【解決手段】本発明においては、サブカバー300の開口部302を覆う大きさの安全カバー400を備え、安全カバー400が開口部302から外部に露出する過電流トリップ継電器200の設定部210を覆うので、安全カバー400を開かない限り設定部210の操作が防止される。よって、過電流トリップ継電器200の認可されていないユーザによる操作や誤作動による事故を未然に防止することができる。
前記結合突起は、前記サブカバー及び前記第2部材を貫通して融着され、断面の幅が前記第2部材の結合孔の幅より大きくなるように形成される、請求項4に記載の気中遮断器。
前記サブカバーには、前記第1部材の少なくとも一部が厚さ方向に挿入されるように厚さ方向に凹んで形成される挿入凹部が形成され、前記レバーフックが前記一方向に往復移動する領域を制限する、請求項3〜5のいずれかに記載の気中遮断器。
前記安全カバーは、前記サブカバーに対して相対回転する際に、前記第2面が前記サブカバー又は前記メインカバーに接触して回転が制限される第1回転状態と、前記第1回転状態で所定の圧力が加わって最初の回転方向にさらに回転して前記第3面が前記サブカバー又は前記メインカバーに接触する第2回転状態とに回転可能に構成される、請求項11に記載の気中遮断器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような従来の気中遮断器においては、過電流トリップ継電器の設定部及び信号部が外部に露出しており、過電流トリップ継電器が認可されていないユーザにより作動されたり、不具合により誤作動することがあるという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記問題を解決できる気中遮断器を提供することにある。
【0010】
具体的には、本発明の目的は、遮断器本体の一面に設置され、一側に過電流トリップ継電器収容凹部が形成されるメインカバーと、前記過電流トリップ継電器収容凹部に収容され、回路遮断動作に関する設定値を設定するための設定部を備える過電流トリップ継電器と、前記メインカバーに連結されて前記メインカバーと前記過電流トリップ継電器の間を覆い、前記過電流トリップ継電器を外部に露出させる開口部を備えるサブカバーと、前記サブカバーに連結されて前記開口部から外部に露出する前記過電流トリップ継電器の設定部を覆い、前記サブカバーに対して回動可能に構成される安全カバーとを含む、気中遮断器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明による気中遮断器は、遮断器本体の一面に設置され、一側に過電流トリップ継電器収容凹部が形成されるメインカバーと、前記過電流トリップ継電器収容凹部に収容され、回路遮断動作に関する設定値を設定するための設定部を備える過電流トリップ継電器と、前記メインカバーに連結されて前記メインカバーと前記過電流トリップ継電器の間を覆い、前記過電流トリップ継電器を外部に露出させる開口部を備えるサブカバーと、前記サブカバーに連結されて前記開口部から外部に露出する前記過電流トリップ継電器の設定部を覆い、前記サブカバーに対して回動可能に構成される安全カバーとを含む。
【0012】
また、前記サブカバーは、前記サブカバー上で一方向に往復移動することにより、前記安全カバーを前記サブカバーに結合するか又は前記サブカバーから結合解除するように構成されるレバーフックをさらに備えるようにしてもよい。
【0013】
さらに、前記レバーフックは、前記サブカバーの前面に配置される第1部材と、前記サブカバーの背面において前記第1部材に対応する位置に配置される第2部材と、前記第2部材と前記サブカバー間に介在する弾性体とを含み、前記第1部材及び前記第2部材は、前記サブカバーを挟んで互いに結合され、前記弾性体により前記一方向に加圧されるようにしてもよい。
【0014】
さらに、前記第1部材は、背面から突設され、前記サブカバー及び前記第2部材を貫通する結合突起を備え、前記第2部材には、前記結合突起が貫通する結合孔が形成されるようにしてもよい。
【0015】
さらに、前記結合突起は、前記サブカバー及び前記第2部材を貫通して融着され、断面の幅が前記第2部材の結合孔の幅より大きくなるように形成されるようにしてもよい。
【0016】
さらに、前記サブカバーには、前記第1部材の少なくとも一部が厚さ方向に挿入されるように厚さ方向に凹んで形成される挿入凹部が形成され、前記レバーフックが前記一方向に往復移動する領域を制限するようにしてもよい。
【0017】
さらに、前記第1部材には、前記第1部材の前面から側面に向かって厚さ方向に貫通する貫通孔が形成され、前記サブカバーには、前記レバーフックが前記弾性体により前記一方向に加圧されて配置される位置にあるときに、前記貫通孔に連通する連通孔が形成されるようにしてもよい。
【0018】
さらに、前記連通孔は、前記サブカバーの前面及び前記サブカバーの側面を貫通して形成されるようにしてもよい。
【0019】
さらに、前記サブカバーは、背面から突設されて前記弾性体の一端が支持される支持突起を備え、前記第2部材は、前記弾性体の他端に挿入されるように突設される挿入突起を備え、前記レバーフックは、前記支持突起に支持される前記弾性体が前記第2部材を加圧することにより、前記安全カバーが前記サブカバーに結合される第1状態を維持するようにしてもよい。
【0020】
さらに、前記第2部材は、前記サブカバーの開口部に向かって突設される係止突起をさらに備え、前記安全カバーは、前記安全カバーの背面から突設される固定フックを備え、前記固定フックは、前記レバーフックが前記第1状態になると、前記係止突起に係止されて前記サブカバーに結合され、前記レバーフックが前記第1状態から移動して前記弾性体が圧縮される第2状態になると、前記係止突起から分離されるようにしてもよい。
【0021】
さらに、前記安全カバーは、一側から突設され、前記サブカバーに挿入されて前記安全カバーを前記サブカバーに対して相対回転可能にする回転部を含み、前記回転部は、連続的に曲がる曲面からなる第1面と、前記第1面から延び、平坦な平面からなる第2面と、前記第2面と所定の角度をなして延び、平坦な平面からなる第3面とを含むようにしてもよい。
【0022】
さらに、前記安全カバーは、前記サブカバーに対して相対回転する際に、前記第2面が前記サブカバー又は前記メインカバーに接触して回転が制限される第1回転状態と、前記第1回転状態で所定の圧力が加わって最初の回転方向にさらに回転して前記第3面が前記サブカバー又は前記メインカバーに接触する第2回転状態とに回転可能に構成されるようにしてもよい。
【0023】
さらに、前記過電流トリップ継電器の設定部は、所定のイベントが発生すると、表示される信号を確認し、前記過電流トリップ継電器を復元させるための復元ボタンを含み、前記安全カバーは、前記安全カバーが前記サブカバーの開口部を覆った状態で前記復元ボタンを押圧操作できるように、前記復元ボタンに対応する位置にボタン孔が開口するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明においては、サブカバーの開口部を覆う大きさの安全カバーを備え、安全カバーが開口部から外部に露出する過電流トリップ継電器の設定部を覆うので、安全カバーを開かない限り設定部の操作が防止される。よって、過電流トリップ継電器の認可されていないユーザによる操作や誤作動による事故を未然に防止することができる。
【0025】
また、過電流トリップ継電器の復元ボタンに対応する位置に安全カバーのボタン孔が形成されるので、安全カバーがサブカバーに結合されて過電流トリップ継電器の前面が閉鎖された状態でも、ユーザはボタン孔を介して復元ボタンを容易に操作することができる。
【0026】
さらに、レバーフックの貫通孔及びサブカバーの連通孔にワイヤなどを挿入して固定及び接合することにより、レバーフックが第1状態から移動することが制限されるので、ワイヤなどを除去しないと安全カバーが開かず、過電流トリップ継電器の設定部が誤作動したり認可されていないユーザにより作動されることを防止することができる。
【0027】
さらに、安全カバーの回転部の形状により、安全カバーは、第1回転状態から第2回転状態に回動すると、閉じない。よって、安全カバーがサブカバーに向かって閉じることなく、過電流トリップ継電器を操作することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による気中遮断器について詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明による気中遮断器を示す斜視図である。
図2は
図1の気中遮断器のメインカバー、過電流トリップ継電器、サブカバー及び安全カバーを説明するための分解斜視図である。
【0031】
本発明の一実施形態による気中遮断器は、メインカバー100、過電流トリップ継電器200、サブカバー300及び安全カバー400を含む。
【0032】
メインカバー100は、遮断器本体10の一面に設置される。遮断器本体10の前記一面は、遮断器本体10の前面であってもよい。メインカバー100の一側には、過電流トリップ継電器収容凹部102が形成される。過電流トリップ継電器収容凹部102の周辺には、サブカバー300の結合フック305が挿入されて固定される結合フック挿入溝106が形成されてもよい。
【0033】
過電流トリップ継電器200は、メインカバー100の過電流トリップ継電器収容凹部102に収容される。過電流トリップ継電器200の背面からは、過電流トリップ継電器収容凹部102の内部に形成される挿入溝に結合される結合フック205が突設される。
【0034】
過電流トリップ継電器200は、前面に回路遮断動作に関する設定値を設定するための設定部210を含んでもよい。過電流トリップ継電器200の設定部210は、過電流トリップ継電器200の動作時に複数の基準値又は動作感度を設定するための調整ノブ(調整ねじ頭部)211と、所定のイベントが発生すると過電流トリップ継電器200を復元させるための復元ボタン212と、発光ダイオード(Light-Emitting Diode)などを用いて特定の信号のオン又はオフを通知するための信号部213とを含んでもよい。
【0035】
一方、過電流トリップ継電器200は、ディスプレイ220をさらに含んでもよい。ディスプレイ220には、過電流トリップ継電器200の測定電圧及び使用環境に関する情報や、気中遮断器の異常検知時における異常に関する情報などが表示される。
【0036】
ここで、ディスプレイ220は、タッチ入力可能なディスプレイ220であってもよい。タッチ入力可能なディスプレイ220は、過電流トリップ継電器200の操作が可能である。タッチ入力可能なディスプレイ220は、前述した過電流トリップ継電器200の設定部210に含まれるようにしてもよい。
【0037】
サブカバー300は、メインカバー100に連結され、メインカバー100と過電流トリップ継電器200の間を覆う。具体的には、サブカバー300の背面に形成される結合フック305がメインカバー100の結合フック挿入溝106に挿入されることにより、サブカバー300がメインカバー100に結合される。
【0038】
過電流トリップ継電器200は、メインカバー100の過電流トリップ継電器収容凹部102より小さい。ここで、サブカバー300がメインカバー100に結合されることにより、メインカバー100と過電流トリップ継電器200間の空間が覆われる。
【0039】
サブカバー300は、過電流トリップ継電器200を外部に露出させる開口部302を備える。サブカバー300の開口部302は、過電流トリップ継電器200の前面の大きさに対応して形成されてもよい。サブカバー300は、過電流トリップ継電器200の周縁部の一部を覆ってもよい。また、サブカバー300の開口部302は、過電流トリップ継電器200の設定部210及びディスプレイ220を外部に露出させるように形成される。
【0040】
サブカバー300の一方の長辺300aには、後述するレバーフック310が配置され、サブカバー300の他方の長辺300bは、安全カバー400の回転部420に結合されて安全カバー400の相対回転のための軸を提供するようにしてもよい。
【0041】
一方、サブカバー300の一方の長辺300aの上部には、後述する安全カバー400の翼部407が挿入される翼凹部307が形成されてもよい。安全カバー400の翼部407及びサブカバー300の翼凹部307により、安全カバー400及びサブカバー300は滑らかな外観を有することになる。また、安全カバー400をサブカバー300に対して回転させる際に、翼凹部307を用いて容易に回転させることができる。
【0042】
安全カバー400は、開口部402及びボタン孔430が形成されるカバー本体401と、カバー本体401の右側背面に形成される固定フック410と、カバー本体401の右側上端に形成される翼部407と、カバー本体401の左側に形成される回転部420とを含んでもよい。
【0043】
安全カバー400は、サブカバー300に連結され、サブカバー300の開口部302から外部に露出する過電流トリップ継電器200の設定部210を覆う。
【0044】
図1及び
図2に示すように、安全カバー400は、サブカバー300の他方の長辺300bに結合される。具体的には、安全カバー400の回転部420がサブカバー300の回転部挿入凹部330に挿入されて結合される。また、安全カバー400は、サブカバー300に対して回動可能に構成される。安全カバー400は、過電流トリップ継電器200の設定部210及びディスプレイ220を外部から視認できるように、透明な材質からなるようにしてもよい。
【0045】
さらに、安全カバー400は、サブカバー300の開口部302を覆う大きさに形成されてもよい。こうすることにより、安全カバー400がサブカバー300の開口部302から外部に露出する過電流トリップ継電器200の設定部210を覆うので、安全カバー400を開かない限り設定部210の操作が防止される。よって、過電流トリップ継電器200の認可されていないユーザによる操作や誤作動による事故を未然に防止することができる。
【0046】
前述したように、安全カバー400は、開口部402を備えてもよい。安全カバー400の開口部402は、過電流トリップ継電器200のディスプレイ220に対応する位置に形成されてもよい。よって、開口部402によりディスプレイ220の視認性が向上する。
【0047】
また、前述したように、ディスプレイ220がタッチ入力可能なディスプレイ220である場合、安全カバー400がサブカバー300に結合された閉状態でもディスプレイ220を操作することができる。ただし、安全カバー400の閉状態でディスプレイ220のタッチを許容しない場合は、安全カバー400に開口部を備えなくてもよい。
【0048】
過電流トリップ継電器200において所定のイベント、例えば異常信号の検知などが発生した場合、前述したディスプレイ220及び/又は信号部213に信号が表示されるようにしてもよい。この場合、ユーザは、前述した復元ボタン212を押圧操作することにより、当該イベントを確認したという信号を過電流トリップ継電器200に供給し、過電流トリップ継電器200を元の状態に復元することができる。
【0049】
このために、安全カバー400は、
図1に示すように、復元ボタン212に対応する位置に開口するボタン孔430を備え、安全カバー400がサブカバー300の開口部302を覆った状態で復元ボタン212を押圧操作できるようにしてもよい。
【0050】
よって、安全カバー400がサブカバー300に結合されて過電流トリップ継電器200の前面が閉鎖された状態でも、ユーザはボタン孔430を介して復元ボタン212を容易に操作することができる。
【0051】
図3A〜
図3Cは本発明の一実施形態による気中遮断器におけるサブカバーにレバーフックが結合される過程を説明するための分解斜視図及び側面図である。
【0052】
具体的には、
図3A〜
図3Cはそれぞれ第1部材312、第2部材314、弾性体316及びサブカバー300の一部を前方から見た斜視図、後方から見た斜視図、及び側方から見た側面図である。なお、説明の便宜上、
図3Aと
図3Bとは左右を反転させている。
【0053】
同図に示すように、本発明の一実施形態による気中遮断器のサブカバー300は、サブカバー300上で一方向(D1)に往復移動可能に構成されるレバーフック310をさらに含んでもよい。レバーフック310は、一方向(D1)に往復移動することにより、安全カバー400をサブカバー300に結合するか又はサブカバー300から結合解除するように構成される。
【0054】
具体的には、レバーフック310は、第1部材312、第2部材314及び弾性体316を含んでもよい。
【0055】
第1部材312は、サブカバー300の前面に配置される。第1部材312は、サブカバー300の挿入凹部320に挿入されて一方向(D1)に移動するようにしてもよい。第1部材312の前面には、後述する貫通孔312b、及び第1部材312の上下運動を容易にする操作突起312cが備えられてもよい。
【0056】
図3Bに示すように、第1部材312は、背面から突設され、サブカバー300及び第2部材314を貫通する結合突起312aをさらに備えてもよい。結合突起312aは、サブカバー300の挿入孔320a及び第2部材314の結合孔314aを貫通するようにしてもよい。また、
図3Cに示すように、第1部材312及び第2部材314は、サブカバー300を挟んで互いに結合される。
【0057】
結合突起312aは、サブカバー300及び第2部材314を貫通して融着され、断面の幅が第2部材314の結合孔314aの幅より大きくなるように形成されてもよい。
【0058】
具体的には、第1部材312と第2部材314とを結合する過程で、第1部材312の結合突起312aはサブカバー300の挿入孔320a及び第2部材314の結合孔314aを貫通する。その後、結合突起312aの端部を超音波などにより溶融する。
【0059】
結合突起312aの端部が溶融されてから時間が経過して硬化すると、結合突起312aが融着され、結合突起312aの断面の幅が第2部材314の結合孔314aの幅より大きくなる。
【0060】
図4に示すように、第1部材312の結合突起312aの端部が溶融されてから硬化すると、断面の幅が大きくなる。よって、第1部材312の結合突起312aが第2部材314から離脱せず、第1部材312と第2部材314とが結合される。すなわち、第1部材312の結合突起312aが第2部材314の結合孔314aから引き出されないので、第1部材312と第2部材314とが結合された状態が維持される。
【0061】
第2部材314は、サブカバー300の背面において第1部材312に対応する位置に配置される。また、前述したように、第2部材314は、第1部材312の結合突起312aにより第1部材312と結合される。
【0062】
第2部材314は、本体314d、結合孔314a、弾性体挿入突起314b、係止突起314c及び弾性体サイド支持突起314eを含んでもよい。
【0063】
前述したように、結合孔314aには、第1部材312の結合突起312aが貫通する。弾性体挿入突起314bは、弾性体316の一端316aに挿入され、弾性体316を支持する。係止突起314cは、安全カバー400の固定フック410と結合され、安全カバー400の固定フック410を支持する。弾性体サイド支持突起314eは、弾性体316の他端316bの周辺部(サイド)を支持する。
【0064】
弾性体サイド支持突起314eは、互いに離隔して突設される2つの支持突起からなり、2つの弾性体サイド支持突起314e間には、後述するサブカバー300の支持突起335が挿入されるようにしてもよい。
【0065】
サブカバー300には、前述したレバーフック310、とりわけ第1部材312が挿入される挿入凹部320が形成されてもよい。ここで、挿入凹部320は、レバーフック310の第1部材312の少なくとも一部が厚さ方向に挿入されるように厚さ方向に凹んで形成され、レバーフック310が一方向(D1)に往復移動する領域を制限する。
【0066】
一方、サブカバー300の挿入孔320aは、上下方向に長く形成される長孔であってもよい。よって、挿入孔320aに挿入された第1部材312の結合突起312aが上下方向に所定の距離だけ移動することができる。
【0067】
弾性体316は、サブカバー300の背面から突設される支持突起335及び第2部材314から突設される弾性体挿入突起314bにより、サブカバー300と第2部材314間で固定されて第2部材314を加圧するようにしてもよい。すなわち、弾性体316は、第2部材314とサブカバー300間に介在し、第2部材314は、弾性体316により一方向(D1)に加圧される。ここで、弾性体316は、コイルばねであってもよい。
【0068】
前述したように、弾性体316の一端316aには、第2部材314の弾性体挿入突起314bが挿入される。また、第2部材314がサブカバー300に結合される前に弾性体316の一端316aに第2部材314の弾性体挿入突起314bが挿入されると、弾性体316の他端316bは前述した弾性体サイド支持突起314eに固定される。
【0069】
弾性体316が第2部材314に結合された状態で第2部材314がサブカバー300に結合されると、サブカバー300の支持突起335が第2部材314の弾性体サイド支持突起314e間に挿入される。ここで、第2部材314が下方に移動すると、サブカバー300の支持突起335が2つの弾性体サイド支持突起314e間を通過する。
【0070】
すると、弾性体316は、圧縮され、第2部材314を上方に復帰させる力が大きくなる。よって、第1部材312及び第2部材314が前述した一方向(D1)における上方に加圧されて移動する。
【0071】
すなわち、第1部材312と第2部材314とが結合された状態で、弾性体316は、一端316aに第2部材314の弾性体挿入突起314bが挿入され、他端316bがサブカバー300の支持突起335に支持固定される。
【0072】
第1部材312と第2部材314とが結合された状態で、第2部材314は、弾性体316により加圧されて上方に移動する。第2部材314が上方に移動することにより、第2部材314に連結された第1部材312も上方に移動する。ここで、第1部材312及び第2部材314が上方に移動した状態を第1状態とする。
【0073】
第1状態で、レバーフック310は、安全カバー400の固定フック410と結合され、安全カバー400がサブカバー300から離脱しないように維持する。すなわち、レバーフック310は、支持突起335に支持される弾性体316が第2部材314を加圧することにより、安全カバー400がサブカバー300に結合される第1状態を維持する。
【0074】
安全カバー400は、背面から突設される固定フック410を備える。具体的には、
図2及び
図4に示すように、固定フック410は、安全カバー400の背面において、前述したレバーフック310の係止突起314cに結合できる位置に形成される。
【0075】
固定フック410は、レバーフック310が前述した一方向(D1)における上方に移動すると係止突起314cが引き込まれるように、固定フック410の端部411が前述した一方向(D1)における下方に折り曲げられる構造からなるようにしてもよい。よって、第2部材314が上方に移動すると、係止突起314cが固定フック410の端部411と安全カバー400間に引き込まれ、安全カバー400が固定される。
【0076】
固定フック410は、レバーフック310が第1状態になると、係止突起314cに係止されてサブカバー300に結合され、レバーフック310が第1状態から移動して弾性体316が圧縮される第2状態になると、係止突起314cから分離される。
【0077】
一方、安全カバー400がサブカバー300から分離された開状態から閉状態に回動する際に、固定フック410は、第1状態にあるレバーフック310の係止突起314cを加圧してレバーフック310を下方に移動させることにより、第2状態に近い状態に移動させることができる。
【0078】
具体的には、レバーフック310の係止突起314cは、固定フック410を向く一面が曲線の半円形状からなる。また、固定フック410の端部411は、係止突起314cを加圧して移動させることができるように、傾斜して形成される。
【0079】
よって、安全カバー400がサブカバー300に隣接すると、固定フック410の端部411が係止突起314cを加圧して下方に移動させる。そして、固定フック410の端部411が係止突起314cを通過すると、前述した弾性体316により、係止突起314cが上方に復帰して固定フック410と安全カバー400間の空間に挿入され、安全カバー400がサブカバー300に結合されて固定される。
【0080】
図3Bに示すように、レバーフック310が前述した一方向(D1)における上方に移動する際に、結合突起312aがストッパ304に係止されることにより、レバーフック310の上方への移動が制限される。また、レバーフック310が前述した一方向(D1)における下方に移動する際に、弾性体316の圧縮力及び支持突起335が弾性体316を支持する力により、レバーフック310の下方への移動が制限される。
【0081】
本発明の一実施形態による気中遮断器によれば、弾性体316によりレバーフック310が第1状態を維持し、第1状態では、安全カバー400の固定フック410が第2部材314の係止突起314cにより係止される。よって、安全カバー400がサブカバー300から分離されない。本発明においては、簡単な構造により、過電流トリップ継電器200の設定部210が外部に露出して誤作動したり認可されていないユーザにより操作されることを防止することができる。
【0082】
一方、レバーフック310及びサブカバー300は、レバーフック310が上下方向に移動しないように、レバーフック310をサブカバー300に封止するための封止孔を備えてもよい。
【0083】
封止孔は、第1部材312に形成される貫通孔312bと、サブカバー300に形成される連通孔322とを含む。
【0084】
具体的には、
図3Aに示すように、第1部材312には、第1部材312の前面から側面に向かって厚さ方向に貫通する貫通孔312bが形成されてもよい。
【0085】
また、サブカバー300には、レバーフック310が弾性体316により一方向(D1)に加圧されて配置される位置にあるときに、貫通孔312bに連通する連通孔322が形成されてもよい。ここで、連通孔322は、前述した第1状態で貫通孔312bに連通する。また、連通孔322は、サブカバー300の前面に形成される前面連通孔322aから、サブカバー300の側面に形成される側面連通孔322bに連通するように形成されてもよい。
【0086】
ユーザは前述した封止孔にワイヤなどを挿入し、それを固定及び接合することにより、レバーフック310が第1状態から第2状態に移動することを制限することができる。
【0087】
本発明の一実施形態による気中遮断器によれば、ワイヤを封止孔から除去しない限り、安全カバー400をサブカバー300から開くことができない。よって、過電流トリップ継電器200の設定部210が誤作動したり認可されていないユーザにより作動されることを防止することができる。
【0088】
図4は本発明の一実施形態による気中遮断器におけるサブカバー及び安全カバーを説明するための斜視図である。
図5は
図4の安全カバーの回転部を説明するための平面図であり、
図6は
図4の安全カバーがサブカバーに対して回転する動作を説明するための平面図である。
【0089】
安全カバー400は、サブカバー300の他方の長辺300bに対応する位置に形成される回転部420を含んでもよい。回転部420は、安全カバー400の一側から突設される。回転部420は、サブカバー300の回転部挿入凹部330に挿入され、安全カバー400をサブカバー300に対して相対回転可能にする。
【0090】
回転部420は、サブカバー300又はメインカバー100に接触するか又は隣接して配置される回転本体421と、回転本体421から突設される延長ピン425とを含んでもよい。
【0091】
安全カバー400とサブカバー300との結合関係は次の通りである。回転本体421は、回転部挿入凹部330に挿入される。延長ピン425は、回転部挿入凹部330の上下に配置される支持部300b1に形成される延長ピン挿入凹部331に挿入される。
【0092】
支持部300b1が延長ピン425を囲むように配置されることにより、回転部420が回転部挿入凹部330から離脱せず、安全カバー400がサブカバー300に安定して固定される。一方、前述したように、安全カバー400の固定フック410が第2部材314の係止突起314cを加圧すると、レバーフック310が一方向(D1)における下方に移動する。
【0093】
回転本体421は、連続的に曲がる曲面からなる第1面421aと、第1面421aから延び、平坦な平面からなる第2面421bと、第2面421bと所定の角度をなして延び、平坦な平面からなる第3面421cとを含む。
【0094】
図5及び
図6の(a)に示すように、安全カバー400がサブカバー300に結合された閉状態で、第1面421aは、メインカバー100に接触するか又は隣接して配置される。第1面421aは、断面が円周の少なくとも一部であってもよい。第1面421aは、曲面からなるので、安全カバー400を回転させる場合、メインカバー100に接触してもよいが、さらなる圧力は加えない。よって、安全カバー400をサブカバー300に対して回転させる場合、第1面421aがメインカバー100に接触するか又は隣接する際に、スムーズに回転する。一方、安全カバー400の回転本体421は、回転する間、メインカバー100ではなく、サブカバー300に接触するようにしてもよい。
【0095】
図5及び
図6の(b)に示すように、安全カバー400を回転させると、第1面421aから延びて平坦な平面からなる第2面421bがメインカバー100に接触する。この場合、第2面421bが平坦な平面からなるので、第2面421bがメインカバー100に接触する面積が大きくなる。また、第2面421bとメインカバー100が接触するので、所定レベル以上の力が加わらないとさらなる回転が行われない。
【0096】
図6の(b)の状態で安全カバー400を最初の回転方向(開く方向)にさらに回転させる場合、第2面421bと第3面421c間の折り曲げられた折曲線である係止部421dがメインカバー100に係止されるので、安全カバー400は所定レベル以上の力が加わらないと回転しない。
図6の(a)から
図6の(b)まで回転した状態を第1回転状態とする。
【0097】
第1回転状態では、所定レベル以下の力によっても安全カバー400をサブカバー300に向かって回転させることができる。これは、安全カバー400がサブカバー300から開く方向の回転は、第2面421b及び係止部421dにより制限されるのに対して、安全カバー400がサブカバー300に向かって閉じる方向の回転は、相対的に抵抗が少ない第1面421aがメインカバー100に接触又は隣接して配置されるので、容易に行われるからである。
【0098】
図6の(b)の状態で安全カバー400に対して最初の回転方向(開く方向)と同じ方向に所定レベル以上の力を加えると、係止部421d及び/又はメインカバー100が材質の弾性力により瞬間的に変形し、安全カバー400がさらに回転する。
【0099】
具体的には、
図5及び
図6の(c)に示すように、メインカバー100に接触していた第2面421bが回転して第3面421cがメインカバー100に接触する。すなわち、安全カバー400の係止部421dがメインカバー100を押しながら回転する。
【0100】
この場合、第3面421cが第2面421bと所定の角度をなして延びて平坦な平面からなるので、第3面421cがメインカバー100に接触した状態で、安全カバー400はさらに回転しない。第3面421cがメインカバー100に接触した状態を第2回転状態とする。
【0101】
図6の(c)の第2回転状態で安全カバー400を最初の回転方向と逆方向(閉じる方向)に回転させる場合、第2面421bと第3面421c間の折り曲げられた折曲線である係止部421dが再びメインカバー100に係止され、安全カバー400は回転しない。つまり、第2回転状態において、安全カバー400は、メインカバー100に結合される方向(閉じる方向)に所定レベル以上の力が加わらないと回転しない。これは、前述したように、第3面421c及び係止部421dがメインカバー100に接触し、安全カバー400が閉じる方向に回転することを妨げるからである。
【0102】
このような第2回転状態では、安全カバー400に所定レベル以上の力が加わる場合にのみ安全カバー400が第1回転状態に復帰するので、ユーザは、安全カバー400を開放して第2回転状態にした状態で、安全カバー400が回転することなく、過電流トリップ継電器200を便利に操作することができる。
【0103】
すなわち、第1回転状態では、少ない力によっても安全カバー400がサブカバー300に向かって回転するので、ユーザが安全カバー400を開放して第1回転状態にした状態で過電流トリップ継電器200を操作する場合、安全カバー400が閉じてしまうことがある。よって、ユーザは安全カバー400を第1回転状態から第2回転状態に回動させた後に過電流トリップ継電器200を操作することにより、安全カバー400がサブカバー300に向かって閉じることなく、過電流トリップ継電器200を操作することができる。
【0104】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できることを理解するであろう。