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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-77261(P2021-77261A)
(43)【公開日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】通信装置および機器管理システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20210423BHJP
【FI】
   G05B23/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-205310(P2019-205310)
(22)【出願日】2019年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】籠浦 守
(72)【発明者】
【氏名】古澤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】深尾 直之
(72)【発明者】
【氏名】津金 宏行
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223BA03
3C223CC04
3C223DD04
3C223EA07
3C223EB05
3C223FF42
3C223FF52
3C223GG01
3C223HH04
(57)【要約】
【課題】セキュリティ対策を強化しつつ現場作業を行う。
【解決手段】通信装置3は、作業員の操作に従ってHARTデバイス1−1,1−2に対する作業またはHARTデバイス1−1,1−2と自装置とを接続する通信環境に対する作業を実施する制御部32と、ホスト装置2から作業の許可範囲を示す作業指示情報を受信する通信インタフェース部33とを備える。制御部32は、作業員が行おうとする作業が、作業指示情報で許可されている範囲の作業である場合に作業の実施を許可し、作業員が行おうとする作業が、作業指示情報で許可されている範囲外の作業である場合に作業の実施を拒否する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールド機器とホスト装置との通信を中継するように構成された通信変換部と、
作業員の操作に従って前記フィールド機器に対する作業または前記フィールド機器と自装置とを接続する通信環境に対する作業を実施するように構成された制御部と、
前記ホスト装置または前記作業員の操作端末から前記作業の許可範囲を示す作業指示情報を受信するように構成された通信インタフェース部とを備え、
前記制御部は、前記作業員が行おうとする作業が、前記作業指示情報で許可されている範囲の作業である場合に前記作業の実施を許可し、前記作業員が行おうとする作業が、前記作業指示情報で許可されている範囲外の作業である場合に前記作業の実施を拒否することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の通信装置において、
前記作業指示情報は、通信装置の機能を限定する内容と作業対象のフィールド機器を限定する内容とフィールド機器へ送信が可能なコマンドを限定する内容のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
フィールド機器とホスト装置との通信を中継するように構成された通信変換部と、
作業の内容を示す作業指示情報に従って前記フィールド機器に対する作業または前記フィールド機器と自装置とを接続する通信環境に対する作業を実施するように構成された制御部と、
前記ホスト装置または作業員の操作端末から前記作業指示情報を受信するように構成された通信インタフェース部とを備えることを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記作業の結果を記憶するように構成された第1の記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記作業の結果を前記第1の記憶部に記録し、
前記通信インタフェース部は、前記ホスト装置からの作業結果収集指示に従って前記作業指示情報と前記作業の結果とを前記ホスト装置に送信することを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置と、
ホスト装置とを備え、
前記ホスト装置は、
オペレータからの指示に応じて前記作業指示情報を作成するように構成された作業指示作成部と、
前記作業指示作成部によって作成された作業指示情報を前記通信装置に送信するように構成された作業指示発行部とを備えることを特徴とする機器管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置と、
ホスト装置と、
操作端末とを備え、
前記ホスト装置は、
オペレータからの指示に応じて前記作業指示情報を作成するように構成された作業指示作成部と、
前記作業指示作成部によって作成された作業指示情報の内容を示すシンボルを表示するように構成された第1の作業指示発行部とを備え、
前記操作端末は、
前記ホスト装置によって表示されたシンボルを読み取るように構成されたカメラと、
前記カメラが読み取った画像に基づいて、前記シンボルが示す作業指示情報を取得するように構成された情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された作業指示情報を、前記作業員から指示された作業開始時に前記通信装置に送信するように構成された第2の作業指示発行部とを備えることを特徴とする機器管理システム。
【請求項7】
請求項4記載の通信装置と、
ホスト装置とを備え、
前記ホスト装置は、
オペレータからの指示に応じて前記作業指示情報を作成するように構成された作業指示作成部と、
前記作業指示作成部によって作成された作業指示情報を前記通信装置に送信するように構成された作業指示発行部と、
情報を記憶するように構成された第2の記憶部と、
前記通信装置に対して作業結果収集指示を送信し、この作業結果収集指示に応じて前記通信装置から送信された作業指示情報と作業の結果とを前記第2の記憶部に記録するように構成された作業結果収集部とを備えることを特徴とする機器管理システム。
【請求項8】
請求項4記載の通信装置と、
ホスト装置と、
操作端末とを備え、
前記ホスト装置は、
オペレータからの指示に応じて前記作業指示情報を作成するように構成された作業指示作成部と、
前記作業指示作成部によって作成された作業指示情報の内容を示すシンボルを表示するように構成された第1の作業指示発行部と、
情報を記憶するように構成された第2の記憶部と、
前記通信装置に対して作業結果収集指示を送信し、この作業結果収集指示に応じて前記通信装置から送信された作業指示情報と作業の結果とを前記第2の記憶部に記録するように構成された作業結果収集部とを備え、
前記操作端末は、
前記ホスト装置によって表示されたシンボルを読み取るように構成されたカメラと、
前記カメラが読み取った画像に基づいて、前記シンボルが示す作業指示情報を取得するように構成された情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された作業指示情報を、前記作業員から指示された作業開始時に前記通信装置に送信するように構成された第2の作業指示発行部とを備えることを特徴とする機器管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールド機器とホスト装置との通信を中継する通信装置と、通信装置を用いた現場作業を支援する機器管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
HART通信等を利用することで現場のフィールド機器の状態監視や設定調整作業等を、計器室等の遠隔地にある機器管理システムから直接行うことが可能となってきている(特許文献1、特許文献2参照)。とはいえ、現場作業がなくなるわけではなく、必要に応じて現場にあるフィールド機器に対して直接作業を行うこともある。その際、作業対象となるフィールド機器を間違えたり、実施すべき作業内容や操作を誤ったりすることで、誤作動を引き起こし、プラントの操業に影響を与えてしまうリスクがある。また、現場作業を行う作業員には、正規社員または外部社員(契約、スポット等)など様々な契約形態の人がいるが、それぞれの作業員で操作可能範囲(権限)が異なる。許可された操作以外のことが現場で行われないようセキュリティ面の確保も懸念となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−135020号公報
【特許文献2】特許第5666958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、セキュリティ対策を強化しつつ現場作業を行うことが可能な通信装置および機器管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の通信装置は、フィールド機器とホスト装置との通信を中継するように構成された通信変換部と、作業員の操作に従って前記フィールド機器に対する作業または前記フィールド機器と自装置とを接続する通信環境に対する作業を実施するように構成された制御部と、前記ホスト装置または前記作業員の操作端末から前記作業の許可範囲を示す作業指示情報を受信するように構成された通信インタフェース部とを備え、前記制御部は、前記作業員が行おうとする作業が、前記作業指示情報で許可されている範囲の作業である場合に前記作業の実施を許可し、前記作業員が行おうとする作業が、前記作業指示情報で許可されている範囲外の作業である場合に前記作業の実施を拒否することを特徴とするものである。
また、本発明の通信装置の1構成例において、前記作業指示情報は、通信装置の機能を限定する内容と作業対象のフィールド機器を限定する内容とフィールド機器へ送信が可能なコマンドを限定する内容のうち少なくとも1つを含む。
【0006】
また、本発明の通信装置は、フィールド機器とホスト装置との通信を中継するように構成された通信変換部と、作業の内容を示す作業指示情報に従って前記フィールド機器に対する作業または前記フィールド機器と自装置とを接続する通信環境に対する作業を実施するように構成された制御部と、前記ホスト装置または作業員の操作端末から前記作業指示情報を受信するように構成された通信インタフェース部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の通信装置の1構成例は、前記作業の結果を記憶するように構成された第1の記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記作業の結果を前記第1の記憶部に記録し、前記通信インタフェース部は、前記ホスト装置からの作業結果収集指示に従って前記作業指示情報と前記作業の結果とを前記ホスト装置に送信することを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の機器管理システムは、通信装置と、ホスト装置とを備え、前記ホスト装置は、オペレータからの指示に応じて前記作業指示情報を作成するように構成された作業指示作成部と、前記作業指示作成部によって作成された作業指示情報を前記通信装置に送信するように構成された作業指示発行部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の機器管理システムは、通信装置と、ホスト装置と、操作端末とを備え、前記ホスト装置は、オペレータからの指示に応じて前記作業指示情報を作成するように構成された作業指示作成部と、前記作業指示作成部によって作成された作業指示情報の内容を示すシンボルを表示するように構成された第1の作業指示発行部とを備え、前記操作端末は、前記ホスト装置によって表示されたシンボルを読み取るように構成されたカメラと、前記カメラが読み取った画像に基づいて、前記シンボルが示す作業指示情報を取得するように構成された情報取得部と、前記情報取得部によって取得された作業指示情報を、前記作業員から指示された作業開始時に前記通信装置に送信するように構成された第2の作業指示発行部とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の機器管理システムは、通信装置と、ホスト装置とを備え、前記ホスト装置は、オペレータからの指示に応じて前記作業指示情報を作成するように構成された作業指示作成部と、前記作業指示作成部によって作成された作業指示情報を前記通信装置に送信するように構成された作業指示発行部と、情報を記憶するように構成された第2の記憶部と、前記通信装置に対して作業結果収集指示を送信し、この作業結果収集指示に応じて前記通信装置から送信された作業指示情報と作業の結果とを前記第2の記憶部に記録するように構成された作業結果収集部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の機器管理システムは、通信装置と、ホスト装置と、操作端末とを備え、前記ホスト装置は、オペレータからの指示に応じて前記作業指示情報を作成するように構成された作業指示作成部と、前記作業指示作成部によって作成された作業指示情報の内容を示すシンボルを表示するように構成された第1の作業指示発行部と、情報を記憶するように構成された第2の記憶部と、前記通信装置に対して作業結果収集指示を送信し、この作業結果収集指示に応じて前記通信装置から送信された作業指示情報と作業の結果とを前記第2の記憶部に記録するように構成された作業結果収集部とを備え、前記操作端末は、前記ホスト装置によって表示されたシンボルを読み取るように構成されたカメラと、前記カメラが読み取った画像に基づいて、前記シンボルが示す作業指示情報を取得するように構成された情報取得部と、前記情報取得部によって取得された作業指示情報を、前記作業員から指示された作業開始時に前記通信装置に送信するように構成された第2の作業指示発行部とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フィールド機器に対する作業またはフィールド機器と通信装置とを接続する通信環境に対する作業の実施に際して、作業の許可範囲を限定することにより、作業対象となるフィールド機器を間違えたり、実施すべき作業内容や操作を誤ったり、現場の作業員が許可された操作以外のことを行ったりする可能性を低減することができ、セキュリティ対策を強化しつつ現場作業を行うことが可能となる。
【0010】
また、本発明では、ホスト装置または作業員の操作端末から通信装置に対して作業を指示することにより、通信装置が現場作業を自動的に実施することができる。
【0011】
また、本発明では、ホスト装置から通信装置に作業結果収集指示を送信することにより、ホスト装置は、作業指示情報と作業の結果とを収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の第1の実施例に係る機器管理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の第1の実施例に係るホスト装置の機器管理機能を説明するフローチャートである。
図3図3は、本発明の第1の実施例に係る通信装置の機器管理機能を説明するフローチャートである。
図4図4は、本発明の第1の実施例に係るホスト装置の作業指示機能を説明するフローチャートである。
図5図5は、本発明の第1の実施例に係る通信装置の作業実施機能を説明するフローチャートである。
図6図6は、本発明の第1の実施例に係る通信装置の作業実施機能を説明するフローチャートである。
図7図7は、本発明の第1の実施例に係る通信装置の機能限定処理を説明するフローチャートである。
図8図8は、本発明の第1の実施例に係る通信装置の機能限定処理を説明するフローチャートである。
図9図9は、本発明の第2の実施例に係る機器管理システムの構成を示すブロック図である。
図10図10は、本発明の第2の実施例に係るホスト装置の作業指示機能を説明するフローチャートである。
図11図11は、本発明の第2の実施例に係る操作端末の作業指示読取機能を説明するフローチャートである。
図12図12は、本発明の第2の実施例に係る操作端末の別の動作を説明するフローチャートである。
図13図13は、本発明の第1、2の実施例に係る通信装置、ホスト装置、操作端末を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る機器管理システムの構成を示すブロック図である。機器管理システムは、例えば圧力発信機やポジショナ等のフィールド機器であるHARTデバイス1−1,1−2と、ホスト装置2と、HARTデバイス1−1,1−2とホスト装置2との通信を中継する通信装置3とから構成される。
【0014】
ホスト装置2は、通信装置3との通信を制御する通信インタフェース部20と、通信装置3で行われた作業の結果を保存する記憶部21と、通信装置3で行われた作業の結果を表示する表示部22と、オペレータからの指示に応じて作業指示情報を作成する作業指示作成部23と、作業指示作成部23によって作成された作業指示情報を通信装置3に送信する作業指示発行部24と、通信装置3を介してHARTデバイス1−1,1−2と通信を行う機器管理部25と、通信装置3に対して作業結果収集指示を送信し、この作業結果収集指示に応じて通信装置3から送信された作業指示情報と作業結果とを記憶部21に記録する作業結果収集部26とを備えている。
【0015】
通信装置3は、HARTデバイス1−1,1−2毎に設けられ、HARTデバイス1−1,1−2との通信を制御するHART通信部30−1,30−2と、HARTデバイス1−1,1−2毎に設けられ、周波数信号(HART信号)とデジタル信号との変換処理を実行するHART/ホスト通信変換部31−1,31−2と、作業員の操作または作業指示情報に従ってHARTデバイス1−1,1−2に対する作業またはHARTデバイス1−1,1−2と自装置とを接続する通信環境に対する作業を実施する制御部32と、ホスト装置2との通信を制御する通信インタフェース部33と、HARTデバイス1−1,1−2との間で送受信される周波数信号をサンプリングしたデータを生成する通信波形検出部34と、データが示す信号波形を表示するための画像を生成する通信波形生成部35と、HARTデバイス1−1,1−2と通信装置3とを接続するアナログ信号線の直流電圧を測定する電源供給状態確認部36と、記憶部37と、作業員が通信装置3を手動で操作するための操作部38とを備えている。
【0016】
通信装置3は、アナログ信号線10−1,11−1を介してHARTデバイス1−1と接続され、アナログ信号線10−2,11−2を介してHARTデバイス1−2と接続されている。
【0017】
図2はホスト装置2の一般的な機器管理機能を説明するフローチャート、図3は通信装置3の機器管理機能を説明するフローチャートである。
ホスト装置2の機器管理部25は、HARTデバイス1−1または1−2の測定値や故障情報を取得したり、HARTデバイス1−1または1−2へ設定値を与えたりするためのデジタル信号(コマンド)を発行する(図2ステップS100)。
ホスト装置2の通信インタフェース部20は、機器管理部25によって発行されたコマンドを通信装置3に送信する(図2ステップS101)。
【0018】
通信装置3の通信インタフェース部33は、ホスト装置2から送信されたコマンドを受信する(図3ステップS200)。
通信装置3の制御部32は、通信インタフェース部33が受信したコマンドを宛先のHARTデバイスに対応するHART/ホスト通信変換部に渡す。ここでは、コマンドの宛先デバイスID(Identification)が、HARTデバイス1−1のIDであったとする。この場合、制御部32は、受信したコマンドを宛先のHARTデバイス1−1に対応するHART/ホスト通信変換部31−1に渡す。HART/ホスト通信変換部31−1は、制御部32から渡されたコマンドを周波数信号に変換する(図3ステップS201)。
【0019】
通信装置3のHART通信部30−1は、HART/ホスト通信変換部31−1によって得られた周波数信号を4〜20mA電流信号に重畳させ、アナログ信号線10−1,11−1に送り出す(図3ステップS202)。
こうして、HARTデバイス1−1にコマンドを送信することができる。
【0020】
次に、HART通信部30−1は、HARTデバイス1−1から送出された4〜20mA電流信号に重畳されている周波数信号を取り出す(図3ステップS203)。
HART/ホスト通信変換部31−1は、HART通信部30−1によって取り出された周波数信号からデジタル信号(レスポンス)を再生する(図3ステップS204)。
通信インタフェース部33は、HART/ホスト通信変換部31−1から制御部32を介して渡されたレスポンスをホスト装置2に送信する(図3ステップS205)。
【0021】
ホスト装置2の通信インタフェース部20は、通信装置3から送信されたレスポンスを受信する(図2ステップS102)。
ホスト装置2の機器管理部25は、通信インタフェース部20が受信したレスポンスが示す測定値や故障情報を表示部22に表示させる(図2ステップS103)。
【0022】
こうして、ホスト装置2は、通信装置3を介してHARTデバイス1−1または1−2から測定値や故障情報を取得したり、あるいはHARTデバイス1−1または1−2へ設定値を与えたりすることが可能となる。
【0023】
図2図3の処理は、一定周期毎に実施される。また、ホスト装置2のオペレータの指示に応じて実施されることもある。
なお、通信インタフェース部33は、ホスト装置2と有線通信を行ってもよいし、無線通信を行ってもよい。
【0024】
図2図3で説明した動作は、機器管理システムの一般的な動作である。次に、本実施例の特徴的な動作について説明する。
図4はホスト装置2の作業指示機能を説明するフローチャート、図5図6は通信装置3の作業実施機能を説明するフローチャートである。
【0025】
ホスト装置2のオペレータは、表示部22に表示される情報を見てHARTデバイス1−1,1−2の状態を監視している。オペレータは、HARTデバイス1−1または1−2に異常が発生し、且つその異常の調査作業や復帰作業がホスト装置2側では困難と判断した場合、作業指示作成部23に対して現場作業の内容を示す作業指示情報を作成するよう指示する。作業指示作成部23は、オペレータからの指示に応じて作業指示情報を作成する(図4ステップS300)。作業指示情報には、現場作業の指示内容と、この指示内容に割り当てられた固有の作業IDとが含まれる。
【0026】
ホスト装置2の作業指示発行部24は、作業指示作成部23によって作成された作業指示情報を通信インタフェース部20を介して通信装置3に送信する(図4ステップS301)。
【0027】
通信装置3の通信インタフェース部33は、ホスト装置2から送信された作業指示情報を受信する(図5ステップS400)。作業指示情報は、通信装置3の記憶部37に格納される。通信装置3の制御部32は、記憶部37に格納された作業指示情報に従って処理を行う。
【0028】
例えば作業指示情報が波形取得作業を指示している場合(図5ステップS401においてYES)、制御部32は、通信波形検出部34と通信波形生成部35とに対して波形取得を指示する。
【0029】
通信波形検出部34は、作業指示情報に含まれるデバイスIDで指定されたHARTデバイスと通信装置3とを接続するアナログ信号線上の4〜20mA電流信号に重畳されている周波数信号を取り出して、周波数信号を一定のサンプリング周期でA/D変換したデジタルデータを生成する(図5ステップS402)。ここでは、作業指示情報に含まれるデバイスIDが、HARTデバイス1−2のIDであったとする。この場合、通信波形検出部34は、HARTデバイス1−2と通信装置3とを接続するアナログ信号線10−2,11−2上の4〜20mA電流信号に重畳されている周波数信号を取り出して、周波数信号をA/D変換したデジタルデータを生成する。
【0030】
通信波形生成部35は、通信波形検出部34によって生成された一定時間分のデジタルデータが示す信号波形を表示するための画像を生成する(図5ステップS403)。
通信装置3の制御部32は、通信波形生成部35によって生成された画像を作業指示情報と対応付けて記憶部37に記録する(図5ステップS404)。
【0031】
以上で、通信装置3による波形取得作業が終了する。現場のHARTデバイス1−1,1−2とホスト装置2とが正しく通信できない場合は、配線が正しいか、通信経路上にノイズが載っている箇所がないか、等の現場確認が不可欠となる。本実施例の信号波形取得作業は、このような現場確認の一助となるものである。
【0032】
なお、上記の例では、HART通信が行われていないときにステップS402〜S404の処理を行うため、アナログ信号線上の4〜20mA電流信号に重畳しているノイズの波形を取得することになるが、作業指示情報で送信すべきコマンドを指定し、指定されたコマンドをデバイスIDで指定されたHARTデバイスに送信するようにしてもよい。これにより、コマンドの波形と、コマンドに対してHARTデバイスから返信されたレスポンスの波形とを取得することが可能となる。作業結果(波形取得作業によって得られた信号波形の画像)は、後述のようにホスト装置2によって収集される。
【0033】
また、作業指示情報が設定作業を指示している場合(図5ステップS405においてYES)、制御部32は、作業指示情報で指定されたコマンドを、作業指示情報に含まれるデバイスIDで指定されたHARTデバイスに対応するHART/ホスト通信変換部31−1または31−2に渡す。図5のステップS406〜S409の処理は、図3のステップS201〜S204と同じである。
【0034】
制御部32は、作業指示情報で指定されたコマンドとHART/ホスト通信変換部31−1または31−2によって再生されたレスポンスとを作業指示情報と対応付けて記憶部37に記録する(図5ステップS410)。
【0035】
こうして、HARTデバイス1−1または1−2に異常が発生したときに、例えば復帰を試みる設定作業を実施することができる。作業結果(コマンドとレスポンス)は、後述のようにホスト装置2によって収集される。
【0036】
また、作業指示情報が波高測定作業を指示している場合(図5ステップS411においてYES)、制御部32は、作業指示情報で指定されたコマンドを、作業指示情報に含まれるデバイスIDで指定されたHARTデバイスに対応するHART/ホスト通信変換部31−1または31−2に渡し、通信波形検出部34に対して波高測定を指示する。
【0037】
図5のステップS412,S413の処理は、図3のステップS201,S202と同じである。
通信装置3の通信波形検出部34は、作業指示情報に含まれるデバイスIDで指定されたHARTデバイスと通信装置3とを接続するアナログ信号線上の4〜20mA電流信号に重畳されている周波数信号を取り出して、周波数信号の波高値を測定する(図5ステップS414)。ここでは、作業指示情報に含まれるデバイスIDが、HARTデバイス1−1のIDであったとする。この場合、通信波形検出部34は、HARTデバイス1−1と通信装置3とを接続するアナログ信号線10−1,11−1上の4〜20mA電流信号に重畳されている周波数信号を取り出して、周波数信号の波高値を測定する。
【0038】
制御部32は、通信波形検出部34による波高値の測定結果を作業指示情報と対応付けて記憶部37に記録する(図5ステップS415)。
こうして、HARTデバイス1−1または1−2に異常が発生したときに、HART通信の信号波形の波高値を測定することができる。作業結果(波高値の測定結果)は、後述のようにホスト装置2によって収集される。
【0039】
また、作業指示情報が通信状態診断作業を指示している場合(図5ステップS416においてYES)、制御部32は、作業指示情報で指定されたコマンドを、作業指示情報に含まれるデバイスIDで指定されたHARTデバイスに対応するHART/ホスト通信変換部31−1または31−2に渡す。
図5のステップS417,S418の処理は、図3のステップS201,S202と同じである。
【0040】
そして、制御部32は、作業指示情報に含まれるデバイスIDで指定されたHARTデバイス1−1または1−2にコマンドが送信された時点から規定時間内に送信先のHARTデバイス1−1または1−2からのレスポンスを受信できなかった回数であるノーレスポンス数を測定する(図5ステップS419)。
【0041】
制御部32は、ノーレスポンス数の測定結果を作業指示情報と対応付けて記憶部37に記録する(図5ステップS420)。
こうして、ノーレスポンス数を測定ことができ、HART通信の通信状態を診断することが可能となる。作業結果(ノーレスポンス数の測定結果)は、後述のようにホスト装置2によって収集される。
【0042】
また、作業指示情報が電源供給状態診断作業を指示している場合(図5ステップS421においてYES)、制御部32は、電源供給状態確認部36に対して直流電圧測定を指示する。
【0043】
電源供給状態確認部36は、作業指示情報に含まれるデバイスIDで指定されたHARTデバイスと通信装置3とを接続するアナログ信号線の直流電圧を測定する(図5ステップS422)。ここでは、作業指示情報に含まれるデバイスIDが、HARTデバイス1−1のIDであったとする。この場合、電源供給状態確認部36は、HARTデバイス1−1と通信装置3とを接続するアナログ信号線10−1,11−1間の直流電圧を測定する。
【0044】
制御部32は、電源供給状態確認部36による直流電圧の測定結果を作業指示情報と対応付けて記憶部37に記録する(図5ステップS423)。
こうして、アナログ信号線の直流電圧を測定することができ、電源供給状態を確認することが可能となる。作業結果(直流電圧の測定結果)は、後述のようにホスト装置2によって収集される。
【0045】
なお、ステップS404,S410,S415,S420,S423の処理終了後に、制御部32は、ホスト装置2に対して作業終了を示す信号を送信するようにしてもよい。
【0046】
次に、ホスト装置2の作業結果収集部26は、作業指示情報の送信から所定時間が経過したとき、あるいはホスト装置2のオペレータから作業結果収集指示があったとき、あるいは通信装置3から作業終了を示す信号を受信したときに、作業結果収集タイミングであると判断して(図4ステップS302においてYES)、作業結果収集指示信号を通信インタフェース部20を介して通信装置3に送信する(図4ステップS303)。
【0047】
通信装置3の通信インタフェース部33は、ホスト装置2から送信された作業結果収集指示信号を受信する(図6ステップS424)。
通信装置3の制御部32は、通信インタフェース部33が作業結果収集指示信号を受信すると、記憶部37から作業指示情報とこれに対応する作業結果とを取り出して通信インタフェース部33に渡す。通信インタフェース部33は、制御部32から受け取った作業指示情報と作業結果とをホスト装置2に送信する(図6ステップS425)。
【0048】
ホスト装置2の通信インタフェース部20は、通信装置3から送信された作業指示情報と作業結果とを受信する(図4ステップS304)。
作業結果収集部26は、通信インタフェース部20が受信した作業指示情報と作業結果とを対応付けて記憶部21に記録する(図4ステップS305)。こうして、作業結果を収集することができる。
【0049】
ホスト装置2の表示部22は、作業指示情報の内容と作業結果とを表示する(図4ステップS306)。
以上のように、本実施例では、ホスト装置2から通信装置3に対して作業を指示することにより、通信装置3が現場作業を自動的に実施することができる。本実施例では、作業の内容をホスト装置2から指示するため、作業対象となるHARTデバイスを間違えたり、実施すべき作業内容や操作を誤ったり、現場の作業員が許可された操作以外のことを行ったりすることがなく、セキュリティ対策を強化しつつ現場作業を行うことが可能となる。
【0050】
上記の例では、ホスト装置2からの指示に応じて通信装置3が現場作業を自動的に実施するが、現場の作業員が通信装置3を用いて手動で行える作業を限定するようにしてもよい。この機能限定について以下に説明する。
ホスト装置2の処理の流れは上記と同様なので、図4の符号を用いて説明する。図7図8は通信装置3の機能限定処理を説明するフローチャートである。
【0051】
ホスト装置2のオペレータは、HARTデバイス1−1または1−2に異常が発生し、且つその異常の調査作業や復帰作業がホスト装置2側では困難と判断した場合、作業指示作成部23に対して現場作業の許可範囲を示す作業指示情報を作成するよう指示する。作業指示作成部23は、オペレータからの指示に応じて作業指示情報を作成する(図4ステップS300)。作業指示情報には、現場作業の許可範囲と、この指示内容に割り当てられた固有の作業IDとが含まれる。
また、オペレータは、例えば現場の作業員に対して電話、メール等で作業を指示する。
【0052】
ホスト装置2の作業指示発行部24は、作業指示作成部23によって作成された作業指示情報を通信インタフェース部20を介して通信装置3に送信する(図4ステップS301)。
【0053】
通信装置3の通信インタフェース部33は、ホスト装置2から送信された作業指示情報を受信する(図7ステップS500)。作業指示情報は、通信装置3の記憶部37に格納される。通信装置3の制御部32は、記憶部37に格納された作業指示情報に従って処理を行う。
【0054】
制御部32は、例えば作業指示情報が通信装置3の機能限定を指示している場合(図7ステップS501においてYES)、現場の作業員が通信装置3を用いて行おうとする作業が、作業指示情報で許可されている範囲の作業である場合に(図7ステップS502においてYES)、作業の実施を許可する(図7ステップS503)。
【0055】
作業員が通信装置3の操作部38を操作して行う作業としては、上記と同様に、波形取得作業、設定作業、波高測定作業、通信状態診断作業、電源供給状態診断作業等がある。
制御部32は、ステップS404,S410,S415,S420,S423と同様に、作業員の指示に従って行った作業の結果を作業指示情報と対応付けて記憶部37に記録する(図7ステップS504)。ホスト装置2は、図4のステップS302〜S306で説明した動作により、作業結果を収集する。
【0056】
制御部32は、現場の作業員が通信装置3を用いて行おうとする作業が、作業指示情報で許可されている範囲外の作業である場合(ステップS502においてNO)、作業の実施を拒否する(図7ステップS505)。
【0057】
例えば作業指示情報で許可されている作業が波形取得作業のみである場合に、作業員が設定作業を行おうとすると、制御部32は、作業指示情報で許可されている範囲外の作業であると判断して、作業員の要求を拒否する。
【0058】
また、制御部32は、作業指示情報が作業対象となるHARTデバイスの限定を指示している場合(図7ステップS506においてYES)、現場の作業員が通信装置3を用いて行おうとする作業の対象が、作業指示情報で作業が許可されているHARTデバイスである場合に(図7ステップS507においてYES)、作業の実施を許可する(図7ステップS508)。上記の説明から明らかなように、各HARTデバイスにはそれぞれ固有のデバイスIDが割り当てられており、作業指示情報には、作業が許可されているHARTデバイスのデバイスIDが含まれる。
ステップS504と同様に、制御部32は、作業員の指示に従って行った作業の結果を作業指示情報と対応付けて記憶部37に記録する(図7ステップS509)。
【0059】
制御部32は、現場の作業員が通信装置3を用いて行おうとする作業の対象が、作業指示情報で作業が許可されているHARTデバイスでない場合に(ステップS507においてNO)、作業の実施を拒否する(図7ステップS510)。
【0060】
例えば作業指示情報でHARTデバイス1−1のみが作業対象として許可されている場合に、作業員がHARTデバイス1−2を対象として作業を行おうとすると、制御部32は、作業指示情報で作業が許可されているHARTデバイスでないと判断して、作業員の要求を拒否する。
【0061】
また、制御部32は、作業指示情報がコマンドの限定を指示している場合(図8ステップS511においてYES)、現場の作業員が通信装置3を用いてHARTデバイスに送信しようとするコマンドが、作業指示情報で送信が許可されているコマンドである場合に(図8ステップS512においてYES)、コマンドの送信を許可する(図8ステップS513)。この場合、作業指示情報には、送信が許可されているコマンドの番号が含まれる。
【0062】
ステップS504と同様に、制御部32は、作業員の指示に従って行った作業の結果(ここではHARTデバイスに送信したコマンドとHARTデバイスからのレスポンス)を作業指示情報と対応付けて記憶部37に記録する(図8ステップS514)。
【0063】
制御部32は、現場の作業員が通信装置3を用いてHARTデバイスに送信しようとするコマンドが、作業指示情報で送信が許可されているコマンドでない場合に(ステップS512においてNO)、コマンドの送信を拒否する(図8ステップS515)。
図8のステップS516,S517の処理は、ステップS424,S425と同じである。
【0064】
こうして、現場作業の許可範囲を限定することにより、作業対象となるHARTデバイスを間違えたり、実施すべき作業内容や操作を誤ったり、現場の作業員が許可された操作以外のことを行ったりすることがなく、セキュリティ対策を強化しつつ現場作業を行うことが可能となる。
【0065】
なお、図7図8の説明では、通信装置の機能限定とHARTデバイスの限定とコマンドの限定とをそれぞれ単独で行っているが、これら3種類の限定を適宜組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0066】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、ホスト装置が作成した作業指示情報を通信装置に送信しているが、作業員が用いる端末が作業指示情報を取得するようにしてもよい。
【0067】
図9は本発明の第2の実施例に係る機器管理システムの構成を示すブロック図である。本実施例の機器管理システムは、HARTデバイス1−1,1−2と、ホスト装置2aと、通信装置3aと、作業員が用いる操作端末4とから構成される。
【0068】
ホスト装置2aは、通信インタフェース部20と、記憶部21と、表示部22と、作業指示作成部23と、作業指示作成部23によって作成された作業指示情報の内容を示すシンボルを表示する作業指示発行部24aと、機器管理部25と、作業結果収集部26とを備えている。
【0069】
通信装置3aは、HART通信部30−1,30−2と、HART/ホスト通信変換部31−1,31−2と、制御部32と、通信インタフェース部33aと、通信波形検出部34と、通信波形生成部35と、電源供給状態確認部36と、記憶部37と、操作部38とを備えている。
【0070】
操作端末4は、通信装置3aとの通信を制御する通信インタフェース部40と、作業指示情報を記憶する記憶部41と、ホスト装置2aによって表示されたシンボルを読み取るカメラ42と、カメラ42が読み取った画像に基づいて、シンボルが示す作業指示情報を取得する情報取得部43と、取得した作業指示情報を表示する表示部44と、情報取得部43によって取得された作業指示情報を、作業員から指示された作業開始時に通信装置3aに送信する作業指示発行部45と、作業員が操作端末4を操作するための操作部46とを備えている。
【0071】
図10はホスト装置2aの作業指示機能を説明するフローチャート、図11は操作端末4の作業指示読取機能を説明するフローチャートである。
第1の実施例と同様に、ホスト装置2aのオペレータは、HARTデバイス1−1または1−2に異常が発生し、且つその異常の調査作業や復帰作業がホスト装置2a側では困難と判断した場合、作業指示作成部23に対して作業指示情報を作成するよう指示する。作業指示作成部23は、オペレータからの指示に応じて作業指示情報を作成する(図10ステップS600)。
【0072】
次に、ホスト装置2aの作業指示発行部24aは、作業指示作成部23によって作成された作業指示情報の内容を示すシンボルを表示部22に表示させる(図10ステップS601)。シンボルの例としては、例えばQRコード(登録商標)がある。
【0073】
HARTデバイス1−1,1−2が設置された現場に向かう作業員は、事前にホスト装置2aの表示部22に表示されたシンボルに操作端末4を近づけて、シンボルを操作端末4のカメラ42によって読み取る(図11ステップS700)。
操作端末4の情報取得部43は、カメラ42が読み取った画像を解読して、シンボルが示す作業指示情報を取得する(図11ステップS701)。作業指示情報は、操作端末4の記憶部41に格納される。
【0074】
作業員は、操作端末4の操作部46を操作して、作業指示情報の表示を要求することが可能である。表示部44は、作業員の要求に応じて、記憶部41に記憶された作業指示情報の内容を表示する。こうして、作業員は、操作端末4の画面上で作業指示情報の内容を確認することが可能である。
【0075】
次に、現場に到着した作業員は、現場作業開始時に、自身が所持する操作端末4の操作部46を操作して、操作端末4と通信装置3aとの通信を確立するための設定作業を行う。通信装置3aとの通信確立後、操作端末4の作業指示発行部45は、記憶部41に記憶されている作業指示情報を通信インタフェース部40を介して通信装置3aに送信する(図11ステップS703)。
【0076】
通信装置3aの通信インタフェース部33aは、操作端末4から送信された作業指示情報を受信する。作業指示情報は、通信装置3aの記憶部37に格納される。この受信処理は、図5のステップS400と同様である。
作業指示情報の受信以降の通信装置3aの動作は、図5のステップS401〜S423、図6のステップS424,S425で説明したとおりである。
また、図10のステップS602〜S606のホスト装置2aの動作は、図4のステップS302〜S306と同じである。
【0077】
こうして、本実施例では、ホスト装置2aに表示されているシンボルを作業員が用いる操作端末4で読み取って作業指示情報を取得し、取得した作業指示情報を現場で通信装置3aに送信することにより、通信装置3aが現場作業を自動的に実施することができる。
【0078】
第1の実施例で説明したとおり、作業員は、通信装置3aを用いて手動で作業を行ってもよい。この場合の操作端末4の動作を図12に示す。
図12のステップS800,S801の処理は、図11のステップS700,S701と同じである。
【0079】
現場に到着した作業員は、現場作業開始時に(図12ステップS802においてYES)、操作端末4の操作部46を操作して、作業指示情報の表示を要求する。表示部44は、作業員の要求に応じて、記憶部41に記憶された作業指示情報の内容を表示する(図12ステップS803)。
操作端末4の作業指示発行部45は、記憶部41に記憶されている作業指示情報を通信インタフェース部40を介して通信装置3aに送信する(図12ステップS804)。
【0080】
作業員は、通信装置3aの操作部38を操作して作業を行う。この作業としては、第1の実施例で説明したとおり、波形取得作業、設定作業、波高測定作業、通信状態診断作業、電源供給状態診断作業等がある。
【0081】
通信装置3aの通信インタフェース部33aは、操作端末4から送信された作業指示情報を受信する。作業指示情報は、通信装置3aの記憶部37に格納される。この受信処理は、図7のステップS500と同様である。
作業指示情報の受信以降の通信装置3aの動作は、図7のステップS501〜S510、図8のステップS511〜S517で説明したとおりである。
【0082】
こうして、本実施例においても、現場作業の許可範囲を限定することにより、セキュリティ対策を強化しつつ現場作業を行うことが可能となる。
【0083】
なお、第1、第2の実施例では、ホスト装置2のオペレータがHARTデバイス1−1,1−2の異常に気付いたときに作業指示情報を発行するようにしているが、これに限るものではなく、例えば定期検査等の定常作業のために、予め定められたスケジュールに従って作業指示情報を発行するようにしてもよい。
【0084】
また、第1、第2の実施例では、通信装置3,3aに複数のHARTデバイス1−1,1−2が接続されている例で説明しているが、これに限るものではなく、通信装置3または通信装置3aに1つのHARTデバイスが接続されている場合にも本発明を適用できることは言うまでもない。
【0085】
第1、第2の実施例で説明した通信装置3,3aの構成のうちHART通信部30−1,30−2のソフトウェアの機能とHART/ホスト通信変換部31−1,31−2と通信インタフェース部33,33aのソフトウェアの機能と制御部32と通信波形検出部34のソフトウェアの機能と通信波形生成部35と電源供給状態確認部36のソフトウェアの機能と記憶部37とは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインターフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図13に示す。
【0086】
コンピュータは、CPU200と、記憶装置201と、インタフェース装置(以下、I/Fと略する)202とを備えている。I/F202には、HART通信部30−1,30−2のハードウェアと通信インタフェース部33,33aのハードウェアと操作部38等が接続される。このようなコンピュータにおいて、本発明の方法を実現させるためのプログラムは記憶装置201に格納される。CPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施例で説明した処理を実行する。
【0087】
同様に、ホスト装置2,2aの構成のうち通信インタフェース部20のソフトウェアの機能と記憶部21と表示部22と作業指示作成部23と作業指示発行部24,24aと機器管理部25と作業結果収集部26とは、コンピュータによって実現することができる。このコンピュータのI/F202には、通信インタフェース部20のハードウェアとディスプレイ等が接続される。ホスト装置2のCPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施例で説明した処理を実行する。
【0088】
同様に、操作端末4の構成のうち通信インタフェース部40のソフトウェアの機能と記憶部41と情報取得部43と表示部44と作業指示発行部45とは、コンピュータによって実現することができる。このコンピュータのI/F202には、通信インタフェース部40のハードウェアとカメラ42とディスプレイと操作部46等が接続される。操作端末4のCPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第2の実施例で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、フィールド機器に対する現場作業を支援する技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
1−1,1−2…HARTデバイス、2,2a…ホスト装置、3,3a…通信装置、4…操作端末、20,33,33a,40…通信インタフェース部、21…記憶部、22,44…表示部、23…作業指示作成部、24,24a,45…作業指示発行部、25…機器管理部、26…作業結果収集部、30−1,30−2…HART通信部、31−1,31−2…HART/ホスト通信変換部、32…制御部、34…通信波形検出部、35…通信波形生成部、36…電源供給状態確認部、37,41…記憶部、38,46…操作部、42…カメラ、43…情報取得部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13