【解決手段】ワークを搬送する往復動可能なトラフ3と、駆動源41からの駆動力により周回運動する周回部材としての回転部材42と、回転部材42とトラフ3との間に設けられる振動コンベヤにおいて、回転部材42は、定速で回転運動し、回転部材42の回転運動をトラフ3の直線往復運動に変換する変換機構43と、を備え、変換機構43は、一端部431Aが回転部材42に連結され、一端部431Aと他端部431Bの間の中間部431Cにおいて回転部材42の回転軸41Aと略平行な軸8回りで揺動可能に構成された揺動部材431と、揺動部材431の他端部431Bに一端部が連結され、他端部431Bがトラフ3に連結された連結部材432と、を備える。
ワークを搬送する往復動可能なトラフと、駆動源からの駆動力により周回運動する周回部材と、該周回部材と前記トラフとの間に設けられ、該周回部材の周回運動を該トラフの直線往復運動に変換する変換機構と、を備える振動コンベヤにおいて、
前記周回部材は、定速で周回運動し、
前記変換機構は、一端部が前記周回部材に連結され、一端部と他端部の間の中間部において前記周回部材の周回中心を通る軸と略平行な軸回りで揺動可能に構成された揺動部材と、該揺動部材の他端部に一端部が連結され、他端部が前記トラフに連結された連結部材と、を備え、
前記揺動部材は、前記揺動部材の一端部と前記軸との間の距離と、前記揺動部材の他端部と前記軸との間の距離との比率が前記周回部材の周回に伴い刻々変化するように移動可能に構成されていることを特徴とする振動コンベヤ。
前記揺動部材は、前記軸を保持して揺動可能で、かつ、前記軸を保持したまま長手方向にスライドするスライド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の振動コンベヤ。
前記揺動部材は、前記連結部材を介して前記トラフに伝達する駆動力が、前記直線往復運動に係る一方向から他方向に反転する際に比べ、他方向から一方向に反転する際の方が大きくなるように前記移動することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の振動コンベヤ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、モータを回転制御するドライバ・コントローラを不要とすることで、コスト及び設置スペースの増大を抑制することが可能な振動コンベヤを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ワークを搬送する往復動可能なトラフと、駆動源からの駆動力により定速で周回運動する周回部材と、該周回部材と前記トラフとの間に設けられ、該周回部材の周回運動を該トラフの直線往復運動に変換する変換機構と、を備える振動コンベヤにおいて、前記周回部材は、定速で周回運動し、前記変換機構は、一端部が前記周回部材に連結され、一端部と他端部の間の中間部において前記周回部材の周回中心を通る軸と略平行な軸回りで揺動可能に構成された揺動部材と、該揺動部材の他端部に一端部が連結され、他端部が前記トラフに連結された連結部材と、を備え、前記揺動部材は、前記揺動部材の一端部と前記軸との間の距離と、前記揺動部材の他端部と前記軸との間の距離との比率が前記周回部材の周回に伴い刻々変化するように移動可能に構成されていることを特徴とする振動コンベヤである。
【0008】
上記のように、揺動部材の一端部と軸との間の距離と、揺動部材の他端部と軸との間の距離との比率が周回部材の周回に伴い刻々変化するように移動することで、トラフが前進から後退に反転する局面の加速度を、トラフが後退から前進に反転する局面の加速度よりも大きくすることができる。さらに、揺動部材が軸に対して移動しながら軸回りで揺動する動きに連動して連結部材が押し引きされることにより、周回部材の周回運動をトラフの直線往復運動に変換して、トラフを往復動させることができる。すなわち、本発明は、従来のようにサーボモータなどの駆動源を用いて周回部材の周回制御を行うことなく、上記のように、周回部材の周回運動をトラフの直線往復運動に変換する変換機構を機械的に実現することで、周回部材を定速で周回させる構成にすることができる。これによって、駆動源として高価なサーボモータが不要になるだけでなく、周回制御するためのドライバ・コントローラを不要にできる他、駆動回路や制御回路も不要にできる。また、機械的構成であるため、故障が発生した時に、故障の原因調査や現場での修理対応が容易になる。
【0009】
また、前記揺動部材は、前記軸を保持して揺動可能で、かつ、前記軸を保持したまま長手方向にスライドするスライド部を備えていてもよい。
【0010】
上記のように、スライド部により揺動部材をスライドさせることで、揺動部材の一端部と軸との間の距離と、揺動部材の他端部と軸との間の距離との比率変化が円滑に行われる。
【0011】
また、前記スライド部は、前記揺動部材に形成された長孔から構成されていてもよい。
【0012】
上記のように、揺動部材に長孔を形成するだけで、スライド部を構成することができるので、揺動部材の作製が容易になる。
【0013】
また、前記揺動部材は、前記連結部材を介して前記トラフに伝達する駆動力が、前記直線往復運動に係る一方向から他方向に反転する際に比べ、他方向から一方向に反転する際の方が大きくなるように前記移動する構成であってもよい。
【0014】
上記構成によれば、他方向から一方向に反転する際のトラフに働く加速度を、一方向から他方向に反転する際のトラフに働く加速度よりも大きくすることができる。これを機械的構成で実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、モータを回転制御するドライバ・コントローラを不要とすることで、コスト及び設置スペースの増大を抑制することが可能な振動コンベヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の振動コンベヤを図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
【0018】
図2に、本実施形態に係る第1実施形態の振動コンベヤ1を示している。なお、
図2において図の左右方向(長手方向)を前後方向とし、紙面を貫通する方向を左右方向として、以下において説明する。前記振動コンベヤ1は、地面Gに支持部2を介して前後方向に往復動可能に支持されたトラフ3と、トラフ3を往復動させるための駆動部4と、を備えている。
【0019】
支持部2は、
図2では、トラフ3の前後端部を支持しているが、左右両端部にも支持部2を備えており、合計4か所でトラフ3を支持している。各支持部2は、地面Gに固定された固定ブロック21と、固定ブロック21の上方に延びる支持部材22に水平軸心X回りに回転自在に取り付けられ、トラフ3の下面を当接支持する車輪23と、を備えている。
【0020】
トラフ3は、前後方向に長く構成され、底壁31と、底壁31の左右両端から上方に延びる左右壁部32,32(
図2では、一方側の壁部のみ図示している)と、を備えた上方開放型で前後方向視において略コの字形状に構成されている。
【0021】
駆動部4は、地面Gに固定された固定部5に取り付けられている。固定部5は、駆動部4を支持する前後方向に長い長方形で板状のプレート部材51と、プレート部材51の四隅を支持する4個のブロック状の脚部52,52,52,52(
図2では、左右方向一方側のみ図示している)と、を備えている。
【0022】
駆動部4は、具体的には、電源6により駆動される駆動源としての電動モータ41と、電動モータ41の駆動軸41Aからの回転力を受けて駆動軸41Aの回りを定速で周回するように駆動軸41Aに軸支された小判状で板状の周回部材としての回転部材42と、回転部材42とトラフ3との間に設けられ、回転部材42の回転運動(真円上を移動する周回運動)をトラフ3の直線往復運動に変換する変換機構43と、を備えている。電動モータ41としては、例えば誘導モータ等の安価な汎用モータ、またはこれらにギヤ機構等の減速機を組み合わせたモータを用いることができる。減速機を組み合わせる場合、振動コンベヤの仕様に合わせた適切な回転数を得ると共に、振動コンベヤの駆動に必要なトルクを容易に得ることができる。
【0023】
電動モータ41は、モータ本体41Bと、モータ本体41Bから上方に突出する駆動軸41Aと、を備えている。そして、モータ本体41Bは、それの上端面がプレート部材51の下面に当接した状態で固定され、駆動軸41Aがプレート部材51を貫通してプレート部材51の上端面から上方に突出している。その突出した駆動軸41Aの上端部に回転部材42が一体回転可能に取り付けられている。
【0024】
変換機構43は、プレート部材51の上面とトラフ3の底壁31の下面との間に配置されている。具体的には、変換機構43は、一端部431Aが回転部材42にピンP1を介して枢支連結され、一端部431Aと他端部431Bの間の中間部431Cにおいて回転部材42の周回中心を通る軸である駆動軸41Aと略平行な軸8(
図1参照)回りで揺動可能に構成された揺動部材431と、揺動部材431の他端部431Bに一端部432AがピンP2を介して枢支連結され、他端部432Bがトラフ3の底壁31に固定された長方形状で板状の固定プレート7にピンP3を介して枢支連結された連結部材432と、を備えている。なお、回転部材42と変換機構43とで電動モータ(駆動源)41とトラフ3とを連結するリンク機構を構成している。定速で周回する回転部材42からの回転力を変換機構43により直線往復運動に変換することでトラフ3を往復動させる。これによって、駆動源として高価なサーボモータが不要になるだけでなく、周回制御するためのドライバ・コントローラを不要にできる他、駆動回路や制御回路も不要にできる。また、機械的構成であるため、故障が発生した時に、故障の原因調査や現場での修理対応が容易になる。
【0025】
軸8は、プレート部材51の上面に固定された平面視矩形状のベース部材81の上端から上方に突出する軸本体82と、軸本体82に回転自在に外嵌されたローラ83と、で構成されている。
【0026】
揺動部材431は、略長方形状で両端部それぞれの角部が丸く形成された板状の部材からなり、軸8を構成するローラ83を保持して揺動可能で、かつ、ローラ83を保持したまま長手方向にスライドするスライド部431Gを備えている。このスライド部431Gは、揺動部材431に形成された長孔であり、軸8に対して揺動部材431の移動を許容することで、揺動部材431の長手方向一端部431Aと軸8との間の距離と、揺動部材431の長手方向他端部431Bと軸8との間の比率が回転部材42の回転に伴い刻々変化するようになっている。このように、スライド部431Gにより揺動部材431をスライドさせることで、揺動部材431の長手方向一端部431Aと軸8との間の距離と、揺動部材431の他端部431Bと軸8との間の距離との比率変化が円滑に行われる。また、揺動部材431に長孔を形成するだけで、スライド部431Gを構成することができるので、揺動部材431の作製が容易になる。
【0027】
また、揺動部材431は、連結部材432を介してトラフ3に伝達する駆動力が、トラフ3の直線往復運動に係る一方向から他方向(搬送方向とは反対方向)に反転する際に比べ、他方向から一方向(搬送方向)に反転する際の方が大きくなるように移動するように構成されている。したがって、他方向から一方向に反転する際のトラフに働く加速度が、一方向から他方向に反転する際のトラフに働く加速度よりも大きくなる。しかも、この動きを機械的構成で実現することができる。
【0028】
連結部材432は、略長方形状で両端部それぞれの角部が丸く形成された板状の部材からなり、揺動部材431の幅よりも少し小さく、揺動部材431の長さよりも少し長く構成されているが、これに限定されない。
【0029】
固定プレート7の左右端には、左右一対の回転ローラ9,9が前後に配置されて、固定プレート7が前後方向に直線状に移動するようにしている。各回転ローラ9は、地面Gに固定された軸10に回転自在に外嵌されている。
【0030】
次に、振動コンベヤ1でワークを搬送する時の変換機構43の動きを、
図3(a),(b)及び
図4(a),(b)に示す概略図に基づいて説明する。
【0031】
まず、
図3(a),(b)及び
図4(a),(b)について説明すれば、第一節(基準節)11が、電動モータ41を設置する(取り付ける)部分であり、
図2のプレート部材51に相当する。第二節12は、電動モータ41の駆動軸41Aと回り対偶をなす部材であり、
図1の駆動軸41Aに連結される回転部材42に相当する。第三節13は、第二節12と回り対偶をなす部材であり、
図1の回転部材42にピンP1により連結された揺動部材431に相当する。第四節14は、第三節13と滑り(スライド)対偶をなす部材であり、揺動部材431の揺動とスライドとを許容する部材(例えば筒状部材)であり、第一節11に揺動のみ可能な状態で取り付けられている。したがって、第四節14は、
図1の揺動部材431に形成された長孔(スライド部431G)と同様な機能を備える。第五節15は、第三節13と回り対偶をなす部材であり、
図1の連結部材432に相当する。第六節16は、第五節15と回り対偶をなす部材であり、
図1の固定プレート7に相当する。なお、第三節13と第五節15とがピンP2により連結され、第六節16と第五節15とがピンP3により連結されている。また、第一節11上に、電動モータ41の駆動軸41Aと、後述する揺動支点17と、第六節16と第五節15との連結部であるピンP3と、が配置されている。
【0032】
電動モータ41が駆動されると、
図3(a)に示すように平面視において矢印で示す反時計回りに第二節12が回転する。この第二節12の回転により第三節13が揺動しながら第二節12側(左側)に移動する。この第三節13の移動により第五節15が引っ張られて、第六節16を第一節11に沿って直線状に引っ張り移動させる。これによりトラフ3が左側へ移動する(
図3(a)から
図3(b)参照)。更に、第二節12が回転すると、
図4(a)に示すように、第二節12が第三節13を前記とは逆方向に揺動しながら押し移動させる。これによって、トラフ3が左側から右側へ移動する(
図4(a)から
図4(b)参照)。
【0033】
上記構成の振動コンベヤ1では、トラフ3が前進から後退に反転する局面と、トラフ3が後退から前進に反転する局面とで、入力と出力の間の動作量の変換率(入力に対する出力の動作量の比率)が変化する。この点について説明すれば、
図3(b)に後退から前進に反転する局面を示し、電動モータ41を駆動して第二節12が回転する入力に対して第三節13のトラフ側端部(出力)の動作が小さい。これは、第三節13の揺動支点(
図1の軸本体82に相当する)17から第三節13と第五節15との連結部であるピンP2までの距離L2が、第二節12と第三節13との連結部であるピンP1から第三節13の前記揺動支点17までの距離L1よりも短いためである(てこの原理に起因する)。
【0034】
これに対して、
図4(b)に前進から後退に反転する局面を示し、電動モータ41を駆動して第二節12が回転する入力に対して第三節13のトラフ側端部(出力)の動作が大きい。これは、第三節13の前記揺動支点17から第三節13と第五節15との連結部であるピンP2までの距離L2が、第二節12と第三節13との連結部であるピンP1から第三節13の前記揺動支点17までの距離L1よりも長いためである(てこの原理に起因する)。このように、入力と出力の間の動作量の変換率は、第三節13に対する揺動支点17の位置が変化することにより、てこ比が変化することに起因している。
【0035】
従って、トラフ3が前進から後退に反転する局面では、入力に対する出力の動作が大きいことから、前進から後退への反転が素早く行われる。つまり、反転時の加速度(減速度)が大きい。これに対して、トラフ3が後退から前進に反転する局面では、入力に対する出力の動作が小さいことから、後退から前進への反転がゆっくり行われる。つまり、反転時の加速度(減速度)が小さい。そして、前進から後退への反転時のトラフ3の加速度(減速度)の最大値が、ワークとトラフ3の間の静止摩擦係数×重力加速度の値よりも大きいことにより、ワークとトラフ3との間ですべりが発生する。前進から後退への反転時に発生するすべりであることから、ワークはトラフ3に対して相対的に前進する。前記のように前進から後退への反転局面にてすべりが発生したワークは、動摩擦力により減速しながら、トラフ3に対して相対的に前進を続ける。一方、トラフ3は、後退運動を行った後、後退から前進への反転局面を迎え、前進方向の加速運動を行う。やがて、トラフ3の速度とワークの速度が一致し、静止摩擦力が作用する。トラフ3が後退から前進に反転する局面では、前進から後退に反転する局面と比べ加速度が小さいため、トラフ3とワークの間ですべりが発生することがなく、静止摩擦力を受けながら一体となって運動する。このような運動をトラフが繰り返すことによって、ワークが前方に搬送されていく。
【0036】
電動モータ41の駆動軸41Aと第三節13の揺動支点(
図1の軸本体82に相当する)17との距離を調整可能に構成してもよい。これによって、トラフ3の運動パターン(加速度の大きさ)を変更することができ、ワークの特性に応じてトラフの動きを最適に調整することが可能になる。
<第2実施形態>
【0037】
第1実施形態では、駆動部4を支持するプレート部材51を地面Gに設置された脚部52に固定した構成とすることで、振動コンベヤ1を駆動した時の反力が地面に伝わることになるが、より単純な構成とすることができる。これに対して、第2実施形態では、振動コンベヤ1を駆動した時の反力が地面に伝わり難いようにしている。具体的には、
図5に示すように、プレート部材51を下方から当接支持する複数(具体的には、プレート部材51の四隅に配置した4個)の支持体18から構成してもよい。各支持体18は、地面Gに固定された固定ブロック181と、固定ブロック181の上方に延びる支持部材182に水平軸心X1回りに回転自在に取り付けられ、トラフ3の下面を当接支持する車輪183と、を備えている。また、プレート部材51の下面には、カウンターウェイト19が取り付けられている。
【0038】
プレート部材51をこのように支持することで、プレート部材51は、地面に対して自由に直動することが可能となり、反力を受けてトラフ3の動作とは反対方向に動作する事になるが、プレート部材51から地面に伝わる反力は低減される。プレート部材51の動作量は、トラフ3との重量の比に依存するため、トラフ3の重量に対してバランスを取るためにカウンターウェイト19を設置してもよい。なお、第1実施形態と同一構成の部分は、同一の符号を付すとともに、説明を省略している。
<第3実施形態>
【0039】
第2実施形態で示した振動コンベヤ1に、
図6に示すように、弾性体としてのバネ(ここでは、コイルバネであるが、渦巻きバネや板バネ等でもよい)20を設けて実施してもよい。具体的には、地面Gに固定された前側に位置する固定ブロック21の後端とプレート部材51の前端とを前後方向(水平方向)に沿うバネ(コイルバネ)20で連結するとともに、地面Gに固定された後側に位置する固定ブロック21の前端とプレート部材51の後端とを前後方向(水平方向)に沿うバネ(コイルバネ)20で連結している。このようにバネ20を配置することによって、プレート部材51が所定の中心位置への復元力を有することになり、振動コンベヤ1を駆動した時に、プレート部材51及びトラフ3が所定の位置を中心とした往復運動を行うようになる。なお、第2実施形態と同一構成の部分は、同一の符号を付すとともに、説明を省略する。
<第4実施形態>
【0040】
第3実施形態では、バネ20を水平方向に配置した場合を示したが、バネ20を省略し、プレート部材51を、それの下面における車輪183が当接する部分が上方に突出するR状(円弧状)の凹部51Aに形成された部材から構成してもよい。この場合、第2実施形態と同様に、プレート部材51が所定の中心位置への復元力を有することになり、振動コンベヤ1を駆動した時に、プレート部材51及びトラフ3が所定の位置を中心とした往復運動を行うようになる。なお、第3実施形態と同一構成の部分は、同一の符号を付すとともに、説明を省略する。
<第5実施形態>
【0041】
第1実施形態では、揺動部材431の揺動を軸8により行い、揺動部材431のスライドを軸8が貫通する揺動部材431の長孔431Gにより行う構成としたが、第5実施形態では、揺動部材431の揺動とスライドを、プレート部材51に固定されたベース部材81に回転自在に取り付けられた保持体24により行うようにしてもよい。保持体24は、揺動部材431の一端部431Aと他端部432Bとの間の中間部431において揺動部材431の長手方向と直交する短手方向両側から揺動部材431を挟み込むように配置した2つのローラ241,241と、それらローラ241,241を回転自在に支持する軸241A,241Aが両端に支持されるとともにベース部材81に固定された軸82に回転自在に取り付けられた保持部材242と、を備えている。したがって、保持部材242が軸82回りで回転することによって、揺動部材431が揺動するとともに、保持部材242上を揺動部材431がローラ241,241の回転により案内されて矢印の直線方向へスライドすることで、回転部材42の回転運動をトラフ3の直線往復運動に変換することができる。このように、揺動部材431を保持部材242上でスライドさせることで、揺動部材431の長手方向一端部431Aと軸82との間の距離と、揺動部材431の他端部431Bと軸82との間の距離との比率変化が円滑に行われる。なお、第1実施形態と同一構成の部分は、同一の符号を付すとともに、説明を省略する。
【0042】
尚、本発明に係る振動コンベヤは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0043】
例えば、回転部材42を三角形状や4角形状等の多角形状又は円盤形状に構成して実施してもよい。
【0044】
前記実施形態では、連結部材432を固定プレート7を介してトラフ3に連結したが、連結部材432を直接トラフ3に連結してもよい。
【0045】
また、前記実施形態では、揺動部材431に長孔431Aを形成したものや、揺動部材431に相当する第三節13に滑り対偶をなす第四節14を筒状体で構成したが、揺動部材431に上方に凹んだ長溝を形成して、その長溝にローラ83(ローラに代えて軸でもよい)を係合させてもよい。
【0046】
また、前記実施形態では、駆動軸41Aが上下方向に向いた状態で配置したが、駆動軸41Aが水平(横)方向に向いた状態で配置して実施してもよい。
【0047】
また、前記実施形態では、揺動部材431の一端が真円上を移動するように回転部材42を設けたが、揺動部材431の一端が楕円上を移動する楕円部材を設けて実施してもよい。これらに回転部材42及び楕円部材が周回部材に相当する。