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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-77471(P2021-77471A)
(43)【公開日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】バッテリー冷却器
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6566 20140101AFI20210423BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20210423BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20210423BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20210423BHJP
【FI】
   H01M10/6566
   H01M10/613
   H01M10/625
   H01M10/6568
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-201195(P2019-201195)
(22)【出願日】2019年11月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三矢 朋輝
(72)【発明者】
【氏名】五之治 巧
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE01
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】冷媒経路を流れる冷媒の圧損を低減できるとともに、冷媒経路が設けられている部材どうしがシールされている箇所に負荷がかかることを防止または抑制できるバッテリーの冷却器を提供する。
【解決手段】バッテリー冷却器1は、冷媒が流通可能な第一冷媒経路22が設けられている第一経路部21および第一冷媒経路22から突出している第一接合部25を有する第一部材2と、冷媒流通可能な第二冷媒経路32が設けられている第二経路部31および上面視において第二冷媒経路32から突出している第二接合部35を有する第二部材3と、を有しており、第一部材2の第一接合部25と第二部材3の接合とは互いに重畳している重畳部41を有するとともに、重畳部41において互いに接合されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に第一冷媒経路が設けられているとともに前記第一冷媒経路と外部とを連通する開口部が設けられている第一経路部と、前記第一経路部から突出している第一接合部と、を有する第一部材と、
内部に第二冷媒経路が設けられている第二経路部と、前記第二経路部から突出している第二接合部と、を有する第二部材と、
を有し、
前記第一経路部と前記第二経路部とは、前記第一冷媒経路と前記第二冷媒経路とが前記開口部を介して連通するように接続されているとともに、前記開口部を囲むシール部により前記第一経路部と前記第二経路部との接続部がシールされており、
前記第一接合部と前記第二接合部とは、前記シール部とは異なる位置において互いに重畳する重畳部を有するとともに、前記重畳部において互いに接合されている、
バッテリー冷却器。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリー冷却器であって、
2つの前記第一部材と、単数または複数の前記第二部材を有し、
2つの前記第一経路部は長尺筒状であり、前記開口部は前記第一経路部の側面に設けられており、
単数または複数の前記第二部材は、互いに反対側の端面を有するとともに、内部に設けられている前記第二冷媒経路が互いの前記端面どうしを連通する貫通孔であり、
2つの前記第一部材は、前記開口部が設けられている側面どうしが対向する向きで互いに離間して配置されており、
単数または複数の前記第二部材は、2つの前記第一部材どうしの間に配置されるとともにその前記端面が前記第一部材の前記側面に接続されている、
バッテリー冷却器。
【請求項3】
請求項2に記載のバッテリー冷却器において、
前記第二経路部は、前記端面が前記第一経路部の前記側面のうち前記開口部を囲む位置に突き当てられることにより、前記第一経路部に接続されている
バッテリー冷却器。
【請求項4】
請求項2または3に記載のバッテリー冷却器において、
前記第一接合部は、前記側面から他方の前記第一部材の側に向かって突出するように形成され、
前記第二接合部は、前記第二経路部の側面から前記第一経路部の長手方向に突出するように形成される、
バッテリー冷却器。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載のバッテリー冷却器において、
前記重畳部は、前記第一部材の軸方向及び幅方向に直交する上下方向に前記第一接合部と前記第二接合部とが重畳する部分であり、上面視において前記シール部と重ならない位置に設けられている部分を有している、
バッテリー冷却器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリー冷却器において、
前記第一接合部と前記第二接合部は平板状の部分であり、前記第一接合部と前記第二接合部とが厚さ方向に重畳している、
バッテリー冷却器。
【請求項7】
請求項1から6いずれか1項に記載のバッテリー冷却器であって、
前記第一接合部と前記第二接合部の少なくとも一方には、バッテリーを支持する支持部材を取り付けるための取付手段が設けられている、
バッテリー冷却器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部に冷媒経路が設けられているサイド部材(side member)とフロア部材(floor member)とを有するバッテリー冷却器(特許文献1では“車両用のバッテリー支持装置”と記載されている)が開示されている。このバッテリー冷却器では、サイド部材(第一部材)とフロア部材(第二部材)とは互いに接合されており、サイド部材に設けられている冷媒経路とフロア部材に設けられている冷媒経路とは互いに連通している。さらに、特許文献1には、フロア部材の長手方向の端面がサイド部材に突き当てられている構成と、フロア部材の長手方向の端部がサイド部材に差し込まれている構成が開示されている。なお、特許文献1に開示されるような、サイド部材とフロア部材を有するバッテリー冷却器においては、サイド部材とフロア部材とが互いの接合部にて溶接されることで機械的に接合されるとともに冷媒が漏出しないようにシールされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2017/025592A1公報
【発明の概要】
【0004】
(発明が解決しようとする課題)
フロア部材の端面がサイド部材に突き当てられている構成では、バッテリー収容装置が振動したりバッテリー収容装置に外力が掛かったりした場合に、フロア部材とサイド部材との接合個所(すなわち、シール部)に負荷が掛かかりやすい。このため、この場合には、接合個所が損傷して冷媒が漏出するおそれがある。一方、フロア部材がサイド部材の内部に差し込まれて互いに接合されている構成では、接合箇所の強度は向上するものの、フロア部材のうちのサイド部材の内部に差し込まれている部分が、サイド部材の内部における冷媒の流れを阻害することがある。このため冷媒の圧損が大きくなる。また、フロア部材の端面がサイド部材に突き当てられている構成では、サイド部材に横荷重(フロア部材の長手方向に向かう力)が掛かった場合にフロア部材が突っ張ることでサイド部材の横方向の変形が阻止される。しかしながら、フロア部材がサイド部材の内部に差し込まれて互いに接合されている構成では、接合個所の溶接金属でこの横荷重を受けるため、横荷重により接合個所の溶接金属が破損すると、フロア部材が突っ張ることができずにサイド部材とフロア部材とがフロア部材の長手方向に相対移動可能になる。このため、フロア部材はサイド部材の横方向の変形を阻止できなくなる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、冷媒の圧損を増加させることなく、冷媒経路が設けられている部材どうしのシールの損傷を防止または抑制できるバッテリーの冷却器を提供することを目的とする。
【0006】
(課題を解決するための手段)
前記課題を解決するため、本発明に係るバッテリー冷却器(1)は、
内部に第一冷媒経路(22)が設けられているとともに前記第一冷媒経路(22)と外部とを連通する開口部(24)が設けられている第一経路部(21)と、前記第一経路部(21)から突出している第一接合部(25)と、を有する第一部材(2)と、
内部に第二冷媒経路(32)が設けられている第二経路部(31)と、前記第二経路部(31)から突出している第二接合部(35)と、を有する第二部材(3)と、
を有し、
前記第一経路部(21)と前記第二経路部(31)とは、前記第一冷媒経路(22)と前記第二冷媒経路(32)とが前記開口部(24)を介して連通するように接続されているとともに、前記開口部(24)を囲むシール部(42)により前記第一経路部(21)と前記第二経路部(31)との接続部がシールされており、
前記第一接合部(25)と前記第二接合部(35)とは、前記シール部(42)とは異なる位置において互いに重畳する重畳部(41)を有するとともに、前記重畳部(41)において互いに接合されている。
【0007】
発明がこのように構成されると、バッテリー冷却器(1)が振動した場合などに第一部材(2)と第二部材(3)との間に掛かる力を、シール部(42)とは別の位置に設けられている重畳部(41)で受けることができる。このため、シール部(42)に掛かる力が低減されるから、シール部(42)の破損が防止または抑制される。
【0008】
また、本発明に係るバッテリー冷却器(1)は、
前記第一経路部(21)は長尺筒状であり、前記開口部(24)は前記第一経路部(21)の側面(23)に設けられており、
前記第二冷媒経路(31)は、互いに反対側の前記端面(33)どうしを連通する貫通孔であり、
2つの前記第一部材(2)と、単数または複数の前記第二部材(3)を有し、
2つの前記第一部材(2)は、前記開口部(24)が設けられている側面どうしが対向する向きで互いに離間して配置されており、
単数または複数の前記第二部材(3)は、2つの前記第一部材(2)どうしの間に配置されている、
という構成であってもよい。
【0009】
また、本発明に係るバッテリー冷却器(1)は、
前記第二経路部(31)の前記端面(33)は、前記第一経路部(21)の前記側面(23)に対向している、
という構成であってもよい。
【0010】
発明がこのように構成されると、第二部材(3)が第一部材(2)の冷媒経路(22)の内部に入り込まないため、第一部材(2)の冷媒経路(22)における冷媒の流れが第二部材(3)により阻害されることがない。このため、冷媒の圧損の低減を図ることができる。また、第一部材(2)を第二部材(3)に押し付けるような横荷重がバッテリー冷却器(1)に掛かった場合に、第二部材(3)が突っ張ることで、第一部材(2)の変位や変形を防止または抑制できる。
【0011】
また、本発明に係るバッテリー冷却器(1)は、
前記第一接合部(25)は、前記側面(23)から他方の前記第一部材(2)の側に向かって突出する部分であり、
前記第二接合部(35)は、前記第二経路部(31)の側面から前記第一経路部(21)の長手方向に突出する部分である、
という構成であってもよい。
【0012】
発明がこのように構成されると、第一部材(2)と第二部材(3)の上下寸法の増加を招かないから、バッテリー冷却器(1)の大型化を招かない。
【0013】
また、本発明に係るバッテリー冷却器(1)は、
前記重畳部(41)は、前記第一接合部(25)と前記第二接合部(35)とが上下に重畳する部分であり、上面視において前記シール部(42)と重ならない位置に設けられている部分を有している、
という構成であってもよい。
【0014】
発明がこのように構成されると、第一部材(2)と第二部材(3)の上下寸法の増加を招かないから、バッテリー冷却器(1)の大型化を招かない。
【0015】
また、本発明に係るバッテリー冷却器(1)は、
前記第一接合部(25)と前記第二接合部(35)は平板状の部分であり、前記第一接合部(25)と前記第二接合部(35)とが厚さ方向に重畳している、
という構成であってもよい。
【0016】
発明がこのように構成されると、重畳部(41)における第一部材(2)の接合部(25)と第二部材(3)の接合部(35)との接合が容易である。また、第一部材(2)と第二部材(3)の上下寸法の増加を招かないから、バッテリー冷却器(1)の大型化を招かない。
【0017】
また、本発明に係るバッテリー冷却器(1)は、
前記第一接合部(25)と前記第二接合部(35)の少なくとも一方には、バッテリーを支持する支持部材(71)を取り付けるための取付手段が設けられている、
という構成であってもよい。
【0018】
発明がこのように構成されると、取付手段を有する部材を別途設けなくてもよいか、または少なくできる。このため、バッテリー冷却器(1)の構造の単純化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施形態に係るバッテリー冷却器の構成例を示す外観斜視図である。
図2図2は、第一部材の構成例を示す斜視図である。
図3図3は、第二部材の構成例を示す斜視図である。
図4図4は、第一部材と第二部材との接合部の構成例を示す斜視図である。
図5図5は、第一部材と第二部材の接合部の構成例を示す上面図である。
図6図6は、図5のVI−VI線断面矢視図である。
図7図7は、図5のVII−VII線断面矢視図である。
図8図8は、バッテリー収容ケースの構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態に係るバッテリー冷却器について、図面を参照して説明する。本発明の実施形態に係るバッテリー冷却器は車両用であり、電動車両(EV、PHV(プラグインハイブリッド車両)、HV(ハイブリッド車両)など)に搭載されているバッテリーの冷却に用いられる。なお、説明の便宜上、バッテリーが載置される側を上側とし、その反対側を下側とする。各図においては、上側を矢印Upで、下側を矢印Dwで示す。
【0021】
図1は、バッテリー冷却器1の構成例を示す外観斜視図である。図1に示すように、バッテリー冷却器1は、2つの第一部材2と、所定の数(本実施形態では複数)の第二部材3とを有している。2つの第一部材2は長尺の部材であり、それらの長手方向(軸方向)が水平となる向きで互いに離間して対向するように平行に配置されている。所定の数の第二部材3は長尺の部材であり、対向配置した2本の第一部材2の間に、それらの長手方向が2本の第一部材2の長手方向に直角な向きで配置されている。
【0022】
2本の第一部材2の内部には冷媒が流通可能な第一冷媒経路22が設けられており、所定の数の第二部材3のそれぞれの内部には冷媒が流通可能な第二冷媒経路32が設けられている(詳細は後述)。2本の第一部材2のそれぞれに設けられている第一冷媒経路22と、所定の数の第二部材3のそれぞれに設けられる第二冷媒経路32とは、冷媒が流通可能に繋がっている。そして、2本の第一部材2と所定の数の第二部材3との間はシール部42により液密性を有するようにシール部42によりシールされるとともに、シール部42とは別の位置に設けられている重畳部41(図4図5参照)において互いに接合(固定)されている。
【0023】
図2は、第一部材2の構成例を示す断面図である。図2に示すように、第一部材2は、第一経路部21と複数の第一接合部25とを有している。
【0024】
第一経路部21は、内部に冷媒が流通可能な第一冷媒経路22が設けられている部分である。換言すると、第一経路部21は、内部に空洞を有する長尺筒状の部分であり、内部の空洞が第一冷媒経路22として機能する。また、第一経路部21の長手方向の一方の端部またはその近傍には、第一経路部21の外部と内部の第一冷媒経路22とを連通する冷媒の出入口部26が設けられている(図1参照)。
【0025】
第一経路部21の一方の側面23(2本の第一部材2が平行に配置されている状態で互いに対向する面)には、内部の第一冷媒経路22と第一経路部21の外部とを連通する所定の数(本実施形態では複数)の開口部24が設けられている。各開口部24は、第一冷媒経路22と第二冷媒経路32(後述)とを冷媒が流通可能に連通する連通開口としての機能を有する。また、所定の数の開口部24は、第一経路部21の長手方向に沿って、所定の間隔をおいて並ぶように設けられている。なお、各開口部24の寸法および形状は、第一経路部21の側面23に第二経路部31(後述)の端面を突き当てた場合に、第二経路部31の端面により完全に隠れるように設定されている。
【0026】
各第一接合部25は、各第二接合部35(後述)と互いに接合(固定)される部分である。本実施形態では、第一接合部25が平板状であり、上面および下面が水平な面である例を示す。各第一接合部25は、第一経路部21の側面23(複数の開口部24が設けられている面)から幅方向における外側(平行に配置されているもう一方の第一部材2の側)に向かって突出している。また、各第一接合部25は、各開口部24の外側(すなわち、開口部24とは異なる位置)に設けられている。本実施形態では、各第一接合部25が、第一経路部21の長手方向における各開口部24の両側に設けられている。このため、本実施形態では、開口部24と第一接合部25とが、第一経路部21の一方の側面23において、第一経路部21の長手方向に交互に並ぶように設けられている。
【0027】
各第一接合部25の上下方向位置は特に限定されるものではないが、本実施形態では、各第一接合部25が第一部材2の第一経路部21の側面23の最下部に位置する例を示す。そして、第一部材2の第一接合部25の下面と第一部材2の第一経路部21の下面は連続した平面を形成している。すなわち、第一部材2は、平面上に載置された場合に、第一経路部21と各第一接合部25の下面が当該平面に接するように構成されている。
【0028】
図3は、第二部材3の構成例を示す斜視図であり、第二部材3の長手方向の端面33およびその近傍を拡大して示す図である。図3に示すように、第二部材3は第二経路部31と第二接合部35とを有している。また、本実施形態では、第二部材3は、長手方向の全長にわたって同じ断面形状を有する等断面の部材である。
【0029】
第二経路部31は、冷媒が流通可能な第二冷媒経路32が内部に設けられている部分である。第二部材3の第二経路部31の断面形状は特に限定されないが、本実施形態では、バッテリー冷却器1の上下寸法を小さくするとともにバッテリーとの間での熱交換の能力を高めるため、上下寸法よりも幅寸法の方が大きい扁平な長方形である例を示す。第二経路部31の内部に設けられている第二冷媒経路32は、第二経路部31を長手方向に貫通する貫通孔である。このため、第二経路部31の長手方向の両端面33(互いに反対側に位置する面)には、第二冷媒経路32の開口部が現れている。
【0030】
なお、図3では、第二経路部31に複数の第二冷媒経路32が並列的に設けられている構成を示す。ただし、第二経路部31に設けられる第二冷媒経路32の数は限定されるものではない。第二部材3の第二経路部31は、互いに反対側の端面33どうしを連通する単数または複数の第二冷媒経路32が設けられる構成であればよい。
【0031】
第二接合部35は、第一接合部25と互いに接合される部分であり、第二経路部31の側面から幅方向(第一部材2に接合されている状態で、第一部材2の第一経路部21の長手方向)の外側に向かって突出する部分である。図3に示すように、各第二部材3には、幅方向の両側のそれぞれに第二接合部35が設けられている。また、本実施形態では、第二接合部35が第二部材3の長手方向の全長にわたって設けられている構成を示すが、このような構成に限定されるものではない。例えば、第二接合部35は、第二部材3の長手方向の両端部にのみ設けられ、長手方向の中間部には設けられない構成であってもよい。要は、第二接合部35は、第二経路部31の長手方向の端面33を第一経路部21の側面23に直接的または間接的に突き当てた状態において、第一接合部25と上下方向(第一部材2の長手方向(軸方向)および幅方向に直交する方向)に重畳する部分を有していればよい。
【0032】
なお、第二接合部35の上下方向位置および上下方向寸法は特に限定されるものではない。本実施形態では、第二接合部35の下面の上下方向位置は、第一経路部21と第二経路部21の下面上下方向位置を揃えた状態で、第一接合部25の上面の上下方向位置と一致するように設定されている。
【0033】
また、2本の第一部材2どうしの間に配置される第二部材3の数や間隔は特に限定されるものではない。例えば、バッテリーを効率よく冷却するという観点から、第二部材3は上面視においてバッテリーと重なる位置に配置されることが好ましい。したがって、第二部材3の数や間隔は、バッテリー冷却器1が適用される他の機器等(他の機器等が有するバッテリーの数や配置の態様)に応じて適宜設定できる。
【0034】
また、第一部材2と第二部材3には、例えばアルミやアルミ合金などの押し出し材が適用できる。第一部材2に押し出し材を適用する場合には、第一経路部21と第一接合部25とを押し出し成形によって一体に成形した後、機械加工により第一接合部25の一部を除去するとともに開口部24を成形することで製造できる。
【0035】
次に、第一部材2と第二部材3の接合構造について説明する。図4図5は、第一部材2と第二部材3の接合構造を示す図である。なお、図4は斜視図であり、図5は上面図である。また、図6図5のVI−VI線断面矢視図であり、図7図5のVII−VII線断面矢視図である。
【0036】
図4図7に示すように、第二経路部31の長手方向の端面33は、第一経路部21の側面23に対向している。そして、第二経路部31の端面33が、第一経路部21の側面23に設けられている開口部24を囲むように、第二経路部31の端面33が第一経路部21の側面23に、直接的に又は間接的に突き当てられている。なお、直接的に突き当てられているとは、第二経路部31の端面33が第一経路部21の側面23が直接接触している状態をいうものとし、間接的に突き当てられているとは、第二経路部31の端面33が第一経路部21の側面23との間に他の部材など(後述するシールなど)が介在している状態をいうものとする。すなわち、第二経路部31の端面33が第一経路部21の側面23が直接接触していなくてもよい。
【0037】
また、前記のとおり、開口部24の寸法および形状は、第二経路部31の端面33が第一経路部21の側面23に突き当てられた状態で、第二経路部31の端面33により完全に隠れるように設定されている。このためこの状態では、開口部24は第二経路部31の外部に露出しない。そして、第一経路部21の第一冷媒経路22と第二経路部31の第二冷媒経路32とが、第一経路部21の側面23に設けられている開口部24を介して連通する。このように、第一部材2の第一経路部21と第二部材3の第二経路部31とは、第一冷媒経路22と第二冷媒経路32とが第一部材2の第一経路部21に設けられている開口部24を介して連通するように接続されている。
【0038】
第一経路部21と第二経路部31との接続部(第一経路部21の側面23と第二経路部31の端面33との間)は、シール部42によりシールされている。シール部42は、第一部材2と第二部材3との間において、第一冷媒経路22と第二冷媒経路32の液密性を確保する機能を有する部分である。シール部42は、第一経路部21の側面23に設けられている開口部24を囲むように設けられており、第一経路部21の側面23との第二経路部31の端面33との間に隙間がなくなるように設けられている。
【0039】
シール部42のシール構造として、例えば、第一経路部21の開口部24の回りと第二経路部31の端面33が、全周にわたって隅肉溶接される構成が適用できる。この場合には、この溶接部(溶接金属)がシール部42として機能する。また、第一経路部21の開口部24と第二経路部31の端面33との隙間を塞ぐように樹脂などのシーリング材が充填される構成や、第一経路部21の開口部24と第二経路部31が対向している箇所にシーリング材が盛り付けられる構成が、シール部42のシール構造として適用できる。これらの場合には、シーリング材がシール部42として機能する。なお、シール部42は、溶接部やシーリング材に限定されるものではない。要は、シール部42は、第一経路部21の側面23に設けられている開口部24を囲むように設けられており、第一経路部21の側面23と第二経路部31の端面33との間の隙間を塞ぐものであればよい。
【0040】
第二経路部31の長手方向の端面33が第一経路部21の側面23に突き当てられている状態で、第二接合部35の長手方向における両端部分が、第一接合部25に部分的に重ね合わせられる。すなわち、第一接合部25の一部と第二接合部35の一部とが互いに重畳する。第一接合部25の一部と第二接合部35の一部とが互いに重畳する部分により重畳部41が構成される。なお、本実施形態では、第一接合部25と第二接合部35が上下に重畳しており、第一接合部25が下側に位置し第二接合部35が上側に位置する。そして、第一接合部25と第二接合部35とは、重畳部41において互いに接合(固定)されている。前記のとおり、第二接合部35は第二経路部31の幅方向における外側に突出するように設けられている。このため、重畳部41は、シール部42と異なる位置に位置する部分を有する。このように、第一部材2と第二部材3とは、シール部42とは別の位置に設けられている部分を有する重畳部41において、要求される機械的な結合強度が確保されるように互いに接合(固定されている)。
【0041】
なお、重畳部41における第一接合部25と第二接合部35の接合方法(固定方法)は特に限定されるものではなく、公知の各種接合方法が適用できる。例えば、スポット溶接や隅肉溶接やFSW(摩擦撹拌接合)などが適用できる。要は、第一接合部25と第二接合部35とが、重畳部41において要求される機械的な結合強度が確保されるように互いに接合(固定)される構成であればよい。
【0042】
また、本実施形態では、第一接合部25の上側に第二接合部35が重畳する構成を示すが、第二接合部35の上側に第一接合部25が重畳する構成であってもよい。この場合には、第一部材2が図3に示す第二部材3と同じ断面形状を有し、第二部材3が図2に示す第一部材2と同じ断面形状を有する構成が適用できる。
【0043】
このように、第一部材2と第二部材3とは、シール部42とは別の位置に位置する部分を有する重畳部41において、要求される機械的な結合強度が確保されるように互いに接合されている。このため、バッテリー冷却器1の振動などによって第一部材2と第二部材3との間に力が掛かった場合に、第一接合部25と第二接合部35との接合個所(重畳部41)でこの力を負担することで、シール部42に掛かる力を低減できる。したがって、シール部42の損傷を防止または抑制できる。
【0044】
また、シール部42に掛かる力を低減できるから、第一部材2と第二部材3に強度部材としての機能を持たせることができる。すなわち、シール部42とは別の重畳部41を有さない構成では、シール部42の損傷を防止するために、シール部42に大きな力が掛からないようにしなければならない。このため、シール部42に大きな力が掛からないように、シール部42を保護する強度部材を別途設けなければならないことがある。また、例えば本実施形態に係るバッテリー冷却器1を他の機器等に組み込む場合において、シール部42に大きな力が掛からないように、当該他の機器等に強度部材等を設けなければならないことがある。これに対して本実施形態によれば、シール部42とは別の第一接合部25と第二接合部35において力を負担することで、シール部42に掛かる力を低減できるから、バッテリー冷却器1を振動や外力から保護するための強度部材を省略または簡素化できる。また、バッテリー冷却器1を他の機器等に組み込む場合には、バッテリー冷却器1を当該他の機器の強度部材として機能させることができ、当該他の機器等における強度部材を省略または簡素化できる。
【0045】
第二経路部31の長手方向の端面33は、第一経路部21の側面23(外面)に対向している(直接的又は間接的に突き当てられている)。すなわち、第二経路部31の端面33と第一経路部21の側面23とが対向しており、第二部材3が第一経路部21の内部に入り込んでいない。このため、第一冷媒経路22の内部における冷媒の流れが第二部材3により阻害されることがない。したがって、第一冷媒経路22における冷媒の圧損を低減できる。
【0046】
さらに、このような構成であれば、バッテリー冷却器1が搭載された車両が側突されるなどして第一部材2が第二部材3に押し付けられるような力(横荷重)が掛かった場合に、第一部材2の変形を防止または抑制できる。すなわち、第二部材3の長手方向の端部が第一部材2の第一経路部21の内部に入り込んでいる構成では、横荷重が第一部材2と第二部材3との間のシール部42に掛かる。このため、横荷重が大きいと、シール部42が破損して第一部材2が第二部材3の長手方向に移動する。これに対して、本実施形態によれば、第二部材3の第二経路部31の端面33が第一部材2の第一経路部21の側面23(外面)に対向しているから、第二部材3が突っ張ることで、第一部材2の変位(変形)が防止または抑制される。
【0047】
このように、本実施形態によれば、冷媒の圧損の低減と、シール部42の損傷の防止または抑制と、大きな外力が掛かった場合における第一部材2の変形の防止または抑制とを並立できる。すなわち、第一接合部25と第二接合部35を有さずに第二経路部31の端面33を第一経路部21の側面23に突き当てて接合する構成では、冷媒の圧損を低減でき、また、横荷重が掛かった場合に第一部材2の変形の防止または抑制できる。しかしながら、この構成では、振動などによる力がシール部42に掛かるため、車両に搭載された場合に車両の振動などによってシール部42が損傷するおそれがある。一方、第二部材3の長手方向の端部を第一部材2の第一経路部21の第一冷媒経路22の内部に差し込む構成では、振動などによるシール部42の損傷を防止する効果はあるが、冷媒の圧損が大きくなる。また、第一部材2に横荷重が掛かった場合に、第一部材2の変形を第二部材3によって防止することはできない。
【0048】
これに対して、本実施形態によれば、第二経路部31を第一経路部21の側面23に対向させる(直接的または間接的に突き当てる)構成であるため、第一部材2の第一冷媒経路22において冷媒の圧損の増加を防止または抑制できる。また、このような構成によれば、横荷重が掛かった場合において第二部材3が突っ張ることで第一部材2の変形を防止または抑制できる。そして、シール部42とは別に設けられている第一接合部25と第二接合部35の重畳部41によって互いに接合されているから、振動などによりシール部42に掛かる力を低減できる。
【0049】
また、本実施形態では、第一接合部25と第二接合部35が、いずれも平板状の構成を有している。そして、第一接合部25と第二接合部35が、それらの厚さ方向に重畳している。このような構成であると、第一接合部25と第二接合部35の接合(固定)が容易である。例えば、第一接合部25と第二接合部35とをスポット溶接で接合できる。
【0050】
また、本実施形態では、第一接合部25は、上面視において第一経路部21の外側に設けられており、第一経路部21と上下に重畳しない。具体的には、第一部材2の第一接合部25は、第一経路部21の側面23から幅方向(横方向)外側に突出している。同様に、第二接合部35は、上面視において第二経路部31の外側に設けられており、第二経路部35と上下に重畳しない。このような構成によれば、第一部材2と第二部材3の上下方向寸法を大きくすることなく、重畳部41を設けることができる。
【0051】
ここで、本実施形態に係るバッテリー冷却器1が適用されたバッテリー収容ケース7について説明する。図8は、本実施形態に係るバッテリー冷却器が適用されたバッテリー収容ケース7の構成例を示す外観斜視図である。図8に示すように、バッテリー収容ケース7は、バッテリーを載せることができる支持部材71と、本実施形態に係るバッテリー冷却器1とを有している。
【0052】
支持部材71は、底の浅いトレイ状の形状を有しており、その上側にバッテリーを載せ置くことができるように構成されている。支持部材71は、バッテリー冷却器1の上側に配置されてバッテリー冷却器1に取り付けられている。このため、支持部材71に載置された図略のバッテリーが発する熱は、支持部材71を介してバッテリー冷却器1に伝達される。なお、バッテリー冷却器1の第二経路部31の上面と支持部材71とが直接に接触する構成であってもよく、これらの間に他の部材が介在する構成であってもよい。
【0053】
第一接合部25と第二接合部35の少なくとも一方には、支持部材71を取り付ける(例えば締結する)ための図略の取付手段が設けられる構成であってもよい。このような取付手段としては、例えば、ネジを締結可能なネジ孔や、ナットを締結可能な埋め込みネジなどが適用できる。なお、取付手段は、支持部材71を取り付け可能に構成されていればよく、具体的な構造や数や位置は限定されるものではない。このように、本実施形態に係るバッテリー冷却器1によれば、第一接合部25と第二接合部35の少なくとも一方に、支持部材71を取り付けるための取付手段を設けることができる。このため、別途ブラケットなどといった他の部材を設ける構成と比較して、バッテリー冷却器1の構造の単純化を図ることができるともに、部品点数の削減や、製造工数の削減を図ることができる。
【0054】
また、本実施形態に係るバッテリー冷却器1が適用されたバッテリー収容ケース7においては、バッテリー冷却器1が強度部材としての機能を有する。このため、支持部材71の強度を低くしてバッテリー収容ケース7の軽量化を図ることができる。例えば、バッテリー収容ケース7が搭載された車両が側突された場合に支持部材71の変形を抑制するため、従来構成では支持部材71に補強部材が設けられることがある。具体的には、所定の方向に延伸する梁やリブなどが支持部材71に設けられることがある。しかしながら、支持部材71に梁やリブなどが設けられる構成では、支持部材71の部品点数や重量が増加する。これに対して、本実施形態に係るバッテリー冷却器1が適用されると、バッテリー冷却器1が強度部材として機能するため、支持部材71に設けられる梁やリブの少なくしたり省略したりできる。したがって、強度を低下させることなく、バッテリー収容ケース7の部品点数の削減や軽量化を図ることができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。
【0056】
例えば、前記実施形態では、2つの第一部材2が直線状である構成を例に示したが、2つの第一部材2は直線状でなくてもよく、湾曲した形状であってもよい。また、2つの第一部材2は平行でなくてもよい。要は、バッテリー冷却器1は、互いに離間して配置されている2つの第一部材2と、2つの第一部材2の間に配置されている単数または複数の第二部材3を有する構成であればよい。
【0057】
また、前記実施形態では、各第二部材3が長尺形状であり、長手方向に貫通する第二冷媒経路32を有する構成を示すが、このような構成に限定されるものではない。例えば、各第二部材3は長尺形状でなくてもよい。要は、第二部材3は、第一部材2の側面23に突き当てられる2つの端面33(互いに反対側の端面)どうしを連通する第二冷媒経路32が設けられており、2つの端面33に第二冷媒経路32の開口部が現れている構成であればよく、上面視の形状は限定されるものではない。
【0058】
さらに、第二部材3の数も限定されるものではない。例えば、2本の第一部材2どうしの間に単数の第二部材3が配置される構成であってもよく、複数の第二部材3が配置される構成であってもよい。第二部材3の数は、バッテリー冷却器1や第二部材3の寸法や形状に応じて適宜設定される。そして、第一部材2の第一経路部21の側面23に設けられる開口部24の数は、第二部材3の数に応じて適宜設定される。
【0059】
また、前記実施形態では、第一経路部21の開口部24と第二経路部31の両端面33における第二冷媒経路32の開口部とは、第二経路部31の長手方向視における寸法と形状がほぼ同じである構成を例に示したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、第一経路部21の開口部24の開口面積が、第二冷媒経路32の開口部の開口面積よりも小さくなるように変更してもよい。このような構成とすることで、第一冷媒流路22から第二冷媒流路32への流入、あるいは第二冷媒流路32から第一冷媒流路22へ流出する冷媒の流量を調整することができる。そのため、第一部材2の開口部24の寸法(開口面積)を変更するだけで、第二部材3の冷却性能を調整することができる。
【符号の説明】
【0060】
1…バッテリー冷却器、2…第一部材、21…第一経路部、22…第一冷媒経路、23…第一部材の経路部の側面、24…第一部材の開口部、25…第一接合部、3…第二部材、31…第二経路部、32…第二冷媒経路、33…第二部材の経路部の端面、35…第二接合部、41…重畳部、42…シール部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8