
【0344】
<合成例7> 化合物10の合成
【0345】
【化103】
【0346】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物9(12.9g)、ビスピナコールジボロン(25.4g)、ジメトキシエタン(280mL)、酢酸カリウム(25.6g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライド(3.2g)およびジフェニルホスフィノフェロセン(2.2g)を加え、85℃で7時間攪拌した。その後、そこへ、トルエンを加え、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液した後、得られた有機層を減圧濃縮した。得られた固体に、ヘキサン、トルエンおよび活性炭を加え、1時間撹拌した。得られた溶液を、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮する操作を3回繰り返すことにより固体を得た。得られた固体を、トルエンおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶し、次いで、トルエンを用いて再結晶した後、減圧乾燥させることにより、化合物10(11g、白色固体)を得た。化合物10のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0347】
LC−MS(apci,positive):[M+H]554.4.
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=0.84(3H,t),1.23(3H,d),1.33(24H,s),1.60(2H,dq),2.56(1H,tq),7.07(8H,m),7.66(4H,d).
【0348】
<合成例8> 化合物11の合成
【0349】
【化104】
【0350】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、4−ブロモトルエン(31.5g)、3−エチルカルバゾール(30.0g)、キシレン(1200mL)、酢酸カリウム(1.0g)およびトリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(2.9g)を加え、攪拌した。その後、そこへ、ナトリウム−tert−ブトキシド(44.3g)を加え、130℃で13時間攪拌した。その後、反応容器を氷浴を用いて冷却し、イオン交換水(200mL)を加えて洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過した。得られたろ液を濃縮した後、ヘキサンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮した後、ヘキサンおよび活性白土を加え、室温で30分間撹拌した後、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、油状物を得た。得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物11−a(43.0g、油状物)を得た。化合物11−aのHPLC面積百分率値は99.4%であった。
【0351】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.32(3H,t), 2.48(3H,s), 2.85(2H,q), 7.25-7.41(9H,m), 7.95(1H, s), 8.12(d, 1H).
【0352】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物11−a(42.0g)およびクロロホルム(330mL)を加え、−10℃に冷却した。その後、そこへ、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(57.4g)を加え、−10℃で10時間撹拌した。その後、そこへ、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、攪拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮することにより白色固体を得た。その後、そこへ、ヘキサン、トルエンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体にヘキサンを加え、懸濁撹拌した後、ろ過した。得られた固体を、トルエン、メタノールおよびエタノールの混合溶媒を用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物11−b(35.0g、白色固体)を得た。化合物11−bのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0353】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.34(3H,t), 2.48(3H,s), 2.83(2H,q), 7.20(1H,d), 7.28(2H,s),7.39(4H,s), 7.44(dd,1H), 7.89(s,1H), 8.22(d, 1H).
【0354】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物11−b(34.0g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.9g)、(2−ビフェニル)ジシクロヘキシルホスフィン(0.8g)およびテトラヒドロフラン(136mL)を加え、室温で攪拌した。その後、そこへ、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(1.3mol/L、108mL)を1時間かけて滴下した後、65℃で4時間攪拌した。反応容器を氷浴を用いて冷却した後、塩酸水溶液(2M、240mL)を加え、反応容器を氷浴を用いて冷却しながら、30分間撹拌したところ、固体が析出した。析出した固体をろ過し、得られた残渣を、トルエンおよびヘキサンの混合溶媒に溶解させた。その後、そこへ、水酸化ナトリウム水溶液(2M、200mL)を加え、中和した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。その後、そこへ、ヘキサン、トルエンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、油状物を得た。得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの今後溶媒)で精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物11−c(19.0g、赤色固体)を得た。化合物11−cのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0355】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.33(t,3H),2.46(s,3H),2.81(q,2H),6.81(dd,1H),7.18(s,1H),7.21(s,1H),7.25-7.43(m,6H),7.84(s,1H).
【0356】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物11−c(17.5g)、3−ブロモヘキシルベンゼン(30.9g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.5g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(0.3g)およびトルエン(350mL)を加え、50℃で攪拌した。その後、そこへ、ナトリウム−tert−ブトキシド(16.8g)を加え、110℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、イオン交換水(100mL)加えて洗浄し、得られた洗浄液を分液した。得られた有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた洗浄液を分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。その後、そこへ、ヘキサンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、油状物を得た。得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物11−d(24.0g、橙色油状物)を得た。化合物11−dのHPLC面積百分率値は97.6%であった。
【0357】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.85(6H,t), 1.18-1.36(16H,m), 1.54(4H,m), 2.47(4H,s), 2.48-2.60(2H,m), 2.78(2H,q), 6.77(2H,d), 6.89(2H,d), 6.96(2H,s), 7.07-7.48(10H,m), 7.81(1H,s), 7.90(1H,s).
【0358】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物11−d(23.3g)およびジクロロメタン(396mL)を加え、−10℃に冷却した。その後、そこへ、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(29.3g)を加え、−10℃で13時間撹拌した。その後、そこへ、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、攪拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。その後、そこへ、ヘプタンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより油状物を得た。得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で複数回精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物11(17.0g、油状物)を得た。化合物11のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0359】
LC-MS(APCI,positive):[M+H]+ 777.
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.85(6H,t), 1.19-1.37(15H,m), 1.46-1.69(4H,m), 2.48(3H,s), 2.59(4H,t), 2.79(2H,q), 6.75(2H,dd), 6.96(2H,s), 7.12(1H,d), 7.28-7.46(9H,m),7.82(1H,s), 7.85(1H,s).
【0360】
<合成例9> 化合物12の合成
【0361】
【化105】
【0362】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、4−ブロモ−4’,4’’−ジメチルトリフェニルアミン(14.0g)、3,3’−ジメチルジフェニルアミン(7.2g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.3g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(0.2g)およびトルエン(143mL)を加え、50℃で攪拌した。その後、そこへ、ナトリウム−tert−ブトキシド(10.5g)を加え、80℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、イオン交換水(100mL)で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。その後、そこへ、トルエンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより白色固体を得た。得られた白色固体を、トルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いて再結晶する操作を繰り返した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物12−a(12.0g、白色固体)を得た。化合物12−aのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0363】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):2.26(12H,s), 6.57-7.23(20H,br).
【0364】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物12−a(11.6g)およびクロロホルム(198mL)を加え、−10℃まで冷却した。その後、そこへ、N−ブロモスクシイミド(8.8g)を加え、−10℃で8時間撹拌した。その後、そこへ、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、攪拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮することにより白色固体を得た。その後、そこへ、ヘキサンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた固体をアセトンを用いて再結晶し、次いで、トルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いて再結晶した。その後、そこへ、ヘキサンおよび活性白土を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。さらに、得られた固体をトルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物12(10.0g、白色固体)を得た。化合物12のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0365】
LC-MS(APCI,positive):[M+H]+.625
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):2.29(s,12H), 6.75(s,2H), 6.91-7.05(br,14H), 7.35(d,2H).
【0366】
<合成例10> 化合物13の合成
【0367】
【化106】
【0368】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、マグネシウム(100.9g)、テトラヒドロフラン(2500mL)およびヨウ素(0.1g)を加え、撹拌した。その後、そこへ、1−ブロモヘキサン(604.0g)を加え、60℃で3時間撹拌し、グリニャール試薬を調製した。
別の反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、2−ブロモ−9,9’−ジメチルフルオレン(250.0g)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(37.2g)およびテトラヒドロフラン(2500mL)を加え、撹拌した。その後、そこへ、上記で調製したグリニャール試薬を室温で滴下し、80℃で16時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、塩酸水溶液(1.5M、3000mL)を加え、次いで、酢酸エチルを加えた。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することで油状物を得た。得られた油状物を減圧蒸留することで、化合物13−a(195g、黄色油状物)を得た。化合物13−aのHPLC面積百分率値は98.8%であった。この操作を繰り返し行うことによって、化合物13−aの必要量を得た。
【0369】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.91 (t, J = 6.93 Hz, 3H), 1.31-1.42 (m, 6H), 1.49 (s, 6H), 1.63-1.73 (m, 2H), 2.67-2.72 (m, 2H), 7.17 (dd, J = 1.38, 7.71 Hz, 1H), 7.25-7.36 (m, 3H), 7.42-7.44 (m, 1H), 7.64 (d, J = 7.71 Hz, 1H), 7.68-7.71 (m, 1H).
【0370】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物13−a(354.0g)およびジクロロメタン(3540mL)を加え、反応容器を氷浴を用いて冷却した。その後、そこへ、ジクロロメタン(1770mL)に溶解させた臭素(213.6g)を2時間かけて滴下し、反応容器を氷浴を用いて冷却しながら16時間撹拌した。その後、そこへ、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、攪拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水および食塩水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物13−b(250.0g)を得た。化合物13−bのHPLC面積百分率値は97.6%であった。
【0371】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.90 (t, J = 7.20 Hz, 3H), 1.32-1.40 (m, 6H), 1.48 (s, 6H), 1.63-1.68 (m, 2H), 2.66-2.70 (m, 2H), 7.17 (dd, J = 0.80, 7.80 Hz, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.44 (dd, J = 1.60, 8.40 Hz, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.55 (d, J = 7.60 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 7.60 Hz, 1H).
【0372】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物13−b(250.0g)、ジフェニルアミン(148.1g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(8.1g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(168.2g)およびトルエン(2500mL)を加え、50℃で攪拌した。その後、そこへ、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(12.8g)を加え、115℃で16時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液に酢酸エチルおよびイオン交換水を加えた後、分液し、得られた有機層をイオン交換水および食塩水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮物をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテルおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物13−c(166.0g)を得た。化合物13−cのHPLC面積百分率値は99.0%であった。
【0373】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.92 (t, J = 7.00 Hz, 3H), 1.34-1.39 (m, 6H), 1.42 (s, 6H), 1.64-1.69 (m, 2H), 2.69 (br s, 2H), 7.00-7.05 (m, 3H), 7.14-7.16 (m, 5H), 7.19-7.21 (m, 2H), 7.26-7.29 (m, 4H), 7.55 (d, J = 8.12 Hz, 2H).
【0374】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物13−c(83.0g)およびクロロホルム(830mL)を加え、−30℃に冷却した。その後、そこへ、N,N−ジメチルホルムアミド(415mL)に溶解させたN−ブロモスクシイミド(66.7g)を45分間かけて滴下した後、室温まで昇温した後、16時間撹拌した。その後、そこへ、イオン交換水を加え、洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製することにより固体を得た。得られた固体をメタノールを用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物13(54.0g、白色固体)を得た。化合物13のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0375】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.91 (t, J = 7.00 Hz, 3H), 1.34-1.39 (m, 6H), 1.42 (s, 6H), 1.65-1.69 (m, 2H), 2.69 (t, J = 7.60 Hz, 2H), 6.99-7.01 (m, 5H), 7.14-7.17 (m, 2H), 7.22 (s, 1H), 7.35-7.38 (m, 4H), 7.56-7.58 (m, 2H).
【0376】
<合成例11> 化合物14の合成
【0377】
【化107】
【0378】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物14−a(154.0g)、トリフルオロ酢酸(200mL)およびクロロホルム(1200mL)を加え、撹拌した。その後、そこへ、クロロホルム(990mL)に溶解させた臭素(99g)を3時間かけて滴下した。その後、そこへ、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、攪拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水および飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製することにより固体を得た。得られた固体に、トルエンおよび活性白土を加え、50℃で30分振とうした。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、シリカゲルを敷いた積層ガラスフィルターでろ過した。得られたろ液を減圧濃縮した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物14−b(193.0g、白色固体)を得た。化合物14−bのHPLC面積百分率値は80.6%であった。
【0379】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.41-1.92(4H,m), 1.95-2.16(8H,m), 7.04(1H,d), 7.18-7.27(3H,m), 7.36(1H,dd), 7.79(1H,d), 7.87(1H,d).
【0380】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物14−b(73.0g)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(7.0g)およびシクロペンチルメチルエーテル(861mL)を加え、撹拌した。その後、そこへ、メチルマグネシウムブロマイドエーテル溶液(3mol/L、108mL)を1時間かけて滴下し、55℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、塩酸水溶液(1M、100mL)を加えた。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体に、トルエンおよび活性炭を加え、室温で1時間攪拌した後、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をイソプロパノールを用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物14−c(44.5g、白色固体)を得た。化合物14−cのHPLC面積百分率値は99.4%であった。
【0381】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.38-1.71(4H,m), 1.94-2.18(8H,m), 2.36(3H,s), 7.04(1H,d), 7.18-7.27(3H,m), 7.36(1H,dd), 7.79(1H,d), 7.87(1H,d).
【0382】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物14−c(44.5g)およびジクロロメタン(705mL)を加え、塩化ナトリウムを加えた氷浴を用いて冷却した。その後、そこへ、ジクロロメタン(26mL)に溶解させた臭素(26g)を2時間かけて滴下し、反応容器を塩化ナトリウムを加えた氷浴を用いて冷却しながら5時間撹拌した。その後、そこへ、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を滴下し、撹拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮物に、トルエンおよび活性炭を加え、室温で1時間撹拌した後、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体を、トルエンおよびイソプロパノールの混合溶液を用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物14−d(51.8g、白色固体)を得た。化合物14−dのHPLC面積百分率値は98.9%であった。この操作を繰り返し行うことによって、化合物14−dの必要量を得た。
【0383】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物14−d(55.0g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.4g)、(2−ビフェニル)ジシクロヘキシルホスフィン(1.3g)およびテトラヒドロフラン(220mL)を加え、攪拌した。その後、そこへ、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(1.3mol/L、180mL)を1時間かけて滴下した後、65℃で5時間攪拌した。反応容器を氷浴を用いて冷却した後、塩酸水溶液(2M、400mL)を加え、反応容器を氷浴を用いて冷却しながら1時間撹拌した。その後、そこへ、水酸化ナトリウム水溶液(2M、400mL)を加え、中和した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた濃縮物をアセトニトリルおよびトルエンの混合溶媒に溶解させた後、塩酸水溶液(12M、30mL)を加え、撹拌させた後、濃縮することにより塩酸塩を得た。得られた塩酸塩にヘキサンを加え、30分間懸濁撹拌後、ろ過した。得られた残渣にテトラヒドロフランを加え30分間懸濁撹拌後、ろ過した。得られた残渣に水酸化ナトリウム水溶液(2M、150mL)およびメタノールを加え、撹拌した後、クロロホルムを用いて抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた固体をヘキサンおよびトルエンの混合溶液を用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物14−e(33.0g、淡黄色固体)を得た。化合物14−eのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0384】
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.39-1.69(4H,m), 1.93-2.15(8H,m), 2.34(3H,s), 3.66(2H,s), 6.57(1H,dd), 6.67(1H,d), 6.99(1H,d), 7.13(1H,s), 7.66(1H,d), 7.69(1H,d).
【0385】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物14−e(30.7g)、3−ブロモヘキシルベンゼン(56.2g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.0g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(0.6g)およびトルエン(580mL)を加え、50℃で攪拌した。その後、そこへ、ナトリウム−tert−ブトキシド(30.5g)を加えた後、110℃で8時間攪拌した。その後、そこへ、トルエンを加え、セライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を減圧濃縮することにより粗生成物を得た。その後、そこへ、ヘキサンおよびメタノールを加え、分液した。得られたヘキサン層を、メタノールで洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られたヘキサン層を減圧濃縮した。その後、そこへ、ヘキサンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製することにより、化合物14−f(44.0g、無色透明油状物)を得た。化合物14−fのHPLC面積百分率値は99.4%であった。
【0386】
LC-MS(APCI,positive):[M+H]+610.
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.87(6H,t), 1.20-1.66(20H,m), 1.84-2.18(8H,m), 2.35(3H,s), 2.51(4H,t), 6.80-7.19(12H,m), 7.70(2H,t).
【0387】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物14−f(43.0g)およびジクロロメタン(731mL)を加え、反応容器を氷浴を用いて冷却した。その後、そこへ、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(55.0g)を加え、反応容器を氷浴を用いて冷却しながら12時間撹拌した。その後、そこへ、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を滴下し、撹拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。その後、そこへ、ヘキサンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いてで複数回精製し、40℃で減圧乾燥させることにより、化合物14−g(12.5g、白色固体)を得た。化合物14−gのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0388】
LC-MS(APCI,positive):[M+H]+766.
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.86(6H,t), 1.20-1.69(20H,m), 1.80-2.19(8H,m), 2.36(3H,s), 2.60(4H,t), 6.77(1H,d),6.79(1H,d), 6.83(1H,dd), 6.97(2H,d), 7.01(1H,d), 7.04(1H,d), 7.15(1H,s), 7.35(1H,s), 7.38(1H,s), 7.69(1H,d), 7.73(1H,d).
【0389】
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、ビスピナコールジボロン(12.4g)、シクロペンチルメチルエーテル(100mL)、酢酸カリウム(9.4g)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライド(0.4g)を加え、100℃に昇温した。その後、そこへ、シクロペンチルメチルエーテル(25mL)に溶解させた化合物14−g(12.5g)を2時間かけて滴下し、還流下で4日間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、イオン交換水を加え、洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。その後、そこへ、ヘキサン、トルエンおよび活性炭を加え、室温で30分間撹拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよびトルエンの混合溶媒)で精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物14(5.9g、白色固体)を得た。化合物14のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
【0390】
LC-MS(APCI,positive):[M+H]+862.
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):0.86(6H,t), 1.18-1.68(44H,m), 1.83-2.19(8H,m), 2.35(3H,s), 2.75(4H,t), 6.83-6.94(5H,m), 7.00(1H,dd), 7.12(1H,d), 7.15(1H,d), 7.62(1H,s), 7.65(1H,s), 7.69(1H,d), 7.72(1H,d).
【0391】
<合成例12> 化合物15の合成
【0392】
【化108】
【0393】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、3−ブロモヘキシルベンゼン(45.0g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.7g)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(1.0g)およびテトラヒドロフラン(225mL)を加え、次いで、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液(1.3mol/L、179mL)を滴下した後、65℃で2時間攪拌した。反応容器を氷浴を用いて冷却した後、塩酸水溶液(2.4M、475mL)を滴下した。その後、反応容器から氷浴を外し、室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物を分液し、有機層(以下、「有機層その1」という)と水層(以下、「水層その1」という)とを得た。水層その1をヘプタン(90mL)で2回洗浄した。得られた洗浄液を分液し、有機層(以下、「有機層その2」という)を得た。有機層その1と有機層その2とを合一し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮することにより油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製することにより、化合物15−a(32.0g、褐色油状物)を得た。化合物15−aのHPLC面積百分率値は、98.6%であった。
【0394】
1H-NMR(CDCl3,300Hz)δ(ppm):0.82-0.96(3H, m), 1.10-1.65(8H, m), 2.45-2.57(2H, m), 3.60(2H, br.s), 6.45-6.62(3H, m), 7.00-7.10(1H, m).
【0395】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物15−a(17.7g)およびクロロホルム(177mL)を加え、−20℃〜−25℃に冷却した。その後、そこへ、N−ブロモスクシンイミド(17.77g)を加えた。その後、反応容器を氷浴を用いて冷却し、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(15mL)を加え、攪拌した。得られた反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)で精製することにより、化合物15−b(14.6g)を得た。化合物15−bのHPLC面積百分率値は、98.4%であった。
【0396】
1H-NMR(CDCl3,300Hz)δ(ppm):0.80-0.96(3H, m), 1.22-1.65(8H, m), 2.55-2.64(2H, m), 3.58(2H, br.s), 6.35-6.60(2H, m), 7.18-7.28(1H, m).
【0397】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、欧州特許出願公開第2594573号明細書に記載の方法に従って合成した化合物15−c(13.0g)、[1、1’−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]パラジウムジクロライド(0.72g)、ナトリウム−tert−-ブトキシド(8.5g)およびトルエン(195mL)を加え、次いで、化合物15−b(13.0g)をトルエン(10mL)に溶解させたトルエン溶液を滴下し、110℃で7時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、トルエン(50mL)およびイオン交換水(50mL)を加え、洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよびトルエンの混合溶媒)で精製することにより、化合物15−d(14.6g、白色結晶)を得た。化合物15−dのHPLC面積百分率値は、99.4%であった。
【0398】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、ヨウ化銅(I)(0.72g)、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.86g)、キシレン(50ml)、化合物15−d(8.0g)、1、4−ジヨードベンゼン(2.5g)およびナトリウム−tert−アモキシド(5.0g)を加え、85℃で12時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、トルエン(20mL)、ヘキサン(20mL)および活性炭(2.8g)を加え、室温で1時間撹拌した後、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をトルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物15−e(4.8g、白色結晶)を得た。化合物15−eのHPLC面積百分率値は、99.5%以上であった。
【0399】
LC-MS(APCl, positive):[M+H]+916.
【0400】
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、ビスピナコールジボラン(3.31g)、ジメトキシエタン(72mL)、酢酸カリウム(3.08g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライド(0.72g)および化合物15−e(4.8g)を加え、加熱還流(6時間)させた。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、トルエン(72mL)を加え、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器でろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をトルエン(50mL)に溶解させた後、イオン交換水で洗浄した。得られた洗浄液を分液し、得られた有機層に活性炭(2.5g)を加え、攪拌した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンおよびトルエンの混合溶媒)で精製し、次いで、トルエンおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物15(3.9g)を得た。化合物15のHPLC面積百分率値は、99.5%以上であった。
【0401】
1H-NMR(CDCl3,300Hz)δ(ppm):0.78-0.85(6H, m), 1.12-1.50(40H, m), 2.73 (4H, t), 6.80(6H, br,s), 7.05(6H, br.s), 7.22-7.40(6H, m), 7.58-7.80(4H,m), 7.94(2H, d).
【0402】
<合成例13> イリジウム錯体1の合成
下記で表されるイリジウム錯体1は、WO2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
【0403】
【化109】
【0404】
<合成例14> 化合物CM1〜CM6、化合物CM8〜CM10、化合物CM12〜CM16、化合物CM20〜CM21および化合物CM26〜CM27の合成
【0405】
化合物CM1〜CM6、化合物CM8〜CM10、化合物CM12〜CM16およびCM20〜CM21は、下記文献に記載された方法に従って合成し、99.5%以上のHPLC面積百分率値を示したものを用いた。化合物CM26〜CM27は、下記文献に記載された方法に準じて合成し、99.5%以上のHPLC面積百分率値を示したものを用いた。
【0406】
なお、化合物CM7は、上記で合成した化合物8と同一であり、化合物CM11は、上記で合成した化合物10と同一であり、化合物CM18は、上記で合成した化合物14と同一であり、化合物CM19は、上記で合成した化合物11と同一であり、化合物CM22は、上記で合成した化合物12と同一であり、化合物CM23は、上記で合成した化合物15と同一であり、化合物CM24は、上記で合成した化合物7と同一であり、化合物CM25は、上記で合成した化合物13と同一である。
【0407】
化合物CM1およびCM4:特開2010−189630号公報
化合物CM2およびCM3:国際公開第2012/086671号
化合物CM5:特開2004−143419号公報
化合物CM6:国際公開第2002/045184号
化合物CM8:Journal of Polymer Science, PartA : Polymer Chemistry, 2011, vol.49, #2 p.352-360
化合物CM9:特開2008−106241号公報
化合物CM10:特開2010−215886号公報
化合物CM12:特開2007−511636号公報
化合物CM13:特開2011−174061号公報
化合物CM14およびCM15:特開2011−174062号公報
化合物CM16:国際公報第2007/071957号
化合物CM20およびCM21:国際公報第2013/191088号
化合物CM26およびCM27:Journal of Polymer Science, PartA : Polymer Chemistry, 2011, vol.49, #2 p.352-360
【0408】
【化110】
【0409】
【化111】
【0410】
【化112】
【0411】
【化113】
【0412】
【化114】
【0413】
【化115】
【0414】
【化116】
【0415】
【化117】
【0416】
<実施例1> 高分子化合物1の合成
【0417】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM7(0.9870g)、化合物CM8(0.4602g)、化合物CM9(0.0669g)、化合物CM10(0.0578g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)およびトルエン(49mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)その後、そこに、20重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(9.2g)を滴下し、105℃で6時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(15.2mg)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、105℃で16時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物1を0.75g得た。高分子化合物1のMnは7.1×10であり、Mwは3.7×10であった。
【0418】
高分子化合物1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM7から誘導される構成単位と、化合物CM8から誘導される構成単位と、化合物CM9から誘導される構成単位と、化合物CM10から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0419】
<比較例1> 高分子化合物2の合成
【0420】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM11(0.8134g)、化合物CM8(0.5523g)、化合物CM9(0.0803g)、化合物CM10(0.0693g)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)およびトルエン(42mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)その後、そこに、20重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(9.2g)を滴下し、105℃で6時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(18.3mg)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、105℃で16時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物2を0.75g得た。高分子化合物1のMnは1.9×10であり、Mwは2.5×10であった。
【0421】
高分子化合物2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM11から誘導される構成単位と、化合物CM8から誘導される構成単位と、化合物CM9から誘導される構成単位と、化合物CM10から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0422】
<合成例15> 高分子化合物3の合成
【0423】
高分子化合物3は、下記表3に示される化合物を用いて、特開2012−36388号公報記載の合成方法に従って合成した。高分子化合物3のMnは8.2×10であり、Mwは2.1×10であった。高分子化合物3は、仕込み原料から求めた理論値では、それぞれの化合物から誘導される構成単位が、下記表3に示されるモル比で構成されてなる共重合体である。
【0424】
【表3】

【0425】
<合成例16> 高分子化合物4の合成
【0426】
高分子化合物4は、下記表4に示される化合物を用いて、特開2012−216815号公報記載の合成方法に従って合成した。高分子化合物4のMnは1.0×10であり、Mwは2.6×10であった。高分子化合物4は、仕込み原料から求めた理論値では、それぞれの化合物から誘導される構成単位が、下記表4に示されるモル比で構成されてなる共重合体である。
【0427】
【表4】

【0428】
<実施例2> 高分子化合物5の合成
【0429】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM7(1.1807g)、化合物CM14(0.9810g)、化合物CM9(0.0803g)、化合物CM10(0.0693g)およびトルエン(34mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、その後、20重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(22.9g)を滴下し、90℃で6時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(73.2mg)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、90℃で15時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物5を1.22g得た。高分子化合物5のMnは5.3×10であり、Mwは2.0×10であった。
【0430】
高分子化合物5は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM7から誘導される構成単位と、化合物CM14から誘導される構成単位と、化合物CM9から誘導される構成単位と、化合物CM10から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0431】
<実施例3> 高分子化合物6の合成
【0432】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM18(1.0625g)、化合物CM14(0.8175g)、化合物CM9(0.0669g)、化合物CM10(0.0578g)およびトルエン(30mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、その後、20重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(20.2g)を滴下し、90℃で7時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(61.0mg)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、90℃で17時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物6を1.06g得た。高分子化合物6のMnは5.2×10であり、Mwは2.2×10であった。
【0433】
高分子化合物6は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM18から誘導される構成単位と、化合物CM14から誘導される構成単位と、化合物CM9から誘導される構成単位と、化合物CM10から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0434】
<実施例4> 高分子化合物7の合成
【0435】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM15(0.8866g)、化合物CM20(0.0780g)、化合物CM21(0.0698g)、化合物CM19(1.0041g)およびトルエン(31mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、その後、20重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(20.4g)を滴下し、90℃で7時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(61.0mg)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、90℃で18時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物7を1.10g得た。高分子化合物7のMnは4.8×10であり、Mwは2.1×10であった。
【0436】
高分子化合物7は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM15から誘導される構成単位と、化合物CM20から誘導される構成単位と、化合物CM21から誘導される構成単位と、化合物CM19から誘導される構成単位とが、40:5:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0437】
<実施例5> 高分子化合物8の合成
【0438】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM15(1.0640g)、化合物CM20(0.0936g)、化合物CM21(0.0837g)、化合物CM22(0.9419g)およびトルエン(32mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、その後、20重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(21.4g)を滴下し、90℃で6時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(73.2mg)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、90℃で15時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物8を1.13g得た。高分子化合物8のMnは5.1×10であり、Mwは2.0×10であった。
【0439】
高分子化合物8は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM15から誘導される構成単位と、化合物CM20から誘導される構成単位と、化合物CM21から誘導される構成単位と、化合物CM22から誘導される構成単位とが、40:5:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0440】
<実施例6> 高分子化合物9の合成
【0441】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM23(0.9939g)、化合物CM20(0.0780g)、化合物CM21(0.0698g)、化合物CM14(1.022g)およびトルエン(34mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、その後、20重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(22.4g)を滴下し、90℃で7時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(61.0mg)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、90℃で15時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物9を1.01g得た。高分子化合物9のMnは4.9×10であり、Mwは2.3×10であった。
【0442】
高分子化合物9は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM23から誘導される構成単位と、化合物CM20から誘導される構成単位と、化合物CM21から誘導される構成単位と、化合物CM14から誘導される構成単位とが、40:5:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0443】
<実施例7> 高分子化合物10の合成
【0444】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM1(0.9841g)、化合物CM12(0.1730g)、化合物CM24(0.9850g)、化合物CM10(0.0925g)およびトルエン(29mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.8mg)を加え、その後、20重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(19.1g)を滴下し、90℃で7時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(97.5mg)、およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.8mg)を加え、90℃で15時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物10を0.96g得た。高分子化合物10のMnは4.6×10であり、Mwは2.1×10であった。
【0445】
高分子化合物10は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM1から誘導される構成単位と、化合物CM12から誘導される構成単位と、化合物CM24から誘導される構成単位と、化合物CM10から誘導される構成単位とが、50:10:35:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0446】
<比較例2> 高分子化合物11の合成
【0447】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM11(0.8790g)、化合物CM21(0.1117g)、化合物CM20(0.1336g)、化合物CM25(1.2069g)およびトルエン(30mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(13.8g)を滴下し、その後ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.8mg)を加え、90℃で7時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(97.5mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.9g)、およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.8mg)を加え、90℃で15時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物11を1.22g得た。高分子化合物11のMnは3.3×10であり、Mwは2.2×10であった。
【0448】
高分子化合物11は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM11から誘導される構成単位と、化合物CM21から誘導される構成単位と、化合物CM20から誘導される構成単位と、化合物CM25から誘導される構成単位とが、40:5:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0449】
<比較例3> 高分子化合物12の合成
【0450】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM15(1.0512g)、化合物CM21(0.0838g)、化合物CM20(0.1001g)、化合物CM26(0.7730g)およびトルエン(29mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10.4g)を滴下し、その後ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、90℃で8時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(73.2mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(5.2g)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、90℃で16時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物12を1.14g得た。高分子化合物12のMnは4.3×10であり、Mwは1.3×10であった。
【0451】
高分子化合物12は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM15から誘導される構成単位と、化合物CM21から誘導される構成単位と、化合物CM20から誘導される構成単位と、化合物CM26から誘導される構成単位とが、40:5:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0452】
<比較例4> 高分子化合物13の合成
【0453】
高分子化合物13は、下記表5に示される化合物を用いて、特開2014−111765号公報記載の方法に従って合成した。高分子化合物13のMnは1.7×10であり、Mwは3.3×10であった。高分子化合物13は、仕込み原料の量から求めた理論値では、それぞれの化合物から誘導される構成単位が、下記表5に示されるモル比で構成されてなる共重合体である。
【0454】
【表5】

【0455】
<比較例5> 高分子化合物14の合成
【0456】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM15(1.0717g)、化合物CM21(0.0868g)、化合物CM20(0.1001g)、化合物CM25(0.9051g)およびトルエン(31mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10.4g)を滴下し、その後ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、90℃で7時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(73.2mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(5.2g)、およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、90℃で15時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物14を1.26g得た。高分子化合物14のMnは5.8×10であり、Mwは2.0×10であった。
【0457】
高分子化合物14は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM15から誘導される構成単位と、化合物CM21から誘導される構成単位と、化合物CM20から誘導される構成単位と、化合物CM25から誘導される構成単位とが、40:5:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0458】
<比較例6> 高分子化合物15の合成
【0459】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM14(0.8988g)、化合物CM10(0.0698g)、化合物CM9(0.0835g)、化合物CM16(0.8532g)およびトルエン(29mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.7g)を滴下し、その後ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、90℃で6時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(61.0mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(4.3g)、およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)を加え、90℃で16時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物15を1.20g得た。高分子化合物15のMnは5.8×10であり、Mwは2.2×10であった。
【0460】
高分子化合物15は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM15から誘導される構成単位と、化合物CM21から誘導される構成単位と、化合物CM20から誘導される構成単位と、化合物CM16から誘導される構成単位とが、40:5:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0461】
<比較例7> 高分子化合物16の合成
【0462】
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物CM13(1.477g)、化合物CM5(1.1818g)、化合物CM10(0.0920g)、化合物CM9(0.1057g)およびトルエン(44mL)を加え、90℃に加熱した。
(工程2)そこに、酢酸パラジウム(0.4mg)とトリス-o-メトキシフェニルホスフィン(2.8mg)を加え、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.7g)を滴下し、その後105℃で3時間攪拌した。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(450.0mg)、酢酸パラジウム(0.4mg)およびトリス-o-メトキシフェニルホスフィン(2.8mg)を加え、105℃で16時間攪拌した。その後そこに、フェニルブロマイド(247.0mg)、酢酸パラジウム(0.4mg)およびトリス-o-メトキシフェニルホスフィン(2.8mg)を加え、105℃で4時間攪拌した。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却した後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱物が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物16を1.46g得た。高分子化合物16のMnは8.9×10であり、Mwは3.6×10であった。
【0463】
高分子化合物16は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物CM13から誘導される構成単位と、化合物CM5から誘導される構成単位と、化合物CM10から誘導される構成単位と、化合物CM9から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
【0464】
<実施例D1> 発光素子D1の作製および評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)を用いて、スピンコート法により65nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
【0465】
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱することにより正孔輸送層を形成した。
【0466】
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物3およびイリジウム錯体1をそれぞれ1.8重量%の濃度で溶解させた。そして、高分子化合物3とイリジウム錯体1との固形分比が70重量%:30重量%となるように、各キシレン溶液を混合した。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上に、スピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で150℃、10分加熱することにより発光層を形成した。
【0467】
(陰極の形成)
発光層が形成された基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約7nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D1を作製した。
【0468】
(発光素子の評価)
発光素子D1に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D1の1000cd/mでの外部量子収率は22.8%であった。結果を表6に示す。
【0469】
<実施例D2> 発光素子D2の作製と評価
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物5を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子D2を作製した。
【0470】
得られた発光素子D2に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D2の1000cd/mでの外部量子収率は22.5%であった。結果を表6に示す。
【0471】
<実施例D3> 発光素子D3の作製と評価
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物6を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子D3を作製した。
【0472】
得られた発光素子D3に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D3の1000cd/mでの外部量子収率は25.4%であった。結果を表6に示す。
【0473】
<実施例D4> 発光素子D4の作製と評価
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物7を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子D4を作製した。
【0474】
得られた発光素子D4に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D4の1000cd/mでの外部量子収率は24.8%であった。結果を表6に示す。
【0475】
<実施例D5> 発光素子D5の作製と評価
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物8を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子D5を作製した。
【0476】
得られた発光素子D5に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D5の1000cd/mでの外部量子収率は22.3%であった。結果を表6に示す。
【0477】
<実施例D6> 発光素子D6の作製と評価
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物9を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子D6を作製した。
【0478】
得られた発光素子D6に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D6の1000cd/mでの外部量子収率は23.3%であった。結果を表6に示す。
【0479】
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製および評価
実施例D1における、高分子化合物1に代えて、高分子化合物2を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして、発光素子CD1を作製した。
【0480】
発光素子CD1に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD1の1000cd/mでの外部量子収率は9.9%であった。結果を表6に示す。
【0481】
<比較例CD2> 発光素子CD2の作製と評価
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物11を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子CD2を作製した。
【0482】
得られた発光素子CD2に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD2の1000cd/mでの外部量子収率は7.5%であった。結果を表6に示す。
【0483】
<比較例CD3> 発光素子CD3の作製と評価
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物14を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子CD3を作製した。
【0484】
得られた発光素子CD3に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD3の1000cd/mでの外部量子収率は12.0%であった。結果を表6に示す。
【0485】
<比較例CD4> 発光素子CD4の作製と評価
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物15を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子CD4を作製した。
【0486】
得られた発光素子CD4に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD4の1000cd/mでの外部量子収率は9.2%であった。結果を表6に示す。
【0487】
<比較例CD5> 発光素子CD5の作製と評価
実施例D1における高分子化合物1に代えて高分子化合物16を用いたこと以外は、実施例D1と同様にして発光素子CD5を作製した。
【0488】
得られた発光素子CD5に電圧を印加したところ、520nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD5の1000cd/mでの外部量子収率は5.8%であった。結果を表6に示す。
【0489】
【表6】

【0490】
実施例D1と比較例CD1および比較例CD2との比較、実施例D2、実施例D3、実施例D4および実施例D5と比較例CD3および比較例CD4との比較、実施例D6と比較例CD5との比較から、本発明の高分子化合物を用いて作製される発光素子は、外部量子収率に優れていることが分かる。
【0491】
<実施例D7> 発光素子D7の作製および評価
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plectronics社製)を用いて、スピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
【0492】
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物1を0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱することにより正孔輸送層を形成した。
【0493】
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物4を1.2重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で150℃、10分加熱することにより発光層を形成した。
【0494】
(陰極の形成)
発光層が形成された基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約7nm、次いで、アルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D7を作製した。
【0495】
(発光素子の評価)
発光素子D7に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D7の1000cd/mでの外部量子収率は7.2%であった。結果を表7に示す。
【0496】
<実施例D8> 発光素子D8の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物5を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子D8を作製した。
【0497】
得られた発光素子D8に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D8の1000cd/mでの外部量子収率は9.7%であった。結果を表7に示す。
<実施例D9> 発光素子D9の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物6を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子D9を作製した。
【0498】
得られた発光素子D9に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D9の1000cd/mでの外部量子収率は9.7%であった。結果を表7に示す。
<実施例D10> 発光素子D10の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物7を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子D10を作製した。
【0499】
得られた発光素子D10に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D10の1000cd/mでの外部量子収率は8.9%であった。結果を表7に示す。
【0500】
<実施例D11> 発光素子D11の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物10を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子D11を作製した。
【0501】
得られた発光素子D11に電圧を印加したところ、450nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D11の1000cd/mでの外部量子収率は8.2%であった。結果を表7に示す。
【0502】
<実施例D12> 発光素子D12の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物8を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子D12を作製した。
【0503】
得られた発光素子D12に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D12の1000cd/mでの外部量子収率は8.9%であった。結果を表7に示す。
【0504】
<実施例D13> 発光素子D13の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物9を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子D13を作製した。
【0505】
得られた発光素子D13に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子D13の1000cd/mでの外部量子収率は8.5%であった。結果を表7に示す。
【0506】
<比較例CD6> 発光素子CD6の作製および評価
実施例D7における、高分子化合物1に代えて、高分子化合物2を用いたこと以外は、実施例D7と同様にして、発光素子CD6を作製した。
【0507】
発光素子CD6に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD6の1000cd/mでの外部量子収率は6.3%であった。結果を表7に示す。
【0508】
<比較例CD7> 発光素子CD7の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物11を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子CD7を作製した。
【0509】
得られた発光素子CD7に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD7の1000cd/mでの外部量子収率は6.4%であった。結果を表7に示す。
【0510】
<比較例CD8> 発光素子CD8の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物12を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子CD8を作製した。
【0511】
得られた発光素子CD8に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD8の1000cd/mでの外部量子収率は7.2%であった。結果を表7に示す。
【0512】
<比較例CD9> 発光素子CD9の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物13を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子CD9を作製した。
【0513】
得られた発光素子CD9に電圧を印加したところ、450nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD9の1000cd/mでの外部量子収率は4.2%であった。結果を表7に示す。
<比較例CD10> 発光素子CD10の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物14を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子CD10を作製した。
【0514】
得られた発光素子CD10に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD10の1000cd/mでの外部量子収率は6.7%であった。結果を表7に示す。
【0515】
<比較例CD11> 発光素子CD11の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物15を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子CD11を作製した。
【0516】
得られた発光素子CD11に電圧を印加したところ、460nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD11の1000cd/mでの外部量子収率は5.8%であった。結果を表7に示す。
【0517】
<比較例CD12> 発光素子CD12の作製と評価
実施例D7における高分子化合物1に代えて、高分子化合物16を用いた以外は実施例D7と同様にして、発光素子CD12を作製した。
【0518】
得られた発光素子CD12に電圧を印加したところ、455nmにピークを有するEL発光が観測された。発光素子CD12の1000cd/mでの外部量子収率は5.7%であった。結果を表7に示す。
【0519】
【表7】

【0520】
実施例D7と比較例CD6および比較例CD7との比較、実施例D8、実施例D9、実施例D10および実施例D12と比較例CD8、比較例CD10および比較例CD11との比較、実施例D11と比較例CD9との比較し、実施例D13と比較例CD12との比較から、本発明の高分子化合物を用いて作製される発光素子は、外部量子収率に優れていることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0521】
本発明によれば、外部量子収率に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該高分子化合物を含有する組成物および該高分子化合物を用いて得られる発光素子を提供することができる。