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特開2021-74858形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石とこの超砥粒金網砥石の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-74858(P2021-74858A)
(43)【公開日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石とこの超砥粒金網砥石の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B24D 5/00 20060101AFI20210423BHJP
   B24D 3/00 20060101ALI20210423BHJP
   B24D 5/10 20060101ALI20210423BHJP
   B24D 3/06 20060101ALI20210423BHJP
【FI】
   B24D5/00 P
   B24D3/00 340
   B24D5/10
   B24D3/06 B
   B24D3/00 320B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】書面
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-214738(P2019-214738)
(22)【出願日】2019年11月11日
(71)【出願人】
【識別番号】519193965
【氏名又は名称】伊藤 憲秀
(72)【発明者】
【氏名】野村 衛
(72)【発明者】
【氏名】喜多 佳之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 幸男
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 憲秀
【テーマコード(参考)】
3C063
【Fターム(参考)】
3C063AA02
3C063AB03
3C063AB10
3C063BA28
3C063BB02
3C063BC02
3C063BG01
3C063BG16
3C063BH03
3C063CC12
3C063FF30
(57)【要約】
【課題】形状記憶合金の超砥粒金網砥石は被削材に対し、その熱温度が形状記憶合金の復元変態点になると正常形状に復元固定させ、その復元量を切込量となし、砥石位置を被研削材への位置制御を温度制御のみで砥石の定点加工による研削を可能とした超砥粒金網砥石に関する。
【解決手段】 形状記憶合金の金属線材1,2により形成した金網円筒体30Aと、上記金網円筒体の外周面6に超砥粒Gを電着(固着)させた超砥粒金網砥石30Cであって、上記金属線材の復元変態点の設定温度を研削加工時に起きる砥石の摩擦熱温度と成した形状記憶合金の超砥粒金網砥石である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状記憶合金で任意形状となるように各種処理した金属線材により形成した金網円盤体と、上記金網円盤体の外周面に超砥粒電着させた超砥粒金網砥石であって、上記金属線材の復元変態点の設定温度を研削加工時に起きる超砥粒金網砥石の摩擦熱温度又は外部加熱器の熱源で任意形状と成すべく処理したことを特徴とする形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石。
【請求項2】
請求項1の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石において、超砥粒金網砥石に供給される冷却液温度又は加熱空気を形状記憶合金の金属線材が持つ復元変態点の設定温度と一致するように熱処理され、研削開始前にクーラント液温度又は加熱空気を超砥粒金網砥石内に供給することで砥石形状を任意形状に膨径させることを特徴とする形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の何れかの形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石において、金網円筒体は一重又は外径が僅かに異なる金網円筒体を複数入れ子状に重ね合わせると共に軸心方向に所定寸法にプレス成形して円盤体と成したことを特徴とする形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石。
【請求項4】
上記請求項3の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石において、金網円筒体の圧縮成形に際してガイド孔を開けた基板に該ガイド孔を中心線として連結したシリンダ状の外型からなる円筒体と、上記円筒体のガイド孔に挿通する支持軸の内型と、該支持軸を先端に持ち上記円筒体内に挿入するピストン状の押圧体とからなる圧縮成形装置により、上記支持軸に金網円筒体の内孔を挿入支持し、上記金網円筒体の側面に対して外周面を筒体内に挿入する押圧体の押力で基板側に圧縮成形させて円盤体となし、上記円盤体の上記金属線材の復元変態点の設定温度で砥石形状を任意形状に復元させる設定処理と、上記円盤体の外周面に超砥粒電着を順次行うことを特徴とする形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法。
【請求項5】
請求項4の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法において、支持軸に金網円筒体の内孔を挿入支持する時に、上記金網円筒体の両端面にフランジとなる側円板を配置し、上記金網円筒体の外周面を外型となる筒体内に圧入する押圧体とこれに一体の内型となる支持軸とにより金網円筒体の内孔と両側面と外周面とを軸心方向に縮めつつ円盤体に圧縮成形することを特徴とする形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法。
【請求項6】
請求項5の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法において、上記金網円筒体の片端面に円盤体の内孔に挿入される多数の小孔を開けた内孔管付フランジとこの片外側に側円板と整形環を配置させ、金網円筒体を軸心方向への圧縮時に上記円盤体となる片側面に側円環を他方の片側面に内孔管付フランジを圧着させて圧縮成形することを特徴とする形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状記憶合金の金属線からなる超砥粒金網砥石が被削材に対し、研削時の摩擦熱温度が「形状記憶合金の復元変態点を超えると変形した砥石形状を目的形状又は目標形状(変形前の元の形状)に復元固定させ、その復元量を切込量となし、「砥石位置を被研削材への位置制御」を必要とせず「温度制御」のみで「砥石の定点加工による研削」を可能とした新規な形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、研削・研磨に必須のクーラント液について、砥石内通過性を向上させた研削砥石の代表として、クーラントガイド台金付き金網研削砥石と言われる砥石が提案されている。
上記金網研削砥石は、例えば、金網材は円筒に形成されるとともにドーナツ状に巻き込まれた外周面に砥粒を固着させた金網輪体と、上記金網輪体の内周面側を嵌合固定する凹状の嵌合部と工具ホルダに保持される支持部とを具備したクーラントガイドからなり、上記クーラントガイドの支持部にあけた通孔は、上記嵌合部の外周面にあけた多数の放出口と連通されているものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
更に、クーラント液の砥石内通過性を持つ砥石は、芯線内部に通孔を有する芯線を筒状に形成した金網体、上記金網体の先端表面に砥粒を焼成又は電着させた鳥の巣状研削砥石において、上記鳥の巣状研削砥石を構成する金網体の後端芯線内の通孔から圧入される研削液又はクーラント液を、金網体の芯線先端に開口する通孔から刃先砥粒に供給する構成としたものである(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6041248号公報
【特許文献2】特許第6041249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許第6041248号公報と特許第6041249号公報とは、共にクーラント液の砥石内通過性を持つ砥石である。この砥石は、クーラントガイド台金付き金網研削砥石で、この金網材は円筒に形成され、又は芯線内部に通孔を有する芯線を筒状に網目の交点を固着形成した金網体研削砥石である。従って、クーラント液の浸透性に優れているものの、砥石作用時に研削面に強く押し当てると中空体の全体が過剰に変形し、精密な研削加工は保証されない。
【0006】
そこで、本願発明者は、この種の金網体弾性砥石について、その詳細な技術内容を先ず記述する。即ち、金網砥石(俗名でトリノス砥石と言う)とは、金網にダイヤ又はCBNを電着した砥石であってその特性は、従来のビトリファイド砥石、超砥粒電着砥石に比べ、数十倍の砥石内液通性、気通性による冷却能力で研削焼けを抑止し、また、同数十倍切粉ポケット容積で圧倒的な研削の効率化、高品質化が可能である。
【0007】
然し乍ら、上記金網体弾性砥石は、被削材に対して金網砥石の強制的な押付力が加わると、金網体全体の反発力により研磨面の研削精度を低減させてしまう問題点がある。
また、上記金網体弾性砥石は、縦横の金網線の交点が固着されていると、円筒外周面が突出形状となり広い平坦面が得られないから、この外周面に電着されるダイヤモンド砥粒又はCBN砥粒の電着量が極小となり、効率の良い研磨作業が得られないし、砥粒の脱落率も高められ、早期に砥石寿命が訪れると言う問題点がある。具体的には、図1に示すように、ハード金網砥石20(金網体の一部のみを示す)は、縦・横に交差する金網線1と2の交点CXを含む全体を電着(ニッケル鍍金)D1したもので、全体に形状硬さがある金網電着砥石(ハードト金網砥石)20である。この金網体100を円筒状のハード金網砥石20に丸め、重ね合わせると、重ね合せ部20Aが厚くなってこの部分が極度に硬くなり、ハード金網砥石20の全周が均一硬度とならず実用に供し得ない。
【0008】
そこで、図2に示すように、上記ハード金網砥石20(金網体の一部のみを示す)を柔らかいソフト金網砥石10とすべく、縦・横に交差する金網線1と2の交点CXを電着(ニッケル鍍金)させない、自由交差としたもので、全体に形状柔らかさある金網電着砥石(ソフト金網砥石)10である。この金網体200を円筒状のソフト金網砥石10に丸め、重ね合わせると、重ね合せ部10Aが厚くなってこの部分が極度に硬くなり、ソフト金網砥石10の全周が均一硬度とならず実用に供し難い。
【0009】
即ち、上記金網体100,200の両縁辺が重ね合わさった箇所は、網厚が2倍となり、硬度も2倍以上となり、研削作用に大きな弊害となる。更に、両金網砥石10,20におけるデメリットは、金網体100,200を多層構成としても、金網砥石の外径方向の寸法誤差を生じさせるから研磨時の被削材との正確な研磨圧やクッション性が得られず、スクラッチ傷を生じやすいと言う問題点が解決されていない。
【0010】
更に、上記金網体100,200は、金網砥石が被削材に対して押圧される時、その研削圧と摩擦熱温度で砥石形状を変形させてしまう。即ち、切込量の制位置制御であるから、被削材に対して金網砥石の定点加工が不可能であり、研削砥石の熱変位により研削精度を低下させてしまう大きな欠点を克服出来ない。この欠点を克服しなければ高精度な研削・研磨・ホーニング加工が達成されない。
【0011】
本願発明者は、上記の如く両縁辺が重ね合わさる両金網砥石10,20におけるデメリットや熱変位・変形を起こし易い金網砥石の難問を完全解消すべく、金網体を圧縮成形して円盤体と成した金網砥石が被削材との摩擦熱で変形しない新規な金網砥石の研究開発に成功した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の開発目的となる請求項1の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石は、形状記憶合金で任意形状となるように各種処理した金属線材により形成した金網円盤体と、上記金網円盤体の外周面に超砥粒電着させた超砥粒金網砥石であって、上記金属線材の復元変態点の設定温度を研削加工時に起きる超砥粒金網砥石の摩擦熱温度又は外部加熱器の熱源で任意形状と成すべく処理したことを特徴とする。
【0013】
請求項2の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石は、超砥粒金網砥石に供給される冷却液温度又は加熱空気を形状記憶合金の金属線材が持つ復元変態点の設定温度と一致するように熱処理され、研削開始前にクーラント液温度又は加熱空気を超砥粒金網砥石内に供給することで砥石形状を任意形状に膨径させることを特徴とする。
【0014】
請求項3の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石は、請求項1と2記載の何れかの形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石において、金網円筒体は一重又は外径が僅かに異なる金網円筒体を複数入れ子状に重ね合わせると共に軸心方向に所定寸法にプレス成形して円盤体と成したことを特徴とする。
【0015】
請求項4の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法は、上記請求項3の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石において、金網円筒体の圧縮成形に際してガイド孔を開けた基板に該ガイド孔を中心線として連結したシリンダ状の外型からなる円筒体と、上記円筒体のガイド孔に挿通する支持軸の内型と、該支持軸を先端に持ち上記円筒体内に挿入するピストン状の押圧体とからなる圧縮成形装置により、上記支持軸に金網円筒体の内孔を挿入支持し、上記金網円筒体の側面に対して外周面を筒体内に挿入する押圧体の押力で基板側に圧縮成形させて円盤体となし、上記円盤体の上記金属線材の復元変態点の設定温度で砥石形状を任意形状に復元させる設定処理と、上記円盤体の外周面に超砥粒電着を順次行うことを特徴とする形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法。
【0016】
請求項5の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法は、請求項4の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法において、支持軸に金網円筒体の内孔を挿入支持する時に、上記金網円筒体の両端面にフランジとなる側円板を配置し、上記金網円筒体の外周面を外型となる筒体内に圧入する押圧体とこれに一体の内型となる支持軸とにより金網円筒体の内孔と両側面と外周面とを軸心方向に縮めつつ円盤体に圧縮成形することを特徴とする。
【0017】
請求項6の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法は、請求項5の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法において、上記金網円筒体の片端面に円盤体の内孔に挿入される多数の小孔を開けた内孔管付フランジとこの片外側に側円板と整形環を配置させ、シームレス金網円筒体を軸心方向への圧縮時に上記円盤体となる片側面に側円環を他方の片側面に内孔管付フランジを圧着させて圧縮成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の効果は、超砥粒金網砥石の摩擦熱温度が形状記憶合金の金属線が持つ復元変態点を超えると歪んだ砥石形状を正確な任意形状に膨径させて復元固定させ、其の復元量が切込量となり、砥石位置を被研削材への位置制御を必要とせず砥石の温度制御のみで砥石の復元する変形加工による研削を可能とした新規な砥石制御を開発した。これにより、砥石が研削熱又は外部加熱例えば、研削液の温度制御で加熱されると、その変位が形状記憶合金による復元作用で自律的に復元固定されるから、超高精度な研削加工が行える。
更に、スクラッチ傷も皆無となり研磨面の繊細で高精度な研削・研磨・ホーニングが可能となる。
【0019】
請求項2の効果は、砥石に供給されるクーラント液温度が、形状記憶合金の金属線の復元変態点を超えると、被削材との押し付けで変形した砥石形状は初めに設定された任意形状(正しい形状)に膨径させて復元固定され、其の復元量が切込量となり、砥石位置を被研削材への位置制御を必要とせず温度制御のみで砥石の定点加工による研削を可能とした新規な砥石制御を開発した。これにより、砥石が研削熱で変形しようとしても、その変位は形状記憶合金による復元作用で初めに設定された形状の目標値に復元固定されるから、超高精度な研削加工が行える。
更に、スクラッチ傷も皆無となり研磨面の繊細で高精度な研削・研磨・ホーニングが可能となる。
【0020】
請求項3の効果は、超砥粒を電着させた金網円盤体を形成する金属線材の圧縮密度が任意・適切に設定できるから、金網砥石の研削目的に対応した金網砥石が製造可能となる。これにより、最適な研削精度が得られる。これにより、最適な研削精度が得られる。更に、スクラッチ傷も皆無となり研磨面の繊細で高精度な研削・研磨・ホーニングが可能となる。
【0021】
請求項4の効果は、形状記憶合金の超砥粒金網砥石は、圧縮成形装置により、所定の形 状に圧縮成形された円盤体が得られる。これにより、その後の円盤体は、金属線材の復元変態点の設定温度で正常形状に復元させる設定処理と、円盤体の外周面に超砥粒電着させる固着処理が合理的に行える。
【0022】
請求項5の効果は、形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法によると、金網円筒体の軸心方向への圧縮成型時に両端面にフランジとなる側円板を正確に付着させられる。
【0023】
請求項6の効果は、形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石の製造方法によると、金網円筒体の軸心方向への圧縮成型時に内孔管付フランジを正確に圧着・付着させられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】 従来の実施形態を示し、ハード金網砥石の金網体交点の拡大図と斜視図である。
図2】 従来の実施形態を示し、ソフト金網砥石の金網体交点の拡大図と斜視図である。
図3】 本発明の実施形態を示し、金網円筒体を製造する編機の斜視図である。
図4】 本発明の実施形態を示し、金網円筒体の編み作用の断面図と斜視図である。
図5】 本発明の実施例で、形状記憶合金の金属線成形から金網砥石の製造原理の工程図である。
図6】 本発明の実施例で、形状記憶合金の金属線から金網砥石の製造原理のフローチャート図である。
図7】 本発明の実施例で、形状記憶合金の金属線による超砥粒金網砥石の製造工程図である。
図8】 本発明の実施例で、超砥粒金網砥石の圧縮円盤体を形成する形成装置の工程図である。
図9】 本発明の実施例で、超砥粒金網砥石の圧縮円盤体を形成する形成装置の工程図である。
図10】 本発明の実施例で、超砥粒金網砥石の砥粒付着部の拡大図である。
図11】 本発明の実施例で、超砥粒金網砥石の拡大断面図である
図12】 本発明の実施例で、超砥粒金網砥石にクーラント液を供給するクーラント供給系統図である。
図13】 本発明の実施例で、摩擦熱で形状記憶合金が復元し砥石形状を任意形状に膨径して研削加工する作用図である。
図14】 本発明の実施例で、砥石内の形状記憶合金をクーラント温度他で砥石形状を任意形状に膨径して研削加工する作用図である。
図15】 本発明の他の実施例で、軸付き砥石、平砥石、シート砥石の斜視図である。
図16】 本発明の他の実施例で、軸付き砥石による磨き作用の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図1図16により、本発明の形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石とその金網砥石の製造方法と作用図を説明する。
【実施例】
【0026】
先ず、図3は本発明の実施形態となる金網円筒体30Aを製造する編機の斜視図、図4は編機の作用図で、編み上げられた金網円筒体30Aの外観図、上記金網円筒体30Aは、1本または複数本の形状記憶合金の金属線1,2・・を任意の筒状編地に編込んで伸縮自在な金網円筒体30Aに切断加工される。先ず、図5に示す製造原理の工程図から説明する。上記金網円筒体30Aは、ニッケル・チタン系形状記憶合金又は鉄系形状記憶合金他の任意適宜な形状記憶合金による金属線1,2を編み込んで形成されているものである。
【0027】
上記形状記憶合金となる金属線1,2は、公知の製造手段・製法と加工手順により、形状記憶合金の性質を引き起こす金属線1,2を製造する。具体的には、図5図7に示す如くである。先ず、図5において、形状記憶合金となる金属線1,2の製造は太い線材1Aを熱間ロールR1,R2による圧延で圧延棒1Bとし、この圧延棒1Bを熱間フエージング加工Fにより細目の線材1Cとする。続いて、冷間伸線Kと中間焼きなましL等を繰り返し、最終的に熱処理して形状記憶合金の材料線となる金属線1,2を巻取り生成する。
【0028】
この金属線1,2により、図5及び図3図4の如く、金網円筒体30Aを編み上げ、図7の如く、一重の金網円筒体30A又は外径を少しずつ異ならした金網円筒体31A,32A・・35Aを圧縮成型機PPで圧縮して圧縮円盤体(円盤体)30Bとする。上記圧縮円盤体(円盤体)30Bは、図5において、熱処理即ち変態点の設定処理部X0により、外力で歪んだ形状を予め形状記憶させた任意形状「目的とする正常形状である」に復元させるべく温度処理される。上記圧縮円盤体(円盤体)30Bは、図10の如く、その平坦にした外周表面6に砥粒G他を超砥粒電着させて、超砥粒金網砥石30Cを製造する。
即ち、各種処理した金属線材1,2により形成した金網円筒体(円盤体)30Bと、上記円盤体の外周面に超砥粒を電着(固着)Gさせた超砥粒金網砥石30Cであって、上記金属線材1,2の復元変態点の設定温度は、研削加工時に起きる砥石の超砥粒砥石の摩擦熱温度又は外部加熱器による熱源、更に研削液の加温による温度制御と成すべく、熱処理を済ませた形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石30Cを製造する。勿論、上記以外の加熱手段も適用可能である。
【0029】
尚、上記金網円筒体30Aの生成は、例えば、図3図4に示す編機(原始的な編機の構成を簡潔に説明する)Mの実施形態で作られる。その構成は、円盤8の中央位置には倣い中子9が配置され、上記円盤8の四方に起立させた4本の支柱4の頂部に丸7を備え、この周囲に各ボビン3に巻かれた金属線1,2を引出して引っ掛け、倣い中子9の頂部で各ボビンを交差させて金属線1,2を絡み合わせて編物(30A)を編みあげる。この時、図4に示すように、倣い中子9により寸法及び形状に重ね合わせ部が無く全周囲が均一な厚みとなり、高精度の金網円筒体30Aが連続して生成される。従って、金網円筒体30Aの長さは、製編後に適宜の長さに切断される。また金網円筒体30Aは、図7に示すように、任意な外径寸法や任意長さの金網円筒体30A・31A・32A・33A・・35Aに製編・裁断加工される。金網円筒体30A・31A・32A・33A・・35Aは、各種編機や編物組織であっても良い。
【0030】
上記金網円筒体30A〜35Aは、図7(a)の如く、単体又は外径が僅かに異なる金 網円筒体30A〜35Aを複数重ね合わせると共に軸心方向Oに任意寸法だけプレス成形して円盤体30Bとする。
【0031】
以下、基本原理について、図7(b)により、単体の金網円筒体30Aから円盤体30Bにプレス成形する圧縮成形装置PPとその圧縮成形方法を説明する。勿論、実際には、金網体30A・31A・32A・33A・34A・35Aを複数入れ子状に重ね合わせたものでも良い。先ず、金網円筒体30Aは、圧縮機PPのベースK6の上に載せられ、加圧体K5により加圧してプレス成形する。この後に、加圧体K5を上昇させ、円盤体30Bを取り出す。取出した円盤体30Bは多数の金属線が緻密に絡み合った強固な形状となるから、元の形状に戻らない。ここで、図5に示すように、上記の上記金属線材1,2の復元変態点の設定温度を、例えば研削加工時に起きる砥石の摩擦熱温度と成すべく熱処理した形状記憶合金とする。この外周に、図10の外周部5を平坦面6とし、ここに砥粒Gを超砥粒電着(固着)させた超砥粒金網砥石30Cとなる。
【0032】
上記超砥粒金網砥石30Cは、電着槽70内の電着液Jに浸けて金網砥石30A・30Bから超砥粒金網砥石30Cを生成・製造する。上記超砥粒金網砥石30Cは、研削盤の主軸Sに取付けられて研削加工される。上記円盤砥石30Cによると、従来から存在する円盤体砥石と同じ作用が得られるにとどまらず、被削材Wの外周面に対しても強制的な押付力に対して、円盤体30Bの圧縮された緻密な絡み合いによる復元力と柔軟性により押付力が緩和・低減排除され、スクラッチ傷も皆無となり研磨面の繊細で高精度な研削・ホーニングが可能となる。更に、形状記憶合金による金属線材1,2の復元変態点の設定温度により、研削加工時に起きる砥石の歪んだ砥石形状が任意形状(設定された正しい形状)に復元し、摩擦熱温度の変動に係わらず、砥石形状が任意形状が超高精度の研削加工ができる。
【0033】
続いて、超砥粒金網砥石30Cの圧縮円盤体を形成する形成装置PPとその圧縮成形方法について、より一層具体的な実施例にき、図8図9で説明する。
先ず、図8に示す圧縮成形装置PPは、ガイド孔40Aを開けた基板40に該ガイド孔を中心線Oとして連結したシリンダ状の外型となる円筒体41と、上記基板に開けたガイド孔に挿通する支持軸42の内型と、該支持軸を先端に持ち上記円筒体41内に挿入するピストン状の押圧体43とからなる。尚、上記押圧体43を進退させる駆動源は図示しないが油圧シリンダ他によって行われる。しかして、上記支持軸42には、各外径を異ならしめた金網体30A・31A・32A・33A・34A・35Aを複数入れ子状に重ね合わせ、最小外径の金網体35Aの内孔35Hを挿入支持可能となす。そして、上記多層化させた各金網円筒体の側面に対してこの外周面を円筒体41内に挿入するとともに、押圧体43の押力F0で基板40側に移動させて各金網円筒体を円盤体30Bに圧縮成形させる構成となっている。
【0034】
続いて、本発明の圧縮成形方法について、図8に示す圧縮成形装置PPによる基本的な実施例で説明する。
▲1▼金網(金網体である)のセット工程Aでは、金網体30A・31A・32A・33 A・34A・35Aを重ね合わせ、その両端面にフランジとなる側円板36とこの両 外側に整形環37を配置し、押圧体43の支持軸42に内孔35Hを挿通してシーム レス金網体全体を支持する。
▲2▼圧縮成形工程Bにて、上記支持軸42の先端を円筒体41内に導き、基板40に開 けたガイド孔40Aに挿通し、押圧体43を円筒体41内に挿入するとともに押圧力 Fで、シームレス金網体30A・31A・32A・33A・34A・35Aを両側面 から軸心方向に縮めて所定寸法の円盤体30Bに圧縮成形する。この圧縮成形で円盤 体
▲3▼30Bの金網線は圧縮されて緻密で強固な絡み合いにより、元に復元しない。
▲4▼取出し工程Cにて、押圧体43を円筒体41から後退すると、支持軸42に内孔3 5Hを嵌めた円盤体30Bも一緒に円筒体41内から引き出される。この時、側円板 3
▲5▼6は円盤体30Bの内孔35Hの両側面に強固に付着される。この側円板36は、 圧縮時の形状に維持と、後記する図9図10に図示するように、供給されるクーラ ント液CKの横漏れを防ぐ機能を発揮する。整形環37は円盤体30Bの両側面全体 を平滑に圧縮成形させるも、両側面と側円板36から分離される。
▲6▼完成工程Dにて、円盤体30Bを完成させ、この外周面に、図10の外周部5を平 坦面6とし、ここに砥粒Gを電着させて超砥粒金網砥石30Cとする。この超砥粒金 網砥石は、図11図12に示すように、センタースルー・クーラント液CKを超砥 粒金網砥石30C内に誘導する工具ホルダHに取付けられる。
【0035】
更に、上記本発明の圧縮成形方法は、図8の圧縮成形装置PPと同一の圧縮成形装置PPにおいて、図9に図示するように、発展的な圧縮成形方法に展開できる。その一例を具体例で説明する。AXで図示する内径フランジ型のように、各金網円筒体30A・31A・32A・33A・34A・35Aを圧縮した円盤体30Bの片端面から内孔35Cに挿入される多数の小孔hを筒部に開けた内孔用の鍔付管フランジ36Aと側円板36と整形環37を配置又は、多数の小孔hを開けた内径管36Bを内孔35Hに挿入し、両外側に側円板36と整形環37を配置させる。そして、金網円筒体30A・31A・32A・33A・34A・35Aを軸心方向Oへの圧縮時に上記円盤体30Bとなる内孔35Hに鍔付管(フランジ36Aと内径管36Bからなる)36Cと、この反対側に側円板36を圧着させ、又は、内径管36Bの両外側に側円板36を圧着させて圧縮成形した円盤体30Bとする圧縮成形方法である。
【0036】
上記金網砥石30A・31A・32A・33A・34A・35Aを円盤体30Bにした超砥粒金網砥石(平砥石とも言う)30Cにおいて、図9に示す最適加工例で説明する。超砥粒金網砥石30Cの内孔・内径35Cの全周は、センタースルー・クーラント液CKを円盤砥石の30C内に誘導する工具ホルダHの主軸Sに取付けられる。実際には、鍔付管フランジ36Aと側円板36又は内径管36Bと両外側の側円板36からなる内孔・内径35Hが工具ホルダHの主軸Sに嵌められる。
【0037】
そして、図11(a)では、クーラント液CKの液圧で、超砥粒金網砥石30C内にクーラント液CKが貯留するも、外周面から噴出しない。図11(b)では、クーラント液CKの液圧P1〜P3となり、超砥粒金網砥石30Cの内孔の鍔付管フランジ36A又は内径管36Bの小孔h・・・からクーラント液CKは、超砥粒金網砥石の30C内に圧入し、回転する超砥粒金網砥石30Cの遠心力と相俟って、砥石外周面から被削材(図示なし)の表面に噴射し、研削・研磨・ホーニング時に積極的に効率良く供給される。この時、超砥粒金網砥石30Cの両側面の側円板36により、クーラント液CKの圧縮時や膨張時における砥石の変形防止(形状維持)と、クーラント液CKの横漏れを防止し、クーラント液CKを効率良く砥石外周面から被削材(図示なし)の表面に噴射する効果が得られる。従って、従来の平砥石やソフト金網砥石では得られない「研削」「研磨」「ホーニング」加工が柔軟性に優れた高能率にして、高精度(スクラッチ傷無く)が得られる。
【0038】
上記加工例のクーラント液圧と温度制御は、図12のクーラント供給装置50によって制御される。その詳細は、クーラント供給装置50と、NC制御装置60とプログラム制御部PGにより、超砥粒金網砥石30Cと、配管の途中に設けたクーラント液温度制御部CT又はヒーター加熱器HTとを制御している。
【0039】
続いて、図13(基本原理による砥石の膨径)と図14(具体的手段による砥石の膨径)の態様は、先ず、超砥粒金網砥石30Cの外周面Yと被削材Wの表面とは、空隙Xに設定される。ここで、研削直前に超砥粒金網砥石30Cに供給されるクーラント液CK又は加熱空気HEを、形状記憶合金の超砥粒金網砥石に対して、供給されるクーラント液温度制御部CT又はヒーター加熱器HTからの加熱クーラント液CKは、その温度H0を金属線材1,2が持つ復元変態点の設定温度と一致すべく加熱されると、超砥粒金網砥石30Cの外周面Yは、+2α(外径)だけ膨径して超砥粒金網砥石30Cの砥石形状を、正常形状とする。これにより、研削開始となる。しかして、超砥粒金網砥石30Cの外周面Yは被削材Wの表面からX=αだけ切り込まれる。
【0040】
以上の如く、超砥粒金網砥石30Cに供給されるクーラント液温度制御部CTやヒーター加熱器HTからの加熱温度H0が、形状記憶合金の金属線の復元変態点を超えると、例え変形した砥石形状でも正常形状に復元固定され、其の復元量が切込量となり、砥石位置を被研削材Wへの「位置制御」を必要とせず「温度制御」のみで「砥石の定点加工による研削」を可能とした新規な砥石制御が行える。これにより、砥石が研削熱で変形しようとしても、その変位が形状記憶合金による復元作用で正常形状に復元固定されるから、超高精度な研削加工が行える。更に、スクラッチ傷も皆無となり研磨面の繊細で高精度な研削・研磨・ホーニングが可能となる。
【0041】
しかして、超砥粒金網砥石を加熱させて、形状記憶合金1,2の金属線の復元変態点を超えると、例え変形した砥石形状でも正しい形状に復元固定され、其の復元量が切込量となり、「砥石位置を被研削材への位置制御」を必要とせず「温度制御」のみで「砥石の定点加工による研削」を可能とした新規な砥石制御が行える。これにより、砥石が研削熱で変形しようとしても、その変位が形状記憶合金による復元作用で正しい形状に復元固定されるから、超高精度な研削加工が行える。更に、スクラッチ傷も皆無となり研磨面の繊細で高精度な研削・研磨・ホーニングが可能となる。
【0042】
上記クーラント供給装置50の詳細は、駆動源のモーターMOによりタンクT内のクーラント液CKを供給する2気筒プランジャーポンプP(単筒AC、BC)と、該プランジャーポンプPから吐出する脈動圧のクーラント液CKを多種多様に切替える逆止弁V1〜V5と切替弁V6、V7を備えている。上記逆止弁V1〜V5の切り替えで、4種類のクーラント液CKを円盤砥石30Cまで配管・供給する経路を形成している。尚、吐出されるクーラント液CKは、NC制御装置60からのNCプログラムPGの制御により、単筒ACの圧力P1、単筒BCの圧力P2、両方の合成圧力(P1+P2)P3と、該合成圧力(P1+P2)P3をアキュームレーターAQに入れて一定圧P0とする4種類に切替えられる。以上の如く、上記各脈動圧による円盤砥石30Cの膨張・縮小動作とクーラント液を高効率に研削点に供給し、従来の平砥石では得られない「研削」「研磨」「ホーニング」加工の高効果が得られる。
【0043】
以上のように、形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石とこの超砥粒金網砥石の製造方法について、総括的にその作用・効果・効能を纏めると、形状剛性の低い金網円筒体を円盤体とするとともに、形状記憶合金から構成したから、形状維持が飛躍的に高められるとともに、砥石内でのクーラント液の貯留機能と被削材への流通供給性が非常に良く、脈動圧が高い膨張時に砥石を僅かに増径させ、脈動圧が低い時には砥石を減径させるから、既存の超砥粒砥石では、実現できない多くの新規な作用・効果が得られる。
【0044】
更に、本発明の特性や設計変更や発展的展望を列記すれば、
1、 超砥粒金網砥石の網目体は形状記憶合の線径の太い・細い・線材を鉄・非鉄他が任 意に選択可能
である他、網目の編み方も、緩く・強く・荒く・細かく他が任意に選択可能である。更 には、形状記憶合金の他バイメタル機能の金属線で網目体を形成し、研削時の温度上昇 時により正しい網目体形状としても良い。
2、網目体の空隙は切り子ポケットになるので目詰まりしない。網目線材の交点は、固着 と自由が選択でき、交点固着はハードタイプ、交点フリーはソフトタイプとなり、ソフ トタイプは交点移動するから衝撃力を吸収する弾性砥石として最適となる。
3、圧縮成形装置のオス型・メス型の形状により、任意形状の圧縮砥石が得られる。また 、プレス技術を駆使し上下方向+横方向に複合圧縮すれば、更に複雑形状が可能で、加 工面を外形・内径・平面・溝・穴・局面他に対応できる。この形状としても、従来の砥 石には無い、圧倒的な透水性の金属他製、超砥粒電着弾性砥石が得られる。
4、網目線材の加工面以外の砥石側面を板状に覆うと、クーラント液の冷却水漏れ防止対 策が容易となる。また、上記網目線材にセンサーと導線を線状に編み込めば知能砥石と なる。更に、熱溶解性の線材で金網を編み込めば、線材を熱溶解して除去すれば、任意 空間を砥石内に形成できる。
上記1〜4迄の発展的な円盤体が圧縮成形されるから、多種・多様な用途に使用可能な 研削砥石が生成できる。
【0045】
そこで、上記超砥粒金網砥石30Cの各実施例に限定されず、図15図16に示す砥石にも適応できる。具体的には、軸付超砥粒金網砥石80Aや超砥粒金網平砥石80Bや超砥粒金網シート砥石80C他への展開が可能である。軸付超砥粒金網砥石80Aによると、図16に見るように、軸付超砥粒金網砥石80によるワークWの孔H6のホーニング加工時において、図16(a)で、孔H6内に軸付超砥粒金網砥石80Aを差し入れ、図16(b)に示す如く、クーラント液温度制御部CTやヒーター加熱器HTからの加熱温度H0のクーラント液が供給されると、形状記憶合金の金属線1、2の復元変態点を超え、例え変形した砥石形状でも正常に復元膨径固定され、其の復元量が切込量となり、ワークWの孔H6への研削・ホーニング加工を可能となる。勿論、他の砥石超砥粒金網平砥石80Bや超砥粒金網シート砥石80C他においても、優れた作用・効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、上記形状記憶合金からなる超砥粒金網砥石とこの超砥粒金網砥石の製造方法において、その用途は上記実施例に限定されない。もっぱら、研削ワークの研削・研磨・ホーニングの各使用例で説明したが、更に、上記した如く、図示の実施形態に限定されず、各種使用例の実施形態にも適用展開されること勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1,2 金網線
1A 線材
1C 線材
R1,R2 熱間ロール圧延
6 平坦面
7 丸台
8 円盤
9 倣い中子
30A〜35A 金網円筒体
30B 円盤体
30C 超砥粒金網砥石
35H 内孔
36 側円板
36A 鍔付管
36B 内径管
36C 鍔付管
37 整形環
40 基板
40A ガイド孔
41 円筒体
42 支持軸
43 押圧体
50 クーラント供給装置
60 NC制御装置
70 電着槽
80A 軸付超砥粒金網砥石
80B 超砥粒金網平砥石
80C 超砥粒金網シート砥石
CX 交点
CK クーラント液
CT クーラント液温度制御部
HT ヒーター加熱器と
F 熱間フエージング加工
F0 押圧力
J 電着液
H0 加熱温度
HE 加熱空気
H 工具ホルダ
K1,K2 凹凸金型
K5,K6 加圧体とベース
PP 圧縮成形装置
G 超砥粒
M 編機
P1〜P3 脈動圧
S 主軸
X0 変態点の設定処理
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16