特開2021-75850(P2021-75850A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2021075850-ターンバックルブレース 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-75850(P2021-75850A)
(43)【公開日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】ターンバックルブレース
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20210423BHJP
   F16B 7/06 20060101ALI20210423BHJP
   E04B 1/18 20060101ALN20210423BHJP
【FI】
   E04B1/58 F
   F16B7/06 Z
   E04B1/18 F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-201154(P2019-201154)
(22)【出願日】2019年11月6日
(71)【出願人】
【識別番号】519395813
【氏名又は名称】株式会社トラストエンジ
(71)【出願人】
【識別番号】504170849
【氏名又は名称】株式会社トーネジ
(71)【出願人】
【識別番号】392000969
【氏名又は名称】株式会社ダイロック
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】森田 耕次
(72)【発明者】
【氏名】米本 和央
【テーマコード(参考)】
2E125
3J039
【Fターム(参考)】
2E125AA33
2E125AB13
3J039AA01
3J039BB01
3J039GA01
3J039HA12
(57)【要約】
【課題】ターンバックル胴を用いずに長さ調整が容易になるターンバックルブレースを提供する。
【解決手段】ブレース10の両側に装着される一対の連結体20を設ける。一方の連結体20とブレース10端部との間に介される長さ調整体30を設ける。円柱状の本体31と雌ねじ部32とボルト部33とで長さ調整体30を設ける。雌ねじ部32にブレース10の一端部をねじ止めする。ボルト部33を一方の連結体20に左ねじでねじ止めする。本体31の外周の一部または全体にナット形状34を形成する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレースの両側に配置される一対の連結体と、一方の連結体とブレース端部との間に介される長さ調整体とで構成されたターンバックルブレースにおいて、該長さ調整体は、円柱状を成した本体の両端に雌ねじ部とボルト部とを備え、該雌ねじ部にブレースの一端部をねじ止めすると共に、ボルト部を一方の連結体に左ねじでねじ止めするように構成し、本体の外周の一部または全体にナット形状を形成したことを特徴とするターンバックルブレース。
【請求項2】
前記連結体は、前記ボルト部を左ねじで連結する調整連結体と、前記ブレースの他端部に右ねじで連結する固定連結体とで構成された請求項1記載のターンバックルブレース。
【請求項3】
前記整連結体は、建築物に固定する固定部と、該固定部から延長され前記ボルト部に連結する連結管とを備えた請求項2記載のターンバックルブレース。
【請求項4】
前記固定連結体は、建築物に固定する固定部と、該固定部から延長され前記ブレースに連結する固定管とを備えた請求項2記載のターンバックルブレース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の筋かいなどに用いるターンバックルにおいて、ターンバックル胴を使用せずに長さを調整することができるターンバックルブレースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の筋かいなどに用いるターンバックルは、例えば特許文献1に記載のごとく、全体の長さを調整するターンバックル胴(ターンバックル本体)と、羽子板の一端に長ボルトを固定した羽子板ボルトとで構成されている。
【0003】
このターンバックル胴は、割枠式またはパイプ式の接続部材を備え、各羽子板ボルトの端部をねじ止めして全体の長さを調整する。このとき、羽子板ボルトの一方には左ねじが設けられており、ターンバックル胴を一方向に回転させると全体の長さが伸長し、逆方向に回転させると伸縮するものである。
【0004】
一方、ターンバックルの羽子板に雌ネジを設け、この羽子板側で全体の長さを調整する構成が特許文献2に記載されている。このターンバックルではターンバックル胴を使用せず、羽子板にねじ止めする長ボルトを使用して全体の長さを調整するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−140993号公報
【特許文献2】特開2002−146919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成のように、ターンバックル胴を使用するとターンバックルの長さ調整が容易になるので、一般的なターンバックルにはこのターンバックル胴が設けられている。
【0007】
ところが、このようなターンバックル胴を使用すると、ターンバックル長の調整範囲が大きい場合に操作性が良くなるが、狭い範囲に設置する場合や調整範囲が小さい場合など、ターンバックル胴が大き過ぎて使用が困難になる場合もあった。
【0008】
そこで、特許文献2のターンバックルのように、ターンバックル胴を使用しないターンバックルが提案されている。ところが、特許文献2の構成では、ターンバックル長の調整作業に課題があった。すなわち、この構成においてターンバックルの長さを調整するには、羽子板端部にねじ止めする長ボルトの長さを変えて調整するものである。
【0009】
したがって、建築物に羽子板を固定した後で、ターンバックル長を調整するには、長ボルト自体を回転させる必要がある。そのため、この長ボルトを操作して行う長さ調整作業が難しくなるといった課題が残されていた。
【0010】
そこで本発明は上述の課題を解消すべく案出されたもので、従来のターンバックル胴を使用せずに長さ調整が容易になるターンバックルブレースの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成すべく本発明の第1の手段は、ターンバックルブレースにおいて、ブレース10の両側に配置される一対の連結体20と、一方の連結体20とブレース10端部との間に介される長さ調整体30とで構成され、該長さ調整体30は、円柱状を成した本体31の両端に雌ねじ部32とボルト部33とを備え、該雌ねじ部32にブレース10の一端部をねじ止めすると共に、ボルト部33を一方の連結体20に左ねじでねじ止めするように構成し、本体31の外周の一部または全体にナット形状34を形成したことにある。
【0012】
第2の手段において、前記連結体20は、前記ボルト部33を左ねじで連結する調整連結体20Aと、前記ブレース10の他端部に右ねじで連結する固定連結体20Bとで構成されたものである。
【0013】
第3の手段の前記整連結体20Aは、建築物に固定する固定部21と、該固定部21から延長され前記ボルト部33に連結する連結管22とを備えている。
【0014】
第4の手段の前記固定連結体20Bは、建築物に固定する固定部21と、該固定部21から延長され前記ブレース10に連結する固定管23とを備えたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、ブレース10の両側に装着される一対の連結体20と、一方の連結体20とブレース10端部との間に介される長さ調整体30とで構成され、該長さ調整体30は、円柱状を成した本体31の両端に雌ねじ部32とボルト部33とを備え、該雌ねじ部32にブレース10の一端部をねじ止めすると共に、ボルト部33を一方の連結体20に左ねじでねじ止めするように構成したことで、従来のターンバックル胴を用いずに長さ調整が容易になるターンバックルブレースの提供に成功した。
【0016】
しかも、本体31の外周の一部または全体にナット形状34を形成したことにより、スパナ等の工具によって、長さ調整体30の回転操作が極めて容易になる。
【0017】
さらに、連結体20は、雌ねじ部32のボルト部33を左ねじで連結する調整連結体20Aと、ブレース10の他端部に右ねじで連結する固定連結体20Bとで構成しているので、長さ調整体30の回転操作はパイプ式のターンバックル胴と同じ操作になるので、ターンバックル胴を用いた従来のターンバックルと同様に使用することができる。
【0018】
また、長さ調整体30は、円柱状を成した本体31の両端に雌ねじ部32とボルト部33とを備え、該雌ねじ部32にブレース10の一端部をねじ止めすると共に、ボルト部33を一方の連結体20にねじ止めするように構成しているので、従来の羽子板ボルトのように長ボルトの溶接部分が露出する構成に比べてデザイン的にも優れている。この結果、ターンバックルを敢えて露出させるような建築物のデザインにも親和性のある使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施例を示す正面図である。
図3】本発明の一実施例を示す平面図である。
図4】本発明の使用状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を図示例に基づいて説明する。本発明ターンバックルブレースは、建築物の筋かいなどに用いる部材であり、ブレース10、連結体20、長さ調整体30を主要構成とする。
【0021】
ブレース10は、両端に雄ねじを設けた長尺のロッドで、このブレース10の両側に一対の連結体20を配置する(図1参照)。すなわち、ブレース10の一端部に長さ調整体30を介して連結体20を連結し、ブレース10の他端部に直接連結体20を連結するものである。
【0022】
この連結体20は、装着位置によって調整連結体20Aと固定連結体20Bとが選択される。調整連結体20Aはブレース10の一端部側に装着し、固定連結体20Bはブレース10の他端部側に装着する。ブレース10の一端部側には長さ調整体30が直接連結されており、この長さ調整体30に調整連結体20Aを連結する。
【0023】
長さ調整体30は、このように調整連結体20Aとブレース10端部との間に介される調整部材であり、円柱状を成した本体31の両端に雌ねじ部32とボルト部33とを備え、雌ねじ部32にブレース10の一端部をねじ止めする(図2参照)。
【0024】
一方、ボルト部33は、左ねじで形成されているねじ部材で、このボルト部33を調整連結体20Aにねじ止めする。したがって、この長さ調整体30を回転させると、従来のターンバックル胴と同様の作用が生じ、ブレース10の長さを調整することができる。このとき、ボルト部33の径を連結部材10の雄ねじの径よりもワンサイズ太くすることで、長さ調整体30の強度を高めている。
【0025】
さらに、本体31の外周の一部または全体にナット形状34を形成している。このナット形状34は、スパナ等で回転し安いように形成した部位である。図示例では、本体31のブレース10側端部に六角ナット型のナット形状34を形成しているが、ナット形状34の型は図示例に限られず、ナット等の工具が使用できる形状であればよい。この結果、長さ調整体30でブレース10の長さを調整するには、スパナ等の工具で容易に回転調整することができる。
【0026】
図示の整連結体20Aは、建築物Pに固定する固定部21と、該固定部21から長さ調整体30方向に延長された連結管22とを備えている(図2参照)。この固定管23に左ねじの雌ネジが設けられている。
【0027】
一方、固定連結体20Bは、ブレース10の他端部に右ねじで連結する。図示の固定連結体20Bは、建築物Pに固定する固定部21と、該固定部21からブレース10方向に延長された固定管23とを備えたものである。
【0028】
これら調整連結体20A、固定連結体20Bは、いずれも連結孔21Aを備えており、この連結孔21Aに固定ボルト40を挿通する(図3参照)。そして、建築物Pに固定する場合は、建築物Pに固定されている固定金物P1に固定ボルト40を挿通して固定する(図4参照)。
【0029】
尚、本発明は図示例に限定されるものではなく、ブレース10、連結体20、長さ調整体30の各構成は、本発明の要旨を変更しない範囲で任意に変更することができるものである。
【符号の説明】
【0030】
P 建築物
P1 固定金物
10 ブレース
20 連結体
20A 調整連結体
20B 固定連結体
21 固定部
21A 連結孔
22 連結管
23 固定管
30 長さ調整体
31 雌ねじ部
32 ボルト部
40 固定ボルト
図1
図2
図3
図4