特開2021-75096(P2021-75096A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-75096車両用補強部材の製造方法、及び車両用補強部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-75096(P2021-75096A)
(43)【公開日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】車両用補強部材の製造方法、及び車両用補強部材
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/04 20060101AFI20210423BHJP
   B23K 20/12 20060101ALI20210423BHJP
【FI】
   B60R19/04 M
   B23K20/12 360
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-201207(P2019-201207)
(22)【出願日】2019年11月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八並 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】吉田 憲司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 克
(72)【発明者】
【氏名】北 恭一
(72)【発明者】
【氏名】正保 順
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 太平
【テーマコード(参考)】
4E167
【Fターム(参考)】
4E167AA06
4E167BG07
4E167BG23
4E167DA10
(57)【要約】
【課題】筒状(中空状)の車両用補強部材の製造コストを低減する。
【解決手段】 それぞれ所定の方向に延びる複数の帯板状の壁部を有していて、前記所定の方向に対して直交する方向へ開放されている中間成形体1aを押出成形法を用いて製造する。つぎに、前記所定の方向に延びる中空部が内部に形成されるように、1つ又は複数の前記部材の前記壁部の端面同士を突き合わせる。つぎに、前記突合せられた端面に沿って摩擦攪拌接合ツールFTを走査して、前記着き合わせられた壁部を摩擦攪拌接合する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ所定の方向に延びる複数の帯板状の壁部を有していて、前記所定の方向に対して直交する方向へ開放されている部材を押出成形法を用いて製造する押出成形工程と、
前記所定の方向に延びる中空部が内部に形成されるように、1つ又は複数の前記部材の前記壁部の端面同士を突き合わせる突合せ工程と、
前記突合せられた端面に沿って摩擦攪拌接合ツールを走査して、前記着き合わせられた壁部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌整合工程と、
を含む、車両用補強部材の製造方法。
【請求項2】
前記押出成形工程は、前記所定の方向に延びる帯板状の第1壁部、及び前記所定の方向にそれぞれ延びる帯板状の第2壁部及び第3壁部であって、それらの幅方向における一端が前記第1壁部の一方の側面に接続され、他端が離間している部材を製造する工程を含み、
前記突合せ工程は、前記部材の前記第2壁部及び前記第3壁部の他端面同士が突合せられるように、前記第2壁部及び第3壁部のいずれか一方又は両方を変形させる工程を含む、車両用補強部材の製造方法。
【請求項3】
所定の方向に延びる筒状部を有する車両用補強部材であって、
前記筒状部を構成する壁部は、前記筒状部の延設方向における一端から他端へ亘る摩擦攪拌接合部を有する、車両用補強部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用補強部材の製造方法、及び車両用補強部材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に記載されているように、車両用補強部材としてのバンパーリインフォースメントBR(図11参照)は知られている。このバンパーリインフォースメントBRは、押出成形法を用いて、一体的に形成されている。バンパーリインフォースメントBRは、車幅方向に延設されている。このバンパーリインフォースメントBRの延設方向(つまり、車幅方向)に垂直な断面は、略C字型を呈する。すなわち、バンパーリインフォースメントBRは、それぞれ車幅方向に延びる帯板状の前壁部BR1、上壁部BR2、下壁部BR3及び後壁部BR4から構成されている。前壁部BR1の一方の壁面が、車両前方へ向けられている。上壁部BR2及び下壁部BR3は、前壁部BR1の後面における上端及び下端から後方へそれぞれ延設されている。後壁部BR4は、上側後壁部BR41と下側後壁部BR42から構成されている。上側後壁部BR41は、上壁部BR2の後端から下方へ延設されている。また、下側後壁部BR42は、下壁部BR3の後端から上方へ延設されている。上側後壁部BR41の下端面と下側後壁部BR42の上端面は、車両高さ方向に離間し、対面している。つまり、後壁部BR4の車両高さ方向における中央部が後方へ向かって開放されている。言い換えれば、バンパーリインフォースメントBRは、その延設方向における一端から他端へ亘る開口部を有する略筒状の部材である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−016159号公報
【発明の概要】
【0004】
(発明が解決しようとする課題)
ここで、一般に、周壁部(前壁部、上壁部、下壁部、及び後壁部)に開口部が設けられていない筒状(中空状)のバンパーリインフォースメントの剛性は、上記のような開口部を有するバンパーリインフォースメントBRの剛性に比べて高いことが知られている。しかし、一般に、このような筒状(中空状)の部材を押出成形法を用いて製造するための金型の構造は、バンパーリインフォースメントBRのような開口部を有する部材を押出成形法を用いて製造するための金型の構造に比べて複雑である。また、前者の製造速度(押出速度)は、後者の製造速度(押出速度)に比べて遅い。よって、筒状(中空状)のバンパーリインフォースメントの製造コストは、上記のような開口部を有するバンパーリインフォースメントBRの製造コストより高い。
【0005】
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、筒状(中空状)の車両用補強部材の製造コストを低減することにある。また、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0006】
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用補強部材の製造方法は、それぞれ所定の方向に延びる複数の帯板状の壁部を有していて、前記所定の方向に対して直交する方向へ開放されている部材(1a、2a、C)を押出成形法を用いて製造する押出成形工程と、前記所定の方向に延びる中空部が内部に形成されるように、1つ又は複数の前記部材の前記壁部の端面同士を突き合わせる突合せ工程と、前記突合せられた端面に沿って摩擦攪拌接合ツール(FT)を走査して、前記着き合わせられた壁部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌整合工程と、を含む。
【0007】
本発明の一実施態様において、前記押出成形工程は、前記所定の方向に延びる帯板状の第1壁部(11a、21a)、及び前記所定の方向にそれぞれ延びる帯板状の第2壁部(12a、22a(23a))及び第3壁部(13a、25a)であって、それらの幅方向における一端が前記第1壁部の一方の側面に接続され、他端が離間している部材を製造する工程を含み、前記突合せ工程は、前記部材の前記第2壁部及び前記第3壁部の他端面同士が突合せられるように、前記第2壁部及び第3壁部のいずれか一方又は両方を変形させる工程を含む。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る車両用補強部材は、所定の方向に延びる筒状部を有し、前記筒状部を構成する壁部は、前記筒状部の延設方向における一端から他端へ亘る摩擦攪拌接合部を有する。
【0009】
上記のように、押出成形工程にて製造される部材は、筒状(中空状)ではなく、その長手方向における一端から他端に亘る開口部を有する。よって、当該工程にて用いる金型の構造が比較的単純である。また、同工程において、材料を押し出し易い。つまり、材料の押出速度が比較的速い。その後、前記開口部が閉じられ、中空部が形成されるように前記壁部が突き合わせられ、その突き合わせ面が摩擦攪拌接合される。このようにして、筒状(中空状)を呈する車両用補強部材が製造される。よって、本発明によれば、強度が比較的高く、且つ安価な車両用補強部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るバンパーリインフォースメントが適用された車両の平面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るバンパーリインフォースメントの斜視図である。
図3図2のバンパーリインフォースメントの製造工程を示す概略図である。
図4図3の突合せ工程におけるバンパーリインフォースメントの長手方向に垂直な断面(右側から見た断面)の形状の変化を示す図である。
図5図3の摩擦攪拌接合工程におけるバンパーリインフォースメントの断面及び摩擦攪拌接合ツールを示す図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るバンパーリインフォースメントの斜視図である。
図7図6のバンパーリインフォースメントの製造工程のうちの突合せ工程におけるバンパーリインフォースメントの長手方向に垂直な断面の形状(右側から見た断面)の変化を示す図である。
図8図6のバンパーリインフォースメントの製造工程のうちの摩擦攪拌接合工程におけるバンパーリインフォースメントの断面及び摩擦攪拌接合ツールを示す図である。
図9】本発明の変形例に係るバンパーリインフォースメントの製造工程のうちの突合せ工程における、バンパーリインフォースメントの長手方向に垂直な断面図である。
図10図9のバンパーリインフォースメントの製造工程のうちの摩擦攪拌接合工程におけるバンパーリインフォースメントの断面及び摩擦攪拌接合ツールを示す図である。
図11】従来のバンパーリインフォースメントの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係るバンパーリインフォースメント1及びバンパーリインフォースメント2の構成、並びにそれらの製造方法について説明する。まず、バンパーリインフォースメント1(2)が適用された車両Vの概略について説明する(図1参照)。車両Vは、左右一対のサイドメンバS,S及びバンパーリインフォースメント1(2)を備える。
【0012】
サイドメンバS,Sは、車幅方向に間隔をおいて配置されている。サイドメンバS,Sは、車両前後方向にそれぞれ延設されている。サイドメンバS,Sの前端部には、図示しないフランジ部が設けられている。このフランジ部に、バンパーリインフォースメント1(2)が締結されている。
【0013】
(第1実施形態)
つぎに、バンパーリインフォースメント1の構成の概略について説明する。バンパーリインフォースメント1は、図2に示すように、車両の車幅方向における一端(右端)から他端(左端)に亘って水平に延びる角筒状(中空状)を呈する。すなわち、図2に示すように、バンパーリインフォースメント1は、前壁部11、上壁部12及び下壁部13及び後壁部14を有する。各壁部は、車幅方向に延びる帯板状をそれぞれ呈する。
【0014】
前壁部11の一方の壁面が、前方へ向けられている。すなわち、前壁部11の板厚方向が水平方向(前方)に一致している。
【0015】
上壁部12の一方の壁面が上方へ向けられている。すなわち、上壁部12の板厚方向が車両高さ方向に一致している。上壁部12は、前壁部11の後面における上端より少し下方に位置する部分から後方へ延設されている。下壁部13は、上壁部12の下方に配置されている。下壁部13の一方の壁面が、下方へ向けられている。下壁部13は、前壁部11の後面における下端より少し上方に位置する部分から後方へ延設されている。
【0016】
後壁部14は前壁部11の後方に配置されている。後壁部14の一方の壁面が後方へ向けられている。前壁部11と後壁部14とが平行に配置されている。前壁部11の上下方向の寸法に比べて、後壁部14の上下方向の寸法が少し小さい。上壁部12の後端が、下方へ湾曲形成されて、後壁部14の上端に接続されている。下壁部13の後端が、上方へ湾曲形成されて、後壁部14の下端に接続されている。
【0017】
バンパーリインフォースメント1は、図3に示すように、押出成形工程、ロール成形工程及び摩擦攪拌接合工程を経て製造される。
【0018】
〔押出成形工程〕
まず、アルミニウム合金材が押出成形用の金型から押し出されて、中間成形体1aが製造される。前記アルミニウム合金材の押出方向(つまり、中間成形体1aの長手方向)が車幅方向に相当する。中間成形体1aは、前壁部11a、上壁部12a及び下壁部13aを備える。各壁部が、前記長手方向に延びる帯板状を呈する。以下の説明において、前壁部11aの長手方向(押出方向)に平行な方向を左右方向と呼ぶ。また、前壁部11aの板厚方向に平行な方向を前後方向と呼び、前壁部11aの幅方向に平行な方向を上下方向と呼ぶ。
【0019】
上壁部12aは、前壁部11aの後面における上端より少し下方に位置する部分から後方へ延設されている(図4(A)参照)。上壁部12aの前半部の一方の壁面が上方へ向けられている。すなわち、上壁部12aの前半部の板厚方向が上下方向に一致している。上壁部12aの後半部は、下方へ緩やかに湾曲しており、その先端(上壁部12aの後端)の高さ位置が、前壁部11aの上下方向における中央部の高さ位置よりも高い。
【0020】
下壁部13aは、前壁部11aの後面における下端より少し上方に位置する部分から後方へ延設されている。下壁部13aの前半部の一方の壁面が下方へ向けられている。すなわち、下壁部13aの前半部の板厚方向が上下方向に一致している。下壁部13aの後半部は、上方へ緩やかに湾曲しており、その先端(下壁部13aの後端)の高さ位置が、前壁部11aの上下方向における中央部の高さ位置よりも低い。すなわち、上壁部12aの後端と下壁部13aの後端とが、上下方向に離間している。言い換えれば、中間成形体1aは、左右方向における一端から他端へ亘る開口部を有する。
【0021】
(突合せ工程)
中間成形体1aが押出成形法を用いて製造された直後であって、その温度が比較的高い状態において、上壁部12a及び下壁部13aが、周知のロール成形法を用いて成形される。具体的には、上壁部12a及び下壁部13aの後半部の湾曲部の曲率半径が減少され(図4(B)参照)、両者の後端面同士が当接される(突合せられる(図4(C)参照))。つまり、上壁部12aが、上壁部12、及び後壁部14の上半部に変形されるとともに、下壁部13aが、下壁部13、及び後壁部14の下半部に変形される。なお、中間成形体1aの前壁部11aは変形されず、中間成形体1aの前壁部11aが、そのまま、完成品としてのバンパーリインフォースメント1の前壁部11として利用される。
【0022】
(摩擦攪拌接合工程)
中間成形体1aの左右方向における一端側から、摩擦攪拌接合ツールFT(特開2003−154471号公報を参照)が、上壁部12aと下壁部13aとの突き合わせ部BPに進入させ、突合せ部BPに沿って移動(走査)さされるように、摩擦攪拌接合ツールFT及び中間成形体1aを相対的に移動させて、摩擦攪拌接合ツールFTを中間成形体1aの他端へ至らしめる(図3及び図5参照)。なお、本工程において、上壁部12aと下壁部13aの端面(突き合わせ面)同士のうち、未だ接合されていない部分同士が密着した状態が保持されるように、中間成形体1aをガイドするガイド部材が用いられる。
【0023】
(効果)
上記のように、中間成形体1aは、筒状(中空状)ではなく、その左右方向における一端から他端に亘る開口部(上壁部12aの後端と下壁部13aの後端との間)を有する。よって、中間成形体1aを製造する押出成形工程にて用いる金型の構造が比較的単純である。また、同工程におけるアルミニウム合金材を押し出し易い。つまり、アルミニウム合金材の押出速度が比較的速い。その後、中間成形体1aが筒状に成形される。すなわち、上壁部12aの後端面と下壁部13aの後端面とが突合せられて接合される。よって、本実施形態によれば、強度が比較的高く、且つ安価なバンパーリインフォースメント1を提供できる。
【0024】
ここで、例えば、突合せ部BPを、シーム溶接法を用いて接合した場合には、溶接部が高温になる。アルミニウム合金材において、一旦高温になった部分の強度が若干低下する傾向にある。そこで、本実施形態では、突合せ部BPを摩擦攪拌接合している。これによれば、接合部の温度は比較的低いので、接合部の強度を高く保つことができる。
【0025】
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態に係るバンパーリインフォースメント2及びその製造方法について説明する。バンパーリインフォースメント2は、図6に示すように、バンパーリインフォースメント1と同様の角筒状を呈する。すなわち、バンパーリインフォースメント2は、前壁部11、上壁部12、下壁部13及び後壁部14と同一の前壁部21、上壁部22、下壁部23及び後壁部24を備える。さらに、バンパーリインフォースメント2は、前壁部21、上壁部22、下壁部23及び後壁部24によって囲まれた空間に配置されたリブ25を有する。リブ25は、上壁部22と下壁部23との間に配置されている。リブ25は、上壁部22及び下壁部23に対して平行な帯板部である。リブ25は、前壁部21の車両高さ方向における中央部と、後壁部24の車両高さ方向における中央部との間に架け渡されている。
【0026】
バンパーリインフォースメント2は、下記のような押出成形工程、ロール成形工程及び摩擦攪拌接合工程を経て製造される。なお、これらの工程を実施するための装置が、1つのライン上に並べられており、これらの工程が連続的に実施される。
【0027】
〔押出成形工程〕
まず、アルミニウム合金材が押出成形用の金型から押し出されて、中間成形体2aが製造される(図7(A)参照)。前記アルミニウム合金材の押出方向(つまり、中間成形体2aの長手方向)が車幅方向に相当する。中間成形体2aは、前壁部21a、上壁部22a及び下壁部23a及びリブ25aを備える。各壁部が、前記長手方向に延びる帯板状を呈する。以下の説明において、前壁部21aの長手方向(押出方向)に平行な方向を左右方向と呼ぶ。また、前壁部21aの板厚方向に平行な方向を前後方向と呼び、前壁部21aの幅方向に平行な方向を上下方向と呼ぶ。
【0028】
上壁部22a及び下壁部23aの構成は、中間成形体1aの上壁部12a及び下壁部13aの構成と略同一である。リブ25aは、前壁部21aの後面の上下方向における中央部から後方へ延設された水平壁部25a1を備える。さらに、リブ25aは、水平壁部25a1の後端から上方及び下方へ少し延設された、上側垂直壁部25a2及び下側垂直壁部25a3を備える。上壁部22aの後端の高さ位置は、上側垂直壁部25a2の上端の高さ位置より高く、下壁部23aの後端の高さ位置は、下側垂直壁部25a3の下端の高さ位置より低い。また、上壁部22a及び下壁部23aの後端の前後方向位置は、リブ25aの後端の前後方向位置より後方にある。すなわち、上壁部22a、リブ25a、及び下壁部23aは、上下方向に離間している。言い換えれば、中間成形体2aは、左右方向における一端から他端に亘る2つの開口部を有する。
【0029】
(突合せ工程)
中間成形体2aが押出成形法を用いて製造された直後であって、その温度が比較的高い状態において、上壁部22a及び下壁部23aが、周知のロール成形法を用いて成形される。具体的には、上壁部22a及び下壁部23aの後半部の湾曲部の曲率半径が減少するようにさらに湾曲される(図7(B)参照)。そして、上壁部22aの後端面が、上側垂直壁部25a2の上端面に当接され、下壁部23aの後端面が、下側垂直壁部25a3の下端面に当接される(図7(C)参照)。なお、中間成形体2aの前壁部21a及びリブ25aは変形されず、それらが、そのまま、完成品としてのバンパーリインフォースメント2の前壁部21及びリブ25として利用される。
【0030】
(摩擦攪拌接合工程)
中間成形体2aの左右方向における一端側から、2つの摩擦攪拌接合ツールFT(例えば、特開2003−154471号公報を参照)が、上壁部22aと上側垂直壁部25a2との突き合わせ部BP1、及び下壁部23aと下側垂直壁部25a3との突き合わせ部BP2に進入させ、突合せ部BP1,BP2に沿って移動(走査)されるように、摩擦攪拌接合ルールFT及び中間成形体2aを相対的に移動させ、摩擦攪拌接合ツールFT,FTを中間成形体2aの他端へ至らしめる(図8参照)。なお、本工程においても、第1実施形態と同様に、上壁部22a及び下壁部23aのうち、未だリブ25に接合されていない部分が、上側垂直壁部25a2及び下側垂直壁部25a3に密着した状態が保持されるように、中間成形体2aをガイドするガイド部材が用いられる。
【0031】
(効果)
これによっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、バンパーリインフォースメント2は、前壁部21、上壁部22、下壁部23及び後壁部24によって囲まれた空間にリブ25を備えている。よって、バンパーリインフォースメント2の強度を、バンパーリインフォースメント1の強度より高く設定できる。
【0032】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0033】
例えば、図9及び図10に示すように、2つの溝形部材Cを接合しても良い。具体的には、押出成形工程において、底壁部C1と、前記底壁部C1の幅方向における両端部対して垂直な側壁部C2,C2を有する2つの溝形部材Cを同時に製造する(図9(A)参照)。つぎに、突き合わせ工程において、一方の溝形部材Cの側壁部C2の端面と、他方の溝形部材Cの側壁部C2の端面同士を突合わせる(図9(B)参照)。そして、それらの突き合わせ部BP,BPを、摩擦攪拌接合ツールFT,FTを用いて同時に摩擦攪拌接合する(図10参照)。これによっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0034】
なお、上記実施形態は、本発明をバンパーリインフォースメントの製造に適用した例であるが、本発明は、例えば、インパネリインフォースメント、ベルトラインリインフォースメントなどの車両用補強部材の製造に適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1,2…バンパーリインフォースメント、1a,2a…中間成形体、11,11a,21,21a…前壁部、12,12a,22,22a…上壁部、13,13a,23,23a…下壁部、14,14a,24,24a…後壁部、25,2a…リブ、25a1…水平壁部、25a2…上側垂直壁部、25a3…下側垂直壁部、BP,BP1,BP2,BP3…突合わせ部、C…溝形部材、C1…底壁部、C2…側壁部、FT…摩擦攪拌接合ツール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11