(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-75918(P2021-75918A)
(43)【公開日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】杭打機の安全システム
(51)【国際特許分類】
E02D 7/14 20060101AFI20210423BHJP
E02D 13/00 20060101ALI20210423BHJP
【FI】
E02D7/14
E02D13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-203926(P2019-203926)
(22)【出願日】2019年11月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】東 知世洋
【テーマコード(参考)】
2D050
【Fターム(参考)】
2D050CB02
2D050CB11
2D050EE01
2D050EE14
2D050EE29
(57)【要約】
【課題】緊急時にオーガの回転駆動を素早く停止することにより、杭打ち作業に従事する者の安全確保が可能な杭打機の安全システムを提供する。
【解決手段】非常停止スイッチ36の操作信号を受けて、オーガの昇降動作を停止させる安全回路を備えた杭打機の安全システムにおいて、上部旋回体13の後部架台24上に、オーガを回転駆動させる動力源として可搬式エンジン発電機23が搭載され、前記安全回路は、可搬式エンジン発電機との間で無線通信が可能な通信機を備えるとともに、非常停止スイッチの操作信号を受けて、可搬式エンジン発電機からの電力供給を停止させる停止信号を生成する。また、非常停止スイッチは、上部旋回体の複数箇所に設けられ、運転室内から操作可能な運転者用スイッチと、地上から操作可能な作業者用スイッチとが含まれる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体の上部に上部旋回体を旋回可能に設けたベースマシンと、前記上部旋回体の前部に起伏可能に設けられたリーダと、該リーダの前面に沿って昇降可能なオーガと、前記上部旋回体に設けられた非常停止スイッチと、該非常停止スイッチの操作信号を受けて、前記オーガの昇降動作を停止させる安全回路とを備えた杭打機の安全システムにおいて、前記上部旋回体の後部架台上に、前記オーガを回転駆動させる動力源として発電機が搭載され、前記安全回路は、前記発電機との間で無線通信が可能な通信機を備えるとともに、前記非常停止スイッチの操作信号を受けて、前記発電機からの電力供給を停止させる停止信号を生成することを特徴とする杭打機の安全システム。
【請求項2】
前記非常停止スイッチは、前記上部旋回体の複数箇所に設けられ、運転室内から操作可能な運転者用スイッチと、地上から操作可能な作業者用スイッチとが含まれることを特徴とする請求項1記載の杭打機の安全システム。
【請求項3】
前記通信機は、前記安全回路に設けられた発信機と、前記発電機の制御回路に設けられた受信機とで対をなし、前記発電機の制御回路には、前記受信機が着脱可能な接続端子を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の杭打機の安全システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭打機の安全システムに関し、詳しくは、リーダに沿って昇降可能なオーガを備えた杭打機の安全システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築や土木などの各種工事現場、例えば、建設工事現場において使用される杭打機やクレーン、油圧ショベルなどの建設機械や、いわゆる仮設機械として使用される発電機や油圧ユニットなどは、当該工事現場のみにおいて使用されるものではなく、各地に点在する複数の建設工事現場で使用されている。したがって、このような建設機械や仮設機械などの建設工事用機材は、一般に、建設会社あるいは建設工事用機材のレンタル会社が所有する機材センターや倉庫などのストック施設から必要に応じて各建設工事現場に配送され、各建設工事現場において使用されるとともに、使用後は、さらにこれを転用すべく、ストック施設や他の建設工事現場に返送あるいは移送されている。
【0003】
特に大型の杭打機では、寸法や重量といった輸送制限をクリアするために、部品単位に分解可能なピン結合構造が採用され、現場移動の都度、分解と組み立てとが繰り返し行われる。そして、組立て後、掘削用オーガは、その回転駆動が油圧式であれば、杭打機本体との間で油圧ホースの接続がなされ、電動式であれば、その仕様に適う発電機を後部架台に搭載し、該発電機からオーガに電力供給が行われるように配線がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
これらの建設機械は、緊急時の危険回避を目的として、非常停止スイッチを備えていることが一般的であり、建設機械の周囲で作業に従事する者の安全確保が図られている。なかでも、油圧ショベルには、車両に人が搭乗することなく遠隔でその車両を操縦する技術があり、緊急時には無線リモコン装置の非常停止スイッチを押圧操作することで、油圧ショベルの制御部に対して停止指令信号を出力可能な遠隔操縦システムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
一方、3点式杭打機のような大型の杭打機では、その特有の形状から、特に周囲に死角ができやすく、しかも、同一の作業箇所で杭打機と作業者とが並行作業を行なうといった特殊な事情もある。そこで、作業の安全上、現状は運転室内の運転者に運転指示を与える指揮者が置かれ、運転者は、指揮者の合図に従って運転操作あるいは非常停止操作を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−108245号公報
【特許文献2】特開2015−191249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、杭打機の運転者は、通常、指揮者の合図に従って各種操作を行っているが、雨天時や夜間の現場では、互いに離れた位置相互間での意思の疎通が良好に図れない(合図が伝達できない)事態が起こり得る。そのため、杭打機に備わる非常停止スイッチは、運転席から手の届く場所の他に、杭打機の周囲で作業に従事する者が地上からすぐに手の届く場所、例えば、上部旋回体の側面部にも設けられている。しかしながら、電動式のオーガを回転駆動して施工を行う場合では、非常停止スイッチを操作し、これにより杭打機を停止(油圧源停止)しても、発電機からの電力供給が継続していると、オーガが回り続けるおそれがあった。
【0008】
そこで本発明は、緊急時にオーガの回転駆動を素早く停止することにより、杭打ち作業に従事する者の安全確保が可能な杭打機の安全システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の杭打機の安全システムは、下部走行体の上部に上部旋回体を旋回可能に設けたベースマシンと、前記上部旋回体の前部に起伏可能に設けられたリーダと、該リーダの前面に沿って昇降可能なオーガと、前記上部旋回体に設けられた非常停止スイッチと、該非常停止スイッチの操作信号を受けて、前記オーガの昇降動作を停止させる安全回路とを備えた杭打機の安全システムにおいて、前記上部旋回体の後部架台上に、前記オーガを回転駆動させる動力源として発電機が搭載され、前記安全回路は、前記発電機との間で無線通信が可能な通信機を備えるとともに、前記非常停止スイッチの操作信号を受けて、前記発電機からの電力供給を停止させる停止信号を生成することを特徴としている。
【0010】
また、前記非常停止スイッチは、前記上部旋回体の複数箇所に設けられ、運転室内から操作可能な運転者用スイッチと、地上から操作可能な作業者用スイッチとが含まれることを特徴としている。
【0011】
さらに、前記通信機は、前記安全回路に設けられた発信機と、前記発電機の制御回路に設けられた受信機とで対をなし、前記発電機の制御回路には、前記受信機が着脱可能な接続端子を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の杭打機の安全システムによれば、杭打機の後部架台上にオーガの回転駆動用電源として発電機を搭載し、杭打機に備わる安全回路が、非常停止スイッチの操作信号を受けてオーガの昇降動作を停止するとともに、発電機からの電力供給を停止させる停止信号を生成するので、オーガの昇降動作だけでなく回転駆動も素早く停止することが可能となり、緊急時に杭打ち作業に従事する者の安全確保が図れる。また、安全回路に通信機を備え、該通信機によって杭打機と発電機との間で無線通信を行うように構成するので、都度に通信線の準備や追加の配線作業がなくなり、発電機を搭載する際の作業が容易になる。
【0013】
また、上部旋回体の複数箇所に設けた非常停止スイッチが、運転室内から操作可能な運転者用スイッチと、地上から操作可能な作業者用スイッチとを含むので、緊急時に、指揮者と運転者との間で合図が伝達できない不測の事態が起きても、周囲の作業者がいち早く非常停止スイッチ(作業者用スイッチ)を操作することが可能となり、オーガの真下付近にいる他の作業者や指揮者の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一形態例を示す杭打機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1乃至
図3は、本発明の安全システムを適用した杭打機を示すもので、杭打機11は、
図1及び
図2に示すように、クローラを備えた下部走行体12及び該下部走行体12の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体13からなるベースマシン14と、上部旋回体13の前部に設けられた起伏可能なリーダ15と、該リーダ15の前部側に、リーダ15の長手方向に平行に設けられた左右一対のガイドパイプ16,16と、両ガイドパイプ16,16を摺動可能に抱持する複数のガイドギブ17を介してリーダ15の前面に沿って昇降可能に設けられたオーガ(回転駆動装置)18とを備えている。
【0016】
上部旋回体13の右側部には運転者が搭乗する運転室19が、左側部にはエンジンや油圧ユニットを収納したハウス20がそれぞれ設けられている。上部旋回体13の中央部には、主巻ウインチ及び補巻ウインチを含む複数の油圧ウインチ21が設けられ、上部旋回体13の後部には、カウンタウエイト22や、可搬式エンジン発電機(以下、発電機と称する)23が搭載される架台(発電機載置台)24、ガントリ25、リーダ15を支持する左右一対のバックステー26,26などが設けられている。主巻ウインチからの主巻ロープ27は、リーダ15の頂部に設けられたトップシーブブロック28のシーブを介してオーガ18に設けられたシーブに連結され、主巻ウインチを操作することによってオーガ18を昇降させることができる。また、上部旋回体13の前後左右の4箇所には、安定用のジャッキ29がそれぞれ設けられている。
【0017】
運転室19内には、走行や旋回、巻上げ、巻下しなど油圧系統の各種操作を行う操作レバーや操作ペダル、緊急時の非常停止スイッチ(押しボタン式スイッチ)やディスプレイなどの機器が、操作性を考慮して運転席の近傍に集約的に配置されており、さらに、これらの機器と電気的に接続されて、データ処理や判定などの各種演算処理を行うコントローラ(CPU)を中心に構成された制御回路が設けられている。これに加えて、オーガ18の操作や運転状態の監視を行うための操作盤が運転室内の適宜な位置に設けられており、該操作盤は、ハウス20の前部側に設置した制御装置(モータドライバ)30との間で配線がなされている。
【0018】
制御装置30は、発電機23とオーガ18との間において、送電用ケーブルによって接続されている。具体的には、発電機23との間では1次側ケーブル31が、オーガ18との間では2次側ケーブル32がそれぞれ接続されている。1次側ケーブル31は、発電機23の出力端子(図示せず)に接続された状態で、ハウス20の外側面に沿って引き回されている。一方、2次側ケーブル32は、リーダ15の中間部に設けられたケーブル支持具33で吊持されることにより、オーガ18の昇降動作に追随して上下方向に移動可能であり、その長さは、オーガ18がリーダ15の上部(上昇限界位置)及び下部(下降限界位置)に十分到達する長さに設定されている。
【0019】
制御装置30は、操作盤からの指令に応じてオーガ18を回転駆動させる制御を行う。これに伴い、オーガ18は、発電機23から電力を得て、内蔵される電動モータを作業条件に適した回転数やトルクで回転駆動させる。これにより、オーガ減速機18aの出力軸に連結したスクリューロッド34が、その外周を覆うケーシング35と一体的に回転しながら地中に押し込まれることにより、スクリューロッド34の径に対応した孔が地中に形成される。
【0020】
ところで、杭打機11は、その特有の形状から、特に周囲に死角ができやすく、しかも、同一の作業箇所で杭打機11と作業者とが並行作業を行なうといった特殊な事情もある。このため、杭打機11に備わる非常停止スイッチ36は、安全上、運転席から手の届く場所にある運転者用スイッチの他に、杭打機11の周囲で作業に従事する者が地上からすぐに手の届く場所、例えば、
図3に示すように、上部旋回体13の後部両側面であって地上から1m程度の高さ位置にある作業者用スイッチ36も設けている。しかしながら、電動式のオーガ18を回転駆動して施工を行う場合では、非常停止スイッチ36を操作し、これにより杭打機11の動作を、例えば、オーガ18の昇降動作を停止しても、発電機23からの電力供給が継続していると、オーガ18が回り続けるおそれがある。
【0021】
そこで、杭打機11には、運転者用及び作業者用の複数の非常停止スイッチ36を組み込んだ安全回路において、発電機23との間で無線通信が可能な通信機(図示せず)を備え、該安全回路が非常停止スイッチ36の操作信号を受けて、発電機23による電力供給を停止させる停止信号を生成するように構成している。これらの要素により、杭打機11と、これに搭載した発電機23との停止制御を連動させた杭打機11の安全システムが構成される。
【0022】
通信機は、設定IDによって動作する発信機と受信機とで対をなして構成されている。発信機は、杭打機11の安全回路に組み込まれ、例えば、非常停止スイッチ36の筐体内に収容されており、非常停止スイッチ36を押圧操作した接点ON位置で、発電機23のエンジンを停止させる発電機停止信号(無線信号)を送信する。一方、受信機は、不使用時に発信機と対で保管・管理されるが、使用する際には、発電機23の制御回路(インターフェース)に、例えば、制御盤23aに備わる接続端子(図示せず)に装着される。
【0023】
安全回路は、接点ON位置で、杭打機11のエンジンを停止させる杭打機停止信号(有線信号)を送信する。これにより、杭打機11の制御回路は、杭打機停止信号を受信すると、運転動作中の杭打機11のエンジンを停止する制御を行う。一方、発電機23では、受信機が発電機停止信号を受信すると、制御回路において、まずメモリに記憶されているIDと受信信号中のIDとが一致するかどうかを判定する。IDが適切であれば処理を進め、受信信号中にエンジン停止命令があるかどうか、又はデータに誤りがないかどうかを判定する。適切なエンジン停止命令であった場合には、運転動作中の発電機23のエンジンを停止する制御を行う。
【0024】
このように形成された杭打機11を建設工事現場で使用する場合、輸送時に重量制限があるため、例えば、建設会社が所有する機材センターにおいて、構成部品であるリーダ15やオーガ18、カウンタウエイト22などを上部旋回体13から分離した後、部品状態で別々に輸送し、現場でこれらを組み立てて使用している。また、通信機は、杭打機11側で一式保管・管理され、このうち、発信機は、杭打機11の安全回路に組み込まれた状態にある。一方、受信機は、例えば、運転室内の小物入れに収納されて出し入れが可能になっている。さらに、発電機23については、オーガ18の仕様に適うものが選定され、例えば、建設工事用機材のレンタル会社が所有する倉庫から現場へ配送される。
【0025】
建設工事現場に杭打機11及び発電機23がそれぞれ搬入されると、まず、杭打機11が組み立てられ、その後、架台24上に発電機23が搭載されるとともに、必要なケーブル接続がなされる。ここで、受信機は、運転室内の小物入れから取り出されて発電機23の接続端子に装着される。続いて、杭打機11及び発電機23のエンジンをそれぞれ始動させ、制御回路の電源が投入されると、基本プログラムの起動実行後に、安全回路によって機器の動作状態が監視される。これにより、杭打機11の動作に必要な油圧及び電力が得られ、杭打ち機能が発揮できる状態になる。
【0026】
ところで、施工位置(杭芯)の近傍領域内では、多くの作業者が存在し、持ち込まれる関連装置などが周辺に置かれて込み入った環境となっている。ここで、万一、運転者が杭打機11の動作に何らかの異常を感じた場合、あるいは、その異常に周囲の作業者がいち早く気づいた場合などの非常時には、近くの非常停止スイッチ36を押すだけで安全システムが動作し、杭打機11及び発電機23の双方においてエンジンの運転が即時停止される。ここで、油圧や電力の供給が絶たれた油圧ウインチ21及び電動モータは、内蔵される非常用ブレーキが作動し、その結果、オーガ18の昇降動作及び回転駆動がそれぞれ機械的にロックされる。
【0027】
このように、本発明の杭打機11の安全システムによれば、杭打機11の後部架台24上にオーガ18の回転駆動用電源として発電機23を搭載し、杭打機11に備わる安全回路が、非常停止スイッチ36の操作信号を受けてオーガ18の昇降動作を停止するとともに、発電機23からの電力供給を停止させる停止信号を生成するので、オーガ18の昇降動作だけでなく回転駆動も素早く停止することが可能となり、緊急時に杭打ち作業に従事する者の安全確保が図れる。また、安全回路に通信機を備え、該通信機によって杭打機11と発電機23との間で無線通信を行うように構成するので、都度に通信線の準備や追加の配線作業がなくなり、発電機23を搭載する際の作業が容易になる。
【0028】
また、上部旋回体13の複数箇所に設けた非常停止スイッチ36が、運転室19内から操作可能な運転者用スイッチと、地上から操作可能な作業者用スイッチ36とを含むので、緊急時に、指揮者と運転者との間で合図が伝達できない不測の事態が起きても、周囲の作業者がいち早く非常停止スイッチ(作業者用スイッチ)36を操作することが可能となり、オーガ18の真下付近にいる他の作業者や指揮者の安全を確保することができる。
【0029】
さらに、発電機23の制御回路に接続端子を備え、この接続端子に対して受信機を着脱可能に構成しているので、発電機23の管理上の負担が増えるといった心配がなくなる。すなわち、接続端子(電気コネクタ)を標準的に設けてしまえば、発電機23を多数所有する管理者は、現在の在庫数量を把握しておくだけで、用途に合致した発電機23の選定及び配送が行える。とりわけ、近年の発電機23の用途は、工事現場用に加えて、災害復旧現場、各種イベント会場などで動力、照明などの負荷に電力を供給するための移動電源として広く使用されている。よって、可搬式エンジン発電機の機動性を確保しながら、複数台の管理が一律に行える点で、きわめて実用的なものである。
【0030】
なお、本発明は、前記形態例に限定されるものではなく、安全システムの制御は、非常停止スイッチの操作を受けてエンジンを停止するように構成されるだけでなく、例えば、杭打機では油圧弁を切り替えたり、発電機では遮断機を切制御したりするなど、種々の制御を行って安全措置を図ることができる。また、作業者用スイッチの位置は、上部旋回体の後部側の他、前部側や、前後左右の各ジャッキにそれぞれ設けてもよい。この場合、通信機の制御接点を既設回路に割り込ませるだけの簡単な構成であるため、既存の杭打機や発電機に後付けすることも容易である。
【符号の説明】
【0031】
11…杭打機、12…下部走行体、13…上部旋回体、14…ベースマシン、15…リーダ、16…ガイドパイプ、17…ガイドギブ、18…オーガ、18a…オーガ減速機、19…運転室、20…ハウス、21…油圧ウインチ、22…カウンタウエイト、23…可搬式エンジン発電機、23a…制御盤、24…架台、25…ガントリ、26…バックステー、27…主巻ロープ、28…トップシーブブロック、29…ジャッキ、30…制御装置、31…1次側ケーブル、32…2次側ケーブル、33…ケーブル支持具、34…スクリューロッド、35…ケーシング、36…非常停止スイッチ